JP4200646B2 - 板ばねの最適仕様決定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心力による回転体の振動を測定し、回転体のアンバランスを計測するバランス計測機に使用する板ばねから、計測する回転体に最適な板ばねを選定する板ばねの最適仕様決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1本のシャフトの2ヶ所を支持して回転する回転体のアンバランスを計測するバランス計測機においては、回転体を自由に回転させることができる2つの軸受で回転体を支持し、この2つの軸受は各々2つの板ばねで固定部に固定され、シャフトと垂直な一方向のみ自由に動ける構造になっているタイプの機構部分を有するもの(図2を参照)がある。このタイプのバランス計測機では、計測精度が両方の軸受を固定している板ばねの特性に大きく影響され、計測する回転体に最適な板ばねを選定する必要がある。
【0003】
一方、従来よりバランス計測機の軸受機構部の発明として、例えば、特公昭49−17556号公報によるものが公知である。この公知のバランス計測機の軸受機構部は、軸受が特定な方向の動きにのみ柔軟で、他の多方向の動きに対しては剛体として働くような構造となっている。
【0004】
しかしながら、このようなバランス計測機の軸受機構部は、あらゆる回転体に対して同一の軸受機構部が使用されるものではなく、必要な軸受挙動となるように板ばねの寸法や支持点の最小距離を合わせる必要がある。従って、上記従来公知の技術では、軸受機構部が必要な軸受挙動となるように調整しなければならない。
【0005】
即ち高速で回転する回転体(例えば毎分1,000〜3,000回転)に最適な軸受機構部を得る場合には、軸受機構部の挙動は目で見ただけでは最適かどうかは判らず、実際にアンバランス量を計測し、最適かどうかを判断する必要がある。従って、このような軸受機構部の調整には、(1)板ばねの交換、(2)アンバランス計測手段の調整(アンバランス計測手段のパラメータを交換した板ばねに合わせる)、(3)アンバランス量の計測と最適かどうかの判断、を何度も繰り返し行い、最適な板ばねを見つけなければならず、多くの工数が必要であるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、軸受機構部上で回転体を回転させたときの軸受機構部の振動速度と板ばねのたわみ量に着目し、実際に軸受機構部を使って繰り返しテストをしなくても、最適な板ばねが選定できる板ばねの最適仕様決定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項に記載の板ばねの最適仕様決定装置を提供する。
請求項1に記載の板ばねの最適仕様決定装置は、板ばね仕様格納部と、軸受仕様格納部と、軸受の振動速度と板ばねのたわみ量を算出する軸受挙動演算部及び最適板ばね選択部とから構成され、計測を行いたい被計測回転体の仕様を入力することによって、その被計測回転体に最適な板ばねの仕様が出力されるようになっている。従って、各種の板ばねを交換し、実際に軸受機構部を使って繰り返しテストをしなくても、最適な板ばねを選定できるようになり、従来技術において最適な板ばねを見つけるために必要とされる多くの工数を、必要としなくなった。
請求項2の板ばねの最適仕様決定装置は、最適板ばね選択部が、軸受の振動速度と板ばねのたわみ量とが共に増加する直前の領域を最適な状態として板ばね厚さを決定するようにしたものであり、最適板ばねの選択基準を規定したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の板ばねの最適仕様決定装置を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の板ばねの最適仕様決定装置をブロック図で示したものであり、図2は、本発明が対象の一つとして想定しているバランス計測機における軸受機構部の概略構造を示す斜視図である。
【0009】
軸受機構部1は、固定部2、軸受部3及びこの固定部と軸受部間に架設される板ばね4とから構成される。軸受部3は、被計測回転体5を載せる一対のローラ6が設けられている。板ばね4は、多種類用意されており、適宜交換して固定部と軸受部間に取付可能となっている。図2に示される実施例では、板ばね4は、鉛直方向に架設され、その平担な側面は被計測回転体5の軸方向を指示している。被計測回転体5の両端部は、それぞれ軸受部3の一対のローラ6上に載置され、図示されていない駆動機構によって被計測回転体5が回転駆動され、被計測回転体5のバランスが計測される。
【0010】
本発明の実施の形態の板ばねの最適仕様決定装置10は、図1に示されるように、種々の板ばねの仕様を記憶した板ばね仕様格納部11と、軸受の仕様を記憶した軸受仕様格納部12と、板ばね仕様、軸受仕様及び入力された計測される回転体仕様とから、各板ばねを使用した場合の軸受の振動速度と板ばねのたわみ量を算出する軸受挙動演算部13と、前記軸受の振動速度と板ばねのたわみ量から最適な板ばねを選択する最適板ばね選択部14とから構成されている。
【0011】
板ばね仕様格納部11には、実際に軸受機構部1で使用可能な板ばね4の全てのばね定数が記憶されている。本実施例では、縦、横、取付け穴の位置が全て同じで、0.1mm間隔で、最大板厚2mmまでの20種類が使用可能な板ばねとして準備され、この20種類全てのばね定数が記憶されている。
軸受仕様格納部12には、板ばね4や計測する被計測回転体5が変わっても変化しない軸受の仕様が記憶されている。本実施例では、軸受部3の質量が記憶されている。
【0012】
板ばねの最適仕様決定装置10に入力する、計測される被計測回転体5の回転体仕様は、計測する被計測回転体5ごとに異なる軸受機構部3の仕様であり、本実施例では、被計測回転体の質量、重心の位置、軸受間の距離、計測するときの被計測回転体の回転速度を入力する。
【0013】
軸受挙動演算部13では、入力された回転体仕様と、前記の板ばね仕様格納部11及び軸受仕様格納部12のデータを基に軸受の挙動を計算で求め、そのときの軸受の最大の振動速度と、板ばねの最大のたわみ量(板厚に対するたわみ量の大きさ)を求める。本実施例では、市販のシミュレーションツールを使用して構築した。図3は、本実施例で採用した挙動演算で使用した軸受機構部のモデルを示している。
【0014】
このモデルにおいて、被計測回転体の重心の変位の運動方程式は、以下の式(1)で与えられる。
【数1】
また、被計測回転体のシャフトの傾きの運動方程式は、以下の式(2)で与えられる。
【数2】
【0015】
(1),(2)式において、Mr は、両軸受と被計測回転体の質量であり、Ir は、両軸受と被計測回転体の偶力モーメントである。また、上記式の静アンバランスによる遠心力Fs 及び偶アンバランスによる遠心力Fd は、それぞれ以下の式で求められる。
Fs =Ur ω2 sin ωt+Ul ω2 sin (ωt−α) (3)
Fd =Ur ω2 L1 sin ωt+Ul ω2 L2 sin (ωt−α) (4)
これらの式で、L1 は、左側軸受と被計測回転体の重心との距離を、L2 は、右側軸受と被計測回転体の重心との距離を表わしており、Ur は、被計測回転体の右側動アンバランス量であり、Ul は、被計測回転体の左側動アンバランス量であり、被計測回転体によって決まる定数である。また、αは、被計測回転体の左右動アンバランスの角度差を示している。
【0016】
更に、上記式(1),(2)の左側板ばねの変位x、及び右側板ばねの変位x2 は、以下の式で求められる。
x1 =x+L1 θ (5)
x2 =x+L2 θ (6)
ここで、xは、被計測回転体の重心の変位であり、θは、被計測回転体のシャフトの傾きである。なお、式(1),(2)のkは、板ばねのばね定数である。上記の式(1)〜(6)を使用して、軸受挙動演算部13において軸受振動速度及び板ばねのたわみ量とが算出される。なお、軸受振動速度は、上記式(1),(2)によって求められた被計測回転体の重心の変位加速度及び被計測回転体のシャフトの傾きの角加速度から市販のシミュレーションツールを使用して求められる。また、たわみ量として、左右の板ばねのうち大きい方のたわみ量を選択する。
【0017】
最適板ばね選択部14では、前述の軸受挙動演算部13から出力される軸受振動速度と板ばねのたわみ量から、最適な板ばねを選択する。本実施例では、以下に記載する選択方法を用いて最適な板ばねを選択している。図5は、この選択で使用するグラフを示している。
1)全ての板ばねに対して、軸受振動速度と板ばねのたわみ量とを求める。
2)横軸に板ばね厚さ、縦軸に軸受振動速度と板ばねのたわみ量を取り、グラフを書く。
3)軸受振動速度と板ばねのたわみ量とが共に増加する(図5の発振領域)直前の領域(図5の最適領域)を最適な状態とし、板ばね厚さを決定する。
なお、上記した最適板ばね選択部14での最適板ばねの選択方法では、板ばね選択のためにグラフを描いたが、実際にグラフを描く必要はなく、図5で示す最適領域を求めることができればよい。
【0018】
以上説明したように、本発明では、従来の実際に軸受機構部を使い、板ばねを交換して繰り返しテストを行って最適な板ばねを選定するのではなく、板ばねの最適仕様決定装置を使用して最適な板ばねを選定しているので、最適な板ばねを見つけ出すための多くの工数を必要とせず、労力を節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の板ばねの最適仕様決定装置のブロック図である。
【図2】本発明が対象の一つとして想定しているバランス計測機における軸受機構部の概略構造を示す斜視図である。
【図3】本発明が挙動演算で使用した軸受機構部のモデルを示す図である。
【図4】最適板ばねの選択で使用する板ばね厚さと軸受振動速度及び板ばねのたわみ量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…軸受機構部
2…固定部
3…軸受部
4…板ばね
5…被計測回転体
10…板ばねの最適仕様決定装置
11…板ばね仕様格納部
12…軸受仕様格納部
13…軸受挙動演算部
14…最適板ばね選択部
Claims (2)
- 被計測回転体の両側に一対の軸受部があり、各軸受部が固定部と板ばねで結合している軸受機構部を有する被計測回転体のバランス計測機に使用する板ばねの中から、最適な板ばねを選択する板ばねの最適仕様決定装置が、
種々の前記板ばねの仕様を記憶した板ばね仕様格納部と、
軸受の仕様を記憶した軸受仕様格納部と、
前記板ばね仕様と、前記軸受仕様及び入力された前記被計測回転体仕様とから、前記各板ばねを使用した場合の軸受の振動速度と板ばねのたわみ量を算出する軸受挙動演算部と、
前記軸受の振動速度と前記板ばねのたわみ量とから最適な板ばねを選択する最適板ばね選択部と、
からなることを特徴とする板ばねの最適仕様決定装置。 - 前記最適板ばね選択部が、前記軸受の振動速度と前記板ばねのたわみ量とが共に増加する直前の領域を最適な状態として、板ばね厚さを決定することを特徴とする請求項1に記載の板ばねの最適仕様決定装置。
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WO2015198487A1 (ja) * | 2014-06-27 | 2015-12-30 | 三菱重工業株式会社 | 高速回転機械の振動計測装置、及び振動計測方法 |
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