JP5917251B2 - びびり振動の抑制システム及び抑制方法 - Google Patents

びびり振動の抑制システム及び抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械の主軸に取付けた切削工具により切削加工を行うときに発生する自励びびり振動、とりわけモードカップリングを抑制するための、びびり振動抑制システム及び抑制方法に関する。
エンドミル等の切削工具を使用した被削材の切削加工において、切削工具が低剛性であったり、逆に被削材が高硬度であったり、あるいは重切削を行ったりすると、切削工具と被削材との間に、いわゆる「びびり振動」と呼ばれる音を発する振動が発生することがある。
このびびり振動は、切削加工の加工精度を悪化させたり、切削加工工具を破損させたりするので、「ひびり振動」を抑制する種々の対策が従来から取られている。不等ピッチ工具や不等リード工具の使用、或いは特許文献1(特許第4433422号公報)や特許文献2(特開2012−56051号公報)などに記載されている、切削速度の低減・変更や、切削幅の低減・変更等はその一例である。しかしながら、びびり振動の発生機構は複雑であり、未解明な部分も残っているため、従来の振動抑制対策だけで十分な効果があがっているとは言い難い。
びびり振動は、その発生機構により、強制びびり振動と自励びびり振動の2種類に分類される。強制びびり振動は、何らかの強制振動源による力外乱(切削力変動など)や変位外乱(モータや歯車などに起因する振動)によって発生する。一方、自励びびり振動は、主として「再生効果」と「モードカップリング」によって引き起こされる。この自励びびり振動は、いったん発生すると大きな振動に成長することが多いので、その抑制対策が特に重要である。
工具は、その剛性との関係で、程度差はあるが被削材の回転切削中に常に振動しており、前記「再生効果」は、工具の所定の刃による切削で生じた振動が、次の刃による切り取り厚さの変動に影響することにより生ずる。この振動は再生びびり振動と呼ばれる。また「モードカップリング」では、このような切り取り厚さの変動の影響が、方向が異なる複数の振動モード相互間で互いに作用し合い、工具の振動方向(切込み方向)が常に変化する(機械構造の伝達関数の連成)。
自励びびり振動を有効に抑制するためには、その発生機構に対応した適切な対策が必要である。前記特許文献1(特許第4433422号公報)は、主軸回転数Sと工具刃数Nで決まる切削力の変動周期(T=60/(S×N))と、再生びびり振動の周波数ωの積が、整数となるように主軸回転数を変更することで、再生びびり振動を抑制することを開示している([0002]段参照)。前記特許文献2(特開2012−56051号公報)は、再生びびり振動が発生したことをセンサが検知すると、主軸回転速度を所定割合で増減することで再生びびり振動を抑制することを開示している。
特許第4433422号公報 特開2012−56051号公報
前述したように、特許文献1、2の発明はいずれも再生びびり振動の抑制に関する技術であり、これをそのままモードカップリングの抑制に利用することはできない。旋削では比較的再生びびり振動が多いが、ミリングでは再生びびり振動とモードカップリングが混在するケースが多い(特開2011−206894号公報、明細書[0080]段参照)。そこで、モードカップリングにも対応した自励びびり振動抑制対策が強く望まれている。
本発明の第1の課題は、再生びびり振動だけでなく、モードカップリングも含めた自励びびり振動の数理モデルを確立し、両タイプの自励びびり振動を抑制することができるびびり振動抑制システム及び抑制方法を提供することにある。
本発明の第2の課題は、前記数理モデルを基礎として、びびり振動の位相シフト量を事前に知ることなく、すなわち、工具の種類、被削材質、切込み量に関する情報を事前に知ることなく、モードカップリングを含めた自励びびり振動を簡単に抑制することができる装置及び方法を提供することにある。
以下、前記第1と第2の課題を解決するための手段について説明する。
(第1の課題を解決するための手段)
第1の課題は、以下の手段(1)(2)により解決される。手段(1)(2)は、共通の構成要件を具備するシステムと方法である。
手段(1)
主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制システムであって、当該システムは、
びびり振動の周波数(ω)を検出する検出手段と、
前記回転工具の切削抵抗係数行列から前記びびり振動の位相シフト量(φ)を演算すると共に、当該位相シフト量(φ)から前記回転工具を含むびびり振動発生系の固有振動数(ωn)を演算する演算手段を有し、
前記びびり振動周波数(ω)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn)を、モードカップリングを含む自励びびり振動の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、当該導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制システム。
手段(2)
主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制方法であって、当該抑制方法は、
びびり振動の周波数(ω)を検出する検出工程と、
前記回転工具の切削抵抗係数行列から前記びびり振動の位相シフト量(φ)を演算すると共に、当該位相シフト量(φ)から前記回転工具を含むびびり振動発生系の固有振動数(ωn)を演算する演算工程を有し、
前記びびり振動周波数(ω)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn)を、モードカップリングを含む自励びびり振動の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、当該導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制方法。
第1の課題の解決手段は以上の通りである。前記「数理モデル」は、具体的には特許請求の範囲に記載した請求項2の[数24]〜[数26]や、請求項7の[数27]〜[数29](後述する[数11]、[数12]、[数14]と同じ)で表すことができるが、「数理モデル」は当該数式に限定されるものではなく、これらを数学的に変形したものも本発明の技術的範囲に当然包含される。
次に、前記「数理モデル」を導出する過程について説明する。
(びびり振動の発生機構)
図1はエンドミルによる加工モデルを示したもので、1はエンドミル、2は被削材、kx、kyはバネ定数、cx、cyは減衰係数である。
また、この加工モデルによるびびり振動のブロック線図を図2に示す。
切削抵抗係数行列[A]は、工具の種類、被削材質、切込み量から決定される係数行列であり、各方向の切込みに比例して生じる切削抵抗の大きさを表す。切削抵抗係数行列[A]の各成分は次のとおりである。
αxx:X方向の切込みに比例して生じるX方向の切削抵抗の係数
αxy:Y方向の切込みに比例して生じるX方向の切削抵抗の係数
αyy:Y方向の切込みに比例して生じるY方向の切削抵抗の係数
αyx:X方向の切込みに比例して生じるY方向の切削抵抗の係数
機械構造の伝達関数行列[G]は、各方向の切削抵抗により生じる各方向の変位を表し、その各成分は次のとおりである。
xx:X方向の切削抵抗により生じるX方向の変位を表す伝達関数
xx=x/fx=1/(mx2+cxs+kx
yy:Y方向の切削抵抗により生じるY方向の変位を表す伝達関数
yy=y/fy=1/(my2+cys+ky
s=jωとして、切削力変動と振動変位の関係(図2の左半分)は、切削抵抗係数行列[A]を用いて次式[数1]で表される。ここでjは虚数を表す。
また、切削力変動と振動変位の関係(図2の右半分)は、機械構造の伝達関数行列[G]を用いて次式[数2]で表される。
[数1]、[数2]より次式[数3]が得られる。
モードカップリングは、複数の振動モードが互いに近い固有振動数を有する場合に生じるので、gxx=gyy=gisoと仮定すると、[数3]は次式[数4]に書換えられる。
安定限界で[数4]が成立するには、次式[数5]が成り立つ必要がある。
[数5]より次式[数6]が得られる。
[数6]では、簡単のため、次式[数7]の置き換えを行っている。
[数6]の解は、次式[数8]のように複素数で表すことができる。
[数8]から、位相シフト量φは[数9]で表すことができる。
ここで、機械構造の伝達関数は次式[数10]で表すことができる。
k:バネ定数
ωn:固有振動数
ω:びびり振動の周波数
ζ:減衰比
(モードカップリングを含む自励びびり振動の数理モデル)
[数6]〜[数10]と、次式[数10A]の関係を用いることにより、無次元安定限界切込み量alim、切削力の変動周期Tとびびり振動の周波数ωの関係について、[数11]が得られる。
前記[数11]は、[数8]の複素数の実部「βR」を与える。
また、[数8]の複素数の虚部「βI」は、次式[数12]で与えられる。
前記[数12]より、切削力の変動周期Tと、びびり振動の周波数ωの関係は、次式[数13]、[数14]で表される。
n=1,2,3・・・
(再生びびり振動の数理モデル)
[数14]において、モードカップリングが生じない場合、すなわち再生びびり振動であって機械構造の伝達関数が連成しない場合は、位相シフト量φ=0である。
位相シフト量φ=0(再生びびり振動)のとき、[数11]〜[数14]は、以下の[数15]〜[数18]で表される。
n=1,2,3・・・
[数14]と[数18]を比較することで、モードカップリングが生じる場合、主軸回転数Sと工具刃数Nで決まる切削力の変動周期Tと、びびり振動の周波数ωの位相は、再生びびり振動に比べて、−2φだけずれることがわかる。
(自励びびり振動の数理モデルの検証)
図3(a)(b)の曲線は、前記[数13]と[数14]、及び[数17]と[数18]を使用し、機械構造の固有振動数ωn:1940Hz、減衰比ζ:0.035として、びびり振動の周波数(Hz)と位相シフト量(rad)を、モードカップリング「あり」と「なし」で別々に計算した結果を示している。
モードカップリング「あり」では、次に述べる実際の切込み条件(工具の種類、被削材質、切込み量に関する情報)から切削抵抗係数行列[A]を計算し、その計算結果と前記[数8]、[数9]から、位相シフト量φ=0.785(rad)を算出した。細い曲線がモードカップリング「なし」の計算結果を示し、太い曲線がモードカップリング「あり」の計算結果を示している。
図3(a)、(b)中の「○」印は、工具径10mm、2枚刃フラットエンドミルを用いて、軸方向切込み20mm、径方向切込み2mmの条件で、被削材としてのアルミ合金を実際に切削加工した際のびびり振動の周波数と位相シフト量を示している。前記工具径(10mm)、径方向切込み(2mm)及び被削材(アルミ合金)の条件が前記位相シフト量φに影響する。
なお、従来の多数の加工結果から、前記切削条件では必ずモードカップリングが生じることが確認されている。
図3(a)で、モードカップリング「あり」の計算によるびびり振動周波数が、実際のびびり振動の周波数とよく一致している。また、図3(b)でもモードカップリング「あり」の計算による位相シフト量が、実際のびびり振動の位相シフト量とよく一致している。
なお、再生びびり振動について別途行った実際の切削加工でも、得られたびびり振動の周波数及び位相シフト量は、[数11]〜[数14]の位相シフト量をφ=0とした[数15]〜[数18]による計算結果によく一致することが確認された。
以上の切削加工結果から、モードカップリングを含む自励びびり振動の数理モデルとして[数11]〜[数14]が適合性を有し、当該数理モデルを利用したびびり振動抑制システムと抑制方法により、本発明の第1の課題を解決することができる。
前記位相シフト量φ=0.785(rad)は、[数8]と[数9]で切削抵抗係数行列[A]を演算することで決定したが、切削抵抗係数行列[A]は、工具の種類、被削材質、切込み量の情報から演算する。しかしながら、これらの情報を事前に設定するには多くの時間が必要であり、オペレータに過度の負担を強いることになる。そこで、本発明の第2の課題、すなわち、工具の種類、被削材質、切込み量に関する情報を事前に知ることなく、モードカップリングを含むびびり振動を簡単に抑制することが重要となる。
(第2の課題を解決するための手段)
第2の課題は、以下の手段(3)(4)により解決される。手段(3)(4)は、共通の構成要件を具備するシステムと方法である。
手段(3)
主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制システムであって、当該システムは、
(A)びびり振動の周波数(ω)を検出する検出手段と、
(B)第1の主軸回転数(S1)と当該回転数(S1)により発生する第1のびびり振動周波数(ω1)からなる第1の組と、
第2の主軸回転数(S2)と当該回転数(S2)により発生する第2のびびり振動周波数(ω2)からなる第2の組と、
前記第1と第2の組に共通な任意の暫定位相シフト量(φ)とから、
前記第1の組による第1の推定固有振動数(ωn1)と、前記第2の組による第2の推定固有振動数(ωn2)を演算する演算手段を有し、
(C)前記第1と第2の推定固有振動数が等しい場合は、前記びびり振動周波数(ω1又はω2)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn1又はωn2)を、請求項2の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
(D)前記第1と第2の推定固有振動数が異なる場合は、最適化手法により、前記第1と第2の推定固有振動数(ωn1)(ωn2)が等しくなるように前記暫定位相シフト量(φ)を同定し、前記びびり振動周波数、前記同定した位相シフト量、及び固有振動数を、請求項2の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
前記(C)と(D)の導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制システム。
手段(4)
主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制方法であって、当該抑制方法は、
(A)びびり振動の周波数(ω)を検出する検出工程と、
(B)第1の主軸回転数(S1)と当該回転数(S1)により発生する第1のびびり振動周波数(ω1)からなる第1の組と、
第2の主軸回転数(S2)と当該回転数(S2)により発生する第2のびびり振動周波数(ω2)からなる第2の組と、
前記第1と第2の組に共通な任意の暫定位相シフト量(φ)とから、
前記第1の組による第1の推定固有振動数(ωn1)と、前記第2の組による第2の推定固有振動数(ωn2)を演算する演算工程を有し、
(C)前記第1と第2の推定固有振動数が等しい場合は、前記びびり振動周波数(ω1又はω2)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn1又はωn2)を、請求項7の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
(D)前記第1と第2の推定固有振動数が異なる場合は、最適化手法により、前記第1と第2の推定固有振動数(ωn1)(ωn2)が等しくなるように前記暫定位相シフト量(φ)を同定し、前記びびり振動周波数、前記同定した位相シフト量、及び固有振動数を、請求項7の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
前記(C)と(D)の導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制方法。
第2の課題の解決手段(3)(4)は以上の通りである。
以上の解決手段(3)(4)は、前記第2の課題を達成するために、加工中に生じたびびり振動について、少なくとも2組の主軸回転数とびびり振動の周波数の組合せを使用する。そして、前回のびびり振動の周波数ωi-1と主軸回転数Si-1、及び今回のびびり振動の周波数ωiと主軸回転数Siの組合せについて、それぞれの固有振動数(ωni-1、ωni)を推定する。
固有振動数の推定方法は、はじめにびびり振動の周波数ω、主軸回転数S、工具刃数N及び暫定位相シフト量φを用いて、次式[数19]からκを計算する。切削力の変動周期T=60/(S×N)である。暫定位相シフト量φは、0≦φ≦2πの範囲で、例えば「0」から始めることができる。
κが0以上の場合には(κ≧0)、次式[数20]により固有振動数を推定する。
モードカップリングでは、びびり振動の周波数が固有振動数よりも低い場合があるが、その場合、次式[数20]で固有振動数を推定することになる。
κが0より小さい場合には(κ<0)、次式[数21]用いて固有振動数を推定する。
再生びびり振動は、その周波数が必ず固有振動数よりも高いので、次式[数21]で固有振動数を推定することになる。
但し、びびり振動が、再生びびり振動であるか、モードカップリングであるかを、区別する必要はない。
前回のびびり振動と今回のびびり振動で主軸回転数Sとびびり振動周波数ωが変化しても、前記[数20]又は[数21]から得られる推定固有振動数ωnは当然不変であるので、前回と今回の主軸回転数Sとびびり振動周波数ωの組(第1の組(Sni-1、ωni-1)、第2の組(Sni、ωni))によりそれぞれ推定した第1と第2の推定固有振動数ωni-1、ωniは、互いに等しくならなければならない。
第1と第2の推定固有振動数(ωni-1、ωni)が互いに一致する場合(ωni-1=ωni)、暫定位相シフト量φが正しいと見なし、当該暫定位相シフト量φと推定固有振動数を[数11]又は[数15]に代入して、無次元安定限界切込み量alimを演算し、当該無次元安定限界切込み量alimが最も大きくなる主軸回転数Smaxに変更する。
第1と第2の推定固有振動数(ωni-1、ωi)が互いに異なる場合(ωni-1≠ωni)、暫定位相シフト量φが正しくないと見なし、当該推定固有振動数を互いに一致させるように、ニュートン法などの最適化手法を用いて、位相シフト量φを同定する。最適化手法は、ニュートン法以外の例えばシンプレックス法や最小二乗法等であっても勿論構わない。
同定した位相シフト量φと推定固有振動数ωnを[数11]又は[数15]に代入して、無次元安定限界切込み量alimを演算し、当該無次元安定限界切込み量alimが最も大きくなる主軸回転数に変更する。図4は主軸回転数と無次元安定限界切込み量alimの関係を示したもので、図示するように無次元安定限界切込み量alimのピークは、主軸回転数がびびり振動発生系の共振振動数に同期する条件で周期的に表れるので、最も大きな無次元安定限界切込み量alimmaxに対応する主軸回転数Smaxに変更する。
ここで、最大無次元安定限界切込み量alimmaxを選択した理由であるが、エンドミル加工等での切込み量(軸方向切込み量、径方向切込み量)は、加工前にNCプログラムで決定し、加工中は変更ができない。この点、加工中でも変更が可能な送り量や主軸回転数とは異なる。加工中に主軸回転数を変更してぴびり振動を抑制するには、実際の切込み量が安定限界切込み量よりも小さくなる主軸回転数を選択すればよいのであるが、実際の切込み量をNCプログラムから読み取ることができない。そこで、安定限界切込み量が最も大きくなる(最大無次元安定限界切込み量の)回転数を選択することにしたのである。
次に、ニュートン法を用いた場合の位相シフト量φの同定方法について説明する。まず、固有振動数(ωni-1、ωni)が一致する条件を次式[数22]で定式化する。
f(φi)と位相シフト量φiの関係は図5で表される。
[数22]を満たすφiは、図5において、f(φi)と横軸の交点と考えることができる。
初期値φi0におけるf(φi0)の傾きをf’(φi0)として、新たな位相シフト量φi1
を次式[数23]で表す。
[数23]は、図5において、初期値φi0におけるf(φi0)の接線と、横軸の交点を新たな位相シフト量φi1とすることに相当する。この操作を繰返し行うことで、φiは[数22]を満たす値に収束する。
本発明のびびり振動抑制システムと抑制方法によれば、再生びびり振動だけでなく、モードカップリングが発生しやすい切削条件であっても、びびり振動を効果的に抑制・回避することができる。また、工具の種類、被削材質、切込み量に関する情報を事前に入力することなく作動可能なシステムと方法であるから、オペレータに負担がかからず作業効率が向上する。
エンドミルによる加工モデルを示す概略図である。 びびり振動のブロック線図である。 (a)は主軸回転数とびびり振動の周波数の相関曲線図である。(b)は主軸回転数とびびり振動の位相シフト量の相関曲線図である。 主軸回転数と無次元安定限界切込み量の相関曲線図である。 ニュートン法を用いた位相シフト量φの同定方法を示す図である。 本発明の実施形態に係るびびり振動抑制システムのブロック図である。 本発明の実施形態に係るびびり振動抑制方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係るびびり振動抑制システムと抑制方法を図6と図7に基づいて説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るびびり振動抑制システム10をブロック図で示したものである。このシステム10は、工作機械20の主軸20aの近傍に、びびり振動を検出するため、振動センサ21又はマイク22を配置している。なお、振動センサ21やマイク22以外でも、例えば光学センサなどを利用してびびり振動を検出することが可能である。
振動センサ21又はマイク22で取得した加速度振動又は音圧信号は、びびり振動抑制システム10のFFT解析装置10aに入力され、FFT解析装置10aでびびり振動の周波数が検出される。この周波数は、その後、主軸回転数制御装置10bに入力され、同装置10bで、後述するフローチャートに従った処理がなされる。
びびり振動抑制システム10は入力部10cを有し、この入力部10cを介して、エンドミルなどの工具の刃数と主軸回転数が主軸回転数制御装置20bに入力される。当該工具の刃数と主軸回転数、そして前記FFT解析で得られたびびり振動の周波数から、主軸回転数制御装置20bがびびり振動を回避・抑制する最適主軸回転数を演算し、当該最適主軸回転数の情報がNC装置23に出力され、主軸11の回転数が最適主軸回転数に変更される。
次に、主軸回転数制御装置10bの内部で行われる処理を、図7のフローチャートにより説明する。主軸回転数制御装置10bでは、このフローチャートの処理内容が工作機械20の作動中に繰り返し実行される。ステップS1は前述したFFT解析装置10aによるFFT解析である。当該FFT解析の結果を基に、びびり振動の周波数が算出される(ステップS2)。
ステップS3は、図7のフローチャートの繰り返し回数「i」が「2以上」か否かを判別するもので、i=1の場合にはステップS4で初期値φ0を位相シフト量φ1とした後、ステップS9で固有振動数ωniの推定を行う。位相シフト量φ1は暫定的なものであり、実際の位相シフト量と区別するため必要に応じて「暫定位相シフト量」と呼称する。
i≧2の場合は、前回の位相シフト量φi-1をφiとし(ステップS5)、続いて、前回のびびり振動の周波数ωi-1と主軸回転数Si-1、及び、今回のびびり振動の周波数ωiと主軸回転数Siの組合せについて、それぞれ固有振動数の推定を行う(ステップS6)。
推定された固有振動数ωni-1とωniが同じであれば、ステップS10に移動し、位相シフト量φiと固有振動数ωniから、無次元安定限界切込み量alimの算出を行う。この算出は前述した[数11]又は[数15]を使用して行う。
固有振動数ωni-1とωniが異なる場合には、ステップS8に進んで、前述した最適化手法を用いて、固有振動数ωni-1とωniが一致する暫定位相シフト量φiを同定する。
その後、同定された位相シフト量φiに基づいて固有振動数ωniを推定し(ステップS9)、続いて、ステップS10で、位相シフト量φiと固有振動数ωniから、[数11]又は[数15]を使用して、無次元安定限界切込み量alimを算出する。そして算出された無次元安定限界切込み量alimが最も大きくなる主軸回転数Smaxに変更する(ステップS12)。以上のステップを繰り返し実行することで、被削材加工中のびびり振動を継続的に抑制することができる。なお、ステップS2の算出結果からびびり振動が止まっていると判断される場合、前回までの主軸回転数をそのまま維持する制御が行われる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能であって、例えば本発明はエンドミル加工にのみ適用されるものではなく、自励びびり振動が発生する可能性がある回転工具による加工一般に適用可能である。
10:びびり振動抑制システム
10a:FFT解析装置
10b:主軸回転数制御装置
10c:入力部
20:工作機械
20a:主軸
21:振動センサ
22:マイク
23:NC装置

Claims (9)

  1. 主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制システムであって、当該システムは、
    びびり振動の周波数(ω)を検出する検出手段と、
    前記回転工具の切削抵抗係数行列から前記びびり振動の位相シフト量(φ)を演算すると共に、当該位相シフト量(φ)から前記回転工具を含むびびり振動発生系の固有振動数(ωn)を演算する演算手段を有し、
    前記びびり振動周波数(ω)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn)を、モードカップリングを含む自励びびり振動の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、当該導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制システム。
  2. 前記数理モデルとして、[数24]、[数25]及び[数26]を使用して前記安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出するようにした請求項1のびびり振動抑制システム。
    lim:無次元安定限界切込み量
    ωn:びびり振動発生系の固有振動数
    ω:びびり振動周波数
    φ:位相シフト量
    ζ:減衰比
    ωT=ε+2π・n
    n=1,2,3・・・
  3. 主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制システムであって、当該システムは、
    (A)びびり振動の周波数(ω)を検出する検出手段と、
    (B)第1の主軸回転数(S1)と当該回転数(S1)により発生する第1のびびり振動周波数(ω1)からなる第1の組と、
    第2の主軸回転数(S2)と当該回転数(S2)により発生する第2のびびり振動周波数(ω2)からなる第2の組と、
    前記第1と第2の組に共通な任意の暫定位相シフト量(φ)とから、
    前記第1の組による第1の推定固有振動数(ωn1)と、前記第2の組による第2の推定固有振動数(ωn2)を演算する演算手段を有し、
    (C)前記第1と第2の推定固有振動数が等しい場合は、前記びびり振動周波数(ω1又はω2)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn1又はωn2)を、請求項2の数理モデルとしての[数24]、[数25]及び[数26]に代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
    (D)前記第1と第2の推定固有振動数が異なる場合は、最適化手法により、前記第1と第2の推定固有振動数(ωn1)(ωn2)が等しくなるように前記暫定位相シフト量(φ)を同定し、前記びびり振動周波数、前記同定した位相シフト量、及び固有振動数を、請求項2の数理モデルとしての[数24]、[数25]及び[数26]に代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
    前記(C)と(D)の導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制システム。
  4. 前記安定限界切込み量を最大安定限界切込み量とし、当該最大安定限界切込み量又は当該最大安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、当該導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、請求項1から3のいずれか1のびびり振動抑制システム。
  5. 前記最適化手法が、ニュートン法、シンプレックス法、最小二乗法のいずれかである請求項3のびびり振動抑制システム。
  6. 主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制方法であって、当該抑制方法は、
    びびり振動の周波数(ω)を検出する検出工程と、
    前記回転工具の切削抵抗係数行列から前記びびり振動の位相シフト量(φ)を演算すると共に、当該位相シフト量(φ)から前記回転工具を含むびびり振動発生系の固有振動数(ωn)を演算する演算工程を有し、
    前記びびり振動周波数(ω)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn)を、モードカップリングを含む自励びびり振動の数理モデルに代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、当該導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制方法。
  7. 前記数理モデルとして[数27]、[数28]及び[数29]を使用して前記安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出するようにした請求項6のびびり振動抑制方法。
    lim:無次元安定限界切込み量
    ωn:びびり振動発生系の固有振動数
    ω:びびり振動周波数
    φ:位相シフト量
    ζ:減衰比
    ωT=ε+2π・n
    n=1,2,3・・・
  8. 主軸に取り付けた回転工具による被削材の切削で発生するびびり振動を抑制するためのびびり振動抑制方法であって、当該抑制方法は、
    (A)びびり振動の周波数(ω)を検出する検出工程と、
    (B)第1の主軸回転数(S1)と当該回転数(S1)により発生する第1のびびり振動周波数(ω1)からなる第1の組と、
    第2の主軸回転数(S2)と当該回転数(S2)により発生する第2のびびり振動周波数(ω2)からなる第2の組と、
    前記第1と第2の組に共通な任意の暫定位相シフト量(φ)とから、
    前記第1の組による第1の推定固有振動数(ωn1)と、前記第2の組による第2の推定固有振動数(ωn2)を演算する演算工程を有し、
    (C)前記第1と第2の推定固有振動数が等しい場合は、前記びびり振動周波数(ω1又はω2)、位相シフト量(φ)、及び固有振動数(ωn1又はωn2)を、請求項7の数理モデルとしての[数27]、[数28]及び[数29]に代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
    (D)前記第1と第2の推定固有振動数が異なる場合は、最適化手法により、前記第1と第2の推定固有振動数(ωn1)(ωn2)が等しくなるように前記暫定位相シフト量(φ)を同定し、前記びびり振動周波数、前記同定した位相シフト量、及び固有振動数を、請求項7の数理モデルとしての[数27]、[数28]及び[数29]に代入して演算することで、前記回転工具の安定限界切込み量又は当該安定限界切込み量に対応した主軸回転数を導出し、
    前記(C)と(D)の導出結果に基づいて前記主軸を駆動制御する、びびり振動抑制方法。
  9. 前記最適化手法が、ニュートン法、シンプレックス法、最小二乗法のいずれかである請求項8のびびり振動抑制方法。
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