JP6311635B2 - 数値制御装置と制御方法 - Google Patents

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本発明は、数値制御装置と制御方法に関する。
数値制御装置が制御する工作機械は、剛性の低い工具を使用した時、又は荒加工のような重切削を行う時、びびり振動を発生する。びびり振動は工具と被削材間の振動である。びびり振動は、加工精度の低下、工具寿命の短縮等に繋がるので望ましくない。特許文献1が開示する振動検出装置は、加工中の推定外乱力をデジタルフィルタ処理することで、びびり振動の発生と発生したびびり振動の種類を検出する。特許文献2が開示する回転速度表示装置は、加工中に発生したびびり振動を解析する。解析した結果、強制びびり振動であれば工具接触周波数からびびり振動が生じやすい周波数を計算する。再生びびり振動であればびびり振動の位相情報から系の固有振動数と減衰比を計算で求めて安定限界線図を作成することで、作業者に望ましい加工条件を提示する。
特開2012−206230号公報 特開2012−196741号公報
特許文献1の振動検出装置は、どの加工条件が最適となるかについてテスト加工を繰り返さないと分からないという問題点があった。特許文献2の回転速度表示装置は、現在最も強く発生している一つの周波数の振動についてのみ解析を行う。それ故、複数の振動モードが影響(モードカップリング)する再生びびり振動については、安定限界線図を正しく推定できないという問題点があった。
本発明の目的は、実加工時にびびり振動が生じにくい工具回転数を求めることができる数値制御装置と制御方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る数値制御装置は、工具を回転して被削材を加工する機械を制御する数値制御装置において、前記被削材の実加工に対応するテスト加工を行い、該テスト加工中において所定時間毎に前記工具の回転数と前記機械の外乱トルクを夫々測定する測定手段と、前記測定手段が測定した前記工具の回転数と前記外乱トルクの情報である測定情報に基づき、前記工具にびびり振動が生じにくい前記工具の回転数である安定回転数を確定する確定手段と、前記確定手段が確定した前記安定回転数の情報である安定回転数情報を出力する出力手段とを備え、前記テスト加工は、連続的に前記工具の回転数を増加又は減少しながら、前記被削材と同一材質のテスト用被削材を加工する条件で行う加工であって、前記確定手段は、前記測定情報のうち、前記外乱トルクの周波数解析を行ってパワースペクトル値を解析する解析手段と、前記解析手段が解析した前記パワースペクトル値に基づき、前記所定時間毎の最大パワースペクトル値を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した前記最大パワースペクトル値の時間変化の中で、傾きが負から正に変化する変化時間に対応する前記工具の回転数を、前記安定回転数として確定する回転数確定手段とを備え、前記出力手段は、前記回転数確定手段が確定した前記安定回転数の情報を、前記安定回転数情報として出力することを特徴とする。数値制御装置は実加工に対応するテスト加工を一回行うことで、実加工でびびり振動が生じにくい安定回転数を確定できる。作業者は出力手段が出力した安定回転数を参照し、他条件を加味した上で最適な工具回転数を決定できる。それ故、数値制御装置は実加工において被削材を良好に加工できる。
請求項2に係る数値制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記確定手段は、前記算出手段が算出した前記所定時間毎の前記最大パワースペクトル値の夫々に対応するピーク周波数を演算する演算手段を備え、前記回転数確定手段は、前記演算手段が演算した前記ピーク周波数の時間変化の中で、閾値よりも大きい変化がある時間に対応する前記回転数を、前記安定回転数として確定することを特徴とする。数値制御装置はピーク周波数の時間変化の中で閾値よりも大きい変化を確定し易いので、安定回転数を容易に確定できる。
請求項3に係る数値制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記工具の一刃当たりの送り量は、前記工具の送り速度を、前記工具の刃数と前記回転数で除して得られる値であって、前記テスト加工では、前記工具の一刃当たりの送り量が一定となるように、前記工具の送り速度を変化させることを特徴とする。テスト加工では、工具の回転数が変化しても一刃当たりの送り量が一定であることから工具に働く切削力の大きさは一定である。それ故、数値制御装置はテスト加工中の最大パワースペクトル値を、工具の回転数に依らずに所定時間毎に比較できる。
請求項4に係る数値制御装置は、請求項1から3の何れか一つに記載の発明の構成に加え、前記解析手段は、前記所定時間毎の前記外乱トルクを、周波数解析手段を用いて、前記パワースペクトル値を解析することを特徴とする。それ故、数値制御装置は外乱トルクのパワースペクトル値を迅速且つ良好に解析できる。
請求項5に係る数値制御装置は、請求項1から4の何れか一つに記載の発明の構成に加え、前記測定手段は、前記機械の駆動軸の位置情報とトルクに基づき前記外乱トルクを推定する外乱オブザーバを備えたことを特徴とする。それ故、数値制御装置は機械に生じる外乱トルクを容易に推定できる。数値制御装置は外部センサを必要としないので、外部センサにかかる費用を削減できる。
請求項6に係る数値制御装置は、請求項1から5の何れか一つに記載の発明の構成に加え、前記テスト加工は、連続的に前記工具の回転数を減少しながら、前記被削材と同一材質のテスト用被削材を加工する条件で行う加工であることを特徴とする。それ故、数値制御装置は、テスト加工中に測定した外乱トルクの周波数解析の結果において、パワースペクトル値のピークを明瞭に確定できるので、安定回転数を明確に確定できる。
請求項7に係る制御方法は、工具を回転して被削材を加工する機械を制御する数値制御装置の制御方法において、前記被削材の実加工に対応するテスト加工を行い、該テスト加工中において所定時間毎に前記工具の回転数と前記機械の外乱トルクを夫々測定する測定工程と、前記測定工程で測定した前記工具の回転数と前記外乱トルクの情報である測定情報に基づき、前記工具にびびり振動が生じにくい前記工具の回転数である安定回転数を確定する確定工程と、前記確定工程で確定した前記安定回転数の情報である安定回転数情報を出力する出力工程とを備え、前記テスト加工は、連続的に前記工具の回転数を増加又は減少しながら、前記被削材と同一材質のテスト用被削材を加工する条件で行う加工であって、前記確定工程は、前記測定情報のうち、前記所定時間毎の前記外乱トルクの周波数解析を行ってパワースペクトル値を解析する解析工程と、前記解析工程で解析した前記パワースペクトル値に基づき、前記所定時間毎の最大パワースペクトル値を算出する算出工程と、前記算出工程で算出した前記最大パワースペクトル値の時間変化の中で、傾きが負から正に変化する変化時間に対応する前記工具の回転数を、前記安定回転数として確定する回転数確定工程とを備え、前記出力工程は、前記回転数確定工程で確定した前記安定回転数の情報を、前記安定回転数情報として出力することを特徴とする。それ故、数値制御装置は上記制御方法を行うことで、請求項1に記載の効果を得ることができる。
工作機械1の斜視図。 数値制御装置30と工作機械1の電気的構成を示すブロック図。 RAM33の各種記憶領域を示す概念図。 テスト加工の切削条件の一例を示す図。 テスト加工の切削方法を側方から見た図。 テスト加工の切削方法を上方から見た図。 安定回転数検出処理の流れ図。 測定処理の流れ図。 確定処理の流れ図。 外乱オブザーバを適用した外乱トルクの推定手順を示す図。 RAMに記憶した測定情報3331の一例を示す図。 テスト加工における工具回転数、パワースペクトル値、ピーク周波数、ピーク周波数のパワースペクトル値の夫々の変化を示す図表。 表示部25に表示した安定回転数検出結果表の図。 3000rpm/sの変化量で工具回転数を増減した時のSDFT解析結果を示す図表。加工した 5000rpm/sの変化量で工具回転数を増減した時のSDFT解析結果を示す図表。 7500rpm/sの変化量で工具回転数を増減した時のSDFT解析結果を示す図表。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下説明は、図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は、夫々、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。図1に示す工作機械1は主軸9に装着した工具4を高速回転し、作業台10上に保持した被削材3に切削加工を施す機械である。数値制御装置30(図2参照)は工作機械1の動作を制御する。
図1を参照し、工作機械1の構造を説明する。工作機械1は、基台2、コラム5、主軸ヘッド7、主軸9、作業台10、工具交換装置20、制御箱6、操作パネル(図示略)等を備える。基台2は金属製の略直方体状の土台である。コラム5は基台2上部後方に立設する。主軸ヘッド7はコラム5前面に沿ってZ軸方向に移動可能に設ける。主軸ヘッド7は内部に主軸9を回転可能に支持する。主軸9は主軸ヘッド7下部に装着穴(図示略)を有する。主軸9は該装着穴に工具4を装着し、主軸モータ52(図2参照)の駆動で回転する。主軸モータ52は主軸ヘッド7に設ける。主軸ヘッド7はコラム5前面に設けたZ軸移動機構(図示略)でZ軸方向に移動する。数値制御装置30はZ軸モータ51の駆動を制御することで、主軸ヘッド7をZ軸方向に移動制御する。
作業台10は基台2上部中央に設け、X軸モータ53(図2参照)、Y軸モータ54(図2参照)、ガイド機構(図示略)等により、X軸方向とY軸方向に移動可能である。数値制御装置30はX軸モータ53とY軸モータ54の夫々の駆動を制御することで、作業台10をX軸方向とY軸方向に移動制御する。
工具交換装置20は主軸ヘッド7の前側に設け、円盤型の工具マガジン21を備える。工具マガジン21は外周に複数の工具(図示略)を放射状に保持し、工具交換指令が指示する工具を工具交換位置に割り出す。工具交換指令はNCプログラムで指令する。工具交換位置は工具マガジン21の最下部位置である。工具交換装置20は主軸9に装着した工具4と工具交換位置にある工具とを入れ替え交換する。
制御箱6は数値制御装置30(図2参照)を格納する。数値制御装置30は、Z軸モータ51、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54を夫々制御し、作業台10上に保持した被削材3と主軸9に装着した工具4を相対移動することで各種加工を被削材3に施す。各種加工とは、例えばドリル、タップ等を用いた穴空け加工、エンドミル、フライス等を用いた側面加工等である。操作パネル(図示略)は、例えば工作機械1を覆うカバー(図示略)の外壁に設ける。操作パネルは入力部24と表示部25(図2参照)を備える。入力部24は各種情報、操作指示等の入力を受け付ける。表示部25は各種画面を表示する。
図2を参照し、数値制御装置30と工作機械1の電気的構成を説明する。数値制御装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶装置34、入出力部35、駆動回路51A〜55A等を備える。CPU31は数値制御装置30を統括制御する。ROM32は、メインプログラム、安定回転数検出プログラムを含む各種プログラム等を記憶する。メインプログラムは、メイン処理を実行するものである。メイン処理は、NCプログラムを1ブロックずつ読み込んで各種動作を実行する。NCプログラムは各種制御指令を含む複数のブロックで構成し、工作機械1の軸移動、工具交換等を含む各種動作をブロック単位で制御するものである。安定回転数検出プログラムは、後述する安定回転数検出処理(図7参照)を実行するものである。
RAM33は後述する各種記憶領域(図3参照)を備え、各種情報を記憶する。記憶装置34は不揮発性であり、NCプログラムと各種データを記憶する。CPU31は作業者が入力部24で入力したNCプログラムに加え、外部入力で読み込んだNCプログラム等を記憶装置34に記憶できる。
駆動回路51AはZ軸モータ51とエンコーダ51Bに接続する。駆動回路52Aは主軸モータ52とエンコーダ52Bに接続する。駆動回路53AはX軸モータ53とエンコーダ53Bに接続する。駆動回路54AはY軸モータ54とエンコーダ54Bに接続する。駆動回路55Aは工具マガジン21を駆動するマガジンモータ55とエンコーダ55Bに接続する。駆動回路51A〜55AはCPU31から指令を受け、対応する各モータ51〜55に駆動電流を夫々出力する。駆動回路51A〜55Aはエンコーダ51B〜55Bからフィードバック信号を受け、位置と速度のフィードバック制御を行う。入出力部35は入力部24と表示部25に夫々接続する。
図3を参照し、RAM33の記憶領域を説明する。RAM33はバッファ領域331、パラメータ記憶領域332、測定情報記憶領域333等を備える。バッファ領域331は、後述する安定回転数検出処理を実行する時の作業領域である。パラメータ記憶領域332は後述する各種パラメータを記憶する。測定情報記憶領域333は、後述する測定情報3331(図11参照)を記憶する。
テスト加工を説明する。数値制御装置30は、後述する安定回転数検出処理の中で、実加工を想定した一回のテスト加工を実施し、該テスト加工中に生じるびびり振動を周波数解析することで、びびり振動が生じにくい工具4の回転数(以下、安定回転数と呼ぶ)を確定する。実加工とは、工作機械1が被削材3に実施する加工を意味する。テスト加工を実施する為、作業者は、安定回転数検出処理を実行する前の準備として、テスト加工の切削条件を設定する必要がある。
図4〜図6を参照し、テスト加工の切削条件を説明する。図4に示すテスト加工の切削条件は、φ10(mm)のスクエアエンドミルを用いて被削材3の側面を切削する実加工を想定したものである。図5,図6は、図4に示す切削条件で実施するテスト加工の切削方法を示す。図4に示す如く、作業者はテスト加工の切削条件について、例えば、一刃当たりの送り量(mm)、半径方向切込量(mm)、切削幅(mm)、切削油の有無、工具種類、突出量(mm)、刃数、被削材を夫々設定する。突出量は、主軸9の先端から工具4先端までの長さである(図5参照)。切削幅はテスト加工用の被削材300を工具4で切削する部分の幅であり、工具4の軸方向に平行な長さである(図5参照)。刃数は工具4の刃数である。
例えば、一刃あたりの送り量は0.0875(mm)、半径方向切込量は0.5(mm)、切削幅は15(mm)、切削油は無、工具はφ10(mm)のスクエアエンドミル、突出量は60(mm)、刃数は2、被削材300はアルミニウム(A2017)である。テスト加工の切削条件は、実加工時の切削条件に近いものにするのが好ましい。図5に示す如く、作業者は、テスト加工の切削条件(図4参照)に従い、被削材300と工具4を用意する。作業者は、被削材300を作業台10上に冶具(図示略)を用いて固定し、工具4を主軸9に装着する。
図7〜図9を参照し、CPU31が実行する安定回転数検出処理を説明する。テスト加工の準備が完了した時、作業者は操作パネルの入力部24で安定回転数検出処理の実行開始の指示を入力する。CPU11は入力部24で該指示の入力を受け付けた時、ROM32から安定回転数検出プログラムを読み込んで本処理を実行する。図7に示す如く、先ずCPU11は測定処理を実行する(S1)。
図8を参照し、測定処理を説明する。CPU31はパラメータ入力処理を実行する(S11)。パラメータ入力処理では、CPU31は操作パネルの入力部24で作業者が入力する五つのパラメータを受け付け、RAM33のパラメータ記憶領域332(図3参照)に記憶する。五つのパラメータは以下の通りである。
・開始回転数:テスト加工開始時の工具4の回転数(rpm)
・終了回転数:テスト加工終了時の工具4の回転数(rpm)
・一刃当たりの送り量:工具4の一刃あたりの工具4の送り量(mm)
・回転数変更速度:工具4の回転数の減少速度(rpm/s)
・刃数:工具4の刃数
本実施形態では、開始回転数は9000(rpm)、終了回転数は5400(rpm)、回転数変更速度は1080(rpm/s)、刃数は2とする。パラメータ入力処理は入力部24で作業者によるパラメータ入力の確定指示を受け付けた時に完了する。
パラメータ入力処理の完了後、CPU31はテスト加工を開始する為、主軸9の回転数を開始回転数に設定する(S12)。主軸9と共に工具4は9000(rpm)で回転する。CPU31は送り速度を以下の数1で演算する(S13)。
(数1)
送り速度(mm/min)=現在の主軸の回転数(rpm)×一刃あたりの送り量(mm)×工具の刃数
一刃当たりの送り量と工具の刃数は、RAM33のパラメータ記憶領域332に記憶した値を用いる。後述の如く、工具4の回転数は時間と共に減少するが、一刃当たりの送り量と工具の刃数は予め設定した値であるので、送り速度が変化する。即ち、一刃当たりの送り量は一定であるので、工具4における工具に働く切削力の大きさは一定である。
CPU31はS13の処理で演算した送り速度に従い、被削材300を移動する(S14)。本実施形態の工作機械1は、主軸9がZ軸方向に移動し、作業台10がX軸方向とY軸方向に移動する機械である。それ故、図5,図6に示す如く、CPU31は、回転する工具4に対し、作業台10をX軸方向に演算した送り速度で移動することで、被削材300の側面を工具4で切削する。例えば、主軸がX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動可能である工作機械の場合、CPU31は被削材300に対して、回転する工具4をX軸方向に移動すればよい。本実施形態のテスト加工では、被削材300をX軸方向に移動して行うが、Y軸方向でもよい。
CPU31は所定周期毎に外乱トルクを測定し、現在の時間、現在の回転数と共に、測定情報3331(図11参照)としてRAM33の測定情報記憶領域333(図3参照)に記憶する(S15)。なお、本実施形態の外乱トルクを測定する所定周期は0.125ms(周波数:8000Hz)であるが、これに限定しない。外乱トルクの測定について、CPU31は主軸モータ52の電流モニタ値と主軸角速度に「外乱オブザーバ」を適用する。
外乱オブザーバを用いた外乱トルクの測定原理を説明する。工作機械1の主軸9における運動方程式は,モータトルクTと負荷トルクT(切削トルク、摩擦トルクの合計)を考慮して以下の数2のように表すことができる。
ω[rad/s]は主軸角速度である。I[A]は電流モニタ値である。J[kg/m]は主軸慣性モーメントである。K[Nm/A]は主軸モータ52のトルク定数である。
慣性モーメントとトルク定数は、機械的な構成やトルクリップルなどにより、夫々ΔJ、ΔKのばらつきがある。ばらつきは、通常、切削負荷と比べて微少であり無視できる。故に外乱トルクTdisは切削トルクTcutと摩擦トルクTfricの合計と定義される。それ故、以下の数3のように、電流モニタ値と主軸角速度とから外乱トルクTdisを推定できる。
CPU31は、S15の処理の中で、電流モニタ値をトルク情報として主軸モータ52から取得する。CPU31は取得した電流モニタ値とトルク定数によりトルク(T)を算出する。更にCPU31は主軸モータ52に設けたエンコーダ52B(図2参照)より駆動軸の位置情報として主軸角速度(ω)を取得する。
主軸角速度を微分すると高周波域におけるノイズは大きくなる。図10に示す如く、CPU31は図8に示す測定処理のS15においてローパスフィルタ(LPF)を用いて高周波ノイズを遮断して外乱トルクを推定する。推定可能な外乱トルクの周波数はLPFに依存する。CPU31は外乱トルクを推定する為に、LPFの遮断周波数をびびり振動周波数よりも高く設定する。それ故、CPU31は切削加工中の外乱トルクを推定できる。
図8の測定処理に戻り、CPU31は、RAM33のパラメータ記憶領域332(図3参照)から回転数変更速度を読み込み、該回転数変更速度に従い回転数を減少する(S16)。CPU31は現在の回転数が終了回転数に到達したか判断する(S17)。終了回転数に到達していない時(S17:NO)、CPU31はS13に戻り、減少した回転数で送り速度を演算する。CPU31は演算した送り速度に変更し、回転する工具4に対して作業台10を引き続き移動する(S14)。CPU31は所定周期毎に外乱トルクを測定し続け、現在の時間と回転数と共に、RAM33の測定情報記憶領域333に記憶する(S15)。
テスト加工中、CPU31は回転数変更速度に従い回転数を減少し(S16)、現在の回転数が終了回転数に到達するまで(S17:NO)、CPU31はS13〜S16の処理を繰り返す。現在の回転数が終了回転数に到達した時(S17:YES)、CPU31は工具4から被削材300を退避し、主軸9の回転を停止してテスト加工を終了する(S18)。CPU31は測定処理を終了し、図3のS2に処理を進め、確定処理を実行する。
図9を参照し、確定処理を説明する。RAM33に記憶した測定情報3331において、CPU31は先頭行から一定時間分(例えば0.1秒分)の測定情報を纏めて取得し、RAM33のバッファ領域331(図3参照)に読み込む(S21)。CPU31はバッファ領域331に読み込んだ一定時間分の測定情報について、外乱トルクのSDFT(スライディング離散フーリエ変換)による周波数解析を実行する(S22)。SDFTとは、離散フーリエ変換による信号の周波数解析を行う際に、解析区間をサンプル時間ずつずらすことで時間方向の分解能を高めるための手法である。SDFT解析では、例えば図12(b)に示す如く、テスト加工中に発生したびびり振動の周波数(Hz)とパワースペクトル密度((Nm)/Hz)を解析する。
CPU31は、SDFT解析結果のうち最大となる最大パワースペクトル値を算出する(S23)。CPU31は算出した最大パワースペクトル値に対応する周波数であるピーク周波数を確定する(S24)。CPU31は最大パワースペクトル値とピーク周波数をRAM33に記憶する。CPU31は、今回のピーク周波数と1ステップ前のピーク周波数との差分の絶対値が閾値よりも大きいか判断する(S25)。1ステップ前のピーク周波数とは、前回確定したピーク周波数であり、RAM33に記憶した一つ前のピーク周波数を意味する。閾値は記憶装置34に予め記憶し、作業者が自由に設定可能である。差分の絶対値が閾値以下の時(S25:NO)、びびり振動の周波数は連続しているとみなし、CPU31はRAM33に記憶する測定情報3331を全て処理したか判断する(S28)。
未処理の測定情報が有る時(S28:NO)、CPU31はRAM33のバッファ領域331に読み込んだ測定情報のうち最も時間の古い0.125(ms)分の測定情報を削除し(S29)、測定情報記憶領域333に記憶した測定情報3331から次の0.125(ms)分の測定情報をバッファ領域331に読み込む(S30)。CPU31はS22に戻り、新しい時間分を加えた測定情報について、外乱トルクのSDFT解析を実行し、上記処理を繰り返す(S22〜S24)。
S25において差分の絶対値が閾値より大きい時(S25:YES)、ピーク周波数は不連続であるとみなすことができる。ピーク周波数の不連続な部分では、びびり振動が小さい可能性がある。それ故、CPU31はバッファ領域331に読み込んだ測定情報において、回転数の平均値を算出する(S26)。CPU31は算出した平均値を安定回転数として、記憶装置34に記憶する(S27)。
図12を参照し、ピーク周波数の不連続な部分における最大パワースペクトル値の時間変化を検証する。図12(a)はテスト加工中の工具4の回転数の変化を示す。加工開始後、工具4の回転数は9000(rpm)から5400(rpm)まで、1080(rpm/s)の回転数変更速度に従い減少している。
図12(b)はテスト加工中に測定した外乱トルクのSDFT解析結果を示す。テスト加工開始後、2000、2200、2300(Hz)付近に、主に三つのパワースペクトルが出現する。びびり振動は夫々の周波数で生じている。回転数が減少を開始するに伴い、三つのパワースペクトルの周波数は徐々に低下するが、テスト加工開始後から2.2秒後、3.1秒後、3.9秒後、4.4秒後に、最初の周波数付近まで瞬間的に戻り、再度徐々に低下することを繰り返している。
図12(c)は、図12(b)のSDFT解析結果において、所定時間(例えば0.125ms)毎に最大パワースペクトル値を算出し、算出した最大パワースペクトル値の周波数であるピーク周波数を所定時間毎にプロットしたものである。ピーク周波数は、図12(b)のパワースペクトルの変化に対応するように低下するが、テスト加工開始から2.2秒後、3.1秒後、3.9秒後、4.4秒後において不連続な部分(図中点線で囲った部分を参照)を生じている。不連続な部分とは、ピーク周波数の傾きが負から正に瞬間的に切り換わる部分であって閾値より大きく変化する部分である。
図12(d)は、図12(c)に示すピーク周波数の時間変化を、パワースペクトル値の時間変化に置き換えたものである。パワースペクトル値は、ピーク周波数が低下する部分に対応して山なりに上昇するが、ピーク周波数の不連続な部分においては低下している(図中点線で囲った部分参照)。パワースペクトル値が低い部分では、びびり振動は小さい。それ故、本実施形態は、ピーク周波数の時間変化の中で不連続な部分が生じる変化時間に対応する工具4の回転数を、びびり振動が生じにくい安定回転数として確定できる。
図9に戻り、CPU31はRAM33に記憶する測定情報を全て処理した時(S28:YES)、記憶装置34は、安定回転数情報として、例えば8200(rpm)、7050(rpm)、5900(rpm)を記憶する。CPU31は確定処理を終了し、図7のS3に処理を進める。
CPU31は表示処理を実行する(S3)。表示処理では、CPU31は確定処理で記憶装置34に記憶した安定回転数情報を表示部25に出力する。例えば、図13に示す如く、CPU31は、表示部25に、安定回転数検出結果表を表示する。安定回転数検出結果表は、安定回転数の候補として、例えば、8200(rpm)、7050(rpm)、5900(rpm)を夫々表示する。作業者は表示部25に表示した安定回転数検出結果表と、他の条件を勘案した上で、びびり振動が生じにくい最良の回転数を選択できる。また、数値制御装置30は、実加工でびびり振動が発生した時に、記憶装置34に記憶した安定回転数情報に基づき、自動的にびびり振動が生じにくい工具回転数に変更するようにしてもよい。
図14〜図16を参照し、テスト加工において工具4の回転数を増加させた場合と減少させた場合で、安定回転数の確定のし易さを比較した比較実験を説明する。上記実施形態は、図8に示す測定処理のS15,S16において、工具4の回転数を回転数変更速度に従い減少しながら外乱トルクを測定する。本実施形態は、工具4の回転数を増加しながら外乱トルクを測定してもよいが、安定回転数をより明確に確定する為には、回転数を減少しながら外乱トルクを測定するのが好ましい。そこで、上記のテスト加工において、工具4の回転数を増加させた場合と減少させた場合とで、SDFT解析結果におけるパワースペクトル値のピークの明瞭性について比較実験を行った。加工条件は以下の通りである。
・軸方向切込量(切削幅):15mm
・半径方向切込量:0.5mm
上記の加工条件で、工具4の回転数に対し、3000rpm/s、5000rpm/s、7500rpm/sの変化量(加速度に相当)を夫々与え、SDFT解析を行った。比
実験結果を説明する。図14は3000rpm/sの変化量を与えた場合のSDFT解析結果、図15は7500rpm/sの変化量を与えた場合のSDFT解析結果、図16は7500rpm/sの変化量を与えた場合のSDFT解析結果である。
図14に示す如く、3000rpm/sの変化量で工具4の回転数を増減した場合、5400rpmから9000rpmに到達するまでの時間、及び9000rpmから5400rpmに到達するまでの時間は1.2秒である。SDFT解析結果を見ると、工具回転数が増加する時よりも減少する時の方が、パワースペクトル値のピークを明瞭に確認できた。
図15に示す如く、5000rpm/sの変化量で工具4の回転数を増減した場合、5400rpmから9000rpmに到達するまでの時間、及び9000rpmから5400rpmに到達するまでの時間は0.72秒である。SDFT解析結果を見ると、図14と同様に、工具回転数が増加する時よりも減少する時の方が、パワースペクトル値のピークを明瞭に確認できた。
図16に示す如く、7500rpm/sの変化量で工具4の回転数を増減した場合、5400rpmから9000rpmに到達するまでの時間、及び9000rpmから5400rpmに到達するまでの時間は0.48秒である。SDFT解析結果を見ると、図14,図15と同様に、工具回転数が増加する時よりも減少する時の方が、パワースペクトル値のピークは強く出ているが、一部のピークが消失して確認できなかった(図中点線で囲った部分参照)。原因は回転数変更速度が速過ぎてびびり振動が十分発達するだけの時間がなかったことが考えられる。
上記結果により、テスト加工では回転数を減少しながら外乱トルクを測定する方が、パワースペクトル値のピークを明瞭に確定できるので、安定回転数をより明確に確定できることが実証された。また、回転数を減少する際の回転数変更速度は、少なくとも7500rpm/sよりも低い速度に設定した方がよいことが実証された。
上記説明にて、図1に示す工作機械1が本発明の機械に相当し、被削材3が本発明の被削材に相当し、被削材300が本発明のテスト用被削材に相当する。図7のS1の処理を実行するCPU31が本発明の測定手段に相当し、S2の処理を実行するCPU31が本発明の確定手段に相当し、S3の処理を実行するCPU31が本発明の出力手段に相当し、図9のS22の処理を実行するCPU31が本発明の解析手段に相当し、S23の処理を実行するCPU31が本発明の算出手段に相当し、S25〜S27の処理を実行するCPU31が本発明の回転数確定手段に相当し、S24の処理を実行するCPU31が本発明の演算手段に相当する。図7のS1の工程が本発明の測定工程に相当し、S2の工程が本発明の確定工程に相当し、S3の工程が本発明の出力工程に相当し、図9のS22の工程が本発明の解析工程に相当し、S23の工程が本発明の工程に相当し、S25〜S27の工程が本発明の回転数確定工程に相当する。
以上説明の如く、本実施形態の数値制御装置30は、工具4を回転して被削材3を加工する工作機械1を制御する。数値制御装置30のCPU31は安定回転数検出処理を実行することで、びびり振動が起きにくい工具4の回転数を検出できる。安定回転数検出処理は、測定処理、確定処理、表示処理を備える。測定処理では、CPU31は、被削材3の実加工に対応するテスト加工を行い、該テスト加工中において所定時間毎に工具4の回転数と工作機械1に生じる外乱トルクを夫々測定する。テスト加工は、連続的に工具4の回転数を減少しながら、被削材3と同一材質のテスト用の被削材300を加工する条件で行う。確定処理では、CPU31は、測定処理で測定した工具4の回転数と外乱トルクの情報である測定情報3331に基づき、安定回転数を確定する。出力処理では、CPU31は、確定処理で確定した安定回転数の情報である安定回転数情報を表示部25に出力する。
具体的には、確定処理にて、CPU31は測定情報3331のうち、所定時間毎の外乱トルクの周波数解析を行ってパワースペクトル値を解析する。CPU31は解析したパワースペクトル値に基づき、所定時間毎の最大パワースペクトル値を算出する。CPU31は最大パワースペクトル値の夫々に対応するピーク周波数を演算し、演算したピーク周波数の時間変化の中で、閾値よりも大きい変化がある変化時間に対応する回転数を安定回転数として確定する。
それ故、数値制御装置30は実加工に対応するテスト加工を一回行うことで、実加工でびびり振動が生じにくい安定回転数を確定できる。作業者は表示部25に表示した安定回転数情報を参照し、他条件を加味した上で最適な工具回転数を決定できる。それ故、数値制御装置30は実加工において被削材3を良好に加工できる。また、数値制御装置30はピーク周波数の時間変化の中で閾値よりも大きい変化を確定し易いので、安定回転数を容易に確定できる。
また本実施形態では特に、工具4の一刃当たりの送り量は、工具4の送り速度を、工具4の刃数と回転数で除して得られる値である。テスト加工では工具4の一刃当たりの送り量が一定となるように、数値制御装置30は工具4の送り速度を変化させる。テスト加工では、工具4の回転数が変化しても一刃当たりの送り量が一定であることから工具に働く切削力の大きさは一定である。それ故、数値制御装置30はテスト加工中の最大パワースペクトル値を、工具4の回転数に依らずに所定時間毎に比較できる。
また本実施形態では特に、数値制御装置30は、所定時間毎の外乱トルクを、高速フーリエ変換処理を用いて、パワースペクトル値を解析する。それ故、数値制御装置30は外乱トルクのパワースペクトル値を迅速且つ良好に解析できる。
また本実施形態では特に、数値制御装置30は、工作機械1の主軸モータ52の位置情報とトルクに基づき外乱トルクを推定する外乱オブザーバを備える。それ故、数値制御装置30は工作機械1に生じる外乱トルクを容易に推定できる。数値制御装置30は外部センサを必要としないので、外部センサにかかる費用を削減できる。
また本実施形態では特に、テスト加工は連続的に工具4の回転数を減少しながら、被削材3と同一材質のテスト用の被削材300を加工する条件で行う。それ故、数値制御装置30は、テスト加工中に測定した外乱トルクのSDFT解析結果において、パワースペクトル値のピークを明瞭に確定できるので、安定回転数を明確に確定できる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。上記実施形態は、工作機械1の動作を制御する数値制御装置であるが、びびり振動の検出専用の振動検出装置であってもよく、所謂パーソナルコンピュータ等の汎用型の装置であってもよい。
また上記実施形態では、主軸モータ52の位置情報とトルク情報を用いて説明したが、例えば、X軸モータ53、Y軸モータ54、Z軸モータ51の情報を用いてもよいし、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54、Z軸モータ51の内から複数の情報を元に総合的に判断してもよい。X軸、Y軸、Z軸は、被削材3に対して工具8を直交する3軸(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に移動させる制御軸である。X軸モータ53、Y軸モータ54、Z軸モータ51は、これら制御軸の駆動モータである。
また上記実施形態では、縦型の工作機械1を例示して説明したが、本発明は主軸が略水平方向に延びる横型の工作機械であってもよい。
また上記実施形態では、図9の確定処理のS25において、今回のピーク周波数と1ステップ前のピーク周波数との差分の絶対値が閾値よりも大きいか判断するが、例えば、図12(d)に示す如く、所定時間毎のピーク周波数のパワースペクトル値を算出し、該算出したパワースペクトル値の時間変化を求めた上で、以下の二つの条件を何れも満たすか判断するようにしてもよい。
・(ピーク周波数のパワースペクトル値)−(1ステップ前のピーク周波数のパワースペクトル値)の符号が正であること。
・(1ステップ前のパワースペクトル値)−(2ステップ前のパワースペクトル値)の符号が負又は0であること。
上記二つの条件を何れも満たす時、図12(d)に示す如く、ピーク周波数のパワースペクトル値の時間変化の傾きは負から正に変わる時である(図中点線で囲った部分参照)。それ故、CPU31は処理をS26,S27に進め、その時間に対応する工具4の回転数を安定回転数として確定できる。
また上記実施形態では、図9の確定処理のS24,S25において、CPU31は最大パワースペクトル値の夫々に対応するピーク周波数を演算し、演算したピーク周波数の時間変化の中で、閾値よりも大きい変化がある変化時間に対応する回転数を安定回転数として確定するが、例えば、最大パワースペクトル値の時間変化の中で、傾きが負から正に変化する変化時間に対応する工具4の回転数を安定回転数として確定してもよい。
また上記実施形態では、図7のS3において、CPU31は安定回転数情報を表示部25に表示するが、例えば、入出力部35を介して外部装置(図示略)に出力するようにしてもよい。
また上記実施形態では、測定情報3331の外乱トルクについてSDFT解析を行うが、例えば、FFT解析、ウェーブレット解析等の方法で周波数解析を行ってもよい。
1 工作機械
3 被削材
4 工具
30 数値制御装置
31 CPU
300 被削材

Claims (7)

  1. 工具を回転して被削材を加工する機械を制御する数値制御装置において、
    前記被削材の実加工に対応するテスト加工を行い、該テスト加工中において所定時間毎に前記工具の回転数と前記機械の外乱トルクを夫々測定する測定手段と、
    前記測定手段が測定した前記工具の回転数と前記外乱トルクの情報である測定情報に基づき、前記工具にびびり振動が生じにくい前記工具の回転数である安定回転数を確定する確定手段と、
    前記確定手段が確定した前記安定回転数の情報である安定回転数情報を出力する出力手段と
    を備え、
    前記テスト加工は、
    連続的に前記工具の回転数を増加又は減少しながら、前記被削材と同一材質のテスト用被削材を加工する条件で行う加工であって、
    前記確定手段は、
    前記測定情報のうち、前記外乱トルクの周波数解析を行ってパワースペクトル値を解析する解析手段と、
    前記解析手段が解析した前記パワースペクトル値に基づき、前記所定時間毎の最大パワースペクトル値を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した前記最大パワースペクトル値の時間変化の中で、傾きが負から正に変化する変化時間に対応する前記工具の回転数を、前記安定回転数として確定する回転数確定手段と
    を備え、
    前記出力手段は、
    前記回転数確定手段が確定した前記安定回転数の情報を、前記安定回転数情報として出力すること
    を特徴とする数値制御装置。
  2. 前記確定手段は、
    前記算出手段が算出した前記所定時間毎の前記最大パワースペクトル値の夫々に対応するピーク周波数を演算する演算手段を備え、
    前記回転数確定手段は、
    前記演算手段が演算した前記ピーク周波数の時間変化の中で、閾値よりも大きい変化がある前記変化時間に対応する前記回転数を、前記安定回転数として確定すること
    を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記工具の一刃当たりの送り量は、前記工具の送り速度を、前記工具の刃数と前記回転数で除して得られる値であって、
    前記テスト加工では、
    前記工具の一刃当たりの送り量が一定となるように、前記工具の送り速度を変化させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。
  4. 前記解析手段は、
    前記所定時間毎の前記外乱トルクを、周波数解析処理を用いて、前記パワースペクトル値を解析すること
    を特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の数値制御装置。
  5. 前記測定手段は、
    前記機械の駆動軸の位置情報とトルクに基づき前記外乱トルクを推定する外乱オブザーバを備えたこと
    を特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の数値制御装置。
  6. 前記テスト加工は、
    連続的に前記工具の回転数を減少しながら、前記被削材と同一材質のテスト用被削材を加工する条件で行う加工であること
    を特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の数値制御装置。
  7. 工具を回転して被削材を加工する機械を制御する数値制御装置の制御方法において、
    前記被削材の実加工に対応するテスト加工を行い、該テスト加工中において所定時間毎に前記工具の回転数と前記機械の外乱トルクを夫々測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定した前記工具の回転数と前記外乱トルクの情報である測定情報に基づき、前記工具にびびり振動が生じにくい前記工具の回転数である安定回転数を確定する確定工程と、
    前記確定工程で確定した前記安定回転数の情報である安定回転数情報を出力する出力工程と
    を備え、
    前記テスト加工は、
    連続的に前記工具の回転数を増加又は減少しながら、前記被削材と同一材質のテスト用被削材を加工する条件で行う加工であって、
    前記確定工程は、
    前記測定情報のうち、前記外乱トルクの周波数解析を行ってパワースペクトル値を解析する解析工程と、
    前記解析工程で解析した前記パワースペクトル値に基づき、前記所定時間毎の最大パワースペクトル値を算出する算出工程と、
    前記算出工程で算出した前記最大パワースペクトル値の時間変化の中で、傾きが負から正に変化する変化時間に対応する前記工具の回転数を、前記安定回転数として確定する回転数確定工程と
    を備え、
    前記出力工程は、
    前記回転数確定工程で確定した前記安定回転数の情報を、前記安定回転数情報として出力すること
    を特徴とする制御方法。
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