JP3385968B2 - 振動発生体の励振力測定装置 - Google Patents

振動発生体の励振力測定装置

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JP3385968B2
JP3385968B2 JP11738398A JP11738398A JP3385968B2 JP 3385968 B2 JP3385968 B2 JP 3385968B2 JP 11738398 A JP11738398 A JP 11738398A JP 11738398 A JP11738398 A JP 11738398A JP 3385968 B2 JP3385968 B2 JP 3385968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関や変速
機あるいはプロペラシャフトなどの動作することによっ
て振動を発生する振動発生体による励振力を測定する装
置や回転数が変化するなどの動作状態が連続的に変化す
る振動発生体の励振力を測定する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関や変速機あるいはプロペラシャ
フトなどの回転動作をする装置は、重量の偏りやその動
作を生じさせる駆動構造などが原因となって振動を生じ
るので、振動発生体と言える。したがって回転動作した
場合に、例えばその半径方向や軸線方向に作用する励振
力が発生する。ここで励振力とは、振動を生じさせる起
振力のうち、無限大の質量を持つ物体に対して作用する
場合の荷重である。その励振力を測定する方法として
は、エンジンなどの振動発生体すなわち供試体をテスト
ベンチなどの治具に固定し、供試体を動作させた状態
で、その供試体と所定の固定部との間に配置したセンサ
ーによって荷重を電気的に検出する方法を採用すること
ができる。
【0003】なお、特開平5−87697号公報には、
エンジンなどの供試体を治具に固定し、その出力をモー
タやダイナモメータなどで吸収するよう構成した振動試
験装置が記載されている。この試験装置では、高回転域
での駆動軸振動を模擬するために、加振器によって入力
軸に振動を与えるようになっている。
【0004】また、特開平7−318415号公報に
は、ノイズに対する安定性が強く、また妥当な推定結果
が得られることを目的とした励振力推定装置が記載され
ている。すなわちこの公報に記載された装置は、いわゆ
る打撃加振法により振動試験をおこなう装置であって、
インパルスハンマなどで対象機器を加振した際の振動応
答に基づいて演算する一方、その対象機器を動作させた
場合の振動応答を記憶し、これらの演算結果および記憶
内容に基づいて励振力を推定するように構成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように振動発
生体の励振力を測定する場合、その励振力を治具によっ
て受け、その状態での供試体と治具との間の応力として
励振力を検出することになる。そのため治具が、供試体
の加振力を受けて振動することになり、その結果、検出
された励振力は治具のこのような振動による荷重の変動
を含んだものとなる。より具体的には、治具の振動特性
に応じて検出値が変化し、得られる検出値は、その測定
の際に使用した治具に対する加振力となり、したがって
治具が異なれば、その供試体が動作することによって治
具に与える加振力が異なることになる。すなわち治具が
完全剛体である場合の加振力すなわち励振力の実際の値
を得ることができない。
【0006】これは、治具が供試体と共に振動すること
に起因しているから、治具の重量を増大させてその振動
を抑制することが考えられる。すなわち治具の重量を供
試体の重量に対して相対的に大きくし、これをダンパー
を含む適宜の支持体で支持し、あるいは基礎に固定し、
その上に供試体を搭載して動作させ、その際の励振力を
測定することが考えられる。
【0007】さらに、通常の方法では、治具の特性が影
響するため、その対策として治具重量をきわめて大きく
して治具側共振点を下げることにより、測定周波数域の
加速度周波数特性を安定させる方法も考えられる。しか
しながら、その場合に必要とする治具の重量は、数百ト
ンあるいはそれ以上となるから、実現は困難である。ま
た、たとえ実現できたとしても、あるレベルの加速度が
生じるから、励振力の計測精度が低くなってしまう。
【0008】上述した特開平5−87697号公報に記
載された装置は、このような技術的な課題に配慮したも
のではないので、供試体の真の励振力を測定するために
採用することはできない。また、上記の特開平7−31
8415号公報に記載された装置は、「励振力」の文言
が使用されているものの、無限大の質量体を対象とした
振動の応答を測定もしくは検出する過程がないので、い
わゆる加振力の推定をおこなっていることになり、供試
体(振動発生体)の発生する真の励振力を測定すること
ができない。また、上述した内燃機関や変速機などは、
実用の際に常時回転数が変化するが、上述したいずれの
公報に記載された装置も定常状態の供試体についての振
動の測定をおこなうように構成されており、そのため、
実用状態での振動および励振力を測定することができな
かった。
【0009】結局、従来では、治具の振動を避けること
ができないうえに、供試体の動作状態を一定に維持して
振動の測定をおこなっているから、治具の特性に応じた
信号を含む測定値を治具を特定した値として採用し、既
存の測定値と比較することによる相対評価をおこなわざ
るを得ず、さらには、回転数が連続的に変化する振動発
生体の励振力を正確に測定することができない不都合が
あった。
【0010】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、回転などによって振動を発生する振動
発生体の励振力を正確に測定することのできる測定装置
を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、振動発生体を
治具によって支持し、その振動発生体が動作することに
伴う振動による励振力を測定する振動発生体の励振力測
定装置において、前記治具を介して前記振動発生体に振
動を与える加振器と、前記振動発生体を支持した治具を
前記加振器で加振した際の加振器の励振力を測定する加
振器励振力測定手段と、前記振動発生体を支持した治具
を前記加振器で加振した際の加振力あるいは加速度を検
出する第1検出手段と、前記治具で支持した前記振動発
生体を動作させるとともに予め定めた動作状態まで動作
状態を変化させ、その予め定めた動作状態に到った時点
の後の該動作状態に応じた周波数の振動についての加振
力もしくは振動の加速度の極大値を検出し、かつその検
出した極大値に基づいて前記振動発生体による加振力も
しくは振動の加速度を求める第2検出手段と、前記加振
器励振力測定手段および第1検出手段ならびに第2検出
手段のそれぞれで得られた測定値もしくは検出値に基づ
いて振動発生体の励振力を検出する励振力検出手段とを
備えていることを特徴とするものである。
【0012】したがって請求項1の発明によれば、既知
の励振力で加振した場合の治具およびこれによって支持
した振動発生体を含む系の加振力あるいは振動の加速度
の周波数特性が検出され、これら既知の励振力とその励
振力で振動させた際の加振力あるいは振動の加速度とに
基づいて治具あるいはこれを含む系の伝達関数が求ま
る。そして系の特性を変えずに振動発生体を動作させて
振動を生じさせれば、その際の加振力あるいは振動の加
速度と励振力とに間には、前記伝達関数で示される関係
があるから、加振力あるいは振動の加速度の周波数特性
を検出し、その検出値と伝達関数とに基づいて励振力が
測定される。すなわちこの請求項1の発明では、既知の
励振力による加振をおこなった際の振動の検出値、これ
らが求まる系の特性値、振動発生体を動作させた際の振
動の検出値の三者に基づいて、振動発生体の励振力を求
める。さらに請求項1の発明では、振動発生体の動作状
態が連続的に変化する場合であっても、特定の動作状態
に応じた振動の加振力もしくは加速度の極大値に基づい
て実際の加振力もしくは振動の加速度を求めるので、動
作状態が変化することによる影響を排除してその振動発
生体の励振力を正確に測定することができる。
【0013】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
における前記第2検出手段が、既知の基準振動を前記振
動発生体を支持している治具に入力した場合に検出され
た振動の前記基準振動に対する時間的な遅れと加振力も
しくは振動の加速度の偏差との予め求められた関係と、
前記極大値と、前記予め定めた動作状態に到った時点か
ら極大値が検出された時点までの遅れ時間とに基づいて
前記振動発生体による加振力もしくは振動の加速度を求
める手段を備えていることを特徴とするものである。
【0014】したがって請求項2の発明によれば、動作
状態が連続的に変化する振動発生体による加振力もしく
は振動の加速度が、動作状態の連続的な変化の影響を排
除して検出される。そのため、請求項1の発明と同様
に、動作状態が変化することによる影響を排除してその
振動発生体の励振力を正確に測定することができる。
【0015】請求項3の発明は、振動発生体を複数の支
持点で治具によって支持し、前記振動発生体が動作する
ことによって生じる振動を前記治具で支持しているいず
れか一つの支持点で検出し、その検出値に基づいて前記
振動発生体による励振力を測定する振動発生体の励振力
測定装置において、前記振動を検出する支持点以外の支
持点に、前記振動発生体と治具との間に振動の伝播を抑
制する共振周波数の低い弾性部材が配置されていること
を特徴とするものである。
【0016】したがって請求項3の発明によれば、供試
体である振動発生体の振動特性に、これを支持している
治具の振動特性が影響することが回避もしくは抑制さ
れ、その結果、振動発生体に加振力あるいは振動の加速
度を正確に検出し、ひいては、その振動発生体の励振力
を正確に測定することができる。
【0017】請求項4の発明は、振動発生体を治具によ
って支持するとともに、その治具を介して前記振動発生
体を加振する加振器を備えた振動発生体の励振力測定装
置において、前記加振器の出力部材が前記治具に連結さ
れ、かつ前記加振器の本体部分と前記振動発生体を支持
している治具との間の振動の伝播を抑制する振動伝播抑
制機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】したがって請求項4の発明によれば、加振
器の発した振動がその出力部材を経て振動発生体にのみ
伝達され、そのため振動発生体に対して治具を介して振
動が伝達されて複数点から振動を受けたり、あるいは振
動発生体および治具ならびに加振器が連成系を構成する
ことが回避もしくは抑制される。その結果、振動発生体
の加振力あるいは振動の加速度を正確に検出することが
でき、ひいてはその振動発生体の励振力を正確に測定す
ることができる。
【0019】請求項5の発明は、振動発生体を治具によ
って支持するとともに、その治具を介して前記振動発生
体を加振する加振器を備えた振動発生体の励振力測定装
置において、前記加振器の出力部材が前記治具に連結さ
れ、かつ前記加振器の本体部分が前記振動発生体を支持
している治具に対して浮遊状態に保持されていることを
特徴とするものである。
【0020】この請求項5の発明においても、請求項4
の発明と同様に、加振器の発した振動がその出力部材を
経て振動発生体にのみ伝達され、そのため振動発生体に
対して治具を介して振動が伝達されて複数点から振動を
受けたり、あるいは振動発生体および治具ならびに加振
器が連成系を構成することが回避もしくは抑制される。
その結果、振動発生体の加振力あるいは振動の振動の加
速度を正確に検出することができ、ひいてはその振動発
生体の励振力を正確に測定することができる。
【0021】請求項6の発明は、治具によって支持した
振動発生体を動作させることによって生じた振動を検出
し、その検出した振動に基づいてその振動発生体による
励振力を測定する振動発生体の励振力測定装置におい
て、前記振動発生体を動作させた際の振動の振動を生じ
させる力と振動の加速度とのクロススペクトルと、前記
振動を生じさせる力のパワースペクトルとに基づいて前
記振動の加速度を求める手段を備えていることを特徴と
するものである。
【0022】したがって請求項6の発明によれば、電気
的あるいは機械的なノイズを除去して振動発生体を動作
させた際の振動の加振力もしくは振動の加速度を正確に
検出でき、ひいてはその励振力を正確に測定することが
できる。
【0023】そして、請求項7の発明は、振動発生体を
複数の支持点において治具によって支持し、その振動発
生体が動作することに伴う振動による励振力を測定する
振動発生体の励振力測定装置において、前記いずれかの
支持点で前記治具を介して前記振動発生体に振動を与え
る加振器と、その加振器を前記治具に対して浮遊状態に
保持する保持機構と、前記振動発生体と治具との間で振
動を伝達する前記支持点以外の支持点で振動発生体と治
具との間に介在された振動の伝播を抑制する共振周波数
の低い弾性部材と、前記振動発生体を支持した治具を前
記加振器で加振した際の加振器の励振力を測定する加振
器励振力測定手段と、前記振動発生体を支持した治具を
前記加振器で加振した際の加振力あるいは振動の加速度
を検出する第1検出手段と、前記治具で支持した前記振
動発生体を動作させるとともに予め定めた動作状態まで
動作状態を変化させ、その予め定めた動作状態に到った
時点の後の該動作状態に応じた周波数の振動を生じさせ
る力と振動の加速度とのクロススペクトルと前記力のパ
ワースペクトルとに基づいてその振動の振動の加速度の
極大値を検出し、かつその検出した極大値に基づいて前
記振動発生体による加振力もしくは振動の加速度を求め
る第2検出手段と、前記加振器励振力測定手段および第
1検出手段ならびに第2検出手段のそれぞれで得られた
測定値もしくは検出値に基づいて振動発生体の励振力を
検出する励振力検出手段とを備えていることを特徴とす
るものである。
【0024】したがって請求項7の発明によれば、治具
の振動特性の影響や加振器の振動が治具を介して振動発
生体に伝達されるなどのことを排除して振動発生体を加
振器によって加振することができ、さらに電気的あるい
は機械的なノイズを検出したデータから排除でき、その
結果、振動発生体の振動を正確に検出することができ
る。また請求項1の発明と同様に、振動発生体の動作状
態が連続的に変化する場合であっても、特定の動作状態
に応じた振動の加振力もしくは加速度の極大値に基づい
て実際の加振力もしくは振動の加速度を求めるので、動
作状態が変化することによる影響を排除してその振動発
生体の励振力を正確に測定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
より具体的に説明する。図1は、この発明による測定装
置の全体的な構成を概略的に示しており、供試体1を支
持する治具2が定盤3の上に配置されている。この供試
体1は、エンジンや変速機、プロペラシャフト、デファ
レンシャル、あるいはその他の使用状態で回転する回転
体であり、これを支持する治具2は、水平方向および鉛
直方向の荷重を支えるように例えば45度に傾斜して配
置されている。なお、治具2は、供試体1を複数箇所で
支持するように構成されている。具体的には、供試体1
の所定の一箇所が治具2に対して直接固定され、他の箇
所が防振材6を介して治具2に対して連結されている。
この防振材6は、治具2の振動特性が供試体1の振動特
性に影響することを防止するためのものであり、測定す
る振動の周波数以下(好ましくは、測定する最低周波数
の1/4以下)の周波数に共振点のある弾性部材によっ
て構成されている。
【0026】供試体1を治具2に固定している所定の一
箇所に対して治具2を挟んだ反対側にインピーダンスヘ
ッド7が取り付けられており、このインピーダンスヘッ
ド7に加振器8が接続されている。この加振器8は、例
えば図2に示すように、コイル9を巻き付けたアーマチ
ャ10を永久磁石11の中心部に配置するとともに、そ
のアーマチャ10をコイルバネあるいは板バネなどの弾
性体12によって所定の位置に保持するように構成され
たものであり、そのアーマチャ10がインピーダンスヘ
ッド7の軸線と一致するように、すなわち治具2に対し
て垂直な方向に延びた状態に配置され、取付台13によ
って定盤3に固定されている。言い換えれば、加振器8
と供試体1とがインピーダンスヘッド7および治具2を
挟んで同一軸線上に配置されている。
【0027】この加振器8を駆動するための装置として
信号発生器14と加振器ドライバー15とが設けられて
いる。すなわち信号発信器14によって任意の周波数の
信号を発信し、その信号に応じた駆動電流を加振器ドラ
イバー15から加振器8のコイル9に与えることによ
り、加振器8が治具2に加振力を与えるようになってい
る。なお、この加振器ドライバー15は、例えば定電流
加振をおこない、かつ加振入力レベルを任意に調整でき
るようになっている。また加振器ドライバー15の出力
側にI.V.R. 測定器16が接続され、周波数ごとの電流
値、電圧値、インピーダンスを測定し、出力するように
なっている。図1中、符号17はその測定器16によっ
て測定された周波数ωごとの抵抗値Rの一例を模式的に
示す出力データである。
【0028】一方、前記インピーダンスヘッド7は、加
振力あるいは励振力および加速度を計測するアンプ18
に接続されている。さらにそのアンプ18の出力側にF
FT(高速フーリエ変換)アナライザー19が接続され
ている。そしてこのFFTアナライザー19が極大値演
算器19Aを介して伝達関数作成器20に接続される一
方、励振力演算器21に接続されている。なお、このF
FTアナライザー19が請求項1および7の第1検出手
段に相当し、また極大値演算器19Aが請求項1および
7の第2検出手段に相当する。
【0029】この伝達関数作成器20は、治具2に対す
る既知の入力とそれに対応する加速度あるいは加振力の
周波数特性とからその治具2の伝達関数を求めるもので
あり、例えばマイクロコンピュータを主体として構成さ
れ、あるいはパーソナルコンピュータによって構成され
ている。ここで既知の入力とは、加振器8を動作させた
場合の供試体1に対する励振力であり、加振器8によっ
て発生する励振力を治具2の特性によって補正した値で
ある。
【0030】より具体的には、実質的に無限大の質量体
を加振器8によって加振した場合に発生する力を、先
ず、求める。これは、例えば前記治具2を加振器8によ
って加振し、加速度および加振力を、加振器8側のイン
ピーダンスヘッド7によって検出することによっておこ
なう。そして共振点の間に存在する加速度がほぼゼロの
周波数での加振力を、検出データ上でプロットし、この
ような操作を複数の加速度ゼロの点についておこない、
こうして求められた加振力の中間の値は、近似曲線で補
間する。その近似式の一例は、
【式1】 で示され、最小二乗法によりω0 、ζ、FK4j(0)の3
つの未知数を決定する。なお、ω0 は加振器アーマチャ
共振周波数、ζは加振器アーマチャ減衰係数、FK4j
(0)は加振力(強制力)の0切片であり、式1ではこれ
らを未知数として取り扱う。
【0031】実質的に無限大の質量を加振した場合の励
振力は、ある周波数までは周波数が高いほど増大し、し
たがって上記のようにして加速度ゼロの点での加振力を
つないだ線が、実質的に無限大の質量体を加振した場合
の各周波数での加振力を表す。なお、このような無限大
の質量体を加振した場合の加振力は、複数の加振入力レ
ベルごとに求める。このようにして求めた周波数ωごと
の励振力Fの例を図1に符号22で示してある。この機
能がこの発明の加振器励振力測定手段に相当する。
【0032】つぎに図1に示すように供試体1を支持し
た治具2を加振器8によって加振する。これは、例えば
ランダム加振(ホワイトノイズ加振)によっておこな
う。また加振入力レベルは、上記の実質的に無限大質量
を加振した場合と同様に設定する。その場合の加振力お
よび加速度は、供試体1側のインピーダンスヘッド6に
よって検出する。このようにして系の全体を加振する
と、所定の周波数ωで治具2および供試体1を含む系の
全体が共振し、その共振点付近では、系の自励振動によ
って加振器8のコイル9に逆起電力が発生し、定電流制
御をおこなっていても電流値が下がる場合がある。この
ような状況となる周波数域は、加振器8のインピーダン
スが共振のない場合から変化した部分である。したがっ
て全周波数域について、電流の変化分をコイル9によっ
て発生する力に換算し、前述した実質的に無限大の質量
体を加振した場合の加振力を補正する。
【0033】その補正は、具体的には、予め加振器8の
励振力を求めた時の加振器8の主回路の電流の周波数特
性と供試体1を支持した治具2を加振器8で加振したと
きの電流の周波数特性とを同一周波数同士で比較する。
そしてそれらの比率を、予め求めた加振器8の励振力に
乗じ、供試体1を支持した治具2を加振したときの加振
器8の励振力を求める。なお、加振器ドライバー15の
容量、制御能力などが充分大きく、系の共振時にもその
定電流制御などの制御精度を維持できる場合には、上記
の補正をおこなわなくてもよい。
【0034】このようにして治具2を加振した場合の加
振器8による実際の励振力が求められる。なお、図1に
は、励振力と加振力とを重ねた周波数特性線を、符号2
3として示してある。
【0035】供試体1を治具2によって支持するととも
に、供試体1を停止させた状態で上記のように加振器8
によって治具2を加振すると、その加速度および加振力
の周波数特性が、インピーダンスヘッド7の出力として
前記アンプ18およびFFTアナライザー19によって
求められる。したがって系に対する加振器8からの入力
すなわち加振器8による励振力と、それに伴う出力すな
わち系の周波数特性とが知られるのであるから、それら
両者の関係から伝達関数が求められる。具体的には、系
の加速度もしくは加振力と、加振器8による励振力との
比率として伝達関数が求められる。これは、加振入力レ
ベルに応じたものとなるので、3次元の伝達関数とな
る。前記伝達関数作成器20は、このような演算をおこ
なって伝達関数を求めるように構成されている。したが
ってこの伝達関数作成器20が、振動発生体励振力測定
系での加振器励振力測定手段および周波数特性検出手段
ならびに伝達関数検出手段を構成している。
【0036】さらに前記励振力演算器21には、前記F
FTアナライザー19と伝達関数作成器20とが接続さ
れており、FFTアナライザー19からは、加振器8を
停止させた状態で供試体1を回転させた場合に加振器8
側のインピーダンスヘッド7によって検出したデータす
なわち加速度あるいは加振力の周波数特性が入力され
る。その場合、供試体1の回転数を予め定めた一定の回
転数の範囲で連続的に変化させ、また加速度あるいは加
振力は所定の動作状態すなわち回転数に対応した周波数
の振動について極大値演算器19Aで演算される。その
詳細は後述する。こうして求められた振動加速度もしく
は加振力の周波数特性と前述した伝達関数とに基づいて
演算することにより、供試体1を回転させた場合に供試
体1から治具2に対して作用する励振力が求められる。
励振力演算器21はこれらの演算をおこない、具体的に
は、FFTアナライザー19から入力された周波数特性
を前記伝達関数によって測定対象周波数域について除算
するようになっている。
【0037】なお、図1には、インピーダンスヘッド7
によって得られた加振力Fの模式的な周波数特性を符号
24で示し、また演算結果である供試体1による励振力
Fの模式的な周波数特性を符号25で示してある。した
がって前記伝達関数作成器20とこの励振力演算器21
が請求項1の励振力検出手段に相当に相当する。
【0038】つぎに上述した装置の作用を説明する。前
述したように加振器8が発生する励振力は、供試体や治
具の構造に関係するものではないから、適当な治具ある
いは構造体を使用して事前に測定して求めておいてもよ
い。なお、その場合、供試体1を支持する治具2を使用
しても差し支えはないのであり、したがって例えば図1
に示す構成の装置において、加振器8によって治具2を
加振し、その場合の加速度および加振力の周波数特性を
求める。そしてその加速度がほぼゼロの点での加振力を
つないで加振力すなわち励振力Fの周波数特性を求めて
おく。これは、図1に符号22で模式的に示してあり、
実質的に無限大の質量体を加振した場合の加振力すなわ
ち励振力Fである。
【0039】つぎに供試体1を治具2によって支持す
る。供試体1を停止させた状態で加振器8を動作させて
治具2およびこれによって支持した供試体1からなる系
を振動させる。その場合の加振器8からの入力は、例え
ばランダム加振(ホワイトノイズ加振)とし、入力レベ
ルは加振器8の励振力を測定した場合の入力レベルすな
わち実質的に無限大の質量体を加振する励振力を測定し
た場合の入力レベルと同じにする。
【0040】このランダム加振による振動の周波数特性
は、インピーダンスヘッド7によって検出され、アンプ
18およびFFTアナライザー19によって信号処理さ
れ、伝達関数作成器20に入力される。その場合の共振
点付近での加振器8による励振力が補正され、その補正
値が加振器8により与えられた実際の励振力として採用
される。そしてその励振力とインピーダンスヘッド7に
よって検出された加速度あるいは加振力の周波数特性と
に基づいて伝達関数を作成する。具体的には、インピー
ダンスヘッド7を介して得られた加速度もしくは加振力
と加振器8の実際の励振力(補正した値)との比率が求
められる。
【0041】ついで供試体1を回転(動作)させる。そ
の場合、加振器8は停止させ、また治具2に連結したま
まとする。これは、系の振動特性を変えないためであ
る。また、変速機やプロペラシャフトなどの駆動源を備
えていない供試体1は、エンジンやモータによってこれ
を駆動し、さらにダイナモメータなどで負荷を吸収す
る。
【0042】この場合の加速度および加振力は、加振器
8側のインピーダンスヘッド7によって検出され、前記
アンプ18およびFFTアナライザー19によって信号
処理されてその周波数特性が求められ、かつ励振力演算
器21に入力される。このいわゆる生のデータは、治具
2の振動を含んでいるので、例えば図1に符号24で示
すにようにその加振力は変動の大きいものとなる。そし
て励振力演算器21では、伝達関数作成器20から入力
された伝達関数とFFTアナライザー19から入力され
た供試体1による加振力の周波数特性とに基づいて演算
をおこなう。具体的には、供試体1による加速度あるい
は加振力を伝達関数によって除算し、供試体1による励
振力を求める。これは、供試体1が回転して生じる実際
の励振力である。
【0043】また供試体1がその回転数を連続的に変化
させる構成の振動発生体である場合には、以下の処理を
おこなう。図3は、変速機などの振動発生体の回転数を
連続的に変化させた場合の振動加速度Aの次数比分析の
結果を概念的に示しており、また図4は特定の周波数Q
Hz の振動についての加速度Aの測定結果を概念的に示
している。これらの図に示すように、加速度Aの本来値
(作用系および計測系の応答遅れがゼロの時の値)に対
して計測値(検出された加速度)は小さい値になる。こ
れは、治具2などの測定装置を構成している振動系の振
動の遅れや減衰作用によるものと思われ、図4に示すよ
うに、回転数に対応した周波数QHz で本来値が極大値
(S点)を示すが、計測値はそれよりも遅れるために、
その本来値の極大値の時点での計測値(K点)は小さい
値になる。また計測値もその直後に極大値(P点)を示
すが、本来値の極大値(S点)より小さい値になる。
【0044】そこで治具2にセットした供試体1を動作
させ、その特定の動作に対応した特定の周波数PHz に
ついて加速度Aを測定する。例えば3000rpmでの
回転一次の振動は50Hz であり、また1800rpm
の回転一次の振動は30Hzであるから、これらの周波
数の振動について加速度Aを測定する。供試体1の回転
数が連続的に変化している場合には、治具2を含む振動
系全体の応答遅れなどによって供試体1の振動に対して
遅れて加速度が検出される。
【0045】そこで図5に示すように、特定の動作状態
(回転数)に対応する周波数の振動の加速度を測定する
と、その回転数になった時点t0 で実際の加速度Aの本
来値が極大値となるが、検出される加速度(K点)は、
実際の値(本来値:S点)より小さい値になる。その
後、所定の遅れ時間Δtを経たt1 時点に計測値の極大
値(P点)が現れる。ここで、特定の動作状態になった
時点t0 の後の加速度Aの時間変化を観測することによ
り、計測値が極大となる時点t1 の遅れ時間Δtを知る
ことができる。この遅れ時間Δtと加速度Aの偏差ΔA
とに間には相関関係があり、したがって周波数ごとにそ
れぞれの遅れ時間Δtに基づく加速度の偏差ΔAによる
加速度Aの補正をおこなうことにより、図6に示す次数
比分析値を得ることができる。
【0046】これを更に具体的に説明すると、供試体1
をセットした前記治具2に周波数RHz および入力レベ
ルが既知の模擬三角波振動(図7に太い実線で示してあ
る)を入力する。その場合の加速度Aを計測する。その
計測値を図7に細い実線で示してあり、この図7から知
られるように、入力された振動の加速度Aの変化が急激
なほどその振動は遅れて検出され、またその検出値が小
さくなる。図8は、特定の周波数RHz および入力レベ
ルの振動についての極大値の現れる遅れ時間Δtと極大
値の偏差ΔAとの関係を模式的に示す図である。なお、
この遅れ時間Δtと加速度の偏差ΔAとの相互関係は、
入力レベルおよび周波数によって相違しているから、図
9に示すように、特定の周波数について入力レベルおよ
び遅れ時間Δtならびに加速度偏差ΔAの相互の関係を
求め、さらにこれを供試体1および治具2の共振周波数
を含む複数の周波数R1 Hz ,R2 Hz ,R3 Hz ,…
の振動について求める。
【0047】したがって図5に示すように特定の周波数
の振動について計測値の極大値(P点)が現れる遅れ時
間Δtが検出されると、図8もしくは図9に示す既知の
データすなわち遅れ時間Δtと極大値の偏差ΔAとの相
互関係に基づいて、その検出された時間遅れΔtに対応
した極大値の偏差ΔAが求められる。そしてその偏差Δ
Aを計測された極大値(P点)に加えることにより加速
度Aの本来値(S点)を求めることができる。図6はこ
のようにして求めた次数比分析値(本来値:S点)と計
測値(K点)とを示している。このような処理をおこな
うことにより回転数が連続的に変化する供試体1による
加速度Aを正確に検出することができる。なお、これら
遅れ時間Δtや極大値の偏差ΔAについての演算は、極
大値演算器19Aによっておこなわれる。
【0048】供試体1の回転数が連続的に変化する場合
にはFFTアナライザー19において加速度Aの計測値
の補正および次数比分析値の算出がおこなわれる。そし
て励振力演算器21では、伝達関数作成器20から入力
された伝達関数とFFTアナライザー19から入力され
た供試体1による加振力の周波数特性(次数比分析値)
とに基づいて演算をおこなう。具体的には、供試体1に
よる加速度あるいは加振力を伝達関数によって除算し、
供試体1による励振力(次数比分析データ)を求める。
これは、供試体1が回転して生じる実際の励振力であ
る。
【0049】したがって上述した測定装置によれば、励
振力の測定に影響を及ぼす系の特性を伝達関数として把
握し、供試体1の回転および振動に伴って発生する励振
力を、その系についての伝達関数を使用して演算するの
で、供試体1の回転によって実際に生じる励振力を正確
に測定することができる。特に上記の装置あるいは方法
では、実質的に無限大の質量体を加振した場合に加振器
8が発生する励振力を、加速度がゼロの点での加振力か
ら求め、これを治具2および供試体1からなる系を加振
した場合の共振点付近の加振器電流の検出値で補正する
から、系の伝達関数が正確になり、そしてその伝達関数
を使用することにより供試体1による正確な強制力を得
ることができる。また、供試体の動作状態(例えば回転
数)が連続的に変化する場合であっても、治具2を含む
測定装置の全体としての振動系の特性に応じた加速度の
補正をおこなって供試体が動作することによる本来の加
速度を求めるので、加減速度のある供試体の励振力を正
確に測定することができる。
【0050】なお、上述した例では、供試体1およびイ
ンピーダンスヘッド7ならびに加振器8を治具2を介し
て同一軸線上に配置したので、単一のインピーダンスヘ
ッド7によって加速度を検出することとしたが、供試体
1および加振器8が同一軸線上に配置されていない場合
には、治具2の影響が生じるので、供試体1側にもイン
ピーダンスヘッドを配置し、そのインピーダンスヘッド
によって加振器による振動加速度を検出し、また加振器
側のインピーダンスヘッドによって供試体による振動を
検出することになる。すなわち相反定理に基づく測定を
おこなうことになる。その場合、供試体1と治具2とは
実質的に一点のみで連結された状態とする必要があり、
そのため例えば図10に示すようなスライド機構を介し
て供試体1を治具2によって支持することが好ましい。
すなわち、治具2に固定した受け具4に、治具2に対し
て垂直な方向に前後動するサドル5を係合させておき、
そのサドル5に供試体1を固定する。そしてサドル5と
受け具4との中心部にインピーダンスヘッド7aを配置
し、供試体1の振動がそのインピーダンスヘッド7aに
対して垂直に作用するように構成する。
【0051】また、この発明は、動作することによって
振動を発生する装置の励振力を測定する場合に適用でき
るのであり、その測定対象となる振動発生体は、上記の
回転体に限定されず、例えば往復運動によって振動を発
生する装置の励振力を測定する場合にも適用することが
できる。
【0052】前述したように振動発生体による励振力や
加速度を測定する場合、測定のために使用する機器の影
響を可及的に排除する必要がある。図1に示す例では、
そのために供試体1を防振材6を介して治具2によって
支持した。図11に示す例は、その防振材として空気バ
ネユニット30を使用した例である。具体的に説明する
と、ここに示す治具は、定盤31上に互いに対向して立
設された一対の支柱部32を主体に構成されており、そ
の一方の支柱部32の側面に、加振器33がブラケット
34によって下向きに取り付けられている。その加振器
33の下側には、ブラケット34の台座部から水平方向
に延びた片持ち梁状の固定プレート35が配置されてお
り、加振器33の出力部であるアーマチャ36の先端部
もしくはアーマチャに一体化させた連結棒36の先端部
が、その固定プレート35の上面に連結されている。
【0053】またその固定プレート35の下面には供試
体1の一方の取付部が一体的に連結されている。その供
試体1の固定プレート35に対する連結箇所は、加振器
33の軸線上、すなわちアーマチャもしくはこれと一体
の連結棒36の中心軸線上に設定されている。そしてそ
の供試体1の固定プレート35に対する固定箇所に振動
を検出するためのインピーダンスヘッド37が配置され
ている。より具体的には、前記アーマチャもしくはこれ
と一体化されている連結棒36の中心軸線上で固定プレ
ート35と供試体1との間にインピーダンスヘッド37
が固定されている。
【0054】また他方の支柱部32における側壁部の低
い位置に、水平方向に延びた台治具38が一体化されて
おり、その台治具38の上面に受け金具39を介して空
気バネユニット30が固定されている。その空気バネユ
ニット30における上側の可動プレート40に吊り金具
41が固定され、前記供試体1の非測定側の支持部がこ
の吊り金具41に取り付けられている。したがって供試
体1は、図11における左右二箇所で支持されて吊り下
げられている。これは、ここに示す供試体1の実用の際
の支持形態と近似させるためである。
【0055】上記の空気バネユニット30について更に
説明すると、この空気バネユニット30は、伸縮可能な
密閉容器に空気を封入し、空気の圧縮性を利用した弾性
部材であり、封入する空気の量や圧力を調整することに
より、可動プレート40の高さや弾性力を調整できるよ
うに構成されている。また可動プレート40を上下方向
のみならず左右方向にも所定の寸法の範囲で弾性的に移
動させ得るように構成されている。そしてこの空気バネ
ユニット30を含む非測定側の共振点が、供試体1につ
いて振動の測定周波数の下限値以下に設定されている。
より好ましくは、測定周波数の1/4程度のもしくはそ
れ以下の周波数を共振点とするように構成されている。
【0056】図11に示す測定装置によって供試体1に
よる励振力を測定する場合、先ず、空気バネユニット3
0の高さ調整をおこなって供試体1を水平に保持する。
その状態で加振器33を動作させ、また供試体1を動作
させて振動加速度あるいは加振力をインピーダンスヘッ
ド37によって検出する。その場合、空気バネユニット
30の共振点が、供試体1の励振力の測定のための振動
の周波数に対して充分低いので、供試体1の拘束力が励
振力の測定に影響しない程度に低くなり、供試体1の励
振力を正確に測定することができる。特に金属バネやゴ
ムなどの弾性体と空気バネユニット30とを比較した場
合、空気バネユニット30の方が共振点が充分低く、ま
た供試体1のレベル調整が容易かつ正確であり、さらに
上下方向のみならず水平方向に対する防止効果が優れて
いるから、励振力の測定精度が高くなる。したがって上
記の弾性材6および空気バネユニット30がこの発明の
弾性部材に相当する。
【0057】振動発生体の励振力を含む振動特性の測定
をおこなう場合、供試体の加振すなわち供試体に対する
振動の入力は、予め決めた振動のみが入力されるように
おこなうことが必要である。図12に示す例は、供試体
の加振をより正確におこなうように構成した励振力測定
装置の一例である。すなわち支柱部42が定盤43上に
立設されており、その支柱部42の側面に台座治具44
が水平に延びた状態に取り付けられている。この台座治
具44の先端側の上面に断面が“T”の字形をなすT型
治具45が立設されている。このT型治具45の支柱部
42とは反対側に供試体1が吊り下げた状態に固定され
ている。このT型治具45に対する供試体1の固定点と
は反対側に、加振器46がインピーダンスヘッド47を
介して連結されている。すなわち加振器46のアーマチ
ャあるいはこれと一体の連結棒48の先端部が、インピ
ーダンスヘッド47を挟んでT型治具45に連結されて
いる。
【0058】これに対して加振器46は支柱部42およ
び台座治具44に対して非接触状態に保持されている。
これは、加振器46の本体部分から台座治具44および
T型治具45を介して供試体1に振動が伝達されること
を防止するためであり、いわゆる連成系を構成しないよ
うになっている。より具体的に説明すると、支持柱49
の上端部からビーム部50が水平に延びた滑車ユニット
51が、空気バネユニット52を介して定盤43上に設
置されている。そのビーム部50の先端部が加振器46
の上方に延びており、そのビーム部50の先端部と基端
部(支持柱49の上端部)とにシーブ53がそれぞれ取
り付けられ、これらのシーブ53にワイヤ54が巻き掛
けられている。
【0059】このワイヤ54の両端部にフック55が取
り付けられ、一方のフック55が加振器46に引っかけ
られている。また他方のフック55にはカウンターウェ
イト56が吊り下げられている。このカウンターウェイ
ト56は、支持柱49に対して揺動しない程度に軽く固
定されている。このカウンターウェイト56の重量は加
振器46の重量とほぼ等しくなっており、したがって加
振器46がいわゆる浮遊状態に吊り下げられている。な
お、加振器46を動作させた際に加振器46が大きく変
位しないようにするために、加振器46にダンパーマス
57が取り付けられている。すなわち加振器46が、供
試体1を取り付けてあるT型治具45や台座治具44お
よび支柱部42から振動系としては切り離されている。
また、特には図示しないが、供試体1の他方の取付部
が、例えば前述した図11に示すように空気バネユニッ
トなどの共振点の低い弾性部材を介して支持されてい
る。
【0060】この図12に示された測定装置による供試
体1の励振力の測定は、図1を参照して説明したのと同
様にしておこなわれる。そしてその測定の過程で加振器
46を動作させた場合、その加振力がT型治具45を介
して供試体1に伝達され、また同時にT型治具45から
台座治具44に伝達される。しかしながらこの台座治具
44に対して加振器46が非接触の状態に保持されてい
るので、T型治具45から加振器46に加振力が循環す
ることがない。そのためいわゆる外乱のない状態で加振
器46によって供試体1を加振することができるので、
供試体1の振動特性あるいは励振力を高精度に測定する
ことができる。
【0061】また特に、図12に示す構成では、加振器
46をいわゆる浮遊状態に保持している支持柱49やビ
ーム部50などからなる滑車ユニット51が、空気バネ
ユニット52を介して定盤43の上に設置されているか
ら、定盤43やこれを載せている床(図示せず)などか
ら支持柱49に対する振動の伝達が抑制される。この点
においても外乱要因を除去することができるので、供試
体1の振動特性あるいは励振力を高精度に測定すること
ができる。
【0062】なお、図12に示す例は、供試体1を固定
している治具に対して加振器46を非接触状態あるいは
浮遊状態に保持する例であり、加振器46をこのように
保持するためにワイヤおよびカウンターウェイトを使用
したが、これに替えて、天秤方式を採用して加振器を保
持してもよい。すなわち、支点で揺動自在に支持した天
秤の一方の端部に加振器を吊り下げ、その加振器と平衡
状態となるカウンターウェイトを天秤の他方の端部に吊
り下げることにより、加振器をいわゆる浮遊状態に保持
する構成としてもよい。このように加振器46を吊り下
げて治具に対して非接触状態とする機構が請求項4の振
動伝播抑制機構に相当する。
【0063】ところで図1を参照して説明したようにこ
の発明による励振力測定装置は、励振力が既知の加振器
によって治具上の供試体を加振し、その既知の励振力
(入力)と加速度(出力)との関係を伝達関数として求
め、さらに治具上の供試体を動作させることによる加速
度と伝達関数とから供試体の励振力を求めるように構成
されている。したがって加振器を動作させた際の振動の
加速度と供試体を動作させた際の振動の加速度とを検出
することが必須である。その場合、ノイズ(雑音)を除
去して測定精度を高くする必要があり、そのために図1
1あるいは図12に示す装置では、測定装置の構成を工
夫して雑音を除去するようにしている。このような装置
の構成の改良に替えて、もしくは装置の構成の改良に加
えて、信号処理の方式を改良して雑音による誤差を低減
することができる。
【0064】すなわち伝達関数は、基本的には、信号伝
達系の入力と出力との関係を示す関数であるが、観測可
能な入力信号と出力信号とのうち出力信号に雑音が混入
していても、系の伝達関数を入出力間のクロススペクト
ルと入力信号のパワースペクトルとから、各離散周波数
においてその比として求めることができる。このような
演算をおこなうための信号を検出する装置は、具体的に
は、図13に示すとおりであって、T型治具45に対す
る加振器46の連結箇所とT型治具45に対する供試体
1の連結箇所とのそれぞれに荷重を検出して電気信号し
て出力するロードセル55,56が介在させられ、また
T型治具45に振動による加速度を検出して電気信号と
して出力する加速度センサー57が備えられている。他
の構成は、図12に示す装置と同様であり、図13に図
12と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】上記の各ロードセル55,56と加速度セ
ンサー57との出力信号が図1に示す力・加速度計測ア
ンプ18を介してFFTアナライザー19に入力されて
おり、加振器46によって供試体1を加振した際の加振
力と加速度とのクロススペクトルおよび加振力パワース
ペクトルがFFTアナライザー19によって求められ
る。そしてこの加振力と加速度とのクロススペクトルと
加振力のパワースペクトルとの比として伝達関数作成器
20によって伝達関数が作成される。さらにその伝達関
数とFFTアナライザー19で得られる加振力スペクト
ルとに基づいて加速度が算出され、すなわちこれらの積
として加速度が算出される。なお、この演算は励振力演
算器21や図示しないコンピュータによっておこなうこ
とができ、加振力と加速度とのクロススペクトルをWxy
(k) 、加振力のパワースペクトルをWxx(k) 、加振力ス
ペクトルをX(k) とすれば、加速度スペクトルV(k)
は、V(k) =(Wxy(k) /Wxx(k) )・X(k)である。
【0066】したがって図13に示す構成の測定装置を
使用して加振力および加速度のクロススペクトルと加振
力パワースペクトルとによって伝達関数を求め、さらに
その伝達関数と加振力スペクトルとに基づいて加速度を
検出すれば、雑音を除去した加速度を得ることができ
る。そしてその振動加速度を使用して図1を参照して説
明したように励振力を演算すれば、誤差の少ない励振力
を得ることができる。すなわち測定精度が向上する。し
たがって励振力演算器21や図示しないコンピュータが
請求項6の加速度を求める手段に相当する。
【0067】なお、振動を生じさせる力は、上述したロ
ードセル55,56によって検出した加振力に限られな
いのであり、加振力に替わる力として、T型治具45に
作用する荷重を採用することができる。図14に示す装
置は、T型治具45に作用する荷重を検出するように構
成したものであり、T型治具45の加振器46側の面と
供試体1側の面との両面に歪みゲージ60が取り付けら
れている。また供試体1はT型治具45に所定の金具を
介して固定され、また加振器46とT型治具45との間
に加速とセンサー61が介在させられている。すなわち
加速度センサー61がT型治具45に密着して固定され
るとともに、その加速度センサー61に加振器46が連
結されている。
【0068】この図14に示す構成の装置によれば、加
振器46を動作させた場合および供試体1を動作させた
場合に、加振力に替えて歪みゲージ60による応力が検
出される。したがって歪みゲージ60の出力と加速度と
のクロススペクトルを、歪みゲージ60の出力パワース
ペクトルによって除算して伝達関数を求め、その値と歪
みゲージ60の出力スペクトルとによって加速度スペク
トルを求めることができる。その場合も、雑音を除去し
た加速度を得ることができ、その結果、供試体1の励振
力を高精度に測定することが可能になる。
【0069】なお、上述した説明では、加速度を検出す
ることとしたが、この発明では、加速度に替えて加振力
を検出することとしても、上記の例で説明したと同様に
励振力を測定することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、既知の励振力による加振をおこなった際の振動の
検出値、これらが求まる系の特性値、振動発生体を動作
させた際の振動の検出値の三者に基づいて、振動発生体
の励振力を求め、さらに振動発生体の動作状態が連続的
に変化する場合であっても、特定の動作状態に応じた振
動の加振力もしくは加速度の極大値に基づいて実際の加
振力もしくは振動の加速度を求めるので、動作状態が変
化することによる影響を排除してその振動発生体の励振
力を正確に測定することができる。
【0071】また、請求項2の発明によれば、動作状態
が連続的に変化する振動発生体による加振力もしくは振
動の加速度を、動作状態の連続的な変化の影響を排除し
て検出できるため、請求項1の発明と同様に、動作状態
が変化することによる影響を排除してその振動発生体の
励振力を正確に測定することができる。
【0072】請求項3の発明によれば、供試体である振
動発生体の振動特性に、これを支持している治具の振動
特性が影響することが回避もしくは抑制され、その結
果、振動発生体に加振力あるいは振動の加速度を正確に
検出し、ひいては、その振動発生体の励振力を正確に測
定することができる。
【0073】請求項4の発明によれば、加振器の発した
振動がその出力部材を経て振動発生体にのみ伝達され、
そのため振動発生体に対して治具を介して振動が伝達さ
れて複数点から振動を受けたり、あるいは振動発生体お
よび治具ならびに加振器が連成系を構成することが回避
もしくは抑制される。その結果、振動発生体の加振力あ
るいは振動の加速度を正確に検出することができ、ひい
てはその振動発生体の励振力を正確に測定することがで
きる。
【0074】請求項5の発明においても、請求項4の発
明と同様に、加振器の発した振動がその出力部材を経て
振動発生体にのみ伝達され、そのため振動発生体に対し
て治具を介して振動が伝達されて複数点から振動を受け
たり、あるいは振動発生体および治具ならびに加振器が
連成系を構成することが回避もしくは抑制される。その
結果、振動発生体の加振力あるいは振動の振動の加速度
を正確に検出することができ、ひいてはその振動発生体
の励振力を正確に測定することができる。
【0075】請求項6の発明によれば、電気的あるいは
機械的なノイズを除去して振動発生体を動作させた際の
振動の加振力もしくは振動の加速度を正確に検出でき、
ひいてはその励振力を正確に測定することができる。
【0076】そして、請求項7の発明によれば、治具の
振動特性の影響や加振器の振動が治具を介して振動発生
体に伝達されるなどのことを排除して振動発生体を加振
器によって加振することができ、さらに電気的あるいは
機械的なノイズを、検出したデータから排除でき、その
結果、振動発生体の振動を正確に検出することができ
る。また請求項1の発明と同様に、振動発生体の動作状
態が連続的に変化する場合であっても、特定の動作状態
に応じた振動の加振力もしくは加速度の極大値に基づい
て実際の加振力もしくは振動の加速度を求めるので、動
作状態が変化することによる影響を排除してその振動発
生体の励振力を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置の一例を模式的に示すブロッ
ク図である。
【図2】 加振器の構造の一例を示す模式図である。
【図3】 振動発生体の回転数を連続的に変化させた場
合の次数比分析による加速度の変化を概念的に示す模式
図である。
【図4】 振動発生体の回転数を連続的に変化させた場
合の特定の周波数の振動についての加速度の本来値と計
測値との変化を概念的に示す図である。
【図5】 動作状態が変化する振動発生体の特定の周波
数についての加速度の極大値とその計測値の極大値との
偏差および遅れ時間を説明するための模式図である。
【図6】 振動発生体の回転数を連続的に変化させた場
合の次数比分析による振動加速度を補正した値を概念的
に示す模式図である。
【図7】 模擬三角波による振動加速度の本来値と計測
値との極大値の偏差および遅れ時間の測定結果を示す図
である。
【図8】 振動加速度の本来値と計測値との遅れ時間に
対する偏差の測定結果を示す線図である。
【図9】 周波数ごとの振動加速度の本来値と計測値と
の遅れ時間と偏差ならびに入力レベルとの三次元マップ
の例を示す図である。
【図10】 治具と供試体との連結部分の構造の一例を
示す模式図である。
【図11】 測定点以外を空気バネユニットで支持した
構成の測定装置の一例を示す図である。
【図12】 加振器をいわゆる浮遊状態に保持した構成
の測定装置の一例を示す図である。
【図13】 加振力と加速度のクロススペクトルを得る
ように構成した測定装置の一部を示す図である。
【図14】 T型治具の応力と加速度とのクロススペク
トルを得るように構成した装置の一部を示す図である。
【符号の説明】
1…供試体、 2…治具、 6…防振材、 7,37,
47…インピーダンスヘッド、 8…加振器、 18…
アンプ、 19…FFTアナライザー、 20…伝達関
数作成器、 21…励振力演算器、 30…空気バネユ
ニット、 51…滑車ユニット、 56…カウンターウ
ェイト、 55,56…ロードセンサー、 57,61
…加速度センサー、 60…歪みゲージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−82572(JP,A) 特開 平8−43186(JP,A) 特開 平3−18728(JP,A) 特開 昭58−196428(JP,A) 特開 平11−72397(JP,A) 特開 平9−89698(JP,A) 実開 平10−293060(JP,U) 実開 平5−8454(JP,U) 実開 昭60−114929(JP,U) 実開 平1−123928(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 G01H 17/00 G01M 7/02 G01P 15/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生体を治具によって支持し、その
    振動発生体が動作することに伴う振動による励振力を測
    定する振動発生体の励振力測定装置において、 前記治具を介して前記振動発生体に振動を与える加振器
    と、 前記振動発生体を支持した治具を前記加振器で加振した
    際の加振器の励振力を測定する加振器励振力測定手段
    と、 前記振動発生体を支持した治具を前記加振器で加振した
    際の加振力あるいは振動の加速度を検出する第1検出手
    段と、 前記治具で支持した前記振動発生体を動作させるととも
    に予め定めた動作状態まで動作状態を変化させ、その予
    め定めた動作状態に到った時点の後の該動作状態に応じ
    た周波数の振動についての加振力もしくは加速度の極大
    値を検出し、かつその検出した極大値に基づいて前記振
    動発生体による加振力もしくは振動の加速度を求める第
    2検出手段と、 前記加振器励振力測定手段および第1検出手段ならびに
    第2検出手段のそれぞれで得られた測定値もしくは検出
    値に基づいて振動発生体の励振力を検出する励振力検出
    手段とを備えていることを特徴とする振動発生体の励振
    力測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第2検出手段が、既知の基準振動を
    前記振動発生体を支持している治具に入力した場合に検
    出された振動の前記基準振動に対する時間的な遅れと加
    振力もしくは振動の加速度の偏差との予め求められた関
    係と、前記極大値と、前記予め定めた動作状態に到った
    時点から極大値が検出された時点までの遅れ時間とに基
    づいて前記振動発生体による加振力もしくは振動の加速
    度を求める手段を備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の振動発生体の励振力測定装置。
  3. 【請求項3】 振動発生体を複数の支持点で治具によっ
    て支持し、前記振動発生体が動作することによって生じ
    る振動を前記治具で支持しているいずれか一つの支持点
    で検出し、その検出値に基づいて前記振動発生体による
    励振力を測定する振動発生体の励振力測定装置におい
    て、 前記振動を検出する支持点以外の支持点に、前記振動発
    生体と治具との間に振動の伝播を抑制する共振周波数の
    低い弾性部材が配置されていることを特徴とする振動発
    生体の励振力測定装置。
  4. 【請求項4】 振動発生体を治具によって支持するとと
    もに、その治具を介して前記振動発生体を加振する加振
    器を備えた振動発生体の励振力測定装置において、 前記加振器の出力部材が前記治具に連結され、かつ前記
    加振器の本体部分と前記振動発生体を支持している治具
    との間の振動の伝播を抑制する振動伝播抑制機構が設け
    られていることを特徴とする振動発生体の励振力測定装
    置。
  5. 【請求項5】 振動発生体を治具によって支持するとと
    もに、その治具を介して前記振動発生体を加振する加振
    器を備えた振動発生体の励振力測定装置において、 前記加振器の出力部材が前記治具に連結され、かつ前記
    加振器の本体部分が前記振動発生体を支持している治具
    に対して浮遊状態に保持されていることを特徴とする振
    動発生体の励振力測定装置。
  6. 【請求項6】 治具によって支持した振動発生体を動作
    させることによって生じた振動を検出し、その検出した
    振動に基づいてその振動発生体による励振力を測定する
    振動発生体の励振力測定装置において、 前記振動発生体を動作させた際の振動の振動を生じさせ
    る力と振動の加速度とのクロススペクトルと、前記振動
    を生じさせる力のパワースペクトルとに基づいて前記振
    動の加速度を求める手段を備えていることを特徴とする
    振動発生体の励振力測定装置。
  7. 【請求項7】 振動発生体を複数の支持点において治具
    によって支持し、その振動発生体が動作することに伴う
    振動による励振力を測定する振動発生体の励振力測定装
    置において、 前記いずれかの支持点で前記治具を介して前記振動発生
    体に振動を与える加振器と、 その加振器を前記治具に対して浮遊状態に保持する保持
    機構と、 前記振動発生体と治具との間で振動を伝達する前記支持
    点以外の支持点で振動発生体と治具との間に介在された
    振動の伝播を抑制する共振周波数の低い弾性部材と、 前記振動発生体を支持した治具を前記加振器で加振した
    際の加振器の励振力を測定する加振器励振力測定手段
    と、 前記振動発生体を支持した治具を前記加振器で加振した
    際の加振力あるいは加速度を検出する第1検出手段と、 前記治具で支持した前記振動発生体を動作させるととも
    に予め定めた動作状態まで動作状態を変化させ、その予
    め定めた動作状態に到った時点の後の該動作状態に応じ
    た周波数の振動を生じさせる力と加速度とのクロススペ
    クトルと前記力のパワースペクトルとに基づいてその振
    動の加速度の極大値を検出し、かつその検出した極大値
    に基づいて前記振動発生体による加振力もしくは振動の
    加速度を求める第2検出手段と、 前記加振器励振力測定手段および第1検出手段ならびに
    第2検出手段のそれぞれで得られた測定値もしくは検出
    値に基づいて振動発生体の励振力を検出する励振力検出
    手段とを備えていることを特徴とする振動発生体の励振
    力測定装置。
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