JP5356878B2 - 非水系二次電池用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は非水系二次電池用セパレータに関するものであり、特に非水系二次電池の安全性および電池特性を向上させる技術に関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は高エネルギー密度であり、携帯電話やノートパソコンといった携帯用電子機器の主電源として広範に普及している。このリチウムイオン二次電池はさらなる高エネルギー密度化が求められているが、安全性の確保が技術的な課題となっている。
リチウムイオン二次電池の安全性確保においてセパレータの役割は重要であり、高強度かつシャットダウン機能を有するという観点から、現状ではポリエチレン微多孔膜が多く用いられている。ここで、シャットダウン機能とは、電池の温度が上昇したときに微多孔膜の孔が閉塞して電流を遮断する機能を言い、この機能により電池の発熱が抑制され、電池の熱暴走が防止される。
リチウムイオン二次電池は、年々高エネルギー密度化がなされており、安全性確保のためシャットダウン機能に加えて耐熱性も要求されてきている。しかしながら、シャットダウン機能はポリエチレンの溶融による孔の閉塞をその作動原理としているので耐熱性と相反するものである。
そこで、従来、耐熱性を向上させ、シャットダウン機能も両立させるために、ポリエチレン微多孔膜の表面に耐熱性多孔質層を被覆させる技術が提案されている(特許文献1,2参照)。すなわち、特許文献1では、ポリオレフィン多孔質膜とポリアミドイミド多孔質膜とを積層させたセパレータが開示されている。特許文献2では、ポリエチレン微多孔膜と芳香族ポリアミド多孔質層とを積層させたセパレータであって、芳香族ポリアミド多孔質層中にセラミック粉末を混入させたセパレータが開示されている。
しかしながら、このように耐熱性樹脂を含む耐熱性多孔質層を積層したセパレータにおいては、一般に耐熱性樹脂が静電気を帯び易いことから、電池の製造においてセパレータと電極シートとを重ね合わせる際にシワ等が生じ易く、ハンドリング上の問題が生じるおそれがある。このようなシワ等を有した電池においては、シワ等が原因となって電池特性が低下してしまうことも懸念される。
また、耐熱性多孔質層を形成するために湿式凝固法(耐熱性樹脂を含む塗工液を基材上に塗布する工程、凝固液に浸漬する工程、および水洗・乾燥工程を含む方法)を採用する場合、セパレータ中に水分が混入してしまうことがある。このようにセパレータ中に水分が含まれていると、電解液が分解してフッ化水素ガスが発生してしまい、電池の膨れが発生するおそれがある。また、電解液中に水分が含まれていると、電池のサイクル特性にも悪影響を及ぼすことも指摘されている。なお、セパレータ中に水分が含まれていない場合であっても、電解液中や電極表面に水分が含まれている場合は、電池の膨れやサイクル特性の低下の問題が同様に生じ得る。
一方で、従来、セパレータ中に所定量の水分を含ませることにより電池特性を向上させる技術も知られている(例えば特許文献3参照)。すなわち、この特許文献3では、セパレータの水分量を1000ppm〜6000ppmとすることにより、極板群を構成した後にセパレータに対向した正極板にセパレータ中の水分が均一に移動し、初期の正極板の分極を大きくし、充放電を繰り返した後の負極板の分極とのバランスを良化させ、サイクル寿命特性を向上させることができる、と記載されている。
しかしながら、この特許文献3においては、耐熱性多孔質層を含むセパレータであるにも関わらず、静電気の及ぼす影響について何ら着目されていない。このため、上述した静電気による電池特性の低下の問題が発生してしまうおそれがある。
国際公開第05/080487号パンフレット 特許第3175730号公報 特開2008−198408号公報
このように、従来、ポリオレフィン微多孔膜に耐熱性多孔質層を積層したセパレータにおいて、静電気や水分の及ぼす影響を十分に考慮した提案がなされていなかったと言える。
そこで、本発明は、耐熱性およびシャットダウン特性に加え、静電気による悪影響を排除し、かつ、電池特性を向上させることができるセパレータを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題に対して、セパレータの含水能力および含水量に着目して誠意研究を行ったところ、ポリオレフィン微多孔膜に耐熱性多孔質層を積層したセパレータにおいて、セパレータが所定の含水能力および含水量を有している場合に、静電気の問題を解消し、かつ、電池特性を向上させることができることを見出した。すなわち、本発明は以下の構成を採用する。
1. ポリオレフィン微多孔膜の片面または両面に、耐熱性樹脂を含む耐熱性多孔質層が被覆された非水系二次電池用セパレータであって、該セパレータは、温度20℃、相対湿度40%における平衡含水量が0.01〜0.5g/mであり、かつ、水分を0.005〜0.1g/m含んでいることを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
2. 前記耐熱性多孔質層の目付けが2〜10g/mであることを特徴とする上記1記載の非水系二次電池用セパレータ。
3. 前記セパレータの水分量が平衡含水量よりも小さいことを特徴とする上記1または2に記載の非水系二次電池用セパレータ。
4. 前記耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドから成る群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
5. 前記耐熱性樹脂が、ポリメタフェニレンイソフタルアミドであることを特徴とする上記4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
6. 前記耐熱性多孔質層が無機フィラーを含むことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
7. 前記無機フィラーが金属水酸化物および金属酸化物のうち少なくとも一種からなることを特徴とする上記6に記載の非水系二次電池用セパレータ。
8. 前記無機フィラーが水酸化アルミニウムからなることを特徴とする上記7に記載の非水系二次電池用セパレータ。
9. 前記無機フィラーの含有量が前記耐熱性樹脂の体積に対し0.4〜4倍であることを特徴とする上記6〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
本発明によれば、耐熱性およびシャットダウン特性に加え、静電気による悪影響を排除し、かつ、電池特性を向上させることができるセパレータを提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
[非水系二次電池用セパレータ]
本発明の非水系二次電池用セパレータは、ポリオレフィン微多孔膜の片面または両面に耐熱性多孔質層が被覆された非水系二次電池用セパレータであって、該セパレータは、温度20℃、相対湿度40%における平衡含水量が0.01〜0.5g/mであり、かつ、水分を0.005〜0.1g/m含んでいることを特徴とする。
このような本発明の非水系二次電池用セパレータによれば、ポリオレフィン微多孔膜によりシャットダウン機能が得られると共に、耐熱性多孔質層によりシャットダウン温度以上の温度においても溶融しない程度の耐熱性を得ることができる。そして、本発明のセパレータは、温度20℃、相対湿度40%における平衡含水量が0.01〜0.5g/mであり、かつ、水分を0.005〜0.1g/m含んでいるため、耐熱性多孔質層における静電気の発生を好適に防止できる。よって、電池の製造においてセパレータと電極シートとを重ね合わせる際にシワ等が生じるのを防止できるので、製造性を向上できると共に、シワ等を原因とする電池特性の低下を防止できる。また、セパレータ中の水分量が適量なため、電池の膨れの発生を抑えることができ、良好な電池サイクル特性が得られる。したがって、本発明のセパレータによれば、安全性および電池特性に優れた電池を得ることができる。
ここで、セパレータの平衡含水量が0.01g/m未満であると、セパレータに含まれる水分量が少なくなってしまい、静電気の発生防止の効果が得られ難くなるため好ましくない。一方、セパレータの平衡含水量が0.5g/mを超えると、セパレータ中の吸着水分量が多くなり過ぎて電池特性を低下させてしまうため好ましくない。また、セパレータに含まれる水分量が0.005g/m未満であると静電気の発生防止の効果が得られ難くなるため好ましくなく、0.1g/mを超えると電池特性を著しく悪化させてしまうため好ましくない。なお、セパレータの平衡含水量は、ポリオレフィン微多孔膜や耐熱性多孔質層に使用する材質、耐熱性多孔質層の目付け、耐熱性多孔質層中のポリマーや無機フィラーの含有量等によって調整可能である。また、セパレータ中の吸着水分量はセパレータの乾燥時間や乾燥温度等によって調整可能である。
本発明において、セパレータ中の水分の含有量は、その大小によって好ましい測定方法を適用することができる。例えば、乾燥重量減少法やカールフィッシャー法やサンプルを加熱し、発生する微量の水分を吸水性の無機物質に吸着させて、電解させ電導度を測ることによって水分量を決定する方法、などを用いることができる。
特に、本発明においては、セパレータの水分量が平衡含水量よりも小さいことが好ましい。このような構成であれば、セパレータ中にさらに水分を吸着可能な余剰部分が存在するので、かかるセパレータを電池内に組み込んだ場合に、電解液等に含まれる水分や電池の使用により生じた水分を耐熱性多孔質層に吸着させることができ、電池特性をより向上させることができる。
本発明のセパレータの膜厚は、電池のエネルギー密度や出力特性を良好にする観点で、25μm以下が好ましい。セパレータの物性としては、ガーレ値(JIS・P8117)は10〜1000sec/100ccであり、膜抵抗は0.5〜10ohm・cmであり、突き刺し強度は10〜1000gであることが好ましい。
本発明におけるポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィンを含んで構成され、内部に多数の微細孔を有し、かつ、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となっている。
ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。中でも良好なシャットダウン機能が得られる点でポリエチレンが好ましく、特に、高密度ポリエチレンや、高密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンの混合物が好適である。ポリエチレンの分子量は、重量平均分子量が10万〜1000万であることが好適である。また、例えば、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の他のポリオレフィンを混合して用いても良い。
ポリオレフィン微多孔膜の膜厚は、機械的強度およびセパレータ全体の厚み制御の観点から、5μm以上18μm以下であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、セパレータの膜抵抗およびシャットダウン特性の観点から、20〜60%であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の平均孔径はBET法で測定した場合に10〜400nmであることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値(JIS・P8117)は、イオン透過性およびシャットダウン機能の観点から、10〜500sec/100ccであることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の突刺強度は10g以上が好適である。
本発明における耐熱性多孔質層は、耐熱性樹脂を含んで構成されており、内部に多数の微細孔を有し、かつ、これら微細孔が互いに連結された多孔質構造となっている。かかる耐熱性多孔質層は、湿式塗工法によりポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に直接固着された状態で被覆されていることが好ましい。
耐熱性樹脂は、融点が200℃以上の樹脂、あるいは、実質的に融点が存在しない樹脂についてはその熱分解温度が200℃以上の樹脂であれば好適に用いることができる。このような耐熱性樹脂としては、例えば芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドから成る群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。特に、耐久性の観点から全芳香族ポリアミドが好適であり、さらに多孔質層を形成しやすく耐酸化還元性に優れるという観点からメタ型芳香族ポリアミドが好適であり、中でもポリメタフェニレンイソフタルアミドが好ましい。
耐熱性多孔質層は、ハンドリング性、耐久性および熱収縮の抑制効果の観点から、ポリオレフィン微多孔膜の表裏両面に形成された方が好ましい。耐熱性多孔質層の厚みは、耐熱性多孔質層がポリオレフィン微多孔膜の両面に形成されている場合は該耐熱性多孔質層の厚みの合計が3μm以上12μm以下であることが好ましく、耐熱性多孔質層が片面にのみ形成されている場合は3μm以上12μm以下であることが好ましい。
耐熱性多孔質層の目付けは、セパレータの平衡含水量を本発明の範囲内に調整する上で、2〜10g/mであることが好ましい。耐熱性多孔質層の空孔率は、セパレータの耐熱性および膜抵抗の観点で、50〜80%であることが好ましい。耐熱性多孔質層の平均空孔率は、セパレータの耐熱性および膜抵抗の観点で、BET法で測定した場合に50〜300nmであることが好ましい。
本発明において、耐熱性多孔質層は無機フィラーを含有していることが好ましい。無機フィラーを適切に添加することで、シャットダウン特性を向上させたり、ポリオレフィンの融点を超える高温領域でのセパレータの熱収縮を抑制したり、膜抵抗を低減させたり、摩擦係数を低減させたりすることができる。無機フィラーの材質としては、アルミナ、ジルコニア、イットリア、セリア、マグネシア、チタニア、シリカなどの金属酸化物、炭化アルミニウム、炭化チタン、炭化タングステン等の金属炭化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの塩の類、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等、もしくはこれらの2種以上の組合せが挙げられる。また、これらは多孔質形状であっても良く、非晶または結晶どちらでも良い。中でも、高温下におけるセパレータの熱収縮の抑制の観点から、金属水酸化物および金属酸化物のうち少なくとも1種からなることが好ましい。特に、水酸化アルミニウムやベーマイト等の金属水酸化物は、アルミナ等の金属酸化物に比べて柔らかく、セパレータの製造装置あるいは電池の製造装置を傷つけることがないため好ましい。
本発明では無機フィラーの含有量が耐熱性樹脂の体積に対し0.4〜4倍であることが好ましい。無機フィラーの含有量が0.4倍より低いと、すべり性の向上効果が得られ難く、高温における寸法安定性といった耐熱性にかかわる特性等も不十分となる場合がある。また、無機フィラーの含有量が4倍を超えると、耐熱性多孔質層が緻密化されすぎるため好ましくない。
本発明では無機フィラーの平均粒子径は0.1〜1μmの範囲が好ましい。無機フィラーの平均粒子径が1μmを超えると、耐熱性多孔質層を適切な厚みで成形することが困難になるため好ましくない。また、無機フィラーの平均粒子径が0.1μmより小さくなるとすべり性向上の効果等が得られ難いため好ましくない。
[ポリオレフィン微多孔膜の製造方法]
本発明におけるポリオレフィン微多孔膜は、例えば下記に示す方法で製造できる。すなわち、(I)ポリオレフィン組成物をパラフィン、流動パラフィン、パラフィン油、鉱油、ひまし油、テトラリン、エチレングリコール、グリセリン、デカリン、トルエン、キシレン、ジエチルトリアミン、エチルジアミン、ジメチルスルホキシド、ヘキサン等の溶剤に溶解させた溶液を調整する工程、(II)前記溶液をポリオレフィン組成物の融点以上かつ融点+60℃以下の温度でダイより押出し、冷却してゲル状組成物を形成する工程、(III)前記ゲル状組成物を延伸する工程、(IV)延伸されたゲル状組成物を熱固定する工程、(V)前記溶剤を除去する工程、(VI)アニールする工程を含む一連の工程により製造される。
ここで、延伸工程は二軸延伸が好ましく、縦延伸、横延伸を別々に実施する逐次二軸延伸、縦延伸、横延伸を同時に実施する同時二軸延伸いずれの方法も好適に用いることが可能である。
本発明で用いるポリオレフィン微多孔膜は、例えば、該溶剤に流動パラフィンとデカリンからなる混合溶剤を用い、ポリオレフィン組成物の濃度を15〜35重量%とし、延伸倍率を50〜100倍(縦延伸倍率×横延伸倍率)とし、熱固定温度を110〜140℃とし、アニール温度を熱固定温度以下の温度とすることで得ることができるが、これに限定されるものではない。
[非水系二次電池用セパレータの製造方法]
本発明の非水系二次電池用セパレータの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(i)〜(iv)の工程を含む製造方法により製造可能である。すなわち、(i)耐熱性樹脂および水溶性有機溶剤を含む塗工用スラリーを作製する工程と、(ii)得られた塗工用スラリーをポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に塗工する工程と、(iii)塗工されたスラリー中の耐熱性樹脂を凝固させる工程と、(iv)この凝固工程後のシートを水洗および乾燥する工程と、を実施することからなる製造方法である。
前記工程(i)において、水溶性有機溶剤としては、耐熱性樹脂に対して良溶媒である溶剤であれば特に限定されないが、具体的には例えばN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶剤を使用することができる。また、スラリー中には、さらに耐熱性樹脂に対して貧溶媒となる溶剤も、一部混合して用いることもできる。このような貧溶媒を適用することでミクロ相分離構造が誘発され、耐熱性多孔質層を形成する上で多孔化が容易となる。貧溶媒としては、アルコールの類が好適であり、特にグリコールのような多価アルコールが好適である。なお、耐熱性多孔質層中に無機フィラーを含ませる態様のセパレータを得るためには、当該スラリー中にさらに無機フィラーを適量混合させればよい。スラリー中における耐熱性樹脂の濃度は4〜9重量%であることが好ましい。
工程(ii)において、ポリオレフィン微多孔膜へのスラリーの塗工量は2〜150g/m程度が好ましい。塗工方法は、ナイフコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法、マイヤーバー法、ダイコーター法、リバースロールコーター法、インクジェット法、スプレー法、ロールコーター法などが挙げられる。中でも、塗膜を均一に塗布するという観点において、リバースロールコーター法が好適である。また、塗工時のスラリー温度を調整することで耐熱多孔質層を安定に得ることが出来る。ここでスラリー温度は特に限定されるものではないが、5℃〜40℃の範囲が好ましい。
工程(iii)において、スラリー中の耐熱性樹脂を凝固させる方法としては、塗工後のポリオレフィン微多孔膜に対して凝固液をスプレーで吹き付ける方法や、凝固液の入った浴(凝固浴)中に当該基材を浸漬する方法などが挙げられる。凝固液は、耐熱性樹脂を凝固できるものであれば特に限定されないが、水、又はスラリーに用いた良溶媒に水を適当量含ませた混合液が好ましい。ここで、水の混合量は凝固液に対して40〜80重量%が好適である。
工程(iv)において、乾燥方法は特に限定されないが、乾燥温度は30〜80℃が適当である。また、乾燥時間は乾燥温度にもよるが、概ね2秒〜50時間が適当である。高い乾燥温度を適用する場合は、熱収縮による寸法変化が起こらないようにするためにロールに接触させるような方法を適用することが好ましい。
[非水系二次電池]
本発明のセパレータは、リチウムのドープおよび脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池であればいずれにも適用することができ、このような非水系二次電池の中でもリチウムイオン二次電池が好ましい。
一般的に、非水系二次電池は、正極と、負極と、これらの電極間に配置されたセパレータと、電解液とを備えて構成されており、このような電池要素は外装に封入されている。
負極は、負極活物質、導電助剤、バインダーからなる負極合剤が集電体(銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等)上に成形された構造となっている。負極活物質としては、リチウムを電気化学的にドープすることが可能な材料、例えば、炭素材料、シリコン、アルミニウム、スズなどが用いられる。
正極は、正極活物質、導電助剤、バインダーからなる正極合剤が集電体上に成形された構造となっている。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn0.5Ni0.5、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、LiFePOが用いられる。
電解液は、リチウム塩、例えば、LiPF、LiBF、LiClOを非水系溶媒に溶解した構成である。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
外装材は金属缶またはアルミラミネートパック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型などがあるが、本発明のセパレータはいずれの形状においても好適に適用することが可能である。
本発明の実施例および比較例における試験方法は次の通りである。
[平衡含水量]
温度20℃、相対湿度40%環境下において、サンプルとなるセパレータを三日間静置して調湿したサンプルを、水分気化装置(三菱アナリテック社製VA−100型)中120℃で水分を気化させた後、カールフィッシャー水分計(三菱化学社製、CA−100)を用いて水分を測定した。
[セパレータの含水量]
電池に組み込む直前のセパレータについて、水分気化装置(三菱アナリテック社製VA−100型)中120℃で水分を気化させた後、カールフィッシャー水分計(三菱化学社製、CA−100)を用いて水分を測定した。
[膜厚]
接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて20点測定し、これを平均することで求めた。ここで、接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状のものを用い、接触端子に1.2kg/cmの荷重が印加されるような条件で測定した。
[耐熱性多孔質層の塗工量]
耐熱性多孔質層を塗工したセパレータとこれに用いたポリエチレン微多孔膜の目付を測定し、これらの差から耐熱性多孔質層の塗工量を求めた。なお、目付けは、サンプルとなるセパレータを10cm×10cmに切り出しこの重量を測定し、これを1m当たりの重量に変換することで求めた。
[空孔率]
構成材料がa、b、c…、nからなり、構成材料の重量がWa、Wb、Wc…、Wn(g・cm)であり、それぞれの真密度がda、db、dc…、dn(g/cm)で、着目する層の膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は下記式より求めた。
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
[ガーレ値]
ガーレ値(秒/100cc)はJIS P8117に従い測定した。
[膜抵抗]
サンプルとなるセパレータを2.6cm×2.0cmのサイズに切り出した。切り出したサンプルを、非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)を3重量%溶解したメタノール溶液に浸漬し、風乾した。厚さ20μmのアルミ箔を、2.0cm×1.4cmに切り出しリードタブを付けた。このアルミ箔を2枚用意して、アルミ箔間に切り出したセパレータを、アルミ箔が短絡しないように挟んだ。電解液には、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが1対1の重量比で混合された溶媒中にLiBFを1M溶解させたものを用い、この電解液を上記セパレータに含浸させた。これをアルミラミネートパック中に、タブがアルミパックの外に出るようにして減圧封入した。このようなセルを、アルミ箔中にセパレータが1枚、2枚、3枚となるようにそれぞれ作製した。このセルを20℃の恒温槽中に入れ、交流インピーダンス法で、振幅10mV、周波数100kHzにてこのセルの抵抗を測定した。測定されたセルの抵抗値を、セパレータの枚数に対してプロットし、このプロットを線形近似し、傾きを求めた。この傾きに、電極面積である2.0cm×1.4cmを乗じて、セパレータ1枚当たりの膜抵抗(ohm・cm)を求めた。
[シャットダウン特性]
サンプルとなるセパレータをΦ19mmに打ち抜き、非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)の3重量%メタノール溶液中に浸漬して風乾した。そしてセパレータに電解液を含浸させSUS板(Φ15.5mm)に挟んだ。電解液には、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが1対1の重量比で混合された溶媒中に、LiBFを1M溶解させたものを用いた。これを2032型コインセルに封入した。コインセルからリード線をとり、熱電対を付けてオーブンの中に入れた。昇温速度1.6℃/分で昇温させ、同時に振幅10mV、1kHzの周波数の交流を印加することでセルの抵抗を測定した。セルの抵抗が10ohm・cm以上となったときシャットダウンが起こったと判断し、そのときの温度をシャットダウン温度とした。また、シャットダウン特性は、シャットダウンが起こり、200℃までセルの抵抗が10ohm・cm以上を維持した場合において○と判断し、そうでない場合は×と判断した。
[静電特性]
オネストメーター(シシド静電気社製:HO110型)を用い耐電圧半減期を測定した。測定環境は温度20℃、湿度50%とした。サンプルとなるセパレータをサンプルホルダーに固定し、電圧印加装置とサンプルとの間の距離を20mmとし、印加電圧5kVの条件で電圧を印加した。帯電が飽和したのち3分間の電圧減衰挙動を確認し、この減衰曲線から半減期を算出した。なお、この耐電圧半減期が短いほど、帯電を低いレベルに保つことができ、ハンドリング性が良好なセパレータであると言える。半減期が30分以内のものが静電特性良(○)、半減期が30分よりも長いもの静電特性不良(×)とした。
[サイクル特性]
以下の実施例および比較例で作製したセパレータを用いて、以下に示す方法でラミネート型電池を作製した。
(1)負極の作製
メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB:大阪瓦斯化学社製)粉末87重量部、アセチレンブラック(電気化学工業社製;商品名デンカブラック)3重量部、ポリフッ化ビニリデン(クレハ化学社製)10重量部となるようにN−メチル−2ピロリドン溶媒を用いてこれらを混練し、スラリーを作製した。得られたスラリーを厚さが18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスし、90μmの負極を得た。
(2)正極の作製
コバルト酸リチウム(LiCoO;日本化学工業社製)粉末89.5重量部、アセチレンブラック(電気化学工業社製;商品名デンカブラック)4.5重量部、ポリフッ化ビニリデン(クレハ化学社製)6重量部となるようにN−メチル−2ピロリドン溶媒を用いてこれらを混練し、スラリーを作製した。得られたスラリーを厚さが20μmのアルミ箔上に塗布乾燥後プレスし、100μmの正極を得た。
(3)電池の組立
上記正極を14mm×20mmのサイズに切り出しタブを付けた。また上記負極は16mm×22mmのサイズに切り出しタブを付けた。セパレータは以下の実施例および比較例で作製したものを用い、20mm×26mmのサイズに切り出した。これらを、正極/セパレータ/負極の順で積層させて接合し、セパレータに電解液を注入してアルミラミネートフィルム内に封入することで、非水系二次電池を作製した。ここで電解液には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートが3対7の重量比で混合された混合溶液に、LiPFを1Mの濃度で溶解させたものを用いた。ここで、この試作電池は正極面積が2×1.4cm、負極面積は2.2×1.6cmで、容量は8mAh(4.2V−2.75Vの範囲)である。
(4)サイクル特性の評価
前述の方法で作製した各電池について、4.2Vの定電流・定電圧充電と、2.75Vの定電流放電を30サイクル繰り返した後に、放電容量を測定した。サイクル特性は下記式に示す放電容量保持率で評価した。なお、放電容量保持率が70%以上である場合をサイクル特性を良(○)、70%未満を不良(×)と判断した。
放電容量保持率=30サイクル後の放電容量/3サイクル後の放電容量
[オーブンテスト]
以下の実施例および比較例で作製したセパレータを用いて、前述のサイクル特性と同様の方法に従い非水系二次電池を作製した。この電池を4.2Vまで充電した。電池をオーブンに入れ、5kgの錘をのせた。この状態で電池温度が2℃/分で昇温するようにオーブンを設定し電池を200℃まで加熱した。そのときの電池電圧の変化を記録した。室温の電池電圧に対し200℃の電池電圧が60%以上であった場合を○と評価し、60%未満であった場合を×と評価した。
[実施例1]
(1)ポリメタフェニレンイソフタルアミドの製造
イソフタル酸クロライド160.5gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解し、撹拌しながら、メタフェニレンジアミン85.2gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解した溶液を、細流として徐々に加えていくと白濁した乳白色の溶液が得られた。撹拌を約5分間継続した後、更に撹拌しながら炭酸ソーダ167.6g、食塩317gを3400mlの水に溶かした水溶液を速やかに加え、5分間撹拌した。反応系は数秒後に粘度が増大後、再び低下し、白色の懸濁液が得られた。これを静置し、分離した透明な水溶液層を取り除き、ろ過によってポリメタフェニレンイソフタルアミドの白色重合体185.3gが得られた。
(2)ポリエチレン多孔膜の製造
ポリエチレンパウダーとして、Ticona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を、1:9(重量比)となるようにして、ポリエチレン濃度が30重量%となるように流動パラフィン(松村石油研究所社製;スモイルP−350P;沸点480℃)とデカリンの混合溶媒中に溶解させ、ポリエチレン溶液を作製した。このポリエチレン溶液の組成は、ポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(重量比)であった。
このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却してゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。このベーステープを60℃で8分、95℃で15分乾燥し、次いで、ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理しポリエチレン微多孔膜を得た。膜厚は12μm、空孔率37%、ガーレ値301sec/100cc、膜抵抗2.6ohm・cmであった。
(3)非水系二次電池用セパレータの作製
前記で得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドとポリエチレン多孔膜を用い、そして、これに無機フィラーを併用して、本発明の非水系二次電池用セパレータを製造した。
具体的には、ポリメタフェニレンイソフタルアミドと平均粒子径0.8μmの水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−43M)からなる無機フィラーとが、重量比で2:98となるように調整し、これらをポリメタフェニレンイソフタルアミド濃度が2重量%となるように、ジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比50:50となっている混合溶媒に混合し、塗工用スラリーを得た。
一対のマイヤーバー(番手#6)を、18μmのクリアランスで対峙させた。マイヤーバーに、上記塗工用スラリーを適量のせ、一対のマイヤーバー間にポリエチレン微多孔膜を通して、ポリエチレン微多孔膜の両面に塗工用スラリーを塗工した。そして、塗工されたものを、重量比で水:DMAc:TPG=50:25:25で40℃となっている凝固液中に浸漬した。次いで水洗・乾燥を行い、ポリエチレン微多孔膜の両面(表裏面)にポリメタフェニレンイソフタルアミドおよび無機フィラーからなる耐熱性多孔質層を形成し、非水系二次電池用セパレータを得た。
得られた非水系二次電池用セパレータの物性を分析したところ、耐熱性多孔質層の塗工量2.5g/m、空孔率が72%、ガーレ値が410sec/100cc、膜抵抗が3.714ohm・cm、セパレータ全体の平均膜厚が10.7μmであった。得られたセパレータの平衡水分量は0.01g/mであった。耐熱性多孔質層の欠落は観察されず良好に定着していることが確認された。
そして、このセパレータに対して、55℃で10時間乾燥することで、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.005g/mであった。なお、この実施例1に関する各種物性および電池特性の測定結果については表1に示した。また、以下の実施例および比較例についても、同様に表1にまとめて示した。
[実施例2]
ポリメタフェニレンイソフタルアミドと無機フィラーの重量比が37:63であること、スラリー中のポリメタフェニレンイソフタルアミド濃度が5重量%であること、およびマイヤーバーのクリアランスが20μmであること以外は実施例1と同様にして、非水系二次電池用セパレータを作製した。
得られた非水系二次電池用セパレータの物性を分析したところ、耐熱性多孔質層の塗工量4.2g/m、空孔率が65%、ガーレ値が430sec/100cc、膜抵抗が3.211ohm・cm、セパレータ全体の平均膜厚が13.4μmであった。得られたセパレータの平衡水分量は0.08g/mであった。耐熱性多孔質層の欠落は観察されず良好に定着していることが確認された。そして、このセパレータに対して、50℃で5時間乾燥を行うことで、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.05g/mであった。
[実施例3]
ポリメタフェニレンイソフタルアミドと無機フィラーの重量比が98:2であること、スラリー中のポリメタフェニレンイソフタルアミド濃度が8重量%であること、およびマイヤーバーのクリアランスが22μmであること以外は実施例1と同様にして、非水系二次電池用セパレータを作製した。
得られた非水系二次電池用セパレータの物性を分析したところ、耐熱性多孔質層の塗工量9.8g/m、空孔率が52%、ガーレ値が465sec/100cc、膜抵抗が4.298ohm・cm、セパレータ全体の平均膜厚が22.0μmであった。得られたセパレータの平衡水分量は0.43g/mであった。耐熱性多孔質層の欠落は観察されず良好に定着していることが確認された。そして、このセパレータに対して、50℃で48時間乾燥を行うことで、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.005g/mであった。
[実施例4]
実施例3で得た乾燥前のセパレータを50℃で5時間乾燥することで、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.1g/mであった。
参考例1
実施例1で得た乾燥前のセパレータを30℃で5時間乾燥することで、非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.02g/mであった。
[比較例1]
実施例1で得た乾燥前のセパレータを55℃で48時間乾燥することで、比較例1の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.001g/mであった。
[比較例2]
実施例1で得た乾燥前のセパレータを25℃で5時間乾燥することで、比較例2の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.2g/mであった。
[比較例3]
ポリメタフェニレンイソフタルアミドと無機フィラーの重量比が97:3であること、スラリー中のポリメタフェニレンイソフタルアミド濃度が8重量%であること、およびマイヤーバーのクリアランスが30μmであること以外は実施例1と同様にして、非水系二次電池用セパレータを作製した。
得られた非水系二次電池用セパレータの物性を分析したところ、耐熱性多孔質層の塗工量13g/m、空孔率が50%、ガーレ値が480sec/100cc、膜抵抗が5.441ohm・cm、セパレータ全体の平均膜厚が26μmであった。得られたセパレータの平衡水分量は0.57g/mであった。耐熱性多孔質層の欠落は観察されず良好に定着していることが確認された。そして、このセパレータに対して、30℃で5時間乾燥を行うことで、比較例3の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータに含まれる水分量は0.5g/mであった。
なお、比較例3のセパレータにおいては、サイクル特性の測定途中で電池膨れが生じたため、測定不可であった。
Figure 0005356878
本発明は非水系二次電池の安全性および電池特性を向上させる技術として有効に活用できる。

Claims (8)

  1. ポリオレフィン微多孔膜の片面または両面に、耐熱性樹脂を含む耐熱性多孔質層が被覆された非水系二次電池用セパレータであって、
    該セパレータは、温度20℃、相対湿度40%における平衡含水量が0.01〜0.5g/mであり、かつ、乾燥処理を行った状態で水分を0.005〜0.1g/m含んでおり、
    前記セパレータの水分量が平衡含水量よりも小さいことを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
  2. 前記耐熱性多孔質層の目付けが2〜10g/mであることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池用セパレータ。
  3. 前記耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドから成る群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  4. 前記耐熱性樹脂が、ポリメタフェニレンイソフタルアミドであることを特徴とする請求項3に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  5. 前記耐熱性多孔質層が無機フィラーを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
  6. 前記無機フィラーが金属水酸化物および金属酸化物のうち少なくとも一種からなることを特徴とする請求項5に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  7. 前記無機フィラーが水酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項6に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  8. 前記無機フィラーの含有量が前記耐熱性樹脂の体積に対し0.4〜4倍であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
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