JP4236510B2 - 回転体の回転バランス測定装置および測定方法 - Google Patents

回転体の回転バランス測定装置および測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体の動的不つり合いを測定する装置及び方法に関し、特に、回転体が有すべき所定の動的不つり合いに対し回転体が実際に有する動的不つり合いのずれを測定する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
作動中に高速で回転する回転体は、動的不つり合いを有すると、大きな振動を発生させる危険があるので、通常は、動的不つり合いを有さないように設計、製造される。しかし、回転体の中には、その回転体が組み込まれた装置が全体として振動、騒音等を生じないように、一定の動的不つり合いを残すことを求められるものがある。このような回転体の代表的な例としては、エンジンのクランク軸があげられる。クランク軸は、エンジン内では、ピストンやコンロッド等を取り付けられる。このため、クランク軸単体で完全にその回転バランスを釣り合わせても、クランク軸とピストン等を組み合わせた機構全体では、動的不つり合いを有し、エンジンの作動中に著しい振動を発生させることになる。このような振動を抑制するために、一般にクランク軸は、ピストン等に起因して生じる動的不つり合いと打ち消し合うような一定の動的不つり合いを有するように製造される。
【0003】
ところで、上記のクランク軸のような回転体が、実際に求められている動的不つり合いを有するか否かは、実際にその回転体の動的不つり合いを測定して確認しなければならない。従来、そのような測定を行う方法としては、大きく分けて以下の三つがあった。
【0004】
第1の方法は、要求されている動的不つり合いを打ち消すような錘を回転体に取り付け、その状態で回転体の動的不つり合いを回転バランス測定装置で測定するという方法である。例えば、回転体がクランク軸である場合には、各クランクピンにピストンと等価な錘(ダミーリング)を取り付け、その状態でクランク軸の動的不つり合いを回転バランス測定装置で測定する。もし、クランク軸が求められている所定の動的不つり合いを有していれば、その動的不つり合いは、各クランクピンに取り付けられたダミーリングにより打ち消され、回転バランス測定装置により測定される動的不つり合いはゼロとなる。一方、クランク軸が求められている理想的な動的不つり合いを有さない場合には、理想的な動的不つり合いからのずれに相当する動的不つり合いが回転バランス測定装置により測定されることとなる。
【0005】
第2の方法は、回転体に直接ダミーリングを取り付ける代わりに、回転体を回転駆動する回転バランス測定装置のスピンドルに、回転体に残すべき所定の動的不つり合いとつり合うような錘(ダミーウェイト)を取り付け、この状態で回転体の動的不つり合いを測定するという方法である。この第2の方法でも、回転体が求められている理想的な動的不つり合いを有さないと、回転体が現実に有する動的不つり合いと、その理想的な動的不つり合いとの差に相当する動的不つり合いが測定される。
【0006】
第3の方法では、ダミーリングやダミーウェイトを取り付けずにそのまま回転体単体を回転させ、このとき発生する振動を振動ピックアップで検出する。次に、振動ピックアップの出力信号から、回転体が理想的な動的不つり合いを有していれば振動ピックアップが出力する信号分を電気的に除去する。この結果、回転体が現実に有する動的不つり合いと、理想的な動的不つり合いとのずれを示す信号が得られ、その信号に基づいて、回転体が適正な動的不つり合いを有するか否かを判断することが可能となる。
【0007】
なお、上記の方法により得られた測定結果より、測定された回転体に理想的な動的不つり合いを与えるために、その回転体に加えるべき修正の内容を決めることができる。修正は、例えば回転体がクランク軸であれば、クランク軸に備えられているカウンタウェイトの適当な位置に適当なドリル穴を形成することにより行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記第1の方法では、測定する回転体ごとにダミーリングの着脱作業が必要となる。このため、測定を自動化することが困難であった。また、多機種の回転体を同じ測定装置で測定しようとすると、機種ごとに異なるダミーリングを用意しなければならないという問題もあった。
【0009】
上記第2の方法でも、多機種の回転体を同じ測定機で測定しようとすると、機種ごとに異なるダミーウェイトを用意しておき、機種が変わる度にダミーウェイトを交換しなければならず、測定の自動化が困難であるという問題があった。
【0010】
上記第3の方法は、ダミーリングやダミーウェイトを着脱する必要がないことから、測定の自動化を図りやすいという利点を有する。しかし、第3の方法では、回転体を回転させたことによって生じる大きな振動をダミーリング等を用いて抑制することなく検出するために、検出しなければならない振動の振幅が大きくなる。一方、理想的な動的不つり合いからの回転体の実際の動的不つり合いのずれは比較的小さいため、そのようなずれが振動に及ぼす影響も比較的小さい。したがって、動的不釣り合いのずれによる影響を検出するためには、振動を高い精度で測定しなければならないが、大きな振幅を高い精度で測定することは難しく、このために、第3の方法では、理想的な動的不つり合いからの回転体の実際の動的不つり合いのずれを精度よく測定することが必ずしも容易ではなかった。
【発明の目的】
上述した事情に鑑み、本発明は、回転体の動的不つり合いのずれを正確に測定でき、かつ測定の自動化が容易である回転体のバランス測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る回転体の回転バランスを測定する装置は、回転体の回転を検出する回転センサと、回転体を加振する加振手段と、回転体の振動を検出する振動センサとを有する。
【0012】
上記装置では、回転センサが検出する回転体の回転に同期して加振手段が回転体を加振する。加振は、回転体に残すべき所定の動的不つり合いに対応する振動を打ち消すように行われる。そして、振動センサは、回転体の回転と加振手段の加振により回転体に生じた合成振動を検出する。検出される合成振動は、所定の動的不つり合いに対する回転体が実際に有する動的不つり合いのずれ、つまり、回転体の初期アンバランスに対応した振幅の小さな振動である。したがって、振動センサは、たとえばそのダイナミックレンジを合成振動の振幅に適切にあわせることにより、初期アンバランスに対応する振動を高い精度で検出でき、この検出された振動に基づいて回転体の初期アンバランスも高い精度で求めることできる。また、上記装置では、いわゆるダミーリング等を回転体に着脱する必要がないので、測定全体を自動化することが容易である。
【0013】
なお、加振手段は、所定の動的不つり合いを有する基準回転体の回転により生じた基準振動に関する基準振動情報を記憶したメモリ手段と、基準振動情報に基づいて、加振信号を生成する加振信号生成手段と、加振信号に基づいて基準振動を打ち消すように回転体を加振する圧電アクチュエータ等の加振器とを有するように構成してもよい。
【0014】
上記の場合、メモリ手段に記憶されている基準振動情報は、例えば、所定の動的不つり合いを有する基準回転体を加振せずに回転させ、基準回転体の回転角度を検出し、検出された回転角度に同期して、基準回転体の回転により生じた振動を検出し、その検出された振動に基づいて生成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2にそれぞれ本発明の実施の形態の、回転体としてのクランク軸のバランスを測定する、クランク軸バランス測定装置の測定部の正面図および側面図を示す。なお、以降の記載においては図1中上下方向をY軸方向、前記上下方向とクランク軸の回転軸方向の双方に垂直な方向をX軸方向と定義する。
【0016】
クランク軸バランス測定装置の測定部1の装置フレームは、ベース13と、ベース13から鉛直上方に延びる複数のばね14と、それらばね14に支えられたテーブル15とから成っている。テーブル15の下面には駆動シャフト用軸受12aおよび12bが取り付けられている。駆動シャフト5はこの駆動シャフト用軸受12aおよび12bに回転可能に支持される。また、図2に示されるように、ベース13のX軸方向両端からは鉛直上方にほぼ剛体と見なすことのできる第1の側壁13a(図2中左側)および第2の側壁13bが延出している。
【0017】
ベース13にはモータ2が取り付けられている。モータ2の駆動軸2aにはプーリ3が取り付けられている。一方、駆動シャフト5の一端には第1のプーリ6が取り付けられており、この第1のプーリ6とモータ2の駆動軸2aに取り付けられたプーリ3とには第1の無端ベルト4が渡されており、モータ2を駆動することにより駆動シャフト5を第1の無端ベルト4を介して回転駆動することができる。
【0018】
また、テーブル15の上面から鉛直上方に互いに平行な第1のテーブル側壁17aおよび第2のテーブル側壁17bが固定されている。第1のテーブル側壁17aおよび第2のテーブル側壁17bはばね14のばね定数と比べてきわめて高い剛性を有する剛体である。第1のテーブル側壁17aには従動シャフト用軸受16aおよび16cが、また、第2のテーブル側壁17bには従動シャフト用軸受16bおよび16dがそれぞれ固定されている。なお、図1には従動シャフト用軸受16aおよび16bのみ記載されており、従動シャフト用軸受16cおよび16dはそれぞれ従動シャフト用軸受16aおよび16bの図1中奥側に配置されている。従動シャフト用軸受16a、16b、16c、16dはそれぞれ従動シャフト10a、10b、10c、10d(図1には10a、10bのみ記載)を回転可能に支持する。
【0019】
従動シャフト10a、10b、10c、10dの一端にはそれぞれプーリ9a、9b、9c、9dが取り付けられている。また、駆動シャフト5の一端のプーリ6に隣接した箇所および駆動シャフト5の他端には第2のプーリ7aおよび7bが取り付けられている。第2のプーリ7aと従動シャフト10aに取り付けられたプーリ9aおよび従動シャフト10cに取り付けられたプーリ9c、第2のプーリ7bと従動シャフト10bに取り付けられたプーリ9bおよび従動シャフト10dに取り付けられたプーリ9dにはそれぞれ第2の無端ベルト8aおよび8bが渡されている。従って、駆動シャフト5が回転すると、その動力が第2の無端ベルト8aを介して従動シャフト10a及び10cに伝達され、この結果、従動シャフト10a及び10cが回転する。また、駆動シャフト5からの動力は、第2の無端ベルト8bを介して従動シャフト10bおよび10dにも伝達され、この結果、従動シャフト10b及び10dも回転する。
【0020】
従動シャフト10a、10b、10c、10dの他端にはそれぞれローラ11a、11b、11c、11dが取り付けられている。ローラ11a、11cの上にはクランク軸100の回転軸の一端110aが、またローラ11b、11dの上にはクランク軸100の回転軸の他端110bがそれぞれ載置される。クランク軸100はこのローラ11a、11b、11c、11dの回転に従動して回転する。即ち、モータ2を駆動することによってクランク軸100を回転することができる。
【0021】
クランク軸100の一端には、キー溝102が形成されている。回転バランス装置の測定部1は、さらに、キー溝102を検出するためのセンサDを備えている。
【0022】
また、図1および図2に示されるように、ベース13の第1の側壁13aとテーブル15との間には振動ピックアップVDLおよびVDRが取り付けられている。動的不つり合いを有するクランク軸100は、回転すると振動する。本実施形態のクランク軸バランス測定装置では、クランク軸100の振動が、ローラ11a、11b、11c、11d、第1及び第2のテーブル側壁17a、17b等を介しテーブル15に伝達される。振動ピックアップVDL及びVDRは、回転しているクランク軸100からテーブル15に伝達された振動を検出する。換言すれば、振動ピックアップVDLおよびVDRは、回転するクランク軸100がローラ11a、11b、11c、11dに加える負荷の変動を検出する。
【0023】
振動ピックアップVDLおよびVDRはそれぞれクランク軸100の回転軸に垂直な2成分(X軸方向およびY軸方向)の加速度を計測する加速度センサである。振動ピックアップVDLは第1のテーブル側壁17aと同じXY平面上に、また振動ピックアップVDRは第2のテーブル側壁17bと同じXY平面上に取り付けられている。
【0024】
また、ベース13の第2の側壁13bとテーブル15との間には圧電アクチュエータVLおよびVRが取り付けられている。圧電アクチュエータVLは第1のテーブル側壁17aと同じXY平面上に、また圧電アクチュエータVRは第2のテーブル側壁17bと同じXY平面上に取り付けられている。圧電アクチュエータは印加される電圧の大きさに応じて変位する部材であり、従って圧電アクチュエータVLおよびVRに入力する信号を制御することにより、テーブル15を自在に加振することができる。
【0025】
図3に本発明の実施の形態のクランク軸バランス測定装置の制御部200のブロック図を示す。
【0026】
制御部200は、CPU202、メモリ204、入出力ポート(I/Oポート)214、及び第1、第2、第3及び第4のD/Aコンバータ206、208、210及び212を備えている。制御部200は、さらに、第1及び第2の増幅器216及び218、第1及び第2のA/Dコンバータ220及び222、第1及び第2のデジタルフィルタ224及び226、及びCPUデータバス228を備えている。
【0027】
第1及び第2の増幅回路216及び218は、それぞれ、振動ピックアップVDR、VDLのアナログ出力信号を増幅する。第1及び第2のA/Dコンバータ220及び222は、それぞれ、第1及び第2の増幅回路216及び218のアナログ出力信号をデジタル信号に変換する。第1及び第2のデジタルフィルタ224及び226は、それぞれ、第1及び第2のA/Dコンバータ220及び222からのデジタル信号のノイズを低減した後、それらをCPUデータバス228へ送る。
【0028】
CPU202は、CPUデータバス228上のデータをメモリ204に格納する。また、CPU202は、メモリ204に保存されているデータに基づいて加振信号を生成する。生成された加振信号は、I/Oポート214及び第1〜第4までのD/Aコンバータ206、208、210及び212を介して左右の圧電アクチュエータVL及びVRに送られる。これにより、CPU202は、圧電アクチュエータVL及びVRの動作を制御し、ひいては、テーブル15の振動を制御する。また、CPU202は、モータ2を制御するための制御信号を生成する。
【0029】
以下、本実施形態に係るクランク軸バランス測定装置の動作について説明する。本実施形態に係るクランク軸バランス測定装置は、2つの動作モードを有している。2つの動作モードとは、基準振動データサンプリングモードと、測定モードである。基準振動データサンプリングモードでは、理想的な動的不つり合いを有する基準クランク軸の測定が行われ、その結果得られたデータはメモリ204に保存される。一方、測定モードでは、テストクランク軸の動的不つり合いの、理想的な動的不つり合いからのずれが測定される。
【0030】
基準振動データサンプリングモードでは、基準クランク軸がローラ11a、11b、11c、11d上に載せられる。次に、モータ2を駆動することによりローラ11a、11b、11c、11dを回転させ、それにより基準クランク軸を回転させる。このとき、CPU202は、センサDからのパルス信号に基づいて、基準クランク軸が予め定められている回転速度N(rpm)で回転するように、モータ2を制御する。
【0031】
回転している基準クランク軸は、その動的不釣り合いのために振動する。基準クランク軸の振動は、ローラ11a、11b、11c、11d、第1及び第2のテーブル側壁17a及び17bを介してテーブル15に伝達する。この結果、テーブル15は振動する。このようにして、基準クランク軸によりテーブル15に生成された振動を以下「基準振動」と呼ぶ。
【0032】
なお、基準振動データサンプリングモードでは、基準クランク軸の振動によってのみテーブル15が振動するように、左右の圧電アクチュエータVL及びVRは駆動されない。
【0033】
テーブル15の基準振動は、振動ピックアップVDL及びVDRによって検出される。CPU202は、第1及び第2のA/Dコンバータ220及び222を介して左右の振動ピックアップVDR及びVDLから、基準クランク軸の1回転分に対応する基準振動のデータを受信し、そのデータをメモリ204に格納する。
【0034】
より具体的には、図1中左側に位置している振動ピックアップVDLが、第1テーブル側壁17aの近傍におけるテーブル15のX及びY方向の加速度を検出し、検出されたX及びY方向の加速度に対応したX及びYアナログ振動信号WLX及びWLYを生成する。X及びYアナログ振動信号WLX及びWLYは、第2の増幅回路218を通った後に第2のA/Dコンバータ222に入力し、X及びYデジタル振動信号W’LX 及びW’LYに変換される。次に、X及びYデジタル振動信号W’LX 及びW’LYは、デジタルフィルタ226でノイズを除去され、そしてCPUデータバス228に送られる。これにより、CPU202がデジタル振動信号W’LX 及びW’LYのデータを取得することが可能になる。
【0035】
同様に、図1中で右側に位置している振動ピックアップVDRは、第2のテーブル側壁17bの近傍におけるテーブル15のX及びY方向の加速度を検出し、X及びYアナログ振動信号WRX及びWRYを第1の増幅回路216を介して第1のA/Dコンバータ220に送る。第1のA/Dコンバータ220において、X及びYアナログ振動信号WRX及びWRYは、X及びYデジタル振動信号W’RX及びW’RYに変換される。得られたX及びYデジタル振動信号W’RX及びW’RYは、デジタルフィルタ224を介してCPUデータバス228に送られる。これによりCPU202は、X及びYデジタル振動信号W’RX及びW’RYのデータを取得可能となる。
【0036】
CPU202は、センサDにより生成されるパルス信号をモニターし、2つの連続したパルス信号の間の期間中に各デジタル信号W’LX、W’LY、W’RX及びW’RYのデータをメモリ204に格納する。これにより、CPU202は、メモリ204内に4セットのデジタルデータを生成する。4セットのデジタルデータのうち2セットは、振動ピックアップVDLによりX及びY方向において検出された振動の一周期分の波形を表す。以下、この2セットのデータをそれぞれX、Y第1基準振動データと呼ぶ。一方、他の2セットは、振動ピックアップVDRによりX及びY方向において検出された振動の一周期分の波形を表す。以下、この2セットのデータをそれぞれX、Y第2基準振動データと呼ぶ。
【0037】
測定モードでは、動的不釣り合いが不明なテストクランク軸がローラ11a、11b、11c及び11d上に載せられ、予め定められた回転速度N(rpm)で回転させられる。この結果、テストクランク軸は、その動的不釣り合いにより振動し、その結果、テーブル15も振動する。
【0038】
CPU202は、圧電アクチュエータVLのX方向及びY方向の動作をそれぞれ制御するための第1及び第2の加振信号を生成する。生成された第1及び第2の加振信号は、それぞれ第1及び第2のD/Aコンバータ206及び208を介して圧電アクチュエータVLに送られる。また、CPU202は、圧電アクチュエータVRのX方向及びY方向の動作をそれぞれ制御するための第3及び第4の加振信号を生成する。生成された第3及び第4の加振信号は、それぞれ第3及び第4のD/Aコンバータ210及び212を介して圧電アクチュエータVRに送られる。
【0039】
第1、第2、第3及び第4の加振信号は、それぞれ、メモリ204に格納されているX、Y第1基準振動データおよびX、Y第2基準振動データに基づいて、テーブル15に基準振動の逆の振動が生じるように生成され、センサDからのパルス信号に同期して圧電アクチュエータVL及びVRに送信される。つまり、基準振動が関数f=(θ)(ただし、θは振動の位相(又はクランク軸の回転角度))を表すとすると、第1、第2、第3及び第4の加振信号は、テーブル15に関数f=−f(θ)で表される振動が生成されるように圧電アクチュエータVL及びVRを作動させる。
【0040】
圧電アクチュエータVL及びVRが上記のようにテーブル15を加振している間に、振動ピックアップVDL及びVDRはテーブル15の振動を検出する。
【0041】
もし、テストクランク軸が基準クランク軸と同じ動的不つり合いを有していると、テストクランク軸によって生じた振動は、圧電アクチュエータVL及びVRによって生成された逆の振動によって打ち消される。このため、振動ピックアップVDL及びVDRはテーブル15から何らの振動も検出しない。
【0042】
もし、テストクランク軸の動的不釣り合いが基準クランク軸のそれと異なる場合には、テストクランク軸によって生成された振動は、圧電アクチュエータVL及びVRによって完全に打ち消されることはない。したがって、テーブル15には、テストクランク軸と基準クランク軸との動的不釣り合いのずれに対応した振動が発生する。
【0043】
振動ピックアップVDR及びVDLは、基準クランク軸の動的不つり合いからのテストクランク軸の動的不つり合いのずれによりテーブル15に生じた振動を検出し、検出した振動に対応したアナログ信号を生成する。生成されたアナログ信号は、次に、第1及び第2の増幅回路216及び218により増幅され、さらに第1及び第2のA/Dコンバータ220及び222によりデジタル信号に変換される。次に、CPU202が、センサDがテストクランク軸の回転に応じて生成する2つの連続するパルス信号の間の期間中にA/Dコンバータ202及び222から送られてきたデジタルデータをメモリ204に格納する。
【0044】
以上により、基準クランク軸の動的不つり合いからのテストクランク軸の動的不釣り合いのずれを表すデータがメモリ204に格納される。得られたデータからは、テストクランク軸の動的不つり合いを基準クランク軸の動的不つり合いと一致させるために、テストクランク軸に加えるべき修正、すなわち、修正面のどの位置にどの程度の大きさの質量を付加又は除去すべきかを算出することができる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態に係るクランク軸バランス測定装置について説明をしたが、上記クランク軸バランス測定装置は、種々に変形することが可能である。例えば、圧電アクチュエータを用いてテーブルに加える振動は、テストクランク軸の各クランク軸の回転方向の位置(位相)を考慮して生成することとしてもよい。
【0046】
上記は、例えば次のようにして実現することができる。はじめに、基準クランク軸の各クランクピンの位置にクランク軸の動的不つり合いを修正するための修正面を定義する。次に、各修正面において定義される基準クランク軸の動的不つり合いにより基準クランク軸に生じる振動(以下、「部分振動」という)を求め、さらに、各部分振動の一周期分の波形を表す複数の振動情報をメモリに格納する。一方、クランク軸バランス測定装置には、各クランクピン毎に一つのクランクピンセンサを取り付ける。各クランクピンセンサは、対応するクランクピンの位置を検出するようにクランク軸バランス測定装置に備えられる。次に、メモリ内の各振動情報から各部分振動を打ち消すための加振信号を生成する。さらに、各加振信号を対応するクランクピンセンサの出力信号に同期させて圧電アクチュエータに送る。この結果、圧電アクチュエータは、テストクランク軸の各クランクピンの回転方向の位置(位相)を考慮した振動をテーブルに加えることとなる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回転体の動的不つり合いを正確に測定でき、しかも、その測定の自動化が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のクランク軸バランス測定装置の測定部の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態のクランク軸バランス測定装置の測定部の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態のクランク軸バランス測定装置の制御部のブロック図である。
【符号の説明】
13 ベース
14 ばね
15 テーブル
100 クランク軸
200 制御部
202 CPU
206、208、210、212 D/A変換器
216、218 A/D変換器
D センサ
VDL,VDR 振動ピックアップ
VD,VR 圧電アクチュエータ

Claims (9)

  1. 回転体の回転を検出する回転センサと、
    前記回転センサが検出した前記回転体の回転に同期して、前記回転体に残すべき所定の動的不つり合いに対応する振動を打ち消すように前記回転体を加振する加振手段と、
    前記回転体の回転と前記加振手段の加振により前記回転体に生じた合成振動を検出する振動センサと
    を有することを特徴とする回転体の回転バランス測定装置。
  2. 前記加振手段は、
    前記所定の動的不つり合いを有する基準回転体の回転により生じた基準振動に関する基準振動情報を記憶したメモリ手段と、
    前記基準振動情報に基づいて、加振信号を生成する加振信号生成手段と、
    前記加振信号に基づいて前記基準振動を打ち消すように前記回転体を加振する加振器と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の回転体の回転バランスの測定装置。
  3. 前記加振器が圧電アクチュエータである
    ことを特徴とする請求項2に記載の回転体の回転バランス測定装置。
  4. 前記回転体は、ベース上にばねを介して振動可能に設置されたテーブル上に回転可能に取り付けられ、
    前記加振器は前記テーブルと前記ベースの双方に当接して設置されている
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の回転体の回転バランス測定装置。
  5. 前記回転体がクランク軸である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転体の回転バランス測定装置。
  6. 回転体の回転を検出し、
    検出した前記回転体の回転に同期して、前記回転体に残すべき所定の動的不つり合いに対応する振動を打ち消すように前記回転体を加振し、
    前記回転体の回転と前記加振により前記回転体に生じた合成振動を検出する
    ことを特徴とする回転体の回転バランス測定方法。
  7. 前記回転体の加振は、
    前記所定の動的不つり合いを有する基準回転体の回転により生じた基準振動に関する基準振動情報を記憶手段から読み出し、
    読み出された前記基準振動情報に基づいて、加振信号を生成し、
    前記加振信号に基づいて前記基準振動を打ち消すように前記回転体を加振することにより行われる
    ことを特徴とする請求項6に記載の回転体の回転バランス測定方法。
  8. 前記基準回転体を加振せずに回転させ、
    前記基準回転体の回転を検出し、
    検出された前記回転体の回転に同期して、前記基準回転体の回転により生じた前記基準振動を検出し、
    検出された前記基準振動に基づいて前記基準振動情報を生成し、
    生成された前記基準振動情報を前記記憶手段に保存する
    ことを特徴とする、請求項7に記載の回転体の回転バランス測定方法。
  9. 前記回転体がクランク軸であることを特徴とする、請求項6から請求項8のいずれかに記載の回転体の回転バランス測定方法。
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