JP5321515B2 - 工作機械の数値制御装置 - Google Patents

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本発明は、工作機械の数値制御装置に関し、特に、切削中に主軸に装着した工具に生じる振動を抑制できる最適な主軸回動速度を設定可能な工作機械の数値制御装置に関するものである。
従来、数値制御可能な工作機械は、主軸に装着した工具とワークとをXYZ直交座標系における各軸方向へ独立に相対移動させることによって、ワークに所望の機械加工(例えば、「中ぐり」、「フライス削り」、「穴明け」、「切削」等)を施すことができる。
この工作機械においては、加工プログラムに基づいて、主軸に装着した工具でワークに所望の切削加工を施すとき、機械本体の主軸を回転可能に支持する主軸支持機構の剛性が小さい場合、主軸の回転数によっては切削中に振動が発生する。特に、工具とテーブルとをX軸方向とY軸方向へ相対移動させて円弧運動させて切削加工を行う場合、工具のX軸方向とY軸方向の切削抵抗の変動に伴い、また、主軸支持機構のX軸,Y軸コンプライアンスの相違により、X軸方向とY軸方向の振動の大きさが変化する。そのため、加工精度や仕上面粗度にバラツキが生じ、真円度が悪化するという問題がある。作業者は、本加工前にテスト加工を行った上で、真円加工する場合の良好な切削条件(主軸回転速度や送り速度等)を設定している。
特許文献1の工作機械の振動抑制装置は、回転中の回転軸のXYZ軸方向に生じる時間領域の各振動加速度を検出する複数の振動センサと、これら振動センサの検出値に基づいて回転軸の回転速度を制御する制御装置とを備え、切削中において回転している回転軸に生じるびびり振動に基づいて最適回転速度を算出する。
制御装置は、サンプリング振動数(周波数)が異なる複数のFFT演算装置と、パラメータ演算装置と、NC装置とを備えている。各FFT演算装置は、各振動センサからの時間領域の振動加速度の信号を受信し、各サンプリング振動数によりフーリエ解析を行い、各最大加速度と回転軸のびびり振動数を算出する。パラメータ演算装置は、各FFT演算装置で得た解析結果から各最大加速度のうちの一つが設定基準値を超えた場合に、最適のサンプリング振動数から得たびびり振動数を選択し、そのびびり振動数に基づいて回転軸の最適回転速度を算出する。
特開2008−290164号公報
従来の工作機械においては、主軸の回転速度や送り速度を何度も変更して、最適な切削条件を選定できるまでテスト加工を繰返し行い、中には無駄なテスト加工を行うこともあるので、時間とコストがかかり効率的でない。また、全ての条件をテストすることは実質的に不可能であるので、必ずしも最適な主軸回転速度を設定できるとは限らない。
特許文献1の工作機械の振動抑制装置は、例えば、エンドミル加工する場合、切削中に回転軸のX軸方向とY軸方向で生じる振動の大きさの差を最小にできる回転速度を設定する構成ではない。
本発明は、主軸支持機構のX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差を小さくする最適な主軸回転速度を設定できる工作機械の数値制御装置を提供すること、加工中における主軸支持機構のX軸方向の誤差変位量とY軸方向の誤差変位量の差を小さくできる工作機械の数値制御装置を提供すること等である。
請求項1の工作機械の数値制御装置は、加工プラグラムに基づいて、主軸に装着した工具でワークを加工する工作機械の数値制御装置において、主軸の回転速度と比例関係にある周波数をパラメータとして、該主軸を回転可能に支持する主軸支持機構の互いに直交するX軸方向と、Y軸方向の動的コンプラインアスを夫々測定したX軸特性データとY軸特性データとを予め記憶したデータベースと、加工プログラムで指定された主軸の指令回転速度の変更可能範囲を記憶する記憶手段と、指令回転速度とその変更可能範囲とから決定される回転速度範囲を演算し、データベースのX軸特性データとY軸特性データに基づいて、回転速度範囲内で、X軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差の絶対値が最小となる主軸回転速度を検知する回転速度検知手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の工作機械の数値制御装置は、請求項1の発明において、回転速度検知手段が検知した1又は複数の主軸回転速度から1つの主軸回転速度を指令回転速度として決定する主軸回転速度決定手段を有することを特徴としている。
請求項3の工作機械の数値制御装置は、請求項2の発明において、主軸回転速度決定手段は、回転速度検知手段が複数の主軸回転速度を検知した場合は、各主軸回転速度におけるX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスのうちの大きい方を検知し、複数の主軸回転速度のうちから大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を検知して指令速度とすることを特徴としている。
請求項4の工作機械の数値制御装置は、請求項3の発明において、主軸回転速度決定手段は、大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を複数検知したとき、その複数の主軸回転速度のうちの最高の主軸回転速度を指令回転速度とすることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、主軸支持機構のX軸方向とY軸方向の動的コンプライアンスを夫々測定したX軸特性データとY軸特性データとを予め記憶したデータベースと、主軸の指令回転速度の変更可能範囲を記憶する記憶手段と、データベースのX軸特性データとY軸特性データに基づいて、指令回転速度とその変更可能範囲から決定される回転速度範囲内で、X軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差の絶対値が最小となる主軸回転速度を検知する回転速度検知手段とを備えたので、前記回転速度範囲内でX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスを加味して、X軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差を極力小さくする最適な主軸回転速度を設定でき、加工中の主軸支持機構のX軸方向の誤差変位量とY軸方向の誤差変位量の差を極力小さくすることができる。その結果、製品の加工精度や仕上面粗度を高めることができる。
請求項2の発明によれば、回転速度検知手段が検知した1又は複数の主軸回転速度から1つの主軸回転速度を指令回転速度として決定する主軸回転速度決定手段を有するので、回転速度範囲内で誤差変位量を小さくする最適な主軸回転速度を設定することができる。
請求項3の発明によれば、主軸回転速度決定手段は、回転速度検知手段が複数の主軸回転速度を検知した場合は、各主軸回転速度におけるX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスのうちの大きい方を検知し、複数の主軸回転速度のうちから大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を検知して指令速度とするので、回転速度範囲内で誤差変位量を極力小さくする最適な主軸回転速度を設定することができる。
請求項4の発明によれば、主軸回転速度決定手段は、大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を複数検知したとき、その複数の主軸回転速度のうちの最高の主軸回転速度を指令回転速度とするので、回転速度範囲内で機械稼働率を高めることのできる最適な主軸回転速度を設定することができる。
本発明の実施例に係る工作機械の正面図である。 工作機械の斜視図(機械カバーを省略)である。 数値制御装置の制御系ブロック図である。 主軸支持機構のX軸,Y軸特性データである。 主軸回転速度設定制御を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1,図2に示す工作機械1は、ワークと工具とを相対移動させることで、ワークに所望の切削加工を施すことができる数値制御式のマシニングセンタである。この工作機械1は、鋳鉄製の本体フレーム2と、この本体フレーム2の上に装備してワークの切削加工を行う機械本体3と、機械本体3と本体フレーム2の上面側を覆う箱状の機械カバー4とを備えている。
機械カバー4の内側に機械本体3とその加工領域を設けている。機械カバー4は、前面に開口部を設け、その開口部に1対のスライド式の開閉扉5,6を設けている。前面開口部の右側に、工作機械1を操作する正面視長方形状の操作パネル10を設けている。この操作パネル10は、ティスプレイ11とテンキーと各種操作スイッチを備えたキーボード12を有する。ディスプレイ11は、設定画面又は実行動作を表示する為のもので、キーボード12の上方に設けている。
作業者は、この操作パネル10のディスプレイ11を確認しながらキーボード12を操作することによって、ワークを加工する為の加工プログラムや、工具情報、各種パラメータを夫々設定する。
図2に示すように、機械本体3は本体フレーム2の上面上に設けてある。機械本体3が加工プログラムに従ってワークの加工を行う。機械本体3は、コラム13と、コラム13に対して昇降自在の主軸ヘッド14と、主軸ヘッド14に装備した主軸15と、工具交換装置16と、本体フレーム2に対してX軸方向(左右方向)とY軸方向(前後方向)に独立に移動可能なテーブル17とを備えている。コラム13は、本体フレーム2の後部に配置したコラム座部18に固定され且つ鉛直上方に延びている。
自動工具交換装置16は、主軸ヘッド14の右側に設けてある。自動工具交換装置16は、主軸15の先端に装着する工具付きの工具ホルダを加工プログラムに基づいて自動的に交換する。自動工具交換装置16は、工具付きの工具ホルダを収納する工具ポットを複数有する工具マガジン19と、主軸15から取り外した工具ホルダと主軸15に取り付ける工具ホルダとを把持して搬送する為の工具交換アーム(図示略)と、工具ポットを工具マガジン19内で搬送する搬送機構を備えている。コラム13の背面側に箱状の制御ボックス21を設けている。この制御ボックス21は、工作機械1の動作を制御する数値制御装置22(図3参照)を収納している。
主軸ヘッド14(主軸支持機構)は、主軸15を昇降可能に支持している。主軸ヘッド14は、コラム13内を上下方向に延びるZ軸ボールネジシャフト(図示略)に対してナット部(図示略)を介して連結している。主軸ヘッド14は、サーボモータからなるZ軸モータ23(図3参照)によりZ軸方向(鉛直方向)に昇降する。主軸15は、主軸ヘッド14の上部に設けた主軸モータ24によって回転駆動される。主軸15は、その先端部分に下方に向かって拡径するホルダ取付穴(図示略)を有する。工具ホルダは、ホルダ取付穴に装着する。
図2に示すように、テーブル17は、フレーム2の上部にX軸方向(左右方向)とY軸方向(前後方向)に移動可能に設けている。テーブル17の移動機構は、テーブル17を支持する支持台25と、支持台25をX軸方向に独立に移動させるX軸送り機構26と、支持台25をY軸方向に独立に移動させるY軸送り機構27とを備えている。X軸送り機構26は、支持台25をX軸方向にガイドするX軸送りガイド(図示略)を備えている。Y軸送り機構27は、Y軸送りガイド(図示略)を備えている。サーボモータからなるX軸モータ28(図3参照)とY軸モータ29(図3参照)は、支持台25をX軸方向とY軸方向に独立に移動制御する。
次に、数値制御装置22の電気的構成について説明する。
図3に示すように、数値制御装置22は、制御部30と、駆動回路31〜35等を備えている。制御部30は、CPU36とROM37とRAM38からなるマイクロコンピュータと、入出力インターフェース39等を備えている。
入出力インターフェース39は、操作パネル10のキーボード12と、表示装置41と、剛性測定装置42に電気的に接続されている。入出力インターフェース39は、X軸モータ28を駆動するX軸駆動回路31と、Y軸モータ29を駆動するY軸駆動回路32と、Z軸モータ23を駆動するZ軸駆動回路33と、主軸モータ24を駆動する主軸駆動回路34と、マガジンモータ40を駆動するマガジン駆動回路35に電気的に接続されている。
各モータ23,24,28,29,40は、夫々ロータリエンコーダ23a,24a,28a,29a,40aを有し、ロータリエンコーダ23a,24a,28a,29a,40aの検出信号は、夫々、各駆動回路31,32,33,34,35へフィードバックされている。
ROM37は、工作機械1の種々のワークを加工する加工プログラムを解析して処理するメインの数値制御プログラム(NC制御プログラム)、図5に示す、加工プログラムで指定された主軸15の指令回転速度と指令回転速度の変更可能範囲とから決定される回転速度範囲内の最適な主軸回転速度に変更設定する主軸回転速度設定制御のプログラム等を格納している。
RAM38は、ワーク加工用の複数のワーク別の加工プログラム、図4に示す、主軸ヘッド14の互いに直交するX軸方向とY軸方向の動的コンプライアンスを測定した複数種のX軸特性データとY軸特性データを記憶したデータベースと、周波数と工具の刃数と主軸15の回転速度から、工具と関連付けて主軸15の回転速度に対応する周波数の関係を演算したデータベースと、CPU36による種々の演算処理に必要な種々のワークメモリ等を備えている。
次に、加工プログラムについて説明する。
数値制御装置22は、複数の加工プログラムの中から選択されて、操作パネル10のディスプレイ11に表示された加工プログラムに基づいて、機械本体3の動作を制御することによりワークを加工することができる。加工プログラムは複数のブロック(複数行のプログラム)で構成してある。
各ブロックには、ある特定の動作(移動、停止、主軸回転等)を機械本体3に実行させるのに必要な指令コードが含まれている。それ故、それらブロックの指令コードに基づいて、機械本体3にある特定の動作を行わせることができる。
次に、X軸特性データとY軸特性データについて説明する。
X軸特性データとY軸特性データは、ハンマリング試験(加振試験)に基づいて、図4に示すように、主軸15の回転速度と比例関係にある周波数をパラメータとして、工具を装着した主軸15の回転に伴う主軸ヘッド14の互いに直交するX軸方向とY軸方向の動的コンプライアンスを夫々周波数応答関数として作成したデータである。図4は、X軸特性データとY軸特性データの一例を示すものである。
剛性測定装置42は、前記のX軸の動的コンプライアンスのデータ(X軸特性データ)とY軸の動的コンプライアンスのデータ(Y軸特性データ)とを作成する為に設けてある。
剛性測定装置42は、CPUとROMとRAMとからなるマイクロコンピュータと、高速フーリエ解析器を有する。
ハンマリング試験においては、主軸15に例えば2枚刃のエンドミル工具を取り付けた状態で、主軸ヘッド14の下部近傍部位に加速度計を取り付け、インパクトハンマでその近傍部位をハンマリングして加振し、加速度計が主軸ヘッド14のX軸方向とY軸方向の振動加速度を計測する。加速度計とインパクトハンマは剛性測定装置42に直接電気的に接続した状態で計測を行う。
剛性測定装置42は、インパクトハンマによる加振時の加速度計からのX軸方向とY軸方向の振動加速度の信号波形をデジタル的にサンプリングしたデータを記憶する。剛性測定装置42は、記憶したデータを高速フーリエ変換して予め設定した周波数領域(例えば、0〜500Hz)における各計測値の振動変位量を求め、その振動変位量と加振力から主軸ヘッド14の動剛性の逆数、即ち、X軸コンプライアンス(Cx=Δx/Fx)とY軸コンプライアンス(Cy=Δy/Fx)を夫々演算してX軸特性データとY軸特性データを作成する。
剛性測定装置42は、X軸特性データとY軸特性データとを工作機械1の制御部30に出力する。尚、剛性測定装置42は、X軸特性データとY軸特性データとを制御部30に入力するときだけ機械本体3に接続すればよい。
次に、主軸回転速度設定制御について、図5のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。
この主軸回転速度設定制御は、作業者が加工プログラムを選択し、キーボード12の起動キーを操作後、加工プログラムにおける切削加工の為の主軸指令回転速度を読み出す毎に実行する。最初に、CPU36は、加工プログラムで指定された主軸15の指令回転速度を読み込む(S1)。次に、CPU36は、加工プログラムで指定された指令回転速度の変更可能範囲を読み込む(S2)。
S3において、CPU36は、指令回転速度と変更可能範囲とから主軸回転速度の変更可能な上限値と下限値を夫々演算して回転速度範囲を決定し、RAM38の所定のメモリに記憶する。次に、CPU36は、RAM38に既に記憶しているX軸特性データとY軸特性データを読み出す。
CPU38は、RAM38に既に記憶しているデータベースを読み出し、主軸15に装着している工具と関連付けて主軸回転速度に対応する周波数を演算し、これらのデータに基づいて回転速度範囲内において各主軸回転速度を小刻みに変化させながら各主軸回転速度のX軸コンプラインアスとY軸コンプライアンスの差の絶対値を演算し、その値をRAM38の所定のメモリに記憶する。CPU38は、回転速度範囲内における複数の主軸回転速度のうちからX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差の絶対値が最小となる主軸回転速度を検知する(S4)。
S1〜S4の処理においては、例えば、2枚刃のエンドミル工具によるエンドミル加工プログラムで指定された主軸15の指令回転速度「6000rpm」、変更可能範囲「±1000rpm」から、回転速度範囲を「5000〜7000rpm」(図4のAの範囲)に決定する。CPU36は、2枚刃のエンドミル工具に関連付けて主軸回転速度に対応する周波数を演算する。CPU36は、図4に示すX軸特性データとY軸特性データに基づいて、5000〜7000rpmの範囲内で、主軸回転速度を100rpmずつ変化させながら各主軸回転速度の|X軸コンプライアンス−Y軸コンプライアンス|を演算する。CPU36は、複数の主軸回転速度のうちから絶対値が最小の「0」の主軸回転速度「6100rpm」を検知する。
次に、S5において、CPU36は、S4で複数の主軸回転速度を検知したか否か判定する。CPU36は、S4で1つの主軸回転速度を検知した場合(S5;No)、その主軸回転速度を指令回転速度として設定する(S9)。
S5において、CPU36は、S4で複数の主軸回転速度を検知した場合(S5;Yes)、各主軸回転速度におけるX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスを比較して大きい方のコンプライアンスを検知する。CPU36は、複数の主軸回転速度のうちから検知した大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を検知する(S6)。
S1〜S6の処理においては、例えば、主軸15の指令回転速度「4000rpm」、変更可能範囲「±1000rpm」の場合、CPU36は、回転速度範囲を「3000〜5000rpm」(図4のBの範囲)に決定する。CPU36は、図4に示すX軸特性データとY軸特性データに基づいて、3000〜5000rpmの範囲内で、各主軸回転速度の|X軸コンプライアンス−Y軸コンプライアンス|を演算し、複数の主軸回転速度のうちから絶対値が最小の「0」の主軸回転速度「3100rpm」と「4100rpm」を夫々検知する。
CPU36は、各主軸回転速度「3100rpm」、「4100rpm」のX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの大きい方を検知する。CPU36は、3100rpmの大きい方のコンプライアンスと4100rpmの大きい方のコンプライアンスとを比較して、両者のうちコンプライアンスが最小の主軸回転速度「4100rpm」を検知して指令速度として設定する。
次に、S7において、CPU36は、S6で複数の主軸回転速度を検知したか否か判定する。CPU36は、1つの主軸回転速度を検知した場合(S7;No)、その主軸回転速度を指令回転速度として設定する(S9)。
S7において、CPU36は、複数の主軸回転速度を検知した場合(S7;Yes)、その複数の主軸回転速度のうちの最高の主軸回転速度を検知し(S8)、その主軸回転速度を指令速度として設定する(S9)。
S1〜S8の処理においては、例えば、主軸15の指令回転速度「10500rpm」、変更可能範囲「±1000rpm」の場合、CPU36は、回転速度範囲を「9500〜11500rpm」(図4のCの範囲)に決定する。CPU36は、図4に示すX軸特性データとY軸特性データに基づいて、9500〜11500rpmの範囲内で、各主軸回転速度の|X軸コンプライアンス−Y軸コンプライアンス|を演算し、複数の主軸回転速度のうちから絶対値が最小の「0」の主軸回転速度「10500rpm」と「10875rpm」を夫々検知する。
CPU36は、主軸回転速度「10500rpm」と「10875rpm」の大きい方のコンプライアンスが同じ値のとき、最高の主軸回転速度「10875rpm」を検知して指令速度として設定する。
尚、S4を実行するCPU36が回転速度検知手段に相当し、S5〜S9を実行するCPU36が主軸回転速度決定手段に相当する。
以上説明した工作機械1の数値制御装置22の作用効果について説明する。
数値制御装置22が実行する加工プログラムに基づいて、主軸15に装着したエンドミル工具とテーブル17とをX軸方向とY軸方向へ相対移動させて真円加工をワークに施す。
この数値制御装置22においては、主軸15を回転可能に支持する主軸ヘッド14のX軸動的コンプライアンスとY軸動的コンプライアンスを夫々測定したX軸特性データとY軸特性データに基づいて、加工プログラムで指定された主軸15の指令回転速度と指令回転速度の変更可能範囲とから決定される回転速度範囲内で主軸ヘッド14のX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差の絶対値が最小となる主軸回転速度を検知するので、回転速度範囲内で主軸ヘッド14のX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスを加味して、X軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差を極力小さくする最適な主軸回転速度を設定でき、加工中の主軸ヘッド14のX軸方向の誤差変位量とY軸方向の誤差変位量との差を小さくすることができる。その結果、真円加工をする場合の製品の真円度の精度を高めることができる。
数値制御装置22は、回転速度検知手段が検知した1又は複数の主軸回転速度から1つの主軸回転速度を指令回転速度として決定する主軸回転速度決定手段を有するので、回転速度範囲内で誤差変位量を小さくする最適な主軸回転速度を設定することができる。
また、主軸回転速度決定手段は、回転速度検知手段が複数の主軸回転速度を検知した場合は、各主軸回転速度におけるX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスのうちの大きい方を検知し、複数の主軸回転速度のうちから大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を検知して指令速度とするので、回転速度範囲内で誤差変位量を極力小さくする最適な主軸回転速度を設定することができる。
さらに、主軸回転速度決定手段は、大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を複数検知したとき、その複数の主軸回転速度のうちの最高の主軸回転速度を指令回転速度とするので、回転速度範囲内で機械稼働率を高めることのできる最適な主軸回転速度を設定することができる。
前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]実施例では、2枚刃のエンドミル工具で真円加工する際の主軸回転速度の設定制御について説明したが、3枚、4枚、外周に多数の刃を持つエンドミル工具で加工する場合にも本発明を適用可能である。
2]主軸15に装着した工具とテーブル17とをX軸方向とY軸方向へ同時に並行的に相対移動させて、切削加工するような加工にも本発明を適用することで、製作誤差を小さくし、品質を向上できる。
3]実施例の工作機械1は、縦型のマシニングセンタであるが、横型のマシニングセンタにも本発明を適用可能である。
4]工作機械は、テーブル17を固定し、コラム13をX軸方向と、Y軸方向に移動可能な構成でもよい。
5]実施例では、剛性測定装置42を入出力インターフェース39に接続しているが、必ずしも接続する必要はない。剛性測定装置42は、X軸特性データとY軸特性データを作成するためだけにある。それ故、剛性測定装置42で作成されたX軸特性データとY軸特性データは、予めROM37に記憶させておいてもよい。
1 工作機械
14 主軸ヘッド
15 主軸
22 数値制御装置
36 CPU
37 ROM
38 RAM

Claims (4)

  1. 加工プログラムに基づいて、主軸に装着した工具でワークを加工する工作機械の数値制御装置において、
    主軸の回転速度と比例関係にある周波数をパラメータとして、該主軸を回転可能に支持する主軸支持機構の互いに直交するX軸方向と、Y軸方向の動的コンプライアンスを夫々測定したX軸特性データとY軸特性データとを予め記憶したデータベースと、
    加工プログラムで指定された主軸の指令回転速度の変更可能範囲を記憶する記憶手段と、
    前記指令回転速度とその変更可能範囲とから決定される回転速度範囲を演算し、前記データベースのX軸特性データとY軸特性データに基づいて、前記回転速度範囲内で、X軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスの差の絶対値が最小となる主軸回転速度を検知する回転速度検知手段と、
    を備えたことを特徴とする工作機械の数値制御装置。
  2. 前記回転速度検知手段が検知した1又は複数の主軸回転速度から1つの主軸回転速度を指令回転速度として決定する主軸回転速度決定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の数値制御装置。
  3. 前記主軸回転速度決定手段は、前記回転速度検知手段が複数の主軸回転速度を検知した場合は、各主軸回転速度におけるX軸コンプライアンスとY軸コンプライアンスのうちの大きい方を検知し、複数の主軸回転速度のうちから大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を検知して指令速度とすることを特徴とする請求項2に記載の工作機械の数値制御装置。
  4. 前記主軸回転速度決定手段は、前記大きい方のコンプライアンスが最小の主軸回転速度を複数検知したとき、その複数の主軸回転速度のうちの最高の主軸回転速度を指令回転速度とすることを特徴とする請求項3に記載の工作機械の数値制御装置。
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