JP4893145B2 - 振動測定方法及び振動測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の振動を測定する技術に関する。
構造物の設計において、振動特性を評価することは重要である。例えば、タイヤの振動特性を評価する方法の一つに、ホイールに装着し、内圧を負荷したタイヤを構造物支持体に取り付け、タイヤが接地しない条件で入力を与え、その応答としてタイヤの振動を測定して振動特性を評価する方法がある。しかし、構造物支持体の共振が、評価する周波数範囲に現れることが多く(タイヤの場合には400Hz以上の周波数まで評価するのに対して、通常のタイヤ試験機の共振は200Hz〜300Hz)、振動特性の評価精度が低下するという問題があった。例えば、特許文献1には、構造物支持体の剛性を向上させ、かつ構造物支持体をばねで浮かせることにより、構造物支持体とばねとの系が有する共振周波数の影響を低減させる技術が開示されている。
特開平11−142295号公報
しかし、特許文献1の技術では、構造物支持体の剛性を確保するため、振動測定装置が大掛かりになったり、構造物支持体の構造が複雑になったりするので、簡便な測定が難しいという問題があった。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡便に構造物の振動特性を評価でき、かつ構造物の振動特性の評価精度を向上させることができる振動測定方法及び振動測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る振動測定方法は、振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体を加振する手順と、前記構造物支持体の軸と前記構造物支持体を加振する方向とを含む面内における、前記構造物支持体の振動及び前記構造物の振動を取得する手順と、取得した前記構造物の振動と前記構造物支持体の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する手順と、を含むことを特徴とする。
この振動測定方法は、振動特性を評価する対象の構造物を構造物支持体に取り付けるとともに、構造物支持体を加振して加振部における構造物支持体の振動を取得し、かつ前記構造物の振動を取得し、取得した構造物支持体の振動と構造物の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する。これによって、この振動測定方法は、簡便に構造物の振動特性を評価でき、かつ構造物の振動特性の評価精度を向上させることができる。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、加振機器によって前記構造物支持体を加振することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、前記構造物支持体を加振する際には、前記構造物支持体の異なる2箇所を加振し、それぞれの加振箇所における加振の方向は平行とすることを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、前記構造物支持体の軸方向に離れた2箇所に振動検出手段を設け、前記構造物支持体の軸と加振の方向とを含む面内における回転の振動成分を検出することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、前記異なる2箇所における振動の差が所定の閾値内となったときに、前記構造物の振動と、前記構造物支持体の振動とを取得して、前記振動伝達率を算出することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、前記構造物支持体を加振する2個の加振機器を備え、かつ、少なくとも1個の前記加振機器の加振力を制御することにより、前記回転の振動成分を抑制することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、正弦波で加振して前記構造物の振動と前記構造物支持体の振動とを取得するとともに、予め定めた周波数分解能で前記正弦波の周波数を変化させて、前記周波数分解能毎に前記構造物の振動と前記構造物支持体の振動とを取得することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、取得した前記構造物支持体の振動に基づき、前記構造物支持体の振動レベルを所定の大きさに調整することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、前記構造物はタイヤ又はタイヤ/ホイール組立体であることを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定方法は、前記振動測定方法において、前記タイヤ又は前記タイヤ/ホイール組立体を車両に取り付けた状態において、前記タイヤ又は前記タイヤ/ホイール組立体を構成するタイヤを地面から浮かせた状態で、前記タイヤ又は前記タイヤ/ホイール組立体の振動を測定することを特徴とする。
次の本発明に係る振動測定装置は、振動特性の評価対象の構造物を支持する構造物支持体と、前記構造物支持体を加振する加振手段と、前記構造物の振動を検出する第1振動検出手段と、前記構造物支持体の振動を検出する第2振動検出手段と、前記第2振動検出手段から取得した前記構造物支持体の振動と、前記第1振動検出手段から取得した前記構造物の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する振動解析装置と、を含むことを特徴とする。
この振動測定装置は、振動特性を評価する対象の構造物を構造物支持体に取り付けるとともに、加振手段によって構造物支持体を加振して、第2振動検出手段により構造物支持体の振動を取得し、かつ第1振動検出手段により構造物の振動を取得する。そして、取得した構造物支持体の振動と構造物の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する。これによって、この振動測定方法は、簡便に構造物の振動特性を評価でき、かつ構造物の振動特性の評価精度を向上させることができる。
次の本発明に係る振動測定装置は、振動特性の評価対象の構造物を支持する構造物支持体と、前記構造物支持体を加振する第1加振機器と、前記構造物支持体に対して前記第1加振機器と平行な方向に入力することにより、前記構造物支持体を加振する第2加振機器と、前記構造物の振動を検出する第1振動検出手段と、前記構造物支持体の振動を検出する第2振動検出手段と、前記第2振動検出手段から取得した前記構造物支持体の振動と、前記第1振動検出手段から取得した前記構造物の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する振動解析装置と、を含むことを特徴とする。
この振動測定装置は、第1加振機器及び第2加振機器によって、振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体へ、2箇所から並進の振動を入力することにより、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転の振動成分を抑制する。これによって、この振動測定装置では、簡便に構造物の振動特性を評価でき、さらに、構造物の回転の振動成分を抑制して、構造物の振動特性の評価精度をさらに向上させることができる。
次の本発明に係る振動測定装置は、前記振動測定装置において、前記第2振動検出手段は、前記構造物支持体の軸方向に離れた2箇所に設けられて、前記第1加振機器による前記構造物支持体の振動を検出する第1加振機器用振動検出手段と、前記第2加振機器による前記構造物支持体の振動を検出する第2加振機器用振動検出手段とで構成され、かつ、前記構造物支持体の振動は、前記第1加振機器用振動検出手段又は前記第2加振機器用振動検出手段の少なくとも一方により検出することを特徴とする。
この発明に係る振動測定方法及び振動測定装置では、簡便に構造物の振動特性を評価でき、かつ構造物の振動特性の評価精度を向上させることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。次の説明においては、空気入りタイヤを、振動特性を評価する対象の構造物とするが、本発明を適用して振動特性を評価できる構造物は、タイヤに限られるものではない。例えば、タイヤが組み付けられるホイールや、一端が拘束された状態で使用される構造物(内燃機関のフライホイール、プロペラ、アンテナ等)の振動を測定し、振動特性を評価する際にも、本発明を適用することができる。
(実施形態1)
実施形態1は、振動特性の評価対象となる構造物を構造物支持体に取り付けるとともに、前記構造物支持体を加振して構造物支持体の振動を取得し、かつ前記構造物の振動を取得する。そして、取得した構造物支持体の振動及び構造物の振動に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する点に特徴がある。なお、実施形態1では、構造物支持体の一箇所を加振する。
図1は、実施形態1に係る振動測定装置により、実施形態1に係る振動測定方法を実行する際の概略説明図である。実施形態1においては、タイヤ/ホイール組立体10を構成するタイヤ11を、振動特性を評価する対象の構造物とする。なお、このタイヤ11は、空気入りタイヤである。
実施形態1に係る振動測定装置1は、装置台座2と、構造物支持体4と、第1振動検出手段である第1振動計21と、第2振動検出手段である第2振動計22と、振動解析装置23とを含んで構成される。構造物支持体4は、棒状の部材で構成される。ここで、第1振動計21、第2振動計22は、変位計、速度計、加速度計いずれでもよい。構造物支持体4の一方の端部には、タイヤ/ホイール組立体10を構成するホイール12が取り付けられるブラケット5が設けられている。また、構造物支持体4は、ブラケット5が取り付けられていない構造物支持体4の他方の端部側で、装置台座2が備える構造物支持体固定具3を介して装置台座2に固定される。
この実施形態1に係る振動測定方法においては、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11を直接加振する代わりに、構造物支持体4を加振する。この振動測定装置1で構造物支持体4を加振する際には、加振手段であるハンマー6によって構造物支持体4に打撃を与える。タイヤ11のトレッド部11Tには、第1振動計21が取り付けられ、また、構造物支持体4には、第2振動計22が取り付けられる。そして、第1振動計21によってタイヤ11の振動を検出し、第2振動計22によって構造物支持体4の振動を検出する。
第1振動計21によって検出されたタイヤ11の振動、及び第2振動計22によって検出された構造物支持体4の振動は、振動解析装置23に取り込まれる。この実施形態において、振動解析装置23には、例えば、2チャンネルのFFT(Fast Fourier Transform)アナライザが組み込まれている。振動解析装置23に取り込まれたタイヤ11の振動、及び構造物支持体4の振動は、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の振動伝達率(以下伝達率という)Tが計算され、伝達率TがFFTにより周波数分析される。
ここで、この実施形態における伝達率Tは、−X1/X2で表される。X1は第1振動計21によって検出されたタイヤ11の振動(変位、速度、加速度)、X2は第2振動計22によって検出された構造物支持体4の振動(変位、速度、加速度)である。すなわち、この実施形態では、構造物支持体4を加振することによって得られたタイヤ11の振動X1と、構造物支持体4の振動X2との比で伝達率Tが表される。
図2−1は、従来の振動測定方法を示す説明図である。図2−2は、従来の振動測定方法を実行する設備を用いて、タイヤの構造物支持体を加振する加振実験を示す説明図である。図3−1は、従来の振動測定方法によって得られた伝達率の一例を示す説明図である。図3−2は、従来の振動測定方法を実行する設備を用いて、タイヤ/ホイール組立体の構造物支持体を加振した結果得られた伝達率の一例を示す説明図である。
図2−1に示すように、従来の振動測定方法で、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の振動特性を評価する場合には、タイヤ11のトレッド部11Tに入力Pを与え、タイヤ11の構造物支持体4に現れる応答(力)REを取得して、伝達率T(応答/入力)を求めていた。一般に、タイヤ11は、100Hz以下に断面一次モードの振動が現れ、300Hz前後に断面二次モードの振動が現れる。これは、伝達率Tのピークとして現れる。
従来の振動測定方法では、図3−1に示すように、300Hz前後に伝達率Tのピークが複数現れており(図3−1のKで示す部分)、いずれのピークが振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の固有振動数であるかを判定することは難しい。ここで、図2−2で示す例では、タイヤ11の構造物支持体4へ入力Pを与え、構造物支持体4に現れる応答(力)REを取得して、伝達率T(応答/入力)を求める。すると、図3−2に示すように、250Hz近傍に伝達率Tのピークが現れる(図3−2のLで示す部分)。この伝達率Tのピークは、図3−1に示す300Hz前後に現れる伝達率Tのピークの一方と一致する。
図3−1、図3−2に示す結果から、従来の振動測定方法では、構造物支持体4の共振の影響により、タイヤ11の伝達率Tの精度が低下していると考えられる。このため、伝達率Tのみでは、どの伝達率のピークがタイヤ11のものであるかを判断することが困難であり、従来の振動測定方法では、250Hz〜400Hzに存在するタイヤ11の振動特性を精度よく評価することができなかった。
本発明者らは鋭意研究により上記原因を見出し、この実施形態1に係る振動測定方法を完成させるに至った。この振動測定方法は、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の代わりに構造物支持体4を加振するとともに、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の振動X1と、構造物支持体4の振動X2との比で伝達率Tを表す。このようにして得られた伝達率Tを用いることにより、構造物支持体4の共振の影響を排除して、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の振動特性を精度よく評価することができる。なお、伝達率Tは、−X1/X2なので、構造物支持体4が適度に振動しないと伝達率Tの精度が低下する。このため、構造物支持体4及びその固定構造は、構造物支持体4の振動を適度に許容できるように構成される。次に、この振動測定方法の考え方を説明する。
図4は、実施形態1に係る振動測定方法の考え方を説明する概念図である。この実施形態1に係る振動測定方法では、伝達関数の関係式から、従来の振動測定方法と等価となる測定方法を求める。図4のA(左辺)は、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11を構造物支持体4に固定し、かつ構造物支持体4を固定した状態で、タイヤ11へ加振したときにおけるタイヤ11の振動を示す。図4のA'(右辺第1項)は、構造物支持体4を加振して、タイヤ11及び構造物支持体4が振動する場合を示す。また、図4のBは、構造物支持体4を拘束することを示す。図4のAの状態は、図4のA'の状態で、構造物支持体4を拘束したことと等価である。A'の入力と出力との関係は、数式(1)で表現することができる。ここで、添字の1はタイヤ11を示し、添字の2は構造物支持体4を示す。fは力を表し、Xは変位を表す。また、Hは伝達関数である。
Figure 0004893145
タイヤ11及び構造物支持体4が振動する場合(図4のA')において、構造物支持体4を拘束する状態は、数式(1)において、X2=0とすることで表現できる。X2=0なので、数式(1)から、H12×f1+H22×f2=0となる。タイヤ11及び構造物支持体4が振動する場合において、構造物支持体4を拘束したときの伝達率Tは、T=f2/f1=−H12/H22となる。ここで、H12=X1/f2、H22=X2/f2なので、伝達率T=−X1/X2となる(ただし、構造物支持体4への入力)。
このことから、構造物支持体4を加振して得られるタイヤ11の振動X1と構造物支持体4の振動X2との比X1/X2が、構造物支持体4を固定したときの伝達率Tと等価となる。このようにして得られた伝達率T(=X1/X2)を用いることにより、構造物支持体4の共振の影響を排除して、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の振動特性を精度よくかつ簡便に評価することができる。また、タイヤ11の回転軸に固定した状態で振動特性を評価できるので、ホイール12の質量の影響を取り除いて、タイヤ11単体の振動特性を精度よく評価することができる。
タイヤ11の振動特性を評価する際には、例えば、この実施形態1に係る振動測定方法により得られた伝達率Tからタイヤ11の固有振動数を抽出する。固有振動数は、例えば、伝達率Tのピークを読み取ってもよいし、カーブフィット法によって得てもよい。タイヤ11の振動特性を評価する際に抽出する固有振動数は、例えば、断面一次モード、断面二次モード、空洞共鳴周波数がある。
図5は、伝達率と周波数との関係を示す説明図である。図5には、実施形態1に係る振動測定方法により得られた伝達率Tp(実線)と、従来の振動測定方法により得られた伝達率To(破線)と、解析により得られた伝達率Ta(一点鎖線)とを示してある。実験には、195/70 R14のタイヤを用いた。
図5の結果からわかるように、この実施形態1に係る振動測定方法により得られた伝達率Tpは、従来の振動測定方法で現れていた290Hz近傍における構造物支持体4の共振が現れていない。これによって、タイヤ11の固有振動数を明確に抽出することができる。この実施形態1に係る振動測定方法により得られた伝達率Tpは、解析により得られた伝達率Taと同様の傾向を示す。
図6−1、図6−2は、振動計の取付位置と加振(入力)方向との関係を示す説明図である。タイヤ11に取り付ける第1振動計21、及び構造物支持体4に取り付ける第2振動計22によって、タイヤ11及び構造物支持体4の振動を検出する。このため、図6−1に示すように、タイヤ11及び構造物支持体4が振動する方向(図6−1の矢印Pで示す方向)、すなわち、加振のための入力方向と、構造物支持体4の軸Yとで形成される平面PV上に、第1振動計21及び第2振動計22を配置する。
このように、第1振動計21及び第2振動計22の感度方向と、加振(振動)方向とが一致するようにする。なお、加振のための入力方向と、構造物支持体4の軸Zとで形成される平面PV上であれば、加振方向と対向する側におけるタイヤ11のトレッド部11Tに第1振動計21を配置してもよい(図6−2の点線の位置)。次に、この実施形態1に係る振動測定装置の変形例を説明する。
(変形例)
図7−1、図7−2は、実施形態1の変形例に係る振動測定装置の構成を示す概略図である。図7−1に示す振動測定装置1a、図7−2に示す振動測定装置1bは、加振手段として加振機器(例えば電磁加振機器や油圧式加振機器)7を用いる。このような加振機器7を用いることにより、安定して加振することができるので、振動特性の評価精度が向上する。
図7−1に示す振動測定装置1aでは、片持ちとした構造物支持体4の自由端側を加振機器7によって加振し、図7−2に示す振動測定装置1bでは、構造物支持体4の両端を加振機器7によって加振する。加振機器7による構造物支持体4への入力は、正弦波や方形波等のような周期及び振幅が一定の入力であってもよいし、周期や振幅がランダムな入力であってもよい。また、衝撃やチャープ(正弦波のスイープ)であってもよい。
加振機器7の入力は、構造物支持体4に取り付けた第2振動計22によって取得され、振動レベル調整装置24へ入力される。そして、加振機器7の入力による構造物支持体4の振動レベル(例えば、振動の変位の大きさや加速度の大きさ)が所定の閾値内になったら、振動解析装置23によってタイヤ11及び構造物支持体4の振動を検出し、伝達率Tを求める。なお、第2振動計22の代わりに、構造物支持体4の振動レベルを調整するために用いる振動計を別途用意してもよい。次に、振動測定装置1a、1bを用いてタイヤ11の振動特性を評価する手順例を説明する。
図8は、実施形態1の変形例に係る振動測定装置を用いた場合における振動測定方法の手順例を示すフローチャートである。加振機器7によって構造物支持体4を加振するにあたり、構造物支持体4の振動レベルが設定される(ステップS101)。これは、例えば、加振機器7の出力(すなわち構造物支持体4への入力)を調整することで実現できる。
次に、加振機器7を起動して、構造物支持体4を加振する(ステップS102)。加振の波形は、例えば正弦波を用いる。構造物支持体4が振動を開始したら、振動レベル調整装置24は、第2振動計22から構造物支持体4の振動を取得する(ステップS103)。そして、振動レベル調整装置24は、取得した構造物支持体4の振動レベルaと所定の閾値asとを比較する(ステップS104)。
a≧asである場合(ステップS104:No)、構造物支持体4の振動レベルが再設定され(ステップS105)、a<asとなるまでステップS102〜ステップS104が繰り返される。a<asである場合(ステップS104:Yes)、振動解析装置23は、タイヤ11及び構造物支持体4の振動を検出し、伝達率Tを求める(ステップS106)。
このようにすることで、構造物支持体4やタイヤ11の振動特性の影響を極力抑えて振動レベルを確保することができるので、伝達率Tの精度がさらに向上する。また、振動レベルの違いによる非線形性を評価することもできる。ある周波数についてステップS101〜ステップS106を実行することにより、当該周波数についての伝達率Tを求めたら、予め定めた周波数分解能で加振機器7による構造物支持体4に対する加振の周波数を変化させ、前記周波数分解能毎にステップS101〜ステップS106を実行して、伝達率Tを求める。これによって、構造物支持体4を加振するにあたり、構造物支持体4を加振する周波数以外の成分は用いないので、タイヤ11の振動特性を評価する際の精度が向上する。なお、構造物支持体4の振動レベルは、周波数毎に設定することが好ましい。次に、この実施形態に係る振動測定方法を用いて構造物の振動特性を評価する際の応用例を説明する。
(本実施形態に係る振動測定方法の応用例)
図9−1、図9−2は、実施形態1に係る振動測定方法による振動測定の応用例を示す説明図である。図9−1に示す例は、タイヤ11を宙吊りとして、実施形態1に係る振動測定方法を実行するものである。この場合、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の構造物支持体は、ホイール12となる。ホイール12に対して加振のための入力(矢印P)が行われる。そして、振動特性を評価する対象の構造物の振動としてはタイヤ11の振動が検出され、構造物支持体の振動としてはホイール12の振動が検出される。このように、宙吊りの状態でも、構造物の振動特性を評価できるので、評価の利便性が向上する。
図9−2に示す例のように、実施形態1に係る振動測定方法は、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11を車体8に取り付けた状態でも実行できる。この場合、タイヤ11の構造物支持体は、車軸Sとなる。振動測定方法を実行するにあたっては、ジャッキ9によって車体8を持ち上げ、タイヤ11を地面GLから浮かせた状態で、タイヤ11の構造物支持体である車軸Sを加振する。このように、車体8にタイヤ11を取り付けたままでタイヤ11の振動特性を評価できるので、利便性が向上する。
以上、実施形態1では、振動特性を評価する対象の構造物を構造物支持体に取り付けるとともに、構造物支持体を加振して加振部における構造物支持体の振動を取得し、かつ前記構造物の振動を取得し、取得した構造物支持体の振動及び構造物の振動に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する。これによって、実施形態1では、構造物支持体を支持する大掛かりな評価設備が不要で、簡便に構造物の振動特性を評価でき、かつ構造物の振動特性の評価精度を向上させることができる。なお、実施形態1で開示した構成は、以下の実施形態でも適宜適用することができる。
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1と略同一の構成であるが、振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体の2箇所を、2点の並進成分で加振することにより、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転の振動成分(加振のための入力方向と、構造物支持体の軸とで形成される平面内における回転であり、タイヤにおいては、タイヤ側面の面倒れ)を抑制する点が異なる。その他の構成は実施形態1と同様である。
図10−1、図10−2は、実施形態2に係る振動測定装置により、実施形態2に係る振動測定方法を実行する際の概略説明図である。図11は、タイヤに発生する回転の振動成分の説明図である。実施形態2においても、タイヤ/ホイール組立体10を構成するタイヤ11を、振動特性を評価する対象の構造物とする。なお、このタイヤ11は、空気入りタイヤである。
図10−1、図10−2に示す振動測定装置1cは、実施形態1で説明した振動測定装置1(図1参照)と同様の構成であるが、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の構造物支持体4の2箇所を、当該構造物支持体4の軸方向(長手方向)において所定の距離だけ離れた2箇所(第1の加振点a及び第2の加振点b)から加振する。このために、振動測定装置1cは、構造物支持体4を加振する第1加振機器7a及び第2加振機器7bを備える。
このように、構造物支持体4の軸方向(長手方向)において所定の距離だけ離れた2箇所から加振することにより、第1加振機器7a及び第2加振機器7bは、安価な一方向加振機器を用いることができるので、構造物支持体4へ回転を直接与える必要はない。また、構造物支持体4の軸方向(長手方向)において所定の距離だけ離れた2箇所から同じ方向に加振すると、加振の効率が高くなり、不要な加振力も発生しないため、好ましい。ここで、構造物支持体4及びタイヤ11の回転を効果的に抑制するため、第1の加振点aと第2の加振点bとの間隔は、10cm以上とすることが好ましい。
そして、構造物支持体4の振動を検出する第2振動検出手段は、第1加振機器7aによる構造物支持体4の振動を検出する第1加振機器用振動計(第1加振機器用振動検出手段)25aと、第2加振機器7bによる構造物支持体4の振動を検出する第2加振機器用振動計(第2加振機器用振動検出手段)25bとで構成される。なお、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の振動は、第1振動計21により検出される。
このように、構造物支持体4の異なる位置に、第1加振機器用振動計25a及び第2加振機器用振動計25bを設けることによって、タイヤ11の回転の振動成分を検出することができる。そして、回転の振動成分を検出することにより、タイヤ11及び構造物支持体4の振動検出に適した状態か否かを判定することができる。すなわち、第1加振機器用振動計25aで検出した振動と第2加振機器用振動計25bで検出した振動とが同じであれば、構造物支持体4には回転の振動成分は発生していないと判断できる。また、第1加振機器用振動計25a及び第2加振機器用振動計25bは、安価な一軸の振動計でよい。
図10−1、図10−2に示す振動測定装置1cは、構造物支持体4とタイヤ/ホイール組立体10との取付部(ブラケット5)の片側で、構造物支持体4を加振する。なお、図10−1に示す振動測定装置1cは、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの入力点(加振点)、すなわち、第1の加振点a及び第2の加振点bで、構造物支持体4の振動を検出する。また、図10−2に示す振動測定装置1cでは、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの入力点(加振点)、すなわち、第1の加振点a及び第2の加振点bとは異なる箇所で、構造物支持体4の振動を検出する。構造物支持体4の振動を検出する箇所は、加振点と一致していても、一致していなくともよく、振動測定装置1cの構成等により、適宜変更することができる。
ここで、実施形態1で説明したように(図6−1、図6−2参照)、加振のための入力方向(第1加振機器7a及び第2加振機器7bの入力方向)と、構造物支持体4の軸Zとで形成される平面PV上に、第1振動計21及び第2振動検出手段(第1加振機器用振動計25a及び第2加振機器用振動計25b)を配置する。このように、第1振動計21及び第2振動検出手段の感度方向と、加振(振動)方向とが一致するようにする(以下同様)。
第1加振機器7a及び第2加振機器7bで構造物支持体4を加振する際には、振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11の回転の振動成分が0になるように、第1加振機器7a及び第2加振機器7bから構造物支持体4へ入力する。そして、第1振動計21によって検出されたタイヤ11の振動X1(変位、速度、加速度)、及び第1加振機器用振動計25aによって検出された構造物支持体4の振動X2(変位、速度、加速度)から、伝達率T=−X1/X2(=Xa=Xb)を求める。
なお、第1加振機器用振動計25aによって検出された構造物支持体4の振動Xaの代わりに、第2加振機器用振動計25bによって検出された構造物支持体4の振動Xb(変位、速度、加速度)を用いて、伝達率T=−X1/Xbとしてもよい。このように、この実施形態では、構造物支持体4を、その軸方向に所定の距離離れた位置で加振することによって得られたタイヤ11の振動X1と、構造物支持体4の振動X2(=Xa=Xb)との比で伝達率Tが表される。
実施形態1に係る振動測定方法は、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転方向の振動成分(タイヤ11においてはX軸又はZ軸周りの回転、すなわちタイヤ側面の面倒れであり図11に示すR方向の振動成分)が無視できる程度に小さい場合には、高い精度で伝達率Tを求めることができる。これは、振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体を加振しても、振動特性を評価する対象の構造物(例えばタイヤ11)には回転方向の振動成分がほとんど発生しないからである。しかし、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転方向の振動成分が無視できない場合には、回転方向の振動成分が伝達率Tに影響を与えるため、伝達率Tの精度が低下してしまう。
このため、実施形態2に係る振動測定方法では、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転方向の振動成分が0となるように、構造物支持体4を加振する。これによって、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転方向の振動成分の影響を排除できるので、高い精度で伝達率Tを求めることができる。次に、実施形態2に係る振動測定方法の考え方を説明する。
図12は、実施形態2に係る振動測定方法を説明するための説明補助図である。この実施形態2に係る振動測定方法では、伝達関数の関係式から、従来の振動測定方法と等価となる測定方法を求めるものである。振動特性を評価する対象の構造物であるタイヤ11を構造物支持体4に固定し、タイヤ11の回転(タイヤ側面の面倒れ)を考慮した場合における入力と出力との関係は、数式(2)で表現することができる。ここで、添字の1はタイヤ11の振動を示し、添字の2は構造物支持体4の並進の振動を示し、添字の3は構造物支持体4の回転の振動を示す。fは力を表し、Mはモーメントを表す。また、Xは並進の変位を表し、Rは回転の変位を表す。
Figure 0004893145
図12に示すタイヤ11と構造物支持体4との系において、構造物支持体4の並進の振動及び回転の振動を拘束する状態は、数式(2)において、X2=0かつR3=0とすることで表現できる。この条件で数式(2)を解き、伝達率T=f2/f1を求めると、数式(3)のようになる。
Figure 0004893145
R3(構造物支持体4の回転の振動)が0になるように構造物支持体4に対して加振する場合を考えると、数式(2)において、f1=0、R3=0となるので、この条件で数式(2)を解くと、数式(4)、数式(5)の関係が得られる。
Figure 0004893145
Figure 0004893145
数式(4)、数式(5)の関係を用いて、数式(3)の伝達率Tを書き換えると、T=−X1/X2となる。すなわち、R3=0となるように、構造物支持体4に対して並進の加振と回転の加振とを与えると、タイヤ11の伝達率Tは、−X1/X2で求めることができる。M3を打ち消すように回転成分(の振動)を制御して構造物支持体4を加振することは難しいので、構造物支持体4の軸方向に対して異なる2箇所に並進の加振を与えることによって、R3=0となるようにする。次に、この方法を説明する。
図13−1、図13−2は、実施形態2に係る振動測定方法における加振の方法を示す説明図である。この実施形態では、構造物支持体4の軸方向に対して異なる2箇所に並進の加振を与えてM3を打ち消し、R3=0とする。図13−1は、構造物支持体4の振動X2を取得する箇所の両側で、構造物支持体4を加振する例を示す。X2から第1の加振点aまでの距離をLa、X2から第2の加振点bまでの距離をLbとすると、X2は、数式(6)で、R3は数式(7)で表すことができる。ここで、Xaは第1の加振点aの振動(変位、速度、加速度)であり、Xbは第2の加振点bの振動(変位、速度、加速度)である。数式(7)から、R3=0とするためには、Xa=Xb(=X2)となるように第1の加振点a及び第2の加振点bを加振すればよい。
Figure 0004893145
Figure 0004893145
図13−2は、構造物支持体4の振動X2を取得する箇所の片側で、構造物支持体4を加振する例を示す。X2から第1の加振点aまでの距離をLa、X2から第2の加振点bまでの距離をLbとすると、X2は、数式(8)で、R3は数式(9)で表すことができる。数式(9)から、R3=0とするためには、Xa=Xb(=X2)となるように第1の加振点a及び第2の加振点bを加振すればよい。
Figure 0004893145
Figure 0004893145
構造物支持体4の振動X2を取得する箇所の両側で、構造物支持体4を加振する場合でも、構造物支持体4の振動X2を取得する箇所の片側で、構造物支持体4を加振する場合でも、Xa=Xb(=X2)となるように第1の加振点a及び第2の加振点bを加振すればよい。ここで、Xa=Xbとなるように第1の加振点a及び第2の加振点bを加振するためには、例えば、第1の加振点aの変位と第2の加振点bの変位とが等しくなるように、又は第1の加振点aの速度と第2の加振点bの速度とが等しくなるように、又は第1の加振点aの加速度と第2の加振点bの加速度とが等しくなるように加振すればよい。第1加振機器7a及び第2加振機器7bは、Xa=Xbとなるように制御される。次に、この実施形態2に係る振動測定方法の手順を説明する。
図14は、実施形態2に係る振動測定方法の手順を示すフローチャートである。第1加振機器7a及び第2加振機器7bによって構造物支持体4を加振するにあたり、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの振動レベルが設定される(ステップS201)。これは、例えば、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの出力(すなわち構造物支持体4への入力)を調整することで実現できる。
次に、第1加振機器7a及び第2加振機器7bを起動して、構造物支持体4を加振する(ステップS202)。加振の波形は、例えば正弦波を用いる。構造物支持体4が振動を開始したら、振動レベル調整装置24は、第1加振機器用振動計25a及び第2加振機器用振動計25bから第1の加振点aの振動Xa及び第2の加振点bの振動Xbを取得する(ステップS203)。そして、振動レベル調整装置24は、取得した第1の加振点aの振動Xaと第2の加振点bの振動Xbとの差ΔXを演算する(ステップS204)。そして、振動レベル調整装置24は、演算したΔXと所定の閾値ΔXsとを比較する(ステップS205)。
ΔX≧ΔXsである場合(ステップS205:No)、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの振動レベルの振動レベルが再設定され(ステップS206)、ΔX<ΔXsとなるまでステップS202〜ステップS205が繰り返される。ΔX<ΔXsである場合(ステップS205:Yes)、振動解析装置23は、タイヤ11の振動X1、及び、第1の加振点aの振動Xa又は第2の加振点bの振動Xbのいずれか一方を検出する。そして、振動解析装置23は、検出したXa又はXbを構造物支持体4の振動X2として、伝達率T=X1/X2を求める(ステップS207)。すなわち、X2=Xa(又はXb)となる。なお、Xa及びXbの両方を検出し、その平均値を構造物支持体4の振動X2としてもよい(X2=(Xa+Xb)/2)。
ある周波数についてステップS201〜ステップS207を実行することにより、当該周波数についての伝達率Tを求めたら、予め定めた周波数分解能で第1加振機器7a及び第2加振機器7bによる構造物支持体4に対する加振の周波数を変化させ、前記周波数分解能毎にステップS201〜ステップS207を実行して、伝達率Tを求める。
(変形例)
図15−1、図15−2は、実施形態2の変形例に係る振動測定装置を示す説明図である。図15−1、図15−2に示す振動測定装置1dは、上記振動測定装置1c(図10−1、図10−2参照)と同様の構成であるが、構造物支持体4とタイヤ/ホイール組立体10との取付部(ブラケット5)の両側で、構造物支持体4を加振する。なお、図15−1に示す振動測定装置1dは、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの入力点(加振点)、すなわち、第1の加振点a及び第2の加振点bで、構造物支持体4の振動を検出する。また、図15−2に示す振動測定装置1cでは、第1加振機器7a及び第2加振機器7bの入力点(加振点)、すなわち、第1の加振点a及び第2の加振点bとは異なる箇所で、構造物支持体4の振動を検出する。構造物支持体4の振動を検出する箇所は、加振点と一致していても、一致していなくともよく、振動測定装置1dの構成等により、適宜変更することができる。
図16は、伝達率と周波数との関係を示す説明図である。図16には、実施形態2に係る振動測定方法により得られた伝達率Tp2(実線)と、実施形態1に係る振動測定方法により得られた伝達率Tp1(破線)と、解析により得られた伝達率Ta(一点鎖線)とを示してある。実験には、195/70 R14のタイヤを用いた。
図16の結果からわかるように、この実施形態2に係る振動測定方法により得られた伝達率Tp2は、実施形態1に係る振動測定方法により得られた伝達率Tp1で現れていた、200Hz近傍における好ましくないピークが消失しており、タイヤの伝達率Tをより精度よく評価できる。また、この実施形態2に係る振動測定方法により得られた伝達率Tp2は、解析により得られた伝達率Taと同様の傾向を示す。
以上、実施形態2では、2点の並進成分で、振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体を加振することにより、振動特性を評価する対象の構造物に発生する回転の振動成分を抑制する。これによって、実施形態2では、構造物支持体を支持する大掛かりな評価設備が不要で、簡便に構造物の振動特性を評価でき、さらに、構造物の回転の振動成分を抑制して、構造物の振動特性の評価精度をさらに向上させることができる。
以上のように、本発明に係る振動測定方法及び振動測定装置は、構造物の振動特性の評価に有用であり、特に、構造物の振動特性を簡便に評価でき、かつ振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体の共振の影響を低減して、前記振動特性の評価精度を向上させることに適している。
実施形態1に係る振動測定装置により、実施形態1に係る振動測定方法を実行する際の概略説明図である。 従来の振動測定方法を示す説明図である。 従来の振動測定方法を実行する設備を用いて、タイヤの構造物支持体を加振する加振実験を示す説明図である。 従来の振動測定方法によって得られた伝達率の一例を示す説明図である。 従来の振動測定方法を実行する設備を用いて、タイヤ/ホイール組立体の構造物支持体を加振した結果得られた伝達率の一例を示す説明図である。 実施形態1に係る振動測定方法の考え方を説明する概念図である。 伝達率と周波数との関係を示す説明図である。 振動計の取付位置と加振(入力)方向との関係を示す説明図である。 振動計の取付位置と加振(入力)方向との関係を示す説明図である。 実施形態1の変形例に係る振動測定装置の構成を示す概略図である。 実施形態1の変形例に係る振動測定装置の構成を示す概略図である。 実施形態1の変形例に係る振動測定装置を用いた場合における振動測定方法の手順例を示すフローチャートである。 実施形態1に係る振動測定方法による振動測定の応用例を示す説明図である。 実施形態1に係る振動測定方法による振動測定の応用例を示す説明図である。 実施形態2に係る振動測定装置により、実施形態2に係る振動測定方法を実行する際の概略説明図である。 実施形態2に係る振動測定装置により、実施形態2に係る振動測定方法を実行する際の概略説明図である。 タイヤに発生する回転の振動成分の説明図である。 実施形態2に係る振動測定方法を説明するための説明補助図である。 実施形態2に係る振動測定方法における加振の方法を示す説明図である。 実施形態2に係る振動測定方法における加振の方法を示す説明図である。 実施形態2に係る振動測定方法の手順を示すフローチャートである。 実施形態2の変形例に係る振動測定装置を示す説明図である。 実施形態2の変形例に係る振動測定装置を示す説明図である。 伝達率と周波数との関係を示す説明図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c 振動測定装置
2 装置台座
3 構造物支持体固定具
4 構造物支持体
5 ブラケット
6 ハンマー
7 加振機器
7a 第1加振機器
7b 第2加振機器
8 車体
9 ジャッキ
10 タイヤ/ホイール組立体
11 タイヤ
11T トレッド部
12 ホイール
21 第1振動計
22 第2振動計
23 振動解析装置
24 振動レベル調整装置
25a 第1加振機器用振動計
25b 第2加振機器用振動計

Claims (12)

  1. 振動特性を評価する対象の構造物を支持する構造物支持体を加振する手順と、
    前記構造物支持体の軸と前記構造物支持体を加振する方向とを含む面内における、前記構造物支持体の振動及び前記構造物の振動を取得する手順と、
    取得した前記構造物の振動と前記構造物支持体の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する手順と、
    を含み、前記構造物はタイヤ又はタイヤ/ホイール組立体であることを特徴とする振動測定方法。
  2. 加振機器によって前記構造物支持体を加振することを特徴とする請求項に記載の振動測定方法。
  3. 前記構造物支持体を加振する際には、前記構造物支持体の異なる2箇所を加振し、それぞれの加振箇所における加振の方向は平行とすることを特徴とする請求項に記載の振動測定方法。
  4. 前記構造物支持体の軸方向に離れた2箇所に振動検出手段を設け、前記構造物支持体の軸と加振の方向とを含む面内における回転の振動成分を検出することを特徴とする請求項に記載の振動測定方法。
  5. 前記異なる2箇所における振動の差が所定の閾値内となったときに、前記構造物の振動と、前記構造物支持体の振動とを取得して、前記振動伝達率を算出することを特徴とする請求項に記載の振動測定方法。
  6. 前記構造物支持体を加振する2個の加振機器を備え、かつ、少なくとも1個の前記加振機器の加振力を制御することにより、前記回転の振動成分を抑制することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の振動測定方法。
  7. 正弦波で加振して前記構造物の振動と前記構造物支持体の振動とを取得するとともに、 予め定めた周波数分解能で前記正弦波の周波数を変化させて、前記周波数分解能毎に前記構造物の振動と前記構造物支持体の振動とを取得することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の振動測定方法。
  8. 取得した前記構造物支持体の振動に基づき、前記構造物支持体の振動レベルを所定の大きさに調整することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の振動測定方法。
  9. 前記タイヤ又は前記タイヤ/ホイール組立体を車両に取り付けた状態において、前記タイヤ又は前記タイヤ/ホイール組立体を構成するタイヤを地面から浮かせた状態で、前記タイヤ又は前記タイヤ/ホイール組立体の振動を測定することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の振動測定方法。
  10. 振動特性の評価対象の構造物を支持する構造物支持体と、
    前記構造物支持体を加振する加振手段と、
    前記構造物支持体の軸と前記構造物支持体を加振する方向とを含む面内における、前記構造物の振動を検出する第1振動検出手段と、
    前記構造物支持体の軸と前記構造物支持体を加振する方向とを含む面内における、前記構造物支持体の振動を検出する第2振動検出手段と、
    前記第2振動検出手段から取得した前記構造物支持体の振動と、前記第1振動検出手段から取得した前記構造物の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する振動解析装置と、
    を含み、前記構造物はタイヤ又はタイヤ/ホイール組立体であることを特徴とする振動測定装置。
  11. 振動特性の評価対象の構造物を支持する構造物支持体と、
    前記構造物支持体を加振する第1加振機器と、
    前記構造物支持体に対して前記第1加振機器と平行な方向に入力することにより、前記構造物支持体を加振する第2加振機器と、
    前記構造物支持体の軸と前記構造物支持体を加振する方向とを含む面内における、前記構造物の振動を検出する第1振動検出手段と、
    前記構造物支持体の軸と前記構造物支持体を加振する方向とを含む面内における、前記構造物支持体の振動を検出する第2振動検出手段と、
    前記第2振動検出手段から取得した前記構造物支持体の振動と、前記第1振動検出手段から取得した前記構造物の振動との比に基づいて、前記構造物の振動伝達率を算出する振動解析装置と、
    を含み、前記構造物はタイヤ又はタイヤ/ホイール組立体であることを特徴とする振動測定装置。
  12. 前記第2振動検出手段は、前記構造物支持体の軸方向に離れた2箇所に設けられて、前記第1加振機器による前記構造物支持体の振動を検出する第1加振機器用振動検出手段と、前記第2加振機器による前記構造物支持体の振動を検出する第2加振機器用振動検出手段とで構成され、かつ、
    前記構造物支持体の振動は、前記第1加振機器用振動検出手段又は前記第2加振機器用振動検出手段の少なくとも一方により検出することを特徴とする請求項1に記載の振動測定装置。
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