JP2010149011A - コーティング膜の製造方法及び非水系二次電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

コーティング膜の製造方法及び非水系二次電池用セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続式の湿式塗工法において、凝固浴への高速浸漬時のコーティング層からの欠落の発生を防止して、コーティング膜の品質の向上を図ると共に、生産性を高める。
【解決手段】塗工工程2と凝固工程4との間に、水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面のみを凝固する工程3を加えたことで、塗工層の表面を固化でき、凝固浴への高速浸漬時のコーティング層からの欠落の発生を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コーティング膜の製造方法及び非水系二次電池用セパレータの製造方法に関するものである。
従来、非水系二次電池用セパレータやコンデンサー用フィルム、フィルタ等の用途に適するフィルムとして、通気性の基材上に多孔質層を被覆したコーティング膜が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このようなコーティング膜においては、多孔質層は、通常、耐熱性や電解液保持特性等の諸機能を追加的に付与する目的で設けられる。例えば、特許文献1に記載のコーティング膜は、ポリエチレン微多孔膜上に全芳香族ポリアミド等の多孔質層を被覆したリチウムイオン二次電池用セパレータであるが、この場合、多孔質層は主にセパレータの耐熱性を向上することを目的として設けられている。また、特許文献2には、ポリプロピレン微多孔膜上にポリフッ化ビニリデン共重合体からなる多孔質層を積層した複合多孔膜が示されているが、この場合、多孔質層はリチウムイオン電池の電解液に対する膨潤性・保持性等を向上する目的で設けられている。
かかるコーティング膜の製造方法としては、(i)多孔質の塗工層を構成する有機高分子化合物および水溶性有機溶媒を含む塗工液を作製する工程と、(ii)塗工液を基材膜の片面もしくは両面に塗工する工程と、(iii)この塗工層を有した基材膜を、水又は水と水溶性有機溶剤の混合液からなる凝固液を有する凝固浴中に浸漬し、当該塗工層を凝固させる工程と、(iv)水洗及び乾燥する工程から成る湿式塗工法が広く知られている。特に、特許文献2に示されたように、上記(ii)から(iv)までの工程間において基材を連続的に搬送する連続式の湿式塗工法は、生産性が高く、良質のコーティング膜を得やすいという観点から優れた方法と言える。かかる連続式の湿式塗工法においては、より生産性を高めるためにも、基材をより速く搬送することが望まれている。
国際公開第2008/062727号公報 特開2003−171495号公報
しかしながら、塗工層の組成や製法によっては、高速で凝固浴に浸漬することで凝固前の塗工層の一部が欠落し、この欠落した塗工層の構成物質によって凝固浴が汚染されてしまうことがあり、生産性が低下してしまう問題がある。そして、凝固浴中に存在する塗工層の構成物質は凝集して、かかる凝集物が順次凝固浴に搬送される塗工膜の表面に付着する場合もある。このような塗工層の欠落部分やコーティング膜表面に付着した凝集物は、非水系二次電池用セパレータやコンデンサー用フィルム、フィルター等の各種コーティング膜の品質を悪化させ、非水系二次電池等の最終製品の特性にも影響を及ぼしかねない。
そこで、本発明では、連続式の湿式塗工法において、凝固浴への高速浸漬時のコーティング層からの欠落の発生を防止して、コーティング膜の品質の向上を図ると共に、生産性を高めることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、検討を重ねた結果、塗工工程と凝固工程の間に、凝固前の状態の塗工層の表面のみを凝固する工程を加えることで、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 基材膜の片面又は両面に多孔質の塗工層が積層されたコーティング膜の製造方法であって、
(i) 前記塗工層を構成する有機高分子化合物、および、この有機高分子化合物を溶解する水溶性有機溶媒を、前記基材膜の片面もしくは両面に塗工する工程と、
(ii) この水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の最表面のみを凝固させる工程と、
(iii) 前記(ii)の工程後の塗工層を有した基材膜を、水又は水と前記水溶性有機溶剤の混合液からなる凝固液を有する凝固浴中に搬送し、当該未凝固の塗工層を凝固させる工程と、
(iv) 水洗及び乾燥する工程と、を実施し、
前記基材膜を、少なくとも前記(i)〜(iii)の工程間において連続的に搬送することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
(2) 少なくとも前記(i)〜(iii)の工程において、前記基材膜を10m/min以上の速さで搬送することを特徴とする上記(1)に記載のコーティング膜の製造方法。
(3) 前記(ii)の工程では、前記水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面に対して、送風処理、加熱処理、水又は水と水溶性有機溶剤の混合液からなる処理液をシャワー状にして吹き付ける処理、および、当該処理液の蒸気またはミスト中に暴露する処理の少なくともいずれかの処理を施すことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のコーティング膜の製造方法。
(4) 前記塗工液には無機フィラーを含ませることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング膜の製造方法。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコーティング膜の製造方法を用いたことを特徴とする非水系二次電池用セパレータの製造方法。
本発明によれば、凝固浴への高速浸漬時のコーティング層からの欠落の発生を防止して、コーティング膜の品質を向上できると共に、生産性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[コーティング膜の製造方法]
本発明のコーティング膜の製造方法は、基材膜の片面又は両面に多孔質の塗工層が積層されたコーティング膜の製造方法であって、
(i) 前記塗工層を構成する有機高分子化合物、および、この有機高分子化合物を溶解する水溶性有機溶媒を、前記基材膜の片面もしくは両面に塗工する工程と、
(ii) この水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の最表面のみを凝固させる工程と、
(iii) 前記(ii)の工程後の塗工層を有した基材膜を、水又は水と前記水溶性有機溶剤の混合液からなる凝固液を有する凝固浴中に搬送し、当該未凝固の塗工層を凝固させる工程と、
(iv) 水洗及び乾燥する工程と、を実施し、
前記基材膜を、少なくとも前記(i)〜(iii)の工程間において連続的に搬送することを特徴とするコーティング膜の製造方法である。
本発明では、上記(i)の塗工工程と上記(iii)の凝固工程との間に、水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面のみを凝固する工程を加えたことで、塗工層の表面を固化でき、凝固浴への高速浸漬時のコーティング層からの欠落の発生を防止できる。このため、凝集物の付着量が少ない高品質のコーティング膜が得られ、さらには、塗工層の欠落部分が少なく表面状態が良好なコーティングを得ることができる。したがって、本発明によれば、このような高品質のコーティング膜の生産性を高めることができる。
特に本発明では、少なくとも前記(i)〜(iii)の工程において、前記基材膜を10m/min以上の速さで搬送することが好ましい。このように搬送速度が高速な場合であっても、本発明によれば、凝固浴への高速浸漬時のコーティング層からの欠落の発生を防止できる。したがって、高品質のコーティング膜をより効率良く生産することができる。
かかる本発明の製造方法は、例えば図1に示すようなコーティングシステムによって実現することができる。すなわち、図1において、コーティングシステムは、基材膜1を連続搬送しながら上記(i)〜(iv)の工程を実施するものであり、塗工部2と、プレ凝固部3と、完全凝固部4とを備えている。なお、各部の詳細については、以下において説明する。また、図1では工程(v)については図示省略している。
ここで、本発明における基材膜としては、微多孔膜、不織布、紙状シート、高分子その他三次元ネットーワーク構造を有するシート等を挙げることができるが、基材膜のハンドリング性や生産性を考慮すると、微多孔膜が好ましい。また、基材膜を構成する材料は、有機材料あるいは無機材料のいずれをも使用できるが、基材膜のハンドリング性や強度、生産性を考慮すると、ポリオレフィン、特にポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。特に、電池セパレータ用途の場合、シャットダウン機能(高温下で基材膜が溶融して孔を閉塞し、電池の安全性を高める機能)が得られる観点から、ポリエチレン微多孔膜が好ましい。
また、前記基材膜としては、基材膜の搬送速度の向上およびコーティング膜の品質向上の観点から、機械物性、表面平滑性に優れるものが好ましい。例えば基材膜の引張り強度は、0.5N/cm以上が好ましい。基材膜の突刺強度は、30g以上が好適である。表面粗さ(Ra)は2μm以下であれば望ましい。表面粗さ(Ra)が2μmを超える場合、高い表面平滑性を持ったコーティング膜を作ることが困難となることがある。また、基材膜の厚さは3μm以上であることが好ましい。膜厚が3μmより薄いと、引張強度や突刺強度といった機械物性が不十分となり、基材の高速搬送中に破断が発生してしまうおそれがある。
本発明における塗工層とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった層を意味する。この塗工層は、主として有機高分子化合物を含んで構成されており、場合によっては無機フィラーをさらに含んでいてもよい。有機高分子化合物は、水溶性有機溶剤に溶解可能であればいずれをも採用することができる。例えば、コーティング膜の耐熱性を向上させる観点では、有機高分子化合物は芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上ものが好ましい。特に、耐熱性に優れかつ良好な多孔構造が得られる点で、メタ型全芳香族ポリアミドであるポリメタフェニレンイソフタルアミドが好ましい。また、電池セパレータ用途において電解液の保持特性を向上する観点では、有機高分子化合物としてはポリフッ化ビニリデンやその共重合体等を用いることもできる。
無機フィラーは、コーティング膜の滑り性を向上させたり、塗工層の多孔構造を制御できたりする点で、塗工層中に添加することが好ましい。また、無機フィラーの物性によって、塗工層に様々の機能を付与することができる。例えば、コーティング膜の耐熱性や耐酸化性を向上する上では、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニアなどの金属酸化物や、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタニウムなどの金属窒化物が好ましい。また、コーティング膜の難燃性を向上させる上では、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素などの金属水酸化物が好ましい。その他、目的に応じて、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩や、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩、ケイ酸カルシウム、タルク等の粘土鉱物等を用いることもできる。なお、上述した各種無機フィラーは、それぞれ単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。無機フィラーの平均粒子径は、0.01〜10μmの範囲で適応可能であるが、0.1〜1μmの範囲にあるものがより好ましい。
上記工程(i)は、塗工層を構成する有機高分子化合物、および、この有機高分子化合物を溶解する水溶性有機溶媒を、前記基材膜の片面もしくは両面に塗工する工程である。この工程(i)において、水溶性有機溶媒としては、用いる有機高分子化合物を溶解できるものであれば特に限定されないが、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。また、塗工液には、有機高分子化合物に対して貧溶剤となる溶剤を添加してもよい。このような溶剤を適用することでミクロ相分離構造が誘発され、塗工層の多孔質構造を良好に形成することが可能となる。かかる貧溶剤としては、アルコールの類が好適であり、特にグリコールのような多価アルコールが好適である。塗工液の高分子濃度は4〜9重量%が好ましい。塗工膜に無機フィラーを加える場合は、この工程(i)における塗工液に無機フィラーを混合すればよい。無機フィラーの添加量は、有機高分子化合物と無機フィラーの合計重量において40〜80重量%であることが好ましい。
塗工液の基材膜への塗工量は20〜40g/m程度が好ましい。塗工方法としては、ナイフコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法、マイヤーバー法、ダイコーター法、リバースロールコーター法、インクジェット法、スプレー法、ロールコーター法などが挙げられる。塗膜を均一に塗布するという観点において、特にリバースロールコーター法が好適である。例えば、図1における塗工部2はマイヤーバー法によるものであり、この塗工部2は、塗工液21を貯留する塗工浴22と、この塗工浴22の底部開口部に設けられた一対のマイヤーバー23とを備えている。この塗工部2では、基材膜1を塗工浴22内および一対のマイヤーバー23の間を通過させて、基材膜1の両面に均一かつ平滑な塗工膜を同時に形成できるようになっている。
上記工程(ii)は、塗工層の表面から水溶性有機溶媒を除去する工程であり、例えば図1に示すプレ凝固部3にて実施される。この工程(ii)としては、例えば、水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面に対して、送風処理、加熱処理、水又は水と水溶性有機溶剤の混合液からなる処理液をシャワー状にして吹き付ける処理(以下、シャワー処理と適宜称す)、および、当該処理液の蒸気またはミスト中に暴露する処理(以下、暴露処理と適宜称す)の少なくともいずれかの処理を施すことが好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
送風処理は、水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面に対して、空気を吹き付けることによって、塗工層表面のみを凝固させる処理である。風速としては、好ましくは5〜50m/秒であり、特に好ましくは10〜30m/秒である。風速が高いほど乾燥効率は上がるが、50m/秒を越えるとコーティング膜の表面平滑性が損なわれてしまう場合がある。送風角度はコーティング表面の平滑性を観察しながら0〜180°で任意である。送風時間は乾燥風量に応じて、適宜設定すればよく、例えば1秒〜5秒である。空気は適宜加熱してもよく、例えば60〜80℃が好適である。このような乾燥処理は、例えば図2(A)に示すような装置を用いて実施することができる。すなわち、図2(A)において、プレ凝固部3は、基材膜1の搬入窓および搬出窓を有した乾燥室31と、この乾燥室31中に設けられたフィルム用ドライヤー等の乾燥手段32とを備えている。なお、乾燥室31内の空気はブロア等により外部の回収手段へと導出されて、この回収手段にて空気中に混入した溶媒を冷却回収する等の処理が施されることが好ましい。
加熱処理は、塗工後の基材膜を加熱して、塗工膜表面の水溶性有機溶媒を揮発させることにより、塗工層表面のみを凝固させる処理である。加熱温度は、60℃〜180℃が好ましい。60℃未満であると塗工層表面のみを短時間に凝固することが難しくなる。180℃以上は、基材によっては熱収縮による寸法変化が起こってしまう恐れがある。例えば、セパレータ用途のコーティングの場合、ポリエチレン基材が多く使用されており、80〜120℃が適当である。加熱時間は乾燥温度に応じて、適宜設定すればよく、例えば約0.5〜5秒である。このような加熱処理は、例えば図2(B)に示すような装置を用いて実施することができる。すなわち、図2(B)において、プレ凝固部3は、基材膜1の搬入窓および搬出窓を有した加熱室33と、この加熱室33中に設けられた遠赤外線ヒータ等の加熱手段34とを備えている。なお、加熱室33内の空気についても上述したような回収手段にて回収されることが好ましい。
シャワー処理は、処理液をシャワー状にして、これを水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面に対して噴射することによって、塗工層表面のみを凝固させる処理である。処理液は、水、又は、水と水溶性有機溶剤の混合液からなり、混合液としては後述する凝固液と同じものを使用することができる。処理液の温度は10〜90℃であることが好ましい。塗工された基材膜の表面に対するシャワーの供給方向はフィルムに対して平行であることが好ましい。平行であると膜にシャワーがあたる衝撃が少なく、塗工層の乱れが起きにくいためである。また、シャワーの噴射速度は、フィルムの搬送速度に合わせることが好ましい。シャワー処理時間は適宜設定すればよく、例えば約0.1秒〜2秒である。このようなシャワー処理は、例えば図2(C)に示すような装置を用いて実施することができる。すなわち、図2(C)において、プレ凝固部3は、基材膜1の搬入窓および搬出窓を有したシャワー室35と、このシャワー室35中に設けられたシャワー手段36とを備えている。シャワー手段36には、図示しない供給手段から処理液が供給されるようになっている。かかる供給手段は、新しい処理液を供給してもよいが、シャワー室35の底部に貯まった処理液を回収して、これをフィルタリングした処理液を使用してもよい。
暴露処理は、処理液を蒸気化あるいはミスト化した雰囲気中に、塗工後の基材膜を曝すことによって、塗工層表面のみを凝固させる処理である。処理液は、水、又は、水と水溶性有機溶剤の混合液からなり、混合液としては後述する凝固液と同じものを使用することができる。水蒸気またはミストの供給量は0.1〜1000mg/sec・cm程度であることが好ましく、0.5〜500mg/sec・cm程度であることがより好ましい。暴露時間は搬送速度に応じて、適宜設定すればよく、例えば約0.1〜2秒である。このような暴露処理は、例えば図2(D)に示すような装置を用いて実施することができる。すなわち、図2(D)において、プレ凝固部3は、基材膜1の搬入窓および搬出窓を有した暴露室37と、この暴露室37中に設けられた超音波霧化装置などの霧化手段38とを備えている。霧化手段38には、図示しない供給手段から処理液が供給されるようになっている。かかる供給手段は、新しい処理液を供給してもよいが、暴露室37の底部に貯まった処理液を回収して、これをフィルタリングした処理液を使用してもよい。
なお、セパレータ用途のコーティング膜の場合は、暴露処理を行うことが好ましい。これらの処理を行うと、塗工層内部に多数の微細孔を形成する際、これら微細孔が連結された構造を作ることが容易になり、より通気性の高いコーティング膜を得ることができる。
上記工程(iii)は、工程(ii)において、塗工層表面のみが凝固されたコーティング膜を、前記高分子化合物を凝固させることが可能な凝固液中に浸漬することで、塗工層を凝固させる。凝固の方法としては、例えば図1に示したような、内部に凝固液41が貯留された凝固浴42中に浸漬する方法などが挙げられる。凝固液は、前記高分子化合物を凝固できるものであれば特に限定されないが、水又は塗工に用いた良溶媒に水を適当量混合させたものが好ましい。ここで、水の混合量は凝固液に対して40〜80重量%が好適である。水の量が40重量%より少ないと前記高分子を凝固するのに必要な時間が長くなり、凝固が不十分になるという問題が生じる。また、80重量%より多いと溶剤回収においてコスト高となり、良好な多孔構造が得られない場合がある。
上記工程(iv)は、工程(iii)後のコーティング膜を水洗および乾燥するものである。水洗処理は、コーティング膜に付着した凝固液等を水で除去するものであるが、例えば水洗浴の中にコーティング膜を浸漬することにより実施される。乾燥処理は、コーティング膜に付着した水等を乾燥除去するものであるが、乾燥方法は特に限定されない。乾燥温度は40〜80℃が適当であり、高い乾燥温度を適用する場合は、熱収縮による寸法変化が起こらないようにするためにロールに接触させるような方法を適用することが好ましい。
[コーティング膜]
上述した本発明のコーティング膜の製造方法によれば、例えば、該コーティング膜表面の面積1m当りには、前記塗工層の構成物から成る最大径が300μm以上の凝集物が存在せず、かつ、前記塗工層の構成物から成る最大径が5μm以上300μm未満の凝集物が5個以下であるコーティング膜を得ることが可能である。
このようなコーティング膜は、表面平滑性が高く、被着部材との密着性も高くなり、また、高速塗工にも耐え得るため、良好である。なお、最大径が300μm以上の凝集物が存在すると、高速搬送の際に、凝集物が原因の筋や剥れなどの欠点が発生し、致命的な欠点になりうる。また、高速搬送の際、切断の原因になってしまうという問題もある。セパレータ用途のコーティング膜では、殆どの場合電池性能に悪影響を与えるので存在してはならない。また、最大径が5μm以上300μm未満の凝集物が5個より多く存在すると、表面平滑性が失われ、塗工層の均一性が失われる。セパレータ用途の場合、塗工層の均一性がないことで、膜抵抗やセパレータと電極との接触性の保持が困難となる問題がある。なお、最大径が5μm未満の凝集物は、表面平滑性、塗工層の均一性に関して影響しないため、含まれていても問題がない。
ここで、上記の凝集物とは、塗工層を構成する高分子化合物、無機フィラーで主に構成される固体を意味する。凝集物の形状は、主に円形、楕円形、長方形が挙げられるが、形は様々である。なお、上記において、コーティング膜表面の面積1m当りの凝集物の個数は、塗工層が基材膜の両面に形成されている場合、および、表裏片面にのみ形成されている場合のいずれであっても、コーティング膜の1m当りの表裏両面における凝集物の合計の個数を意味する。
また、上述した本発明のコーティング膜の製造方法によれば、例えば、塗工層の表面粗さ(Ra)が1μm以下であるコーティング膜を得ることも可能である。このようなコーティング膜であれば、表面平滑性が良く、被着部材との密着性が高いため、良好である。なお、表面粗さが1μmを超えると、表面平滑性、塗工層の均一性が低くなる。また、セパレータ用途のコーティング膜の場合、セパレータと電極との接触性の保持が困難となるという問題がある。
また、上述した本発明のコーティング膜の製造方法によれば、例えば、塗工層の剥れを含めた欠点が、該コーティング膜の面積1m当り積層されている塗工層の表面において5個以下であるコーティング膜を得ることもできる。ここで言う欠点とは、塗工層の剥れや、金属異物(黒色)、塵・埃等の異物、ピンホール、シワ、筋等を意味する。なお、5個を超えると、表面平滑性が低く、塗工層の均一性がなくなり、良好なコーティング膜を提供することが困難となる。また、セパレータ用途のコーティング膜の場合、均一性がないことで、膜抵抗やセパレータと電極との接触性の保持が困難となる問題がある。また、均一なイオン透過性、安全性を持ったセパレータを提供することが困難となる。なお、上記において、コーティング膜表面の面積1m当りの欠点個数は、塗工層が基材膜の両面に形成されている場合、および、表裏片面にのみ形成されている場合のいずれであっても、コーティング膜の1m当りの表裏両面における欠点の合計の個数を意味する。
また、上述した本発明のコーティング膜の製造方法によれば、例えば、塗工層の表面高速スリット削れの値が300μm以下であるコーティング膜を得ることも可能である。このようなコーティング膜は、塗工層の表面強度が高く、削れまたは傷の発生を防ぐことが可能であり、良好である。なお、塗工層の表面高速スリット削れの値が300μmを超えると、削れまたは傷が発生しやすいという問題がある。
[コーティング膜の用途]
上述した本発明の用途は、特に限定されるものではないが、例えば、非水系二次電池用セパレータやコンデンサー用フィルム、フィルタ等の用途に適するフィルムとして用いることができる。特に非水系二次電池用セパレータに用いることが好ましい。
本発明の実施例および比較例における試験方法は次の通りである。
[凝集物の検出方法]
実施例及び比較例で得られた長さ1m以上のコーティング膜の背面から、三波長昼白色蛍光灯(FPL27EX−N/:ナショナル社製)を30cm離して照射し、これらフィルムの全範囲の凝集物の個数をコーティング膜の表面側から目視にて計測し、凝集物の数を平均した。その後、マークした凝集物をデジタル顕微鏡(キーエンス社製、VHZ−450)で観察し、デジタルマイクロスコープ (キーエンス社製、VH−7000、2点間距離計測モード)を用いて、当該凝集物の外周の任意の2点間距離を測定した。そのときの最大径を本発明における最大径とみなした。
[表面粗さ]
表面粗さ(Ra)は、Digital Instruments社製の原子間力顕微鏡Nano ScopeIII AFMのJスキャナーを使用し、Ra(2乗平均粗さ)を下記の条件で測定した。
・走査モード:タッピングモード
・スキャン速度:0.5Hz
・測定環境:室温、大気中
・走査範囲:89μm×89μm
[剥れを含む欠点の検出方法]
実施例及び比較例で得られたコーティング膜から、1m以上のフィルムを抜き出し、当該コーティング膜の背面から三波長昼白色蛍光灯(FPL27EX−N/:ナショナル社製)を30cm離して照射し、これらフィルムの全範囲の欠点又は異物の個数をコーティング膜の表面側から目視にて計測し、平均した。
[表面高速スリット削れ]
表面高速スリット削れの値は、コーティング膜の表層に対し、剃刀の刃(ミクロトームナイフ T-40:日本ミクロトーム研究所製)を角度90°、深さ0.5mmの条件であてがい、剃刀の刃面に対して垂直方向に張力60g、速度10m/minで剃刀を30m走行させたときに、剃刀の刃に付着した削れ粉の深さ方向の幅をデジタル顕微鏡(×450倍 キーエンス社製、VHZ−450)で測定した。
[膜厚]
接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて20点測定し、これを平均することで求めた。ここで接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状のものを用いた。
[ガーレ値]
ガーレ値(sec/100cc)はJIS・P8117に従い測定した。このガーレ値が低い程、通気性に優れていることを意味する。
[膜抵抗]
本発明の実施例および比較例で作成したコーティング膜をサンプルセパレータとし、このセパレータをそれぞれ2.6cm×2.0cmのサイズに切り出した。非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)を3重量%溶解したメタノール溶液に、切り出したセパレータを浸漬した後、風乾させた。厚さ20μmのアルミ箔を2.0cm×1.4cmに切り出しリードタブを付け、このアルミ箔を2枚用意して、アルミ箔間に切り出したセパレータをアルミ箔が短絡しないように挟んだ。セパレータに、電解液である1M・ LiBF・ プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(1/1重量比)を含浸させ、これをアルミラミネートパック中に、タブがアルミパックの外に出るようにして減圧封入した。このようなセルを、アルミ箔中にセパレータが1枚、2枚、3枚となるようにそれぞれ作製した。該セルを20℃の恒温槽中に入れ、交流インピーダンス法で振幅10mV、周波数100kHzにて該セルの抵抗を測定した。測定されたセルの抵抗値をセパレータの枚数に対してプロットし、このプロットを線形近似し傾きを求めた。この傾きに、電極面積である2.0cm×1.4cmを乗じて、セパレータ1枚当たりの膜抵抗(ohm・cm)を求めた。
[電池サイクル特性]
本発明の実施例および比較例で作成したコーティング膜を用いて、以下の通りリチウムイオン二次電池のセパレータを作成し、その電池サイクル特性を評価した。
1)正極
コバルト酸リチウム(LiCoO、日本化学工業社製)粉末89.5重量部と、アセチレンブラック4.5重量部及びPVdFの乾燥重量が6重量部となるように、6重量%のPVdFのNMP溶液を用い、正極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極を得た。
2)負極
負極活物質としてメソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪瓦斯化学社製)粉末87重量部と、アセチレンブラック3重量部及びPVdFの乾燥重量が10重量部となるように、6重量%のPVdFのNMP溶液を用い、負極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極を作製した。
3)電解液
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを3:7の重量比で混合した溶液に、LiPFが1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
4)リチウムイオン二次電池の試作
上記正極(2cm×1.4cm)及び負極(2.2cm×1.6cm)を以下の実施例および比較例で作製したセパレータ(2.6cm×2.2cm)を介して対向させた。これに上記電解液(0.15〜0.19g)を含浸させアルミラミネートフィルムからなる外装に封入してリチウムイオン二次電池を作製した。
5)サイクル試験
作製したリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置(北斗電工社製 HJ−101SM6)を使用し、充放電を100サイクル繰り返した(充放電の条件として、充電については、1.6mA/hで4.2Vまでの充電を行い、放電については1.6mA/hで2.75Vまでの放電を行った)。そして、1サイクル目の放電容量と100サイクル目の放電容量から、サイクル特性を以下の式により算出した。
サイクル特性(%)=(100サイクル目の放電容量)÷(1サイクル目の放電容量)×100
[実施例1]
ポリエチレンパウダーとしてTicona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を1:9(重量比)となるようにして、ポリエチレン濃度が30重量%となるように流動パラフィンとデカリンの混合溶媒中に溶解させ、ポリエチレン溶液を作製した。該ポリエチレン溶液の組成はポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(重量比)である。このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却して、60℃で8分、95℃で15分乾燥し、ゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。該ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理することでポリエチレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多孔膜の膜厚は13μm、突刺強度は379gであった。
メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)と無機フィラーとして平均粒子径0.8μmのα−アルミナ(昭和電工社製;AL160SG−3)を用い、重量比で25:75となるように調整し、これらをメタ型全芳香族ポリアミド濃度が5.5重量%となるようにジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比50:50となっている混合溶媒に混合し塗工用スラリーを得た。
製膜には図1に示した装置を用いて、計量・平滑化治具にはマイヤーバー(ヨシミツ精機社製 8番 直径20mm)を用いた。2本のマイヤーバーと凝固浴間に図2(D)に示したプレ凝固装置を設置した。2本のマイヤーバーとプレ凝固装置間のエアギャップは5cmとした。プレ凝固の装置と凝固浴の間のエアギャップは7cmとした。2本のマイヤーバー間のクリアランスを20μmとし、ポリエチレン微多孔膜が2本のマイヤーバー間のほぼ中央にくるように設置した。その後、調製したスラリー(温度:30℃)及び凝固液(温度:40℃)を所定の容器にいれ、製膜の準備を整えた。
ポリエチレン微多孔膜を10m/minの速度で搬送させ、塗工させた後、プレ凝固装置内において、水:DMAc:TPG=50:25:25となっている凝固液を500mg/sec・cmの供給量でミスト化した雰囲気中に2秒ほど曝すことによって、塗工層表面のみを凝固させた。
これを重量比で水:DMAc:TPG=50:25:25で40℃となっている凝固液中に浸漬した。次いで水洗・乾燥を行い、該ポリエチレン微多孔膜の表裏に多孔質層を形成し、コーティング膜を得た。以下の例も含め、得られたコーティング膜およびこれを電池セパレータとして用いた場合の各種のデータは表1、2にまとめて示した。
[実施例2]
実施例1において、ポリエチレン微多孔膜を20m/minの速さで搬送したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング膜を得た。
[実施例3]
実施例1において、スラリーに無機フィラーを使用しなかった点以外は、実施例1と同様にして、コーティング膜を得た。
[実施例4]
実施例1において、凝固液をミスト化した雰囲気中に曝す代わりに、65℃の風速15m/秒で2秒間送風処理を行い塗工層表面のみを凝固させる工程を行った以外は、実施例1と同様にして、コーティング膜を得た。
[実施例5]
実施例1において、凝固液をミスト化した雰囲気中に曝す代わりに、コーティング膜から5cm離した遠赤外線ヒータで70℃5秒間加熱処理を行い塗工層表面のみを凝固させる工程を行った以外は、実施例1と同様にして、コーティング膜を得た。
[実施例6]
実施例1において、凝固液をミスト化した雰囲気中に曝す代わりに、20℃の上記凝固液と同様の組成を有する処理液を10m/minで基材膜の搬送方向に沿って流し、シャワー処理を行い塗工層表面のみを凝固させる工程を行った以外は、実施例1と同様にして、コーティング膜を得た。
[比較例1]
実施例1において、プレ凝固装置を取り外して、ミスト中への暴露処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてコーティング膜を得た。
[比較例2]
実施例2において、プレ凝固装置を取り外して、ミスト中への暴露処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にしてコーティング膜を得た。
Figure 2010149011
Figure 2010149011
本発明のコーティング膜の製造方法に使用するコーティングシステムを示した模式図である。 上記のコーティングシステムにおけるプレ凝固部の各種態様を示した模式図である。
符号の説明
1…基材膜
2…塗工部
3…プレ凝固部
4…完全凝固部
21…塗工液
22…塗工浴
23…マイヤーバー
31…乾燥室
32…乾燥手段
33…加熱室
34…加熱手段
35…シャワー室
36…シャワー手段
37…暴露室
38…霧化手段
41…凝固液
42…凝固浴

Claims (5)

  1. 基材膜の片面又は両面に多孔質の塗工層が積層されたコーティング膜の製造方法であって、
    (i) 前記塗工層を構成する有機高分子化合物、および、この有機高分子化合物を溶解する水溶性有機溶媒を、前記基材膜の片面もしくは両面に塗工する工程と、
    (ii) この水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の最表面のみを凝固させる工程と、
    (iii) 前記(ii)の工程後の塗工層を有した基材膜を、水又は水と前記水溶性有機溶剤の混合液からなる凝固液を有する凝固浴中に搬送し、当該未凝固の塗工層を凝固させる工程と、
    (iv) 水洗及び乾燥する工程と、を実施し、
    前記基材膜を、少なくとも前記(i)〜(iii)の工程間において連続的に搬送することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
  2. 少なくとも前記(i)〜(iii)の工程において、前記基材膜を10m/min以上の速さで搬送することを特徴とする請求項1に記載のコーティング膜の製造方法。
  3. 前記(ii)の工程では、前記水溶性有機溶媒を含んだ状態の塗工層の表面に対して、送風処理、加熱処理、水又は水と水溶性有機溶剤の混合液からなる処理液をシャワー状にして吹き付ける処理、および、当該処理液の蒸気またはミスト中に暴露する処理の少なくともいずれかの処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載のコーティング膜の製造方法。
  4. 前記塗工液には無機フィラーを含ませることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング膜の製造方法を用いたことを特徴とする非水系二次電池用セパレータの製造方法。
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