JPH11316168A - 弾性ロ―タの不釣合い修正量の測定方法およびその測定に用いる影響係数の測定方法 - Google Patents

弾性ロ―タの不釣合い修正量の測定方法およびその測定に用いる影響係数の測定方法

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JPH11316168A
JPH11316168A JP11065262A JP6526299A JPH11316168A JP H11316168 A JPH11316168 A JP H11316168A JP 11065262 A JP11065262 A JP 11065262A JP 6526299 A JP6526299 A JP 6526299A JP H11316168 A JPH11316168 A JP H11316168A
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    • G01M1/14Determining imbalance
    • G01M1/16Determining imbalance by oscillating or rotating the body to be tested
    • G01M1/24Performing balancing on elastic shafts, e.g. for crankshafts
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試しおもり工程なしに、ロータや軸受けの基礎
データもなしに、弾性ロータの不釣合い修正量を測定す
ることが望まれていた。 【解決手段】予め定める修正面WE1 ,WE2 ,WE3
において、ロータ10を力励振するハンマー装置11を
設ける。ハンマー装置11により修正面WE 1 ,W
2 ,WE3 を打撃力で励振して、励振力スペクトルを
測定する。その結果誘発されたロータ10の振動挙動
を、軸受け面ME1 ,ME2 での応答スペクトルとして
把握する。そして、応答スペクトル対励振力スペクトル
の比から影響スペクトルを導き出す。また、測定工程
で、ロータ10の回転数に割り当てられた力シグナルお
よび振動シグナルを軸受け面ME1 ,ME2 で測定す
る。そして、影響係数と、測定工程で測定した力シグナ
ルおよび振動シグナルとを用いて、不釣合い修正量を決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性ロータのた
めの不釣合い修正量の決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】簡単な筒状の剛体ロータが低回転で釣合
ったときは、発生する不釣合いは、ほとんどの場合、左
側および右側の軸受け面で測定される。そして通常は、
2面での不釣合い修正がされる。従って、剛体ロータ
は、不釣合い振動と軸受け力とには無関係に回転する。
【0003】ところで、ロータの質量は均一ではなく、
質量の非対称は、ロータの全長に分布している。このた
め、ロータ内には、個々の不釣合いによって生じた遠心
力に起因する内部の曲げモーメントが残留する。弾性の
大きなロータの場合には、回転が上がると、回転数の二
乗で増大する力によって許容できないほど大きな変形を
生じる。この変形は、ロータに対して不釣合い作用を起
こす原因となり兼ねない。ゆえに、ロータの駆動回転数
が、曲げから見た危険速度に接近すると、ロータが極限
まで無限に大きく撓む危険な事態に進展し兼ねない。
【0004】理論的には、ロータ(またはロータ軸)の
危険速度は無限に多く存在する。しかし、ある一定の回
転数での振動挙動を判定するのに、その回転数に属する
曲げモーメント、または固有モードを妨害するような危
険速度のみが考慮される。ほとんどの形式のロータの場
合、実際には、ロータの軸撓み(軸方向の撓み)を励起
するような1つの危険速度を考慮すれば十分である。し
かし特殊な場合には、多くの危険速度の範囲を考慮する
必要がある。簡単な筒状のロータは、1次の危険速度の
近辺でU字状に、2次の危険速度の近辺でS字状に、そ
して3次の危険速度の近辺ではW字状に曲がる。これら
の危険速度に関係付けられた極限の撓み形状は、そのロ
ータの固有モードと呼ばれている。
【0005】一般に実用回転数が高くなるほど、それだ
け余計に弾性的な撓みを考慮する必要がある。従って、
ロータの釣合いをとることの目的は、許容できる回転数
の全領域で、剛体力と軸弾性的な撓み、およびこれと同
時に発生する力を許容可能な限度にまで減少させること
にある。かかる目的を実現するための公知の〜の方
法を以下に説明する。これらの方法は、ロータの軸方向
の軸弾性挙動を考慮したものである。
【0006】1つの方法は、K.Federnの「軸弾性ロー
タ類を釣合わせるための現在の考察方法、方針、規格お
よび使用可能な方法について」という論文が記載されて
いるVDI-Berichte No.161, 1971, P5 〜p12 により公知
である。この方法では、手動によるバランシング法が課
題である。n個の危険速度を考慮する場合には、少なく
とも(n+2)個の修正面での釣合わせが必要である。
その場合、従来方法で、測定するロータに対して、まず
剛体としての不釣合い修正を実施する。その後、ロータ
に対して多数の試しおもりを用いるという工程によっ
て、モード(方式)による不釣合いを修正する。そのと
き、各モードごとの回転数で最適な試しおもりが用いら
れるように、必要な釣合わせ工程数の決定が熟練した作
業者の経験により決められる。
【0007】この方法では、良好な釣合わせ結果を達成
するためには、極めて多くの測定工程が必要である。 W.Kellenbergerの専門書である「弾性釣合わせ」ベル
リン, 1987, P317〜325 に、試し重りを用いるコンピュ
ータ装備の影響係数法が記載されている。この方法によ
ると、剛体修正だけでなく、軸弾性による撓みまで、共
通の計算で求めた修正質量を用いることにより、排除ま
たは削除することができる。
【0008】この方法では、基本をなす不釣合い測定工
程の他に、少なくとも予定している修正面の数だけ、試
しおもりを用いた不釣合い測定を行う必要がある。従っ
て、1次の危険速度を考慮する際には、少なくとも4個
の不釣合い測定工程が必要になろう。この方法によると
きは、試しおもりを用いる測定工程で得られた影響係数
はコンピュータ中に記憶されるので、事後に実施する同
種のロータでは、不釣合い測定をただ1回だけ実施すれ
ばよいことになる。しかし、いずれの場合にも、ロータ
を最初に釣り合わせる場合には、ロータに試しおもりを
装備する必要があり、従って、考慮すべき修正面の数に
応じて、試しおもり工程を実施しなければならない。
【0009】R.Gasch とJ.Drechsler の「試しおもり
を使用しない弾性体のモーダル・バランシング」VDI-Be
richte No. 320, 1978, P45 〜53に、試しおもりを用い
ない弾性ロータの修正方法が記載されている。この方法
では、測定するロータに対し、剛体として予め修正を実
施する。その後に、測定するロータを、不釣合い測定工
程を考慮すべき危険速度領域まで回転させ、所定の位置
に設けられた変位検出器を用いて、ロータの撓みを測定
することが提案されている。
【0010】この方法によれば、固有モードと、これに
関連して特定される質量を承知の上で、記録されている
ロータ軸の弾性撓みを用いて、コンピュータの助けでモ
ーダル・アンバランス部分を同定し、これに相当する修
正質量を計算することが可能である。しかしこの方法の
欠点は、まず従来の方法でロータに対して剛体としての
不釣合い修正を実施しなければならないことである。そ
してその後に、さらに測定と修正との工程によって、モ
ーダル・アンバランスを排除する必要があることであ
る。
【0011】ドイツ公開特許第4,133,787号
には、弾性ロータに対する釣合わせ方法が記載されてい
る。この公報によれば、試しおもり工程なしに、剛体の
不釣合いとロータの軸弾性撓みとの修正に必要な修正質
量が求まる。この方法では、ロータが、剛体挙動を示す
回転数での不釣合い測定工程で、まず少なくとも不釣合
い測定値を1つ求める。そして、軸受け面と修正すべき
固有モードについて、さらに少なくとも1つの不釣合い
測定値を、考慮すべき個々のモードの回転数領域内にあ
る回転数で求める。読取装置では、得られた不釣合い測
定値とロータまたは軸受けに固有な基礎知識とを利用し
て、剛体不釣合いと、考慮すべき固有モード部分を修正
するための不釣合い修正とが計算されて、個々の軸受け
面には回転数とは無関係な一定の力が算出され、この力
が弾性ロータ挙動の不釣合い作用を示すものとなる。
【0012】この方法によるときは、釣合わせるべきロ
ータの寸法、形状および使用した材料のデータのよう
な、ロータおよび軸受けに固有な基礎データを、コンピ
ュータに供給する必要がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した各従来技
術によれば、では、極めて多数の測定工程が必要であ
る、では、試しおもり工程を実施しなければならな
い、では剛体としての不釣合い修正を実施した後でな
ければ、弾性ロータとしての修正量を求めることができ
ない、では、ロータと軸受けに固有な基礎データをコ
ンピュータに供給しなければならない、というように、
それぞれ課題がある。
【0014】この発明は、かかる従来技術の課題を解決
するためになされたものである。この発明は、試しおも
り工程なしに、測定されたロータと軸受けに必要な基礎
データもなしに、弾性ロータの不釣合いの迅速な排除を
保証する、弾性ロータの不釣合い修正量の決定方法を提
供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発
明は、予め定める修正面において、ロータを力励振する
手段を採用することによって、不釣合い修正に必要な影
響係数が完全に測定できるという認識を基礎にしてい
る。この発明では、基本となる不釣合い工程と、測定済
の不釣合い効果に関して変換された影響係数とを用いる
ことで、最も簡単な方法によって、不釣合い修正量を決
定できる。
【0016】具体的に、請求項1記載の発明によれば、
2つの軸受け装置で振動自在に軸受けされたロータを、
意図したそれぞれの修正面で、軸方向を横断する機械的
な打撃力で励振して励振力スペクトルを測定し、その結
果誘発されたロータの振動挙動を、軸受け面での力スペ
クトルまたは振動スペクトル形式の応答スペクトルとし
て把握し、応答スペクトル対励振力スペクトルの比から
影響係数を導き出し、測定工程でロータ回転数に割り当
てられた力シグナルおよび振動シグナルを軸受け面で測
定し、影響係数と測定工程で測定した力シグナルおよび
振動シグナルとを用いて不釣合い修正量を決定すること
を特徴とする、弾性ロータの不釣合い修正量の測定方法
を提供できる。
【0017】上記測定方法においては、影響係数と、測
定工程の力シグナルまたは振動シグナルから導出した数
値から作成した等式系の解答を、誤差の二乗和を最小に
する最小二乗法を用いて解くことが好ましい。上記測定
方法においては、ロータが剛体と考えられる回転数の範
囲内で、しかも、ロータが少なくとも弾性的な撓みを示
す回転数の範囲内で、測定を実施することが好ましい。
【0018】さらに上述の回転数の範囲内で測定を実施
する場合、ロータが弾性的挙動を示すn個の回転数の範
囲内で、n個の固有モードを検出するために測定を行う
ことが好ましい。請求項2記載の方法によれば、2つの
軸受け装置で振動自在に軸受けされたロータを、意図し
たそれぞれの修正面で、軸方向を横断する機械的な打撃
力で励振して励振力スペクトルを測定し、その結果誘発
されたロータの振動挙動を、軸受け面での力スペクトル
または振動スペクトル形式の応答スペクトルとして把握
し、測定によって得た応答スペクトル対測定によって得
た励振力スペクトル比を用いて影響係数を導き出し、こ
れを不釣合い励振下の影響係数に変換することを特徴と
する、弾性ロータを釣合わせるための影響係数の測定方
法を提供できる。
【0019】上記の測定方法において、影響係数の工程
へモード寄与が及ぼす影響の変化を考慮することが望ま
しい。さらに、上述の測定方法では、モード解析によっ
て、モード寄与の影響を求めるようにしてもよい。上記
各測定方法においては、力検出器または振動検出器の測
定方向に、力による励振を加えるようにすることが好ま
しく、この力による励振は、静止中のロータに対して行
ってもよいし、回転中のロータに対して行うこともでき
る。
【0020】力による励振は、たとえばハンマーによる
打撃によって実行することが可能である。この発明によ
れば、ロータと軸受け、および次に来るこれらのデータ
の計算処理からなる全システムを前もって捕捉すること
なしに、影響係数を測定技術を用いて把握し、不釣合い
修正の決定に応用することが初めて可能になる。
【0021】ロータの静止時あるいは回転中でも、力に
よる励振が選択的に実施できることが、特に有利であ
る。この有利なやり方によって、多くの試しおもり工程
を用いる影響係数の測定が不要である。この発明によれ
ば、試しおもり工程なしに、かつ、測定されたロータと
軸受けに固有な基礎データもなしに、弾性ロータの不釣
合い修正量を決定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の実施例について詳細に説明をする。図1は、この
発明の一実施形態にかかる測定方法を実施するための不
釣合い測定装置の図解的な斜視図である。図1に示す不
釣合い測定装置には、ロータ10を載置するために、第
1軸受け装置1および第2軸受け装置2が備えられてい
る。これら第1,第2軸受け装置1,2は、不釣合い測
定装置に従来から用いられている、たとえば力または変
位を測定する振動ブリッジ形軸受けとして構成されてい
る。これらの軸受け装置1,2は、不釣合い測定装置の
位置固定部分に対して振動自在に保持されている。この
ことは、ばね/物体シンボルの記号3,4および5,6
が示すとおりである。
【0023】力を測定する不釣合い測定装置では、振動
の検出は力の検出器により、変位測定の不釣合い測定装
置では、振動の検出は振動変位検出器または振動加速度
検出器により行われる。いずれも公知の検出方法であ
り、この不釣合い測定装置には、いずれの検出器が採用
されていてもよい。第1,第2軸受け装置1,2には、
それぞれ、検出器7,8が備えられている。検出器7,
8は、その測定方向が、ロータ10の回転軸に対して水
平で直角になるように配置されている。
【0024】測定装置には、さらに、ロータ10の回転
数を測定するための回転数検出器12が設けられてい
る。図示されていないが、ロータ10を回転駆動させる
装置は、公知の、たとえばロータ・ジャーナルと接続さ
れる装置でもよいし、あるいはベルト駆動式の装置でも
よい。また、回転数検出器12を設ける代わりに、駆動
装置に回転数の検出装置を組み込んでもよい。いずれの
駆動装置も、ロータ10を一定の回転数で駆動させるこ
とのできる装置であればよい。
【0025】この実施形態では、ロータ10には、その
両側に2個のロータ・ジャーナルが付いていて、ロータ
10は、正確に対称形状をしている。またこの実施形態
では、ロータ10の1次固有モードに関する軸弾性挙動
だけをまず考慮して修正するために、3個の修正面WE
1 ,WE2 およびWE3 が設定されている。
【0026】測定するロータに対して、n個の固有モー
ドを考慮する場合には、一般に(n+2)個の修正面を
設ける必要がある。この場合、実際にはn=3として、
3次までの固有モードを考慮すれば足りる。なぜなら、
これ以上の固有モードの不釣合い効果は、実際には無視
できるからである。この実施形態では、修正面(負荷面
とも言える)WE1 ,WE2 およびWE3において、静
止ロータを測定方向に連続的に力で励振する装置を付属
させる。力で励振する装置は、最も簡単な形態として、
ハンマー11として作ることができる。ハンマー11に
は、励振力の時間経過を検出する装置が設けられてい
る。よって、ハンマー11によってロータ10の修正面
WE1 ,WE2 またはWE3 を力励振したときの、励振
力スペクトルを描き出すことできる。
【0027】回転するロータを力により励振するか、あ
るいは不釣合いにより励振する結果として、軸振動、軸
受け変位、軸受け速度および加速度等が現れる。次に、
図1に示す不釣合い測定装置における第1軸受け装置1
および第2軸受け装置2にかかる力のモデルの一例を示
す。第1,第2軸受け装置1,2にそれぞれ設けられて
いる検出器7,8は、これら軸受け面、または測定面M
1 ,ME2 に軸力の時間経過を描く。その結果、軸受
け面ME1 ,ME2 ごとの励振力スペクトル、より具体
的には、この実施形態では軸受け面ME1 ,ME2 ごと
の励振に起因する3つの複素ベクトルが、3つの負荷面
WE1 ,WE2 ,WE3 に描かれる。
【0028】第1および第2軸受け装置1,2に組み込
まれた力の検出器7,8に対して、ロータ10の不釣合
いから作用する力の詳細は、それぞれ、次の式で示され
る。
【0029】
【数1】
【0030】ここに、 U =不釣合い面での不釣合い X =左側の軸受け面ME1 からの不釣合い面WE
1 ,WE2 ,WE3 までの距離 L =両軸受け面ME1 ,ME2 間の距離 φi (X) =i次の固有モード ωi =i次の固有角振動数 δi =i次の固有モードのモード減衰定数 mgeni =i次の固有モードのモード・システム質量 m1/2 ei=第1,第2の軸受け装置1,2に関するi次
の固有モードに特有な補償質量 Ω =角振動数 回転する一定の大きさの力Fを用いて励振した場合に対
しては次の式が得られる。
【0031】
【数2】
【0032】不釣合いによる励振、または力による励振
時の全力(軸受けにかかる力スペクトル)をその時々の
原因(不釣合いスペクトルU、または力のスペクトル
F)で割ると、次のとおり、影響係数EFKが求まる。
【0033】
【数3】
【0034】この実施形態では、3つの複素励振力スペ
クトルと、6つの複素軸受け力スペクトルから、複素マ
トリクスαij F (n)の形をした影響係数EFKF が導
き出される。[数2]および[数3]において、 j=1,2は測定面あるいは軸受け面を示し、実施形態
ではj=2 i=1,2,3は負荷面あるいは修正面数を示し、実施
形態ではi=3 F=力−影響係数を示す。
【0035】n=ロータの回転数を示す。 ロータ10が静止状態と回転時とで、状況が同じか異な
るかに応じて、力による励振時に測定事実によって求め
たEFKF 行列を、不釣合い励振時のEFKU行列へ換
算または変換する必要がある。この換算または変換は、
別の換算方法によって行われる。
【0036】静止状態と回転間には、たとえば力を測定
する従来のバランシングマシンを用いて釣合わせられる
紙ロールのような、ローラ状のロータの場合には、実際
上これと同じ状況が存在する。この場合には、1次危険
速度の下限ぎりぎりまで釣合わせることができる。1次
固有振動数(周波数)とモード減衰度とは、ロータを静
止状態で測定しても、回転時に測定しても、実際上変わ
ることはない。1次固有モードについても事情は全く同
じである。ジャイロスコープ効果は、無視できる。
【0037】静止状態と回転時の状況が同じ場合には、
力による励振で発生する力−影響係数EFKF またはα
ij F と、不釣合い−影響係数EFKU またはαij U との
関係は、次の式で表わされる。 αij u =Ω2 αij F ここに、Ωはロータの角振動数である。
【0038】αij U =Aとすれば、
【0039】
【数4】
【0040】の関係があるから、 FME1 (n1 ),FME1 (n2 ),FME1 (n3 ) FME2 (n1 ),FME2 (n2 ),FME2 (n3 ) となる。この式と、左側の軸受け面ME1 または右側の
軸受け面ME2 で回転数がn1 ,n2 ,n3 の3種類の
場合に不釣合い測定工程で測定した力とに、誤差の二乗
和を最小にする最小二乗法を適用すれば、
【0041】
【数5】
【0042】よって、これらから大きさと角位置による
不釣合い修正量が求まる。滑り軸受けの場合、実際にい
つも起こることであるが、ロータ静止時と回転時の状況
が異なる。このときには、方法を変える必要が発生す
る。つまり、滑り軸受けの場合には、たとえば、回転数
に関係する油膜の性質と、場合によってはジャイロスコ
ープ的な効果によっても状況が変化する。そこで、ロー
タが静止状態と回転する場合とで、異なる固有振動数と
これに依存するモード減衰度とを測定する必要がある。
【0043】図2A,Bによって、必要な修正について
さらに詳細に説明する。図2Aのグラフは、静止時のロ
ータを、たとえばハンマ打撃によって励振させたときの
影響係数EFKF ges (Ω)の経過を示したものであ
る。曲線で示された軌跡aとbは、関係するモード的な
寄与を示す。一方、直線cは静的な力による一定な寄与
を示す。
【0044】図2Bのグラフは、回転するロータの始動
曲線を示す。図2A,B両方の曲線の軌跡を比較する
と、振動数でのモード寄与がずれて、異なるモード減衰
度が存在することがわかる。たとえば、モード分析法を
用いて、EFKF ges (Ω)軌跡に関連するモード寄与
a,bに対して、これに所属するパラメータωi ,δi
と、定数
【0045】
【数6】
【0046】を確認することができる。ロータ静止時
に、力による励振で求めたωi ,δi 値は、始動時、あ
るいは不釣合い測定工程から求めた固有の角振動数ωi
と、モード減衰定数δi とで置き換えられ、これらは、
たとえば再度モード分析によっても確認できる。ここ
で、始動時、あるいは不釣合い工程で求めた固有角振動
数とモード減衰定数とを考慮して、静的部分とこれに関
連するモード的寄与とを合算して、これにΩ2 を乗ずる
と、不釣合い励振時のEFK行列に対する概略値を得る
ことができる。[数3]の等式は、次のように示すこと
もできる。
【0047】
【数7】
【0048】上式において、右辺の括弧内の最初の値
は、静止時の力励振によるEFKF ge s (Ω)軌跡に基
づく値である。括弧内の値の最後の項は、静止時の力励
振によるモード分析で得られるものであり、ωi とδi
は始動時または不釣合い測定工程時に発生した値であ
る。この分野における専門家には明らかなことである
が、上記の等式は近似式である。というのは、高次のモ
ード寄与を無視したためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に使用される不釣合い測
定装置の図解的な斜視図である。
【図2】ロータが静止状態と回転時との各影響係数の状
態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1軸受け装置 2 第2軸受け装置 3,4,5,6 振動ブリッジ形軸受け機構 7,8 検出器 10 ロータ 12 回転数検出器 ME1 ,ME2 軸受け面(測定面) WE1 ,WE2 ,WE3 修正面(負荷面)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの軸受け装置で振動自在に軸受けされ
    たロータを、意図したそれぞれの修正面で、軸方向を横
    断する機械的な打撃力で励振して励振力スペクトルを測
    定し、 その結果誘発されたロータの振動挙動を、軸受け面での
    力スペクトルまたは振動スペクトル形式の応答スペクト
    ルとして把握し、 応答スペクトル対励振力スペクトルの比から影響係数を
    導き出し、 測定工程でロータ回転数に割り当てられた力シグナルお
    よび振動シグナルを軸受け面で測定し、 影響係数と測定工程で測定した力シグナルおよび振動シ
    グナルとを用いて不釣合い修正量を決定することを特徴
    とする、弾性ロータの不釣合い修正量の測定方法。
  2. 【請求項2】2つの軸受け装置で振動自在に軸受けされ
    たロータを、意図したそれぞれの修正面で、軸方向を横
    断する機械的な打撃力で励振して励振力スペクトルを測
    定し、 その結果誘発されたロータの振動挙動を、軸受け面での
    力スペクトルまたは振動スペクトル形式の応答スペクト
    ルとして把握し、 測定によって得た応答スペクトル対測定によって得た励
    振力スペクトル比を用いて影響係数を導き出し、これを
    不釣合い励振下の影響係数に変換することを特徴とす
    る、弾性ロータを釣合わせるための影響係数の測定方
    法。
JP06526299A 1998-03-13 1999-03-11 弾性ロータの不釣合い修正量の測定方法およびその測定に用いる影響係数の測定方法 Expired - Fee Related JP3963606B2 (ja)

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