JP7225489B2 - 振動特性評価方法及び振動特性評価装置 - Google Patents

振動特性評価方法及び振動特性評価装置 Download PDF

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Description

本発明は振動特性評価方法及び振動特性評価装置に関する。
従来から、タイヤをドラムに接触させ、ドラムを回転させることによってタイヤを回転させ、その回転するタイヤを加振してタイヤが取り付けられた車軸の振動を検出して振動特性を評価することが行われていた。タイヤを加振するために特許文献1に記載されているようにドラムの表面に突起が設けられていた。タイヤはこの突起を乗り越えることによって加振されていた。
ところで、車軸等で検出される振動には加振の力の大きさが影響することが知られている。そのため、車軸の振動を検出するだけでは、加振の力の大きさの影響を受けた振動特性を評価することとなってしまい、目的とする振動特性を正確に評価できなかった。
一方、特許文献2に記載されているようにドラムの回転軸の支持部に働く力を検出する方法や、特許文献3に記載されているようにハンマーを用いてタイヤに入力しその大きさを検出する方法が提案されていた。しかしいずれの方法もドラムの表面の突起による加振の力の大きさを検出するものではなかった。
また、非特許文献3に記載されているようにドラムの表面の突起にセンサを取り付けてそのセンサで路面入力を検出する方法も提案されていた。しかしこの方法では、ドラムが回転しているためドラム側で検出された路面入力の情報を配線を通じて解析装置へ取り込むことができず、路面入力の影響を適切に処理して振動特性を評価するための障害となっていた。
特開2004-85297号公報 特開平06-129954号公報 特開2006-119091号公報
松原真己ら、「タイヤ転動時の路面入力を用いた車軸応答解析」、公益社団法人自動車技術会 学術講演会前刷集 No.103-08、20085871
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、入力の影響が適切に反映される振動特性評価方法及び振動特性評価装置を提供することを課題とする。
実施形態の振動特性評価方法は、ドラムの表面に設けられた突起をタイヤが乗り越えることによって前記タイヤが加振され、前記タイヤの振動、前記タイヤが装着された懸架系部分の振動、又は前記タイヤが装着された車両の一部における振動が検出される振動特性評価方法において、前記突起のタイヤ幅方向長さが、前記タイヤの前記ドラムへの接地面のタイヤ幅方向長さに対して短いものであり、前記加振のときに前記突起が前記タイヤから受ける力による入力と、前記タイヤの振動、前記タイヤが装着された懸架系部分の振動、又は前記タイヤが装着された車両の一部における振動である出力とが同期するように収録が行われ、前記入力のフーリエスペクトルに対する前記出力のフーリエスペクトルの比として周波数応答関数が計算され、前記突起の位置が前記ドラムの幅方向に移動させられ、移動の度に前記収録及び前記計算が行われ、前記タイヤのトレッド部における前記突起が当たる位置の違いによる振動特性の違いが評価され、1つの前記突起にかかる複数方向への力がそれぞれ入力であり、1つの場所における複数方向への振動がそれぞれ出力であることを特徴とする。
また、実施形態の振動特性評価装置は、ドラムの表面に設けられた突起と、タイヤが前記突起を乗り越えることによって生じる前記タイヤの振動、前記タイヤが装着された懸架系部分の振動、又は前記タイヤが装着された車両の一部における振動を検出する出力センサとを有する振動特性評価装置において、前記突起のタイヤ幅方向長さが、前記タイヤの前記ドラムへの接地面のタイヤ幅方向長さに対して短いものであり、前記突起が前記タイヤから受ける力を検出する入力センサが設けられ、前記入力センサが検出した入力と前記出力センサが検出した出力とが同期するように収録される解析装置が設けられ、前記突起の位置が前記ドラムの幅方向に移動可能に設けられ、前記入力のフーリエスペクトルに対する前記出力のフーリエスペクトルの比として周波数応答関数を計算する周波数応答関数計算部が設けられ、前記入力センサが複数方向への力をそれぞれ検出可能であり、前記出力センサが複数方向への振動をそれぞれ検出可能であることを特徴とする。
上記の振動特性評価方法及び装置によれば、入力と出力とが同期するように収録されるので、収録後に行われる振動特性の評価において入力の影響が適切に反映される。
振動特性評価装置の正面図。 突起が取り付けられた入力センサの斜視図。 入力センサの位置でのドラムの断面図。 変更例2のスリップリングを示す図。
実施形態について図面に基づき説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更されたものについては、本発明の範囲に含まれるものとする。
1.振動特性評価装置
図1に示すように、本実施形態の振動特性評価装置は、空気入りタイヤ(以下「タイヤ」)Tを回転させる円筒状のドラムDと、回転中のタイヤTを加振するためにドラムDの表面に設けられた突起10と、突起10がタイヤTから受けた力を検出する入力センサ11と、車軸Sの振動(すなわち出力)を検出する出力センサ20と、入力センサ11が検出した情報と出力センサ20が検出した情報とを収録して周波数応答関数を求める解析装置30とを有する。
入力センサ11として例えば力センサが使用される。図2に示すように、入力センサ11の検出部には突起10が取り付けられている。一方、図3に示すように、ドラムDの外周面すなわち回転路面は表面板12によって構成されている。表面板12には孔12aが形成されている。入力センサ11はドラムDの表面板12の裏側(内径側)に配置されている。そして、入力センサ11に取り付けられた突起10が孔12aからドラムDの表側(外径側)に突出している。本実施形態ではドラムDに1つの入力センサ11及び1つの突起10が設けられているものとする。突起10はタイヤTの接地面に対して十分に小さいもので良い。
図1に示すように、ドラムDの外周面(すなわち表面板12の表側の面)にはタイヤTのトレッド部が押し当てられる。その状態でドラムDが回転することにより、タイヤTがドラムDと逆方向へ回転する。この回転中にタイヤTが突起10を乗り越え、それによってタイヤTが加振される。このとき突起10がタイヤTから受けた力(厳密には、時間の経過に伴う受けた力(単位:N)の大きさの変化)を入力センサ11が検出する。このように入力センサ11が検出するのは突起10がタイヤTから受けた力(反力)であるが、この反力がタイヤTへの入力として扱われる。
ドラムD又はドラムDと共に回転する部分(例えば図1に示すようにドラムDの回転軸A)には、無線送信機14が取り付けられている。この第1無線送信機14に入力センサ11が不図示の配線によって接続されている。入力センサ11が検出した入力の情報は、無線送信機14に送られ、無線送信機14から解析装置30へ無線転送される。
評価対象のタイヤTはホイールHに装着されている。タイヤT及びホイールHは車軸Sを回転軸として回転自在となっている。なおホイールH及び車軸Sは懸架系部分の一部である。車軸Sは回転しない支持部21によって支持されている。本実施形態の車軸Sは車両に取り付けられていなくても良い。
この支持部21には車軸Sの振動を検出する出力センサ20が取り付けられている。出力センサ20として、例えば、力センサ、変位センサ、速度センサ、又は加速度センサが使用される。本実施形態の出力センサ20は特定の一方向の振動を検出するものである。出力センサ20は解析装置30に接続されており、出力センサ20が検出した出力の情報が解析装置30へ送られる。
解析装置30は、例えば、無線送信機14から無線転送されてきた入力の情報を受信する無線受信部31と、出力センサ20から送られてきた出力の情報を取得する出力情報取得部32と、入力及び出力の情報に基づき周波数応答関数を求める周波数応答関数計算部33と、周波数応答関数に基づき振動特性の評価を行う評価部34と、取得された情報等を記憶する記憶部35と、周波数応答関数等を表示する表示部36とを備える。そのような解析装置30として例えばFFT(Fast Fourier Transform)アナライザが使用される。ただし、無線受信部31、出力情報取得部32、周波数応答関数計算部33、評価部34、記憶部35、及び表示部36は、必ずしも1つの装置の中に組み込まれていなくても良い。例えば、無線受信部31及び出力情報取得部32を含む一部が解析装置に組み込まれ、残りの部分の機能は解析装置に接続されたコンピュータによって実現されても良い。また周波数応答関数に基づく振動特性の評価は人が行っても良い。
2.振動特性評価方法
本実施形態のタイヤ振動特性評価方法は例えば上記の振動特性評価装置によって行われる。
具体的には、ドラムDが回転を始め、それに伴ってタイヤTも回転を始める。そして、タイヤTが突起10を乗り越えると、タイヤTが加振される。タイヤTが振動することにより、車軸Sに振動が伝わる。突起10がタイヤTから受けた力は入力センサ11によって検出される。また、車軸Sの振動は出力センサ20によって検出される。出力センサ20によって検出されるのは、例えば力(単位:N)、速度(単位:m/s)、又は加速度(単位:m/s)である。ここで、サンプリング定理に基づき、センサによって検出される最大周波数は評価しようとする振動の周波数の2倍以上に設定される。
入力センサ11により検出された入力の情報は、無線送信機14から無線転送され、解析装置30の無線受信部31によって受信される。また、出力センサ20によって検出された出力の情報は解析装置30の出力情報取得部32によって取得される。このとき、入力の情報と出力の情報とは同期して解析装置30(より具体的には例えば記憶部35)に収録される。ここで「同期して収録される」とは時間的に一致して収録されることを意味する。ただし、無線転送に時間がかかること等から、入力の情報の収録と出力の情報の収録との間に若干(例えば、評価しようとする振動の周波数の上限値の逆数の1/10以内)の時間的誤差があっても良い。このような時間的誤差がある場合も「同期して収録される」と言うことができる。また本実施形態では、入力と出力の情報の同期収録が、ドラムDの回転中に、入力センサ11及び出力センサ20による振動等の検出と並行して行われることになる。
なお、入力と出力の情報の同期収録のために、例えば、ドラムDの外周面に目印が設けられるとともに、その目印を検出する検出センサが設けられていても良い。そして、検出センサがドラムDの目印を検出した時にトリガー信号が発せられ、そのトリガー信号に基づき入力と出力の情報の収録が開始されても良い。
次に、解析装置30に収録された入力及び出力の情報に基づき、周波数応答関数計算部33によって周波数応答関数が計算される。次の式(I)で表されるように、周波数応答関数H(f)は、出力のフーリエスペクトルB(f)を入力のフーリエスペクトルA(f)で割ったものとして定義される。
Figure 0007225489000001
そのため、周波数応答関数の波形は、周波数毎に出力のフーリエスペクトルを入力のフーリエスペクトルで割り、それによって得られた数(複素数)の絶対値をプロットすることによって得られる。
ただし通常の試験では、入力側にノイズが少ないのに対して出力側には様々なノイズが入る。そこで、出力側のノイズの影響を小さくするために、上記の式(I)の右辺の分母と分子にA(f)の複素共役A*(f)が掛けられて、次の式(II)に基づき周波数応答関数H(f)が計算されても良い。
Figure 0007225489000002
反対に入力側のノイズの影響を小さくする場合は、上記の式(I)の右辺の分母と分子にB(f)の複素共役B*(f)が掛けられて、次の式(III)に基づき周波数応答関数H(f)が計算される。
Figure 0007225489000003
ここで、A(f)A*(f)はA(f)のパワースペクトル、B(f)B*(f)はB(f)のパワースペクトル、B(f)A*(f)又はA(f)B*(f)はA(f)とB(f)のクロススペクトルである。
好ましい実施形態としては、ドラムDが複数回転してタイヤTの加振から周波数応答関数の計算までの工程が複数回行われ、複数回の結果の平均から最終的な周波数応答関数が計算される。もちろん、タイヤTの加振から周波数応答関数の計算までの工程が1回しか行われなくても良い。
このようにして計算された周波数応答関数に基づき、評価部34によって振動特性の評価が行われる。振動特性としては例えばタイヤTの固有振動数や減衰特性が挙げられる。具体的には、周波数応答関数の波形の中に所定以上の大きさを有するピークが複数現れるので、それらのピークの周波数が求められる。これらのピークの周波数がタイヤTの固有振動数である。また、減衰特性として例えば減衰比が求められる。減衰比は例えば半値幅法やカーブフィッティング法により求められる。
このようにして求められた周波数応答関数の波形及び振動特性の評価結果は表示部36に表示される。また、振動の情報、周波数応答関数、及び振動特性の評価結果等は記憶部35に記憶される。
以上では1つのタイヤTの振動特性の評価方法について説明したが、複数のタイヤが準備され、それらのタイヤについてそれぞれ上記の試験が行われ周波数応答関数が計算されて振動特性が評価されても良い。そして、複数のタイヤの振動特性(例えば、固有振動数での振動の大きさや減衰比)の比較に基づきタイヤの優劣が評価されても良い。ここで、上記の複数のタイヤは種類が異なるものであっても良い。種類とは、サイズ、トレッドパターン、断面構造等を基準として分類されるものである。記憶部35に過去の試験結果が記憶されているので、その試験結果と新たに実施された試験の結果との比較から、タイヤの優劣が評価される。
また、タイヤTに与える条件を変化させて上記の試験が行われ、それぞれの条件における周波数応答関数が計算されて、それぞれの条件における振動特性が評価されても良い。そして、タイヤTに与える条件の変化に伴う振動特性の変化が評価されても良い。ここで、タイヤTに与える条件とは、タイヤTの回転速度、タイヤTに負荷される荷重、タイヤTの内圧、タイヤTの姿勢角(つまり鉛直方向に対する傾きの角度)等である。また、振動特性の変化として、タイヤTの固有振動数の変化や減衰特性の変化等が評価される。
また、突起10の位置がドラムDの幅方向に移動させられ、移動の度に上記の試験が行われ、トレッド部における突起10が当たる位置の違いによる振動特性の違いが評価されても良い。例えば、トレッド部に複数のリブが形成されている場合において、突起10の位置がドラムDの幅方向に移動させられることによって突起10が当たるリブが変えられ、突起10が当たるリブの違いによる振動特性の違いが評価されても良い。
3.効果
本実施形態では、タイヤTがドラムDの突起10を乗り越えることにより突起10がタイヤTから受けた力が入力として検出されるので、その入力の情報が振動特性の評価に利用可能となる。さらに、タイヤTが装着された車軸Sの振動である出力と前記入力とが同期するように収録されるので、収録された入力と出力の情報の時間軸にほとんど誤差が生じず、収録後に行われる振動特性の評価において入力の影響が適切に反映される。
例えば、周波数応答関数を計算すると(すなわち周波数毎に出力のフーリエスペクトルを入力のフーリエスペクトルで割ると)、周波数毎の入力と出力との位相差が明らかとなる。ここで、振動モードの種類毎に入力と出力との位相差が特定の位相差になることが従来から知られている。そのため、周波数応答関数を計算して明らかになった周波数毎の入力と出力との位相差から、その周波数の振動がどの振動モードの振動なのかを特定することができる。このように特定するにあたり、入力と出力とが同期するように収録されていて入力と出力の情報の時間軸にほとんど誤差がなければ、正確に特定することができる。
さらに、本実施形態では入力のフーリエスペクトルが計算されるので周波数毎の入力の大きさが求まる。そして、上記の式(I)のように出力のフーリエスペクトルが入力のフーリエスペクトルで割られて周波数応答関数が計算されるので、周波数応答関数は周波数毎に出力の大きさが入力の大きさで割られたものとなる。その結果、周波数毎に入力の大きさにばらつきがあっても、周波数応答関数はそのようなばらつきの影響が解消されたものとなる。そのため、この周波数応答関数に基づき振動特性が評価されれば、周波数毎の入力の大きさのばらつきの影響が排除されて評価されることとなる。
また、タイヤが異なると入力も異なったものとなるが、本実施形態では周波数毎に出力の大きさが入力の大きさで割られて周波数応答関数が求められるので、このような入力の違いの影響が排除された周波数応答関数が求まる。そのため、複数のタイヤが準備され、それぞれのタイヤについて上記のように周波数応答関数が計算されて振動特性が評価されれば、タイヤの違いに基づく入力の違いの影響が排除された形で、タイヤの違いに基づく振動特性の違いについて評価することができる。そのため複数のタイヤの振動特性の優劣について正確に評価することができる。
4.変更例
以上で説明した実施形態に対し、発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。例えば以下の変更例のうちいずれか1つ以上の変更を行うことができる。
(1)変更例1
上記実施形態では入力と出力が1つずつしかなかったが、入力と出力の少なくとも一方が複数存在しても良い。その場合も、入力と出力とが同期するように収録がなされ、入力及び出力のフーリエスペクトルから周波数応答関数が計算される。
例えば、入力センサとしてタイヤ径方向、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の3方向への力をそれぞれ独立して検出可能なものが使用され、出力センサとして車軸径方向、車軸周方向及び車軸長手方向の3方向の振動をそれぞれ独立して検出可能なものが使用される。このようなセンサを用いて試験が行われた場合、前記3方向の入力と前記3方向の出力とが収録されることとなる。
そして、入力のフーリエスペクトルとして、タイヤ径方向の入力のフーリエスペクトルa1、タイヤ周方向の入力のフーリエスペクトルa2、タイヤ幅方向の入力のフーリエスペクトルa3の3つが求まる。また、出力のフーリエスペクトルとして、車軸径方向の出力のフーリエスペクトルb1、車軸周方向の出力のフーリエスペクトルb2、車軸長手方向の出力のフーリエスペクトルb3の3つが求まる。
そして、周波数応答関数H = [ hij ] ( i = 1, 2, 3; j = 1, 2, 3 ) が次の式(IV)によって求まる。
Figure 0007225489000004
ここで、行列である周波数応答関数Hの各成分hijは、MIMO(Multi-Input/Multi-Output)解析によって同時に求めることができる。各成分hijはそれぞれの方向の入力のそれぞれの方向の出力への応答について示している。例えばh12はタイヤ周方向の入力の車軸径方向の出力への応答について示している。
なお、入力センサは2方向又は4以上の方向への力を独立して検出可能なものであっても良い。また、出力センサは2方向又は4以上の方向の振動を独立して検出可能なものであっても良い。また、入力センサ及び出力センサのうち一方が1方向についてのみ検出可能で、他方が複数方向について独立して検出可能なものであっても良い。
また、入力センサ及び出力センサのうち少なくとも一方が複数個設けられていても良い。例えば、タイヤ幅方向の複数箇所にそれぞれ入力センサが設けられ、それらの入力センサがそれぞれトレッド部の異なるリブの入力を検出しても良い。また、車両の複数箇所にそれぞれ出力センサが設けられ、複数箇所における音や振動について検出されても良い。
また、入力センサ及び出力センサのうち少なくとも一方が複数個設けられている場合、入力センサ及び出力センサは、それぞれ、1方向についてのみ検出可能であっても良いし、複数方向について独立して検出可能であっても良い。
以上のように入力と出力の少なくとも一方が複数存在する場合、入力の数n及び出力の数mは、
(入力の数n)=(1つの入力センサが検出可能な方向の数)×(入力センサの数)
(出力の数m)=(1つの出力センサが検出可能な方向の数)×(出力センサの数)
となる。
このようにn個の入力とm個の出力が存在する場合、周波数応答関数H = [ hij ] ( i = 1, …, m; j = 1, …,n ) は次の一般化された式(V)によって求まる。
Figure 0007225489000005
ここで、a1, …, anはそれぞれ入力のフーリエスペクトルで、b1, …,bmはそれぞれ出力のフーリエスペクトルである。
(2)変更例2
入力センサ11が検出した入力の情報は、上記の無線転送とは異なる手段によって解析装置30に収録されても良い。
例えば、回転するドラムDに設けられた入力センサ11と解析装置30とが回転接続部材としてのブラシ式のスリップリング40を介して電気的に接続されていても良い。図4に示すように、ブラシ式のスリップリング40は、ドラムDの回転軸Aに固定されて回転軸Aと共に回転する回転体41と、ドラムDの回転軸Aに固定されていない非回転体42(図4の斜線部分)とを有している。そして、回転体41の電極43に非回転体42から伸びる導電性ブラシ44が接触して回転体41側と非回転体42側とが電気的に接続されている。そして、回転体41の電極43と入力センサ11とが接続され、非回転体42の導電性ブラシ44と解析装置30とが接続されている。
この構成により、入力センサ11が検出した入力の情報が直ちに解析装置30に送られる。一方、出力センサ20も解析装置30に接続されており、出力センサ20が検出した出力の情報も直ちに解析装置30に送られる。そのため、入力と出力の情報が同期して解析装置30に収録される。
また、ブラシ式のスリップリング40の代わりの回転接続部材として、回転体の電極と非回転体の電極との間に充填された液体金属(例えば水銀)を通して回転体側と非回転体側とが電気的に接続される液体金属式のロータリーコネクタが使用されても良い。
なお、ブラシ式のスリップリング40や液体金属式のロータリーコネクタが使用される方法では、入力と出力の情報の同期収録が、ドラムDの回転中に、入力センサ11及び出力センサ20による振動等の検出と並行して行われることになる。
また、別の実施形態として、ドラムDの回転軸Aに不図示の記録装置が設けられ、入力センサ11が解析装置30ではなくこの記録装置に接続され、入力センサ11が検出した入力の情報がこの記録装置に記録されても良い。この場合、ドラムDの回転が停止した後に記録装置から解析装置30へ入力の情報が転送され、解析装置30において入力と出力の情報の同期がなされる。このとき同期のために上記のようなトリガー信号が用いられても良い。このような場合も「同期して収録される」と言うことができる。
(3)変更例3
出力センサ20が設けられる場所は、上記のような車軸Sの支持部21に限定されない。例えば、出力センサ20が設けられる場所は、ホイールHや車軸Sのような回転する部分であっても良い。その場合、出力センサ20が検出した入力の情報は、無線又は回転接続部材を介して解析装置30に収録されることが好ましい。
また、出力センサとして、タイヤTからの放射音の音圧を測定するマイクロホン、タイヤTからの放射音の音響粒子速度を測定する音響粒子速度センサ、又はタイヤTからの放射音の音響インテンシティを測定する音響インテンシティセンサが用いられても良い。なおタイヤTからの放射音とはタイヤTから放射される音のことである。これらの出力センサはタイヤTから離して配置される。これらの出力センサは、タイヤTからの放射音を介してタイヤTの振動を間接的に検出すると言える。また、これらの出力センサが車両の内部に配置される場合、これらの出力センサはタイヤTが装着された車両の一部における振動を検出すると言える。これらの出力センサによる測定結果が出力として振動特性評価に利用されれば、入力から放射音への伝達特性を評価することができる。
また、出力センサとして、タイヤTの表面に接触してその振動を検出する変位センサ、速度センサ又は加速度センサが用いられても良い。また、出力センサとして、タイヤTの表面の振動を非接触で検出するレーザー変位計、レーザードップラー振動計、超音波センサ、渦電流センサ又は画像センサが用いられても良い。
(4)変更例4
振動特性を評価する試験は実際の車両(実車)を用いて行われても良い。
例えば、シャーシダイナモの回転路面に上記実施形態と同様の突起及び出力センサが設けられ、そのシャーシダイナモ上で実車が駆動してタイヤTで突起を乗り越える試験が行われても良い。シャーシダイナモが用いられることにより、風等の外乱が除かれた状況で振動特性を評価することができる。
また、舗装され平坦な実際の路面に上記実施形態と同様の突起及び出力センサが設けられ、その路面上で実車が走行してタイヤTで突起を乗り越える試験が行われても良い。実際の路面上で試験が行されることにより、実際の走行条件(路面が平坦で風の抵抗がある等の条件)に近い条件下での振動特性を評価することができる。
実車を用いた振動特性の評価では、以上で説明したように車軸S等の懸架系部分やタイヤTの表面の振動を出力として検出することも可能だが、タイヤTが装着された車両の一部における振動を出力として検出することも可能である。例えば、車内の床又は座席の振動や、転手等の搭乗者の耳の位置における音圧等が、出力として検出されても良い。それにより、運転手等の搭乗者への振動の影響を直接評価することができ、また、車体を含めた振動特性を評価することができる。
A…回転軸、D…ドラム、H…ホイール、S…車軸、T…タイヤ、10…突起、11…入力センサ、12…表面板、12a…孔、14…無線送信機、20…出力センサ、21…支持部、30…解析装置、31…無線受信部、32…出力情報取得部、33…周波数応答関数計算部、34…評価部、35…記憶部、36…表示部、40…スリップリング、41…回転体、42…非回転体、43…電極、44…導電性ブラシ

Claims (6)

  1. ドラムの表面に設けられた突起をタイヤが乗り越えることによって前記タイヤが加振され、前記タイヤの振動、前記タイヤが装着された懸架系部分の振動、又は前記タイヤが装着された車両の一部における振動が検出される振動特性評価方法において、
    前記突起のタイヤ幅方向長さが、前記タイヤの前記ドラムへの接地面のタイヤ幅方向長さに対して短いものであり、
    前記加振のときに前記突起が前記タイヤから受ける力による入力と、前記タイヤの振動、前記タイヤが装着された懸架系部分の振動、又は前記タイヤが装着された車両の一部における振動である出力とが同期するように収録が行われ、前記入力のフーリエスペクトルに対する前記出力のフーリエスペクトルの比として周波数応答関数が計算され、
    前記突起の位置が前記ドラムの幅方向に移動させられ、移動の度に前記収録及び前記計算が行われ、前記タイヤのトレッド部における前記突起が当たる位置の違いによる振動特性の違いが評価され
    1つの前記突起にかかる複数方向への力がそれぞれ入力であり、1つの場所における複数方向への振動がそれぞれ出力であることを特徴とする、振動特性評価方法。
  2. 複数のタイヤの周波数応答関数を計算し、その結果に基づきタイヤの優劣を評価する、請求項1に記載の振動特性評価方法。
  3. 前記入力と前記出力の少なくとも一方が複数存在する、請求項1又は2に記載の振動特性評価方法。
  4. ドラムの表面に設けられた突起と、タイヤが前記突起を乗り越えることによって生じる前記タイヤの振動、前記タイヤが装着された懸架系部分の振動、又は前記タイヤが装着された車両の一部における振動を検出する出力センサとを有する振動特性評価装置において、
    前記突起のタイヤ幅方向長さが、前記タイヤの前記ドラムへの接地面のタイヤ幅方向長さに対して短いものであり、
    前記突起が前記タイヤから受ける力を検出する入力センサが設けられ、前記入力センサが検出した入力と前記出力センサが検出した出力とが同期するように収録される解析装置が設けられ、
    前記突起の位置が前記ドラムの幅方向に移動可能に設けられ
    前記入力のフーリエスペクトルに対する前記出力のフーリエスペクトルの比として周波数応答関数を計算する周波数応答関数計算部が設けられ、
    前記入力センサが複数方向への力をそれぞれ検出可能であり、前記出力センサが複数方向への振動をそれぞれ検出可能であることを特徴とする、振動特性評価装置。
  5. 前記入力センサが前記ドラムの前記表面に設けられ、
    前記入力センサが検出した入力の情報を前記解析装置に送る無線送信機又は回転接続部材が設けられた、請求項に記載の振動特性評価装置。
  6. 前記ドラムの前記表面に複数の前記入力センサが設けられた、請求項4又は5に記載の振動特性評価装置。
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