JP3631884B2 - 工作機械用スピンドルの動剛性測定方法および測定装置 - Google Patents
工作機械用スピンドルの動剛性測定方法および測定装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械用スピンドルの動剛性測定方法およびこの方法を用いるための測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、工作機械では、実際に試し加工をして、好ましい加工条件を探り出していたため、非常に手間がかかっていた。
また、熟練者であれば、長年の経験に基づいて、加工前に予め適した加工条件を見出すことも可能ではあるが、確実とはいかなかった。しかも、加工がうまく行かない場合、加工条件の一つであるスピンドルの回転速度を高くすることによって改善されるときもあれば、その逆のときもあり、これという指針がなかった。
【0003】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、実際の加工を行う前に最適な加工条件を見出すのに用いる工作機械用スピンドルの動剛性測定方法および測定装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、下記の点に着目した。すなわち、工具の刃数にスピンドルの回転速度を乗じた値の周波数で、工具の加工力が周期変動しているため、この周波数でスピンドル系が加振されていることになり、これがスピンドル系に対して共振等の悪影響を与えているのではないかと考えた。
【0005】
そこで、事前に、スピンドル系の動剛性(動的条件のもとでスピンドル系に負荷される外力の増分と変位の増分との比)を把握することができれば、試し加工を行うことなく、容易に且つ精度良く加工条件を設定できると考えた。
ところで、一般に、対象物を加振する振動を与える器具として、対象物に固定した状態で、機械的な振動を与えるものがあるが、器具自身の質量が付加されることによって、対象物の振動特性が変化するので、動剛性測定には好ましくない。
【0006】
また、一般に、動剛性の測定では、加振により生ずる変位を測定対象物に接触させて固定した加速度ピックアップによって検出しているが、このような接触式の測定方法では、下記のような不具合がある。すなわち、加速度ピックアップを測定対象物に接触させて固定するので、測定の準備に非常に手間がかかって面倒であり、また、加速度ピックアップを堅固に固定できていないと、加振時に加速度ピックアップがぐらついて、変位を精度良く検知できない。さらに、加速度ピックアップ自身の質量によって、測定対象物の振動特性が変化してしまい、動剛性の測定精度が低下してしまう。このように、工作機械用スピンドルの動剛性の測定は極めて困難であった。
【0007】
これに対して本発明では、上述の目的を達成するため、請求項1にかかる発明の測定方法は、転がり軸受により回動自在に支持された工作機械用スピンドルの主軸においてその端部、またはこれに取り付けられた工具等の測定対象部を、これに対向して非接触状態で配置された電磁石であって動剛性測定時に工作機械用スピンドルの端部に取り付けられた測定ユニットの電磁石の磁気吸引力によって加振し、加振された測定対象部の変位を、測定対象部と非接触状態で配置された、上記測定ユニットの非接触型変位センサで測定し、ある周波数での動剛性Snは、その周波数で加振される加振力Fn、およびそれによって生じる変位DnによってSn=Fn/Dnで表され、異なる加振周波数で加振したときの動剛性Snをそれぞれ求めることによって、動剛性を演算することを特徴とする。
【0008】
ここで、上述の工具等には、工作機械用スピンドルの主軸に取り付けられた工具の他、例えば、擬似工具、ワーク、治具が含まれ、何れにしても周期振動を生じるものであればよい。また、主軸または工具等の測定対象部は、磁性材料を含んでいればよい。
また、非接触型変位センサとしては、例えば、渦電流型変位センサ、インダクタンス型変位センサ、光電型変位センサ、静電容量型変位センサ等の公知のものを利用できる。
【0009】
上述の構成によれば、測定された変位と、磁気吸引力または磁気吸引力に関連する状態量、例えば、電磁石の制御電流値等とに基づいて工作機械用スピンドルの動剛性またはこれに関連する状態量を演算することができる。
電磁石の磁気吸引力によって測定対象部を非接触で加振するので、加振側の電磁石等の質量が問題とならない。また、加振により生じる変位を非接触型変位センサによって非接触で測定できる。これによって、工作機械用スピンドルの動剛性を非接触状態で測定することができるので、仮に動剛性を接触状態で測定する場合に想定される不具合、例えば、測定に手間がかかることや測定精度低下等を解消することができ、その結果、容易且つ高精度に測定することができる。
【0010】
請求項2にかかる発明の測定装置は、転がり軸受により回動自在に支持された工作機械用スピンドルの主軸においてその端部、またはこれに取り付けられた工具等の測定対象部と対向して非接触状態で配置されて、磁気吸引力で測定対象部を加振する電磁石と、電磁石によって加振された測定対象部の変位を測定する、測定対象部と非接触状態で配置された非接触型変位センサと、ある周波数での動剛性Snは、その周波数で加振される加振力Fn、およびそれによって生じる変位DnによってSn=Fn/Dnで表され、異なる加振周波数で加振したときの動剛性Snをそれぞれ求めることによって、動剛性を演算する手段とを備え、上記非接触型変位センサと電磁石とを、主軸を回動自在に支持する支持部材に取り付け可能な共通の支持体によって支持して、動剛性測定時に工作機械用スピンドルの端部に取り付け可能な一体的な測定ユニットを構成していることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、電磁石の磁気吸引力によって測定対象部を非接触で加振するので、加振側の電磁石等の質量が問題とならない。また、加振により生じる変位を非接触型変位センサによって非接触で測定できる。これによって、工作機械用スピンドルの動剛性を非接触状態で測定することができるので、仮に動剛性を接触状態で測定する場合に想定される不具合、例えば、測定に手間がかかることや測定精度低下等を解消することができる結果、容易且つ高精度に測定することができる。
【0012】
また、測定に際して、測定ユニットを支持部材に取り付ければよく、非接触型変位センサと電磁石とを一体的に扱うことができて便利である。また、非接触型変位センサと電磁石との位置関係を、取付け時に設定する必要がなく、精度の良い測定を迅速に行なうことが可能となる。
【0013】
ここで、支持部材としては、スピンドルのハウジングや、工作機械の機枠を例示できる。
請求項3にかかる発明の測定装置は、請求項2記載の動剛性測定装置において、上記動剛性を演算する手段は、動剛性を高速フーリエ変換によって求めることを特徴とする。
請求項4にかかる発明の測定装置は、請求項2または3に記載の動剛性測定装置において、上記電磁石は、上記主軸を支持する軸受と異なる位置に設けてあることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる工作機械用スピンドルの動剛性測定装置の概略構成図であり、測定対象としてのスピンドル等も図示されている。
まず、スピンドルを説明する。
【0015】
スピンドル50は、支持部材としてのハウジング52と、ハウジング52に取り付けられた複数の軸受53と、軸受53によって回動自在に支持された主軸51と、主軸51を回動させるモータ54とを有している。
スピンドル50のハウジング52が、スピンドル50を支持するための支持部材としての工作機械の機枠(図示せず)に取り付けられて、工作機械が構成される。工作機械では、例えば、主軸51の端部に工具58が取り付けられて、加工が行われる。
【0016】
本測定装置1は、工作機械用スピンドル50の主軸51に取り付けられた工具58等の測定対象部を磁気吸引力で加振する電磁石2と、この電磁石2によって加振された測定対象部の変位を測定する非接触型変位センサ3とを備えている。これらの非接触型変位センサ3および電磁石2は、共通の支持体4によって支持されて一体的な測定ユニット8を構成している。この測定ユニット8は、電磁石2の制御と非接触型変位センサ3からの出力信号の処理とを行うための制御装置5に電気的に接続されている。
【0017】
以下、詳細に説明する。
測定ユニット8は、測定時に、支持部材であるハウジング52の端部に取り付けられる。測定ユニット8の略中央部には、測定空間8aが設定されており、この測定空間8aに、ハウジング52の端部より突出し状態で取り付けられている工具58を配置することができる。測定ユニット8は、このように配置された工具58を所定の方向、例えば、主軸51の径方向に、電磁石2による磁気吸引力によって加振して、その加振する方向に関する工具58の変位を非接触型変位センサ3によって測定できるように構成されている。
【0018】
測定ユニット8は、略環状に構成されて、その環状の中心軸線と主軸51の中心軸線とを一致させ且つその端面部をハウジング52の端部に沿わされた状態で取り付けられている。また、測定ユニット8の環状の中央部に、上述の測定空間8aが設けられている。この測定空間8aの周囲に、電磁石2と非接触型変位センサ3とが互いに位置合わせされて配置されている。電磁石2は、一対で設けられ、測定空間8aを挟んだ両側に、主軸51の径方向に並んで配置されている。また、非接触型変位センサ3は、主軸51の軸方向から見たときに電磁石2と重なるように、且つ電磁石2の軸方向の隣接位置に配置されている。
【0019】
なお、この測定ユニット8を取り付けることのできる支持部材としては、スピンドル50のハウジング52の他、工作機械の機枠を例示でき、主軸51を回動自在に支持する支持部材であって、電磁石2による磁気吸引力の反力を堅固に受け止めることのできる部材であればよい。
支持体4は、スピンドル50のハウジング52の端部に、ねじ止め等によって着脱可能に且つ堅固に固定され、また、取り付けられている電磁石2の磁力の反力をがたつきなく受け止め、それとともに非接触型変位センサ3をがたつきなく支持することができる。
【0020】
電磁石2は、工具58の端部周面の測定対象部と隙間を介して対向した非接触状態で配置されている。電磁石2は、制御装置5から供給される電流によって磁力を発生させて、磁性材料を含む工具58に磁気吸引力を作用させることができる。一対の電磁石2は、制御装置5によってそれぞれ磁気吸引力を制御されて、工具58に加振力を高精度に作用させることができる。例えば、一対の電磁石2は、交互に磁気吸引力を発生させることによって、工具58を含むスピンドル系を両振り加振させることができる。また、複数の電磁石2で、十分な加振力を発生させることができる。
【0021】
非接触型変位センサ3は、例えば、渦電流型変位センサを含み、工具58の周面と隙間を介した非接触状態で配置されている。非接触型変位センサ3は、加振力が作用する方向の、工具58の周面の変位に応じて信号を出力する。非接触型変位センサ3は、電磁石2に隣接しており、加振点近傍で精度良く変位を測定できる。なお、非接触型変位センサ3としては、渦電流型変位センサの他に、インダクタンス型変位センサ、光電型変位センサ、静電容量型変位センサ等の公知のものを利用できる。
【0022】
制御装置5は、測定ユニット8と接続された制御装置本体6と、制御装置本体6と接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等を含む外部制御装置7とで構成されている。外部制御装置7および制御装置本体6は、互いに信号のやり取りを行なって、互いに協働して動剛性の測定を行なうことができる。例えば、外部制御装置7は、加振条件の設定や動剛性の測定結果の表示等の測定前後の処理を主に行い、一方、制御装置本体6は、電磁石2の制御や非接触型変位センサ3の出力信号処理等の高速処理が必要な動剛性測定中の処理を主に行なう。
【0023】
また、制御装置5は、加振条件を設定するための設定手段と、加振条件に応じて電磁石2を制御して加振するための手段と、加振による変位を非接触型変位センサ3によって測定するための手段と、測定された変位に基づいて動剛性を演算する手段と、動剛性の測定結果を表示するための手段とを含んでいる。これらの各手段は、外部制御装置7および制御装置本体6の以下の各部によって実現されている。
【0024】
制御装置本体6は、動剛性測定時の制御および信号処理を行うデジタルシグナルプロセッサ(DSP)61を有している。このDSP61は、信号処理用回路素子であり、内蔵するCPU、ハードウェア、ソフトウェア等によって所望の信号処理を行うように、ハードウェア、ソフトウェアを予め設定することができる。例えば、DSP61は、電磁石2で加振するために、設定された加振条件に応じて電磁石2に供給する電流値に対応した加振信号として出力できる。この加振信号は、変換回路(DAC)62によってディジタル/アナログ変換されてアンプ部63へ送られる。アンプ部63は、加振信号に応じて電磁石2へ電流を供給することによって電磁石2を制御することができる。また、非接触型変位センサ3からの変位出力信号は、入力回路部64に入力された後、変換回路(ADC)65によってアナログ/ディジタル変換される。DSP61は、ADC65で変換された変位の信号と、電磁石2への供給電流値に基づき算出される磁気吸引力の信号とに基づいて、動剛性を演算処理することができる。DSP61で処理された動剛性の測定結果は、外部制御装置7で利用される。
【0025】
外部制御装置7は、加振条件の入力手段としてのキーボードと、動剛性の測定結果を表示するための表示手段としてのディスプレイ装置と、動剛性の測定結果を利用して加工条件の最適化等の処理を行なうための演算手段としてのマイクロコンピュータ(CPU)とを含んでいる。
なお、制御装置5の構成は、上述の構成に限定されず、様々な構成が考えられる。例えば、外部制御装置7は、汎用のPCでなく、専用装置としても良いし、制御装置本体6と一体に構成しても良い。上述のように制御装置5が汎用のPCを含む場合には、使用者がPCを容易に準備できるので、測定装置としては制御装置としてのPCを接続できる構成であればよい。また、外部制御装置7と制御装置本体6との接続方法も、オンライン、オフライン等種々考えられ、図4に示すように、モデム66を介した通信回線によって接続することも考えられる。また、図4の測定装置では、上述の外部制御装置7に加えて、通信回線を介して接続された他の外部制御装置7aも設けられており、工作機械から離れた場所で動剛性の測定結果を利用することができる。また、外部制御装置7と制御装置本体6での処理内容も限定されず、例えば、PCで動剛性を演算させてもよい。要は、制御装置5としては、電磁石2を加振可能に制御できて、また、非接触型変位センサ3の出力を加工条件の設定に利用可能に出力できればよい。
【0026】
次に、本測定装置1の使い方を説明する。
以下では、スピンドル50の主軸51端部に工具58が取り付けられた場合を例に動剛性の測定を説明する。なお、測定対象としてのスピンドル50の状態としては、端部に工具58等が取り付けられていない状態でもよい。また、スピンドル50は、工作機械に組み込まれた状態でも、スピンドル50単体、例えば、テストベッド等に取り付けられた状態であっても構わない。
【0027】
図2は、図1の測定装置による測定手順のフローチャートである。
準備
▲1▼まず、電磁石2および非接触型変位センサ3を、工具58の測定対象部に対して測定可能に非接触で配置する。具体的には、工具58の測定対象部を測定ユニット8の測定空間8a内に配置して、測定ユニット8をハウジング52端部にねじ止め固定する。
【0028】
なお、電磁石2と非接触型変位センサ3とが分離されている場合には、それぞれを工具58の測定対象部に対向させて非接触状態で配置して固定する。
このように、電磁石2や非接触型変位センサ3を、安定な支持部材であるハウジング52に取り付けるので、回転可能なスピンドルやそれに取り付けられた工具等に固定する場合に比べて容易に取り付けることができる。
【0029】
また、測定ユニット8、制御装置本体6、外部制御装置7の各部をそれぞれ電気的に接続する。
▲2▼PCから加振条件を入力する。例えば、加振力の大きさ、加振周波数等を設定する。この設定に応じて、制御装置5で電磁石2を制御して加振することとなる。なお、加振条件の設定は、予め定められた複数の条件のなかから選択するようにしてもよい。
【0030】
測定
▲3▼測定対象部を、これに対向して非接触状態で配置された電磁石2の磁気吸引力によって加振する。磁気吸引力は、一対の電磁石2によって発生され、時間経過とともに正弦波状に変化する。これに伴って、工具58の測定対象部も変位する。
【0031】
▲4▼加振された測定対象部の変位を、測定対象部と非接触状態で配置された非接触型変位センサ3で測定する。なお、変位測定のタイミングは、電磁石2による加振後であればよく、加振終了後に継続されていても構わない。
演算処理
以下の処理内容は、制御装置5によって行なわれ、上述の▲3▼および▲4▼の処理と同時に行なわれる。なお、以下の処理は、▲3▼および▲4▼の処理後に行なわれても構わない。
【0032】
▲5▼加振時の変位と、電磁石2に供給された電流とから磁気吸引力が算出される。一般に、電磁石2が対象物に及ぼす磁気吸引力Fは、電磁石2に流れる電流I、電磁石2と対象物との距離X、および電磁石2の吸引力係数Kによって、F=K(I/X)2 で表される。
このように算出された磁気吸引力と測定された変位とに基づいて工作機械用スピンドル50の動剛性を演算する。例えば、ある周波数での動剛性Snは、その周波数で加振される加振力Fn、およびそれによって生じる変位Dnによって、Sn=Fn/Dnで表される。従って、異なる加振周波数で加振したときの動剛性Snをそれぞれ求めることによって、動剛性の周波数特性が得られる。
【0033】
▲6▼動剛性結果をPCのディスプレイ装置によって表示する。例えば、図3に示すような周波数特性図を得ることができる。
上述のようにして測定したスピンドル50の動剛性から、最適な加工条件を見出すことができる。この加工条件とスピンドル50の動剛性との関係を具体的に説明する。
【0034】
まず、スピンドル50の動剛性の一例を図3を参照しながら説明する。転がり軸受で支持された主軸端部の動剛性は、低い周波数域(例えば、0〜400Hz)ではほぼ一定で安定している。また、それよりも高い周波数域(例えば、400Hz以上)では、周波数によって動剛性が大きく異なり、低い周波数域での動剛性よりも動剛性が高くなったり、低くなったりしている。
【0035】
次に、このようなスピンドル50を有した工作機械によって加工することを想定する。例えば、加工条件の一つにスピンドルの回転速度がある。この回転速度と、スピンドルに取り付けられている工具の刃数とに応じた周波数で、加工中のワークには加工力が周期的に作用する。この加工力の周波数と、スピンドルの動剛性が低くなる周波数域(例えば、図3の周波数域f1)とが一致すると、共振を生じるので、工具を安定して保持できず、その結果、ワークの仕上げ面粗さが粗くなる等の品質低下を生じてしまう。また、低い回転速度で加工すると、共振を避けることはできるが、加工能率が悪くなってしまう。
【0036】
従って、好ましい加工条件を設定するためには、低い回転速度での動剛性よりも動剛性が高くなる周波数域(例えば、図3の周波数域f2)に、加工力の周波数が含まれるように加工条件を設定すればよい。この場合には、高い剛性で工具を安定して保持できるので、仕上げ面粗さを良好にできる。しかも、高い周波数域に設定することによって、加工能率も高くすることができ、より好ましい加工条件とすることができる。
【0037】
なお、好ましい加工条件を見出すためには、所望の周波数での動剛性の値が得られるだけでも構わない。例えば、スピンドルの回転速度を段階的に変速できる工作機械では、その変速できる回転速度に応じた動剛性が得られればよい。
このように本実施の形態による測定方法および測定装置によれば、以下の効果を奏する。すなわち、電磁石2の磁気吸引力によって工具等の測定対象部を非接触で加振するので、加振側の電磁石2等の質量が問題とならない。また、加振により生じる変位を非接触型変位センサ3によって非接触で測定できる。このように、工作機械用スピンドル50の動剛性を非接触状態で測定することができるので、仮に動剛性を接触状態で測定する場合に想定される不具合、例えば、測定に手間がかかることや測定精度低下等を解消することができ、その結果、容易且つ高精度に測定することができる。
【0038】
従って、例えば、工作機械のメーカが、測定装置1を用いて測定したスピンドルの動剛性データをユーザに提供し、この提供された動剛性データに基づいて、ユーザがそのスピンドルを備えた工作機械で加工する際に、その工作機械に応じた好ましい加工条件を見出すという使い方が可能である。
一方、ユーザ自身が、工作機械を使用している製造現場で、今から加工を行なおうとする工具、ワーク等が取り付けられた状態での動剛性を、測定装置1を用いて測定することも可能となるので、その工作機械に応じた好ましい加工条件をより一層正確に見出すことができる。
【0039】
このように、動剛性を容易かつ正確に測定できることによって、工作機械で実際に試し加工をせずに、手間をかけずに短時間で、加工前に予め好ましい加工条件を探り出すことができる。特に、工作機械用スピンドルの動剛性の周波数特性に基づいて最適な加工条件を見出すことができる。また、ある範囲の周波数域での動剛性に基づいて、その周波数域での好ましい加工条件を探り出すための指針を得ることもできる。
【0040】
また、好ましい加工条件を見出すための指針として動剛性を利用でき、経験の浅い作業者であっても、好ましい加工条件を確実に見出すことができる。
このより好ましい加工条件での加工によって、仕上げ面粗さ等の加工品質の向上を図ることができる。また、加工条件の設定に要する時間を短縮できるので、実際の加工に要する時間とを含めた総加工時間を短縮することができる。
【0041】
また、電磁石2と非接触型変位センサ3とを測定ユニット8としてユニット化することによって、測定に際して、この測定ユニット8を支持部材であるハウジング52に取り付ければよく、非接触型変位センサ3と電磁石2とを一体的に扱うことができて便利である。また、ユニット化することによって、非接触型変位センサ3と電磁石2との位置関係を、測定ユニット8をスピンドルに設置する際の取付け時に設定する必要がなく、精度の良い測定を迅速に行なうことが可能となる。
【0042】
また、動剛性を非接触で測定できるので、接触による動剛性の変化を排除することができる。例えば、加振時に測定対象物が接触されると剛性が変化してしまう。従って、コヒーレンスが高い、動剛性の測定ができるので、高分解能で測定することができる。
なお、上述の実施の形態では、測定対象として、主軸51や工具58等を例示したが、この工具58等には、例えば、ワーク、ワークを把持するためのチャック、治具、擬似工具が含まれ、何れにしても工作機械用スピンドルの主軸51に取り付けられて周期振動を生じるものであればよい。ここで、上述の擬似工具は、動剛性の測定のために主軸51の端部に取り付けられるものである。この擬似工具は、実際の加工に使用する工具58が非磁性材からなり、本発明をそのまま適用できない場合や、工具58に磁力を作用させたくない場合等に使用するものであり、実際の加工に使用する工具58と同様の動剛性が得られるような形状、質量等を有し、磁性材料で形成されたものである。この擬似工具を主軸51に取り付けて動剛性を測定することで、実際の加工に使用する工具58を主軸51に取り付けた場合の動剛性を推定することができる。
【0043】
また、動剛性の測定装置1としては、少なくとも、予め定められた条件で非接触で加振できる電磁石2と、この電磁石2の駆動回路と、利用可能な信号を出力できる非接触型変位センサ3とを含んでいればよい。
また、上述の実施の形態では、動剛性を、異なる周波数で正弦波状に加振し、それぞれの周波数での変位に基づいて演算していたが、これには限定されない。例えば、動剛性を、高速フーリエ変換(FFT)によって求めてもよい。この場合には、DSP61に、ADC65からの変位に関する信号と、電磁石2への供給電流値に基づき算出される磁気吸引力とを、高速フーリエ変換(FFT)処理することによって動剛性結果を演算する手段を備えることが考えられる。また、この場合には、加振条件も、正弦波状加振に限定されず、例えば、インパルス状加振やランダムに加振してもよい。
【0044】
また、上述の実施の形態では、(加振力/変位)を動剛性として測定していたが、この値に限定されず、例えば、動剛性の逆数を求めてもよい。また、加振力に代えて、電磁石の制御電流値等の加振力に関連する状態量を用いて算出した動的特性値を測定してもよい。この場合に得られる動的特性値の値は、動剛性の値と異なるものの、動的な傾向は同じであるので、加工条件の設定に利用することができ、加振力の計算を省いた簡単な構成とすることができる。また、加振力の大きさを一定にして加振する場合には、上述の動的特性値は、変位によって決まることから、動的特性値としては、異なる周波数での振動振幅や、非接触型変位センサ3の出力電圧であっても構わない。このように、本発明での動剛性には、上述の動的特性値等の動剛性に関連する状態量を含むものである。また、本発明での動剛性の演算には、異なる周波数で測定されたそれぞれの変位から上述の動的特性値を得ることを含むものである。
【0045】
また、上述の支持体4または測定ユニット8は、ハウジング52に取り付けられる他、工作機械の機枠や、送り装置に取り付けられてもよい。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0046】
【発明の効果】
請求項1または2に係る発明によれば、工作機械用スピンドルの動剛性を非接触で測定することによって、容易且つ正確に測定することができる。これにより、工作機械で実際に試し加工をせずに、手間をかけずに短時間で、加工前に予め好ましい加工条件を探り出すことができる。また、経験の浅い作業者であっても、好ましい加工条件を確実に見出すことができる。
【0047】
また、ユニット化された非接触型変位センサと電磁石との両者を一体的に扱うことができて便利である。また、両者の位置関係を取付け時に設定する必要がなく、精度良く迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる工作機械用スピンドルの動剛性測定装置の概略構成図であり、スピンドル、これに取り付けられている工具等の測定対象物も図示されている。
【図2】図1の測定装置による測定手順のフローチャートである。
【図3】図1の測定装置により得られた測定結果であって、スピンドルの動剛性の周波数特性図であり、横軸に周波数(Hz)を、縦軸にゲイン(dB)を、横軸を対数目盛りとした片対数表示で示している。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかる工作機械用スピンドルの動剛性測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 測定装置
2 電磁石
3 非接触型変位センサ
4 支持部
5 制御装置(演算する手段)
8 測定ユニット
50 スピンドル
51 主軸
52 ハウジング(支持部材)
53 軸受
58 工具
58a 端部(測定対象部)
Claims (4)
- 転がり軸受により回動自在に支持された工作機械用スピンドルの主軸においてその端部、またはこれに取り付けられた工具等の測定対象部を、これに対向して非接触状態で配置された電磁石であって動剛性測定時に工作機械用スピンドルの端部に取り付けられた測定ユニットの電磁石の磁気吸引力によって加振し、
加振された測定対象部の変位を、測定対象部と非接触状態で配置された、上記測定ユニットの非接触型変位センサで測定し、
ある周波数での動剛性Snは、その周波数で加振される加振力Fn、およびそれによって生じる変位DnによってSn=Fn/Dnで表され、異なる加振周波数で加振したときの動剛性Snをそれぞれ求めることによって、動剛性を演算する
ことを特徴とする工作機械用スピンドルの動剛性測定方法。 - 転がり軸受により回動自在に支持された工作機械用スピンドルの主軸においてその端部、またはこれに取り付けられた工具等の測定対象部と対向して非接触状態で配置されて、磁気吸引力で測定対象部を加振する電磁石と、
電磁石によって加振された測定対象部の変位を測定する、測定対象部と非接触状態で配置された非接触型変位センサと、
ある周波数での動剛性Snは、その周波数で加振される加振力Fn、およびそれによって生じる変位DnによってSn=Fn/Dnで表され、異なる加振周波数で加振したときの動剛性Snをそれぞれ求めることによって、動剛性を演算する手段とを備え、
上記非接触型変位センサと電磁石とを、主軸を回動自在に支持する支持部材に取り付け可能な共通の支持体によって支持して、動剛性測定時に工作機械用スピンドルの端部に取り付け可能な一体的な測定ユニットを構成している
ことを特徴とする工作機械用スピンドルの動剛性測定装置。 - 請求項2に記載の動剛性測定装置において、
上記動剛性を演算する手段は、動剛性を高速フーリエ変換によって求めることを特徴とする工作機械用スピンドルの動剛性測定装置。 - 請求項2または3に記載の動剛性測定装置において、
上記電磁石は、上記主軸を支持する軸受と異なる位置に設けてあることを特徴とする工作機械用スピンドルの動剛性測定装置。
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