JP7144815B2 - 分配弁の診断システム - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油等の供給物を送給するラインに設置される分配弁の作動を監視し、異常を診断するためのシステムに関する発明である。
例えば工場のように、機械的に作動する摺動部や回転部を備えた機器類が多数稼働する設備においては、前記各機器類に対し、グリス等の潤滑剤が定期的に適当な量で供給される必要がある。このために、潤滑剤を送給する流路の途中に、分配弁と呼ばれる装置を設けることが行われている。分配弁には種々の方式や型式があるが、デュアルライン用と呼ばれる型式の分配弁では、潤滑剤の圧送に応じて往復動作するピストンを内部に備え、該ピストンの一回の動作(往動作または復動作)あたり、一定量の潤滑剤を送り出すようになっている。
ここで、分配弁の作動が何らかの原因(管の詰まり等)によって停止した場合、潤滑剤の供給先である機器類の作動に不具合が生じるおそれがあるため、分配弁の異常を検出する仕組みが必要とされる。このような仕組みとしては、例えば分配弁の内部で作動するピストンの一端に、前記分配弁の外部から視認できるように指示棒を取り付けることが一般的に行われている。指示棒はピストンと連動するので、前記指示棒の位置を目視することで、該当する分配弁の作動・不作動を把握できる。すなわち、分配弁の外観を目視して、指示棒が動いていない場合には、その分配弁あるいは該分配弁に接続された流路に詰まり等の不具合が生じていると考えられるので、適宜修理等を行えばよい。
このような分配弁およびその診断に関する技術を記載した先行技術文献としては、例えば下記特許文献1等がある。
実開平6-85995号公報
ところで、工場のような場所では、広い敷地内に多数の機器が設置されることが多く、分配弁の設置数は、潤滑剤の供給先である機器の数が多ければそれだけ多くなる。上述のように、指示棒の目視によって作動・不作動の点検を行う型式の分配弁が設置されている場合、全ての分配弁を点検して回るのは手間のかかる面倒な作業であり、特に規模の大きい工場等では、点検に要する手間は膨大である。また、機器類の配置によっては、分配弁の指示棒を目視することが難しい場合も想定できる。異常を早期に発見するためには定期的な見回りが必要であり、場合によっては監視専門の人員を配置する必要もあり、人件費も嵩む。
そうした分配弁の点検に係る手間を軽減するための方策としては、各分配弁に作動を監視する装置を取り付け、異常が生じた際に自動で報知するシステムを導入することが考えられる。ここで、異常を報知する仕組みとしては大きく有線と無線の2形式を想定できるが、有線形式の場合、広い敷地内に多数設置されている分配弁にそれぞれ通信線を設けようとすれば、非常に複雑且つ膨大な総延長の通信線が必要になり、設置にコストが嵩むほか、工場内のレイアウトやメンテナンス性にも影響するおそれがある。一方、無線式を採用しようとする場合には、診断の精度を保つことが難しいという問題がある。多数の機器類の作動信号が飛び交う工場内では、電波同士が混信したり、ある信号が別の信号に掻き消されるなどの不具合が生じやすく、誤診断が起こりやすいのである。
本発明は、斯かる実情に鑑み、無線式の装置で分配弁の異常を診断するにあたり、診断を高い精度で行い得る分配弁の診断システムを提供しようとするものである。
本発明は、ピストンの動作により供給物の分配を行う単位弁を備え、該単位弁の作動に伴い外部に突出した指示棒が往復動作するよう構成された分配弁と、前記分配弁に取り付けられ、前記指示棒の往復動作を監視する診断・通信ユニットとを備え、前記診断・通信ユニットは、前記指示棒の動作に基づき前記分配弁に関する診断を行い、診断の結果を報知する診断信号を無線で発信するよう構成され、前記診断・通信ユニットは、前記指示棒に取り付けられる支持部と、電子部品を備えて前記支持部に対し取り付けられる基板とを備え、前記支持部は、前記指示棒を通す固定孔の設けられた面と、前記基板を支持する支持孔の設けられた面とを備え、前記固定孔または前記支持孔の少なくとも一方は長孔として構成されていることを特徴とする分配弁の診断システムにかかるものである。
また、本発明は、ピストンの動作により供給物の分配を行う単位弁を備え、該単位弁の作動に伴い外部に突出した指示棒が往復動作するよう構成された分配弁と、前記分配弁に取り付けられ、前記指示棒の往復動作を監視する診断・通信ユニットとを備え、前記診断・通信ユニットは、前記指示棒の動作に基づき前記分配弁に関する診断を行い、診断の結果を報知する診断信号を無線で発信するよう構成され、前記診断・通信ユニットは、動作検知部を基板に備え、前記基板の前記動作検知部を配置する領域には、前記基板を部分的に切取り可能な分割孔が設けられていることを特徴とする分配弁の診断システムにかかるものである。
本発明の分配弁の診断システムにおいて、前記診断・通信ユニットは、前記分配弁の不作動の判定が複数回行われたことを条件として前記分配弁の異常を報知する診断信号を発信するよう構成することができる。
本発明の分配弁の診断システムにおいて、前記診断・通信ユニットは、前記指示棒の往復動作を検出する動作検知部と、前記動作検知部における往復動作の検出の有無に基づき、前記分配弁の作動・不作動を判定する判定部と、無線で診断信号を発信する通信部とを備えて構成することができる。
本発明の分配弁の診断システムにおいて、前記判定部は時間に応じて起動し、判定の実行後、スリープ状態へ切り替わるよう構成することができる。
本発明の分配弁の診断システムにおいては、前記指示棒に、往復動作時に前記動作検知部に接触する接触部を備え、前記動作検知部は、前記接触部との接触により前記指示棒の往復動作を検出するよう構成されており、前記動作検知部は、前記接触部の動作範囲の中間部において接触が入力されるよう配置され、前記判定部は、前記動作検知部に対する接触の入力に応じて起動し、前記指示棒の動作が終了した後、スリープ状態へ切り替わるよう構成されてもよい。
本発明の分配弁の診断システムにおいて、前記診断・通信ユニットは、長孔状の取付孔に前記指示棒を通して前記指示棒に対し取り付けられる取付部を備えて構成することができる。
本発明の分配弁の診断システムによれば、無線式の装置で分配弁の異常を診断するにあたり、診断を高い精度で行うという優れた効果を奏し得る。
本発明の分配弁の診断システムを適用した潤滑剤の供給機構の形態の一例を簡略的に示す図である。 分配弁の内部機構の一例を概念的に示す断面図である。 分配弁の内部機構の別の一例を概念的に示す断面図である。 診断・通信ユニットの構成の一例を概念的に説明するブロック図である。 図4の診断・通信ユニットによる分配弁の診断に関し、送給機の運転と、分配弁の動作による各動作検知部への入力と、診断・通信ユニットを構成する各部の運転状態との時間的関係の一例を示すタイムチャートである。 図4の診断・通信ユニットによる分配弁の診断の手順の一例を示すフローチャートである。 診断・通信ユニットの構成の別の一例を概念的に説明するブロック図である。 図7の診断・通信ユニットによる分配弁の診断に関し、送給機の運転と、分配弁の動作による各動作検知部への入力と、診断・通信ユニットを構成する各部の運転状態との時間的関係の一例を示すタイムチャートである。 図7の診断・通信ユニットによる分配弁の診断の手順の一例を示すフローチャートである。 図4の仕組みによる診断・通信ユニットの形態の一例を説明する斜視図であり、カバーを外した状態を示している。 図10を別の方向から見た斜視図である。 図10、図11の診断・通信ユニットの分解斜視図である。 診断・通信ユニットを構成する基板の形態の一例を示す正面図である。 図7の仕組みによる診断・通信ユニットの形態の一例を説明する斜視図であり、カバーを外した状態を示している。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
I.供給機構の全体構成
図1は、本発明の分配弁の診断システムの適用対象の一例として、工場等においてグリス等の潤滑剤を供給するデュアルライン式の供給機構を簡略的に示している。
送給機1は、グリス等の供給物Gを貯留するタンク2と、該タンク2内の供給物Gを外部へ吐出するポンプ3を備えている(尚、本明細書では、分配弁を介して供給されるオイルのような液体や、グリスのような半固形の流動物等をまとめて「供給物」と称する)。ここに示した送給機1の場合、供給物Gの吐出口として、第一の吐出口4と第二の吐出口5を備えており、ポンプ3の稼働時には、内部に備えた切替機構により、第一の吐出口4または第二の吐出口5のいずれかから供給物Gを圧送するようになっている。
第一の吐出口4と第二の吐出口5には、それぞれ供給物Gを供給先の機器類へ送給する送給ライン(第一の送給ライン6および第二の送給ライン7)が接続されている。2本の送給ライン6,7は、適宜分岐しつつ互いにほぼ平行に延びており、平行に延びる2本の送給ライン6,7上の適宜位置には分配弁が配置される。ここに示した例では、8、9、10の符号をそれぞれ付した計3個の分配弁を送給ライン6,7上に図示している。
各分配弁8,9,10は、それぞれ1個以上の単位弁を内蔵すると共に、内部に2本の送給ライン6,7を引き込む機構を備えている。尚、「単位弁」とは、本明細書において説明の便宜のために設定した概念であり、分配弁の機構として備えられ、後述するようなピストンの動作によって供給物Gの分配を行う機能上の一単位を指す。ここに示した例では、分配弁8は1吐出口型の単位弁11(図2参照)を4個、分配弁9は2吐出口型の単位弁12(図3参照)を5個、分配弁10は2吐出口型の単位弁12を1個、それぞれ内蔵している。
送給ライン6,7は、各分配弁8,9,10の内部において、それぞれ各単位弁11,12に接続され、供給物Gを送り込むようになっている。各単位弁11,12では、送給ライン6,7から引き込まれた供給物Gを、1個または2個の吐出口に接続された各分配ライン13へ送り出すようになっている。各分配ライン13の下流側には機器類が接続され、ここに潤滑剤である供給物Gが供給されるようになっている(尚、図1中では、供給物Gの供給先として一部の機器類のみを図示している)。単位弁11,12の具体的な構造や仕組みについては、後に詳述する。
送給ライン6,7の末端部には、該送給ライン6,7における供給物Gの圧力を検知する検圧部29が設けられている。検圧部29の検出した圧力値は、圧力信号29aとして制御部30に入力される。
制御部30は、送給機1や分配弁8,9,10を始めとする設備内の各種機器類の作動を監視し、制御する制御盤である。制御部30は、上述の通り検圧部29から圧力信号29aを受信するほか、送給機1に対し運転信号1aを入力し、送給機1のポンプ3のオンオフや、吐出口の切替え(第一の吐出口4と第二の吐出口5のいずれから供給物Gを吐出するかの切替え)を行う機能を備えている。
分配弁8,9,10には、各々の内蔵する単位弁11,12の作動を監視して異常の有無を診断し、その結果を診断信号31aとして制御部30に対し無線で発信する診断・通信ユニット31がそれぞれ取り付けられている。診断・通信ユニット31の具体的な構成や作動については後に詳述する。
配電盤である制御部30の付近、あるいはその他の適当な位置には、警報部32が設けられている。後述するように、診断・通信ユニット31から単位弁11,12の異常を知らせる診断信号31aが制御部30へ入力された際には、制御部30から警報部32へ警報信号32aが無線または有線により入力され、警報部32から警報が発報されるようになっている。警報部32としては種々の構成を採用することができ、例えばランプの点灯や音で単位弁11,12の異常を報知してもよいし、また、液晶ディスプレイのような表示機や、パーソナルコンピュータのような情報端末装置等として警報部32を構成し、そこに警告を表示することもできる。また、異なる種類の警報部32を併用してもよいし、複数の警報部32を別々の場所に設置してもよい。
尚、ここに示した送給ラインや各種機器類の構成は説明のため便宜的に想定した一例であって、実際の設備においては、送給ラインや分配ラインの流路構成、単位弁や分配弁の設置数および位置、その他の構成を適宜変更し得る。
II.分配弁の構成(1)
分配弁を構成する単位弁の一例として、1吐出口型の単位弁11の内部構造を図2に示す。単位弁11は、第一の送給ライン6(図1参照)から供給物Gを引き込む引込口(第一の引込口)14と、第二の送給ライン7(図1参照)から供給物Gを引き込む引込口(第二の引込口)15とを備えている。第一の引込口14と第二の引込口15の入口端は、それぞれ単位弁11の側面の上部または下部に開口しており、ここにはそれぞれ、第一の送給ライン6または第二の送給ライン7が図示しない配管を介して接続される。
単位弁11の内部には、上下方向に延びる2本の円筒状の空間(パイロットシリンダ16およびメインシリンダ17)が設けられている。パイロットシリンダ16の上下端部は、それぞれ引込流路18,19を介して第一、第二の引込口14,15と接続されている。引込流路18にとっては、第一の引込口14が入口、パイロットシリンダ16の上端部との接続部が出口であり、引込流路19にとっては、第二の引込口15が入口、パイロットシリンダ16の下端部との接続部が出口である。
パイロットシリンダ16の中間部には吐出流路20の入口端が接続されており、吐出流路20の出口端は、吐出口21として単位弁11の外面の一箇所(ここでは、底面)に開口している。この吐出口21には、分配ライン13(図1参照)の入口端が接続される。
パイロットシリンダ16とメインシリンダ17は、2本の連絡流路22,23で互いに接続されている。連絡流路22の一端は、パイロットシリンダ16における引込流路18の出口端と吐出流路20の入口端の間の位置に接続されており、連絡流路22の他端は、メインシリンダ17の上部に接続されている。連絡流路23の一端は、パイロットシリンダ16における引込流路19の出口端と吐出流路20の入口端の間の位置に接続されており、連絡流路23の他端は、メインシリンダ17の下部に接続されている。
パイロットシリンダ16とメインシリンダ17には、それぞれピストン(パイロットピストン24およびメインピストン25)が内蔵されている。
パイロットシリンダ16内に設けられたパイロットピストン24は、パイロットシリンダ16の軸方向に沿って延びる軸24aの両端部に、それぞれ円筒形の弁体24b,24cを備えて構成されている。各弁体24b,24cの軸24aと直交する断面の形状は、パイロットシリンダ16の断面形状と一致しており、後述するように、各弁体24b,24cに加わる供給物Gの圧力により、パイロットピストン24の全体がパイロットシリンダ16内を上下に動作するようになっている。
軸24aの長さ、および軸24aに対する2個の弁体24b,24cの位置は、以下のように設定されている。パイロットピストン24がパイロットシリンダ16内の上側に位置している時は、上側の弁体24bが連絡流路22の一端より上側に位置し、且つ下側の弁体24cが吐出流路20の入口端と、連絡流路23の一端の間に位置する(図2中に実線で示すパイロットピストン24の位置を参照)。パイロットピストン24がパイロットシリンダ16内の下側に位置している時は、上側の弁体24bが吐出流路20の入口端と、連絡流路22の一端の間に位置し、且つ下側の弁体24cが連絡流路23の一端より下側に位置する(図2中に一点鎖線で示すパイロットピストン24の位置を参照)。
メインシリンダ17内に設けられたメインピストン25は、円筒形の弁体25aを備えている。弁体25aの軸方向と直交する断面の形状は、メインシリンダ17の断面形状と一致しており、後述するように、供給物Gの圧力によって弁体25aがメインシリンダ17内を上下に動作するようになっている。
弁体25aは、メインシリンダ17内において、連絡流路22,23同士の間を上下するようになっている。すなわち、弁体25aがメインシリンダ17における動作範囲の上端に位置している時、弁体25aの上端は連絡流路22の他端に対して下側に位置する(図2中に実線で示すメインピストン25の位置を参照)。弁体25aがメインシリンダ17における動作範囲の下端に位置している時、弁体25aの下端は連絡流路23の他端に対して上側に位置する(図2中に二点鎖線で示すメインピストン25の位置を参照)。こうして、メインピストン25は、メインシリンダ17内において、連絡流路22が接続された上部と、連絡流路23が接続された下部との間を区画しつつ上下に動作する。
弁体25aの一端側(ここに示した例では、上端側)からは、メインピストン25の動作方向に沿って軸25bが突出している。この軸25bの先端部(弁体25aとは反対側の端部)には指示棒26が取り付けられている。指示棒26は単位弁11から上方に向かって外側に突出しており、メインピストン25の往復動作に伴い、単位弁11の外部において上下に動作するようになっている。
III.分配弁の作動(1)
単位弁11の作動を説明する。初期状態において、パイロットピストン24はパイロットシリンダ16内の下側(図2中に一点鎖線にて示す位置)にあり、メインピストン25はメインシリンダ17内の上側(図2中に実線にて示す位置)にあるとする。パイロットシリンダ16とメインシリンダ17の内部は、供給物Gに満たされている。
この状態では、第一の引込口14とメインシリンダ17の上部空間とが、引込流路18、パイロットシリンダ16の上部空間および連絡流路22を通じて繋がっている。また、メインシリンダ17の下部空間は、連絡流路23と、パイロットシリンダ16の下部空間を通じて吐出流路20に繋がっている。
第一の送給ライン6(図1参照)から第一の引込口14に供給物Gが送り込まれると、引込流路18からパイロットシリンダ16の上部空間および連絡流路22を通じ、メインシリンダ17内におけるメインピストン25の上面に対し圧力が加えられる。メインピストン25の弁体25aは、この圧力によってメインシリンダ17内を下降する。すると、メインシリンダ17のメインピストン25の下側にある供給物Gが、連絡流路23からパイロットシリンダ16の下部空間に押し出され、吐出流路20を通じて吐出口21から分配ライン13(図1参照)へ吐出される。メインピストン25がメインシリンダ17内における動作範囲の下端(図2中に二点鎖線にて示す位置)に達すると、メインピストン25の動作はそこで止まる。こうして、一定量の供給物Gが吐出口21から吐出される。
続いて、送給機1の運転状態を切り換え(図1参照)、第一の送給ライン6への供給物Gの供給を止めて第二の送給ライン7へ供給物Gを供給する。第二の送給ライン7への供給物Gの供給を始めた時点において、パイロットピストン24はパイロットシリンダ16内の下側(図2中に一点鎖線にて示す位置)にあり、メインピストン25もメインシリンダ17内の下側(図2中に二点鎖線にて示す位置)にある。
この状態では、第二の引込ライン15からパイロットシリンダ16の内部空間までの間は、パイロットピストン24の弁体24cにより区画されている。
第二の送給ライン7(図2参照)から第二の引込口15に供給物Gが送り込まれると、引込流路19から弁体24cの下面に対し圧力が加えられる。パイロットピストン24は、この圧力によってパイロットシリンダ16内を上昇し、図2中に実線にて示す位置に移動する。
これにより、引込流路19とメインシリンダ17の下部空間とが、パイロットシリンダ16の下部空間と連絡流路23を通じて繋がる。また、メインシリンダ17の上部空間は、連絡流路22と、パイロットシリンダ16の上部空間を通じて吐出流路20に繋がる。
さらに第二の送給ライン7(図1参照)から第二の引込口15へ供給物Gが送り込まれると、引込流路19からパイロットシリンダ16の下部空間および連絡流路23を通じ、メインシリンダ17内にあるメインピストン25の弁体25aの下面に対し圧力が加えられる。メインピストン25は、この圧力によってメインシリンダ17内を上昇する。すると、メインシリンダ17のメインピストン25の上側にある供給物Gが、連絡流路22からパイロットシリンダ16の上部空間に押し出され、吐出流路20を通じて吐出口21から分配ライン13(図1参照)へ吐出される。メインピストン25がメインシリンダ17内における動作範囲の上端(図2中に実線にて示す位置)に達すると、メインピストン25の動作はそこで止まる。こうして、一定量の供給物Gが吐出口21から吐出される。
送給機1の運転状態を再び切り換え(図1参照)、第二の送給ライン7への供給物Gの供給を止めて第一の送給ライン6へ供給物Gを供給すると、パイロットシリンダ16内の上側(図2中に実線にて示す位置)にあるパイロットピストン24の弁体24bの上面に圧力が加わり、パイロットピストン24はパイロットシリンダ16内を下降して、パイロットシリンダ16内の下側(図2中に一点鎖線にて示す位置)に戻る。この時点で、メインピストン25はメインシリンダ17内の上側(図2中に実線にて示す位置)にある。これは、上記した初期状態と同じである。
こうして、送給機1の運転状態の切り換えに伴い、パイロットピストン24とメインピストン25がパイロットシリンダ16またはメインシリンダ17内を上下し、そのたびに一定量の供給物Gが吐出口21から吐出され、分配ライン13を通じて機器類へ供給される。このとき、メインピストン25の軸25bに取付けられた指示棒26は、メインピストン25と連動して上下に往復動作を行う。
IV.分配弁の構成(2)
続いて、単位弁の別の一例として、2吐出口型の単位弁12の内部構造を図3に示す。
単位弁12の基本的な構造は、単位弁11と共通している。単位弁12は、第一の送給ライン6(図1参照)から供給物Gを引き込む第一の引込口14と、第二の送給ライン7(図1参照)から供給物Gを引き込む第二の引込口15とを備えている。単位弁12の内部には、パイロットピストン24の収容されたパイロットシリンダ16と、メインピストン25の収容されたメインシリンダ17が設けられている。パイロットシリンダ16の上下端部は、それぞれ引込流路18,19を介して第一、第二の引込口14,15と接続されている。パイロットシリンダ16とメインシリンダ17は、2本の連絡流路22,23で互いに接続されている。
メインシリンダ17内に設けられたメインピストン25は、メインシリンダ17内において、連絡流路22が接続された上部と、連絡流路23が接続された下部との間を、弁体25aによって区画しつつ上下に動作するようになっている。
弁体25aの一端側(ここに示した例では、上端側)からは、メインピストン25の動作方向に沿って軸25bが突出している。軸25bの先端部には指示棒26が取り付けられ、メインピストン25の往復動作に伴って単位弁12の外部で指示棒26が上下に動作するようになっている。
以上の構成については1吐出口型の単位弁11(図2参照)と同様であるが、図3に示す2吐出口型の単位弁12の場合、パイロットシリンダ16に連通する吐出流路を2本備えており、またこれに伴い、パイロットピストン24に弁体を3個備えた点が異なっている。
パイロットシリンダ16の中間部における上寄りの位置には、吐出流路27の入口端が接続されている。吐出流路27の出口端は、吐出口28として単位弁12の外面の一箇所(ここでは、側面)に開口しており、この吐出口28には分配ライン13(図1参照)の入口端が接続される。
パイロットシリンダ16の中間部における下寄りの位置には、吐出流路20の入口端が接続されている。吐出流路20の出口端は、吐出口21として単位弁11の外面の一箇所(ここでは、底面)に開口しており、この吐出口21には分配ライン13(図1参照;上記吐出口21に接続される分配ライン13とは別)の入口端が接続される。
連絡流路22の一端は、パイロットシリンダ16における引込流路18の出口端と吐出流路27の入口端の間の位置に接続されており、連絡流路22の他端は、メインシリンダ17の上部に接続されている。連絡流路23の一端は、パイロットシリンダ16における引込流路19の出口端と吐出流路20の入口端の間の位置に接続されており、連絡流路23の他端は、メインシリンダ17の下部に接続されている。
2吐出口型の単位弁12の場合、パイロットピストン24は、パイロットシリンダ16の軸方向に沿って延びる軸24aの両端部および中間部に、計3個の弁体24b,24c,24dを備えている。軸24aの長さ、および軸24aに対する3個の弁体24b,24c,24dの位置は、以下のように設定されている。パイロットピストン24がパイロットシリンダ16内の上側に位置している時は、上側の弁体24bが連絡流路22の一端より上側に位置し、下側の弁体24cが吐出流路20の入口端と、連絡流路23の一端の間に位置する(図3中に実線で示すパイロットピストン24の位置を参照)。パイロットピストン24がパイロットシリンダ16内の下側に位置している時は、上側の弁体24bが吐出流路27の入口端と、連絡流路22の一端の間に位置し、且つ下側の弁体24cが連絡流路23の一端より下側に位置する(図3中に一点鎖線で示すパイロットピストン24の位置を参照)。中間部の弁体24dは、吐出流路20の入口端と、吐出流路27の入口端の間を上下する。すなわち、パイロットピストン24が上側(実線で示す位置)にある時は、弁体24dは吐出流路27の入口端のやや下に位置し、パイロットピストン24が下側(一点鎖線で示す位置)にある時は、弁体24dは吐出流路20の入口端のやや上に位置する。
V.分配弁の作動(2)
単位弁12の作動を説明する。初期状態において、パイロットピストン24はパイロットシリンダ16内の下側(図2中に一点鎖線にて示す位置)にあり、メインピストン25はメインシリンダ17内の上側(図2中に実線にて示す位置)にあるとする。
この状態では、第一の引込口14とメインシリンダ17の上部空間とが、引込流路18、パイロットシリンダ16の上部空間および連絡流路22を通じて繋がっており、メインシリンダ17の下部空間は、連絡流路23と、パイロットシリンダ16の下部空間を通じて吐出流路20に繋がっている。
第一の送給ライン6(図1参照)から第一の引込口14に供給物Gが送り込まれると、引込流路18からパイロットシリンダ16の上部空間および連絡流路22を通じ、メインシリンダ17内にあるメインピストン25の上面に対し圧力が加えられ、弁体25aが下降する。メインシリンダ17のメインピストン25の下側にある供給物Gが連絡流路23からパイロットシリンダ16の下部空間に押し出され、吐出流路20を通じて吐出口21から吐出される。メインピストン25がメインシリンダ17内における動作範囲の下端(図2中に二点鎖線にて示す位置)に達すると、メインピストン25の動作はそこで止まる。
続いて、第一の送給ライン6への供給物Gの供給を止め、第二の送給ライン7へ供給物Gを供給する。第二の送給ライン7への供給物Gの供給を始めた時点において、パイロットピストン24はパイロットシリンダ16内の下側(図2中に一点鎖線にて示す位置)にあり、メインピストン25もメインシリンダ17内の下側(図2中に二点鎖線にて示す位置)にある。
この状態では、第二の引込ライン15からパイロットシリンダ16の内部空間までの間は、パイロットピストン24の弁体24cにより区画されている。
第二の送給ライン7(図1参照)から第二の引込口15に供給物Gが送り込まれると、引込流路19から弁体24cに圧力が加えられ、パイロットピストン24が上昇し、図2中に実線にて示す位置に移動する。これにより、引込流路19とメインシリンダ17の下部空間とが、パイロットシリンダ16の下部空間と連絡流路23を通じて繋がる。また、メインシリンダ17の上部空間が、連絡流路22と、パイロットシリンダ16の上部空間を通じて吐出流路27に繋がる。
さらに第二の送給ライン7(図1参照)から第二の引込口15へ供給物Gが送り込まれると、メインピストン25の弁体25aに圧力が加えられてメインピストン25が上昇し、メインピストン25の上側にある供給物Gが、連絡流路22からパイロットシリンダ16の上部空間に押し出され、吐出流路27を通じて吐出口28から吐出される。メインピストン25がメインシリンダ17内における動作範囲の上端(図3中に実線にて示す位置)に達すると、メインピストン25の動作はそこで止まる。
送給機1の運転状態を再び切り換え(図1参照)、第二の送給ライン7への供給物Gの供給を止めて第一の送給ライン6へ供給物Gを供給すると、パイロットシリンダ16内の上側(図2中に実線にて示す位置)にあるパイロットピストン24の弁体24bに圧力が加わり、パイロットピストン24が下降して下側(図2中に一点鎖線にて示す位置)に戻る。
このように、図2、図3に示す如き単位弁11,12は、いずれの送給ラインから供給物Gが引き込まれるかに応じてパイロットピストン24およびメインピストン25が上下いずれかに動作し、メインピストン25が動作範囲の端に達した時点で停止するようになっており、このような仕組みの単位弁11,12が、送給ライン6,7上に複数設けられている。
尚、分配弁や単位弁の構造としては、上に説明した以外にも種々の構造を想定できるが、本発明の診断システムは、ピストンの往復動作によって供給物を供給する構造であり、前記ピストンと連動して動作する指示棒を外部に備えた分配弁であれば、型式にかかわらず適用し得る。
VI.供給機構の作動
以上の如き供給物Gの供給機構において、制御部30による送給機1の運転制御は、例えば以下のように行われる。
制御部30(図1参照)は、定期的に送給機1のポンプ3に対し起動を指令する。その際、運転毎に、前回の運転時とはと違う吐出口から供給物Gを吐出する。すなわち、ある回の運転で第一の吐出口4から第一の送給ライン6に供給物Gを吐出したら、次の回の運転では第二の吐出口5から第二の送給ライン7に供給物Gを吐出する。その次の回の運転では、再び第一の吐出口4から第一の送給ライン6に供給物Gを吐出する。毎回のポンプ3の運転は、検圧部29から入力される圧力信号29aの示す圧力値が閾値に達した時点で停止するようになっている。
パイロットピストン24およびメインピストン25が動作範囲の上端に位置する状態で(図2、図3参照)、送給機1から第一の送給ライン6に供給物Gを吐出すると、第一の送給ライン6からの圧力の入力により、各単位弁11,12ではパイロットピストン24が下降して止まり、続いてメインピストン25が供給物Gを吐出流路20に押し出しながら下降して止まる。ここで、各単位弁11,12でパイロットピストン24やメインピストン25が動作している間は、第一の送給ライン6にポンプ3から入力される圧力がパイロットピストン24やメインピストン25の動作によって逃げるため、検圧部29で検出される圧力はさほど上がらない。送給ライン6,7上にある全ての単位弁11,12でパイロットピストン24とメインピストン25が下がりきり、動作が停止した時点で、圧力の逃げ場がなくなり、検圧部29で検出される圧力値が高まる。そこで、予め設定された閾値以上の圧力値が圧力信号29aとして検出されたことを条件に、ポンプ3を停止する。このようにして、全ての単位弁11,12でメインピストン25が下降動作をし、一定量の供給物Gが分配ライン13に吐出された段階でポンプ3が停止される。
前回の運転の開始から一定時間の経過後、制御部30は、ポンプ3を逆側に作動させる。送給機1から第二の送給ライン7に供給物Gが吐出されると、各単位弁11,12ではパイロットピストン24とメインピストン25が順次上昇して上端で止まる。全ての単位弁11,12でパイロットピストン24とメインピストン25の上昇が停止すると、第二の送給ライン7内の圧力が上昇する。検圧部29で検出される圧力値が閾値を超えた時点で、制御部30はポンプ3を停止する。この運転の開始から一定時間が経過したら、制御部30は吐出口を切り替えて再びポンプ3を作動させる。
このようにして、送給機1は、一回の運転毎に供給物Gを吐出する吐出口を交互に切り替えながら、ポンプ3の運転と停止を繰り返す間欠運転を行う。
VII.診断・通信ユニットの構成概要(1)
診断・通信ユニット31の構成の一例を説明する。図4に示す診断・通信ユニット31は、単位弁11,12に設けられた指示棒26の往復動作を物理接触により検出し、単位弁11,12の診断を行うようになっている。診断・通信ユニット31は、指示棒26の接触を検出する動作検知部としてのリミットスイッチ40と、リミットスイッチ40に対する接触入力のデータを記録する記憶部41と、動作検知部40に対する接触入力の有無に基づき、単位弁11,12の作動・不作動を判定し、分配弁8,9,10の異常を診断する判定部42と、判定部42による診断結果を診断信号31aとして無線で発信する通信部43と、これらの作動電力を供給する電池式の電源部44と、判定部42および通信部43の運転状態をスリープ状態と起動状態との間で切り換える運転切替部45とを備えた簡単な構成の装置である。さらに、図4に示す診断・通信ユニット31の場合、時間を計測するタイマ部46を備えており、運転切替部45では、タイマ部46により計測される時間を参照し、予め設定された時間毎に判定部42のスリープ状態を起動状態に切り替えるようになっている。また後述するように、運転切替部45は、判定部42による診断結果に応じ、通信部43のスリープ状態を起動状態に切り替えるようになっている。また、運転切替部45は、一連の診断や通信が終了したら、起動状態にある判定部42や通信部43をスリープ状態に自動で切り替えるようにもなっている。
リミットスイッチ40は、分配弁8,9,10(図1参照)を構成する各単位弁11,12(図2、図3)の指示棒26の動作範囲内に設置される。指示棒26は、上述したようにメインピストン25の往復動作と連動して動作範囲を往復するので、メインピストン25が上側に動けば指示棒26がリミットスイッチ40に接触してリミットスイッチ40は入力状態となり、メインピストン25が下側に動けば指示棒26がリミットスイッチ40から離れてリミットスイッチ40は非入力状態となる。メインピストン25は、送給機1における吐出口の切替えにより一定時間毎に切り替わりながら往復動作するので、単位弁11,12が正常に作動している限り、各単位弁11,12に設置されたリミットスイッチ40は、送給機1の運転周期毎に入力状態と非入力状態が切り替わる。単位弁11,12に何らかの異常があってメインピストン25の動作が正常に行われなかった場合には、リミットスイッチ40の入力状態と非入力状態が切り替わらない。よって、リミットスイッチ40への接触入力を通じ、指示棒26の往復動作の有無を監視することで、単位弁11,12の作動に関する異常の有無を把握できる。尚、動作検知部としては、リミットスイッチに限らず、例えばレーザ式あるいは超音波式の近接センサ等も採用することができる。指示棒の往復動作を監視し得る装置である限り、動作検知部はどのような構成の装置であってもよい。
ここで、診断・通信ユニット31では、無線式の通信部43と、電池式の電源部44を採用し、無線式で分配弁8,9,10を随時監視できるようになっている。各分配弁8,9,10毎に通信や送電のための配線を設けようとすると、特に規模の大きな工場等では配線構成が複雑かつ長大になり、手間のかかる配線工事が必要になるので、これを避けるための構成である。一方、診断や通信のための電力を電池式の電源部44で賄おうとした場合、特に通信に電力がかかるので、例えば判定部42や通信部43を常時稼働させ、診断結果を逐次制御部30(図1参照)に入力するようにしたとすると、電源部44の電力が早期に尽き、電池を取り替えたり充電する作業が頻繁に発生してしまう。そこで、タイマ部46と運転切替部45により、時間に応じて判定部42を起動して判定や診断を行い、さらに必要に応じて通信部43による通信を行い、その後は各部をスリープ状態に切り替えることで、電力消費を抑えて長期にわたり継続的に診断することを可能にしている。
VIII.診断の手順(1)
診断に係る具体的な手順を説明する。図5は、図4に示したような診断・通信ユニットを設けた場合の分配弁の診断に関し、送給機の運転と、分配弁の作動による各動作検知部(リミットスイッチA~D)への入力と、診断・通信ユニットを構成する各部(運転切替部、判定部、通信部)の運転状態との時間的関係を示すタイムチャートの一例である。ここでは、4個の単位弁を備えた分配弁の各指示棒に対し、それぞれリミットスイッチを取り付けて診断を行う場合を想定している。横軸は時間を表し、横に伸びる各線は、時間軸に沿った各部の運転状態を表す。
まず、送給機は、一定時間(Δtとする)毎に吐出口を切り替えつつ作動する。ここでは、時刻tからの運転(Operation 1)と、時刻t+Δtからの運転(Operation 2)と、時刻t+2Δtからの運転(Operation 3)の計3回の運転を含む、ある時間帯の運転を示している。
時刻tから始まる送給機の1度目の運転(Operation 1)において、例えば第二の吐出口から第二の送給ラインへ供給物Gが吐出されると、各単位弁内のメインピストンが次々に作動し、動作範囲の下端に位置していた各指示棒が上昇してそれぞれのリミットスイッチに接触する(図5中に「on」の語で示す)。送給ライン上にある全ての単位弁の作動が終了すると、第二の送給ライン内で供給物の圧力が上昇し、圧力値が閾値を超えると、送給機は停止する(時刻t)。
時刻t+Δtから始まる送給機1の2度目の運転(Operation 2)では、吐出口が切り替わり、第一の吐出口から第一の送給ラインへ供給物が吐出されて各単位弁内のメインピストンが下降し、動作範囲の上端に位置していた各指示棒が下降してリミットスイッチから離れる(off)。
ここで、4個の単位弁のうち、図5におけるリミットスイッチDに対応する1個の単位弁において、1度目の運転(Operation 1)でメインピストンが動作した後、図中に時刻tとして示すタイミングに不具合(例えば、単位弁の内部や、該単位弁に接続された分配ラインにおける詰まり等)が生じ、単位弁が動かなくなったとする。この場合、この単位弁に限っては、その後、送給機において吐出口が切り替わっても、対応するリミットスイッチDに接触が入力されたまま(on)となる。
送給ライン上にある全ての正常な単位弁の作動が終了すると、圧力が上昇し、送給機1は停止する(時刻t)。
時刻t+2Δtから始まる送給機の3度目の運転(Operation 3)では、吐出口が再度切り替わり、第二の送給ラインへ供給物が吐出されて各単位弁内のメインピストンが上昇し、これと共に各指示棒が上昇してリミットスイッチに接触する(on)。異常のためOperation 1の後Operation 2までの間メインピストンが上昇したままであった単位弁(リミットスイッチDに対応)については、そのままリミットスイッチDへの接触(on)が継続される。全ての正常な単位弁の作動が終了すると、圧力が上昇し、送給機は停止する(時刻t)。
診断・通信ユニットの運転切替部は、タイマ部で計測される時間に基づき、定期的に(ここに示す例では、Δt毎に)判定部を起動するよう設定されている。
このように構成された診断・通信ユニットにおいて、分配弁の診断は、送給機の運転の間欠期に行うことが好ましい。送給機のポンプが稼働している間は、分配弁においてメインピストンおよび指示棒が動作するので、診断のタイミングによっては正しい判定ができない可能性があるからである。
そこで、ここに示した例では、送給機の各回の運転の開始の少し前に判定部を起動するよう、運転切替部を設定してある。図5に示す時間帯では、運転切替部は、1度目の運転の直前の間欠期(Intermission 0)にあたる時刻tと、1度目の運転の後の間欠期(Intermission 1)にあたる時刻t+Δtと、2度目の運転の後の間欠期(Intermission 2)にあたる時刻t+2Δtと、3度目の運転の後の間欠期(Intermission 3)にあたる時刻t+3Δtに、それぞれ判定部を起動する。こうして、送給機の運転周期に合わせて判定部を起動することにより、運転周期に対し適切なタイミングで判定を行い、判定について正確を期すようにしている。
運転切替部によって判定部が起動されると、判定部はその時点における各リミットスイッチに対する接触入力の有無を判定し、記憶部に記録し、さらに前回までのデータと照合して各リミットスイッチに対応する単位弁の作動・不作動を判定する。この判定の結果も記憶部に記録される。さらに通信部が起動され、診断の結果(分配弁が正常であること、または、異常が検知されたこと)が診断信号(図1参照)として発信される。
まず、Intermission 0の間の時刻tに、運転切替部により判定部が起動される。時刻tにおいては、4個の単位弁に対応するリミットスイッチA~Dの全てが非入力の状態である。判定部は、各リミットスイッチについて接触入力の有無を判定し、時刻tにおける状態(off)を記憶部に記録する。また、運転切替部は通信部を起動し、通信部は、分配弁は正常であるとの診断結果を診断信号として送信する。判定と記録および通信が済んだら、運転切替部は判定部と通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
時刻tの後、時刻tから送給機が稼働し(Operation 1)、各単位弁が作動して各リミットスイッチに接触が入力(on)される。その後、Intermission 1の間の時刻t+Δtに、運転切替部が判定部を再び起動し、判定部は各リミットスイッチに対する入力の有無を判定する。判定部は、各リミットスイッチについて、現時刻t+Δtにおける状態を、前の時刻tにおける状態と比較する。この時点では、全てのリミットスイッチについて、前回がoff、今回がonであり、各リミットスイッチに対応する単位弁は、全て作動していると判定される。判定部は、現時刻t+Δtにおける各リミットスイッチの状態(on)と、単位弁の判定の結果(作動)を記憶部に記録する。また、運転切替部は通信部を起動し、通信部は、分配弁は正常であるとの診断結果を診断信号として送信する。判定と記録および通信が済んだら、運転切替部は判定部および通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
時刻t+Δtの後、時刻t+Δtから送給機が再び稼働する(Operation 2)。ここで、4個の単位弁のうち、3個は正常に作動し、対応するリミットスイッチA~Cへの接触入力が解除(off)される。残る1個の単位弁については、前回のOperation 1における作動の後(時刻t)に不具合が生じているため、Operation 2では作動せず、リミットスイッチDに接触が入力されたまま(on)である。
続くIntermission 2の間の時刻t+2Δtに、判定部が運転切替部によって再び起動され、各リミットスイッチにおける接触入力の有無を判定する。判定部は、各リミットスイッチA~Dについて、現時刻t+2Δtにおける状態を、前の起動時刻t+Δtにおける状態と比較する。この時点では、正常な3個の単位弁に対応するリミットスイッチA~Cについて、前回がon、今回がoffであり、対応する単位弁は作動していると判定されるが、残り1個の単位弁については、前回も今回もonであり、対応する単位弁が作動していないと判定される。判定部は、現時刻t+2Δtにおける各リミットスイッチの状態(onまたはoff)と、判定の結果(単位弁に不作動あり)を記憶部に記録する。また、通信部が起動し、診断信号の発信を行う。尚、後述する理由により、この時点では、(不作動ありとの判定が一度行われてはいるが)分配弁は正常であるとの診断結果が診断信号として送信される。判定と記録および通信が済んだら、運転切替部は判定部および通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
時刻t+2Δtの後、時刻t+2Δtから送給機が再び作動する(Operation 3)。ここで、4個の単位弁のうち、3個は正常に作動し、対応するリミットスイッチA~Cへ接触が入力(on)される。残る1個の単位弁については、時刻tに生じた不具合により、リミットスイッチDに依然として接触が入力されたまま(on)である。
続くIntermission 3の間の時刻t+3Δtに、判定部が運転切替部によって再び起動され、各リミットスイッチにおける接触入力の有無を判定する。判定部は、各リミットスイッチについて、現時刻t+3Δtにおける状態を、前起動の時刻t+2Δtにおける状態と比較する。この時点では、3個のリミットスイッチA~Cについて、前回がoff、今回がonであり、残り1個のリミットスイッチDについては、前回も今回もonである。判定部は、対象の単位弁に関し、再び不作動と判定する。
ここで、判定部は、記憶部の記録を参照する。過去の記録とあわせ、単位弁の不作動の判定が2回行われているので、判定部はこれをもって、分配弁に関し異常ありとの診断を行う。判定部は、現時刻t+3Δtにおける各リミットスイッチの状態(on)と、同時刻における単位弁の判定の結果(不作動あり)、および分配弁の診断の結果(異常あり)を記憶部に記録する。
また、運転切替部により起動された通信部は、分配弁に関し異常ありとの診断結果を、診断信号として制御部に発信する。判定部による判定と診断および記録、通信部による診断信号の発信が済んだら、運転切替部は判定部および通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
制御部30は、診断・通信ユニット31から異常を報知する診断信号31aが入力された場合、警報部32に対し警報信号32aを入力する(図1参照)。警報部32は、警報信号32aの入力を受けて警報を発報する。設備内に配置されている人員は、警報部32による警報を受け、該当する分配弁8や、該分配弁8に接続された分配ライン13、診断・通信ユニット31等を点検し、異常が認められれば適宜修理を行う。
ここで、本実施例では、通信部43を起動するタイミングを限定すると共に、判定部42による診断結果を診断信号31aとして送信するようにしている。これは、電力の消費を抑えると共に、ノイズの混入による誤診断を減らして診断の精度を向上するための構成である。
上にも述べたが、診断・通信ユニット31の稼働においては、特に通信部43による通信に電力がかかる。各種の信号が飛び交う工場内で、目的の機器(制御部30)まで確実に信号を届けるためには、相応の出力が必要とされるからである。工場の規模によっては通信距離も長くなるので、通信に必要な電波の出力はいっそう大きくなる。
そこで、本実施例のように、診断・通信ユニット31側で判定や診断を行い、その結果を診断信号31aとして発信するようにすれば、診断結果の把握までに必要な通信の回数を減らすことができる。例えば各動作検知部40を常時モニターし、動作の検出の有無を時々刻々外部(制御部30やその他の機器)に発信し、診断・通信ユニット31側ではなく前記外部の機器で行うようにするといった構成も想定できるが、そのようにすると常時外部と通信を行うことになり、電力を多く消費することになってしまう。本実施例のようにすれば、各リミットスイッチ40の状態や単位弁11,12の作動に関するデータそのものは送信せず、診断の結果のみを送信するので、電力消費を低く抑えることができる。
また、工場等においては、多くの機器類の信号が飛び交っているため、診断信号31aが外部の機器である制御部30に入力される際、他の機器から発せられる電波がノイズとして混入し、誤判定や誤診断が行われてしまう事態も想定できる。よって、例えば判定の度にその結果を制御部30に入力し、制御部30で正常・異常の診断を行う方式を採用した場合、判定の根拠とするデータにノイズによるエラーが含まれてしまい、不検知や過検知の原因となる可能性が考えられる。一方、本実施例のように各分配弁8,9,10に取り付けられた診断・通信ユニット31側で診断を行い、その結果を制御部30に発信するようにすれば、エラーの含まれたデータによる誤診断の可能性を減らし、診断の精度を高めることができる。
尚、本実施例では、分配弁8,9,10に関する診断として、リミットスイッチ40における接触入力の有無の判定や、これに基づく単位弁11,12の作動・不作動の判定、さらに分配弁8,9,10の正常・異常の診断を行うこと、また、診断の結果を報知する診断信号31aの内容として、単位弁11,12に関する判定に基づく分配弁8,9,10の診断結果を報知することを例示したが、分配弁に関して実際に行われる診断の内容や、診断信号の内容等は、本発明の実施態様に応じて適宜変更し得る。例えば、「分配弁に関する診断」として、「分配弁の正常・異常の診断」を含まず、「リミットスイッチへの接触入力の有無」や「各単位弁の作動・不作動」までを判定するようにしてもよい。
また、例えば診断の結果、分配弁に異常が認められた場合に限ってその旨を診断信号により報知するようにしてもよい。このようにすると、通信部43による通信の回数をさらに減らし、電力の消費をいっそう抑えることができる。一方、上に説明した例のように、分配弁8,9,10が正常と診断された場合でも診断信号31aを発信するようにした場合は、制御部30側で診断信号31aの発信時刻を確認し、電源部44における電池残量を把握することが可能である。すなわち、診断信号31aの有無と合わせて受信時刻を記録しておけば、診断信号31aが予定時刻に受信されない場合に、受信の有無を時系列に沿って整理すれば、それが電波障害によるものなのか、電池切れによるものなのかを把握することができる。
さらに、判定部42によって異常ありとの判定が複数回(ここに示す例では、2回)行われたことをもってその分配弁8,9,10に関し異常との診断を行うようにすることで、過検知による誤診断の可能性をいっそう低減することができる。尚、異常の診断の条件としての不作動の判定の回数は、ここでは2回に設定しているが、3回以上の適当な回数に設定してもよい。また、異常を診断するにあたっては、特定の1個の単位弁について不作動の判定が設定回数以上行われたことを条件とするようにしてもよいし(条件設定A)、対象とする分配弁の内蔵する単位弁であれば単位弁を特定せず、不作動判定の回数のみを条件としてもよい(条件設定B)。例えば複数の単位弁を備えた分配弁に関し、異常診断の条件としての不作動判定の回数が2回に設定されているとすると、条件設定Bでは、同じ単位弁aに関し不作動の判定が2回行われた場合(場合1)と、一個の単位弁aに関し不作動が1回判定された後に別の単位弁bに関し不作動が1回判定された場合(場合2)のいずれであっても異常が診断されるが、条件設定Aの場合は場合1のみ異常が診断されることになる。
また、本実施例では、運転切替部45による判定部42の起動の周期を、送給機1の運転周期と合わせ、同じΔtに設定している。ここで、時計機能の誤差により、タイマ部46により計測される時間が、送給機1が運転の切替えの基準とする時間とずれる場合もあることが考えられるが、タイマ部46の時間を送給機1の時間と必ずしも正確に同期させる必要はない。診断・通信ユニット31による判定のタイミングは、送給機1の運転に対し正確に同期していなくとも、適当な期間(ここに示した例では、各間欠期)のうちであれば十分であって、例えば毎回の運転開始の正しくX分前に診断がなされなくともよい。無論、診断・通信ユニット31と送給機1との間で時間のずれが累積すれば、いずれ診断のタイミングと送給機1の運転間隔の間に齟齬が生じる可能性も考えられるが、例えば定期的にタイマ部46の時計を送給機1と合わせたり、あるいは運転切替部45による判定部42の起動の度に毎回、次の起動までの時間をΔtに設定することで、そのような可能性は排除できる。
また、診断の周期は、必ずしも供給機1の運転周期と同じ(Δt)に設定しなくともよい。例えば2Δtや、3Δt毎に診断を行うようにすることもできる。
以上の如き診断・通信ユニット31による診断の工程は、例えば図6に示す如きフローチャートにまとめることができる。
まず、供給物Gの供給先である機器類の設置数やそれぞれの仕様に応じ、供給機構における供給物Gの必要供給量を算出する(ステップS1)。次に、送給ライン6,7上に設置する単位弁11,12および分配弁8,9,10の機種、数量、配置等を決定し、それに沿って送給ライン6,7および分配弁8,9,10を設置する。また、ステップS1で算出した供給物Gの必要供給量に合わせて送給機1を設置し、該送給機1の運転条件(運転間隔や供給物Gの吐出量等)を設定する(ステップS2)。各分配弁8,9,10に、診断・通信ユニット31を取り付ける(ステップS3)。
分配弁8,9,10に取り付けた各診断・通信ユニット31について、診断に関する初期設定を行う(ステップS4)。送給機1の運転間隔(Δt)に合わせて診断の間隔を設定し、異常診断の基準回数(不作動の判定が何度された場合に異常と診断するか)を設定する。また、判定部42を一度起動し、初期状態における各動作検知部(各単位弁11,12に対応するリミットスイッチ40)の状態(on/off)を記憶部41に記録する。また、これまでの不作動の判定回数をゼロにリセットする。
送給機1の間欠運転を開始すると、診断・通信ユニット31では、タイマ部46で計測される時間に応じ、適当な時刻に判定部42が起動され(ステップS5)、初回の判定が行われる(ステップS6)。各単位弁11,12に対応するリミットスイッチ40における接触入力の有無が判定され、前回までのデータと照合して、不作動の単位弁11,12があるか否かが判定される。Δt毎に診断を行うよう設定されている場合、各リミットスイッチ40について、前回の状態(on/off)と今回の状態が異なっていれば作動しており、同じであれば不作動であると判断できる。不作動の単位弁11,12がないと判定されればステップS7に進み、データ(各リミットスイッチ40の状態と、単位弁11,12の作動・不作動の判定結果)を記録する。また、通信部43を起動し、診断信号31aを送信する。この場合は、分配弁8,9,10が正常である(分配弁8,9,10に関して異常が検出されなかった)旨を診断信号31aとして送信する(ステップS11)。記録と通信が済んだら、判定部42と通信部43をスリープ状態に切り替える(ステップS8)。
一連の判定・記録の工程(ステップS5~S8)が終了したらステップS9に移り、時間経過の判定を行う。ステップS9では、前回、判定部42を起動してから一定の時間(Δt)が経ったか否かを判定し、経過していなければ待機を続ける。前回の起動から一定の時間が経過したと判定された時点でステップS5に戻り、判定部42を起動する。
ステップS6でリミットスイッチ40の状態を確認した結果、1個以上の単位弁11,12について不作動(前回の判定時と状態が同じである)と判定された場合は、ステップS10に移る。ステップS10では、直近のステップS6で得られたデータと、以前のデータを参照し、不作動の判定が設定回数以上行われたかどうかを判定する。不作動の判定回数が設定に満たない場合はステップS7に進み、データ(各リミットスイッチ40の状態と、各単位弁11,12の判定結果)を記録し、通信部43を起動して分配弁8,9,10が正常である(分配弁8,9,10に関して異常が検出されなかった)旨を診断信号31aとして送信し(ステップS11)、判定部42と通信部43をスリープ状態に切り替え(ステップS8)、時間が経過したら(ステップS9)、再びステップS5に戻る。
ステップS10において、不作動の判定回数が設定以上に達したと判定されたら、該当する分配弁8,9,10に異常が生じたと診断し(ステップS12)、その後ステップS7に進む。データ(各リミットスイッチ40の状態と、各単位弁11,12の判定結果、および分配弁8,9,10の診断結果)を記録し、続いて通信部43を起動する(ステップS11)。通信部43は、異常が生じた旨を診断信号31aとして制御部30に入力する。制御部30は、警報部32に警報信号32aを入力し、警報部32は異常を検知した旨の警報を発報する。
判定、診断および通信が済んだら、判定部42と通信部43をスリープ状態に切り替え(ステップS8)、一定の時間が経過したら(ステップS9)、再びステップS5に戻る。
IX.診断・通信ユニットの構成概要(2)
診断・通信ユニット31の構成に関し、別の一例を図7に示す。図7に示す診断・通信ユニット31の基本的な構成は、図4に示した診断・通信ユニット31と概ね共通しており、動作検知部としてのリミットスイッチ40および記憶部41、判定部42、通信部43、電源部44、運転切替部45、タイマ部46を備えているが、指示棒26に対するリミットスイッチ40の配置が異なっており、これに伴い、運転切替部45の挙動も図4に示した例とは異なっている。
図7の診断・通信ユニット31では、各単位弁11,12(図2、図3参照)の指示棒26の動作範囲内にリミットスイッチ40が設置されるが、指示棒26に設けられた接触部47が指示棒26の毎回の動作に伴ってリミットスイッチ40と一時的に接触した後、速やかに離間するようになっている。
接触部47は、例えば図7に示す如く指示棒26の先端に取り付けられた玉状の部品であり、指示棒26の動作方向と直交する向きに、指示棒26からリミットスイッチ40に向かって張り出している。リミットスイッチ40は、指示棒26の動作に伴う接触部47の動作範囲の中間部に設けられており、指示棒26が動作範囲を一端から他端へ動作する際と、他端から一端へ動作する際のいずれにおいても、接触部47は動作範囲の中間部においてリミットスイッチ40に一旦接触し、その後離間するようになっている。よって、単位弁11,12が正常に作動している限り、各単位弁11,12に設置されたリミットスイッチ40は、通常時は非入力状態であり、送給機1の運転周期毎に一時的に入力状態となる。
運転切替部45は、リミットスイッチ40への接触が入力された際に判定部42のスリープ状態を起動状態に切り替えるようになっているほか、判定部42による診断結果に応じて通信部43のスリープ状態を起動状態に切り替えるようになっている。また運転切替部45は、タイマ部46を参照し、判定部42の起動の後、一定の時間が経過した段階で、起動状態にある各部をスリープ状態に自動で切り替えるようにもなっている。図4に示した例では、電力消費を抑えるために時間経過を判定部42の起動の条件とし、一定時間毎に判定を行う方式を採用していたが、図7の例では、リミットスイッチ40への接触の入力を判定部42の起動の条件としているのである。
X.診断の手順(2)
診断に係る具体的な手順を説明する。図8は、図7に示したような診断・通信ユニットを設けた場合の分配弁の診断に関し、送給機の運転と、単位弁の作動による各動作検知部(リミットスイッチA~D)への入力と、診断・通信ユニットを構成する各部(運転切替部、判定部、通信部)の運転状態との時間的関係を示すタイムチャートの一例である。ここでは、図5と同様、4個の単位弁を備えた分配弁の各指示棒に対し、それぞれリミットスイッチを取り付けて診断を行う場合を想定している。送給機の運転に関しても図5と同様であり、間欠期(Intermission 0~3)を挟んで時間Δt毎に運転(Operation 1~3)を行うことを想定している。4個の単位弁のうち、リミットスイッチDに対応する1個の単位弁においては、1度目の運転でメインピストンが動作した後の時刻tに不具合が生じ、単位弁が動かなくなるとする。
ここに示した例の場合、間欠期ではなく、送給機の運転中に判定部が起動され、判定が行われることになる。判定部は、運転切替部によって起動されると一定の時間、各リミットスイッチへの入力の有無を監視し、入力が検知されればそれを記憶部に記録し、各リミットスイッチに対応する単位弁の作動・不作動を判定する。一回の起動中、接触の入力されないリミットスイッチがあれば、そのリミットスイッチに対応する単位弁11は不作動と判定される。単位弁の不作動の判定が設定回数以上行われた場合は、異常を検知したことが通信部から診断信号(図1参照)として発信される。
送給機の1度目の運転(Operation 1)が始まった時刻tにおいて、各診断・通信ユニットに設けられたリミットスイッチは全てが非入力の状態(off)であり、判定部と通信部はスリープ状態である。その後、時刻tにかけ、各分配弁において、単位弁が次々と作動する。ある診断・通信ユニットの取り付けられた分配弁において最初の単位弁が作動すると(この時刻をtとする)、該当するリミットスイッチに対し指示棒から接触が入力され、運転切替部はこれを受けて判定部を起動する。時刻tの後、一定時間(Δt'とする)が経過するまで判定部は起動状態で稼働し、一定時間が経過した時点(時刻t+Δt')で運転切替部によってスリープ状態に切り替えられる。ここでいう「一定時間(Δt')」とは、送給機の一回の運転において、最初に1個の指示棒が作動してから、対象の分配弁における全ての指示棒の動作が終了するのに十分な時間として予め設定された時間である。例えば、送給機が運転を開始してから停止するまでのおおよその時間を計測しておき、これを時間Δt'として設定しておけばよい。
判定部は、一回の稼働の間、各単位弁に対応する各リミットスイッチについて、接触入力の有無を監視し、判定を行う。1度目の運転(Operation 1)では、全ての単位弁が正常に作動するので、対応する全てのリミットスイッチA~Dに接触が入力される。判定部は、この回の作動時において、各単位弁の作動が確認されたことを記憶部に記録する。起動から一定時間Δt'が経過し、指示棒の動作が終了した後、運転切替部は判定部の運転状態をスリープ状態に切り替える(時刻t+Δt')。
また、運転切替部は通信部を起動し、通信部は、分配弁は正常であるとの診断結果を診断信号として送信する。通信が済んだら、運転切替部は通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
時刻t+Δtに2度目の運転(Operation 2)が開始し、最初の単位弁が作動すると(この時刻をts2とする)、再び判定部が起動され、各リミットスイッチへの接触入力を一定時間(時刻ts2から時刻ts2+Δt'まで)監視する。この間、4個の単位弁のうち、3個は正常に作動し、対応するリミットスイッチA~Cへの接触入力が確認される。残る1個の単位弁については、前回のOperation 1における作動の後(時刻t)に不具合が生じており、Operation 2では作動せず、対応するリミットスイッチDに接触が入力されない。
判定部は、対象のリミットスイッチのうち1個以上について接触の入力が確認されなかった場合、不作動の単位弁ありと判定する。判定部は、この回の作動時における各リミットスイッチへの接触入力の有無と、単位弁に関する判定の結果(不作動あり)を記憶部に記録する。起動から一定時間Δt'が経過したら、運転切替部は判定部の運転状態をスリープ状態に切り替える(時刻ts2+Δt')。
また、運転切替部により通信部が起動される。この時点では、通信部は分配弁が正常であるとの診断結果を診断信号として送信する。通信が済んだら、運転切替部は通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
時刻t+2Δtに3度目の運転(Operation 3)が開始すると(この時刻をts3とする)、同様に単位弁が次々と作動し、判定部が起動して、各リミットスイッチへの接触入力の有無が一定時間(時刻ts3から時刻ts3+Δt'まで)監視される。1個のリミットスイッチDについては、前回と同じく接触の入力が確認されないので、不作動の単位弁ありと判定される。
ここで、判定部は、記憶部の記録を参照する。過去の記録とあわせ、異常ありの判定が2回行われているので、判定部はこれをもって、分配弁に関し異常ありとの診断を行う。判定部は、この回の作動時における各リミットスイッチへの接触入力の有無と、単位弁に関する判定の結果(不作動あり)、および分配弁の診断の結果(異常あり)を記憶部に記録する。判定部の起動から一定時間の経過後、運転切替部は判定部の運転状態をスリープ状態に切り替える。制御部30(図1参照)では、診断・通信ユニット31からの診断信号31aの入力を受け、警報部32に対し警報信号32aを入力する。
また、運転切替部により起動された通信部は、分配弁に関し異常ありとの診断結果を、診断信号として制御部に発信する。通信が済んだら、運転切替部は通信部の運転状態をスリープ状態に切り替える。
こうして、図7に示す診断・通信ユニット31でも、起動時間および通信回数を短く抑えて電力の消費を抑えると共に、診断・通信ユニット31側で診断を行って結果を発信することにより、エラーの可能性を減らして診断の精度を高めることができる。
以上の如き診断・通信ユニット31による診断の工程は、例えば図9に示す如きフローチャートにまとめることができる。
供給物Gの必要供給量を算出し(ステップS21)、単位弁11,12および分配弁8,9,10の機種、数量、配置等を決定し、それらの設置と、送給機1の設置および運転条件の設定を行う(ステップS22)。各分配弁8,9,10に、診断・通信ユニット31を取り付ける(ステップS23)。
続いて、各診断・通信ユニット31の初期設定を行う(ステップS24)。異常診断の基準回数(不作動の判定が何度された場合に異常ありと診断するか)を設定し、判定部42を一度起動して初期状態における各動作検知部(リミットスイッチ40)の状態を記録し、これまでの不作動の判定回数をゼロにリセットする。
送給機1の運転と、各診断・通信ユニット31の稼働を開始すると、診断・通信ユニット31の運転切替部45は、動作検知部(リミットスイッチ)40に入力があるまで待機する。単位弁11,12が作動し、1個以上のリミットスイッチ40に接触が入力されると(ステップS25)、運転切替部45が判定部42を起動し(ステップS26)、各リミットスイッチ40について判定が行われる(ステップS27)。各リミットスイッチ40における接触入力の有無に基づき、対応する各単位弁11,12の作動・不作動が判定される。
不作動の単位弁11,12がないと判定された場合にはステップS28に進み、データ(各リミットスイッチ40について接触入力が確認されたか否か、および各単位弁11,12の作動・不作動)と、分配弁8,9,10の判定結果(各々の内蔵する単位弁11,12のうち、少なくとも1個が不作動と判定されたか否か)を記録する。また、通信部43を起動し、診断信号31aを送信する。この場合は、分配弁8,9,10が正常である(分配弁8,9,10に関して異常が検出されなかった)旨を診断信号31aとして送信する(ステップS31)。判定部42の起動から一定時間Δt'の経過後、判定部42をスリープ状態に切り替える(ステップS29)。また、通信部43をスリープ状態に切り替える。
一連の判定・記録の工程(ステップS25~S29)が終了したら、再びリミットスイッチ40への接触入力があるまで待機し、入力があったらステップS25以降の工程が再び実行される。
ステップS27における判定の結果、1個以上の単位弁11,12について不作動(対応するリミットスイッチ40に接触が入力されない)と判定された場合は、ステップS30に移る。ステップS30では、直近のステップS27で得られたデータと、以前のデータを参照し、不作動の判定が設定回数以上行われたかどうかを判定する。不作動の判定回数が設定に満たない場合はステップS28に進み、データ(各リミットスイッチ40への接触入力および各単位弁11,12の作動に関する判定結果)を記録し、通信部43を起動して分配弁8,9,10が正常である(分配弁8,9,10に関して異常が検出されなかった)旨を診断信号31aとして送信する(ステップS11)。判定部42の起動から一定時間Δt'の経過後に判定部42をスリープ状態に切り替え、また通信部43をスリープ状態に切り替え(ステップS29)、リミットスイッチ40への入力(ステップS25)があるまで待機する。
ステップS30において、不作動の判定回数が設定以上に達したと判定されたら、該当する分配弁8,9,10に異常が生じたと診断し(ステップS32)、その後ステップS28に進む。データ(各リミットスイッチ40の状態と、各単位弁11,12の判定結果、および分配弁8,9,10の診断結果)を記録し、続いて通信部43を起動する(ステップS31)。通信部43は、異常が生じた旨を診断信号31aとして制御部30に入力する。制御部30は、警報部32に警報信号32aを入力し、警報部32は異常を検知した旨の警報を発報する。
判定、診断および通信が済んだら、一定時間の経過後に判定部42および通信部43をスリープ状態に切り替え(ステップS29)、リミットスイッチ40への入力(ステップS25)があるまで待機する。
XI.診断・通信ユニットの機械的構成(1)
図10~12は、図4の仕組みによる診断・通信ユニット31の具体的な構成の一例を示している。ここでは、4個の単位弁11を備えた分配弁8に対して診断・通信ユニット31を取り付ける場合を想定している。
診断・通信ユニット31は、分配弁8の指示棒26が突出した面(上面)に、リミットスイッチ40をはじめとする各部の取り付けられた基板50を支持するように構成されている。基板50は、一方の面に電源部44としての電池ボックスを取り付けられ、他方の面にはリミットスイッチ40のほか、記憶部41、判定部42、運転切替部45およびタイマ部46としての機能を備えた電子部品が取り付けられた板状の部材であり、各電子部品同士の間は基板50上で電気的に接続されて電子回路を構成している。
基板50は、ベース部51、取付部52および支持部53を介して分配弁8の上面に配置される。ベース部51は、診断・通信ユニット31の全体を支持する土台をなす長方形の板状の部材であり、分配弁8の上面に突出する指示棒26等の部品を通すための貫通孔51aを中央の領域に備えている。
ベース部51の上面には、貫通孔51aを覆うように取付部52が取り付けられる。取付部52は、ベース部51に対し基板50を取り付ける座面をなす板状の部材であり、指示棒26を通すための取付孔52aが形成されている。ここに示した例の場合、取付孔52aは長孔状に形成されており、複数の指示棒が直線上に配置されている分配弁であれば、一端の指示棒から他端の指示棒までの距離が取付孔52aの長さ以下である限りにおいて、指示棒同士の間隔や指示棒の本数によらず、一個の分配弁に備えられた指示棒を全て通し、診断・通信ユニット31を取り付けることができるようになっている。無論、指示棒を1本のみ備えた分配弁(例えば、図1に示す分配弁10)であっても、前記指示棒を取付孔52aに通し、支障なく取り付けることができる。
支持部53は、取付部52の上面に取り付けられ、基板50を支持する部材であり、板状の素材を屈曲させて形成されている。互いに直交してL字型の断面をなす2面のうち、一方には指示棒26を通して固定するための固定孔53aが設けられ、他方には基板50を取り付けて支持するための支持孔53bが設けられている。固定孔53aは、一本の指示棒26を通すことができる程度の径をもつ円形の孔であり、支持孔53bは、固定孔53aの設けられた面と平行な長孔状に形成されている。
分配弁8に診断・通信ユニット31を取り付ける際には、まず貫通孔51aに指示棒26を通す形でベース部51を分配弁8の上面に載せると共に、取付部52をベース部51の上面に貫通孔51aを覆うように取り付ける。このとき、取付部52の取付孔52aに指示棒26を通すようにする。次に、取付孔52aから上方に突出した1本以上の指示棒26に対し、該指示棒26を固定孔53aに通す形で支持部53を取り付ける。ここに示した例の場合、4本の指示棒26が取付部52の取付孔52aから突出し、このうち2本の指示棒26が、さらに支持部53の固定孔53aに通された状態となる。
続いて、指示棒26に対し、締結具54を用いて取付部52と支持部53を取り付ける。締結具54は、例えば中央に指示棒26を通す孔を備えたナットである。4本の指示棒26のうち2本においては、基部と締結具54の間に取付部52と支持部53が挟み込まれる。残りの2本の指示棒26においては、基部と締結具54の間に取付部52が挟み込まれる。こうして、ベース部51と取付部52が分配弁8の上面の指示棒26に取り付けられると共に、支持部53が指示棒26に取り付けられる形で取付部52の上面に固定される。支持部53のうち、支持孔53bを設けた面が、取付部52の上方に指示棒26と並んで突出した状態である。
基板50の片面には、指示棒26と同数のリミットスイッチ40を取り付ける。リミットスイッチ40同士の間隔は、指示棒26同士の間隔に合わせる。
リミットスイッチ40およびその他の電子部品を取り付けた基板50を、取付部52の上方に突出した支持部53の面(支持孔53bを設けた面)に取り付ける。図示しないボルト等の固定具を支持孔53bと基板50に貫通させ、ナット等を用いて固定する。このとき、基板50の片面に取り付けられた各リミットスイッチ40の位置が、指示棒26の位置と対応するよう、基板50の位置を調整する。支持孔53bは長孔状になっているので、支持部53に対する基板50の固定の位置(前記固定具を取り付ける位置)は、前記固定具がリミットスイッチ40と干渉しないよう、指示棒26の配列方向に沿って適宜調整することができる。尚、ここでは支持孔53bのみを長孔とした場合を例示したが、固定孔53aのみ、または固定孔53aと支持孔53bの両方を長孔としても、同様に基板50の固定位置を調整することができる。基板50を取り付ける高さは、各指示棒26が動作範囲の上端において各リミットスイッチ40と接触するように調整する。こうして、基板50が、分配弁8の上面に支持される。
さらに、リミットスイッチ40やその他の電子部品を備えた基板50の全体を覆うように、直方体状のカバー55を被せ、図示しない固定具を用いてベース部51に固定する。また、ベース部51の端部には、通信部43としてのアンテナが固定される。
こうして、リミットスイッチ40および記憶部41、判定部42、運転切替部45、タイマ部46としての電子部品を備えた基板50と、通信部43としてのアンテナと、電源部44としての電池ボックスとを備えた診断・通信ユニット31が、分配弁8に対しコンパクト且つ簡単に取り付けられる。通信は無線式、電力供給は電池式であるので、面倒な配線作業は不要である。電池の交換等、診断・通信ユニット31のメンテナンスを行う場合には、カバー55を取り外せばすぐに内部の部品にアクセスできる。分配弁8のメンテナンスを行う際にも、カバー55を取り外してから締結具54を取り外すという手順だけで、診断・通信ユニット31の全体を分配弁8から簡単に取り外すことができる。
尚、図10~図12では、説明の便宜のため、発明の要旨と直接関係しない部分については適宜図示を省略している。例えば、取付時のがたつき等を抑えるために、分配弁8とベース部51の間や、ベース部51とカバー55の間などにパッキン類を挟み込んでもよいが、ここでは図示していない。また、部品間の固定に用いるビスやビス穴等についても、全部は図示していない。
さらに、図13に示すように、基板50のうち、動作検知部としてのリミットスイッチ40の配置される端部の領域に、切り離しのための構造を備えてもよい。ここに示した例では、基板50の下端付近にミシン目状の分割孔50aが設けてあり、この分割孔50aに沿って基板50の一部を短冊状に切り取ることができるようになっている。
分配弁としては、供給物の供給先である機器類の数や配置によって種々に異なる送給ラインの構成に応じ得るよう、単位弁および指示棒の数や配置、全体の寸法等の異なる種々の型式が販売されている。そして、例えば少数の指示棒が互いに短い間隔で配置されているような分配弁では、指示棒に対応する位置に配置されるリミットスイッチも、基板において狭い領域に配置されることになる。このような場合、基板側ではリミットスイッチの配置される領域が余ることになる。
そこで、図13に示すように基板50に分割孔50aを設ければ、取付対象である分配弁にとって余分な基板50の領域を部分的に簡易に切り取ることができる。そして、切り取られて小さくなった基板50の寸法に合わせ、小さい寸法のカバー55やベース部51を用いるようにすれば、診断・通信ユニット31のさらなるコンパクト化を図ることができる。
XII.診断・通信ユニットの機械的構成(2)
図14は、図7の仕組みによる診断・通信ユニット31の具体的な構成の一例を示している。ここに示した例は、図10~図12と概ね同様の構成であるが、分配弁8の指示棒26に接触部47を取り付けた点が異なっており、これに伴い、指示棒26に対するリミットスイッチ40の取付位置もやや異なっている。すなわち、各リミットスイッチ40の取付位置は、接触部47が動作範囲の中間部でリミットスイッチ40に接触するような位置に調整される。
このように、診断・通信ユニット31としては、外部に突出した指示棒が往復動作を行う型式の分配弁を対象とする限りにおいて、分配弁の型式や寸法、不作動の判定や診断の方式によらず、同様の構成の装置を適宜調整・改変しつつ利用することができる。
以上のように、本実施例の分配弁の診断システムは、ピストン24,25の動作により供給物Gの分配を行う単位弁11,12を備え、該単位弁11,12の作動に伴い外部に突出した指示棒26が往復動作するよう構成された分配弁8,9,10と、分配弁8,9,10に取り付けられ、指示棒26の往復動作を監視する診断・通信ユニット31とを備え、診断・通信ユニット31は、指示棒26の動作に基づき分配弁8,9,10に関する診断を行い、診断の結果を報知する診断信号31aを無線で発信するよう構成されている。このようにすれば、無線式の診断・通信ユニット31により分配弁8,9,10の診断を行うにあたり、エラーの含まれたデータによる誤診断の可能性を減らし、診断の精度を高めることができる。
また、本実施例において、診断・通信ユニット31は、単位弁11,12の不作動の判定が複数回行われたことを条件として分配弁8,9,10の異常を報知する診断信号31aを発信するよう構成されている。このようにすれば、誤診断の可能性をいっそう低減することができる。
また、本実施例において、診断・通信ユニット31は、指示棒26の往復動作を検出する動作検知部40と、動作検知部40における往復動作の検出の有無に基づき、単位弁11,12の作動・不作動を判定する判定部42と、無線で診断信号31aを発信する通信部43とを備えて構成されている。このようにすれば、簡単な構成の診断・通信ユニット31により、分配弁8,9,10の診断を行うことができる。
また、実施例の一部において、判定部42は時間に応じて起動し、判定の実行後、スリープ状態へ切り替わるよう構成されている。このようにすれば、診断を行うにあたって電力消費を抑えることができる。
また、実施例の別の一部においては、指示棒26に、往復動作時に動作検知部40に接触する接触部47を備え、動作検知部40は、接触部47との接触により指示棒26の往復動作を検出するよう構成されており、動作検知部40は、接触部47の動作範囲の中間部において接触が入力されるよう配置され、判定部42は、動作検知部40に対する接触の入力に応じて起動し、指示棒26の動作が終了した後、スリープ状態へ切り替わるよう構成されている。このようにしても、診断を行うにあたって電力消費を抑えることができる。
また、本実施例において、診断・通信ユニット31は、長孔状の取付孔52aに指示棒26を通して指示棒26に対し取り付けられる取付部52を備えて構成されている。このようにすれば、複数の指示棒が直線上に配置されている分配弁8,9,10であれば、一個の分配弁8,9,10に備えられた指示棒26を全て通し、診断・通信ユニット31を取り付けることができる。
また、本実施例において、診断・通信ユニット31は、指示棒26に取り付けられる支持部53と、電子部品を備えて支持部53に対し取り付けられる基板50とを備え、支持部53は、指示棒を通す固定孔53aの設けられた面と、基板50を支持する支持孔53bの設けられた面とを備え、固定孔53aまたは支持孔53bの少なくとも一方(上記実施例の場合、支持孔53bのみ)は長孔として構成されている。このようにすれば、支持部53に対する基板50の固定の位置を、指示棒26の配列方向に沿って調整することができる。
また、本実施例において、診断・通信ユニット31は、動作検知部40を基板50に備え、基板50の動作検知部40を配置する領域には、基板50を部分的に切取り可能な分割孔50aが設けられている。このようにすれば、取付対象である分配弁にとって余分な基板50の領域を切り取ることにより、診断・通信ユニット31のさらなるコンパクト化を図ることができる。
したがって、上記実施例によれば、無線式の装置で分配弁の異常を診断するにあたり、診断を高い精度で行い得る。
尚、本発明の分配弁の診断システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
8 分配弁
9 分配弁
10 分配弁
11 単位弁
12 単位弁
24 ピストン(パイロットピストン)
25 ピストン(メインピストン)
31 診断・通信ユニット
31a 診断信号
40 動作検知部(リミットスイッチ)
42 判定部
43 通信部
47 接触部
50 基板
50a 分割孔
52 取付部
52a 取付孔
53 支持部
53a 固定孔
53b 支持孔

Claims (8)

  1. ピストンの動作により供給物の分配を行う単位弁を備え、該単位弁の作動に伴い外部に突出した指示棒が往復動作するよう構成された分配弁と、
    前記分配弁に取り付けられ、前記指示棒の往復動作を監視する診断・通信ユニットとを備え、
    前記診断・通信ユニットは、前記指示棒の動作に基づき前記分配弁に関する診断を行い、診断の結果を報知する診断信号を無線で発信するよう構成され
    前記診断・通信ユニットは、
    前記指示棒に取り付けられる支持部と、
    電子部品を備えて前記支持部に対し取り付けられる基板とを備え、
    前記支持部は、前記指示棒を通す固定孔の設けられた面と、前記基板を支持する支持孔の設けられた面とを備え、
    前記固定孔または前記支持孔の少なくとも一方は長孔として構成されていること
    を特徴とする分配弁の診断システム。
  2. ピストンの動作により供給物の分配を行う単位弁を備え、該単位弁の作動に伴い外部に突出した指示棒が往復動作するよう構成された分配弁と、
    前記分配弁に取り付けられ、前記指示棒の往復動作を監視する診断・通信ユニットとを備え、
    前記診断・通信ユニットは、前記指示棒の動作に基づき前記分配弁に関する診断を行い、診断の結果を報知する診断信号を無線で発信するよう構成され、
    前記診断・通信ユニットは、
    動作検知部を基板に備え、
    前記基板の前記動作検知部を配置する領域には、前記基板を部分的に切取り可能な分割孔が設けられていること
    を特徴とする分配弁の診断システム。
  3. 前記診断・通信ユニットは、
    前記指示棒に取り付けられる支持部と、
    電子部品を備えて前記支持部に対し取り付けられる基板とを備え、
    前記支持部は、前記指示棒を通す固定孔の設けられた面と、前記基板を支持する支持孔の設けられた面とを備え、
    前記固定孔または前記支持孔の少なくとも一方は長孔として構成されること
    を特徴とする請求項2に記載の分配弁の診断システム。
  4. 前記診断・通信ユニットは、前記単位弁の不作動の判定が複数回行われたことを条件として前記分配弁の異常を報知する診断信号を発信するよう構成されていること
    を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の分配弁の診断システム。
  5. 前記診断・通信ユニットは、
    前記指示棒の往復動作を検出する動作検知部と、
    前記動作検知部における往復動作の検出の有無に基づき、前記単位弁の作動・不作動を判定する判定部と、
    無線で診断信号を発信する通信部とを備えて構成されていること
    を特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の分配弁の診断システム。
  6. 前記判定部は時間に応じて起動し、判定の実行後、スリープ状態へ切り替わるよう構成されていること
    を特徴とする請求項に記載の分配弁の診断システム。
  7. 前記指示棒に、往復動作時に前記動作検知部に接触する接触部を備え、
    前記動作検知部は、前記接触部との接触により前記指示棒の往復動作を検出するよう構成されており、
    前記動作検知部は、前記接触部の動作範囲の中間部において接触が入力されるよう配置され、
    前記判定部は、前記動作検知部に対する接触の入力に応じて起動し、前記指示棒の動作が終了した後、スリープ状態へ切り替わるよう構成されていること
    を特徴とする請求項に記載の分配弁の診断システム。
  8. 前記診断・通信ユニットは、
    長孔状の取付孔に前記指示棒を通して前記指示棒に対し取り付けられる取付部を備えて構成されること
    を特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の分配弁の診断システム。
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