JP7347749B2 - 状態監視装置、および状態監視システム - Google Patents

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本発明は、状態監視装置、および状態監視システムに関する。
従来、監視対象の振動状態に基づいて監視対象の異常/正常を監視する技術が知られている。
例えば、特許文献1は、『橋梁に加速度センサを配設し,加速度センサの信号を演算処理して検出信号として無線送信することにより、橋梁の経年変化を監視する振動モニタリングシステム』を開示する。
また例えば、特許文献2は、『太陽電池で駆動される3軸加速度センサにおいて、少なくとも1軸方向の加速度値が所定閾値以上の場合に加速度値を所定の送信先に無線送信することで地震発生を監視する3軸加速度センサチップ』を開示する。
特開2016-109531号公報 特開2008-241394号公報
一般に、監視対象において検出される加速度は、定常的な振動状態の他に、一時的に加わる衝撃によっても大きく変化する。そのため、加速度の瞬時値から監視対象の定常振動の異常/正常を判断することは難しい。このような問題について、特許文献1には開示がない。
また、特許文献2の3軸加速度センサチップは、加速度の瞬時値を出力するため、一時的な衝撃の影響を受けやすく、監視対象の定常振動の異常/正常を判断する用途には向かない。
なお、加速度センサのサンプル値(加速度の瞬時値)を連続的に無線送信し、受信側で加速度のサンプル値を解析することにより、振動状態の異常/正常を判断することも考えられる。しかしながら、振動状態を解析するためにはサンプリング定理を十分に満たす多数のサンプル値を連続的に無線送信しなければならず、送信電力の確保が困難になる。
そこで、本発明は、監視対象の状態を適切に監視する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、代表的な本発明の状態監視装置の一つは、振動を検出する振動センサと、振動センサから振動の検出値を逐次取得し、複数の検出値に基づいて振動の異常/正常または振動の有無などの状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、評価値算出部が算出した評価値を無線送信する無線部と、光発電により電源供給を行う光発電部とを備える。
本発明により、監視対象の状態を適切に監視することが可能になる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
状態監視タグの構成を説明する図である。 状態監視システム300のシステム構成を説明する図である。 状態監視タグ100の動作を説明する図である。 状態監視システム300の動作を説明する図である。 3軸方向の振動速度の実効値を合成する動作を説明する図である。 状態監視装置500の構成を説明する図である。 状態監視システム300aのシステム構成を説明する図である。
以下、図面に基づいて、発明の実施形態を説明する。
状態監視装置の実施例1として、異常振動や振動の有無などの状態を示す評価値を算出して、無線送信する状態監視タグについて説明する。
<実施例1の構成>
図1は、状態監視タグ100の構成を説明する図である。
同図において、状態監視タグ100は、光発電部100aを土台として、振動センサである加速度センサ110、評価値算出部120、無線部130、および蓄電部141を形成ないし接合して構成される。
光発電部100aとしては、例えば2酸化ケイ素ソーラーセルを使用する。この2酸化ケイ素ソーラーセルは、例えば、人工水晶、ガラス、又は溶融石英粒その他の2酸化ケイ素材料を発電層に採用する。この2酸化ケイ素材料は、例えばナノレベルなどの光の波長付近まで微粉砕することで光発電効率を高めることができる。この2酸化ケイ素ソーラーセルの構成や製造については、例えば、特許第5848324号の特許公報などに開示されるものに準拠する。
加速度センサ110は、状態監視タグ100の貼付先(監視対象)の振動を加速度Accとして検出する。
加速度センサ110が出力する加速度は、符号付き12ビット長(2の補数表現)の整数値である。加速度センサ110の出力単位は、mG(重力加速度の何倍に相当するかを1000倍した値)である。また、加速度センサ110は、監視対象200の最大加速度に合わせて出力スケールXscale(=1倍,2倍,または4倍)を切り替えることもできる。
評価値算出部120は、演算機能と内部メモリとタイマー割り込み機能を有するチップ部品であって、加速度センサ110から振動の検出値である加速度をサンプリングして、異常振動や振動の有無などの状態を示す評価値を算出する。
特に、この評価値算出部120は、加速度センサ110から加速度Accを取り込むごとに逐次演算を行って内部メモリ(レジスタでもよい。以下同じ)の値を逐次更新する逐次更新部121と、逐次更新部121において逐次更新を完了した値に基づいて、振動速度の実効値に換算可能な値を評価値として算出する実効値算出部122とを備える。
無線部130は、評価値と個体ID132とを変調した電波を、導体パターンとして形成されたアンテナパターン131を介して、無線送信する。ここでは、任意の通信方式が採用できる。例えば、次の通信方式を採用することが好ましい。
・Bluetooth〈登録商標〉(Bluetooth Low Energy含む)
・ZigBee
・SIGFOX
・LoRa
・LoRaWAN
・LPWA(Low-Power Wide-Area Network)
・2.4GHz帯、920MHz帯、429MHz帯のIoT向けの通信規格方式
また、個体ID132は、状態監視タグ100を一意に識別可能な個体識別情報である。
状態監視タグ100が複数使用される場合に備えて、無線部130には、周波数ホッピングや周波数拡散や符号拡散やリトライや時分割などの周知の混信対策も施される。
蓄電部141は、光発電部100aにおいて光発電した電荷を蓄積する。例えば、地区転部141は、光発電部100aの発電層を表裏から挟む電極層(キャパシタ)により構成される。蓄電部141は、蓄積された電荷を放電電圧や放電電流に変換して、電源パターンVccおよびグランドパターンGNDを介して、加速度センサ110、評価値算出部120、および無線部130に電源を供給する。なお、蓄電部141と電源ラインVccとの間に、蓄積電荷量が所定量を超えると放電するスイッチ回路や、電圧安定化回路や、昇圧回路を設けてもよい。
なお、電源パターンVccと無線部130との間に、電子スイッチ133を電気的に挿入してもよい。この電子スイッチ133は、評価値算出部120のポート出力によりオンオフ制御がなされる。電子スイッチ133は平時にオフ状態を維持し、電源電位の代わりにグランド電位などを出力することで無線部130を安定的に休止させる。評価値算出部120は、評価値を算出した後の無線送信の期間に限って、電子スイッチ133をオン状態に維持して、無線部130に無線送信のための電源を供給する。
図2は、状態監視システム300のシステム構成を説明する図である。
同図において、状態監視システム300は、複数の状態監視タグ100、通信部310、および監視部320を備えて構成される。
状態監視タグ100は、監視対象200の振動を監視する箇所に貼り付けられる。監視対象200としては、電動機や発電機や照明具やハードディスクや橋梁や建物やロボットのように振動状態から異常や故障などの予兆を検知し得る対象物が好適である。また、携帯電話やスマートフォンのように振動状態を用いて情報出力(着信報知など)する対象物にも好適である。一つの監視対象200に対して複数個所に状態監視タグ100を貼り付けることで、監視対象200の振動パターンを多面的に監視することもできる。
通信部310は、状態監視タグ100から無線送信される評価値と個体ID132を受信する。
監視部320は、通信部310の受信情報をネットワークWを介して取得する。監視部320は、取得した評価値に基づいて、状態監視タグ100が貼り付けられた監視対象200(の監視箇所)について異常振動や振動の有無を監視する。
<状態監視タグ100の動作>
図3は、状態監視タグ100の動作を説明する図である。
同図に示すステップ番号に沿って説明する。
ステップS11: 状態監視タグ100の光発電部100aは、周辺光を受光して光発電を開始する。蓄電部141は、光発電された電荷の蓄積を開始する。
ステップS12: 蓄電部141に蓄積された電荷が、動作可能電力を供給できる所定量を超えるたびに、周知のダイオードスイッチなどを介して、蓄電部141の電源電圧は電源ラインVccに電気的に接続される。
ステップS13: 加速度センサ110および評価値算出部120には、電源ラインVccを介して電源が供給される。なお、無線部130については、オフ状態の電子スイッチ133により、電源は供給されず、安定した休止状態を維持する。
ステップS14: 評価値算出部120は、次の一連のデータを整数領域として内部メモリに確保し、値を初期化する。整数領域のビット長は、格納する値の最大値を格納しうる程度に予め設計される。
『初期化処理』
サンプリング周波数: SFreq=1000(一例)
サンプリング回数: dnum=100(一例)
加速度: Acc=0
最大加速度: Amax=0
時系列順: n=0
速度値: SAcc=0
速度和: Vsum1=0
速度平方和: Vsum2=0
第1次補正項: Vsum21=0
さらに、評価値算出部120は,サンプリング周波数SFreqに応じたサンプリング間隔でタイマー割り込み機能(ステップS15~S22)を設定する。
ステップS15: 評価値算出部120は、サンプリング周波数SFreqに応じたサンプリング間隔でタイマー割り込みが発生すると、加速度センサ110から最新の加速度(オフセット誤差含む)を取得する。評価値算出部120は、最新の加速度値で内部メモリ上の加速度Accを上書き更新する。
ステップS16: 逐次更新部121は、内部メモリ上の時系列順nの値を1つ増やす。
ステップS17: 逐次更新部121は、加速度の絶対値|Acc|が最大加速度Amaxを超える場合、内部メモリ上の最大加速度Amaxを加速度の絶対値|Acc|の値で上書き更新する。
ステップS18: 逐次更新部121は、速度値SAccに加速度Accを積算し、その積算値で内部メモリ上の速度値SAccを上書き更新する。
ステップS19: 逐次更新部121は、速度和Vsum1に速度値SAccを積算し、その積算値で内部メモリ上の速度和Vsum1を上書き更新する。
ステップS20: 逐次更新部121は、速度平方和Vsum2に速度値SAccの平方値を積算し、その積算値で内部メモリ上の速度平方和Vsum2を上書き更新する。
ステップS21: 逐次更新部121は、第1次補正項Vsum21に「速度値SAccと時系列順nとの積」を積算し、その積算値で内部メモリ上の第1次補正項Vsum21を上書き更新する。
ステップS22: 逐次更新部121は、時系列順nがサンプリング回数dnumに達しない場合、ステップS15に動作を戻し、次のタイマー割り込みを待機する。
一方、時系列順nがサンプリング回数dnumに達すると、評価値算出部120は、タイマー割り込み機能を設定解除し、ステップS23に動作を進める。
ステップS23: 実効値算出部122は、上書き更新の逐次繰り返しを完了した値(速度値SAcc、速度和Vsum1、速度平方和Vsum2、第1次補正項Vsum21)と、サンプリング周波数SFreq、加速度Accの取得数nと、1からnまでの自然数の平方和である第0次補正項Vsum20と、予め定めた係数Zと、予め定めた除数Lと、加速度センサ110の出力スケールXscale(=1倍,2倍,または4倍)とに基づいて、次式と等しい、補正済み実効値Vrmsまたはその平方Vrms2を求める。
VS1=Z・(Vsum1-SAcc・(n+1)/2)/SFreq/L
VS2=Z2(Vsum2-2・Vsum21・SAcc/n+
Vsum20・SAcc/n・SAcc/n)/SFreq2/L2
Vrms2=Xscale2(VS2-VS12/n)/n
Vrms=Xscale√((VS2-VS12/n)/n)
ここで、加速度センサ110の出力単位が重力加速度の倍数単位Gである場合は、
係数Z=9807
除数L=1000
とする。この「係数9807の整数乗算」と、「除数1000の整数除算」により、重力加速度9.807m/s)の乗算による単位換算(単位mG→MKS単位系)が実現する。
なお、評価値算出部120は、整数値演算を行うため、桁落ちしないようにかけ算や累乗をなるべく先行しつつ、整数表現可能な最大ビット数をオーバーフローする場合は除算を先行して行うように演算順序を調整する。例えば、次式のような演算順序が好適である。
VS1=9807(Vsum1-SAcc・(n+1)/2)/SFreq/1000
VS2=96177(Vsum2-2・Vsum21・SAcc/n+
Vsum20・SAcc/n・SAcc/n)/SFreq2/1000
Vrms2=Xscale2(VS2-VS12/n)/n
Vrms=Xscale√{(VS2-VS12/n)/n}
ここで、「係数96177の整数乗算」と、「除数1000の整数除算」により、重力加速度の平方96.177の乗算による単位換算(単位G2→MKS単位系)が実現する。
また、係数演算を最終式にまとめて評価値算出部120の演算時間(回数)を短縮する場合は、次のような演算順序も好適である。
S1=Vsum1-SAcc・(n+1)/2
S2=Vsum2-2・Vsum21・SAcc/n+Vsum20・SAcc/n・SAcc/n
Vrms2=Xscale2・Z2・(S2-S12/n)/n/SFreq2/L2
Vrms=Xscale・Z・[√{(S2-S12/n)/n}]/SFreq/L
さらに、乗除算を2進数のシフト演算で行うことで、演算時間を短縮してもよい。例えば、Z/SFreq/Lを2の冪数表現とするため、除数Lを1024(=210)とし、係数Zを10042(=9.807×1024)とし、サンプリング周波数SFreqを例えば1255Hz(=10042÷2)として初期設定する。また、加速度Accの取得数nを2の冪数値として例えば128(=27)に初期設定する。
この初期設定により、次式のように2進数のシフト演算によって演算時間の短縮が可能になる。
S1=Vsum1-SAcc・(n+1)/2
S2=Vsum2-2・Vsum21・SAcc/2+Vsum20・SAcc/2・SAcc/2
Vrms2=Xscale2{(S2-S12/2)/2}/214
Vrms=Xscale・[√{(S2-S12/2)/2}]/27
以上のようにして、評価値算出部120は、振動速度の実効値Vrms(センサ出力のオフセット誤差を補正済み)、またはその平方値Vrms2を、振動の異常/正常または振動の有無を監視するための評価値として算出する。
ステップS24: 評価値算出部120は、評価値の算出を完了した後に、ポート出力により電子スイッチ133を所定期間(無線送信のための時間程度)にわたりオン状態に維持する。これによって、無線部130に電源が供給される。評価値算出部120は、補正済みの実効値Vrms(またはその平方値)を無線部130に伝達する。
ステップS25: 無線部130は、補正済みの実効値Vrms(またはその平方値)を評価値として、個体ID132と共に変調して無線送信する。
以上の一連の動作の後、評価値算出部120はステップS12に戻って動作を繰り返す。この繰り返しにより、蓄電部141の蓄電荷量の状態に従って、評価値の無線送信が継続的または間欠的に実施される。
なお、この繰り返しに際して、評価値算出部120がタイマー割り込みによって次回の起動時間を設定してもよい。この場合、評価値の演算と無線送信は次回の起動時間に合わせて所定間隔おきに実施される。
<状態監視システム300の動作>
図4は、状態監視システム300の動作を説明する図である。
同図に示すステップ番号に沿って、状態監視システム300の動作を説明する。
ステップS101: 状態監視システム300の通信部310は、受信電波の検波を開始する。
ステップS102: 通信部310は、状態監視タグ100から電波を受信するまで待機する(ステップS102のNO側)。状態監視タグ100から電波を受信すると、通信部310はステップS103に動作を移行する。
ステップS103: 通信部310は、状態監視タグ100の電波から個体ID132と振動速度の補正済み実効値Vrmsとを復調する。通信部310は、復調結果を、ネットワークなどを介して監視部320に伝達する。
ステップS104: 監視部320は、伝達された個体ID132により、状態監視タグ100が貼付された監視対象200(またはその監視箇所、以下同じ)を特定する。
ステップS105: 監視部320は、特定された監視対象200について、現在日時を示すタイムスタンプと補正済み実効値Vrmsを履歴保存する。
ステップS106: 監視部320は、特定された監視対象200について予めユーザ(またはシステム設計者)が設定した警報ルールに従って、補正済み実効値Vrmsの異常/正常または振動の有無を判定する。この警報ルールに合致した場合、監視部320はステップS107に動作を移行する。警報ルールに合致しない場合、監視部320はステップS108に動作を移行する。
橋梁などの建造物の監視では、建造物の実験やシミュレーションによって経年変化や損傷で生じる振動変化を求め、その振動変化に基づいて警報ルールを策定することが好ましい。
また、電動機などの監視では、電動機の経年変化や潤滑剤切れや消耗や故障によって生じる振動変化に基づいて警報ルールを策定することが好ましい。
さらに、携帯電話やスマートフォンのように振動状態を用いて情報出力(着信報知など)する対象物の場合は、情報出力に伴う振動変化を警報ルールに策定することが好ましい。
ステップS107: 監視部320は、警報ルールに基づいて、監視対象200に異常振動/異常停止/振動有無などが生じた旨をユーザ(の端末など)に警報する。
ステップS108: 監視部320は、個体ID132による監視対象200別の履歴データの経時的な変化により、将来の故障時期(寿命,交換時期、保守点検時期など)を予測する。この故障予測も監視対象200ごとに異なるため、予めユーザ(またはシステム設計者)が故障予測ルールとして策定する。
ステップS109: 監視部320は、故障予測ルールに基づいて、監視対象200(の監視箇所)に故障時期をユーザ(の端末など)に通知する。
上述した一連の動作を完了した後、状態監視システム300はステップS101に動作を戻して、状態監視を繰り返す。
<実施例1の数式について>
続いて、実施例1に使用した数式について詳しく説明する。
加速度センサ110には、監視対象200の振動による加速度の他に、一定の重力加速度がかかる。また、加速度センサ110の出力には低域ドリフト変動が含まれる場合もある。そのため、加速度Accの値にはオフセット誤差が含まれる。
また、加速度Accを時間積分(時系列に積算)することにより、速度SAccを求める。この時間積分では、積分定数に相当する速度初期値が特定されない。そのため、速度SAccには、速度初期値の分だけオフセット誤差が含まれる。
したがって、加速度センサ110から出力される加速度の時系列データ{Ai}に基づいて速度の実効値を算出する過程で、これらのオフセット誤差を補正する必要がある。
そのための基本的な演算手順(実施例1とは異なる手順)とその問題点について、最初に説明する。
[1]基本的な演算手順とその問題点
監視対象200の振動は、一般には往復運動である。そのため、振動周期に対して十分に長い区間において、加速度の時系列データ{Ai}の平均値は、理想的には往復中心の値ゼロになる。この平均値がゼロでない場合、その値は、個々の加速度Aiに含まれるオフセット誤差とみなすことができる。そこで、この平均値を、加速度の時系列データ{Ai}から減ずることにより、オフセット誤差を補正した補正済み加速度の時系列データ{CAi}が得られる。
Figure 0007347749000001
このオフセット誤差の補正式の問題点は、オフセット誤差(平均値)を算出するために、加速度の時系列データ{Ai}が全て揃うのを待たなければならない点である。そのため、加速度センサ110から加速度をサンプリングしている期間中は演算を開始することができず、時間損失が生じる。また、この補正式を使用するため、加速度の時系列データ{Ai}を一旦全て記憶する必要がある。
この加速度CAiに、MKS単位への変換係数(9.807)と、サンプリングの時間間隔(1/SFreq)とを乗じて積分することにより、振動速度の時系列データ{Vi}を算出する。
Figure 0007347749000002
この振動速度の時系列データ{Vi}も往復運動である。そのため、振動周期に対して十分に長い区間において、振動速度の時系列データ{Vi}の平均値は、理想的には往復中心の値ゼロになる。この平均値がゼロでない場合、その値は、個々の振動速度Viに含まれるオフセット誤差と見なすことができる。そこで、この平均値を、振動速度の時系列データ{Vi}から減ずることにより、オフセット誤差を補正した補正済み振動速度の時系列データ{CVi}が得られる。
Figure 0007347749000003
このオフセット誤差の補正式の問題点は、オフセット誤差(平均値)を算出するために、振動速度の時系列データ{Vi}が全て揃うのを待たなければならない点である。そのため、その期間中は演算を行うことができず、時間損失が生じる。また、この補正式を使用するため、振動速度の時系列データ{Vi}を一旦全て記憶する必要がある。
この補正済み速度の数列{CVi}の二乗平均の平方根を実効値Vrmsとして算出する。
Figure 0007347749000004
上述したように、基本の演算手順では、加速度センサ110から加速度データをサンプリングしている期間中は演算を行うができず、時間損失が生じる。また、サンプリング完了後にまとめて一連の演算を行うため、全ての時系列データを一旦記憶しておく必要がある。そのため、広いメモリ領域が必要になり、かつメモリアクセスの効率も悪くなる。
そのため、状態監視タグ100のような小さな自立電源式のデバイスにおいては、演算手順の改良が望ましい。
[2]改良された演算手順の説明
ここでは、[数4]式から出発することにより、実施例1で使用する改良後の演算手順の式を導出する。
まず、[数4]式に[数3]式を代入することにより、次式を得る。
Figure 0007347749000005
Figure 0007347749000006
この数式の特徴は、補正済み実効値Vrmsを、オフセット誤差を補正しない振動速度の時系列データ{Vi}で表した点である。特に、[数6]式の右辺第1項は、補正前の振動速度Viの実効値に関する項である。右辺第2項は、オフセット誤差に関する補正項である。
そこで、この右辺第1項に対して、[数2]式を代入することにより、次式を得る。次式において、SAiは、オフセット誤差を補正しない加速度の時系列データ{Ai}を逐次積算した時系列データ{SAi}である。
Figure 0007347749000007
[数7]式の二乗項を展開することにより、次の式を得る。
Figure 0007347749000008
この[数8]式は、上述した変数VS2に相当する算出式であり、逐次更新部121において上書き更新を完了した値(図3のステップS16~S21参照)で各項を置き換えることができる。
続いて、[数6]式の右辺第2項に対して、[数2]式を代入する。
Figure 0007347749000009
Figure 0007347749000010
この[数10]式は、上述した変数VS1に相当する算出式であり、逐次更新部121において上書き更新を完了した値(図3のステップS16~S21参照)で各項を置き換えることができる。
ここまでで、変数VS1,VS2に相当する式が導出される。
[数6]式を、この変数VS1,VS2で置き換えることにより、オフセット誤差を補正した実効値Vrmsの算出式が得られる。
Figure 0007347749000011
実施例1では、改良された数式を採用することにより、逐次更新部121による処理(図3のステップS16~S21参照)と、実効値算出部122による処理(図3のステップS23参照)といった、二段階の演算手順が可能になる。
<実施例1の効果>
(1)実施例1の状態監視タグ100は、加速度センサ110から振動の検出値を逐次取得し、複数の検出値に基づいて振動の異常/正常または振動の有無などの状態を示す評価値を算出し、求めた評価値を無線送信する。そのため、状態監視システム300側では、振動の異常/正常または振動の有無などの状態を評価値に基づいて判定することが可能になる。
(2)実施例1では、複数の検出値を無線送信せずに、評価値を無線送信する。そのため、無線送信の回数を削減することが可能になり、送信電力を節約できる。
(3)実施例1では、状態監視タグ100の評価値算出部120は、評価値として、振動速度に基づく値を採用する。この振動速度は、加速度の積分値であるため、監視対象200に一時的に加わる衝撃(短時間の加速度変化)の影響を受けにくい。そのため、監視対象200の定常振動を監視する用途に好適である。
(4)実施例1では、評価値として、振動速度の実効値に換算可能な値を採用する。この実効値は一定時間において均された値であるため、短時間の衝撃の影響を受けにくい。そのため、監視対象200の定常振動を監視する用途に好適である。
(5)実施例1では、逐次更新部121が、加速度Accをサンプリングする時間間隔の空き時間を利用して、実効値算出に必要な準備計算(値の逐次更新)を細切れに済ませてしまう(図3のステップS16~21)。そのため、加速度Accのサンプリング期間を完了した時点で、実効値を算出するための下準備が完了している。このような計算の時間配分によって、評価値算出部120の駆動時間を短縮することができる。その結果、状態監視タグ100の省電力化を図ることができる。
(6)実施例1では、図3のステップS16~21に示すように、逐次更新はすべて上書き更新で行われる。そのため、これらのデータを時系列に保存する必要がなく、メモリ領域を大幅に節約することができる。また、メモリのアクセス時間を短縮することもできる。
(7)実施例1では、実効値の演算において、加速度のオフセット誤差を補正することができる。そのため、加速度に含まれる定常的な重力加速度を取り除くことが可能になる。また、加速度センサ110に生じるドリフト成分のノイズを取り除くことも可能になる。その結果、より正確な実効値を求めることができる。
(8)実施例1では、実効値の演算において、振動速度の初期速度(積分定数)に相当するオフセット誤差を補正することができる。その結果、より正確な実効値を求めることができる。
(9)実施例1では、評価値算出部120は整数計算を行う。整数計算は計算速度が速く、かつ消費電力が少ない。そのため、省電力な状態監視タグ100が実現する。
(10)実施例1では、整数計算において桁落ちしないように乗算や累乗を先行して行い、かつ桁オーバーフローの虞がある場合は除算を先行させる。そのため、限られた桁数の整数計算において、十分な有効桁数の実効値(評価値)を求めることができる。
(11)実施例1では、状態監視タグ100が光発電部100aを有するため、半永久的に電源を確保できる。そのため、外部から電源供給の配線をする必要がない。また、電池を定期的に交換するなどの必要もない。したがって、電源のメンテナンスが不要な(つまり貼りっぱなし)の状態監視タグ100が実現できる。
(12)実施例1では、光発電部100aとして、2酸化ケイ素ソーラーセルを採用する。この2酸化ケイ素ソーラーセルは、発電効率が高い。そのため、低照度の環境下でも動作可能な状態監視タグ100が実現する。
(13)さらに、この2酸化ケイ素ソーラーセルは、紫外領域から赤外領域までを含む広い波長域の光によっても起電することが確認されている。そのため、実施例1の状態監視タグ100は、可視光の不足する環境下でも、監視対象200やその付近の広い波長域の光(例えば発熱による赤外光)で発電して動作できる。
(14)実施例1では、光発電した電荷を蓄積し、蓄積された電荷が所定量を超えるごとに、振動センサ、評価値算出部120、および無線部130に電源供給を行う蓄電部141を備える。この蓄電部141により、瞬時には発電力が不足する環境下であっても、時間をかけて発電した電荷を蓄積することで、間欠的な動作を可能にした状態監視タグ100が実現する。
(15)実施例1では、蓄電部141を備えることで、瞬間的な光で発電した電荷を事前に蓄積し、その後の一定期間にわたって動作することもできる。そのため、状態監視タグ100を稼働させたいタイミングで光発電部100aに外部光を選択的に照射するなどの態様によって、状態監視タグ100の稼働を制御することができる。
(16)実施例1では、評価値を算出するまでは、無線部130に電源を供給しない。そのため、無線部130の電力使用量を節約することが可能になり、省電力の状態監視タグ100が実現する。
(17)さらに、加速度のサンプリング期間中に無線部130を休止させることになるので、無線周波数帯の電波障害が加速度センサ110内の高感度なセンシング動作に悪影響することがない。
(18)実施例1では、個体ID132を個体識別情報として無線送信する。そのため、複数の状態監視タグ100が稼働する環境下においても、状態監視タグ100の個体識別が可能になり、状態監視システム300において、どの監視対象200(の監視箇所)を監視しているかを特定することができる。
次に、実施例2として、3軸方向の実効値を合成する技術について説明する。
ここで、実施例2の構成の特徴は、図1において、加速度センサ110として、3軸方向(XYZ方向)の加速度を検出可能なセンサを搭載する点である。その他の構成要件については、同様であるため、同一の参照符号を付与し、重複説明を省略する。
図5は、実施例2の動作を説明する図である。
同図に示すステップ番号に沿って、実施例2の動作を説明する。
ステップS31~33: 実施例1のステップS11~S13と同じ動作。
ステップS34: 実施例1のステップS14の初期化処理を、XYZ3軸分についてそれぞれ実施する。
ステップS35: 評価値算出部120は、サンプリング周波数SFreqに応じたサンプリング間隔でタイマー割り込みが発生すると、加速度センサ110から最新の加速度(オフセット誤差含む)をXYZ3軸分それぞれに取得する。
ステップS36: 逐次更新部121は、実施例1の逐次更新(ステップS16~S21)をX軸分について実施する。
ステップS37: 逐次更新部121は、実施例1の逐次更新(ステップS16~S21)をY軸分について実施する。
ステップS38: 逐次更新部121は、実施例1の逐次更新(ステップS16~S21)をZ軸分について実施する。
ステップS39: 逐次更新部121は、時系列順nがサンプリング回数dnumに達しない場合、ステップS35に動作を戻し、次のタイマー割り込みを待機する。
一方、時系列順nがサンプリング回数dnumに達すると、評価値算出部120は、タイマー割り込み機能を設定解除し、ステップS40に動作を進める。
ステップS40: 実効値算出部122は、実施例1の実効値算出(ステップS23)をX軸分について実施し、X軸の補正済み実効値の平方Pxを求める。
ステップS41: 実効値算出部122は、実施例1の実効値算出(ステップS23)をY軸分について実施し、Y軸の補正済み実効値の平方Pyを求める。
ステップS42: 実効値算出部122は、実施例1の実効値算出(ステップS23)をZ軸分について実施し、Z軸の補正済み実効値の平方Pzを求める。
ステップS43: 評価値算出部120は、XYZ3軸分の補正済み実効値の平方Px,Py,Pzを合成し、補正済みの合成実効値Qを評価値として求める。
Q=√(Px+Py+Pz)
ステップS44: 評価値算出部120は、評価値の算出を完了した後に、ポート出力により電子スイッチ133を所定期間(無線送信のための時間程度)にわたりオン状態に維持する。これによって、無線部130には所定期間にわたり電源が供給される。
ステップS45: 無線部130は、補正済みの合成実効値Qを評価値として、個体ID132と共に変調して無線送信する。
以上の一連の動作の後、評価値算出部120はステップS32に戻って動作を繰り返す。この繰り返しにより、蓄電部141の蓄電荷量に従って、評価値の無線送信が継続的または間欠的に実行される。
なお、この繰り返しに際して、評価値算出部120がタイマー割り込みを用いて次回の起動時間を設定してもよい。この場合、評価値の演算と無線送信は次回の起動時間に合わせて所定間隔おきに実施される。
<実施例2の効果>
実施例2は、実施例1の効果に加えて、次の効果を奏する。
(1)実施例2では、XYZ3軸の補正済み合成実効値Qを求める。この補正済み合成実効値Qの値は、向きによらず振動の大きさをあらわすスカラー量である。そのため、状態監視タグ100をどの向きに貼り付けても、監視対象200の振動の大きさをスカラー量として検出することができる。
(2)実施例2では、振動方向が時間的に変化(干渉)する複雑な振動パターンにおいても、向きによらず振動の大きさを補正済み合成実効値Qとして求めることができる。
次に、実施例3として、加速度センサをケーブル接続により状態監視装置の本体から離す例を説明する。
<実施例3の構成>
以下、実施例3の構成を説明する。
ただし、実施例1または実施例2と同様の構成については、同一の参照符号を付与してここでの重複説明を省略する。
図6は、状態監視装置500の構成を示す図である。
同図において、状態監視装置500は、加速度センサ510、防爆筐体520、シールドケーブル530、およびアンテナ部540を備える。
加速度センサ510は、耐久性のある外装などに収容され、モータなどの監視対象に取り付けられる。加速度センサ510と、防爆筐体520とは、シールドケーブル530によって接続される。
防爆筐体520は、設置場所の環境に応じた防爆構造を満たすように設計される。防爆構造については、次の中から選ぶことができる。
(1)安全防爆構造…公的機関の審査や試験により防爆レベルn(例えばレベル1)と認められた筐体
(2)防爆防振構造…内部に非可燃性の防振材を充填し、防爆を実現した筐体
(3)耐圧防爆構造…耐圧性を高めて筐体の内外の爆発に備えた筐体
(4)油入防爆構造…非可燃性の絶縁油を充填して火花が引火しないようにした筐体
(5)内圧防爆構造…非可燃性の保護気体を封入して大気圧より高くし、外部から引火性ガスが入り込まないようにした筐体
防爆筐体520には、内部の光発電部100aに光を導くための受光窓が設けられる。
シールドケーブル530は、難燃性の配線材が使用される。このシールドケーブル530の内部には、電源ラインVcc、信号線(1芯ないし複数芯)、シールド接続されたグランドラインGNDが設けられる。電源ラインVccとグランドラインGNDとの間には、無線部130から回り込む高周波ノイズや、監視対象から回り込むノイズなどを削減するためのノイズフィルタNF1が設けられる。
アンテナ部540は、防爆筐体520の外面に設けられる。このアンテナ部540は、防爆筐体520内の無線部130と電気接続され、外部に対して無線電波を放射する。
図7は、状態監視装置500を使用する状態監視システム300aを説明する図である。
同図において、状態監視システム300aは、複数の状態監視装置500、通信部310、および監視部320を備えて構成される。
状態監視装置500の加速度センサ510は、監視対象200の振動を監視する箇所に貼り付けられる。防爆筐体520は、シールドケーブル530を介して、監視対象200から離して配置される。
<実施例3の動作>
次に、図6および図7を参照しながら、実施例3の動作について説明する。
まず、防爆筐体520の受光窓からの入射光は、光発電部100aにおいて電力に変換され、蓄電部141に蓄えられる。光発電部100aの受光面の大きさは、防爆筐体520のサイズに合わせて設計されるため、実施例1,2の小さな状態監視タグに比べて、発電効率は高くなる。
蓄電部141に蓄えられた電力は、防護筐体520内の各部に供給されると共に、シールドケーブル530内の電源ラインVccおよびグランドラインGNDを介して、加速度センサ510に供給される。
電力を給電された加速度センサ510は、監視対象200の振動を加速度として検出し、加速度のデータを出力する。この加速度のデータは、シールドケーブル530内の信号線を介して、防爆筐体520内の評価値算出部120に入力される。
防爆筐体520内では、加速度のデータを処理して、補正済み実効値Vrmsを算出する。この算出の過程は、実施例1または実施例2と同じため、ここでの重複説明を省略する。
無線部130は、補正済み実効値Vrmsと個体IDとを無線電波として、防爆筐体520の外面に配設されたアンテナ部540から送信する。
送信された無線電波は、状態監視システム300aの通信部310に受信され、実施例1または実施例2と同じように、監視対象200の状態監視が行われる。
<実施例3の効果>
実施例3は、実施例1および実施例2の効果に加えて、次の効果を奏する。
(1)実施例3では、加速度センサ510を監視対象200に配置し、防爆筐体520を監視対象200から適度に離して配置する。そのため、防爆筐体520は、監視対象200の振動を直に受けず、長期に運用しても振動による故障は起こりづらい。
(2)実施例3では、アンテナ部540を防爆筐体520側に設けることで、アンテナ部540を監視対象200から離して配置する。そのため、アンテナ部540は、監視対象200による電波妨害を受けにくく、通信性能を高めて通信可能距離を長くすることができる。
(3)実施例3では、防爆筐体520を使用する。そのため、火花や油が飛ぶような劣悪な環境下においても、防爆筐体520の内部を堅牢に保護することができる。
<実施形態の補足事項>
なお、実施形態では加速度センサ110を振動センサとして採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。振動センサとしては変位センサや圧力センサや圧電センサや速度センサなど、振動を検出するセンサ全般が使用できる。
また、実施形態では、評価値として実効値を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。評価値としては、振動の異常/正常または振動の有無などの状態を示す値であればよい。例えば、評価値として、振動加速度の実効値や、振動変位の実効値などを採用することが好ましい。
さらに、実施形態では、実効値を演算により求めている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。振動が単振動とみなせる場合は、振動の振幅を求めてオフセット誤差を補正し、補正済み振幅を1/√2倍すれば実効値を簡略に求めることができる。
また、実施形態では、図3のステップS17において、最大加速度Amaxを求める。無線部130において、この最大加速度Amaxを更に無線送信してもよい。その場合、状態監視システム300において監視対象200に加わる衝撃を最大加速度Amaxとして監視することも可能になる。
さらに、実施形態では、無線部130は無線送信するのみである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。無線部130に無線受信の機能を付加してもよい。この場合、外部から受信した命令に従って、状態監視タグ100の稼働パターンを任意に変更できる。このようにすれば、外部が所望するタイミングで状態監視タグ100に評価値を無線送信させることができる。
また、外部から起動命令として特定の状態監視タグ100の個体ID132を送信してもよい。この場合、対応する個体ID132を有する状態監視タグ100のみが評価値の無線送信を実施する。このようにすれば、外部が所望するタイミングで、特定の状態監視タグ100に評価値を無線送信させることが可能になる。
なお、光発電部100aの起電圧や起電流を復調して光信号の命令を取り出す復調回路を設けてもよい。この復調回路により、光発電部100aにおいて光信号を受信することが可能になる。この光信号の命令に評価値算出部120が従うことにより、状態監視タグ100の稼働パターンを外部から任意に変更できる。このようにすれば、外部からの光信号によって、所望するタイミングで状態監視タグ100に評価値を無線送信させることができる。
また、外部から光信号として特定の状態監視タグ100の個体ID132を送信してもよい。この場合、対応する個体ID132を有する状態監視タグ100のみが評価値の無線送信を実施する。このようにすれば、外部からの光信号によって、所望するタイミングで、特定の状態監視タグ100に評価値を無線送信させることが可能になる。
さらに、オフセット誤差が無視できる場合には、速度平方和Vsum2に基づいて次式の実効値Vrms′を求めてもよい。
Vrms′=Xscale・Z・{√(Vsum2/n}}/SFreq/L
また、実施例では、蓄電部141の蓄電荷量が所定量を超えると、加速度センサ110および評価値算出部120に電源を供給する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。加速度センサ110や評価値算出部120に対して常に電源供給を行ってもよい。その場合、状態監視タグ100は、振動の検出と評価値の算出によって監視対象を常時監視することが可能になる。そして、評価値が異常振動や異常停止や振動有無などの異常状態を示した場合に電子スイッチ133をオン制御し、無線部130を起動して異常状態を無線送信する。これにより、「常時は監視」かつ「異常時は外部へ送信」という実用性の高い状態監視タグ(システム)が実現する。
なお、実施例では、評価値を算出した直後に無線部130に電源を供給する。その結果、振動の検出から時間を置かずに評価値を無線出力するため、高速に変化する状態をほぼリアルタイムに監視する用途に好適である。しかしながら、本発明はこれに限定されない。評価値の算出後に所定の発電時間をおいた後に、無線部130に電源を供給してもよい。この場合、発電時間をおくことで蓄電部141の蓄電荷量が増すため、無線部130の送信電力を強めることができる。それによって、状態監視タグ100の無線送信可能な距離を更に拡大することが可能になる。
また、この動作を連続的に行う場合は、(今回の振動の検出・評価値の算出)→(発電時間の待機)→(今回の評価値を無線送信)→(次回の振動の検出・評価値の算出)を繰り返すことが好ましい。この場合、無線送信の前に発電時間の待機が常に入るため、送信電力の確保が容易くなる。
なお、実施例2では、補正済み合成実効値Qを無線送信している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、3軸方向の各評価値をそれぞれ無線送信してもよい。この場合、3軸方向の各評価値に基づいて振動の向きを求めることが可能になる。
100…状態監視タグ、100a…光発電部、110…加速度センサ、120…評価値算出部、121…逐次更新部、122…実効値算出部、130…無線部、132…個体ID、133…電子スイッチ、141…蓄電部、200…監視対象、300…状態監視システム、310…通信部、320…監視部、500…状態監視装置、510…加速度センサ、520…防爆筐体、530…シールドケーブル、540…アンテナ部

Claims (9)

  1. 振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサから前記振動の検出値を逐次取得し、複数の前記検出値に基づいて前記
    振動の異常/正常または前記振動の有無の状態を示す評価値を算出する評価値算出部
    と、
    前記評価値算出部が算出した前記評価値を無線送信する無線部と、
    光発電により電源供給を行う光発電部と
    を備える状態監視装置であって、
    前記振動センサは、
    前記検出値として、前記振動の加速度Accを逐次出力する加速度センサであり、
    前記評価値算出部は、

    逐次出力される前記加速度Accごとに、前記加速度Accを積算した速度値SAccと、
    前記速度値SAccの平方値を積算した速度平方和Vsum2を逐次更新する逐次更新部と、
    前記逐次更新部において逐次更新を完了した値に基づいて、前記振動の速度の実効値
    に換算可能な値を前記評価値として算出する実効値算出部と
    を有することを特徴とする状態監視装置。
  2. 請求項1に記載の状態監視装置において、
    前記逐次更新部は、
    逐次出力される前記加速度Accごとに、前記加速度Accを積算した速度値SAccを逐次更新し、
    逐次更新される前記速度値SAccごとに、前記速度値SAccを積算した速度和
    Vsum1を逐次更新し、
    逐次更新される前記速度値SAccごとに、前記速度値SAccの平方値を積算した速度平方和Vsum2を逐次更新し、
    逐次更新される前記速度値SAccごとに、前記速度値SAccとその時系列順nとの積を積算した第1次補正項Vsum21を逐次更新し、
    前記実効値算出部は、
    前記逐次更新部において逐次更新を完了した値(前記速度値SAccと、前記速度和V
    sum1と、前記速度平方和Vsum2と、前記第1次補正項Vsum21)と、加速度Accのデータ数nと、加速度Accのサンプリング周波数SFreqと、1からnまでの自然数の平方和である第0次補正項Vsum20と、予め定めた係数Zと、予め定めた除数Lとに基づいて、
    次式に示す、誤差補正済みの実効値Vrmsに換算可能な値を前記評価値として求める
    VS1=Z・(Vsum1-SAcc・(n+1)/2)/SFreq/L
    VS2=Z2(Vsum2-2・Vsum21・SAcc/n+
    Vsum20・SAcc/n・SAcc/n)/SFreq2/L2
    Vrms2=(VS2-VS12/n)/n
    ことを特徴とする状態監視装置。
  3. 請求項2に記載の状態監視装置において、
    前記加速度センサは、
    3軸方向の加速度を出力し、
    前記評価値算出部は、
    前記実効値の平方Vrms2を前記3軸方向ごとに求めて合成し、3軸の合成実効値の平方を求め、前記3軸の合成実効値に換算可能な値を前記評価値として求める
    ことを特徴とする状態監視装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の状態監視装置において、
    前記評価値算出部は、整数計算により前記評価値を求める
    ことを特徴とする状態監視装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の状態監視装置において、
    前記光発電部は、
    2酸化ケイ素ソーラーセルである
    ことを特徴とする状態監視装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の状態監視装置において、
    前記光発電部は、
    光発電した電荷を蓄積し、前記振動センサ、前記評価値算出部、および前記無線部に
    電源供給を行う蓄電部を備える
    ことを特徴とする状態監視装置。
  7. 請求項6に記載の状態監視装置において、
    前記蓄電部は、
    前記評価値が算出された後に、前記無線部に電源供給を行う
    ことを特徴とする状態監視装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の状態監視装置において、
    前記無線部は、
    前記状態監視装置ごとに割り当てられた個体識別情報を保持し、『個体識別情報の無
    線送信』および『対応する個体識別情報の受信に対する前記評価値の無線送信』の少なく
    とも一つを行う
    ことを特徴とする状態監視装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の状態監視装置と、
    前記状態監視装置から無線送信される前記評価値を受信する通信部と、
    前記通信部で受信された前記評価値に基づいて、前記状態監視装置が貼り付けられた監
    視対象について振動の異常/正常または振動の有無を監視する監視部と、
    を備えることを特徴とする状態監視システム。
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