JP2010092718A - 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主として熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜の片面又は両面が、主として耐熱性樹脂にて形成された耐熱性多孔質層で被覆されている非水系二次電池用セパレータにおいて、該耐熱性多孔質層に、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の微粒子が重量分率で0.1〜5重量%含まれている非水系二次電池用セパレータ。得られたセパレータは、耐熱性、シャットダウン機能に加えて、優れた耐摩耗性を有する。
【選択図】なし
Description
(1)主として熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜の片面又は両面が、主として耐熱性樹脂にて形成された耐熱性多孔質層で被覆されている非水系二次電池用セパレータにおいて、該耐熱性多孔質層に、フッ素系樹脂の微粒子が重量分率で0.1〜5重量%含まれていることを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
(2)前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニリデンフルオライド及びポリビニルフルオライドからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする上記(1)記載の非水系二次電池用セパレータ。
(3)前記フッ素系樹脂の微粒子の平均粒径が、0.01〜1μmの範囲にあることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の非水系二次電池用セパレータ。
(4)前記耐熱性多孔質層に、重量分率で50重量%以上95重量%以下の無機フィラーが含まれていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
(5)前記無機フィラーが、金属水酸化物であることを特徴とする上記(4)記載の非水系二次電池用セパレータ。
(6)前記耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
(7)前記芳香族ポリアミドが、メタ型全芳香族ポリアミドであることを特徴とする上記(6)記載の非水系二次電池用セパレータ。
(8)前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンを主体とする熱可塑性樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
(9)前記非水系二次電池用セパレータが、リチウムイオン二次電池用セパレータであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
(10)リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池において、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータを用いることを特徴とする非水系二次電池。
本発明は、主として熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜の片面又は両面が、主として耐熱性樹脂にて形成された耐熱性多孔質層で被覆されている非水系二次電池用セパレータにおいて、該耐熱性多孔質層に、フッ素系樹脂の微粒子が重量分率で0.1〜5重量%含まれている非水系二次電池用セパレータである。
本発明の非水系二次電池用セパレータの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(i)〜(iv)の工程を経て製造することが可能である。即ち、(i)主として耐熱性樹脂の水溶性有機溶剤溶液に、フッ素系樹脂の微粒子と無機フィラーを分散させ、塗工用スラリーを作製する工程と、(ii)得られた塗工用スラリーを、主としてポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜の片面又は両面に塗工する工程と、(iii)塗工された前記微多孔膜を、水又は水と前記有機溶剤の混合液からなる凝固液中に浸漬して耐熱性樹脂を凝固させる工程と、(iv)この凝固工程後の前記微多孔膜を、水洗し乾燥する工程と、を実施することからなる製造方法である。
非水系二次電池用セパレータが、前記のようなポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を主として形成された微多孔膜と、その片面又は両面に積層された前記のような耐熱性樹脂を主として形成された耐熱性多孔質層とからなるものである限り、本発明の非水系二次電池用セパレータは、公知のいかなる構成の非水系二次電池にも適用することができ、安全性と耐熱性多孔質層の耐磨耗性に優れた電池が得られる。
レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定を行った。分散媒としては水を用い、分散剤として非イオン性界面活性剤「Triton X−100」を微量用いた。体積粒度分布における中心粒子径(D50)を平均粒子径とした。
接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて20点測定し、これを平均することで求めた。ここで接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状のものを用い、接触端子に1.2kg/cm2の荷重が印加されるような条件で測定した。
透気度(秒/100cc)はJIS・P8117に従い測定した。
構成材料がa、b、c…、nからなり、構成材料の重量がWa、Wb、Wc…、Wn(g・cm2)であり、それぞれの真密度がda、db、dc…、dn(g/cm3)で、着目する層の膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
より求めた。
まず、セパレータをΦ19mmに打ち抜き、非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)の3重量%メタノール溶液中に浸漬して風乾する。そしてセパレータに電解液を含浸させSUS板(Φ15.5mm)に挟んだ。ここで電解液は1M LiBF4 プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(1/1重量比)を用いた。これを2032型コインセルに封入した。コインセルからリード線をとり、熱電対を付けてオーブンの中に入れた。昇温速度1.6℃/分で昇温させ、同時に振幅10mV、1kHzの周波数の交流を印加することでセルの抵抗を測定し、抵抗値が上昇することでシャットダウン機能の有無を○×で評価した。各種の性能はまとめて表1に示した。
乾燥ガーゼをセットした学研式摩耗試験機(テスター産業社製)を使用し、サンプルフィルムの塗膜面上を、100gの荷重を与えながら5往復ラビング処理し、塗膜表面の損傷状態を目視にて判定する。処理前後においてその表面がほとんど変化のないものを○、塗膜にやや損傷が認められるものを△、明らかに塗膜が脱落しているものを×とする(特開平9−104089号公報及び特開平9−176351号公報参照)
ポリエチレンパウダーとしてTicona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を1:9(重量比)となるようにして、ポリエチレン濃度が30重量%となるように流動パラフィンとデカリンの混合溶媒中に溶解させ、ポリエチレン溶液を作製した。該ポリエチレン溶液の組成はポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(重量比)である。このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却して、60℃で8分、95℃で15分乾燥し、ゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。該ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理することでポリエチレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多孔膜の物性は、膜厚12.0μm、空孔率36%、透気度301秒/100ccであった。
得られたセパレータの膜厚は20.1μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は71%、透気度314秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、耐摩耗性は○であった。
フッ素系樹脂の微粒子をポリヘキサフルオロプロピレン(平均粒子径150nm)に変更した以外は、実施例1と同様に本発明の非水系二次電池用セパレータを作製した。得られたセパレータの膜厚は19.8μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は68%、透気度335秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、耐摩耗性は○であった。
ポリエチレン微多孔膜としては、実施例1と同様のものを用いた。メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)とポリテトラフルオロエチレン(平均粒子径210nm)が重量比で98:2となるように調整し、これらをメタ型全芳香族ポリアミド濃度が6.0重量%となるようにジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比60:40となっている混合溶媒に混合し塗工用ドープを得た。
塗工用スラリーの組成として、ポリテトラフルオロエチレンを用いないで、メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)と水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−43M)が重量比で20:80となるようにした以外は、実施例1と同様に非水系二次電池用セパレータを作製した。得られたセパレータの膜厚は20.0μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は70%、透気度310秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、耐摩耗性は△であった。
塗工用スラリーの組成として、ポリテトラフルオロエチレンを用いないで、メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)をメタ型全芳香族ポリアミド濃度が6.0重量%となるようにジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比60:40となっている混合溶媒に混合し塗工用ドープを得た。それ以外は、実施例3と同様にして非水系二次電池用セパレータを得た。得られたセパレータの膜厚は20.0μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は75%、透気度380秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、耐摩耗性は△であった。
Claims (10)
- 主として熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜の片面又は両面が、主として耐熱性樹脂にて形成された耐熱性多孔質層で被覆されている非水系二次電池用セパレータにおいて、該耐熱性多孔質層に、フッ素系樹脂の微粒子が重量分率で0.1〜5重量%含まれていることを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
- 前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニリデンフルオライド及びポリビニルフルオライドからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記フッ素系樹脂の微粒子の平均粒径が、0.01〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性多孔質層に、重量分率で50重量%以上95重量%以下の無機フィラーが含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記無機フィラーが、金属水酸化物であることを特徴とする請求項4記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記芳香族ポリアミドが、メタ型全芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項6記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンを主体とする熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の非水系二次電池用セパレータ。
- 前記非水系二次電池用セパレータが、リチウムイオン二次電池用セパレータであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の非水系二次電池用セパレータ。
- リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池において、請求項1〜9のいずれか1項記載の非水系二次電池用セパレータを用いることを特徴とする非水系二次電池。
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