JP2018179752A - 振動計測装置、状態監視システム及びそれを備える風力発電装置 - Google Patents

振動計測装置、状態監視システム及びそれを備える風力発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振動センサにより検出される振動データから回転体の回転位置(基準位置に対する回転角等)を検出可能な振動計測装置を提供する。【解決手段】振動検出部70は、回転体の主軸20に固設され、加速度を検知することによって検出される振動データを無線で出力するように構成される。データ処理装置80は、振動検出部70が重力の影響を受けることにより主軸20の回転周期で変動する振動データの変動成分に基づいて、主軸20の回転位相情報を取得する。また、データ処理装置80は、振動データの上記変動成分に基づいて主軸20の回転周期を検出し、検出された回転周期から主軸20の回転速度を検出する。【選択図】図1

Description

本開示は、軸受や歯車等の回転体の振動計測装置、それを備える状態監視システム、及びそのような状態監視システムを備える風力発電装置に関する。
特開2013−185507号公報(特許文献1)は、風力発電装置の主軸や増速機等の状態を監視する状態監視システム(CMS:Condition Monitoring System)を開示する。この状態監視システムは、複数の振動センサと、モニタ装置と、データサーバとを含んで構成される。
複数の振動センサは、ナセル内の主軸受や増速機、発電機等の各機器に固設され、各機器の振動を計測する。モニタ装置は、ナセル内に設けられ、有線ケーブルで接続された各振動センサから検出値を受ける。そして、モニタ装置は、有線又は無線によってデータサーバへ測定データを送信する。データサーバは、モニタ装置から受信した測定データに基づいて、風力発電装置の異常診断を実行する(特許文献1参照)。
また、特開2015−183628号公報(特許文献2)は、上記のような状態監視システムにおいて、振動センサを含む無線計測ユニットが主軸受の回転輪(たとえば外輪)に取付けられる構成を開示する。すなわち、この状態監視システムでは、主軸受の固定輪(たとえば内輪)に振動センサの適切な取付場所がない場合等に、無線計測ユニットが回転輪に取付けられる。無線計測ユニットは、ナセル内に設けられるデータ収集装置と無線通信するように構成され、無線計測ユニットにより測定されたデータが無線によりデータ収集装置へ送信される(特許文献2参照)。
特開2013−185507号公報 特開2015−183628号公報
回転体の回転位置(基準位置に対する回転角等)を検出することができれば、検出された振動データから振動の発生位置(回転位置)を特定して異常の原因をより詳細に分析することが可能である。
上記の特許文献1に記載に状態監視システムでは、振動センサは、ナセル内の固定物(主軸受や増速機、発電機等のケース上面等)に固設されるので、回転軸の回転位置を検出可能なセンサを別途設けない限り、振動の発生位置を特定することは難しい。また、上記の特許文献2は、振動センサを含む無線計測ユニットが主軸受の回転輪に取付けられる構成を開示しているが、振動の発生位置の特定については特に検討されていない。
また、回転軸とともに回転する回転板等に周方向に穴を設けて近接センサや光電センサ等を用いて回転を検出する手法が公知であるが、これらの手法では、回転速度は検出し得るけれども、回転位置(位相)を検出することは難しい。さらに、これらの手法は、回転速度を検出するために、近接センサや光電センサ等を別途設ける必要がある。
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、振動センサにより検出される振動データから回転体の回転位置(基準位置に対する回転角等)や回転速度を検出可能な振動計測装置を提供することである。
また、本開示の別の目的は、振動センサにより測定される振動データから回転体の回転位置(基準位置に対する回転角等)や回転速度を検出可能な状態監視システム、及びそれを備える風力発電装置を提供することである。
本開示の振動計測装置は、回転軸方向が鉛直方向ではない状態で回転軸周りを回転する回転体の振動計測装置であって、振動検出部と、制御装置とを備える。振動検出部は、上記回転体に固設され、加速度を検知することによって検出される振動データを無線で出力するように構成される。制御装置は、振動検出部が重力の影響を受けることにより上記回転体の回転周期で変動する振動データの変動成分に基づいて、上記回転体の回転位相情報及び回転速度の少なくとも一方を取得する。
振動計測装置は、ローパスフィルタをさらに備えてもよい。ローパスフィルタは、振動データから上記変動成分を抽出するように構成される。そして、制御装置は、ローパスフィルタの出力信号を用いて、回転位相情報及び回転速度の少なくとも一方を取得してもよい。
上記回転体は、軸受によって回転軸が支持される回転構造体であってもよい。
また、上記回転体は、回転構造体の回転軸を支持する軸受の回転輪であってもよい。
また、本開示の状態監視システムは、上述の振動計測装置と、監視装置とを備える。監視装置は、振動計測装置の振動検出部によって検出される振動データと、振動計測装置の制御装置によって取得される上記回転体の回転位相情報及び回転速度の少なくとも一方とを用いて、上記回転体の状態を監視する。
制御装置は、振動データの上記変動成分を用いて上記回転体の回転位相情報及び回転速度を検出してもよい。状態監視システムは、振動データから上記変動成分を除去するように構成されたハイパスフィルタをさらに備えてもよい。そして、監視装置は、ハイパスフィルタの出力信号を用いて振動データの周波数分析を実行し、周波数分析の結果及び検出された回転速度、並びに回転位相情報を用いて、回転体の状態を監視してもよい。
また、本開示の風力発電装置は、上述の状態監視システムを備える。
本開示の振動計測装置においては、振動検出部が回転体に固設され、振動検出部が重力の影響を受けることにより上記回転体の回転周期で変動する振動データの変動成分に基づいて、上記回転体の回転位相情報及び回転速度の少なくとも一方が取得される。回転体の回転位相情報を取得することにより、たとえば、回転体のどの回転位置(位相)で振動が増大しているかを検出することができる。また、振動データの変動成分に基づいて回転体の回転速度を取得することにより、回転速度を検出するためのセンサを別途設けることなく回転速度を検出することができる。したがって、本開示によれば、振動センサにより検出される振動データから回転体の回転位置(基準位置に対する回転角等)や回転速度を検出可能な振動計測装置、並びにそれを備える状態監視システム及び風力発電装置を提供することができる。
本開示の実施の形態に従う状態監視システムが適用される風力発電装置の構成を概略的に示した図である。 振動検出部が設置された様子を示した図である。 図1に示すデータ処理装置の構成を示す機能ブロック図である。 受信部により受信された振動データの一例を示した図である。 図4に示す振動データがLPFを通過した後のデータを示した図である。 図4に示す振動データがHPFを通過した後のデータを示した図である。 振動検出部が軸受に設置される様子を示した図である。 軸受に損傷が生じた様子を示した図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本開示の実施の形態に従う状態監視システムが適用される風力発電装置の構成を概略的に示した図である。図1を参照して、風力発電装置10は、主軸20と、ブレード30と、増速機40と、発電機50とを備える。また、風力発電装置10は、主軸用軸受(以下、単に「軸受」と称する。)60と、振動検出部70と、データ処理装置80とをさらに備える。増速機40、発電機50、軸受60、振動検出部70及びデータ処理装置80は、ナセル90に格納され、ナセル90は、タワー100によって支持される。
主軸20は、ナセル90内に進入して増速機40の入力軸に接続され、軸受60によって回転自在に支持される。主軸20は、風力を受けたブレード30により発生する回転トルクを増速機40の入力軸へ伝達する。ブレード30は、主軸20の先端に設けられ、風力を回転トルクに変換して主軸20に伝達する。
増速機40は、主軸20と発電機50との間に設けられ、主軸20の回転速度を増速して発電機50へ出力する。一例として、増速機40は、遊星ギヤや中間軸、高速軸等を含む歯車増速機構によって構成される。発電機50は、増速機40の出力軸に接続され、増速機40から受ける回転トルクによって発電する。発電機50は、たとえば、誘導発電機によって構成される。
軸受60は、ナセル90内において固設され、主軸20を回転自在に支持する。軸受60は、たとえば転がり軸受によって構成され、具体的には、自動調芯ころ軸受や円すいころ軸受、円筒ころ軸受、玉軸受等によって構成される。なお、これらの軸受は、単列のものでも複列のものでもよい。
振動検出部70は、主軸20に固設され、主軸20の回転とともに主軸20の軸周りを回転する。振動検出部70は、たとえば、軸受60の内部に生じた損傷による振動や、主軸20及びそれに接続される各種部材の振動等(ブレード30の振動やシール部のこすれ等)を検出することができる。この実施の形態では、振動検出部70によって軸受60の振動も可能な限り検知するために、振動検出部70は、軸受60にできる限り近い位置に設けられている。
この振動検出部70は、加速度を検知することによって振動を検出可能であり、重力加速度も検出可能に構成される。振動検出部70は、検出された振動データを無線によってデータ処理装置80へ送信する。このため、振動検出部70は、振動センサと、振動センサにより検出される振動データをデータ処理装置80へ送信するためのアンテナ(図示せず)とを備えている。
データ処理装置80は、CPU(Central Processing Unit)、処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、各種信号を入出力するための入出力ポート等を含む(いずれも図示せず)。データ処理装置80は、振動検出部70により検出された振動データを振動検出部70から無線によって受信する。そのため、データ処理装置80は、振動検出部70から送信される振動データを受信するためのアンテナ(図示せず)を備えている。そして、データ処理装置80は、ROMに記憶されたプログラムに従って所定のデータ処理(後述)を実行する。なお、データ処理装置80により実行される処理については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
この実施の形態に従う状態監視システムでは、振動検出部70(振動センサ)が回転体の主軸20に固設される。振動検出部70を回転体に設置したのは、振動検出部70の検出データを用いて主軸20の回転位相(回転角)や回転速度を検出するためである。すなわち、振動検出部70の検出データを用いて主軸20の回転位相を検出することができれば、上述のように、振動の発生位置(位相)を特定して異常の原因をより詳細に分析することが可能である。しかしながら、振動センサが固定物(たとえば軸受60のケース上面等)に設置される場合においては、主軸20の回転位置を検出可能なセンサを別途設けない限り、振動の発生位置(位相)を特定することは難しい。また、振動検出部70の検出データを用いて主軸20の回転速度を検出することができれば、回転速度を検出するためのセンサ(近接センサや光電センサ等)を別途設ける必要がなくなる。
そこで、この実施の形態に従う状態監視システムでは、上述のように振動検出部70が回転体の主軸20に固設される。そして、データ処理装置80は、振動検出部70が重力の影響を受けることにより主軸20の回転周期で変動する検出データの変動成分に基づいて、主軸20の回転位相情報及び回転速度を取得する。回転位相情報とは、たとえば、所定の基準位置に対する主軸20の回転位相(回転角)である。回転速度については、データ処理装置80は、上記の変動成分に基づいて主軸20の回転周期を検出し、その検出された回転周期から主軸20の回転速度を検出する。これにより、たとえば、主軸20のどの回転位置(位相)で振動が増大しているかを検出することができる。また、主軸20の回転速度を検出するためのセンサ(近接センサや光電センサ等)を別途設けることなく回転速度を検出することができる。以下、この点について詳しく説明する。
図2は、振動検出部70が設置された様子を示した図である。この図2では、主軸20の回転軸に垂直な断面が示されている。なお、図中、Z軸は、鉛直方向に延びる軸である。図2を参照して、振動検出部70は、主軸20の外周面に固設され、主軸20の回転とともに主軸20の軸周りを回転する。
振動検出部70(振動センサ)は、設置面に対して垂直方向(主軸20の径方向)の振動(加速度)を検出する。振動検出部70は、加速度を検知することによって振動を検出するものであり、重力加速度も検出する。すなわち、振動検出部70の検出値は重力の影響を受け、振動検出部70の検出値に対する重力の影響は、主軸20の回転位置(位相)によって異なる。具体的には、振動検出部70が主軸20の最下点に位置しているときの、振動検出部70の検出値に対する重力の影響をgとすると、振動検出部70が主軸20の最下点から角度θずれた位置にあるときの、検出値に対する重力の影響はg×cosθである。
このように、振動検出部70の検出値は、重力の影響を受けることにより主軸20の回転周期で変動する。そこで、データ処理装置80(図1)は、振動検出部70により検出される振動データにフィルタ処理を施すことによって、主軸20の回転周期で変動する成分を振動データから抽出し、その抽出されたデータに基づいて主軸20の回転位相情報を取得する。
また、この実施の形態では、データ処理装置80は、振動検出部70により検出される振動データの周波数分析を行なう。振動データの周波数分析を行なうことによって、たとえば軸受60内のどの部位(外輪軌道面か転動体か等)において異常が生じているのかを診断することができる。周波数分析に基づく異常診断には、回転体(主軸20)の回転速度が必要であるところ、この実施の形態では、データ処理装置80は、主軸20の回転周期で変動する上記変動成分のデータに基づいて、主軸20の回転速度を検出する。これにより、回転速度センサを別途設けることなく、振動検出部70が設置される回転体(主軸20)の回転速度を取得し、その取得された回転速度を用いて、周波数分析に基づく異常診断を行なうことができる。
図3は、図1に示したデータ処理装置80の構成を示す機能ブロック図である。図3を参照して、データ処理装置80は、受信部110と、ローパスフィルタ(以下「LPF(Low Pass Filter)」と称する。)120と、位相情報取得部130と、回転速度検出部140と、ハイパスフィルタ(以下「HPF(High Pass Filter)」と称する。)150と、周波数分析部160と、状態監視部170とを含む。
受信部110は、振動検出部70において検出される振動データを振動検出部70から無線により受信する。LPF120は、受信部110により受信された振動データを受信部110から受ける。そして、LPF120は、その受けた振動データについて、所定の周波数よりも低い信号成分を通過させ、高周波成分を遮断する。このLPF120は、振動検出部70において検出された振動データから主軸20の回転周期で変動する成分を抽出するために設けられる。
図4は、受信部110により受信された振動データの一例を示した図である。すなわち、この図4に示される振動波形は、LPF120を通過する前のものである。図5は、図4に示した振動データがLPF120を通過した後のデータを示した図である。図4,5において、横軸は時間を示し、縦軸は、振動の大きさを表わす振動加速度を示す。
図4を参照して、LPF120を通過する前の振動データは、高周波の振動波形に、振動検出部70が設置される主軸20の回転周期で変動する低周波の振動波形が重畳したものとなっている。
図5を参照して、受信部110により受信された振動データがLPF120を通過すると、主軸20の回転周期で変動する成分が抽出される。波形の極大点(時刻t1等)は、振動検出部70が主軸20の最下点(θ=0)に位置している時点に対応する。また、波形の極小点(時刻t2等)は、振動検出部70が主軸20の最上点(θ=π)に位置している時点に対応する。このように、LPF120の通過後の波形から、振動検出部70の回転位置(位相)を検出することができ、その検出結果から、振動検出部70が設置される主軸20の位相情報(回転角)を取得することができる。
さらに、時刻t0〜t3の時間は、主軸20の回転周期Tに対応する。この回転周期Tから、主軸20の回転速度を算出することができる。このように、LPF120の通過後の波形から、主軸20の回転速度も検出することができる。
再び図3を参照して、位相情報取得部130は、LPF120の出力信号を受け、その受けた信号に基づいて、振動検出部70が設置される主軸20の位相情報(回転角)を取得する。具体的には、位相情報取得部130は、たとえば図5に示したようにLPF120の出力信号の極大点を検出し、極大点を基準位置(位相角0)として位相情報(回転角)を取得する。或いは、位相情報取得部130は、LPF120の出力信号の極小点を検出し、極小点を基準位置(位相角0)として位相情報(回転角)を取得してもよい。そして、位相情報取得部130は、取得した位相情報を状態監視部170へ出力する。
回転速度検出部140は、LPF120の出力信号に基づいて、振動検出部70が設置される主軸20の回転速度を検出する。具体的には、回転速度検出部140は、たとえば図5に示したようにLPF120の出力信号から主軸20の回転周期Tを検出し、検出された回転周期Tから主軸20の回転速度を算出する。そして、回転速度検出部140は、検出された回転速度を状態監視部170へ出力する。
HPF150は、受信部110により受信された振動データを受信部110から受ける。そして、HPF150は、その受けた振動データについて、所定の周波数よりも高い信号成分を通過させ、低周波成分を遮断する。このHPF150は、振動検出部70によって検出された振動データから主軸20の回転周期で変動する成分を排除して実際の振動成分を抽出するために設けられる。
図6は、図4に示した振動データがHPF150を通過した後のデータを示した図である。この図6においても、横軸は時間を示し、縦軸は、振動の大きさを表わす振動加速度を示す。
図6を参照して、受信部110により受信された振動データがHPF150を通過すると、主軸20の回転周期で変動する成分が除去され、実際の振動成分が抽出される。この振動成分データを用いて、後述の周波数分析部160において振動の周波数分析が行なれ、状態監視部170において異常診断が行なわれる。
再び図3を参照して、周波数分析部160は、HPF150の出力信号を受ける。そして、周波数分析部160は、HPF150の出力信号に対して周波数分析を行ない、その周波数分析結果を状態監視部170へ出力する。一例として、周波数分析部160は、HPF150の出力信号に対して高速フーリエ変換(FFT)処理を行ない、予め設定されたしきい値を超えるピーク周波数を状態監視部170へ出力する。
状態監視部170は、周波数分析部160から周波数分析結果を受けるとともに、HPF150の出力信号を受ける。また、状態監視部170は、位相情報取得部130において取得された位相情報を位相情報取得部130から受けるとともに、回転速度検出部140において検出された回転速度を回転速度検出部140から受ける。そして、状態監視部170は、周波数分析結果及び回転速度に基づいて異常診断を実行する。たとえば、軸受60の内部において損傷が発生すると、損傷部位(内輪、外輪、転動体)に応じて、軸受内部の幾何学的構造及び回転速度から理論的に決定される特定の周波数に振動のピークが発生する。状態監視部170は、たとえば、周波数分析部160の周波数分析結果と、回転速度検出部140から受ける回転速度とに基づいて、軸受60の損傷部位を推定する。
さらに、状態監視部170は、位相情報取得部130から受ける位相情報に基づいて、主軸20のどの回転位置(位相)で異常が生じているかを推定する。たとえば、状態監視部170は、振動データと、推定された軸受60の損傷部位における振動との対応付けを行ない、さらに位相情報との対応付けを行なうことにより損傷部位の発生位置(回転位相)を推定する。これにより、異常の発生位置も推定可能な、より正確な異常診断を実行することができる。
なお、特に図示していないが、LPF120の出力信号に対しても周波数分析を行ない、その周波数分析結果と回転速度検出部140により検出される回転速度とを用いて、低周波(主軸20の回転周波数に近い)の振動の異常診断を行なうようにしてもよい。
また、上記では、状態監視部170は、ナセル90内のデータ処理装置80に設けられるものとしたが、状態監視部170に入力される各種データを無線により地上のサーバへ送信し、サーバ内に状態監視部170を設けてもよい。
以上のように、この実施の形態においては、振動検出部70が回転体の主軸20に固設され、振動検出部70が重力の影響を受けることにより主軸20の回転周期で変動する振動データの変動成分に基づいて、主軸20の回転位相情報が取得される。したがって、この実施の形態によれば、たとえば、主軸20のどの回転位置(位相)で振動が増大しているかを検出することができる。
また、この実施の形態においては、主軸20の回転周期で変動する上記変動成分のデータに基づいて、主軸20の回転速度が検出される。これにより、回転速度センサを別途設けることなく、振動検出部70が設置される主軸20の回転速度を取得し、その取得された回転速度を用いて、周波数分析に基づく異常診断を行なうことができる。
[変形例]
上記の実施の形態においては、振動検出部70は主軸20に固設されるものとしたが、振動検出部70の設置場所はこれに限定されるものではない。たとえば、図7に示されるように、内輪及び外輪がそれぞれ固定輪及び回転輪である軸受60#に対して、振動検出部70は、回転輪である外輪の外周面に固設してもよい。
そして、振動検出部70により検出される振動データをデータ処理装置80に取込むことによって、振動検出部70によって振動が計測される機器内に生じた損傷部位を特定するとともに、その発生位置(回転位相)を推定することができる。
図8は、軸受60#に損傷240が生じた様子を示した図である。図8を参照して、軸受60#は、内輪210と、外輪220と、複数の転動体230とを含む。この軸受60#においては、内輪210が固定輪であり、外輪220が回転輪である。振動検出部70は、外輪220の外周面に固設され、外輪220の回転とともに軸周りを回転する。
図示されるように、たとえば回転輪である外輪220の内周面に損傷240が発生した場合、周波数分析を行なうことによって損傷が外輪内周面に生じていることを特定し得る。また、損傷240が負荷域を通過しているときに振動は大きくなるところ、位相情報取得部130(図3)によって取得される位相情報に基づいて、損傷240の位置(回転位相)も推定することができる。
このように、この変形例によれば、軸受60#についてより詳細な異常診断を実施することができる。
なお、上記の実施の形態及び変形例においては、振動データに基づいて主軸20の回転位相情報及び回転速度が取得するものとしたが、本開示は、回転位相情報及び回転速度の双方を取得するものに必ずしも限定されるものではなく、振動データに基づいて回転位相情報及び回転速度のいずれか一方を取得するものであってもよい。
また、上記においては、振動検出部70は、主軸20や軸受60#に設置されるものとしたが、振動検出部70は、その他の回転体(歯車やその軸受等)に設置されてもよい。なお、上記のように、振動検出部70の検出値に重力の影響が現われる必要があることから、振動検出部70が設置される回転体の回転軸方向は、鉛直方向でないことが必要である。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 風力発電装置、20 主軸、30 ブレード、40 増速機、50 発電機、60,60# 軸受、70 振動検出部、80 データ処理装置、90 ナセル、100 タワー、110 受信部、120 LPF、130 位置情報取得部、140 回転速度検出部、150 HPF 160 周波数分析部、170 状態監視部、210 内輪、220 外輪、230 転動体、240 損傷。

Claims (7)

  1. 回転軸方向が鉛直方向ではない状態で回転軸周りを回転する回転体の振動計測装置であって、
    前記回転体に固設され、加速度を検知することによって検出される振動データを無線で出力するように構成された振動検出部と、
    前記振動検出部が重力の影響を受けることにより前記回転体の回転周期で変動する前記振動データの変動成分に基づいて、前記回転体の回転位相情報及び回転速度の少なくとも一方を取得する制御装置とを備える、振動計測装置。
  2. 前記振動データから前記変動成分を抽出するように構成されたローパスフィルタをさらに備え、
    前記制御装置は、前記ローパスフィルタの出力信号を用いて、前記回転位相情報及び前記回転速度の少なくとも一方を取得する、請求項1に記載の振動計測装置。
  3. 前記回転体は、軸受によって回転軸が支持される回転構造体である、請求項1又は請求項2に記載の振動計測装置。
  4. 前記回転体は、回転構造体の回転軸を支持する軸受の回転輪である、請求項1又は請求項2に記載の振動計測装置。
  5. 請求項1に記載の振動計測装置と、
    前記振動計測装置の振動検出部によって検出される振動データと、前記振動計測装置の制御装置によって取得される前記回転体の回転位相情報及び回転速度の少なくとも一方とを用いて、前記回転体の状態を監視する監視装置とを備える、状態監視システム。
  6. 前記制御装置は、前記振動データの前記変動成分を用いて前記回転位相情報及び前記回転速度を検出し、
    前記状態監視システムは、前記振動データから前記変動成分を除去するように構成されたハイパスフィルタをさらに備え、
    前記監視装置は、前記ハイパスフィルタの出力信号を用いて前記振動データの周波数分析を実行し、前記周波数分析の結果及び前記検出された回転速度、並びに前記回転位相情報を用いて、前記回転体の状態を監視する、請求項5に記載の状態監視システム。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の状態監視システムを備える風力発電装置。
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