JPH10221161A - 振動検査方法及び検査装置 - Google Patents

振動検査方法及び検査装置

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JPH10221161A
JPH10221161A JP9041495A JP4149597A JPH10221161A JP H10221161 A JPH10221161 A JP H10221161A JP 9041495 A JP9041495 A JP 9041495A JP 4149597 A JP4149597 A JP 4149597A JP H10221161 A JPH10221161 A JP H10221161A
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vibration
unit
inspection
frequency
natural vibration
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JP9041495A
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Shigeru Azuma
茂 東
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Nidec Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モータや玉軸受等の回転体の不良個所を容易に
判別でき、不良発生の原因を解析できるようにする。 【解決手段】検査対象となる玉軸受のボール、内輪、外
輪及びリテーナそれぞれの1次及び2次以上の高次の固
有振動周波数を保持部21により予め算出し、設定部2
2にこれらの固有振動周波数のなかから1kHz以下の
範囲内で24チャネル分を設定し、加圧手段により検査
すべき玉軸受の内輪に予圧をかけ、この状態で回転手段
により玉軸受の外輪を回転し、加速度センサ15により
玉軸受の内輪の振動加速度を測定してその出力を周波数
分析部24により周波数スペクトル分析し、設定された
1kHz以下の24チャネルの各固有振動周波数それぞ
れにおけるボール、内輪、外輪及びリテーナの振動加速
度のピーク値を多チャネルピーク導出部25により導出
し、判定部28により各ピーク値と各基準値とを比較し
て不良の有無を判定し、表示手段19により判定結果を
表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータや玉軸受
等の回転体の回転時の振動状況を検査する振動検査方法
及び検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転体である玉軸受の回転時の
振動状況を検査して玉軸受の良否を判定する場合、図4
に示すような構成により検査が行われる。
【0003】図4に示すように、玉軸受1はリング状の
内輪2及び外輪3とこれら内、外輪2、3間に配設され
た複数個のボール4及びこれら各ボールを保持するリテ
ーナにより構成されている。この玉軸受1を回転自在の
保持部材6により保持し、この保持部材6と共に回転手
段を構成する図外のモータにより保持部材6を回転して
玉軸受1を回転させる。尚、この保持部材6は図示しな
い架台に回転自在に取り付けられているが、この架台を
通じてノイズ的な振動が保持部材6に伝わらないように
緩衝材を介して取り付けられている。
【0004】保持部材6の上面には平面視円形の凹所8
が形成され、更にこの凹所8の直径よりも小なる平面視
円形の凹所9が凹所8の底面に同心に形成されている。
そして、凹所8に玉軸受1の外輪3が嵌合される一方、
内輪2は凹所9の内側に位置して保持部材6に対し非接
触に保持されている。この状態で保持部材6が回転する
と、外輪3が保持部材6と一緒に回転するのである。
【0005】また、本体11aと、この本体11aの先
端に先細テーパ部11bを介して一体的に形成された球
体部11cとにより、押圧体11が構成されている。こ
の押圧体11の球体部11cが内輪2の内側に挿入さ
れ、テーパ部11bが内輪2の上端縁に当接されてい
る。そして、押圧体11と共に加圧手段を構成する油圧
シリンダ等のアクチュエータにより押圧体11が図4中
の矢印方向に下動され、内輪2に所定の予圧が加えら
れ、このように予圧が加えられつつ外輪3のみが回転さ
れるのである。
【0006】このとき、押圧体11には圧電素子等から
成る加速度センサ(図示せず)が取り付けられており、
押圧体11を介して加速度センサにより検査対象である
玉軸受1の振動加速度が測定されるのである。
【0007】通常、この加速度センサの出力は分析器に
よって、1kHz以上の周波数帯域における加速度のレ
ベルが導出され、この導出されたレベルが所定の基準レ
ベルより小さいか否かが判別され、小さければその玉軸
受は良品であり、大きければ不良品であると判断される
のである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の検
査では玉軸受1全体としての良、不良の判断はできて
も、不良と判断された場合にその不良個所がどこである
のかまではわからないため、不良発生の原因を解析する
ことができないという問題がある。
【0009】この発明が解決しようとする課題は、モー
タや玉軸受等の回転体の不良個所を容易に判別でき、不
良発生の原因を解析できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数の部材から成る回転体の回転時の振動状況を検
査する振動検査方法であって、検査対象となる回転体の
各種部材の構造データ、回転数等の検査条件データに基
づき、各種部材それぞれの1次及び2次以上の高次の固
有振動周波数を予め算出し、検査対象となる回転体を前
記検査条件データである回転数で回転してそのときの振
動加速度を加速度センサによって測定し、前記加速度セ
ンサの出力を周波数スペクトル分析して、予め算出した
前記各固有振動周波数のうち検査範囲である所定周波数
以下の固有振動周波数それぞれにおける振動加速度のピ
ーク値を導出し、導出した前記各固有振動周波数におけ
るピーク値が、これら各固有振動周波数それぞれについ
て予め設定した基準値を越えているか否かによって不良
の有無を検出し、越えている場合にその基準値の固有振
動周波数が各種部材のいずれのものであるかにより不良
の部位を特定することを特徴としている。
【0011】このような構成によれば、加速度センサの
出力を周波数スペクトル分析して、検査範囲である所定
周波数以下の各固有振動周波数それぞれにおける振動加
速度のピーク値を導出することにより、検査中の回転体
の各種部材がどのような振動状況にあるかがわかり、導
出した各固有振動周波数それぞれにおける振動加速度の
ピーク値が各基準値を越えているか否かによって、不良
の有無の判断及び不良個所の特定を同時に行える。
【0012】このとき、請求項2に記載のように、リン
グ状の内輪及び外輪とこれら内外輪間に配設された複数
個のボールと各ボールを保持するリテーナとから成る玉
軸受の回転時の振動状況を検査する振動検査方法であっ
て、検査対象となる玉軸受のボールの径や個数、リテー
ナ、内輪及び外輪の径等の構造データ、内輪または外輪
に加える予圧、回転数等の検査条件データに基づき、ボ
ール、リテーナ及び内外輪それぞれの1次及び2次以上
の高次の固有振動周波数を予め算出し、検査対象となる
玉軸受の内輪または外輪のいずれかに前記検査条件デー
タである予圧を加えつつ、前記検査条件データである回
転数で内輪または外輪を回転し、回転していない外輪ま
たは内輪の振動加速度を加速度センサによって測定し、
前記加速度センサの出力を周波数スペクトル分析して、
予め算出した前記各固有振動周波数のうち検査範囲であ
る所定周波数以下の固有振動周波数それぞれにおける振
動加速度のピーク値を導出し、導出した前記各固有振動
周波数におけるピーク値が、これら各固有振動周波数そ
れぞれについて予め設定した基準値を越えているか否か
によって不良の有無を検出し、越えている場合にその基
準値の固有振動周波数がボール、リテーナ、内輪、外輪
のいずれのものであるかにより不良の部位を特定するよ
うにしてもよく、これにより複数のボール、リテーナ、
内輪、外輪から成る玉軸受のどの部材に不良が発生して
いるか容易に判断することができる。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、複数の部
材から成る回転体の回転時の振動状況を検査する振動検
査装置において、検査対象となる回転体の各種部材の構
造データ、回転数等の検査条件データが入力され、これ
らの入力データに基づき、各種部材それぞれの1次及び
2次以上の高次の固有振動周波数を予め算出して保持す
る保持部と、前記検査条件データの回転数で回転中の回
転体の振動加速度を測定する加速度センサと、前記保持
部により算出された検査対象となる回転体の各種部材そ
れぞれの各固有振動周波数のうち検査範囲である所定周
波数以下の固有振動周波数を設定する設定部と、前記加
速度センサの出力を周波数スペクトル分析する周波数分
析部と、前記周波数分析部による分析結果が入力され前
記設定部により設定された各固有振動周波数それぞれに
おける振動加速度のピーク値を導出する多チャネルピー
ク導出部と、前記多チャネルピーク導出部により導出さ
れた前記各固有振動周波数におけるピーク値が、これら
各固有振動周波数それぞれについて予め設定した基準値
を越えているか否かにより各種部材それぞれにおける不
良の有無を判定する判定部と、前記多チャネルピーク導
出部により導出される各ピーク値及び前記判定部の判定
結果を表示する表示手段とを備えていることを特徴とし
ている。
【0014】このような構成によれば、加速度センサに
より回転中の回転体の振動加速度が測定され、周波数分
析部によって加速度センサの出力が周波数スペクトル分
析され、設定部により設定された所定周波数以下の固有
振動周波数それぞれにおける振動加速度のピーク値が多
チャネルピーク導出部により導出され、判定部によりこ
れら各ピーク値と各基準値とが比較されて不良の有無が
判定され、表示手段に各ピーク値とその判定結果が表示
され、この表示から検査中の回転体の各種部材のいずれ
に不良があるのかを容易に判断することが可能である。
【0015】さらに、請求項4に記載のように、少なく
ともリング状の内輪及び外輪とこれら内外輪間に配設さ
れた複数個のボールと各ボールを保持するリテーナとか
ら成る玉軸受の回転時の振動状況を検査する振動検査装
置において、検査対象となる玉軸受のボールの径や個
数、リテーナ、内輪及び外輪の径等の構造データ、内輪
または外輪に加える予圧、回転数等の検査条件データが
入力され、これらの入力データに基づき、ボール、リテ
ーナ及び内外輪それぞれの1次及び2次以上の高次の固
有振動周波数を予め算出して保持する保持部と、検査す
る玉軸受の内輪または外輪に前記検査条件データである
予圧を加える加圧手段と、前記加圧手段により予圧を加
えた状態で前記検査条件データである回転数で検査対象
となる玉軸受の内輪または外輪を回転する回転手段と、
回転していない検査中の玉軸受の外輪または内輪の振動
加速度を測定する加速度センサと、前記保持部により算
出されたボール、リテーナ、内輪、外輪それぞれの各固
有振動周波数のうち検査範囲である所定周波数以下の固
有振動周波数を設定する設定部と、前記加速度センサの
出力を周波数スペクトル分析する周波数分析部と、前記
周波数分析部による分析結果が入力され前記設定部によ
り設定された各固有振動周波数それぞれにおける振動加
速度のピーク値を導出する多チャネルピーク導出部と、
前記多チャネルピーク導出部により導出された前記各固
有振動周波数におけるピーク値が、これら各固有振動周
波数それぞれについて予め設定した基準値を越えている
か否かによりボール、リテーナ、内輪、外輪それぞれに
おける不良の有無を判定する判定部と、前記多チャネル
ピーク導出部により導出される各ピーク値及び前記判定
部の判定結果を表示する表示手段とを備えていてもよ
く、これによって複数のボール、リテーナ、内輪、外輪
から成る玉軸受のどの部材に不良が発生しているか容易
に判断することが可能になる。
【0016】このとき、請求項3または4に記載の発明
において、請求項5に記載のように、前記周波数分析部
による分析結果が入力され前記所定周波数よりも高帯域
における振動加速度のピーク値を導出する他のピーク導
出部を更に備え、前記表示手段が前記他のピーク導出部
により導出されるピーク値を表示する機能をも有してい
ると効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態について図
1ないし図3を参照して説明する。ここで、図1はブロ
ック図、図2及び図3は動作説明図である。尚、玉軸受
自体の構成、回転手段及び加圧手段の構成は図4に示す
ものと同様であるため、以下の説明では図4も参照す
る。
【0018】図1において、15は圧電素子などから成
る加速度センサであり、図4に示すような押圧体11に
取り付けられている。そして、検査対象である玉軸受1
が保持部材6に保持され、加圧手段によりこの玉軸受1
の内輪2に後述する検査条件データである所定の予圧が
加えられた状態で、モータによる保持部材6の回転によ
って外輪3のみが後述する検査条件データである所定の
回転数で回転され、このときの回転していない内輪2の
振動加速度が押圧体11を介して加速度センサにより測
定される。
【0019】さらに図1において、16は加速度センサ
15の出力を増幅するチャージアンプ、17はチャージ
アンプ16の増幅出力が入力される高速フーリエ変換ア
ナライザ(以下、FFTという)、18はパーソナルコ
ンピュータ(以下、パソコンという)、19はCRTや
液晶ディスプレイ等から成る表示手段である。
【0020】ここでパソコン18は、検査対象となる所
定型番の玉軸受1のボール4、内輪2、外輪3及びリテ
ーナそれぞれの1次及び2次以上の高次の固有振動周波
数を予め算出して保持する保持部21としての機能と、
保持部21により算出されたボール4、内輪2、外輪
3、リテーナそれぞれの各固有振動周波数のうち所定周
波数である1kHz以下の検査範囲における24チャネ
ルの固有振動周波数が入力手段の操作によって設定され
る設定部22としての機能とを有している。
【0021】ところで、保持部21では、検査すべき所
定品番の玉軸受1のボール4の径や個数、内輪2及び外
輪3の径、リテーナの径、各々の材質等の構造データ
と、内輪2に加える予圧、回転数等の検査条件データと
が図示しないキーボード等の入力手段の操作によって入
力される。そして、これらの入力データに基づきボール
4、内輪2、外輪3及びリテーナそれぞれの1次及び2
次以上の高次の固有振動周波数を所定の演算式に基づく
演算により予め算出して保持するのである。
【0022】このとき、保持部21は、後述するように
FFT17によって導出される多チャネルピーク値、オ
ーバオールピーク値及び周波数スペクトル分析データ
を、HDD等を用いて随時取り出しが可能なように保持
するようになっている。
【0023】また、設定部22には、保持部21によっ
て算出されたボール4、内輪2、外輪3及びリテーナの
n次(n=1,2,3,…)の各固有振動周波数のなか
から、1kHz以下のものが24チャネル分適宜選択さ
れて設定されるようになっている。
【0024】一方FFT17は、チャージアンプ16に
より増幅された加速度センサ15の出力を周波数スペク
トル分析する周波数分析部24としての機能と、周波数
分析部24による分析結果が入力されパソコン18の設
定部22に設定された24チャネルの各固有振動周波数
それぞれにおける振動加速度のピーク値を導出する多チ
ャネルピーク導出部25としての機能と、周波数分析部
24による分析結果が入力され所定周波数である1kH
zより高帯域における振動加速度のピーク値を導出する
オーバオールピーク導出部26としての機能とを備えて
いる。
【0025】ところでパソコン18は、検査中の玉軸受
1のボール4、内輪2、外輪3、リテーナそれぞれにお
ける不良の有無を判定する判定部28としての機能と、
FFT17の周波数分析部24からの表示用データに基
づき表示手段19を制御する表示制御部としての機能と
を更に有している。
【0026】この判定部28には、FFT17の多チャ
ネルピーク導出部25により導出される24チャネルの
各固有振動周波数におけるピーク値が入力される一方、
入力手段の操作により、24チャネルの各固有振動周波
数それぞれについて検査すべき所定品番の玉軸受の仕様
に基づく基準値が予め設定される。そして、判定部28
により、24チャネルの各ピーク値それぞれが各基準値
を越えているか否かを判定し、検査中の玉軸受1のボー
ル4、内輪2、外輪3、リテーナそれぞれにおける不良
の有無を判定するのである。
【0027】尚、判定部28に設定される各基準値に
は、この所定品番の玉軸受を使用する上で支障のない値
が選定され、要望に応じて適宜変更することが可能にな
っている。
【0028】また表示手段19は、周波数分析部24に
よる1kHz以下の24チャネル分の周波数スペクトル
図を表示する第1表示部30としての機能と、周波数分
析部24による1kHz以上の1チャネルの周波数スペ
クトル図を表示する第2表示部31としての機能と、多
チャネルピーク導出部25により導出される24チャネ
ル分の各ピーク値とこれらに対応する各基準値及び判定
部28の判定結果を一覧表の形式で表示する第3表示部
32としての機能とを有している。
【0029】そして、パソコン18の表示制御部の制御
により、表示手段19はこれら各表示部30〜32の機
能に基づく表示を行うのである。
【0030】ところで、10個のボールを有するある品
番の玉軸受について、検査条件データとしての予圧が
0.8kgf、回転数が1800rpmの条件下で、保
持部21により、ボール4、内輪2、外輪3及びリテー
ナそれぞれの1次及び2次以上の高次の固有振動周波数
を演算したところ、例えば図2に示すような結果が得ら
れる。ここで、図2中の回転周波数とは検査条件の回転
数から求められるn次の周波数である。
【0031】そして、このように予め算出したボール
4、内輪2、外輪3及びリテーナのn次の固有振動周波
数のなかから、所定周波数である1kHz以下の24チ
ャネル分の固有振動周波数を選択して設定部22に設定
するのである。
【0032】このように、1kHz以下の24チャネル
分の固有振動周波数の設定を行った後、加圧手段により
検査条件データの予圧値で玉軸受1の内輪2を予圧し、
この状態でモータによる保持部材6の回転により外輪3
のみを回転し、加速度センサ15により内輪2の振動加
速度を測定するのである。
【0033】このときの加速度センサ15の出力がチャ
ージアンプ16により増幅されて周波数分析部24に入
力され、この周波数分析部24によって加速度センサ1
5の出力が周波数スペクトル分析される。そして、多チ
ャネルピーク導出部25により、設定部22に設定され
た24チャネルの各固有振動周波数それぞれにおける振
動加速度のピーク値が導出される一方、オーバオールピ
ーク導出部26により、1kHz以上での振動加速度の
ピーク値が導出される。
【0034】例えばある不良品について、周波数分析部
24による周波数スペクトル分析の結果得られた1kH
z以下の周波数スペクトル図の例を示すと図3に示すよ
うになり、ボール、内輪、外輪、リテーナそれぞれの各
固有振動周波数において顕著なピークを有する波形が得
られるのである。
【0035】次に判定部28により、これら多チャネル
ピーク導出部25により導出された24チャネルの各ピ
ーク値それぞれが各々に対応する基準値それぞれを越え
ているか否かが判定され、越えている場合には不良(N
G)、越えていない場合には良(OK)と判定され、表
示手段19により、多チャネルピーク導出部25によっ
て導出された24チャネルの各ピーク値とこれらに対応
する各基準値及び判定部28の判定結果が一覧表の形式
で表示される。
【0036】この表示手段19の表示から、検査中の玉
軸受1のボール4、内輪2、外輪3、リテーナのいずれ
に不良があるのかを作業者は容易に判断することができ
るのである。
【0037】尚、表示手段19には、周波数分析部24
による1kHz以下の周波数スペクトル図と1kHz以
上の周波数スペクトル図とが適宜表示され、上記した一
覧表の表示とあわせて、検査対象の不良原因の解析に供
される。
【0038】従って、上記実施形態によれば、加速度セ
ンサ15の出力を周波数分析部24により周波数スペク
トル分析して、多チャネルピーク導出部25によりボー
ル4、内輪2、外輪3及びリテーナそれぞれの1kHz
以下の24チャネルの各固有振動周波数それぞれにおけ
る振動加速度のピーク値を導出し、判定部28によりこ
れら各ピーク値と各基準値とを比較して不良の有無を判
定し、表示手段19によりその判定結果を表示するよう
にしたため、検査対象となる玉軸受1のボール4、内輪
2、外輪3及びリテーナのいずれに不良があるのかを容
易に判断することができ、このように不良個所を特定す
ることによって不良発生の原因を解析することが可能に
なる。
【0039】また、表示手段19により良、不良の結果
が表示されるため、表示手段19の表示を見るだけで容
易に良、不良を判別でき、検査を行う作業者が作業に熟
達していなくても誤りなく不良判別を行うことができ、
検査の作業能率の向上を図ることが可能になる。
【0040】さらに、表示手段19により1kHz以上
の周波数スペクトル図が表示されるため、特に詳細な不
良箇所の特定や不良原因の解析を行う必要がないときに
は、この表示に基づいて検査中の玉軸受1の良、不良を
判定することができる。
【0041】なお、上記実施形態では、回転体を玉軸受
とした場合について説明しているが、検査対象となる回
転体は、上記した玉軸受に限定されるものではなく、モ
ータであってもよい。そして、モータ単体の振動加速度
の測定に使用した場合には、モータの良、不良の評価を
行うことが可能になり、このとき図2における回転周波
数のn次の各固有振動周波数についての振動加速度のピ
ーク値を各基準値と比較することで評価することができ
る。
【0042】さらに、上記実施形態では、1kHz以下
の周波数範囲内で24チャネルの固有振動周波数を設定
するようにしているが、この発明は特にこのように1k
Hzを基準にすることに限定されるものではなく、また
設定するチャネル数も24チャネルに限るものではなく
それ以上或いは以下の複数チャネルであってもよいのは
勿論である。
【0043】また、上記実施形態では、検査する玉軸受
1の内輪2に予圧をかけて外輪3のみを回転する場合に
ついて説明しているが、これとは逆に外輪3に予圧をか
けて内輪2のみを回転し、回転しない外輪3の振動加速
度を加速度センサ15により測定するようにしてもよい
のは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び3に記載の
発明によれば、検査対象となる回転体の各種部材のいず
れに不良があるのかを容易に判断することができ、この
ように不良個所を特定することにより、不良発生の原因
を解析して的確な不良対策を採ることができ、検査の作
業能率及び質の向上を図ることが可能になる。
【0045】また、請求項2及び4に記載の発明によれ
ば、回転体が、複数のボール、これら各ボールを保持す
るリテーナ、内輪、外輪から成る玉軸受の場合に、これ
らボール、リテーナ、内輪、外輪のいずれに不良がある
のかを容易に判断して不良発生の原因の解析を行うこと
ができる。
【0046】また、請求項5に記載の発明によれば、特
に詳細な不良箇所の特定や不良原因の解析を行う必要が
ないときに、表示手段に表示される他のピーク導出部に
よる導出ピーク値の表示から検査中の玉軸受の良、不良
を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】この発明の背景となる玉軸受の振動検査工程の
説明図である。
【符号の説明】
1 玉軸受 2 内輪 3 外輪 4 ボール 6 保持部材(回転手段) 11 押圧体(加圧手段) 15 加速度センサ 17 FFT 18 パソコン 19 表示手段 21 保持部 22 設定部 24 周波数分析部 25 多チャネルピーク導出部 26 オーバオールピーク導出部 28 判定部 30 第1表示部 31 第2表示部 32 第3表示部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の部材から成る回転体の回転時の振
    動状況を検査する振動検査方法であって、 検査対象となる回転体の各種部材の構造データ、回転数
    等の検査条件データに基づき、各種部材それぞれの1次
    及び2次以上の高次の固有振動周波数を予め算出し、 検査対象となる回転体を前記検査条件データである回転
    数で回転してそのときの振動加速度を加速度センサによ
    って測定し、 前記加速度センサの出力を周波数スペクトル分析して、
    予め算出した前記各固有振動周波数のうち検査範囲であ
    る所定周波数以下の固有振動周波数それぞれにおける振
    動加速度のピーク値を導出し、 導出した前記各固有振動周波数におけるピーク値が、こ
    れら各固有振動周波数それぞれについて予め設定した基
    準値を越えているか否かによって不良の有無を検出し、
    越えている場合にその基準値の固有振動周波数が各種部
    材のいずれのものであるかにより不良の部位を特定する
    ことを特徴とする振動検査方法。
  2. 【請求項2】 リング状の内輪及び外輪とこれら内外輪
    間に配設された複数個のボールと各ボールを保持するリ
    テーナとから成る玉軸受の回転時の振動状況を検査する
    振動検査方法であって、 検査対象となる玉軸受のボールの径や個数、リテーナ、
    内輪及び外輪の径等の構造データ、内輪または外輪に加
    える予圧、回転数等の検査条件データに基づき、ボー
    ル、リテーナ及び内外輪それぞれの1次及び2次以上の
    高次の固有振動周波数を予め算出し、 検査対象となる玉軸受の内輪または外輪のいずれかに前
    記検査条件データである予圧を加えつつ、前記検査条件
    データである回転数で内輪または外輪を回転し、 回転していない外輪または内輪の振動加速度を加速度セ
    ンサによって測定し、 前記加速度センサの出力を周波数スペクトル分析して、
    予め算出した前記各固有振動周波数のうち検査範囲であ
    る所定周波数以下の固有振動周波数それぞれにおける振
    動加速度のピーク値を導出し、 導出した前記各固有振動周波数におけるピーク値が、こ
    れら各固有振動周波数それぞれについて予め設定した基
    準値を越えているか否かによって不良の有無を検出し、
    越えている場合にその基準値の固有振動周波数がボー
    ル、リテーナ、内輪、外輪のいずれのものであるかによ
    り不良の部位を特定することを特徴とする振動検査方
    法。
  3. 【請求項3】 複数の部材から成る回転体の回転時の振
    動状況を検査する振動検査装置において、 検査対象となる回転体の各種部材の構造データ、回転数
    等の検査条件データが入力され、これらの入力データに
    基づき、各種部材それぞれの1次及び2次以上の高次の
    固有振動周波数を予め算出して保持する保持部と、 前記検査条件データの回転数で回転中の回転体の振動加
    速度を測定する加速度センサと、 前記保持部により算出された検査対象となる回転体の各
    種部材それぞれの各固有振動周波数のうち検査範囲であ
    る所定周波数以下の固有振動周波数を設定する設定部
    と、 前記加速度センサの出力を周波数スペクトル分析する周
    波数分析部と、 前記周波数分析部による分析結果が入力され前記設定部
    により設定された各固有振動周波数それぞれにおける振
    動加速度のピーク値を導出する多チャネルピーク導出部
    と、 前記多チャネルピーク導出部により導出された前記各固
    有振動周波数におけるピーク値が、これら各固有振動周
    波数それぞれについて予め設定した基準値を越えている
    か否かにより各種部材それぞれにおける不良の有無を判
    定する判定部と、 前記多チャネルピーク導出部により導出される各ピーク
    値及び前記判定部の判定結果を表示する表示手段とを備
    えていることを特徴とする振動検査装置。
  4. 【請求項4】 リング状の内輪及び外輪とこれら内外輪
    間に配設された複数個のボールと各ボールを保持するリ
    テーナとから成る玉軸受の回転時の振動状況を検査する
    振動検査装置において、 検査対象となる玉軸受のボールの径や個数、リテーナ、
    内輪及び外輪の径等の構造データ、内輪または外輪に加
    える予圧、回転数等の検査条件データが入力され、これ
    らの入力データに基づき、ボール、リテーナ及び内外輪
    それぞれの1次及び2次以上の高次の固有振動周波数を
    予め算出して保持する保持部と、 検査する玉軸受の内輪または外輪に前記検査条件データ
    である予圧を加える加圧手段と、 前記加圧手段により予圧を加えた状態で前記検査条件デ
    ータである回転数で検査対象となる玉軸受の内輪または
    外輪を回転する回転手段と、 回転していない検査中の玉軸受の外輪または内輪の振動
    加速度を測定する加速度センサと、 前記保持部により算出されたボール、リテーナ、内輪、
    外輪それぞれの各固有振動周波数のうち検査範囲である
    所定周波数以下の固有振動周波数を設定する設定部と、 前記加速度センサの出力を周波数スペクトル分析する周
    波数分析部と、 前記周波数分析部による分析結果が入力され前記設定部
    により設定された各固有振動周波数それぞれにおける振
    動加速度のピーク値を導出する多チャネルピーク導出部
    と、 前記多チャネルピーク導出部により導出された前記各固
    有振動周波数におけるピーク値が、これら各固有振動周
    波数それぞれについて予め設定した基準値を越えている
    か否かによりボール、リテーナ、内輪、外輪それぞれに
    おける不良の有無を判定する判定部と、 前記多チャネルピーク導出部により導出される各ピーク
    値及び前記判定部の判定結果を表示する表示手段とを備
    えていることを特徴とする振動検査装置。
  5. 【請求項5】 前記周波数分析部による分析結果が入力
    され前記所定周波数よりも高帯域における振動加速度の
    ピーク値を導出する他のピーク導出部を更に備え、前記
    表示手段が前記他のピーク導出部により導出されるピー
    ク値を表示する機能をも有することを特徴とする請求項
    3または4記載の振動検査装置。
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