JPH1030951A - 質量測定装置 - Google Patents

質量測定装置

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JPH1030951A
JPH1030951A JP21652696A JP21652696A JPH1030951A JP H1030951 A JPH1030951 A JP H1030951A JP 21652696 A JP21652696 A JP 21652696A JP 21652696 A JP21652696 A JP 21652696A JP H1030951 A JPH1030951 A JP H1030951A
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vibration
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measuring
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Takeshi Mizuno
毅 水野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】重心位置が不明な物体の微小重力環境,無重力
環境での質量測定を可能にする。 【解決手段】被測定物10を取り付けた測定台11を吸
振質量とする動吸振器4を、振動台3に取り付けて,加
振器5の発生する調和外力によって振動台3を加振す
る。調和外力の角振動数と動吸振器4の固有振動数とが
一致するとき、振動台4の振動は抑制される。この状態
での測定台11の振動振幅と調和外力の角振動数の2乗
との積で,調和外力の振幅を除し、その商から測定台1
1の質量を減ずることによって,被測定物10の質量を
求めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、質量測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】動吸振器を利用した質量測定装置として
は、被測定物を回転体に取り付け、回転に伴って生じる
遠心力によって引き起こされる振動を動吸振器の作用に
よって抑制し、振動が抑制された状態における動吸振器
の吸振質量の運動を測定することによって、被測定物の
質量の大きさを求めることを特徴とした質量測定装置が
開発されている。例えば、動吸振器としてバネと吸振質
量とからなる非減衰形動吸振器を用いたものは、第15
図に示したような構成となっている。
【0003】ベース81から立てられた支持枠82a、
82bから一対の平行板ばね83a、83bによって支
持された振動台84には、モータ85が固定され、この
モータの回転軸86には円盤状の回転体87が固定され
ている。被測定物88は、この回転体87に取り付けら
れ、測定時には、回転体87とともに回転する。振動台
の側面には、動吸振器90が取り付けられている。
【0004】動吸振器90は、枠体91、吸振質量9
2、一対の平行板ばね93a、93bによって構成され
ている非減衰形の動吸振器である。板ばね93a、93
bの一端はそれぞれ枠体91に固着され、他端側には吸
振質量92が取り付けられている。吸振質量92は、枠
体91に対して、図の水平方向に運動し、この運動は、
位置検出器94によって検出されている。また、吸振質
量92の質量mは予め測定されていて、既知であると
する。
【0005】第1図において被測定物88の質量はm
であるとする。回転体87は、被測定物が取り付けられ
ていないときにつりあい状態にある。そして、被測定物
88を回転体87に取り付けたとき、被測定物の重心の
回転軸からの距離がrであったとすると、回転体87は
r不つりあいを持つようになる。この状態で回転体
7を回転させると、動吸振器90がない場合には、振動
台84は、第1図において水平方向に振動する。
【0006】動吸振器の固有振動数と回転速度とが一致
する場合、動吸振器の作用によって振動台84の振動は
止まる。この状態での吸振質量の振動振幅Xとする
と、被測定物の質量mは、吸振質量mと吸振質量の
振動振幅Xとの積mを、被測定物の重心の回転
軸からの距離rで除することによって、求めることがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような質量装置で
は、吸振質量の振動振幅を測定し、振動振幅の測定値か
ら被測定物の質量を求めるときに、回転軸と被測定物の
重心との距離rの値がわかっている必要がある。しか
し、被測定物の形状が複雑な場合や材質が一様でない場
合には、重心の正確な位置を求めることが難しいので、
高精度の測定を実施することが困難であるという問題が
あった。
【0008】また、被測定物8弾性体の場合には、静止
状態における重心の正確な位置がわかっていても、回転
しているときに被測定物の重心の位置が遠心力の作用に
よって変化してしまうので、高精度の測定を実施するこ
とが困難であるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記の問題を解決し、被
測定物の重心の位置がわからなくても質量を求めること
ができる質量測定装置を供給することにある。
【00010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明における質量測定装置では、調和外力が
作用する振動台に、被測定物を取り付けた測定台を吸振
質量とし、ばね要素によってこれを支持した動吸振器を
取り付け、上記の調和外力が引き起こす振動台の振動を
動吸振器の作用によって抑制し、この状態での被測定物
あるいは被測定物を取り付けた測定台の振動振幅を測定
する。
【0011】第2の発明による質量測定装置は、第1の
発明におけるばね要素の代わりに、あるいは、ばね要素
に加えて、被測定物を取り付けた測定台を駆動するアク
チュエータ、およびアクチュエータの制御装置を備えた
能動形動吸振器を用いていることを特徴とするものであ
る。
【0012】第3の発明による質量測定装置は、第2の
発明におけるアクチュエータとして、ボイスコイルモー
タを使用した能動形動吸振器を用いていることを特徴と
するものである。
【0013】第4の発明による質量測定装置は、第1、
第2、あるいは第3の発明において、調和外力を発生す
る手段として、補助質量とこれを駆動するアクチュエー
タとを備えていることを特徴とするものである。
【0014】第5の発明による質量測定装置は、第4の
発明における補助質量を駆動するアクチュエータとし
て、ボイスコイルモータを使用していることを特徴とす
るものである。
【0015】第6の発明による質量測定装置は、第1、
第2、あるいは第3の発明において、調和外力を発生す
る手段として回転機構を備えていることを特徴とするも
のである。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、調和外力の振動数と
動吸振器の固有振動数とが一致するときに、振動台の振
動は零となり、被測定物を取り付けた測定台は、調和外
力の振幅を、被測定物と測定台の質量の和と調和外力の
角振動数の2乗との積で除した振幅で振動する。したが
って、振動台の振動が抑制されたときの被測定物あるい
は被測定物を取り付けた測定台の振動振幅を測定し、該
振動振幅値と調和外力の角振動数の2乗との積で調和外
力の振幅を除し、この商から測定台の質量を減ずること
によって、被測定物の質量を求めることができる。
【0017】このような方法による質量測定では、被測
定物及びこれを取り付けた測定台の振動の振幅の大きさ
が、被測定物の測定台への取り付け位置に無関係に決ま
るので、被測定物の重心の位置を求めなくても質量の測
定を行うことができる。
【0018】請求項2の発明によれば、能動形動吸振器
の作用によって振動台の振動は零となり、被測定物を取
り付けた測定台は、調和外力の振幅を、被測定物と測定
台の質量の和と調和外力の角振動数の2乗との積で除し
た振幅で振動する。したがって、振動台の振動が抑制さ
れたときの被測定物あるいは被測定物を取り付けた測定
台の振動振幅を測定し、該振動振幅値と調和外力の角振
動数の2乗との積で調和外力の振幅を除し、この商から
測定台の質量を減ずることによって、被測定物の質量を
求めることができる。
【0019】請求項3の発明によれば、アクチュエータ
としてボイスコイルモータを使用した能動形動吸振器の
作用によって振動台の振動は零となり、被測定物を取り
付けた測定台は、調和外力の振幅を、被測定物と測定台
の質量の和と調和外力の角振動数の2乗との積で除した
振幅で振動する。したがって、振動台の振動が抑制され
たときの被測定物あるいは被測定物を取り付けた測定台
の振動振幅を測定し、該振動振幅値と調和外力の角振動
数の2乗との積で調和外力の振幅を除し、この商から測
定台の質量を減ずることによって、被測定物の質量を求
めることができる。
【0020】請求項4の発明によれば、調和外力は、補
助質量をアクチュエータによって駆動することによって
生成されるので、その振幅は、補助質量の大きさと角振
動数の2乗との積に等しい。したがって、動吸振器の作
用によって振動台の振動が零になったとき、被測定物を
取り付けた測定台は、補助質量の振動振幅と補助質量の
大きさとの積を、被測定物と測定台の質量との和で除し
た振幅で振動する。したがって、振動台の振動が抑制さ
れたときの被測定物あるいは被測定物を取り付けた測定
台の振動振幅を測定し、該振動振幅値で補助質量の振動
振幅と補助質量の大きさとの積を除し、この商から測定
台の質量を減ずることによって、被測定物の質量を求め
ることができる。
【0021】請求項5の発明によれば、調和外力は、補
助質量をボイスコイルモータによって駆動することによ
って生成されるので、その振幅は、補助質量の大きさと
角振動数の2乗との積に等しい。したがって、動吸振器
の作用によって振動台の振動が零になったとき、被測定
物を取り付けた測定台は、補助質量の振動振幅と補助質
量の大きさとの積を、被測定物と測定台の質量との和で
除した振幅で振動する。したがって、振動台の振動が抑
制されたときの被測定物あるいは被測定物を取り付けた
測定台の振動振幅を測定し、該振動振幅値で補助質量の
振動振幅と補助質量の大きさとの積を除し、この商から
測定台の質量を減ずることによって、被測定物の質量を
求めることができる。
【0022】請求項6の発明によれば、調和外力は、回
転装置のロータの不つり合い量と回転角速度の2乗との
積に等しい振幅と、回転角速度と等しい角振動数を持
つ。したがって、動吸振器の作用によって振動台の振動
が零になったとき、被測定物を取り付けた測定台は、ロ
ータの不つり合い量を、被測定物と測定台の質量の和で
除した振幅で振動する。したがって、振動台の振動が抑
制されたときの被測定物あるいは被測定物を取り付けた
測定台の振動振幅を測定し、該振動振幅値でロータの不
つり合い量を除し、この商から測定台の質量を減ずるこ
とによって、被測定物の質量を求めることができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0024】図1に、第1実施例である質量測定装置の
正面図を示し、図2にその外観図を示す。一対の平行板
ばね2a、2bを介してベース1に結合されている振動
台3には、非減衰形動吸振器4が取り付けられている。
【0025】調和外力を発生する装置として、動電形加
振器5が用いられている。動電形加振器の固定子側の永
久磁石6はベース1に、可動子側の駆動コイル7は振動
台3に取り付けられている。永久磁石6の空隙には、ほ
ぼ一定の磁束密度の磁界が作られており、駆動用コイル
7は、この磁界を横切るように配置されている。駆動用
コイル7に電流を流すと、この電流は永久磁石による磁
界中に流れるので、垂直方向に電磁力が発生する。な
お、図1では、動電形加振器の部分は、断面図で示され
ている。
【0026】振動台の運動は、位置検出器8によって検
出されている。
【0027】動吸振器4は、一対の平行板ばね9a、9
bと、被測定物10を取り付ける測定台11とから構成
されている。板ばね9a、9bの一端は振動台3に、他
端は測定台11に固着されておいる。被測定物10及び
これを取り付けた測定台11は、動吸振器の吸振質量と
して作用して、図の垂直方向に運動する。
【0028】測定台10の運動は、位置検出器12によ
って検出されている。
【0029】以下、この質量測定装置について分析し、
詳細に説明する。
【0030】図1において、被測定物10の質量はm
であるとする。測定を行っているとき、測定台11に取
り付けられた被測定物10は、測定台と一体となって運
動する。
【0031】図3は、この装置の物理的なモデルを示
す。図3において、各記号はつぎの諸量を表している。 m:振動台上の全質量 m:測定台の質量 x:振動台の垂直方向の変位 x:測定台の垂直方向の変位 k:平行板ばね2a、2bによる垂直方向のばね定数 k:平行板ばね9a、9bによる垂直方向のばね定数 p(t):振動台3に作用する外力
【0032】振動台に作用する外力p(t)は、動電形
加振器によって生成される電磁力であり、次式によって
表されるような振幅P、角振動数ωの調和外力であ
る。
【数1】
【0033】図3から、振動台と被測定物を取り付けた
測定台に関する運動方程式はつぎのようになる。
【数2】
【数3】
【0034】数2と数3によって記述される方程式の定
常解を得るため、振動台の変位xおよび測定台の変位
を次式のようにおく。
【0035】
【数4】
【数5】 数4、数5を、数2、数3に代入し、整理すると次式を
得る。
【0036】
【数6】
【数7】
【0037】数6、数7で、振動台の固有振動数ω
よび動吸振器の固有振動数ωは次式によって定義され
る。
【数8】
【数9】
【0038】数6、数7から、調和外力角振動数ωと動
吸振器の固有振動数ωとが一致するとき、つぎのよう
な関係が成立する。
【数10】
【数11】
【0039】数11から、次式が得られる。
【数12】
【0040】数12からわかるように、動電形加振器に
よって生成される調和外力の振幅Pを、該調和外力の
角振動数の2乗ωと測定台の振動振幅Xとの積X
ωで除し、その商から測定台の質量mを引くことに
よって、被測定物の質量mを求めることができる。
【0041】以上のように、振動台に作用する調和外力
の角振動数ωと動吸振器の固有振動数ωとを一致させ
て振動台の振動を抑制し、この状態での測定台の振動振
幅を測定し、数12にしたがって被測定物の質量を求め
るのが、動吸振器としてばね要素と吸振質量とからなる
非減衰形動吸振器を用いた場合の質量測定の原理であ
る。
【0042】質量測定の原理からわかるように、加振器
によって生成される調和外力を利用しているため、微小
重力環境や無重力環境でも質量測定を行うことができ
る。また、被測定物の重心の位置が不明でも、正確な質
量測定を実施できる。
【0043】図4は、本発明の第2実施例を示す質量装
置の正面図である。この実施例では、振動台13の振動
を抑制する動吸振器として能動形動吸振器20を用いて
いる。図4において、図2と対応する部分には同じ符号
を付している。
【0044】非減衰形動吸振器4では、ばね要素9a、
9bによって測定台11を支持しているのに対し、能動
形動吸振器20では、振動台13に取り付けたアクチュ
エータ22によって、被測定物10を取り付ける測定台
21を支持・駆動している。
【0045】吸振質量を駆動するアクチュエータ22と
しては、電磁石、ボイスコイルモータ、圧電素子、磁歪
素子、リニアモータなどを選択的にあるいは組み合わせ
て使用する。
【0046】アクチュエータ22の制御装置の要部が、
図5に示されている。
【0047】図5において、測定台21の運動を検出す
る位置検出器12の出力および振動台13の運動を検出
する位置検出器8の信号は、PD制御回路、繰返し・学
習制御回路などの適当な制御回路23に入力される。制
御回路23は、位置検出器8および位置検出器12の出
力から、振動台13の振動を抑制する信号を計算し、増
幅回路24を介してアクチュエータ22に出力する。そ
して、これによってアクチュエータが駆動され、被測定
物10を取り付けた測定台21の運動が制御される。こ
の結果、被測定物10を取り付けた測定台21の運動を
生み出す反力によって、振動台13の振動が抑制され
る。
【0048】以下では、図4に示した能動形動吸振器を
用いた質量測定装置の測定原理を、図6に示した物理的
なモデルを用いて説明する。図6において、図3と対応
する部分には、同じ符号を付している。また、図6にお
いて、F(t)は、測定台に作用するアクチュエータの
力を表している。
【0049】図6から、振動台13と被測定物10を取
り付けた測定台21に関する運動方程式はつぎのように
なる。
【0050】
【数13】
【数14】
【0051】アクチュエータ22の制御装置の作用によ
って、振動台13の振動が抑制されるように、すなわ
ち、
【数15】 が成立するように被測定物10を取り付けた測定台21
が駆動されているとき、数13、数14から次式が成立
する。
【数16】
【0052】数16の定常解を得るため、測定台21の
変位を数5のようにおき、数16に代入すると、次式を
得る。
【数17】
【0053】数17から、次式が得られる。
【数18】
【0054】数18から、図1に示した実施例と同様
に、動電形加振器によって生成される調和外力の振幅P
を、該調和外力の角振動数の2乗ωと測定台21の
振動振幅Xとの積Xωで除し、その商から測定台
21の質量mを引くことによって、被測定物10の質
量mを求めることができる。
【0055】以上が、図5に示した能動形動吸振器を用
いた質量測定装置の測定の原理である。
【0056】図7は、本発明の第3実施例を示す質量測
定装置の正面図である。この実施例では、能動形動吸振
器30のアクチュエータとしてボイスコイルモータ31
を用いている。なお、図7では、ボイスコイルモータの
部分は断面図で示されている。また、図7において、図
1と対応する部分には同じ符号を付している。
【0057】この装置に用いられている動吸振器30で
は、振動台25に固着されたボイスコイルモータ用の永
久磁石32、一対の平行板ばね9a、9b、試験台3
3、及びこれに固着されたボイスコイルモータの駆動用
コイル34によって構成されている。板ばね9a、9b
の一端はそれぞれ振動台25に固着され、他端側には試
験台33が取り付けられている。
【0058】永久磁石32の空隙には、ほぼ一定の磁束
密度の磁界が作られており、駆動用コイル34は、この
磁界を横切るように配置されている。駆動用コイル34
に電流を流すと、この電流は永久磁石による磁界中に流
れるので、垂直方向に電磁力が発生する。この電磁力を
(t)と表す。
【0059】図8は、この装置の物理的なモデルを示
す。図8において、図3と対応する部分には、同じ符号
を付している。
【0060】図8によれば、振動台と被測定物を取り付
けた試験台に関する運動方程式はつぎのようになる。
【数19】
【数20】
【0061】電磁力F(t)を制御して、振動台25
の振動が抑制されるように、すなわち、
【数21】 が成立するように被測定物10を取り付けた測定台33
が駆動されているとき、数19、数20から次式が成立
する。
【0062】
【数22】
【0063】数22から、図4に示した実施例と同様に
して、次式が得られる。
【0064】
【数23】
【0065】数23から、動電形加振器によって生成さ
れる調和外力の振幅Pを、該調和外力の角振動数の2
乗ωと測定台33の振動振幅Xとの積Xωで除
し、その商から測定台33の質量mを引くことによっ
て、被測定物10の質量mを求めることができる。
【0066】以上が、図7に示した質量測定装置の測定
原理である。
【0067】図9は、本発明の第4実施例を示す質量測
定装置の正面図である。図9において、図4と対応する
部分には同じ符号を付している。
【0068】一対の平行板ばね2a、2bを介してベー
ス40に結合されている振動台13には、調和外力を発
生する手段として、振動台13に取り付けられたアクチ
ュエータ41、これによって駆動される補助質量42と
を備えている。補助質量の運動は、位置検出器43によ
って検出されている。
【0069】補助質量を駆動するアクチュエータ41と
しては、電磁石、ボイスコイルモータ、圧電素子、磁歪
素子、リニアモータなどを選択的にあるいは組み合わせ
て使用する。
【0070】以下では、図9に示した能動形動吸振器を
用いた質量測定装置の測定原理を、図10に示した物理
的なモデルを用いて説明する。図10において、図6と
対応する部分には、同じ符号を付している。
【0071】図10で、F(t)は、補助質量42に
作用するアクチュエータ41の力である。また、m
は、補助質量42の質量の大きさを、xは、補助質
量42の垂直方向の変位を表している
【0072】図10から、振動台13と被測定物10を
取り付けた測定台21に関する運動方程式はつぎのよう
になる。
【数24】
【数25】
【数26】
【0073】アクチュエータ41は、次式によって表さ
れるような振幅Q、角振動数ωの調和外力を発生して
いる。
【0074】
【数27】
【0075】アクチュエータ22の制御装置は、振動台
13の振動が抑制されるように、すなわち、
【数28】 が成立するように測定物10を取り付けた測定台21を
駆動する。このときの定常解を得るために、測定台の変
位xおよび補助質量の変位xを次式のようにおく。
【0076】
【数29】
【数30】
【0077】数28、数29、数30を、数24、数2
5、数26に代入し、整理すると次式を得る。
【0078】
【数31】
【0079】数31から、次式を得る。
【0080】
【数32】
【0081】数31からわかるように、符号を無視する
と、能動形動吸振器20の作用によって振動台13の振
動が零になったとき、被測定物10を取り付けた測定台
21の質量(m+m)と測定台の振動振幅Xとの
積は、補助質量42の振動振幅Xと補助質量の質量m
との積に等しい。
【0082】したがって、数32からわかるように、振
動台の振動が抑制されたときの被測定物を取り付けた測
定台の振動振幅Xを測定し、該振動振幅値で補助質量
の振動振幅と補助質量の大きさとの積mを除し、
この商から測定台の質量mを減ずることによって、被
測定物の質量を求めることができる。
【0083】この方法では、調和外力を発生する手段と
して、アクチュエータと補助質量を利用し、かつ、測定
するときに、振動台に作用する調和力は、能動形動吸振
器の作用によって相殺されているので、ベースを通じて
外部に調和力が伝わることはない。したがって、振動の
発生が許容されない環境でも測定を実施することができ
る。
【0084】以上が、調和外力を発生する手段として、
アクチュエータと補助質量を備え、能動形動吸振器の作
用によって振動台の振動が抑制された状態における被測
定物を取り付けた測定台の運動を測定することによっ
て、被測定物の質量の大きさを求める質量測定装置の質
量測定の原理である。
【0085】図11は、本発明の第5実施例を示す質量
測定装置の正面図である。この実施例では、能動形動吸
振器のアクチュエータおよび補助質量を駆動アクチュエ
ータとして、ボイスコイルモータを用いている。図11
では、ボイスコイルモータの部分は断面図で示されてい
る。
【0086】また、図11において、図7と対応する部
分には同じ符号を付している。
【0087】一対の平行板ばね2a、2bを介してベー
ス49に結合されている振動台50には、被測定物10
を取り付けた測定台33を吸振質量とする能動形動吸振
器30が取り付けられている。
【0088】この質量測定装置は、調和外力を発生する
手段として、ボイスコイルモータ51と補助質量54と
を利用している。ボイスコイルモータ用の永久磁石52
は振動台51に、ボイスコイルモータの駆動用コイル5
5は補助質量54に固着されている。
【0089】一対の平行板ばね53a、53bの一端は
それぞれ振動台51に固着され、他端側には補助質量5
4が取り付けられている。補助質量54の運動は、位置
検出器56によって検出されている。
【0090】永久磁石52の空隙には、ほぼ一定の磁束
密度の磁界が作られており、駆動用コイル55は、この
磁界を横切るように配置されている。駆動用コイル55
に電流を流すと、この電流は永久磁石による磁界中に流
れるので、垂直方向に電磁力が発生する。この電磁力を
(t)と表す。
【0091】図12は、この装置の物理的なモデルを示
す。図12において、図8と対応する部分には、同じ符
号を付している。
【0092】図12で、各記号は、つぎの諸量を表す。 x:補助質量54の垂直方向の変位 m:補助質量54の質量 k:平行板ばね53a、53bによる垂直方向のばね
定数
【0093】図12によれば、振動台と被測定物を取り
付けた試験台に関する運動方程式はつぎのようになる。
【数33】
【数34】
【数35】
【0094】ボイスコイルモータ51の電磁力F
(t)は、次式で表されるような、振幅Q、角振動
数ωの調和力である。
【数36】
【0095】数36で表される調和外力が作用するた
め、能動形動吸振器30がない場合には、振動台50
は、図12の垂直方向に振動する。能動形動吸振器30
の作用によって、振動台50の振動が抑制され、ている
とき、次式が成立する。
【数37】
【0096】定常解を得るため、測定台の変位xおよ
び補助質量の変位xを数29、数30のようにおき、
数数29、数30、数37を数33、数34、数35に
代入して整理すると、次式が得られる。
【0097】
【数38】
【0098】数38から、次式が得られる。
【数39】
【0099】数39からわかるように、振動台の振動が
抑制されたときの被測定物を取り付けた測定台の振動振
幅Xを測定し、該振動振幅値で補助質量の振動振幅X
と補助質量の大きさmとの積を除し、この商から測
定台の質量mを減ずることによって、被測定物の質量
を求めることができる。
【0100】以上が、図11に示した質量測定装置の測
定原理である。
【0101】図13は、本発明の第6実施例を示す質量
測定装置の正面図を示す。
【0102】図13において、図7と対応する部分に
は、同じ符号を付している。
【0103】一対の平行板ばね2a、2bを介してベー
ス60に結合されている振動台25には、被測定物10
を取り付けた測定台33を吸振質量とする能動形動吸振
器30が取り付けられている。また、振動台25には、
調和外力を発生する装置として、回転機構61が取り付
けられている。
【0104】回転機構61は、モータなどによって駆動
される回転体62を備えている。回転体62には、回転
軸63からの距離rの位置に、質量mのおもり64
が取り付けられているので、大きさmの不釣り合
いが存在している。
【0105】回転体を角速度ωで回転させると、回転体
の持つ不釣り合いのため、振動台には、垂直方向に、つ
ぎのような調和外力p(t)が作用する。
【0106】
【数40】
【0107】図14は、本装置の物理的なモデルを示
す。図14において、図8と対応する部分には、同じ符
号を付している。
【0108】図14によれば、振動台と被測定物を取り
付けた試験台に関する運動方程式はつぎのようになる。
【数41】
【数42】
【0109】能動形動吸振器30の作用によって、振動
台の振動が抑制されるように、すなわち、
【数43】 が成立するように測定物を取り付けた測定台が駆動され
ているとき、数41、数42から次式が成立する。
【0110】
【数44】
【0111】数44の定常解を得るため、測定台の変位
を数5のようにおき、数44に代入すると、次式を得
る。
【0112】
【数45】
【0113】数45から、次式が得られる。
【0114】
【数46】
【0115】数46から、動吸振器の作用によって振動
台の振動が零になった状態での被測定物を取り付けた測
定台の振動振幅Xを測定し、該振動振幅値でロータの
不つり合い量mを除し、この商から測定台の質量
を減ずることによって、被測定物の質量mを求め
ることができることがわかる。
【0116】この方法では、調和外力を発生する手段と
して、回転体の不つり合いを利用し、かつ、測定すると
きに、振動台に作用する調和力は、能動形動吸振器の作
用によって相殺されているので、ベースを通じて外部に
調和力が伝わることはない。したがって、振動の発生が
許容されない環境でも測定を実施することができる。
【0117】以上が、図13に示した質量測定装置の測
定原理である。
【0118】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0119】第1の発明による質量測定装置によれば、
加振器によって生成される調和外力を利用しているた
め、微小重力環境や無重力環境でも質量測定を行うこと
ができる。また、遠心力を利用した従来の質量測定装置
と異なり、被測定物の重心の位置が不明でも、正確な質
量測定を実施できる。
【0120】第2の発明による質量測定装置によれば、
第1の発明と同じく、加振器によって生成される調和外
力を利用しているため、微小重力環境や無重力環境でも
質量測定を行うことができる。また、遠心力を利用した
従来の質量測定装置と異なり、被測定物の重心の位置が
不明でも、正確な質量測定を実施できる。このような効
果に加えて、制御装置を備えているので、振動台の振動
を効果的に抑制でき、高精度の測定が実施できる利点を
有する。
【0121】第4の発明による質量測定装置によれば、
第1の発明と同じく、加振器によって生成される調和外
力を利用しているため、微小重力環境や無重力環境でも
質量測定を行うことができる。また、遠心力を利用した
従来の質量測定装置と異なり、被測定物の重心の位置が
不明でも、正確な質量測定を実施できる。このような効
果に加えて、調和外力を生成するのに、振動台に取り付
けたアクチュエータと補助質量を利用し、かつ、測定す
るときに、振動台に作用する調和外力は、動吸振器の作
用によって相殺されているので、ベースを通じて外部に
調和外力が伝わることはない。したがって、振動の発生
が許容されない環境でも測定を実施することができる利
点を有する。
【0122】第6の発明による質量測定装置によれば、
第1の発明と同じく、加振器によって生成される調和外
力を利用しているため、微小重力環境や無重力環境でも
質量測定を行うことができる。また、被測定物の重心の
位置が不明でも、正確な質量測定を実施できる。このよ
うな効果に加えて、調和外力を生成するのに振動台に取
り付けた回転機構を利用し、かつ、測定するときに、振
動台に作用する調和外力は、動吸振器の作用によって相
殺されているので、ベースを通じて外部に調和外力が伝
わることはない。したがって、振動の発生が許容されな
い環境でも測定を実施することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す質量測定装置の概
略正面図である。
【図2】この発明の第1実施例を示す質量測定装置の概
略斜視図である。
【図3】この発明の第1実施例を示す質量測定装置のモ
デル図である。
【図4】この発明の第2実施例を示す質量測定装置の概
略正面図である。
【図5】質量測定装置の制御装置の要部の概略構成を示
すブロック図である。
【図6】この発明の第2実施例を示す質量測定装置のモ
デル図である。
【図7】この発明の第3実施例を示す質量測定装置の概
略正面図である。
【図8】この発明の第3実施例を示す質量測定装置のモ
デル図である。
【図9】この発明の第4実施例を示す質量測定装置の概
略正面図である。
【図10】この発明の第4実施例を示す質量測定装置の
モデル図である。
【図11】この発明の第5実施例を示す質量測定装置の
概略正面図である。
【図12】この発明の第5実施例を示す質量測定装置の
モデル図である。
【図13】この発明の第6実施例を示す質量測定装置の
概略正面図である。
【図14】この発明の第6実施例を示す質量測定装置の
モデル図である。
【図15】従来公知の動吸振器を利用した質量測定装置
の構造説明図である。
【符号の説明】 1、40、49、60、81 ベース 2a、2b 板ばね 3、13、25、50、84 振動台 4、90 動吸振器 5 加振器 6、32、52 永久磁石 7、34、55 駆動コイル 8、12、43、56 位置検出器 9a、9b 板ばね 10 被測定物 11、21、33 測定台 20、30 能動形動吸振器 22、41 アクチュエータ 23 制御回路 24 増幅回路 31、51 ボイスコイルモータ 42,54 補助質量 53a,53b 板ばね 61 回転機構 62、87 回転体 63、86 回転軸 64 おもり 82a,82b 支持枠 83a、83b 板ばね 85モータ 88 被測定物 91 枠体 92 吸振質量 93a、93b 板ばね

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定物を取り付ける測定台とこれを支え
    るばね要素とを備えた動吸振器と、調和外力を発生する
    手段と、該調和外力によって加振される振動台とを備
    え、該動吸振器の作用によって振動台の振動が抑制され
    た状態における被測定物を取り付けた測定台の運動を測
    定することによって、被測定物の質量の大きさを求める
    ことを特徴とする質量測定装置。
  2. 【請求項2】被測定物を取り付ける測定台とこれを駆動
    するアクチュエータおよびアクチュエータの制御装置と
    を備えた能動形動吸振器と、調和外力を発生する手段
    と、該調和外力によって加振される振動台とを備え、該
    動吸振器の作用によって振動台の振動が抑制された状態
    における被測定物を取り付けた測定台の運動を測定する
    ことによって、被測定物の質量の大きさを求めることを
    特徴とする質量測定装置。
  3. 【請求項3】測定台を駆動するアクチュエータがボイス
    コイルモータである請求項2記載の質量測定装置。
  4. 【請求項4】調和外力を発生する手段として、補助質量
    とこれを駆動するアクチュエータとを備えていることを
    特徴とする請求項1、2、又は3記載の質量測定装置。
  5. 【請求項5】補助質量を駆動するアクチュエータがボイ
    スコイルモータである請求項3記載の質量測定装置。
  6. 【請求項6】調和外力を発生する手段として、回転装置
    を備えていることを特徴とする請求項1、2、又は3記
    載の質量測定装置。
JP21652696A 1996-07-16 1996-07-16 質量測定装置 Pending JPH1030951A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040046372A (ko) * 2002-11-27 2004-06-05 현대자동차주식회사 인체의 겉보기 질량 측정장치
CN102551669A (zh) * 2011-12-20 2012-07-11 东南大学 空间站失重环境下人体重心位置测量装置及其测量方法
JP2013061058A (ja) * 2011-09-15 2013-04-04 Nagasaki Univ 制振ユニット

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