JP4735836B2 - 車両の振動低減方法 - Google Patents
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そこで、運転時の振動の要因となっている、図6に示されるような、エンジンアッセンブリ20のリア部にトルクコンバータ21が組み付けられたエンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22の状態でのアンバランスついて着目すると、エンジンアッセンブリ20のフロント部のアンバランスは、そのフロント部に組み付けられる部品がないために、比較的そのアンバランスを調整することができるが、エンジンアッセンブリ20のリア部のアンバランスは、リア部にトルクコンバータ21が取り付けられるために、エンジンアッセンブリ20のリア部のアンバランスの他に、トルクコンバータ21のアンバランス及びエンジンアッセンブリ20のリア部とトルクコンバータ21との組付ガタによって生じるアンバランス等の要素が関連してくる。そのため、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22の状態でのアンバランスを調整することが困難となっていた。
すなわち、特許文献1の内燃機関の振動装置は、エンジン本体とミッション系とからなるアッセンブリの一方が他方に対してねじり振り子となって振動する内燃機関の振動装置であって、ミッション系にバランスシャフトによる加振力をねじりモーメントとして加えることにより、ねじり振り子のねじりモーメントと、バランスシャフトによるねじりモーメントとを互いに打ち消すように作用させて、エンジン本体とミッション系とのアッセンブリのねじり振動を低減させるようにしている。
請求項2に記載した車両の振動低減方法の発明は、複数個のエンジンアッセンブリのフロント部及びリア部のアンバランスの量と方向を測定する工程と、複数個のトルクコンバータのアンバランスの量と方向を測定する工程と、複数個のエンジンアッセンブリ及び複数個のトルクコンバータのそれぞれの係合部を測定する工程と、前記それぞれの係合部の測定結果を基いて、前記各エンジンアッセンブリと前記各トルクコンバータとの各組み付けガタ量を演算する工程と、前記各工程の測定結果及び前記ガタ量の演算結果に基いて、前記エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のフロント部とリア部とのアンバランスの方向が逆位相になるエンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせを演算する工程と、前記演算工程での演算結果に基いて、前記特定のエンジンアッセンブリと前記特定のトルクコンバータとを選択して組み付ける工程と、を含むことを特徴とするものである。
請求項3に記載した車両の振動低減方法の発明は、請求項2に記載した発明において、エンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせを演算する前記演算工程は、前記各エンジンアッセンブリのリア部のアンバランスの量と方向、前記各トルクコンバータのアンバランスの量と方向及び前記各組み付けガタの量を合算して演算された前記各エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のリア部の合わせアンバランスの方向と、前記各エンジンアッセンブリのフロント部のアンバランスの方向とが逆位相になる前記エンジンアッセンブリと前記トルクコンバータとの組み合わせを演算する共に、該エンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組付位相差を演算することを特徴とするものである。
請求項4に記載した車両の振動低減方法の発明は、請求項2または3に記載の発明において、複数個のエンジンアッセンブリのフロント部及びリア部のアンバランスの量と方向を測定する前記工程には、各エンジンアッセンブリのフロント部及びリア部に、それぞれのアンバランスの方向を表示する工程を含み、また、複数個のトルクコンバータのアンバランスの量と方向を測定する前記工程には、各トルクコンバータに、それぞれのアンバランスの方向を表示する工程を含むことを特徴とするものである。
請求項2に記載した車両の振動低減方法の発明では、従来から実施されていた各エンジンアッセンブリ及び各トルクコンバータのそれぞれのアンバランスの量と方向を測定する工程に加え、複数個のエンジンアッセンブリ及び複数個のトルクコンバータのそれぞれの係合部を測定する工程と、それぞれの係合部の測定結果に基いて、各エンジンアッセンブリと各トルクコンバータとの各組み付けガタ量を演算する工程と、前記各工程の測定結果及び前記ガタ量の演算結果に基いて、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のフロント部とリア部とのアンバランスの方向が逆位相になるエンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせを演算する工程と、該演算工程の演算結果に基いて、それぞれを組付ける工程とを新たに加えることにより、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のフロント部とリア部とのアンバランスの方向が逆位相となり、そのアンバランスが調整される。
請求項3に記載した車両の振動低減方法の発明では、エンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせを演算する演算工程において、各エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体でのリア部の合わせアンバランスの方向と、各エンジンアッセンブリのフロント部のアンバランスの方向とが逆位相になるエンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせが演算される共に、該エンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組付位相差が演算される。
請求項4に記載した車両の振動低減方法の発明では、作業者は、各エンジンアッセンブリのフロント部及びリア部のアンバランスの方向及び各コンバータのアンバランスの方向を視認でき、これらのアンバランスの方向の表示によって、エンジンアッセンブリとトルクコンバータとを所定の組付位相差で組み付けることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る車両の振動低減方法を具現化するための振動低減装置1は、複数個のエンジンアッセンブリ20及び複数個のトルクコンバータ21の中から特定のエンジンアッセンブリ20及び特定のトルクコンバータ21を選択して、図6に示すような、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22を組み付ける際、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22のフロント部のアンバランスとリア部のアンバランスとが逆位相になる特定のエンジンアッセンブリ20と特定のトルクコンバータ21とを選択して、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22を組み付けることができる。
すなわち、本振動低減装置1は、図1及び図6に示すように、各エンジンアッセンブリ20のフロント部及びリア部のそれぞれのアンバランスの量と方向を測定するエンジンアッセンブリアンバランス測定装置2と、各トルクコンバータ21のアンバランスの量と方向を測定するトルクコンバータアンバランス測定装置3と、各エンジンアッセンブリ20のリア部と各トルクコンバータ21とのそれぞれの係合部を測定する係合部測定装置4と、これらエンジンアッセンブリアンバランス測定装置2、トルクコンバータアンバランス測定装置3及び係合部測定装置4から入力される測定結果に基いて、各エンジンアッセンブリ20のリア部と各トルクコンバータ21との各組み付けガタ量を算出して、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22のフロント部及びリア部のアンバランスの方向が逆位相になるエンジンアッセンブリ20とトルクコンバータ21との組み合わせを演算する演算処理装置5と、を備えている。
そして、振動架台9の上にエンジンアッセンブリ20が載置されて、エンジンアッセンブリ20のクランク軸25を回転モータ11により回転駆動させると、エンジンアッセンブリ20が振動を始める。このエンジンアッセンブリ20の振動を各振動ピックアップ10、10により検出して、その検出結果がアンバランス換算装置に入力されて、エンジンアッセンブリ20のフロント部とリア部のそれぞれのアンバランスの量と方向が演算される。
また、エンジンアッセンブリ20のフロント部とリア部のそれぞれのアンバランスの方向には、作業者がアンバランスの方向を視認できるようにマーキングされる。
そして、バランス測定台12を回転モータ14により回転させると、トルクコンバータ21が回転されて、トルクコンバータ21にアンバランスがある場合には、この装置3全体に振動が生じる。この振動は、トルクコンバータ21のアンバランスによる回転の遠心力により生じるもので、アンバランスの方向において最大の振幅を生じるようになる。この最大振幅を振動ピックアップ15により検出して、その検出結果がアンバランス換算装置に入力されて、トルクコンバータ21のアンバランスの量と方向が演算される。
また、トルクコンバータ21のアンバランスの方向には、作業者がアンバランスの方向を視認できるようにマーキングされる。
まず、複数個のエンジンアッセンブリ20のフロント部及びリア部のそれぞれのアンバランスの量と方向が、エンジンアッセンブリアンバランス測定装置2で測定されて、それぞれの測定結果が演算処理装置5に入力される。この時、各エンジンアッセンブリ20のフロント部およびリア部には、それぞれのアンバランスの方向を、作業者に視認させるためのマーキングが施される。また、各エンジンアッセンブリ20のリア部に露出するクランク軸25端面の中心孔16の内径が、係合部測定装置4の孔径測定器によってそれぞれ測定されて、それぞれの測定結果が演算処理装置5に入力される。
また、複数個のトルクコンバータ21のアンバランスの量と方向がトルクコンバータアンバランス測定装置3でそれぞれ測定されて、それぞれの測定結果が演算処理装置5に入力される。この時、各トルクコンバータ21には、そのアンバランスの方向を、作業者に視認させるためのマーキングが施される。また、各トルクコンバータ21のセンタピース17の外径が、係合部測定装置4の突起径測定器によってそれぞれ測定されて、それぞれの測定結果が演算処理装置5に入力される。
このように、エンジンアッセンブリ20のリア部にトルクコンバータ21が組み付けられたエンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22は、そのフロント部とリア部とのアンバランスが逆位相になってそのアンバランスが調整される。
しかも、上述したようなエンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体22を構成するには、既存のエンジンアッセンブリアンバランス測定装置2及びトルクコンバータアンバランス測定装置3に、係合部測定装置4及び演算処理装置5を新たに加えるだけでの簡易な構成で達成することができるので、設備が大型化せず、設置スペースも不必要となり、実用的である。
Claims (4)
- 複数個のエンジンアッセンブリ及び複数個のトルクコンバータの中から、特定のエンジンアッセンブリと特定のトルクコンバータとを選択して、エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体を組み付ける際、該エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のフロント部とリア部とのアンバランスが逆位相になるように、前記特定のエンジンアッセンブリと前記特定のトルクコンバータとを選択して、前記エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体を組み付けることを特徴とする車両の振動低減方法。
- 複数個のエンジンアッセンブリのフロント部及びリア部のアンバランスの量と方向を測定する工程と、
複数個のトルクコンバータのアンバランスの量と方向を測定する工程と、
複数個のエンジンアッセンブリ及び複数個のトルクコンバータのそれぞれの係合部を測定する工程と、
前記それぞれの係合部の測定結果を基いて、前記各エンジンアッセンブリと前記各トルクコンバータとの各組み付けガタ量を演算する工程と、
前記各工程の測定結果及び前記ガタ量の演算結果に基いて、前記エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のフロント部とリア部とのアンバランスの方向が逆位相になるエンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせを演算する工程と、
前記演算工程での演算結果に基いて、前記特定のエンジンアッセンブリと前記特定のトルクコンバータとを選択して組み付ける工程と、を含むことを特徴とする車両の振動低減方法。 - エンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組み合わせを演算する前記演算工程は、前記各エンジンアッセンブリのリア部のアンバランスの量と方向、前記各トルクコンバータのアンバランスの量と方向及び前記各組み付けガタの量を合算して演算された前記各エンジンアッセンブリ/トルクコンバータ組付体のリア部の合わせアンバランスの方向と、前記各エンジンアッセンブリのフロント部のアンバランスの方向とが逆位相になる前記エンジンアッセンブリと前記トルクコンバータとの組み合わせを演算する共に、該エンジンアッセンブリとトルクコンバータとの組付位相差を演算することを特徴とする請求項2に記載の車両の振動低減方法。
- 複数個のエンジンアッセンブリのフロント部及びリア部のアンバランスの量と方向を測定する前記工程には、各エンジンアッセンブリのフロント部及びリア部に、それぞれのアンバランスの方向を表示する工程を含み、また、
複数個のトルクコンバータのアンバランスの量と方向を測定する前記工程には、各トルクコンバータに、それぞれのアンバランスの方向を表示する工程を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の車両の振動低減方法。
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