JP5442553B2 - 軸受の損傷検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受の損傷検出方法に関する。
内輪および外輪と、この内輪および外輪に接して転動する転動体と、転動体を保持する保持器とを備える軸受について、軸受の損傷を検出する方法が知られている。たとえば、内輪または外輪が回転している時の振動加速度を計測し、得られた波形について包絡線処理後、周波数分析し、損傷により生じる振動の特徴周波数のピークを基に軸受の損傷を検出する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開平9−257651号公報
上述した特許文献に記載の軸受の損傷を検出方法では、損傷により生じる振動の特徴周波数だけでなく、特徴周波数の振動が回転周波数の振動により振幅変調されたうなり成分も利用して損傷を検出することを特徴としている。内輪、外輪、転動体の表面に損傷が存在する場合、内輪の1点が転動体を通る周波数や、外輪の1点が転動体を通る周波数、転動体の1点が内輪および外輪を通る周波数である特徴周波数に基づいて損傷を検出できる。これらの特徴周波数は、内輪および外輪と転動体との間にすべりが生じていない場合、転動体直径、転動体ピッチ円直径、転動体数、転動体接触角、回転している内輪または外輪の回転数から理論的に求めることができる。しかし、実際の軸受では内輪および外輪と転動体との間においてすべりが生じる場合があり、すべりが生じた場合の特徴周波数を理論的に求めることは困難である。
(1) 請求項1の発明による軸受の損傷検出方法は、内輪および外輪と、内輪および外輪と接して転動する転動体と、転動体を保持する保持器とを有する軸受の損傷検出方法において、内輪または外輪の可動側が回転している時の軸受の振動をセンサで測定し、センサで測定して得られた軸受の振動波形を周波数分析し、周波数分析した結果に基づいて、内輪または外輪の可動側の回転周波数frと略等しい範囲を有し、それぞれが互いに重複せず、かつ、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲を少なくとも2つ以上設定し、複数の設定された周波数範囲のそれぞれにおけるピークの周波数を求め、得られたピークの周波数同士の差と、回転周波数frのk倍(kは1以上の整数)とを比較し、比較した両者が一致すると見なせるか否かを判断し、比較した両者が一致すると見なせると判断されると軸受が損傷していると判断することを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の軸受の損傷検出方法において、設定された周波数範囲のそれぞれにおいて最大となるピークの周波数を求め、得られた最大となるピークの周波数同士の差と、内輪または外輪の可動側の回転周波数frのk倍とを比較し、比較した両者が一致すると見なせるか否かを判断し、比較した両者が一致すると見なせると判断されると軸受が損傷していると判断することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明による軸受の損傷検出方法は、内輪および外輪と、内輪および外輪と接して転動する転動体と、転動体を保持する保持器とを有する軸受の損傷検出方法において、内輪または外輪の可動側が回転している時の軸受の振動をセンサで測定し、センサで測定して得られた軸受の振動波形を周波数分析し、周波数分析した結果に基づいて、内輪または外輪の可動側の回転周波数frと略等しい範囲を有し、それぞれが互いに重複せず、かつ、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲をY個(Yは2以上の整数)設定し、Y個の設定された周波数範囲のそれぞれにおける最大ピークの周波数を求め、u番目(uは1以上Y以下の整数)の周波数範囲における最大ピークの周波数をf(u)とした時のuが1からYまでの次数パラメータg(u)=f(u)/fr−(n+u−1)について標準偏差を求め、この標準偏差が基準値よりも小さい場合には、軸受が損傷していると判断することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載の軸受の損傷検出方法において、最大ピークの周波数f(u)の振幅をa(u)とした時のuが1からYまでのa(u)について平均値を求め、この平均値が時間の経過とともに増加した場合には、軸受の損傷が進展したと判断することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の軸受の損傷検出方法において、周波数分析した結果に基づいて得られる周波数のピークのうち、内輪の1点の損傷部分を転動体が通ることによって生じる振動に起因する周波数のピークと、外輪の1点の損傷部分を転動体が通ることによって生じる振動に起因する周波数のピークとのいずれか一つを、設定された周波数範囲のいずれか1つに含まれていることを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸受の損傷検出方法において、転動体直径をd、転動体ピッチ円直径をD、転動体数をZ、転動体接触角をα、内輪または外輪の回転数をNとし、内輪および外輪と転動体との間にすべりが生じないとした時に、内輪の1点を転動体が通る内輪特徴周波数fi=(D+d×cosα)×Z×N/(120×D)と、外輪の1点が転動体を通る外輪特徴周波数fo=(D−d×cosα)×Z×N/(120×D)のいずれか一つをt倍(tは1以上の整数)して回転周波数fr=N/60のr倍(rは整数)を足した値が、設定された周波数範囲に含まれていることを特徴とする。
(7) 請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸受の損傷検出方法において、設定された周波数範囲は、fr×n(nは1以上の整数)より大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲であることを特徴とする。
(8) 請求項8の発明は、請求項6に記載の軸受の損傷検出方法において、設定された周波数範囲は、fr×n(nは1以上の整数)より大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲であることを特徴とする。
(9) 請求項9の発明は、請求項8に記載の軸受の損傷検出方法において、設定された周波数範囲を(2s+1)個(sは1以上の整数)とし、それぞれの周波数範囲をfr×nより大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲、fr×(n+1)より大きくfr×(n+2)より小さい周波数範囲・・・fr×(n+2s)より大きくfr×(n+2s+1)より小さい周波数範囲としたことを特徴とする。
(10) 請求項10の発明は、請求項9に記載の軸受の損傷検出方法において、fi×tおよびfo×tのいずれか1つが、fr×(n+s)より大きくfr×(n+s+1)より小さい範囲に含まれていることを特徴とする。
本発明によれば、内輪または外輪と転動体との間にすべりが生じても、軸受の損傷を検出できる。
本発明に係る軸受の損傷検出装置の構成を示す図である。 単列深みぞ玉軸受の構造を示す断面図である。 第1の実施の形態の軸受の損傷検出の処理内容を示すフローチャートである。 軸受の振動波形を周波数分析した結果の一例を示す図である。 第2の実施の形態の軸受の損傷検出の処理内容を示すフローチャートである。 軸受の振動波形を周波数分析した結果の一例を示す図である。 第3の実施の形態の軸受の損傷検出の処理内容を示すフローチャートである。 図6に示す周波数分析結果に係る軸受を所定の時間使用した後、再び周波数分析した結果の一例を示す図である。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜4を参照して、本発明による軸受の損傷検出方法の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明による軸受の損傷検出方法に係る軸受の損傷検出装置の構成を示す図であり、図2は、軸受の一例としてラジアル玉軸受である単列深みぞ玉軸受の構造を示す断面図である。本実施の形態の軸受の損傷検出装置は、振動加速度を計測する加速度センサ7と、加速度センサ7から出力される信号を増幅するアンプ8と、アンプ8を介して入力される加速度センサ7からの信号を受信する計測装置9とを備えている。本実施の形態の軸受の損傷検出装置は、軸受損傷の検出対象である軸受が設けられている機器に常設されていてもよく、複数の機器にそれぞれ設けられた軸受の損傷検出ができるように可搬型の装置でもよい。以下の説明では、損傷の検出対象である軸受が設けられている機器に軸受の損傷検出装置が常設されているものとして説明する。
加速度センサ7は、軸受10を保持している保持部材5に取り付けられた3次元(3軸)加速度センサであり、保持部材5を介して軸受10で発生する振動の振動加速度を計測する。なお、保持部材5は、軸受10が取り付けられている機器のうち、軸受10を保持している部材であり、たとえば、本実施の形態では軸受10の外輪1を保持している。加速度センサ7は、少なくとも、軸受10の半径方向と加速度センサ7の検出方向の1つとを一致させるように、保持部材5に対して取り付けられている。
計測装置9は、演算部9aと、警報部9bとを備えている。演算部9aは、演算装置やメモリ、周辺回路などを備えており、加速度センサ7から出力される振動波形の信号に対して、包絡線処理や周波数分析を行い、後述するように軸受10に損傷があるか否かを判定する。警報部9bは、演算部9aで軸受10に損傷があると判定されると、その旨を報知するための警報を発する。
軸受10は、保持部材5に固定された外輪1と、シャフト6に固定されていて回転するシャフト6と共に回転する内輪2と、外輪1および内輪2と接して転動する転動体3と、転動体3を保持する保持器4とを備えている。
このように構成される軸受の損傷検出装置では、軸受10の損傷を次のようにして検出する。転動体直径をd、転動体ピッチ円直径をD、転動体数をZ、転動体接触角をα、回転数をNとすると、内輪2および外輪1と転動体3との間ですべりが生じない場合、回転周波数frと、内輪2の1点が転動体3を通る周期の逆数である内輪特徴周波数fiと、外輪1の1点が転動体3を通る周期の逆数である外輪特徴周波数foはそれぞれ次式(1)〜(3)のように表される。
fr=N/60 ・・・(1)
fi=(D+d×cosα)×Z×N/(120×D) ・・・(2)
fo=(D−d×cosα)×Z×N/(120×D) ・・・(3)
図3は、第1の実施の形態の軸受の損傷検出の処理内容を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、内輪2の損傷の有無を検出する処理内容を例に説明する。軸受の損傷検出装置の不図示の電源スイッチがオンされて軸受の損傷検出の開始が指示されると、この処理を行うプログラムが周期的(たとえば数秒毎)に起動されて、計測装置9の演算部9aで実行される。ステップS1において、軸受10で発生する振動の振動加速度を計測して、すなわち、アンプ8を介して入力される加速度センサ7からの信号を読み込んでステップS3へ進む。ステップS3において、ステップS1で計測した振動加速度の振動波形に対して公知の周波数分析を行ってステップS5へ進む。
ステップS5において、ステップS3で行った周波数分析の結果に対して、次の第1の周波数範囲と第2の周波数範囲とを設ける。第1の周波数範囲は、fr×n(nは1以上の整数)より大きくfr×(n+1)より小さい範囲とするが、理論上の内輪特徴周波数fiをt倍(tは1以上の整数)して回転周波数frのr倍(rは整数)を足した値を含むようにnを設定する。第2の周波数範囲は、fr×m(mはnとは異なる1以上の整数)より大きくfr×(m+1)より小さい範囲とするが、理論上の内輪特徴周波数fiをc倍(cは1以上の整数)して回転周波数frのe倍(eは整数)を足した値を含むようにmを設定する。
軸受10が搭載されている機器によっては、回転周波数frの整数倍のピークが大きくなる。そこで、上述したように、たとえば、第1の周波数範囲をfr×nより大きくfr×(n+1)より小さい範囲に設定することで、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲を設定し、損傷に起因する特徴周波数のピークを回転周波数frの整数倍のピークと分けて検出できる。第2の周波数範囲についても同様である。
内輪2上に損傷が存在し、内輪2および外輪1と転動体3との間にすべりが生じている場合、理論上の内輪特徴周波数fiからずれた周波数に実際の内輪特徴周波数のピークが検出される。しかし、このずれ具合は回転数やトルク、潤滑状態などの条件により異なるため、理論的に求めることは困難である。また、内輪特徴周波数の振動が回転周波数の振動で振幅変調されると、内輪特徴周波数を中心として回転周波数frを間隔とした一連の周波数のピークが検出される。すなわち、実際の内輪特徴周波数のピークと、実際の内輪特徴周波数に回転周波数frの整数倍(すなわち1,2・・・および−1,−2・・・)を足した周波数のピークとが検出される。外輪特徴周波数foについても同様である。
第1の周波数範囲における最大ピークの周波数をf(n)、第2の周波数範囲における最大ピークの周波数をf(m)とすると、内輪2上に損傷がある場合、周波数間隔d=f(m)―f(n)と回転周波数frの(m−n)倍が等しくなる。そこで、演算部9aは、d−fr×(m−n)の絶対値と基準値jとを比較し、基準値jより小さい時には両者が一致しているものとみなして、軸受10に損傷があると判定する。なお、この基準値jは、実験等によって求められ、あらかじめ定められた値である。
そこで、ステップS7において、ステップS5で設定した第1の周波数範囲で最大ピークとなる周波数f(n)を抽出し、ステップS5で設定した第2の周波数範囲で最大ピークとなる周波数f(m)を抽出してステップS9へ進む。ステップS9において、ステップS7で抽出した周波数f(n),f(m)の差である周波数間隔d=f(m)−f(n)を算出してステップS11へ進む。
ステップS11において、ステップS9で算出した周波数間隔dと回転周波数frの(m−n)倍との差の絶対値が、あらかじめ定められた基準値j以上であるか否かを判断する。ステップS11が肯定判断されると本プログラムを終了する。ステップS11が否定判断されるとステップS13へ進み、軸受10に異常がある旨の報知をするように警報部9bへ信号を出力する。なお、警報部9bでは、演算部9aからの信号を受信すると軸受10に異常がある旨の警報を発する。ステップS13が実行されると本プログラムを終了する。
図4は、軸受の振動波形を周波数分析した結果の一例を示す図であり、転動体直径dが5mm、転動体ピッチ円直径が40mm、転動体数Zが18本、転動体接触角αが0度の円筒ころ軸受を回転数1800rpmで回転させた場合の一例を示している。この場合、回転周波数frは30Hz、内輪2上に1点の損傷が存在する場合の理論上の内輪特徴周波数fiは303.75Hzとなる。図4に示すとおり、t=1とし、r=−1とすると、理論上の内輪特徴周波数fi(303.75Hz)の1倍に回転周波数fr(30Hz)の(−1)倍を足した周波数を含む第1の周波数範囲は、回転周波数frの9倍の270Hzより大きく回転周波数frの10倍の300Hzより小さい周波数範囲で、n=9となる。
一方、c=1とし、e=1とすると、理論上の内輪特徴周波数fi(303.75Hz)の1倍に回転周波数fr(30Hz)の1倍を足した周波数を含む第2の周波数範囲は、回転周波数frの11倍の330Hzより大きく回転周波数frの12倍の360Hzより小さい周波数範囲で、m=11となる。演算部9aは、第1および第2の周波数範囲における最大ピークf(n),f(m)から、周波数間隔d=f(m)−f(n)を求め、周波数間隔dから回転周波数frの(m−n)倍、すなわち(11−9)である2倍を引いた値の絶対値が基準値jより小さい場合に軸受の損傷があると判定する。
なお、上述の説明では、内輪2の損傷の有無を検出する処理内容を例に説明したが、外輪1の損傷の有無の検出についても同様である。外輪1の損傷の有無を検出する場合には、内輪特徴周波数fiに代えて外輪特徴周波数foを用いればよい。以下に説明する、第2および第3の実施の形態についても同様である。
上述した第1の実施の形態の軸受の損傷検出方法によれば次の作用効果を奏する。
(1) 周波数分析の結果に対して、fr×nより大きくfr×(n+1)より小さい第1の周波数範囲と、fr×mより大きくfr×(m+1)より小さい第2の周波数範囲を設け、第1および第2の周波数範囲におけるピークの周波数f(n),f(m)を求めるように構成した。そして、周波数間隔d=f(m)―f(n)と回転周波数frの(m−n)倍との差の絶対値が基準値jより小さい時には両者が一致しているものとみなして、軸受10に損傷があると判定するように構成した。これにより、内輪2および外輪1と転動体3との間ですべりが生じても、損傷による振動の周波数を検出できるので、軸受10の損傷を確実に検出できる。
(2) 第1の周波数範囲における最大ピークの周波数f(n)、および、第2の周波数範囲における最大ピークの周波数f(m)を抽出し、抽出した最大ピークの周波数f(n),f(m)に基づいて、軸受10に損傷があるか否かを判定するように構成した。第1の周波数範囲における最大ピークの周波数f(n)、および、第2の周波数範囲における最大ピークの周波数f(m)は、軸受10の損傷による振動に起因した周波数のピークと考えられる。したがって、軸受10の損傷による振動に起因した周波数のピークを選択できるようになるので、軸受10の損傷の有無を精度よく判定できる。
(3) 理論上の内輪特徴周波数fiをt倍して回転周波数frのr倍を足した値を含むようにnを設定するようにした。また、理論上の内輪特徴周波数fiをc倍して回転周波数frのe倍を足した値を含むようにmを設定するようにした。これにより、内輪2および外輪1と転動体3との間にすべりが生じていても、第1および第2の周波数範囲に実際の内輪特徴周波数のピーク、または、実際の内輪特徴周波数に回転周波数frの整数倍を足した周波数のピークが含まれるようになるので、第1および第2の周波数範囲を適切に設定でき、軸受10の損傷の有無を精度よく判定できる。
(4) 第1の周波数範囲をfr×nより大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲とし、第2の周波数範囲をfr×mより大きくfr×(m+1)より小さい周波数範囲とするように構成した。これにより、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲を設定し、最大ピークの周波数f(n),f(m)を回転周波数frの整数倍のピークと分けて検出できるので、回転周波数frの整数倍の周波数のピークに影響を受けることなく、軸受10の損傷による振動に起因した周波数のピークを選択できるようになり、軸受10の損傷の有無を精度よく判定できる。
−−−第2の実施の形態−−−
図5,6を参照して、本発明による軸受の損傷検出方法の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、後述する次数に基づいて軸受10の損傷の有無の判定する点で、第1の実施の形態と異なる。
図5は、第2の実施の形態の軸受の損傷検出の処理内容を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、内輪2の損傷の有無を検出する処理内容を例に説明する。軸受の損傷検出装置の不図示の電源スイッチがオンされて軸受の損傷検出の開始が指示されると、この処理を行うプログラムが周期的(たとえば数秒毎)に起動されて、計測装置9の演算部9aで実行される。ステップS1およびステップS3は、第1の実施の形態の図3におけるステップS1およびステップS3と同じである。
ステップS3が実行されるとステップS25へ進み、ステップS3で行った周波数分析の結果に対して、(2s+1)個(sは1以上の整数)の、すなわち奇数個の周波数範囲を設け、それぞれの周波数範囲を順にfr×n(nは1以上の整数)より大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲、fr×(n+1)より大きくfr×(n+2)より小さい周波数範囲・・・fr×(n+2s)より大きくfr×(n+2s+1)より小さい周波数範囲とする。また、(2s+1)個の周波数範囲のうち中心の周波数範囲となるfr×(n+s)より大きくfr×(n+s+1)より小さい周波数範囲に理論上の内輪特徴周波数fiをt倍(tは1以上の整数)して回転周波数frのw倍(wは整数)を足した値を含むようにnを設定する。
このように、設ける周波数範囲を回転周波数frだけ離間した奇数個としたのは、次の理由からである。上述したように、特徴周波数の振動が回転周波数の振動で振幅変調されると、特徴周波数を中心として回転周波数frを間隔とした一連の周波数のピークが検出される。すなわち、実際の特徴周波数のピークを中心として、実際の特徴周波数に回転周波数frの自然数倍を足した周波数のピーク、および、実際の特徴周波数に回転周波数frの自然数倍を減じた周波数のピークとが検出される。そのため、奇数個の周波数範囲について、実際の特徴周波数のピークが(2s+1)個の周波数範囲のうち中心の周波数範囲に含まれるように各周波数範囲を設定すれば、実際の特徴周波数に回転周波数frの自然数倍を足した周波数のピークと、実際の特徴周波数に回転周波数frの自然数倍を減じた周波数のピークとが同数含まれる。このように複数の周波数範囲を設定できれば、実際の特徴周波数および実際の特徴周波数の振動が振幅変調された振動の周波数を精度よく検出できるので、後述する次数に基づく軸受10の損傷の有無の判定精度を向上できる。
各周波数範囲のうち、周波数が小さい方からu番目(uは1以上、2s+1以下の整数)の周波数範囲における最大ピークの周波数をf(u)とすると、f(u)の回転周波数frに対する次数はf(u)/frと表される。隣り合うf(u)の間隔が回転周波数frとなっている場合、次数はちょうど1だけ異なる値となる。
そのため、f(u)の回転周波数frに対する次数の小数点以下の値を次数パラメータg(u)=f(u)/fr−(n+u−1)とすると、f(u)の間隔が回転周波数frとなっている場合、次数パラメータg(u)はほぼ等しい値となる。このことを利用し、uが1から(2s+1)までの次数パラメータg(u)について標準偏差を求めることで、f(u)の間隔が回転周波数frになっているかどうかを判定することができる。次数パラメータg(u)の標準偏差と基準値iを比較し、次数パラメータg(u)の標準偏差が基準値iより小さい場合に、軸受に損傷があると判定する。なお、この基準値iは、実験等によって求められ、あらかじめ定められた値である。
そこで、ステップS27において、ステップS25で設定した(2s+1)個の周波数範囲のそれぞれで最大ピークの周波数を抽出して、周波数f(u)を抽出してステップS29へ進む。ステップS29において、ステップS27で抽出した周波数f(u)から次数パラメータg(u)を算出してステップS31へ進む。
ステップS31において、ステップS29で算出した次数パラメータg(u)の標準偏差を求め、次数パラメータg(u)が基準値i以上であるか否かを判断する。ステップS31が肯定判断されると本プログラムを終了する。ステップS31が否定判断されるとステップS13へ進む。ステップS13は、第1の実施の形態の図3におけるステップS13と同じである。
図6は、軸受の振動波形を周波数分析した結果の一例を示す図であり、転動体直径dが5mm、転動体ピッチ円直径が40mm、転動体数Zが18本、転動体接触角αが0度の円筒ころ軸受を回転数1800rpmで回転させた場合の一例を示している。図6に示すように、理論上の内輪特徴周波数fi(303.75Hz)を含む中心周波数範囲を回転周波数frの10倍より大きく回転周波数frの11倍より小さい周波数範囲として、5個(s=2)の周波数範囲を設けるとすると、n+s=10よりn=8となる。よって、5個の周波数範囲は、次の第1〜第5の周波数範囲となる。
第1の周波数範囲は、回転周波数frの8倍の240Hzより大きく回転周波数frの9倍の270Hzより小さい周波数範囲である。第2の周波数範囲は、回転周波数frの9倍の270Hzより大きく回転周波数frの10倍の300Hzより小さい周波数範囲である。第3の周波数範囲は、回転周波数frの10倍の300Hzより大きく回転周波数frの11倍の330Hzより小さい周波数範囲である。第4の周波数範囲は、回転周波数frの11倍の330Hzより大きく回転周波数frの12倍の360Hzより小さい周波数範囲である。第5の周波数範囲は、回転周波数frの12倍の360Hzより大きく回転周波数frの13倍の390Hzより小さい周波数範囲である。
図6において第1〜5の周波数範囲における最大ピークの周波数をそれぞれf(1)〜f(5)を求め、それぞれ次数パラメータg(u)を求める。これら5つの次数パラメータの標準偏差と基準値iを比較し、次数パラメータg(u)の標準偏差が基準値iより小さい場合に、軸受に損傷があると判定する。
上述した第2の実施の形態の軸受の損傷検出方法では、第1の実施の形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(1) 設ける周波数範囲を(2s+1)個とし、それぞれの周波数範囲をfr×nより大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲、fr×(n+1)より大きくfr×(n+2)より小さい周波数範囲・・・fr×(n+2s)より大きくfr×(n+2s+1)より小さい周波数範囲とした。そして、(2s+1)個の周波数範囲のうち中心の周波数範囲となるfr×(n+s)より大きくfr×(n+s+1)より小さい周波数範囲に理論上の内輪特徴周波数fiをt倍して回転周波数frのw倍を足した値を含むようにnを設定するようにした。これにより、実際の特徴周波数および実際の特徴周波数の振動が振幅変調された振動の周波数を精度よく検出できるので、軸受10の損傷の有無の判定精度を向上できる。
(2) f(u)の回転周波数frに対する次数パラメータg(u)を算出し、次数パラメータg(u)の標準偏差と基準値iを比較して、次数パラメータg(u)の標準偏差が基準値iより小さい場合に、軸受10に損傷があると判定するようにした。これにより、検出された周波数が特徴周波数および特徴周波数の振動が振幅変調された振動の周波数であるかどうかを一つのパラメータで判定して、軸受10の損傷の有無を判定できるので、軸受10の損傷の有無の判定精度を向上できる。
−−−第3の実施の形態−−−
図7,8を参照して、本発明による軸受の損傷検出方法の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1および第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1または第2の実施の形態と同じである。本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に次数パラメータg(u)に基づいて軸受10の損傷の有無を判定する他に、主に、各周波数範囲における最大ピークの周波数f(u)の振幅値の平均値が経時的に変化したか否かによって、軸受10の損傷が進展しているか否かを判定する点で、第1および第2の実施の形態と異なる。
図7は、第3の実施の形態の軸受の損傷検出の処理内容を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、内輪2の損傷の有無を検出する処理内容を例に説明する。軸受の損傷検出装置の不図示の電源スイッチがオンされて軸受の損傷検出の開始が指示されると、この処理を行うプログラムが周期的(たとえば数秒毎)に起動されて、計測装置9の演算部9aで実行される。ステップS1およびステップS3、ステップS25〜S31、ステップS13は、第2の実施の形態の図7における各ステップと同じである。
ステップS13が実行されるとステップS41へ進み、周波数f(u)の振幅値a(u)について、uが1から(2s+1)までのa(u)の平均値Aを求め、求めた平均値Aを現在の日時の情報とともに不図示のメモリに記憶させてステップS43へ進む。なお、現在の日時の情報は、計測装置9の不図示のリアルタイムクロックから取得する。ステップS43において、不図示のメモリに記憶された平均値Aのうち、現在の日時より所定の期間Ta以上前の期間内に記憶されたものがあれば、その中から最も新しい平均値A(以下、前回の平均値A)をメモリ読み出して、ステップS41で今回算出した平均値A(以下、今回の平均値A)と比較する。そして、今回の平均値Aが前回の平均値Aよりも大きい値であるか否かを判断する。なお、所定の期間Taは、負荷の大きさや軸受10が設けられている機器における軸受10の重要度などに応じて適宜定められている。
ステップS43が否定判断されると本プログラムを終了する。すなわち、不図示のメモリに現在の日時より所定の期間以上前の期間内に記憶された平均値Aが存在しなかった場合や、今回の平均値Aが前回の平均値A以下である場合には、本プログラムを終了する。ステップS43が肯定判断されると、すなわち、今回の平均値Aが前回の平均値Aよりも大きい値である場合には、ステップS45へ進む。ステップS45において、軸受10の異常が進展した旨の報知をするように警報部9bへ信号を出力する。なお、警報部9bでは、演算部9aからの信号を受信すると軸受10の異常が進展した旨の警報を発する。ステップS45が実行されると本プログラムを終了する。
図8は、図6に示す周波数分析結果に係る軸受を所定の時間使用した後、再び周波数分析した結果の一例を示す図である。図6に示す周波数分析結果に基づいて、演算部9aは、g(u)の標準偏差が基準値iを下回っており軸受に損傷があると判定された場合、各周波数f(1)〜f(5)の振幅値a(1)〜a(5)の平均値Aを算出し、算出した平均値Aを現在の日時の情報とともに不図示のメモリに記憶させる。また、演算部9aは、図8に示す周波数分析結果に基づいて、g(u)の標準偏差が基準値iを下回っており軸受に損傷があると判定された場合、各周波数f(1)〜f(5)の振幅値a(1)〜a(5)の平均値Aを算出し、算出した平均値Aを現在の日時の情報とともに不図示のメモリに記憶させる。
演算部9aは、図6に示す周波数分析結果に基づいて算出した平均値Aが図8に示す周波数分析結果に基づいて平均値Aを算出した時点から所定の期間Ta以上前の期間内に記憶されたものであれば、図6に示す周波数分析結果に基づいて算出した平均値Aと図8に示す周波数分析結果に基づいて平均値Aとを比較する。図8に示す周波数分析結果に基づいて算出した平均値Aが図6に示す周波数分析結果に基づいて算出した平均値Aよりも大きい場合、演算部9aは、軸受の損傷が進展していると判定する。
上述した第3の実施の形態の軸受の損傷検出方法では、第1および第2の実施の形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(1) 各周波数範囲における最大ピークの周波数f(u)の振幅値の平均値が経時的に変化したか否かによって、軸受10の損傷が進展しているか否かを判定するようにした。これにより、軸受10の損傷の進展度合を判定できるので、軸受10の適切な交換時期が分かるようになり、軸受10を効率的に使用および交換できる。
−−−変形例−−−
(1) 上述した第1の実施の形態では、周波数間隔dを算出する周波数範囲が2つであったが、本発明はこれに限定されない。たとえば、周波数間隔dを算出する周波数範囲が3つ以上であってもよい。たとえば、周波数間隔dを算出する周波数範囲が第1〜第3の周波数範囲の3つであり、第1〜第3の周波数範囲におけるピークの周波数f(n),f(m),f(l)である場合について考える。周波数間隔d1をd1=f(m)―f(n)とし、周波数間隔d2をd2=f(n)―f(l)とし、周波数間隔d3をd3=f(l)―f(m)とする。そして、たとえば、すべての周波数間隔d1〜d3に関して、d1−fr×(m−n)の絶対値、d2−fr×(n−l)の絶対値、d3−fr×(l−m)の絶対値がすべて基準値jより小さい時に軸受10に損傷があると判定するようにしてもよい。また、たとえば、d1−fr×(m−n)の絶対値、d2−fr×(n−l)の絶対値、d3−fr×(l−m)の絶対値のうち、2つの絶対値(すなわち過半数の絶対値)が基準値jより小さい時に軸受10に損傷があると判定するようにしてもよい。
(2) 上述の説明では、各周波数範囲における最大ピークの周波数に基づいて、軸受10に損傷があるか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、各周波数範囲における最大ピークの周波数でなく、2番目に大きいピークの周波数や3番目に大きいピークの周波数に基づいて、軸受10に損傷があるか否かを判定するようにしてもよい。各周波数範囲に他の要因で発生した周波数のピークが現れる可能性があるからである。
(3) 上述の説明では、たとえば、第1の周波数範囲であれば、fr×nより大きくfr×(n+1)より小さい範囲に設定することで、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲を設定して、回転周波数frの整数倍の周波数のピークの影響を排除するようにしているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、回転周波数frの整数倍を含む周波数範囲を設定した場合には、検出される回転周波数の整数倍の周波数のピークを軸受10に損傷があるか否かを判定する際の演算から除外することで、回転周波数frの整数倍の周波数のピークの影響を排除するようにしてもよい。
(4) 上述した第2および第3の実施の形態では、設ける周波数範囲を回転周波数frだけ離間した奇数個としたが、偶数個でもよい。
(5) 上述の説明では、加速度センサ7が3軸加速度センサであるが、本発明はこれに限定されない。少なくとも1つの軸線方向の振動加速度を計測できる加速度センサであればよい。
(6) 上述の説明では、内輪2が回転するものとして説明しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、内輪2が静止していて外輪1が回転するように軸受10が配設されていてもよく、外輪1および内輪2がともに回転するように軸受10が配設されていてもよい。たとえば、内輪2が静止していて外輪1が回転するように軸受10が配設されている場合には、加速度センサ7をシャフト6に取り付けてもよい。この場合であっても、内輪特徴周波数fiおよび外輪特徴周波数foを算出した式(2)〜式(3)をそのまま用いることができる。また、外輪1および内輪2がともに回転するように軸受10が配設されていている場合には、加速度センサ7を保持部材5に取り付けてもよく、シャフト6に取り付けてもよい。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、内輪および外輪と、内輪および外輪と接して転動する転動体と、転動体を保持する保持器とを有する軸受の損傷検出方法において、内輪または外輪の可動側が回転している時の軸受の振動をセンサで測定し、センサで測定して得られた軸受の振動波形を周波数分析し、周波数分析した結果に基づいて、内輪または外輪の可動側の回転周波数frと略等しい範囲を有し、それぞれが互いに重複せず、かつ、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲を少なくとも2つ以上設定し、複数の設定された周波数範囲のそれぞれにおけるピークの周波数を求め、得られたピークの周波数同士の差と、回転周波数frのk倍(kは1以上の整数)とを比較し、比較した両者が一致すると見なせるか否かを判断し、比較した両者が一致すると見なせると判断されると軸受が損傷していると判断することを特徴とする各種の軸受の損傷検出方法を含むものである。
また、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、内輪および外輪と、内輪および外輪と接して転動する転動体と、転動体を保持する保持器とを有する軸受の損傷検出方法において、内輪または外輪の可動側が回転している時の軸受の振動をセンサで測定し、センサで測定して得られた軸受の振動波形を周波数分析し、周波数分析した結果に基づいて、内輪または外輪の可動側の回転周波数frと略等しい範囲を有し、それぞれが互いに重複せず、かつ、回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲をY個(Yは2以上の整数)設定し、Y個の設定された周波数範囲のそれぞれにおける最大ピークの周波数を求め、u番目(uは1以上Y以下の整数)の周波数範囲における最大ピークの周波数をf(u)とした時のuが1からYまでの次数パラメータg(u)=f(u)/fr−(n+u−1)について標準偏差を求め、この標準偏差が基準値よりも小さい場合には、軸受が損傷していると判断することを特徴とする各種の軸受の損傷検出方法を含むものである。
1 外輪 2 内輪
3 転動体 4 保持器
5 保持部材 7 加速度センサ
8 アンプ 9 計測装置
10 軸受

Claims (10)

  1. 内輪および外輪と、前記内輪および前記外輪と接して転動する転動体と、前記転動体を保持する保持器とを有する軸受の損傷検出方法において、
    前記内輪または前記外輪の可動側が回転している時の前記軸受の振動をセンサで測定し、
    前記センサで測定して得られた前記軸受の振動波形を周波数分析し、
    前記周波数分析した結果に基づいて、前記内輪または前記外輪の可動側の回転周波数frと略等しい範囲を有し、それぞれが互いに重複せず、かつ、前記回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲を少なくとも2つ以上設定し、
    複数の前記設定された周波数範囲のそれぞれにおけるピークの周波数を求め、
    得られたピークの周波数同士の差と、前記回転周波数frのk倍(kは1以上の整数)とを比較し、比較した両者が一致すると見なせるか否かを判断し、比較した両者が一致すると見なせると判断されると前記軸受が損傷していると判断することを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  2. 請求項1に記載の軸受の損傷検出方法において、
    前記設定された周波数範囲のそれぞれにおいて最大となるピークの周波数を求め、
    得られた最大となるピークの周波数同士の差と、前記内輪または前記外輪の可動側の回転周波数frのk倍とを比較し、比較した両者が一致すると見なせるか否かを判断し、比較した両者が一致すると見なせると判断されると前記軸受が損傷していると判断することを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  3. 内輪および外輪と、前記内輪および前記外輪と接して転動する転動体と、前記転動体を保持する保持器とを有する軸受の損傷検出方法において、
    前記内輪または前記外輪の可動側が回転している時の前記軸受の振動をセンサで測定し、
    前記センサで測定して得られた前記軸受の振動波形を周波数分析し、
    前記周波数分析した結果に基づいて、前記内輪または前記外輪の可動側の回転周波数frと略等しい範囲を有し、それぞれが互いに重複せず、かつ、前記回転周波数frの整数倍を含まない周波数範囲をY個(Yは2以上の整数)設定し、
    Y個の前記設定された周波数範囲のそれぞれにおける最大ピークの周波数を求め、
    u番目(uは1以上Y以下の整数)の前記周波数範囲における最大ピークの周波数をf(u)とした時のuが1からYまでの次数パラメータg(u)=f(u)/fr−(n+u−1)について標準偏差を求め、この標準偏差が基準値よりも小さい場合には、前記軸受が損傷していると判断することを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  4. 請求項3に記載の軸受の損傷検出方法において、
    前記最大ピークの周波数f(u)の振幅をa(u)とした時のuが1からYまでのa(u)について平均値を求め、この平均値が時間の経過とともに増加した場合には、前記軸受の損傷が進展したと判断することを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の軸受の損傷検出方法において、
    前記周波数分析した結果に基づいて得られる周波数のピークのうち、内輪の1点の損傷部分を転動体が通ることによって生じる振動に起因する周波数のピークと、外輪の1点の損傷部分を転動体が通ることによって生じる振動に起因する周波数のピークとのいずれか一つを、前記設定された周波数範囲のいずれか1つに含まれていることを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸受の損傷検出方法において、
    転動体直径をd、転動体ピッチ円直径をD、転動体数をZ、転動体接触角をα、内輪または外輪の回転数をNとし、内輪および外輪と転動体との間にすべりが生じないとした時に、内輪の1点を転動体が通る内輪特徴周波数fi=(D+d×cosα)×Z×N/(120×D)と、外輪の1点が転動体を通る外輪特徴周波数fo=(D−d×cosα)×Z×N/(120×D)のいずれか一つをt倍(tは1以上の整数)して回転周波数fr=N/60のr倍(rは整数)を足した値が、前記設定された周波数範囲に含まれていることを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸受の損傷検出方法において、
    前記設定された周波数範囲は、fr×n(nは1以上の整数)より大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲であることを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  8. 請求項6に記載の軸受の損傷検出方法において、
    前記設定された周波数範囲は、fr×n(nは1以上の整数)より大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲であることを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  9. 請求項8に記載の軸受の損傷検出方法において、
    前記設定された周波数範囲を(2s+1)個(sは1以上の整数)とし、それぞれの周波数範囲をfr×nより大きくfr×(n+1)より小さい周波数範囲、fr×(n+1)より大きくfr×(n+2)より小さい周波数範囲・・・fr×(n+2s)より大きくfr×(n+2s+1)より小さい周波数範囲としたことを特徴とする軸受の損傷検出方法。
  10. 請求項9に記載の軸受の損傷検出方法において、
    fi×tおよびfo×tのいずれか1つが、fr×(n+s)より大きくfr×(n+s+1)より小さい範囲に含まれていることを特徴とする軸受の損傷検出方法。
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