JP2010107986A - リソグラフィ用ペリクル - Google Patents

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Abstract

【課題】ペリクルフレームの表面にプラズマ電解酸化法による酸化被膜を形成することによって、硫酸、窒酸、塩素、有機酸などによる無機系ガスの放出量を画期的に減少させることができるリソグラフィ用ペリクルを提供する。
【解決手段】ペリクル膜と、前記ペリクル膜を支持するためのペリクルフレームとを含み、前記ペリクルフレームは、プラズマ電解酸化法によって酸化被膜が形成されたアルミニウム合金で製造されることを特徴とするリソグラフィ用ペリクルを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リソグラフィ用ペリクルに関するもので、より詳細には、ペリクルフレームにプラズマ電解酸化法を用いて酸化被膜を形成することによって、硫酸、窒酸、塩素、有機酸などによる無機系ガスの放出量を画期的に減少させることができるリソグラフィ用ペリクルに関するものである。
一般的に、リソグラフィ工程は、LSIやVLSIなどの半導体装置及びLCDパネルを含む多様な種類の精巧な電子装置の製造工程に含まれる一つの段階として、光を用いて回路などのパターンを基板上にパターニング化する技術である。
ここで、半導体及びLCDなどの製造時には、フォトマスクの表面を大気中の分子や他の形態の汚染から保護するために、ペリクルをフォトマスクの表面に付着してフォトマスクの汚染を防止している。
図1は、一般的なリソグラフィ用ペリクルの断面図である。
図1を参照すれば、ペリクル100は、フォトマスク300の表面に付着され、フォトマスク300の表面と一定の間隔だけ離隔してフォトマスク300の表面を覆うペリクル膜102と、ペリクル膜102を支持するようにフォトマスク300とペリクル膜102との間に配置されるペリクルフレーム104とを含んで構成される。
前記ペリクルフレーム104内には、ペリクルフレーム104を貫通するベントホール106が形成され、前記ベントホール106の外側にはフィルタ108が配置され、ベントホール106及びフィルタ108は、清浄な空気の流れを形成し、外部と内部の圧力差を除去する役割を行う。
また、前記ペリクルフレーム104の内壁には内面接着剤110が配置され、これにより、ペリクルフレーム104に付着されている異物質や空気中の浮遊物による汚染を防止している。
このように製造される前記ペリクルフレーム104には、ほとんどのアルミニウム合金が使用されるが、大慨の場合、KS A7075、A6061、A5052などの材質を有するアルミニウム合金を加工してペリクルフレームとして使用した。
ここで、前記ペリクルフレームは、半導体またはディスプレイ用パターンを形成するためのリソグラフィ過程で、金属アルミニウムによる汚染を防止するためにペリクルフレームの表面に20V〜200V内外の電圧で陽極酸化(アノダイジング)表面処理を行って使用した。
ここで、前記電圧では、ペリクルフレームの表面に付着された機械加工時の潤滑のための加工乳や指紋などによる汚染物質によって斑が生じたり、酸化被膜の形成が不可能になる不良が生じるので、主に苛性ソーダや窒酸などの強い化学薬品を使用する。また、従来の陽極酸化法では、充分な被膜厚さを得ることができず、適切な表面硬度を得ることができないので、硬質陽極酸化処理を行うべきであり、この場合、硫酸を含む電解液を使用することが必須である。
この過程で使用された硫酸をはじめとする各種の物質は、陽極酸化された表面層の気孔に存在してから、リソグラフィ時に無機系ガスとして放出され、リソグラフィ装置の内部で付随的に発生する炭化水素及びアンモニウムガスなどと光化学反応を起こし、硫酸アンモニウムに基づくヘイズ(Haze)と呼ばれる曇り現象や微小粒子発生による汚染現象を起こし、結果的に、リソグラフィの品質を低下させたり、不良を発生させている。
また、陽極酸化の場合、ペリクルフレームの表面が黒色を帯びることができず、栗色や灰色を帯びるので、表面に付着された不純物や埃などのパーティクルを確認することが難しい。そこで、埃などのパーティクルを確認するために、陽極酸化工程以後に黒色顔料などで着色する工程が追加されたが、このときに使用された無機系ガスは、陽極酸化被膜層に存在してから、リソグラフィ時に放出されるので、ヘイズや微小粒子の発生を避けることが難しい実情であった。
従来は、このような無機系ガス、特に、硫酸、窒酸、塩素、有機酸などのガスが大きな問題とならなかったが、最近になって、半導体の集積度が大きくなり、リソグラフィ工程上の条件がArF、KrF、Fレーザーなどの深紫外線(deep UV)光源領域にまで拡張されることによって、ペリクルでの無機系ガスの発生量を減少させるための努力が切実に要求されている。
特許文献1によれば、水に可溶であるイオンを低減し、アウトガスを抑制し、硫酸アンモニウムなどに基づくヘイズ発生を抑制したペリクルを提供するための方案としてポリマーを電着塗装する方案を提示しているが、ポリマーを電着塗装する場合は、表面硬度が低くいので、スクラッチなどによる不良発生があり得る。
大韓民国特許10−2007−0119485号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ペリクルフレームの表面にプラズマ電解酸化法による酸化被膜を形成することによって、硫酸、窒酸、塩素、有機酸などによる無機系ガスの放出量を画期的に減少させることができるリソグラフィ用ペリクルを提供することにある。
本発明の他の目的は、ペリクルフレームに濃い黒色を帯びる酸化被膜を形成することによって、顔料による着色工程を削除することができるリソグラフィ用ペリクルを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、無機系ガスの発生及びこれによるヘイズ発生を効果的に防止することができるリソグラフィ用ペリクルを提供することにある。
上記の目的は、本発明に係るリソグラフィ用ペリクルにおいて、ペリクル膜と、前記ペリクル膜を支持するためのペリクルフレームとを含み、前記ペリクルフレームは、プラズマ電解酸化法(PEO:Plasma Electrolytic Oxidation)によって酸化被膜が形成されたアルミニウム合金で製造されるリソグラフィ用ペリクルによって達成される。
ここで、前記酸化被膜は、300〜500Vの電圧で形成される。
また、前記酸化被膜は、2〜30μmの厚さで形成される。
ここで、前記酸化被膜を形成するための電解質溶液は、NaOH、KOH、NaSiO、NaAl、NaF−NaCOのうちいずれか一つを含むことができる。
また、前記電解質溶液は、前記NaOH、KOH、NaSiO、NaAl、NaF−NaCOのうちいずれか一つが前記電解質溶液の質量に対して0.01〜15%の濃度で含まれるアルカリ水溶液で製造される。
ここで、前記電解質溶液には、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ルテニウム(Lu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)のうちいずれか一つの元素金属塩または二つ以上の混合物が含まれる。
一方、前記ペリクルフレームは、マグネシウム(Mg)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ニオビウム(Nb)のうちいずれか一つを含むアルミニウム合金で製造される。
また、前記ペリクルフレームは、該ペリクルフレームに形成された酸化被膜を保護するための保護被膜を追加的に含むことができる。
ここで、前記保護被膜は、ガラスフリットまたはテフロンで製造される。
本発明によれば、硫酸、窒酸、塩素、有機酸などによる無機系ガスの放出量を画期的に減少させることができる。
また、ArF、KrF、Fレーザーなどの深紫外線光源領域でもヘイズによる曇り現象を極度に抑制することができ、高集積度を有する半導体製造工程で優れた収率を保障することができる。
また、転移金属組成物を電解液に添加することによって、表面酸化被膜が濃い黒色を帯びるようになり、別途の顔料着色工程及びこれによる二次的な無機系アウトガスの発生を極度に制御し、汚染物の存在有無を容易に把握することができる。
一般的なリソグラフィ用ペリクルの断面図である。
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明を説明する前に、本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語は、辞典的な意味で限定的に解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるとの原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
したがって、本明細書に記載された実施例及び構成は、本発明の好適な実施例に過ぎなく、本発明の技術的思想を全て表現するものではないので、本出願時点でこれらに取って代わる多様な等価と変形例が存在しうることを理解すべきである。
本発明に係るリソグラフィ用ペリクルは、ペリクル膜と、前記ペリクル膜を支持するためのペリクルフレームとを含み、前記ペリクルフレームは、プラズマ電解酸化法(PEO:Plasma Electrolytic Oxidation)によって酸化被膜が形成されたアルミニウム合金で製造される。
ここで、前記プラズマ電解酸化法は、アルカリ電解質溶液内に装入した金属(陽極)とステンレス電極(陰極)との間に数百ボルトの高電圧を印加し、金属の表面でプラズマ反応を形成し、金属板の表面に超硬質の酸化層を形成するコーティング及び表面処理技術である。
前記プラズマ電解酸化法は、マイクロアーク酸化技術またはプラズマ電解酸化技術とも呼ばれており、マグネシウム、アルミニウム及びチタニウムなどのバルブ金属を対象にして、既存の陽極酸化、電気めっきまたはプラズマ溶射コーティング法などの方法では製造不可能な程度の厚さ及び性質を有する酸化層を形成することができる。
特に、前記プラズマ電解酸化法は、弱アルカリ電解質溶液を用いるので、環境親和的な工法といえる。
また、約250〜600Vの高電圧を使用するプラズマ電解酸化法は、作動電圧がはるかに高く、アルミニウム表面でのアーク放電による1000℃以上の高温プラズマによって酸化被膜が形成されるので、ヘイズ発生を抑制することができる。
ところが、前記プラズマ電解酸化法による酸化被膜形成工程は、表面粗さが良くないので、ペリクル膜を付着するために別途の後加工が必要である場合がほとんどであり、電解質に添加された各物質が無機系アウトガスとして放出されることがあり、形成された酸化被膜が基本的に白色を表すので、表面処理以後に顔料による着色工程が別途に必要である。
ここで、ペリクルフレームに酸化被膜を形成する場合、酸化被膜の厚さは概して2μm〜30μmであることが望ましい。
前記酸化被膜の厚さが2μm未満である場合、金属アルミニウム成分による汚染が発生したり、低い表面硬度によってスクラッチが発生し、部分的に酸化被膜の形成が不充分な部分が発生する。
また、酸化被膜の厚さが30μmを超える場合、酸化被膜の表面層に気孔が過多に生成され、却ってアウトガスを増加させる現象が発生する。
一方、前記酸化被膜は300〜500Vの電圧で形成される。
前記酸化被膜を形成する電圧が250V以上である場合、酸化被膜形成用電解液内でほとんどの表面汚染物質が除去されるが、合金系の成分組成の偏差がある部分では、酸化被膜の形成が遅れたり、ほぼ酸化されない現象が発生し、表面粗度の調節が不可能であるので、電圧は300V以上であることが望ましい。
また、500Vを超えた電圧が加えられた場合、酸化被膜層が剥離したり、酸化被膜の速い形成速度によって表面粗さが増加するので、工程制御が難しいという問題点が発生する。
したがって、300〜500Vの電圧で各合金系の組成成分比などを考慮した上で、適切な電圧を印加して酸化被膜を形成することが望ましく、電圧を−500〜500Vの範囲で3秒〜1時間30分間印加して前記酸化被膜を形成することができる。
前記条件で酸化被膜を形成する電解質溶液としては、無機系アウトガスの発生を根本的に遮断可能な電解質溶液を使用すべきであり、前記酸化被膜を形成するための電解質溶液には、NaOH、KOH、NaSiO、NaAl、NaF−NaCOのうちいずれか一つが溶質として添加される。
また、前記電解質溶液は、前記溶質が電解質溶液の質量に対して0.01〜15%の濃度で含まれるアルカリ水溶液で製造される。
前記条件で形成された酸化被膜は、主に白色を帯びており、酸化被膜形成後に顔料を用いた別途の着色工程を省略するためには酸化被膜自体に色を与えるべきであるが、このような無機系着色物質として転移金属物質が使用される。
前記ペリクルフレームの着色処理は、露光処理時、ペリクルフレームによる光の散乱現象を防止するとともに、ペリクル膜の光透過率を高めてウエハ上のイメージを正確に形成するためのもので、工程後に、ペリクルフレームの表面での汚染物の存在有無を容易に把握するために用いられる。
前記電解質溶液は、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ルテニウム(Lu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)などの元素の金属塩またはこれらのうち二つ以上の混合物を含んで製造され、各金属塩の種類及び混合比は、ペリクルフレーム母材の合金組成によって変わり得る。
したがって、前記転移金属物質が電解質溶液に含まれることによって、上述したプラズマ電解酸化法によって形成されるペリクルフレーム表面の酸化被膜が黒色に形成される。
また、前記ペリクルフレームは、既存のKS A7075、A6061、A5052などの材質を有するアルミニウム合金ペリクルフレームをマグネシウム(Mg)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ニオビウム(Nb)のうちいずれか一つまたはこれらを二つ以上含む合金系で製造することができる。
また、前記ペリクルフレームは、ペリクルフレームに形成された酸化被膜を保護するための保護被膜を追加的に含むことができ、前記保護被膜は、ガラスフリットまたはたはテフロンで製造され、アウトガスを完全に遮断することもできる。
上述したように、本発明に係るリソグラフィ用ペリクルは、プラズマ電解酸化法を用いてペリクルフレームに酸化被膜を形成することによって、硫酸、窒酸、塩素、有機酸などによる無機系ガスの放出量を既存の陽極酸化工程の場合に比べて約1/10に減少させることができ、ArF、KrF、F2レーザーなどの深紫外線光源領域でもヘイズによる曇り現象を極度に抑制することができ、高集積度を有する半導体製造工程で優れた収率を保障することができる。

また、転移金属組成物を電解液に添加することによって、表面酸化被膜が濃い黒色を帯びるようになり、別途の顔料着色工程及びこれによる二次的な無機系アウトガス発生を極度に制御し、汚染物の存在有無を容易に把握することができる。
以上、本発明を限定された実施例によって説明したが、本発明の技術的思想は、この実施例に限定されるものでなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想及び下記の特許請求の範囲の等価範囲内で多様な修正及び変形実施が可能である。
100 ペリクル
102 ペリクル膜
104 ペリクルフレーム
106 ベントホール
108 フィルタ
110 内面接着剤
112 マスク接着剤
114 膜接着剤
300 フォトマスク

Claims (9)

  1. リソグラフィ用ペリクルにおいて、
    ペリクル膜と、
    前記ペリクル膜を支持するためのペリクルフレームと、を含み、
    前記ペリクルフレームは、プラズマ電解酸化法(PEO:Plasma Electrolytic Oxidation)によって酸化被膜が形成されたアルミニウム合金で製造されることを特徴とするリソグラフィ用ペリクル。
  2. 前記酸化被膜は、300〜500Vの電圧で形成されることを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  3. 前記酸化被膜は、2〜30μmの厚さで形成されることを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  4. 前記酸化被膜を形成するための電解質溶液は、NaOH、KOH、NaSiO、NaAl、NaF−NaCOのうちいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  5. 前記電解質溶液は、前記NaOH、KOH、NaSiO、NaAl、NaF−NaCOのうちいずれか一つが前記電解質溶液の質量に対して0.01〜15%の濃度で含まれるアルカリ水溶液で製造されることを特徴とする請求項4に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  6. 前記電解質溶液には、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ルテニウム(Lu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)のうちいずれか一つの元素金属塩または二つ以上の混合物が含まれることを特徴とする請求項5に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  7. 前記ペリクルフレームは、マグネシウム(Mg)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ニオビウム(Nb)のうちいずれか一つを含むアルミニウム合金で製造されることを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  8. 前記ペリクルフレームは、該ペリクルフレームに形成された酸化被膜を保護するための保護被膜を追加的に含むことを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  9. 前記保護被膜は、ガラスフリットまたはテフロンで製造されることを特徴とする請求項8に記載のリソグラフィ用ペリクル。
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