JP2013196839A - 非水系二次電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な透気性と熱収縮率を兼ね備えた非水系二次電池用セパレータを提供する。
【解決手段】本発明に係る非水系二次電池用セパレータは、耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜からなるセパレータにおいて、耐熱樹脂多孔層とポリオレフィン多孔膜の両方に少なくとも各樹脂粒子の一部分が含まれる樹脂粒子を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る非水系二次電池用セパレータは、耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜からなるセパレータにおいて、耐熱樹脂多孔層とポリオレフィン多孔膜の両方に少なくとも各樹脂粒子の一部分が含まれる樹脂粒子を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水系二次電池用セパレータに関わるものである。
正極にコバルト酸リチウムに代表されるリチウム含有遷移金属酸化物、負極にリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料を用いた非水系二次電池を代表とするリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度を有するという特徴から携帯電話に代表される携帯電子機器の電源として重要なものであり、これら携帯電子機器の急速な普及に伴いその需要は高まる一方である。
また、ハイブリッド自動車など、環境対応を意識した自動車が数多く開発されているが、搭載される電源の一つとして、高エネルギー密度を有する非水系二次電池が大きく注目されている。
非水系二次電池の多くは、正極、電解液を含むセパレータ、負極の積層体から構成されている。セパレータは、主たる機能として正極と負極の短絡防止を担っているが、要求特性として、リチウムイオンの移動度、強度、耐久性などがある。
現在、非水系二次電池セパレータ用途に適するフィルムとして各種のポリオレフィン多孔膜が数多く提案されている。ポリオレフィン多孔膜中でもポリエチレン多孔膜は、上述にある要求特性を満たし、かつ高温時の安全機能として、高温による孔の閉塞から電流を遮断する事による熱暴走防止機能、いわゆるシャットダウン機能を有している事もあり、非水系二次電池のセパレータとして幅広く使用されている。
しかしながら、温度上昇により多孔膜の孔が閉塞されて電流が一旦遮断されても、電池温度が多孔膜を構成するポリエチレンの融点を超えて、ポリエチレンの耐熱性の限界を超えると、多孔膜自体が溶融してシャットダウン機能が失われる。その結果、電極間の短絡をきっかけとして電池の熱暴走がおこり、非水系二次電池を組み込んだ装置の破損、破壊による事故発生などを招くおそれがある。このため、さらなる安全性確保のために、高温時でもシャットダウン機能を維持できるセパレータが求められている。
そこで、ポリオレフィン多孔膜の上に耐熱樹脂多孔層を積層することで、耐熱性を高める検討もなされており、特許文献1のような耐熱樹脂多孔層の表面であって該シャットダウン層の配置されていない側の表面に、点状、線状、網目状、または多孔質フィルム状のスペーサーを有するセパレータを設置することで耐熱樹脂多孔層が充電と放電に伴って電気化学的に酸化される問題についての検討がなされている。
しかしながら、上記特許文献1は、透気性や熱収縮率の改善を目的としたものではなく、これらに起因する放電容量や安全性などの電池性能の向上は困難である。特に透気度は、耐熱多孔層を塗工することにより積層する際に、ポリオレフィン多孔膜内が耐熱樹脂により目詰まりが発生し、透気度が低下する。また、ポリオレフィン多孔膜内への目詰まりを避けるために粘性の高い樹脂塗料を用いると、染み込み不足からなる塗工時の剥がれ等を生じやすくなるため、耐熱セパレータ全般における大きな課題となっている。
本発明は、上記従来の有する課題に鑑みてなされたものであり、良好な透気性と熱収縮率を兼ね備えた非水系二次電池用セパレータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る非水系二次電池用セパレータは、耐熱樹脂多孔層とポリオレフィン多孔膜の両方に少なくとも各樹脂粒子の一部分が含まれる樹脂粒子を有する。
上記本発明に係る非水系二次電池用セパレータは、良好な透気性と熱収縮率を兼ね備えることができる。
本発明に係る非水系二次電池用セパレータに用いられる樹脂粒子がポリアミドイミド、ポリアミドから選択される少なくとも一つからなる。
これにより、より良好な透気性と熱収縮率を兼ね備えることができる。
本発明に係る非水系二次電池用セパレータに用いられる樹脂粒子と耐熱樹脂多孔層が同物質である。
これにより、より良好な透気性と熱収縮率を兼ね備えることができる。
本発明では、透気性と熱収縮率を向上させた非水系二次電池用セパレータを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
本実施形態の非水系二次電池用セパレータは、耐熱樹脂多孔層とポリオレフィン多孔膜の両方に少なくとも各樹脂粒子の一部分が含まれる樹脂粒子を有する。以下では、場合により、樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜と記す。
1.ポリオレフィン多孔膜
本実施形態の複合膜の基材として用いられるポリオレフィン多孔膜は、特に限定されるものではなく、公知のものならば、いかなる材質の、いかなる製法によるものであってもよい。
本実施形態の複合膜の基材として用いられるポリオレフィン多孔膜は、特に限定されるものではなく、公知のものならば、いかなる材質の、いかなる製法によるものであってもよい。
ポリオレフィン多孔膜に使用されるポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体または共重合体が挙げられる。その際、これらの単独重合体または共重合体は、単独で使用することができるが、2種以上のものを配合して用いてもよい。
本実施形態に用いるポリオレフィン多孔膜としては、通常、空孔率が30〜95%、膜厚25μmでの透気度が2000秒/100cc以下、好ましくは800秒/100cc以下、平均貫通孔径が0.005〜1μm、引張破断強度が80MPa以上、好ましくは100MPa以上、突刺強度が3000mN以上、好ましくは5500mN以上の機械物性を有する多孔膜が望ましい。
なお、ポリオレフィン多孔膜の厚さは、適宜選択されるが、通常、0.1〜50μm、好ましくは1〜25μm程度である。厚さが0.1μm未満では、膜の機械的強度不足から実用に供することが難しく、50μmを超えると、実効抵抗が大きくなり過ぎて好ましくない。
2.樹脂粒子
本実施形態の樹脂粒子の種類は、電解液に溶解しにくい樹脂であれば特に限定されないが、耐熱性を考慮するとポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、及びポリフェニレンスルフィドなどが挙げられ、ポリアミドイミド、ポリアミドが好ましい。
本実施形態の樹脂粒子の種類は、電解液に溶解しにくい樹脂であれば特に限定されないが、耐熱性を考慮するとポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、及びポリフェニレンスルフィドなどが挙げられ、ポリアミドイミド、ポリアミドが好ましい。
本発明の樹脂粒子は、ポリオレフィン多孔膜に十分に密着していることが必要である。少なくとも各樹脂粒子の一部分がポリオレフィン多孔膜に含まれ、そのアンカー効果により、強い密着を保つことで、樹脂粒子以外の部分は強い接着を有さない状態においても、膜全体としての密着性が増すことが可能となる。よって、従来塗工時に剥がれを生じてしまう比較的高粘度の樹脂塗料であっても、ポリオレフィン膜と樹脂粒子はアンカー効果による密着性、耐熱層と樹脂粒子は、構造の近い有機分子による高い密着性により、全体が高い密着を保つことが可能となり、ポリオレフィン多孔膜の孔内への耐熱樹脂の目詰まりを大幅に減らすことができ、耐熱樹脂多孔層を有した膜において透気度を改善することができる。
樹脂粒子の密着性は、耐熱樹脂多孔層を積層したポリオレフィン膜から耐熱樹脂多孔層をセロハンテープで3回剥がした時にポリオレフィン側に残った樹脂部分の面積で規定する。耐熱樹脂多孔層は、ポリオレフィン膜の片面のみに形成してもよいし、両面に形成しても良い。形成方法としては、有機溶媒中に粒子状、ゲル状、フィルム状、柱状、針状の樹脂を分散させ、これを塗布し、乾燥することで有機溶媒を消失させて、さらに樹脂に熱をかけて一部溶解させたり、樹脂を溶解させる溶媒をスプレー処理等で部分溶解させて、分散した樹脂をポリオレフィン多孔膜中に染み込ませた後に乾燥することで得る方法がある。さらに、以下に述べる耐熱樹脂多孔層を形成する際の耐熱樹脂含有溶媒中に粒子状、ゲル状、フィルム状の樹脂を分散させることにより、耐熱樹脂多孔層と樹脂粒子を同時に形成することも可能である。この時、粒子状、ゲル状、フィルム状、柱状、針状の樹脂は分散させる有機溶剤に比較的溶解しやすいものが好ましい。これにより、高熱をかけずにポリオレフィン膜に密着した樹脂粒子が形成できるためである。
また、本実施形態の樹脂粒子は、耐熱樹脂多孔層と同一の樹脂で形成されるか、別の樹脂で形成しても良い。耐熱樹脂多孔層と樹脂粒子の密着性による熱収縮率の改善を考慮すると、同一の樹脂が好ましい。これにより、樹脂粒子がより強固に形成され、結果として熱収縮率を向上させることが可能となるためである。
本実施形態のポリオレフィンに密着された樹脂粒子の大きさは、作製方法により形状が様々であるため一概には言えないが、一般には耐熱樹脂多孔層の膜厚と同等以下が好ましい。電池を作製する際に、膜厚にムラが生じると製造が困難になるためである。ただし、樹脂粒子が例えばゲル状のように伸縮可能なものや、電池性能に支障がない程度の大きさであればこの限りではなく、樹脂粒子が耐熱樹脂多孔層の表面に突出してもよい。また、熱収縮率を改善する目的から、ポリオレフィンに密着している面の耐熱樹脂の面積で、効果を規定することが可能である。従って、耐熱樹脂層をセロハンテープで3回剥がした時にポリオレフィン側に残った樹脂部分の面積をポリオレフィンと樹脂粒子の密着した面積とした時、縦1mm×横1mmの1mm2の正方形に対して樹脂密着部分の面積率が通常0.01〜10%、好ましくは0.2〜5%、より好ましくは1〜3%である。これ以上樹脂粒子の面積が大きいと透気度が低下し、小さすぎると熱収縮率の改善がみられないためである。また、これらの樹脂は赤外線吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴装置(NMR)等で同定することが可能である。
3.耐熱樹脂多孔層
3−1.耐熱樹脂
本実施形態の複合膜の多孔質体を構成する樹脂は、例えば、本発明の複合膜をリチウム電池等の電池用セパレータに利用する場合は、電解液に対して親和性を有すると同時に電解液や電池反応に対しても安定である必要があって、ポリオレフィン多孔膜の透過抵抗に比べて低い透過抵抗であり、十分な耐熱性をもたせる必要がある。
3−1.耐熱樹脂
本実施形態の複合膜の多孔質体を構成する樹脂は、例えば、本発明の複合膜をリチウム電池等の電池用セパレータに利用する場合は、電解液に対して親和性を有すると同時に電解液や電池反応に対しても安定である必要があって、ポリオレフィン多孔膜の透過抵抗に比べて低い透過抵抗であり、十分な耐熱性をもたせる必要がある。
このような要求に応えるものとして、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、及びポリフェニレンスルフィドなどを例示できるが、耐熱性と溶媒への溶解性との両方を満足するものとなるとポリアミドイミドが好適である。
3−2.多孔化方法
ポリオレフィン多孔膜の少なくとも片方の表面に、上記耐熱樹脂の多孔質層を形成させる方法としては、分離膜の製法に一般的に用いられる製法である相分離法の他に、抽出法、延伸法、荷電粒子照射法などの利用が考えられるが、その形成過程でポリオレフィン多孔膜に損傷を与えたり、その形成によりポリオレフィン多孔膜の特性を阻害したりすることは好ましくない。
そこで、ポリオレフィンの融点を越えるような温度に晒すことなく、化学劣化や放射線劣化を伴わない、ポリオレフィン多孔膜の機械的特性や物質透過特性を損なわない方法として、例えば、以下に示すような樹脂物質の相分離による多孔化方法が利用できる。
ポリオレフィン多孔膜の少なくとも片方の表面に、上記耐熱樹脂の多孔質層を形成させる方法としては、分離膜の製法に一般的に用いられる製法である相分離法の他に、抽出法、延伸法、荷電粒子照射法などの利用が考えられるが、その形成過程でポリオレフィン多孔膜に損傷を与えたり、その形成によりポリオレフィン多孔膜の特性を阻害したりすることは好ましくない。
そこで、ポリオレフィンの融点を越えるような温度に晒すことなく、化学劣化や放射線劣化を伴わない、ポリオレフィン多孔膜の機械的特性や物質透過特性を損なわない方法として、例えば、以下に示すような樹脂物質の相分離による多孔化方法が利用できる。
すなわち、ポリオレフィン多孔膜の少なくとも片方の表面へ良溶媒に溶解した樹脂を塗布し、貧溶媒を含む凝固液に接触させることにより相分離した後、乾燥することにより多孔性樹脂で少なくとも表面を被覆された多層多孔膜を製造する方法である。
その際、樹脂の塗布は、通常、慣用の流延または塗布方法、例えば、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーターなどにより行われる。
その際、樹脂の塗布は、通常、慣用の流延または塗布方法、例えば、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーターなどにより行われる。
上記塗布液の溶媒は、次に示すように、耐熱樹脂の性状に応じ適宜選択される。
例えば、耐熱樹脂がポリアミドイミドである場合、良溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DAMc)、N−2−メチルピロリドン(NMP)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。水分が存在する場合は、加熱・脱水したモレキュラーシーブで処理することで、これを除去しておくことが好ましい。
例えば、耐熱樹脂がポリアミドイミドである場合、良溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DAMc)、N−2−メチルピロリドン(NMP)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。水分が存在する場合は、加熱・脱水したモレキュラーシーブで処理することで、これを除去しておくことが好ましい。
上記塗膜液の耐熱樹脂の濃度としては製膜上好適な粘度であればよく特に限定されるものではないが、概ね1〜20重量%の範囲が好適である。
本発明の非水系二次電池用セパレータにおいて、耐熱樹脂からなる多孔質層の孔構造を適切なものとするためには、塗膜液に相分離剤を混合する方が好ましい。相分離剤の濃度としては5〜50重量%が好適である。
相分離剤としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、該有機溶媒に可溶であり該耐熱樹脂に対して貧溶媒となるものであれば用いることが可能である。
貧溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、水等が挙げられ、好ましいのはアルコール類、水である。
凝固液は、良溶媒と貧溶媒の混合液からなる。貧溶媒の割合は30〜80重量%が好適である。また、塗膜液に相分離剤を用いた場合は、塗膜液中での良溶媒と相分離剤の量比と同等になるように凝固液にも相分離剤を加えることがプロセス上好ましい。
次に耐熱樹脂のポリアミドイミドを例にとって、塗布層を相分離することによる多孔化方法の概要を説明する。
前記のとおり、塗布後の塗膜は、貧溶媒を含む凝固液を用いる方法によって溶液から耐熱樹脂を相分離させるが、凝固液として例えば水とN−2−メチルピロリドンの混合液などを用い、これを塗膜と接触させる方法である。このとき、塗膜を凝固液と接触させる前に加湿させることで表面の開孔率を大きくすることが出来る。加湿してから凝固液に浸漬させることで、耐熱樹脂溶液が十分に相分離してから脱溶媒が進行し、表層構造が緻密になりにくくなる。加湿は相対湿度60〜100%で行うことが好ましい。相分離した塗膜は引き続いて水洗した後、乾燥させて多孔化工程を完結させる。
本発明において、耐熱多孔質層には無機粒子が含まれていてもよい。
無機粒子としては、特に限定はないが、具体的には、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックスや窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス、ガラス繊維等のセラミックスなどが挙げられるが、電気化学的な安定性の観点から、酸化物系セラミックスを用いることが好ましく、これらを単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。このような無機粒子は、不純物の溶出や耐久性の観点から結晶性の高いものが好ましい。
無機粒子としては、特に限定はないが、具体的には、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックスや窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス、ガラス繊維等のセラミックスなどが挙げられるが、電気化学的な安定性の観点から、酸化物系セラミックスを用いることが好ましく、これらを単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。このような無機粒子は、不純物の溶出や耐久性の観点から結晶性の高いものが好ましい。
好ましい無機粒子としては、アルミナやジルコニア、シリカ、マグネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム、ドーソナイト、硼酸亜鉛等が挙げられ、さらには難燃性の無機粒子としては金属窒化物、金属炭化物、金属炭酸塩などを単独若しくは2種以上を適宜混合して用いることもできる。コストと汎用性を考えると、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアがより好ましい。
本実施形態において、無機粒子の平均粒子径は0.1〜2μmの範囲が好ましい。無機粒子の平均粒子径が2μmを超えると、耐熱多孔層の高温時の耐短絡性が低下するため好ましくない。
また、無機粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、膜が緻密になることで透気度が低下する懸念があるために好ましくない。
また、無機粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、膜が緻密になることで透気度が低下する懸念があるために好ましくない。
本実施形態において、耐熱多孔質層における無機粒子の含有量は30〜95重量%であることが好ましい。無機粒子の含有量が30重量%未満であると、無機粒子による耐熱性向上の効果が十分に得られない場合があるため好ましくない。
また、無機粒子の含有量が95重量%を超えると、耐熱多孔質層が緻密化されすぎてイオン透過性の低下や、耐熱多孔層が脆くなってハンドリング性が低下する場合があるため好ましくない。
また、無機粒子の含有量が95重量%を超えると、耐熱多孔質層が緻密化されすぎてイオン透過性の低下や、耐熱多孔層が脆くなってハンドリング性が低下する場合があるため好ましくない。
なお、耐熱樹脂多孔層中の無機粒子は、耐熱樹脂に捕捉された状態で存在しており、耐熱樹脂多孔層が不織布等の場合は構成繊維中に存在するか、樹脂などのバインダーにより不織布表面等に固定されていればよい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[測定方法]
本実施例および比較例における各値は、以下の方法に従って求めた。
[測定方法]
本実施例および比較例における各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)透気度評価:
100×100mmの試験片を採取し、JISL8117に準拠して、透気度を測定した。
100×100mmの試験片を採取し、JISL8117に準拠して、透気度を測定した。
(2) 熱収縮率:
2.5cm×7.5cmにカットした試験片を、袋状(5cm×9cm)にした紙の中に入れ、口をクリップで閉じ、各試験温度(100℃、140℃、180℃)に加熱し、10分間保持した。加熱後の試験片を回収し、セパレータを広げた状態にした後、下記式(1)により熱収縮率(面積%)を算出した。
{(加熱前の試験片面積−加熱後の試験片面積)/加熱前の試験片面積}×100 (1)
2.5cm×7.5cmにカットした試験片を、袋状(5cm×9cm)にした紙の中に入れ、口をクリップで閉じ、各試験温度(100℃、140℃、180℃)に加熱し、10分間保持した。加熱後の試験片を回収し、セパレータを広げた状態にした後、下記式(1)により熱収縮率(面積%)を算出した。
{(加熱前の試験片面積−加熱後の試験片面積)/加熱前の試験片面積}×100 (1)
(3)粒子密着面積率:
耐熱樹脂多孔層を積層したセパレータを形成後に、耐熱樹脂多孔層をセロハンテープで3回剥がし、ポリオレフィン側に残った1μm2以上の樹脂部分の面積を樹脂粒子の密着した面積とした。縦1mm×横1mmの1mm2の正方形に対して樹脂密着部分の面積率を電子顕微鏡の観察結果をもとに1mm2当たりの粒子密着面積率(面積%)を算出した。これを3回行い、その平均値を実施例における粒子密着面積率(面積%)とした。
耐熱樹脂多孔層を積層したセパレータを形成後に、耐熱樹脂多孔層をセロハンテープで3回剥がし、ポリオレフィン側に残った1μm2以上の樹脂部分の面積を樹脂粒子の密着した面積とした。縦1mm×横1mmの1mm2の正方形に対して樹脂密着部分の面積率を電子顕微鏡の観察結果をもとに1mm2当たりの粒子密着面積率(面積%)を算出した。これを3回行い、その平均値を実施例における粒子密着面積率(面積%)とした。
(4)放電容量率:
次に耐熱樹脂多孔層を積層したセパレータとして作製できた実施例1〜14及び比較例1〜4において、電池セルを作製し、放電容量を測定した。正極活物質としてコバルト酸リチウムを主成分としたペーストを20μmの厚さのアルミニウム箔に塗工し乾燥したものを、φ16mmに打ち抜き正極材として使用した。負極活物質としてメソカーボンマイクロビーズを主成分とするペーストを18μmの厚さの銅箔に塗工し乾燥したものを正極と同じサイズに打ち抜き負極として使用した。
次に耐熱樹脂多孔層を積層したセパレータとして作製できた実施例1〜14及び比較例1〜4において、電池セルを作製し、放電容量を測定した。正極活物質としてコバルト酸リチウムを主成分としたペーストを20μmの厚さのアルミニウム箔に塗工し乾燥したものを、φ16mmに打ち抜き正極材として使用した。負極活物質としてメソカーボンマイクロビーズを主成分とするペーストを18μmの厚さの銅箔に塗工し乾燥したものを正極と同じサイズに打ち抜き負極として使用した。
表1に記載する各セパレータをφ20mmに打ち抜き、本電池用のセパレータとし、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1/1で混ぜたものを1Lに対して、支持塩としてLiBF4を1モル溶解させたものを電解液として使用し、セパレータに染み込ませた。以上の材料で、充放電試験用二極セルを組み、充電を行い、各セルの放電容量率を測定した。放電容量率〔%〕とは、20℃の温度下で0.02C放電をカットオフ電圧2.5Vで行なったときの放電容量を100%として、2Cで放電させた時との比較を放電容量率として表した。
[実施例1〜6]
市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、予め同ポリアミドイミド溶液の溶媒を除去することで得た粒子状のポリアミドイミドを添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚18μm、透気度200秒/100cc)上に、4μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、耐熱樹脂多孔層として多孔質ポリアミドイミドが積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。
市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、予め同ポリアミドイミド溶液の溶媒を除去することで得た粒子状のポリアミドイミドを添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚18μm、透気度200秒/100cc)上に、4μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、耐熱樹脂多孔層として多孔質ポリアミドイミドが積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。
平均粒子面積は、粒子状ポリアミドイミドの添加を振ることで調整し、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。本実施形態により得られた樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜の電子顕微鏡画像を図1に示す。図中、Aは樹脂粒子に相当し、Bはポリオレフィン多孔膜に相当する。
[実施例7〜12]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、予め同ポリアミドイミド溶液の溶媒を除去することで得た粒子状のポリアミドイミドをポリアミドイミド溶液に添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、多孔質ポリアミドイミドが積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。平均粒子面積は、粒子状ポリアミドイミドの添加を振ることで調整し、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、予め同ポリアミドイミド溶液の溶媒を除去することで得た粒子状のポリアミドイミドをポリアミドイミド溶液に添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、多孔質ポリアミドイミドが積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。平均粒子面積は、粒子状ポリアミドイミドの添加を振ることで調整し、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。
[実施例13]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、市販されているポリアミド樹脂をポリアミドイミド溶液に添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、表1の実施例13に記した組成で積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。平均粒子面積は、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、市販されているポリアミド樹脂をポリアミドイミド溶液に添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、表1の実施例13に記した組成で積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。平均粒子面積は、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。
[実施例14]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、市販されているポリアミド樹脂をポリアミドイミド溶液に添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリプロピレン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、表1の実施例14に記した組成で積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。平均粒子面積は、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)に、市販されているポリアミド樹脂をポリアミドイミド溶液に添加し、21℃において3分間撹拌させた。これを市販されているポリプロピレン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、表1の実施例14に記した組成で積層された樹脂粒子密着型ポリオレフィン多孔膜を得た。平均粒子面積は、上記に記した粒子密着面積率の計算により得られた値を表1に記した。
[比較例1]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚18μm、透気度200秒/100cc)上に、4μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、多孔質ポリアミドイミドが積層されたポリオレフィン多孔膜を形成させようとしたが、凝固浴中および水浴の工程で多孔質ポリアミドイミドが剥がれおち、ポリオレフィン多孔膜のみを得る結果となった。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚18μm、透気度200秒/100cc)上に、4μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、多孔質ポリアミドイミドが積層されたポリオレフィン多孔膜を形成させようとしたが、凝固浴中および水浴の工程で多孔質ポリアミドイミドが剥がれおち、ポリオレフィン多孔膜のみを得る結果となった。
[比較例2]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚18μm、透気度200秒/100cc)上に、4μmの厚みで塗布し、60秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した以降は、比較例1と同様の方法で表1の比較例2に記した組成で積層された耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜を得た。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚18μm、透気度200秒/100cc)上に、4μmの厚みで塗布し、60秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した以降は、比較例1と同様の方法で表1の比較例2に記した組成で積層された耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜を得た。
[比較例3]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、ポリアミドイミドが積層されたポリオレフィン多孔膜を形成させようとしたが、凝固浴中および水浴の工程で多孔質ポリアミドイミドが剥がれおち、ポリオレフィン多孔膜のみを得る結果となった。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し、10秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した後、20℃の水浴に10分間浸漬させ、ポリアミドイミドが積層されたポリオレフィン多孔膜を形成させようとしたが、凝固浴中および水浴の工程で多孔質ポリアミドイミドが剥がれおち、ポリオレフィン多孔膜のみを得る結果となった。
[比較例4]
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し60秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した以降は、比較例3と同様の方法で表1の比較例4に記した組成で積層された耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜を得た。
まず、市販されているポリアミドイミド溶液(30w%、NMP―キシレン混合溶液)を、市販されているポリオレフィン多孔膜(膜厚16μm、透気度180秒/100cc)上に、2μmの厚みで塗布し60秒後に60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50(凝固浴)中に30秒浸漬した以降は、比較例3と同様の方法で表1の比較例4に記した組成で積層された耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜を得た。
以下、表1の透気度および熱収縮率について説明する。実施例1〜14は耐熱樹脂多孔層を塗布したにも関わらず、良好な透気度をもち、さらに良好な熱収縮率を有することが判明した。これと比較して比較例1、比較例3は、耐熱樹脂多孔層が膜剥がれてしまい、耐熱樹脂多孔層を作製することができなかった。したがって、ポリオレフィンのみの単層膜であるため、耐熱性が著しく低下する結果となった。比較例2、比較例4はポリオレフィン多孔膜と密着させるために耐熱樹脂層を塗布してから60秒放置させることでポリオレフィン多孔内に染み込ませた状態の耐熱樹脂多孔層を形成させて密着度を高めた結果、その目詰まりにより透気度が著しく低下した。
以下、表1の放電容量率について説明する。実施例1〜14は80%以上の放電容量率を持ち、セパレータが良好に機能していることが分かったのに対し、比較例2と比較例4はセパレータの透気度低下に伴う放電容量率の低下が起こり、実施例1〜14に比べて大幅に低い結果となった。また、比較例1と比較例3は耐熱樹脂の膜剥がれにより耐熱樹脂多孔層を持たなかったことから、耐熱セパレータとしての放電容量率の測定ができなかった。
本発明は、非水系二次電池用セパレータの特性向上の技術として有効に活用できる。
Claims (3)
- 耐熱樹脂多孔層を有するポリオレフィン多孔膜からなるセパレータにおいて、前記耐熱樹脂多孔層と前記ポリオレフィン多孔膜の両方に少なくとも各樹脂粒子の一部分が含まれる樹脂粒子を有することを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
- 上記樹脂粒子がポリアミドイミド、ポリアミドから選択される少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1に記載する非水系二次電池用セパレータ。
- 上記樹脂粒子と上記耐熱樹脂多孔層が同物質であることを特徴とする、請求項1〜2記載の非水系二次電池用セパレータ。
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