JP2010205960A - 半導体モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製のハイサイド板4と、ローサイド板5と、ミドルサイド板6とを備える。ハイサイド板4とミドルサイド板6とにハイサイド側半導体チップ2が接続されており、ローサイド板5とミドルサイド板6とにローサイド側半導体チップ3が接続されている。ハイサイド板4およびローサイド板5と、ミドルサイド板6との間に導電板7が設けられている。ハイサイド板4とローサイド板5とを、導電板7および少なくとも1個のコンデンサ8を用いて接続している。ミドルサイド板6に流れる電流と、導電板7に流れる電流とが近接し、向きが逆向きになるため、磁束が互いに打ち消しあうようになる。これにより、実効インダクタンスを低減できる。
【選択図】図1
Description
この半導体モジュールは、例えば車両用のインバータ回路に用いられる。インバータ回路を使って、車両に搭載した直流電源を交流に変換し、この交流電圧を用いて三相交流モータを駆動して、車両を走行させる。
そのため、サージ電圧をより効果的に抑制できる半導体モジュールが望まれている。
ハイサイド側の半導体スイッチング素子が形成されたハイサイド側半導体チップと、
ローサイド側の半導体スイッチング素子が形成されたローサイド側半導体チップと、
上記ハイサイド側半導体チップおよび上記ローサイド側半導体チップの交流出力側の主電極面に接続した金属製のミドルサイド板と、
上記ミドルサイド板との間で上記ハイサイド側半導体チップを挟持するとともに、該ハイサイド側半導体チップの直流入力側の主電極面に接続した金属製のハイサイド板と、
該ハイサイド板に隣接配置され、上記ミドルサイド板との間で上記ローサイド側半導体チップを挟持するとともに、該ローサイド側半導体チップの直流入力側の主電極面に接続した金属製のローサイド板と、
上記ハイサイド板およびローサイド板と、上記ミドルサイド板との間に設けられた導電板とを備え、
上記ハイサイド板と上記ローサイド板とを、上記導電板および少なくとも1個のコンデンサを用いて接続するよう構成されていることを特徴とする半導体モジュールにある(請求項1)。
本発明では、ハイサイド板およびローサイド板と、ミドルサイド板との間に導電板を設け、ハイサイド板とローサイド板とを、コンデンサおよび導電板を介して接続するように構成した。
このようにすると、導電板に流れる電流と、ミドルサイド板に流れる電流の向きが逆向きになり、かつ、導電板とミドルサイド板との間隔が狭くなり、半導体チップ内を流れる電流が一周(ループ)する面積を小さくすることができる。そのため、導電板に流れる電流により発生した磁界と、ミドルサイド板に流れる電流により発生した磁界とが互いに打ち消しあう。これにより、実効インダクタンスを低減でき、サージ電圧を抑制することが可能となる。
本発明において、上記導電板は、上記ミドルサイド板に対して平行に設けられていることが好ましい(請求項2)。
上述したように、導電板とミドルサイド板は近接している。また、上記構成にすると、導電板に流れる電流と、ミドルサイド板に流れる電流とが逆向きで、かつ平行になる。これにより、導電板とミドルサイド板に流れる電流によって発生した磁界が各々効果的に打ち消しあい、実効インダクタンスをより小さくすることが可能となる。そのため、サージ電圧を効果的に低減できる。
このようにすると、例えば一方のコンデンサが壊れてショートした場合でも、他方のコンデンサが破壊されなければ半導体モジュール全体としては短絡故障しないため、信頼性を高めることができる。また、コンデンサ1個に加わる電圧が低くなるので、耐圧の低いコンデンサを使用することも可能となる。
この構成によると、絶縁部材を介在させることにより、導電板とミドルサイド板とのショートを防止でき、信頼性を高めることが可能となる。
また、薄い絶縁部材を用いることにより、導電板とミドルサイド板との絶縁距離を短くすることができる。これにより、実効インダクタンスを効果的に低減することが可能となる。
さらに、はんだ付け(リフロー)を使って容易に組付けることができるというメリットもある。例えば、ミドルサイド板の上に半導体チップと、絶縁層を有する導電板と、コンデンサとを配置して、その間にはんだを介在させ、熱処理炉に入れてリフローするのである。このようにすると、ミドルサイド板と半導体チップ等を一度に接続することが可能となる。そのため、組み付け性を向上できる。
このようにすると、個々のコンデンサの容量が小さい場合でも、並列接続しているので、全体の容量を大きくすることができる。例えばセラミックコンデンサ等のように、耐熱性に優れているが、容量が小さいコンデンサを使用したい場合に効果がある。また、複数個のコンデンサを用いているので、いずれか1個のコンデンサが破壊した場合でも正常に動作でき、信頼性を向上できる。
本例の実施例にかかる半導体モジュールにつき、図1〜図14を用いて説明する。
図1は本例に係る半導体モジュール1の、封止部材を省略した分解斜視図である。また、図2は半導体モジュール1の一部透視斜視図であり、図3はその断面図である。
また、図3に示すごとく、ハイサイド側半導体チップ2およびローサイド側半導体チップ3の交流出力側の主電極面20,30に接続した金属製のミドルサイド板6を備える。さらに、ミドルサイド板6との間でハイサイド側半導体チップ2を挟持するとともに、ハイサイド側半導体チップ2の直流入力側の主電極面21に接続した金属製のハイサイド板4を備える。また、ハイサイド板4に隣接配置され、ミドルサイド板6との間でローサイド側半導体チップ3を挟持するとともに、ローサイド側半導体チップ3の直流入力側の主電極面31に接続した金属製のローサイド板5を備える。
さらに、図1、図3に示すごとく、ハイサイド板4およびローサイド板5と、ミドルサイド板6との間に設けられた導電板7を備える。そして、ハイサイド板4とローサイド板5とを、導電板7および少なくとも1個のコンデンサ8を用いて接続するよう構成されている。
以下、詳説する。
また、ハイサイド側半導体チップ2とミドルサイド板6との間には銅ブロック13aが設けられている。この銅ブロック13aにより、ハイサイド側半導体チップ2とミドルサイド板6との間隔を広くし、ワイヤ14とミドルサイド板6とが接触しないようにしている。同様に、ローサイド側半導体チップ3とローサイド板5との間に銅ブロック13bが設けられている。
さらに、図3、図4に示すごとく、本例の半導体モジュール1は、ハイサイド板4と導電板7との間に介在し、互いに並列接続された複数個のコンデンサ8からなるハイ側コンデンサ群80と、ローサイド板5と導電板7との間に介在し、互いに並列接続された複数個のコンデンサ8からなるロー側コンデンサ群81とを備える。そして、これらハイ側コンデンサ群80とロー側コンデンサ群81とが導電板7を介して直列接続されている。
なお、図示しないが、直流電源18の電圧を昇圧するための昇圧回路も搭載されている。この昇圧回路により昇圧した電圧を、平滑コンデンサ19によって平滑している。
また、直流電源18と半導体モジュール1とを接続する配線40は、銅板からなるバスバー40を用いている。このバスバー40自身も寄生インダクタンスを有しているため、IGBT素子2a,3aをスイッチング動作させると、サージ電圧が発生するが、そのサージ電圧をコンデンサ8a,8bで吸収している。なお、コンデンサ8a,8bは、上述した導電板7により接続されている。
さらに、図9に示すごとく、コンデンサ8を一個だけ設けることもできる。この例では、ローサイド板5と導電板7との間にコンデンサ8を設け、ハイサイド板4と導電板7との間は導電性プラグ70によって接続している。このようにすると、コンデンサ8を2個直列にした場合と比較して、容量を大きくできるというメリットがある。
次に、部材100と部材101をリフロー炉に入れ、所定温度で第1の熱処理を行う。これにより、はんだペースト50が溶融し、各部品が接続されて一体となる。
本例では図3に示すごとく、ハイサイド板4およびローサイド板5と、ミドルサイド板6との間に導電板7を設け、ハイサイド板4とローサイド板5とを、コンデンサ8および導電板7を介して接続するように構成した。
このようにすると、導電板7とミドルサイド板6との間隔を狭くすることができる。また、高周波電流の流れる向きは、図13(A),図13(B)のどちらかとなる。すなわち、導電板7に流れる電流i1と、ミドルサイド板6に流れる電流i2の向きが常に逆向きになる。そのため、導電板7に流れる電流i1により発生した磁界φ1と、ミドルサイド板6に流れる電流i2により発生した磁界φ2とが互いに打ち消しあう。これにより、実効インダクタンスを低減でき、サージ電圧を抑制することが可能となる。
上述したように、導電板7とミドルサイド板6は近接している。また、上記構成にすると、導電板7に流れる電流i1(図13参照)と、ミドルサイド板6に流れる電流i2とが逆向きで、かつ平行になる。これにより、導電板7とミドルサイド板6に流れる電流i1,i2によって発生した磁界φ1,φ2が各々効果的に打ち消しあい、実効インダクタンスをより小さくすることが可能となる。そのため、サージ電圧を効果的に低減できる。
このようにすると、例えば一方のコンデンサ8aが壊れてショートした場合でも、他方のコンデンサ8bが破壊されなければ半導体モジュール1全体としては短絡故障しないため、信頼性を高めることができる。また、コンデンサ1個に加わる電圧が低くなるので、耐圧の低いコンデンサ8を使用することも可能となる。
この構成によると、絶縁部材10を介在させることにより、導電板7とミドルサイド板6とのショートを防止でき、信頼性を高めることが可能となる。
また、薄い絶縁部材10を用いることにより、導電板7とミドルサイド板6との絶縁距離を短くすることができる。これにより、ループインダクタンスを効果的に低減することが可能となる。
さらに、はんだ付け(リフロー)を使って容易に組付けることができるというメリットもある。すなわち、図10〜図12に示すごとく、第1の熱処理(図10)と、第2の熱処理(図11、図12)とを行うだけで、ハイサイド板4、ローサイド板5、ミドルサイド板6、半導体チップ2,3等を一括してはんだ付けできる。そのため、組み付け性を向上できる。
このようにすると、個々のコンデンサ8の容量が小さい場合でも、並列接続しているので、全体の容量を大きくすることができる。例えばセラミックコンデンサ8等のように、耐熱性に優れているが、容量が小さいコンデンサ8を使用したい場合に効果がある。また、複数個のコンデンサ8を用いているので、いずれか1個のコンデンサ8が破壊した場合でも正常に動作でき、信頼性を向上できる。
2 ハイサイド側半導体チップ
20(ハイサイド側半導体チップの、交流出力側の)主電極面
21(ハイサイド側半導体チップの、直流入力側の)主電極面
3 ローサイド側半導体チップ
30(ローサイド側半導体チップの、交流出力側の)主電極面
31(ローサイド側半導体チップの、直流入力側の)主電極面
4 ハイサイド板
5 ローサイド板
6 ミドルサイド板
7 導電板
8 コンデンサ
Claims (5)
- 半導体スイッチング素子を有する半導体モジュールであって、
ハイサイド側の半導体スイッチング素子が形成されたハイサイド側半導体チップと、
ローサイド側の半導体スイッチング素子が形成されたローサイド側半導体チップと、
上記ハイサイド側半導体チップおよび上記ローサイド側半導体チップの交流出力側の主電極面に接続した金属製のミドルサイド板と、
上記ミドルサイド板との間で上記ハイサイド側半導体チップを挟持するとともに、該ハイサイド側半導体チップの直流入力側の主電極面に接続した金属製のハイサイド板と、
該ハイサイド板に隣接配置され、上記ミドルサイド板との間で上記ローサイド側半導体チップを挟持するとともに、該ローサイド側半導体チップの直流入力側の主電極面に接続した金属製のローサイド板と、
上記ハイサイド板およびローサイド板と、上記ミドルサイド板との間に設けられた導電板とを備え、
上記ハイサイド板と上記ローサイド板とを、上記導電板および少なくとも1個のコンデンサを用いて接続するよう構成されていることを特徴とする半導体モジュール。 - 請求項1において、上記導電板は、上記ミドルサイド板に対して平行に設けられていることを特徴とする半導体モジュール。
- 請求項1または請求項2において、複数個の上記コンデンサが、上記導電板を介して直列接続されていることを特徴とする半導体モジュール。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、上記導電板と上記ミドルサイド板との間に、絶縁部材が介在するよう構成されていることを特徴とする半導体モジュール。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、上記ハイサイド板と上記導電板との間に介在し、互いに並列接続された複数個の上記コンデンサからなるハイ側コンデンサ群と、上記ローサイド板と上記導電板との間に介在し、互いに並列接続された複数個の上記コンデンサからなるロー側コンデンサ群とを備え、これらハイ側コンデンサ群とロー側コンデンサ群とが上記導電板を介して直列接続されていることを特徴とする半導体モジュール。
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