JP5400508B2 - 非水系二次電池用セパレータ - Google Patents
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Description
2. 前記細孔プロットにおいて、前記積算細孔容積が負となる部分が細孔径0.1〜0.4μmの範囲に生じることを特徴とする上記1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
3. 前記細孔プロットにおいて、細孔径の全範囲に亘る積算細孔容積を、細孔径が測定最小値のときにおける積算細孔容積で割って、前記耐熱性多孔質層の単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積比(%)との関係を示す変換細孔プロットを求めた場合に、この変換細孔プロットにおいて、積算細孔容積比の最小値が−5%以下となることを特徴とする上記1または2に記載の非水系二次電池用セパレータ。
4. 前記ポリオレフィン微多孔膜は、水銀圧入法で求めた平均細孔径が0.05〜0.5μmであり、かつ、前記耐熱性多孔質層は、水銀圧入法で求めた平均細孔径が0.05〜0.2μmであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
5. 前記耐熱性多孔質層の平均細孔径は、前記ポリオレフィン微多孔膜の平均細孔径よりも小さいことを特徴とする上記4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
6. 前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率が40〜60%であり、かつ、前記耐熱性多孔質層の空孔率が20〜80%であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
7. 前記耐熱性多孔質層の空孔率は、前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率よりも大きいことを特徴とする上記6に記載の非水系二次電池用セパレータ。
8. 前記耐熱性多孔質層が無機フィラーを含むことを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
9. 前記無機フィラーの平均粒子径が0.1〜10μmであり、前記耐熱性多孔質層における前記無機フィラーの含有量が前記耐熱性樹脂の体積に対し0.4倍〜4倍であることを特徴とする上記8に記載の非水系二次電池用セパレータ。
10. 前記耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドから成る群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
11. 前記耐熱性樹脂がポリメタフェニレンイソフタルアミドあることを特徴とする上記10に記載の非水系二次電池用セパレータ。
本発明に係る非水系二次電池用セパレータは、ポリオレフィン微多孔膜と、このポリオレフィン微多孔膜の両面に被覆され耐熱性樹脂を含んで構成された耐熱性多孔質層と、を備えた複合膜からなる非水系二次電池用セパレータであって、水銀圧入法を用いて、前記耐熱性多孔質層の単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積(ml/m2)との関係を示す細孔プロットを求めた場合に、この細孔プロットにおいて、所定の細孔径において積算細孔容積が負となる部分が生じることを特徴とする。
本発明において、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法は特に限定されないが、例えば下記(i)〜(vi)の工程を含む方法を採用できる。
(i)ポリオレフィン組成物を溶剤に溶解させた溶液を調整する工程。
(ii)前記溶液をポリオレフィン組成物の融点以上かつ融点+60℃以下の温度でダイより押出し、冷却してゲル状組成物を形成する工程。
(iii)前記ゲル状組成物を延伸する工程。
(iv)延伸されたゲル状組成物を熱固定する工程。
(v)前記溶剤を除去する工程。
(vi)アニールする工程。
本発明において、非水系二次電池用セパレータの製造方法は、上述した「積算細孔容積が負となる部分」が生じるセパレータを製造できるものであれば特に限定されないが、例えば下記(i)〜(v)の工程を経て製造することが可能である。
(i)耐熱性樹脂を溶剤に溶かして、塗工用スラリーを作製する工程。
(ii)前記スラリーをポリオレフィン微多孔膜の両面に塗工する工程。
(iii)前記スラリーが塗工されたポリオレフィン微多孔膜を、前記耐熱性樹脂を凝固させることが可能な凝固液で処理する工程。
(iv)前記凝固液を水洗することによって除去する工程。
(v)水を乾燥する工程。
上記工程(v)は、上記工程(iv)の後のシートから水を乾燥して除去する工程であり、乾燥方法は特に限定されない。乾燥温度は50〜80℃が好適であり、高い乾燥温度を適用する場合は熱収縮による寸法変化が起こらないようにするためにロールに接触させるような方法を適用することが好ましい。
本発明の非水系二次電池用セパレータは、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る形態の非水系二次電池であれば、いかなる形態の非水系二次電池においても適用可能である。一般的な非水系二次電池は、負極と正極がセパレータを介して対向している電池要素に電解液が含浸され、これが外装に封入された構造となっている。
本発明の実施例及び比較例で適用した測定方法は以下の通りである。
接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて各サンプルについて20点測定し、これを平均することで求めた。ここで接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状のものを用いた。
サンプルを10cm×10cmに切り出し重量を測定する。この重量を面積で割ることで1m2当たりの重量である目付を求めた。
ポリオレフィン微多孔膜(基材)の両面に耐熱性多孔質層を被覆した複合膜の目付から、基材の目付を引くことで塗工量を求めた。
構成材料がa、b、c…、nからなり、構成材料の重量がWa、Wb、Wc…、Wn(g・cm2)であり、それぞれの真密度がda、db、dc…、dn(g/cm3)で、着目する層の膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は下記式より求めた。
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
実施例および比較例で作成した各セパレータにおける耐熱性多孔質層の細孔プロットは、以下のようにして得た。なお、水銀圧入法による細孔径測定は、マイクロメリティクス社製 オートポアIV 9510型を用いた。細孔径の測定範囲は0.003〜20μmとした。
まず、ポリオレフィン微多孔膜(基材)について、水銀圧入法により細孔径20μmから0.003μmまでに亘って積算細孔容積(ml/g)を測定し、これに基材の目付け(g/m2)を乗じることにより、単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積(ml/m2)との関係を示す第一のプロットを求めた。
次に、基材の両面に耐熱性多孔質層を被覆した複合膜について、水銀圧入法により細孔径20μmから0.003μmまでに亘って積算細孔容積(ml/g)を測定し、これに複合膜の目付け(g/m2)を乗じることにより、単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積(ml/m2)との関係を示す第二のプロットを求めた。
そして、第二のプロットにおける積算細孔容積から第一のプロットにおける積算細孔容積を、細孔径の全範囲に亘って減算することにより、耐熱性多孔質層の単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積(ml/m2)との関係を示す第三のプロット(細孔プロット)を得た。
なお、以下の表1に、各実施例および比較例の細孔プロットにおいて積算細孔容積が負となる部分が生じたものについては○と記載し、積算細孔容積が負となる部分が生じなかったものについては×と記載した。また、表1において、積算細孔容積が負となる部分が生じたものについては、積算細孔容積が負となった部分の細孔径の範囲を記載した。
上述のようにして得た第三のプロット(細孔プロット)において、細孔径の全範囲に亘る積算細孔容積を、細孔径が測定最小値のときにおける積算細孔容積の値で除算して、耐熱性多孔質層の単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積比(%)との関係を示す第四のプロット(変換細孔プロット)を得た。なお、以下の表1に、各実施例および比較例についての積算細孔容積比の最小値を記載した。
ポリオレフィン微多孔膜の平均細孔径は、上述のようにして得た第一のプロットにおいて、細孔径が測定最小値のときにおける積算細孔容積の1/2の積算細孔容積に対応する細孔径を算出し、これをポリオレフィン微多孔膜の平均細孔径とした。
耐熱性多孔質層の平均細孔径についても同様に、上述のようにして得た第三のプロットにおいて、細孔径が測定最小値のときにおける積算細孔容積の1/2の積算細孔容積に対応する細孔径を算出し、これを耐熱性多孔質層の平均細孔径とした。
1)ポリエチレン微多孔膜の膜抵抗
サンプルとなるポリエチレン微多孔膜を、2.6cm×2.0cmのサイズに切り出した。非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)を3重量%溶解したメタノール溶液に、切り出したサンプルを浸漬し、風乾した。厚さ20μmのアルミ箔を2.0cm×1.4cmに切り出し、これにリードタブを付けた。このアルミ箔を2枚用意して、アルミ箔が短絡しないように、サンプルをアルミ箔間に挟み込んだ。サンプルに電解液(プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが1対1の重量比で混合した溶媒に1MのLiBF4を溶解させた液体)を含浸させる。これをアルミラミネートパック中に、タブがアルミパックの外に出るようにして、減圧封入した。このようなセルを、アルミ箔中におけるサンプルの枚数が1枚、2枚、3枚となるようにそれぞれ作製した。該セルを20℃の恒温槽中に入れ、交流インピーダンス法で振幅10mV、周波数100kHzにて該セルの抵抗を測定した。測定されたセルの抵抗値を、サンプルの枚数に対してプロットし、このプロットを線形近似し傾きを求めた。この傾きに電極面積である2.0cm×1.4cmを乗じて、サンプル1枚当たりの膜抵抗(ohm・cm2)を求めた。
2)セパレータの膜抵抗
サンプルとしてセパレータを用いた点以外は、上記の場合と同様にして、セパレータ1枚当たりの膜抵抗(ohm・cm2)を求めた。
サンプルとなるセパレータを、18cm(MD方向)×6cm(TD方向)に切り出した。TD方向を2等分する線上に、上部から2cm、17cmの箇所(点A、点B)に印を付けた。また、MD方向を2等分する線上に、左から1cm、5cmの箇所(点C、点D)に印をつけた。これにクリップをつけて(クリップをつける場所はMD方向の上部2cm以内の箇所)、120℃に調整したオーブンの中につるし、無張力下で30分間熱処理を行った。2点AB間、CD間の長さを熱処理の前後で測定し、以下の式から熱収縮率を求め、これを耐熱性の指標とした。
MD方向熱収縮率={(熱処理前のABの長さ−熱処理後のABの長さ)/熱処理前のABの長さ}×100
TD方向熱収縮率={(熱処理前のCDの長さ−熱処理後のCDの長さ)/熱処理前のCDの長さ}×100
以下の実施例および比較例で作製した各セパレータをΦ19mmに打ち抜き、非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)の3重量%メタノール溶液中に浸漬して風乾した。そしてセパレータに電解液を含浸させSUS板(Φ15.5mm)に挟んだ。電解液には、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが1対1の重量比で混合した溶媒に、1MのLiBF4を溶解させた液体を用いた。これを2032型コインセルに封入した。コインセルからリード線をとり、熱電対を付けてオーブンの中に入れた。昇温速度1.6℃/分で昇温させ、同時に振幅10mV、1kHzの周波数の交流を印加することでセルの抵抗を測定した。
上記測定で135〜150℃の範囲で抵抗値が103ohm・cm2以上となった場合はSD特性を良好(○)と判断し、そうでなかった場合は不良(×)と判断した。また、上記測定でSD機能が発揮した後、150〜200℃の範囲で抵抗値が103ohm・cm2以上を維持し続けた場合はSD維持特性が良好(○)と判断し、そうでなかった場合はSD特性が不良(×)と判断した。
以下の実施例および比較例に示すセパレータを用いて、以下の通りリチウムイオン二次電池を作成し、そのサイクル特性を評価した。
1)正極
コバルト酸リチウム(LiCoO2、日本化学工業社製)粉末89.5重量部と、アセチレンブラック4.5重量部及びPVdFの乾燥重量が6重量部となるように、6重量%のPVdFのNMP溶液を用い、正極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極を得た。
2)負極
負極活物質としてメソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪瓦斯化学社製)粉末87重量部と、アセチレンブラック3重量部及びPVdFの乾燥重量が10重量部となるように、6重量%のPVdFのNMP溶液を用い、負極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極を作製した。
3)電解液
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを3:7の重量比で混合した溶液に、LiPF6が1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
4)リチウムイオン二次電池の試作
上記正極(2cm×1.4cm)及び負極(2.2cm×1.6cm)を以下の実施例および比較例で作製したセパレータ(2.6cm×2.2cm)を介して対向させた。これに上記電解液(0.15〜0.19g)を含浸させアルミラミネートフィルムからなる外装に封入してリチウムイオン二次電池を作製した。
5)サイクル試験
作製したリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置(北斗電工社製 HJ−101SM6)を使用し、充放電を100サイクル繰り返した(充放電の条件として、充電については、1.6mA/hで4.2Vまでの充電を行い、放電については1.6mA/hで2.75Vまでの放電を行った)。そして、1サイクル目の放電容量と100サイクル目の放電容量から、サイクル特性を以下の式により算出した。
サイクル特性(%)=(100サイクル目の放電容量)÷(1サイクル目の放電容量)×100
サイクル特性が80%以上であれば良好(○)と評価し、80%未満であれば不良(×)と判断した。
(1)ポリエチレン微多孔膜
ポリエチレンパウダーとしてTicona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を1:9(重量比)となるようにして、ポリエチレンと流動パラフィン(松村石油研究所社製;スモイルP−350P;沸点480℃)とデカリンの混合溶液を作製した。該ポリエチレン混合溶液の組成はポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=20:62:18(重量比)である。このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却してゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。該ベーステープを60℃で8分、95℃で15分乾燥し、該ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理することでポリエチレン微多孔膜を得た。
該ポリエチレン微多孔膜の膜厚は10μm、目付は4.41g/m2、空孔率は53%、平均細孔径は0.14μm、膜抵抗は2.236ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD27%、TD15%であった。
メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)と平均粒子径0.8μmの水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−43M)が体積比で65:35となるように調整し、これらをメタ型全芳香族ポリアミド濃度が5.5重量%となるようにジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比50:50となっている混合溶媒に混合して、塗工用スラリーを得た。
一対のマイヤーバー(番手#6)を20μmのクリアランスで対峙させた。マイヤーバーに上記塗工用スラリーを適量のせ、一対のマイヤーバー間にポリエチレン微多孔膜を通すことでポリエチレン微多孔膜の両面に塗工用スラリーを塗工した。これを重量比で水:DMAc:TPG=50:25:25で40℃となっている凝固液中に浸漬した。次いで水洗・乾燥を行い、ポリエチレン微多孔膜の表裏面に耐熱性多孔質層を形成し、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータの物性は、目付8.91g/m2、塗工量4.50g/m2、全体の膜厚18.0μm、耐熱性多孔質層の空孔率70%、膜抵抗4.167ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD方向3.0%、TD方向1.5%、サイクル特性は良好(○)であった。
また、第四プロットにおける積算細孔容積比の最小値は−10%、積算細孔容積比が負になる孔径範囲は0.18μm以上0.23μm以下であった。
GUR2126とGURX143を7:3(重量比)となるようにし、ポリエチレン溶液の組成をポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=19:61:20(重量比)とし、ポリエチレンの濃度を19重量%とし、熱固定温度を120℃にしたこと以外は、実施例1と同様にポリエチレン微多孔膜を作製した。
該ポリエチレン微多孔膜の膜厚は10μm、目付は4.20g/m2、空孔率は55%、平均細孔径は0.15μm、膜抵抗は2.053ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD30%、TD15%であった。
次にこのポリエチレン微多孔膜を用い、水酸化アルミニウムを加えないことと、メタ型全芳香族ポリアミド濃度が6.5重量%となるようにジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比50:50となっている混合溶媒に混合して、塗工用スラリーを得たこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータの物性は、目付7.92g/m2、塗工量3.72g/m2、全体の膜厚18.0μm、耐熱性多孔質層の空孔率65%、膜抵抗3.931ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD方向4.5%、TD方向2.1%、サイクル特性は良好(○)であった。
また、第四プロットにおける積算細孔容積比の最小値は−20%、積算細孔容積比が負になる孔径範囲は0.16μm以上0.26μm以下であった。
ポリエチレン溶液の組成をポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=18:60:23(重量比)とし、ポリエチレンの濃度を18重量%としたこと以外は、実施例2と同様にポリエチレン微多孔膜を作製した。
該ポリエチレン微多孔膜の膜厚は10μm、目付は4.11g/m2、空孔率は56%、平均細孔径は0.16μm、膜抵抗は2.144ohm・cm2、熱収縮率はMD32%、TD16%であった。
次にこのポリエチレン微多孔膜を用い、コーネックスと水酸化アルミニウムの体積比が62:38になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータの物性は、目付8.99g/m2、塗工量4.88g/m2、全体の膜厚18.0μm、耐熱性多孔質層の空孔率68%、膜抵抗3.215ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD方向3.3%、TD方向1.8%、サイクル特性は良好(○)であった。
また、第四プロットにおける積算細孔容積比の最小値は−30%、積算細孔容積比が負になる孔径範囲は0.15μm以上0.26μm以下であった。
ポリエチレン溶液の組成をポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=17:58:25(重量比)とし、ポリエチレンの濃度を17重量%にしたこと以外は、実施例2と同様にポリエチレン微多孔膜を作製した。
該ポリエチレン微多孔膜の膜厚は10μm、目付は3.92g/m2、空孔率は58%、平均細孔径は0.18μm、膜抵抗は1.535ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD36%、TD18%であった。
次にこのポリエチレン微多孔膜を用い、コーネックスと水酸化アルミニウムの体積が60:40になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータの物性は、目付9.01g/m2、塗工量5.09g/m2、全体の膜厚18.0μm、耐熱性多孔質層の空孔率67%、膜抵抗3.645ohm・cm2、熱収縮率はMD方向3.5%、TD方向1.5%、サイクル特性は良好(○)であった。
また、第四プロットにおける積算細孔容積比の最小値は−40%、積算細孔容積比が負になる孔径範囲は0.13μm以上0.28μm以下であった。
GUR2126とGURX143を3:7(重量比)となるようにし、ポリエチレン溶液の組成をポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(重量比)とし、ポリエチレンの濃度を30重量%とし、熱固定温度を135℃としたこと以外は、実施例1と同様にポリエチレン微多孔膜を作製した。
該ポリエチレン微多孔膜の膜厚は10μm、目付は5.62g/m2、空孔率は39%、平均細孔径は0.10μm、膜抵抗は3.167ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD21%、TD7%であった。
次にこのポリエチレン微多孔膜を用い、コーネックスと水酸化アルミニウムの体積比が69:31になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータの物性は、目付10.57g/m2、塗工量4.95g/m2、全体の膜厚18.0μm、耐熱性多孔質層の空孔率66%、膜抵抗5.579ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD方向5.5%、TD方向3.0%、サイクル特性は不良(×)であった。
また、第四プロットにおける積算細孔容積比はいずれの細孔径に於いても0%以上であった。
ポリエチレン溶液の組成をポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=35:42:23(重量比)とし、ポリエチレン濃度を35重量%にしたこと以外は、比較例1と同様にポリエチレン微多孔膜を作製した。
該ポリエチレン微多孔膜の膜厚は10μm、目付は5.81g/m2、空孔率は38%、平均細孔径は0.11μm、膜抵抗は3.864ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD18%、TD5%であった。
次にこのポリエチレン微多孔膜を用い、コーネックスと水酸化アルミニウムの体積比が68:32になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータの物性は、目付10・35g/m2、塗工量4.54g/m2、全体の膜厚18.0μm、耐熱性多孔質層の空孔率69%、膜抵抗6.122ohm・cm2、120℃における熱収縮率はMD方向6.0%、TD方向3.3%、サイクル特性は不良(×)であった。
また、第四プロットにおける積算細孔容積比はいずれの細孔径に於いても0%以上であった。
Claims (9)
- ポリオレフィン微多孔膜と、このポリオレフィン微多孔膜の両面に被覆され耐熱性樹脂を含んで構成された耐熱性多孔質層と、を備えた複合膜からなる非水系二次電池用セパレータであって、
水銀圧入法を用いて前記耐熱性多孔質層の単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積(ml/m2)との関係を示す細孔プロットを求めた場合に、この細孔プロットにおいて、細孔径0.1〜0.4μmの範囲に積算細孔容積が負となる部分が生じ、
前記細孔プロットにおいて、細孔径の全範囲に亘る積算細孔容積を、細孔径が測定最小値のときにおける積算細孔容積で割って、前記耐熱性多孔質層の単位面積当たりにおける細孔径(μm)と積算細孔容積比(%)との関係を示す変換細孔プロットを求めた場合に、この変換細孔プロットにおいて、積算細孔容積比の最小値が−5%以下となることを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。 - 前記ポリオレフィン微多孔膜は、水銀圧入法で求めた平均細孔径が0.05〜0.5μmであり、かつ、前記耐熱性多孔質層は、水銀圧入法で求めた平均細孔径が0.05〜0.2μmであることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性多孔質層の平均細孔径は、前記ポリオレフィン微多孔膜の平均細孔径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率が40〜60%であり、かつ、前記耐熱性多孔質層の空孔率が20〜80%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性多孔質層の空孔率は、前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性多孔質層が無機フィラーを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記無機フィラーの平均粒子径が0.1〜1μmであり、前記耐熱性多孔質層における前記無機フィラーの含有量が前記耐熱性樹脂の体積に対し0.4倍〜4倍であることを特徴とする請求項6に記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドから成る群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性樹脂がポリメタフェニレンイソフタルアミドあることを特徴とする請求項8に記載の非水系二次電池用セパレータ。
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