JP2006023085A - 振動計測用支持装置 - Google Patents

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JP2006023085A JP2004198874A JP2004198874A JP2006023085A JP 2006023085 A JP2006023085 A JP 2006023085A JP 2004198874 A JP2004198874 A JP 2004198874A JP 2004198874 A JP2004198874 A JP 2004198874A JP 2006023085 A JP2006023085 A JP 2006023085A
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勝之 北条
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Abstract

【課題】 供試体の振動を検出する際に、その供試体を支持する支持装置の共振の影響をできるだけ少なくする。
【解決手段】 一対の支持部34、36がそれぞれゴムブロック42を介して供試体Wを支持するようになっているため、そのゴムブロック42によって供試体Wから支持部34、36へ伝達される振動の周波数が制限され、その振動伝達によって振動する支持部34、36の共振点が計測域から外れるように、供試体Wの質量や大きさ、振動の計測域(周波数域)等に応じてゴムブロック42の弾性係数や材質、大きさ等が定められることにより、支持部34、36の共振点が計測域から外れて供試体Wの振動の検出精度が向上する。
【選択図】 図4

Description

本発明は振動計測用支持装置に係り、特に、支持装置の共振による影響をできるだけ小さくした振動計測用支持装置に関するものである。
車両用のトランスミッションやデファレンシャル装置、トランスアクスル等の入出力部材を有する動力伝達装置においては、振動(騒音を含む)をできるだけ小さくすることが望まれ、その振動を検査するための試験装置が提案されている。特許文献1に記載の装置はその一例で、供試体(動力伝達装置)をL字型の支持治具に固定した状態で、入力軸を回転駆動するとともに出力軸に所定の回転抵抗を付与することにより、実際に車両に搭載した場合の作動状態(実働状態)を再現して振動を検出するようになっている。
特開2000−105171号公報
しかしながら、このような従来の試験装置においては、支持治具に供試体を固定して振動を測定するため、支持治具の振動の影響が避けられず、振動の検出精度が損なわれるという問題があった。すなわち、図14の(a) に示すようにトランスアクスル等の供試体Wには、通常X,Y,Z,Rx ,Ry ,Rz の各方向の共振モードが存在する一方、供試体を一体的に固定する支持治具では共振点の一部が計測域に現れることがあり、図14の(b) に示すように支持治具の振動のピーク(共振点)が計測域内に入ると、供試体のみの振動波形(一点鎖線)と実際の計測波形(実線)とが相違してしまうことがあるのである。計測域は、振動が問題となる周波数領域で、供試体の種類や試験の目的等によって適宜定められる。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、供試体の振動を検出する際に、その供試体を支持する支持装置の振動の影響をできるだけ少なくすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、所定の供試体の振動を検出するためにその供試体を支持する振動計測用支持装置であって、複数の支持部によって前記供試体を持ち上げた状態で支持するとともに、その複数の支持部は、それぞれ弾性体を介してその供試体を支持していることを特徴とする。
第2発明は、第1発明の振動計測用支持装置において、(a) 前記支持部は、一直線の支持中心線上に相対向するように一対設けられ、その一対の支持部の間で前記供試体を支持するとともに、(b) 前記弾性体は、前記支持中心線まわりに均等配置されていることを特徴とする。
第3発明は、前記供試体の所定部位に加振機を連結して擬似的に所定の振動を付与する場合に用いられる第2発明の振動計測用支持装置において、(a) 前記一対の支持部には、それぞれ前記支持中心線まわりに回転可能な回転支持部材が設けられ、その回転支持部材が前記弾性体を介して前記供試体を支持している一方、(b) その回転支持部材を前記支持中心線まわりに回転させるとともに、所定の回転位置で位置決めする回転位置決め装置を備えていることを特徴とする。
第4発明は、第2発明または第3発明の振動計測用支持装置において、(a) 前記供試体は、(a-1) 前記一対の支持部により前記弾性体を介して支持されるケースと、(a-2) そのケースに前記支持中心線と略同心となるように軸心まわりの回転可能に配設されている第1回転軸と、(a-3) 前記ケースに軸心まわりの回転可能に配設されるとともに、前記第1回転軸との間で回転が伝達される第2回転軸と、を有する動力伝達装置で、(b) 前記一対の支持部の何れか一方には、前記第2回転軸が回転不能に固定された状態で、前記第1回転軸に所定のプリトルクを付与するプリトルク付与装置が設けられていることを特徴とする。
このような振動計測用支持装置においては、複数の支持部がそれぞれ弾性体を介して供試体を支持するようになっているため、その弾性体によって供試体から支持部へ伝達される振動の周波数が制限され、その振動伝達によって振動する支持部の共振点が計測域から外れるように、供試体の質量や大きさ、振動の計測域(周波数域)等に応じて所定の弾性係数を有する弾性体を採用することにより、支持部の共振点を計測域から外して供試体の振動の検出精度を向上させることができる。
第2発明では、一対の支持部が一直線の支持中心線上に相対向して配設されているとともに、弾性体がその支持中心線まわりに均等配置されているため、その支持中心線が慣性中心となって支持部の各共振モードが低減され、供試体の振動計測に対する影響が一層小さくなる。
第3発明は、供試体の所定部位に加振機を連結して擬似的に所定の振動を付与して振動伝達特性等を調べる場合で、エンジンやモータなどで実際に回転させて振動を発生させる場合に比較して、振動検出装置12が簡単且つ安価でコンパクトに構成される。また、支持装置は、前記支持中心線まわりに回転可能な回転支持部材を備えており、その回転支持部材を支持中心線まわりに回転させるとともに所定の回転位置で位置決めすることにより、支持中心線まわりにおける供試体の姿勢を任意に設定できるため、加振機を定盤等に載置した一定の加振条件で、支持中心線まわりにおける供試体に対する加振方向を適宜変更して加振することが可能であり、加振機の移動に伴う剛性や力量(加振する力の大きさ)の相違などで加振特性が変化する恐れがなく、高い再現性、信頼性が得られる。
第4発明は、ケース内に互いに回転が伝達される第1回転軸および第2回転軸が配設されている動力伝達装置の振動を検出する場合で、一対の支持部により弾性体を介して供試体のケースを支持するとともに、第2回転軸を回転不能に固定した状態でプリトルク付与装置により第1回転軸に所定のプリトルクを付与することにより、実働状態と同じトルク伝達状態を再現できるため、加振機により振動を付与して各部の振動伝達特性等を高い精度で検出することができる。
本発明の振動計測用支持装置は、例えば車両用のトランスミッションやディファレンシャル装置、トランスアクスル等の入出力部材を有する動力伝達装置の振動を検出する場合に好適に用いられるが、車両用以外の動力伝達装置やその他の部材の振動を検出する場合にも適用できる。
弾性体としては、ゴムブロックやエアばね、ワイヤロープなど弾性と減衰を有する種々の部材を採用することが可能で、供試体の種類や質量、大きさなどに応じて計測周波数を考慮して適宜選択される。弾性体は、例えば支持部の共振点が計測域よりも低い周波数になるように選択されるが、計測域によっては支持部の共振点が計測域よりも高い周波数になるように、比較的剛性の高い弾性体を採用することもできる。
第2発明における支持中心線まわりの均等配置は、例えば3個以上のゴムブロック等の弾性体を、支持中心線を中心とする一円周上に等角度間隔で配置したり、円板状或いは円環状(リング状)の弾性体を支持中心と同心に配置したりするように構成される。多数の弾性体を、支持中心線を中心とする複数の円周上に均等配置することもできる。支持中心線は、例えば略水平な一直線に沿って設定される。
第2発明では、一直線の支持中心線上に一対の支持部が相対向して設けられるが、第1発明の実施に際しては、供試体の形状や振動特性等に応じて任意の部位を支持部によって支持することができるし、3箇所以上の支持部で供試体を支持するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
第3発明は、加振機を用いて擬似的に振動を付与する場合で、例えば入出力部材を有する動力伝達装置においても、入出力部材を実際に回転させることなく加振して振動伝達特性等を計測できるが、他の発明の実施に際しては、例えばモータやエンジン等の回転駆動手段を用いて入力部材を実際に回転駆動するとともに、発電機やモータ、摩擦ブレーキ等の制動手段により出力部材に回転抵抗を付与して振動を発生させるようにしても良い。回転駆動手段や制動手段は、供試体(入出力部材を含む)の振動を許容するようにフレキシブルジョイント等を介して入力部材や出力部材に連結することが望ましい。
第3発明の回転位置決め装置は、例えばウォームとウォームホイールなどの減速機を用いて手動操作或いは電動モータなどで回転駆動して回転支持部材を回転させるとともに、所定の回転位置で位置固定の部材にボルト等の固定手段により一体的に固定して位置決めするように構成される。
第3発明では、回転位置決め装置によって供試体の姿勢を支持中心線まわりに回転させることができるようになっているが、その回転位置決め装置と共に更に支持中心線と直交する回転中心線まわりに回転させて所定の回転位置で位置決めする第2の回転位置決め装置を設けることも可能で、その場合は加振方向を更にきめ細かく設定することが可能となり、例えばはすば歯車の歯面に対して垂直方向に加振することもできる。
第4発明において、第2回転軸は、例えば支持装置に設けられた回転阻止手段により回転不能に固定されるが、動力伝達装置のケース等に係合させて回転不能とすることもできる。回転阻止手段は、例えば第2回転軸に対してスプライン等により相対回転不能に嵌合される嵌合部材にて構成されるが、ねじなどで位置固定の部材に一体的に固定することもできる。
第4発明のプリトルク付与装置は、例えば第1回転軸に相対回転不能に連結される連結部材に対して、電動モータのトルク制御などで所定のプリトルクを付与するように構成されるが、第1回転軸に相対回転不能に連結される連結部材とトルク付与部材とを支持中心線まわりにそれぞれ回転可能に配設するとともに、それらの連結部材とトルク付与部材とに跨がって引張コイルスプリング等のスプリングを配設し、トルク付与部材を回転させてスプリングを弾性変性させることにより、そのばね力で連結部材更には第1回転軸にプリトルクを付与するように構成することもできる。上記連結部材は、例えば第1回転軸に対してスプライン等により相対回転不能に嵌合されるように構成されるが、ねじなどで一体的に連結することもできる。
上記プリトルク付与装置は、例えば前記弾性体よりも供試体側に配設されるが、供試体の振動を許容しつつプリトルクを付与できるようにフレキシブルジョイント等を介して弾性体よりも支持装置側(固定側)に配設することもできる。弾性体よりも供試体側に配設する場合に、前記トルク付与部材を回転させてスプリングの弾性変形でプリトルクを付与する場合には、トルク付与部材を戻り回転不能に固定するとともに、そのトルク付与部材を回転操作するためのハンドル等を取り外して振動計測を行うことが望ましい。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施例である振動計測用支持装置10を備えているトランスミッション内部振動加振計測システムを説明する図で、図1の(a) は、そのトランスミッション内部振動加振計測システムの概略構成を示す斜視図、図1の(b) は供試体Wの各部の振動を検出する振動検出装置12の概略構成図である。また、図2および図3は、それぞれ振動計測用支持装置10に設けられたプリトルク付与装置50、回転位置決め装置80を説明する概略図である。
供試体Wは、例えば図11に示すように、遊星歯車式のトランスミッション14およびディファレンシャル装置16が一体的にケース18内に収容されている車両用のトランスアクスルで、エンジン等によって回転駆動される入力軸20、カウンタシャフト22、および一対のドライブシャフト24を備えており、図1のY軸は入力軸20の軸心と一致する。図11の(a) は上記供試体Wの骨子図で、(b) はクラッチC1〜C3およびブレーキB1〜B3の作動状態(○は係合、×は解放)と変速段との関係を示す作動表であり、前進4速を成立させることができる。この供試体Wは動力伝達装置に相当し、入力軸20は第1回転軸に相当し、ドライブシャフト24は第2回転軸に相当する。
振動検出装置12は、供試体Wの所定部位に加振機100を連結して所定の振動を付与することにより、擬似的に実働振動を再現して各部の振動伝達特性等を調べるためのもので、コントロールPC102により振動コントローラ104、加振アンプ106を介して加振機100の振動の周波数や力量(加振する力の大きさ)等を制御する。加振機100には、供試体Wの入力軸22やカウンタシャフト22、ケース18、ギヤ噛合い点等にねじ等によって一体的に連結される加振ロッド108が設けられ、それ等にピンポイントで振動を印加することができるようになっているとともに、その加振ロッド108の先端にはフォースセンサ110が設けられて、実際に印加された振動の力量などを検出するようになっている。この加振機100は、本実施例では電磁加振機で、例えば1N〜200Nの加振力で加振できるものである。
上記コントロールPCにはまた、加速度ピックアップ112が接続されており、撓み振動やねじり振動、回転振動、軸方向振動などを検出すべき回転軸(カウンタシャフト22など)や歯車ケース等の所定部位に、その加速度ピックアップ112を取り付けて加速度を検出し、フォースセンサ110の計測値と組み合わせてFFT解析することにより、供試体Wの内部の振動のメカニズムや、ケース18への伝達感度などを解明する。本実施例では、200Hz〜6000Hzの周波数の振動を検出して振動伝達メカニズムを解析する。
一方、図4〜図10は、振動計測用支持装置10の構成を具体的に示す図で、図4の(a) は、振動計測用支持装置10の一部を切り欠いた平面図で、(b) は一部を切り欠いた正面図、(c) は一部を切り欠いた右側面図であり、図5〜図10は、それぞれ図4におけるV矢視部の拡大図、VI矢視部の拡大図、VII −VII 断面の拡大図、VIII−VIII断面の拡大図、IX−IX断面の拡大図、X−X断面の拡大図である。そして、この振動計測用支持装置10は、定盤等の上に一体的に固設される一対のタワー30、32を備えているとともに、そのタワー30、32の上部には、略水平な一直線の支持中心線O(図1(a) におけるY軸と一致)上において支持部34、36が相対向するように設けられており、供試体Wは、それ等の支持部34、36により空中に持ち上げられた状態で支持されている。
支持部34、36は、それぞれ支持中心線Oまわりの回転可能にタワー30、32に配設された円板状の回転支持部材38、40と、その回転支持部材38、40の内側(対向側)にそれぞれ複数のゴムブロック42を介して配設された同じく円板状の取付板44、46とを備えており、その取付板44、46に供試体Wのケース18が一体的に固定されるようになっている。一方の取付板44には、エンジン等に固定するためにケース18に設けられた取付フランジがボルト等によって固定される一方、他方の取付板46には、図9に示すようにブラケット48が設けられ、ケース18を車体に固定するためのマウント部49(図4参照)がボルト等によって固定されるようになっており、供試体Wは、前記入力軸22の軸心(Y軸)が支持中心線Oと略一致する姿勢で取り付けられる。なお、図4では、ケース18内のトランスミッション14、ディファレンシャル装置16が省略されている。
複数のゴムブロック42は、何れも同じ形状、素材で、図7、図9、図10から明らかなように、支持中心線Oまわりに均等配置、すなわち支持中心線Oを中心とする一円周上に等角度間隔(60°間隔)で6個ずつ設けられており、このゴムブロック42の弾性変形で図1に示す供試体Wの共振モードX,Y,Z,Rx ,Ry ,Rz が回転支持部材38、40やタワー30、32へ伝達されることが抑制される。ゴムブロック42の両端面には、何れも図6に示すように金属板が加硫接着等により一体的に固定されており、その金属板に設けられたボルトを介して回転支持部材38、40と取付板44、46との間に一体的に介在させられている。ゴムブロック42は弾性体に相当し、その材質や弾性係数、大きさなどは、上記タワー30、32等の支持部34、36の共振点が計測域(例えば200Hz〜6000Hz)よりも低い周波数側へ外れるように、供試体Wの質量や大きさなどを考慮して定められている。
本実施例の振動計測用支持装置10は、以下の諸元の供試体Wを対象としており、共振点が67Hz以下、すなわち計測域の下限である200Hzの1/3以下となるように、ゴムブロック42の弾性係数や材質、大きさ等が定められている。
〈対象供試体W〉
・駆動方式 FF、FFベース4WD
・質量 M 50〜120kg
・慣性モーメント Ix :1.5〜2.0×106 kg・mm2
Iy :2.0〜3.0×106 kg・mm2
Iz :2.0〜3.0×106 kg・mm2
また、一方の支持部34側の取付板44には、プリトルク付与装置50が配設され、供試体Wの前記入力軸20に所定のプリトルクを付与するようになっている。プリトルク付与装置50は、図5に示すトルク付与部材52および連結部材54を備えており、その連結部材54に入力軸20がスプライン嵌合等により相対回転不能に連結されるようになっている。トルク付与部材52および連結部材54は、それぞれ支持中心線Oまわりに回転可能に取付板44に配設されているとともに、それ等に跨がって複数のコイルスプリング56(図2、図8参照)が設けられている。トルク付与部材52には、ウォームホイール58が一体的に取り付けられているとともに、そのウォームホイール58と噛み合うウォーム60が取付板44に配設されており、ハンドル62により回転シャフト64を介してウォーム60が回転させられると、ウォームホイール58と一体的にトルク付与部材52が回転させられる。
取付板44にはまた、図4の(a) に示すように回転阻止手段66が設けられ、供試体Wのドライブシャフト24の回転を阻止するようになっており、前記クラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B3の何れかを係合させてニュートラル以外の所定の変速段を成立させた状態で、上記回転阻止手段66によりドライブシャフト24の回転が阻止されると、入力軸20の回転も阻止される。したがって、この状態で前記ハンドル62を回転操作してトルク付与部材52を回転させると、コイルスプリング56が弾性変形させられ、このコイルスプリング56のばね力に基づいて連結部材54、更には入力軸20に所定のプリトルク、すなわちエンジン等によって回転駆動される場合と同様のトルクが付与され、実働状態と同様のトルク伝達状態が再現される。本実施例では、−20Nm〜+150Nmのプリトルクを付与できるようになっている。上記回転阻止手段66は、例えばディファレンシャル装置16のケースをボルト等によって一体的に固定するように構成される。また、図8に示すようにハンドル62は着脱可能で、クランプ装置68のクランプねじ70が締め付けられて回転シャフト64が回転不能に固定されることにより、トルク付与部材52の回転も阻止されて、所定のプリトルク付与状態が維持される。図8の(b) は(a) におけるB−B断面を示す図である。
一方の支持部34には、回転位置決め装置80が配設され、回転支持部材38を支持中心線Oまわりに回転させるとともに、所定の回転位置で位置決めするようになっている。回転位置決め装置80は、図3および図4に示すように、回転支持部材38に一体的に固設されて回転可能に支持している回転支持シャフト82に固定されたウォームホイール84と、そのウォームホイール84と噛み合うようにタワー30に配設されたウォーム86とを備えており、ハンドル88によりウォーム86が回転させられると、ウォームホイール84と一体的に回転支持部材38が回転させられる。供試体Wを支持している他方の回転支持部材40も支持中心線Oまわりに回転可能とされているため、一方の回転支持部材38が回転させられると、供試体Wと共に他方の回転支持部材40も一体的に回転させられ、供試体Wが支持中心線Oまわりに回転させられる。タワー30には、回転支持シャフト82を回転不能に固定する固定手段としてクランプねじ90が設けられており、このクランプねじ90が締め付けられて回転支持シャフト82が回転不能に固定されることにより、回転支持部材38更には供試体Wが所定の回転位置に位置決めされる。他方の回転支持部材40も、クランプねじ92により回転不能にタワー32に固定されるようになっている。これにより、前記加振機100を定盤上に載置した一定の加振条件で、支持中心線Oまわりにおける供試体Wに対する加振方向を適宜変更して、供試体Wの各部に振動を印加することができる。
このように、本実施例の振動計測用支持装置10においては、一対の支持部34、36がそれぞれゴムブロック42を介して供試体Wを支持するようになっているため、そのゴムブロック42によって供試体Wから支持部34、36へ伝達される振動の周波数が制限され、その振動伝達によって振動する支持部34、36の共振点が計測域から外れるように、供試体Wの質量や大きさ、振動の計測域(周波数域)等に応じてゴムブロック42の弾性係数や材質、大きさ等が定められることにより、支持部34、36の共振点が計測域から外れて供試体Wの振動の検出精度が向上する。
また、一対の支持部34、36が一直線の支持中心線O上に相対向して配設されているとともに、多数のゴムブロック42がその支持中心線Oまわりに均等配置されているため、その支持中心線Oが慣性中心となって支持部34、36の各共振モードX,Y,Z,Rx ,Ry ,Rz が低減され、供試体Wの振動計測に対する影響が一層小さくなる。
また、供試体Wの所定部位に加振機100を連結して擬似的に所定の振動を付与するようになっているため、エンジンやモータなどで実際に回転させて振動を発生させる場合に比較して、振動検出装置12が簡単且つ安価でコンパクトに構成される。
また、本実施例の振動計測用支持装置10は、支持中心線Oまわりに回転可能な回転支持部材38、40を備えており、その回転支持部材38、40を支持中心線Oまわりに回転させるとともに所定の回転位置で位置決めすることにより、支持中心線Oまわりにおける供試体Wの姿勢を任意に設定できるため、加振機100を定盤等に載置した一定の加振条件で、支持中心線Oまわりにおける供試体Wに対する加振方向を適宜変更して加振することが可能であり、加振機100の移動に伴う剛性や力量(加振する力の大きさ)の相違などで加振特性が変化する恐れがなく、高い再現性、信頼性が得られる。
また、本実施例では一対の支持部34、36によりゴムブロック42を介して供試体Wのケース18を支持するとともに、回転阻止手段66によりドライブシャフト24を回転不能に固定した状態でプリトルク付与装置50により入力軸20に所定のプリトルクを付与することにより、実働状態と同じトルク伝達状態を再現することができるため、加振機100により振動を付与して各部の振動伝達メカニズム等を高い精度で検出することができる。
因みに、以下のデータは、本実施例の振動計測用支持装置10について、支持部34、36およびタワー30、32の共振周波数を調べた結果の一例である。
〈供試体W〉
・駆動方式 FF
・質量 M 90kg
・慣性モーメント Ix :1.8×106 kg・mm2
Iy :2.7×106 kg・mm2
Iz :2.7×106 kg・mm2
〈支持部〉
・X 8.32 Hz
・Y 18.8 Hz
・Z 8.32 Hz
・Rx 31.5 Hz
・Ry 9.03 Hz
・Rz 31.5 Hz
〈タワー部〉
・X 55.2 Hz
・Y 89.7 Hz
・Z 297 Hz
この結果から、支持部34、36の共振点は67Hz以下(計測域下限200Hzの1/3以下)となり、計測周波数(200Hz〜6000Hz)の範囲に影響はない。また、タワー30、32の共振モードZの共振点は計測周波数の範囲に入るが、供試体Wからの振動は支持部34、36のゴムブロック42の弾性変形でアイソレーションされるので、この共振モードは励起されない。したがって、供試体Wの実働状態を簡易に再現し、外部要因を排除することによって、内部の振動伝達メカニズム等を正確に且つ効率的に測定することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図12の振動計測用支持装置120は、前記支持装置10に比較して、前記支持部34、36を枠体122によって一体的に連結するとともに、その枠体122の中間位置において、前記支持中心線Oと直交する略水平な一直線の第2の支持中心線Sまわりに回転可能に前記タワー30、32に連結し、第2の回転位置決め装置124よりその支持中心線Sまわりに枠体122を回転させるとともに、所定の回転位置で位置決めできるようにしたものである。回転位置決め装置124は、例えば前記回転位置決め装置80と同様にウォームホイールやウォーム、ハンドル、クランプねじ等を備えて構成される。
本実施例では、供試体Wの姿勢を支持中心線Oすなわち前記入力軸20の軸心と直交する支持中心線Sまわりに回転させることができるため、定盤上に載置された加振機100による加振方向を更に多様に変化させることが可能となり、例えばトランスミッション14やディファレンシャル装置16を構成しているはすば歯車の歯面に対して垂直方向に加振して振動伝達メカニズム等を測定することもできる。
図13は、電動モータやエンジン等の回転駆動手段130により前記入力軸20を回転駆動するとともに、一対のドライブシャフト24にそれぞれ中間軸受け132を介して制動手段としての吸収モータ134を連結し、トルクメータ136によりトルクを検出して回生制御等により所定の制動トルク(回転抵抗)を付与することにより、実働状態を再現して前記加速度ピックアップ112等により各部の振動を検出する場合である。上記中間軸受け132は、供試体Wの振動を許容しつつ制動トルクを付与できるようにフレキシブルジョイント等により構成されており、回転駆動手段130も供試体Wの振動を許容しつつ入力軸20を回転駆動できるように、フレキシブルジョイント等を介してその入力軸20に連結される。この場合は、前記プリトルク付与装置50や加振機100等が必要ない。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である支持装置を備えているトランスミッション内部振動加振計測システムを説明する図で、(a) は概略斜視図、(b) は振動検出装置の構成図である。 図1の支持装置が備えているプリトルク付与装置を説明する概略構成図である。 図1の支持装置が備えている回転位置決め装置を説明する概略構成図である。 図1の支持装置を具体的に示す図で、(a) は一部を切り欠いた平面図、(b) は一部を切り欠いた正面図、(c) は一部を切り欠いた右側面図である。 図4におけるV矢視部の拡大図である。 図4におけるVI矢視部の拡大図である。 図4におけるVII −VII 断面部分の拡大図である。 図4におけるVIII−VIII断面部分の拡大図である。 図4におけるIX−IX断面部分の拡大図である。 図4におけるX−X断面部分の拡大図である。 供試体Wの一例を説明する図で、(a) は骨子図、(b) は係合装置の作動状態と変速段との関係を示す作動表である。 本発明の他の実施例を示す図で、図1の(a) に対応する概略斜視図である。 本発明の更に別の実施例を示す図である。 供試体Wの共振モードX,Y,Z,Rx ,Ry ,Rz と、従来の支持治具の振動レベルを説明する図である。
符号の説明
10、120:振動計測用支持装置 18:ケース 20:入力軸(第1回転軸) 24:ドライブシャフト(第2回転軸) 34、36:支持部 38、40:回転支持部材 42:ゴムブロック(弾性体) 50:プリトルク付与装置 80:回転位置決め装置 100:加振機 W:供試体 O:支持中心線

Claims (4)

  1. 所定の供試体の振動を検出するために該供試体を支持する振動計測用支持装置であって、
    複数の支持部によって前記供試体を持ち上げた状態で支持するとともに、該複数の支持部は、それぞれ弾性体を介して該供試体を支持している
    ことを特徴とする振動計測用支持装置。
  2. 請求項1に記載の振動計測用支持装置において、
    前記支持部は、一直線の支持中心線上に相対向するように一対設けられ、該一対の支持部の間で前記供試体を支持するとともに、
    前記弾性体は、前記支持中心線まわりに均等配置されている
    ことを特徴とする振動計測用支持装置。
  3. 前記供試体の所定部位に加振機を連結して擬似的に所定の振動を付与する場合に用いられる請求項2に記載の振動計測用支持装置において、
    前記一対の支持部には、それぞれ前記支持中心線まわりに回転可能な回転支持部材が設けられ、該回転支持部材が前記弾性体を介して前記供試体を支持している一方、
    該回転支持部材を前記支持中心線まわりに回転させるとともに、所定の回転位置で位置決めする回転位置決め装置を備えている
    ことを特徴とする振動計測用支持装置。
  4. 請求項2または3に記載の振動計測用支持装置において、
    前記供試体は、
    前記一対の支持部により前記弾性体を介して支持されるケースと、
    該ケースに前記支持中心線と略同心となるように軸心まわりの回転可能に配設されている第1回転軸と、
    前記ケースに軸心まわりの回転可能に配設されるとともに、前記第1回転軸との間で回転が伝達される第2回転軸と、
    を有する動力伝達装置で、
    前記一対の支持部の何れか一方には、前記第2回転軸が回転不能に固定された状態で、前記第1回転軸に所定のプリトルクを付与するプリトルク付与装置が設けられている
    ことを特徴とする振動計測用支持装置。
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