JP4921417B2 - ペリクル - Google Patents

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Description

本発明は、リソグラフィで用いられるフォトマスクまたはレチクル(以下、これらを総称して「マスク」ともいう)に、塵埃が付着することを防ぐマスク用防塵カバーであるペリクルに関する。
半導体素子は、リソグラフィと称される工程を経て製造される。リソグラフィでは、スキャナやステッパと呼ばれる露光装置を用いて、回路パターンが描画されたマスクに露光光を照射して、フォトレジストが塗布された半導体ウェハに回路パターンを転写する。そのときに、マスク上に塵埃などの異物が付着すると、該異物の影が半導体ウェハに転写され、回路パターンが正確に転写されない。その結果として、半導体素子が正常に作動せず不良品となってしまうことがある。
それに対して、ペリクル膜が貼り付けられた枠体からなるペリクルを、マスクに装着することによって、塵埃などの異物をペリクル膜上に付着させ、マスクに付着することを防ぐことが知られている。露光装置の露光光の焦点は、マスク面と半導体ウェハ面に設定されており、ペリクル膜の面には設定されていない。したがって、ペリクル膜に付着した異物の影が半導体ウェハ上で結象することはない。そのため、ペリクル膜に異物が付着した場合は、マスクに異物が付着した場合と比較して、回路パターンの転写を妨害する程度は大幅に軽減され、半導体素子の不良品発生率は著しく抑制される。
ペリクルに用いられるペリクル膜には、露光光を高透過率で透過させる特性が求められる。ペリクル膜の光透過率が低いと、回路パターンが形成されているマスクからの露光光の強度が低下して、半導体ウェハ上に形成されているフォトレジストが十分に感光されない。その結果として、正確な回路パターンが半導体ウェハ上に形成されずに半導体素子の不良率が増加する。
またペリクルを装着したマスクを長期にわたって使用すると、マスク部材やペリクルから硫黄成分を含むガスが放出されると考えられている。放出されたガスと、リソグラフィを行う環境中に存在するアンモニアガスとが、露光光のエネルギーにより反応して、硫酸アンモニウムなどの結晶性異物(ヘイズ)が生成し、生成したヘイズがマスク表面に付着することが知られている。そして、マスク表面に付着したヘイズにより、回路パターンが正確に半導体ウェハに転写されないなどの不具合が生じることが知られている。そのため、ペリクルにアンモニアを捕捉する物質を付与したり(特許文献1)、ペリクルを洗浄することによって、それに含有される硫酸または硫酸イオンの量を減らしたりする試みがいくつか報告されている(特許文献2〜4を参照)。
特開2000−352812号公報 特開2005−202135号公報 特開2006−184822号公報 特開2007−225720号公報
半導体素子に描画される回路パターンの微細化に伴い、リソグラフィに用いられる露光光の波長は、水銀ランプのg線(波長436nm)から、水銀ランプのi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)へと短波長化している。短波長化された露光光は高エネルギー化するので、ヘイズはより発生しやすくなり、問題も顕著となっている。
最近の研究により、ヘイズの原因となるマスク上に発生する硫酸アンモニウムの大きさおよび量は、ArFエキシマレーザ(波長193nm)の照射エネルギーおよびマスク表面上に存在する硫酸イオン量に大きく依存していることが明らかにされた(非特許文献1:Symposium on Photomask and NGL Mask Technology XIV 6007-5を参照)。非特許文献1には、ヘイズの原因となるマスク上に生成される硫酸アンモニウムの数および大きさは、マスク上の硫酸イオン量が4ppbを超えると、急激に増加することが示されている。つまり、ヘイズの原因となる硫酸アンモニウムの発生を抑制するためには、マスク上に存在する硫酸イオン量をできるだけ少なくすることが好ましく、0に抑えることがより好ましい。
ヘイズの原因となるマスク上の硫酸アンモニウムは、マスク部材やペリクル部材から放出されると考えられている硫黄成分を含むガスと、リソグラフィを行う環境中に存在するアンモニアガスとが、露光光のエネルギーにより反応して生成する。そこで、従来は硫酸を用いてマスクを洗浄していたのに対して、最近では硫酸を用いることなく洗浄するようになっている。これより、マスク上に残留する硫酸は近年大きく減少している(非特許文献2:Semiconductor Japan Edition 2007.11 p32参照)。しかしながら依然として、ヘイズの原因となる硫酸アンモニウムの生成は問題になっている。
本発明の課題は、半導体装置を製造するためのリソグラフィで使用される、回路パターンを形成したマスクの表面上に装着されるペリクルを、長期に亘って使用した場合にも、ヘイズの原因となるマスク上に発生する硫酸アンモニウムの発生量を抑制することである。より具体的には、長期にわたって使用されても、硫酸イオンおよび硫酸成分を放出しないペリクルを提供することである。
本発明者らは、マスクのパターン形成面の最も近くに存在するペリクルの硫酸イオンの量を調べた。その結果、ペリクル枠に硫酸成分が含まれることを見出した。
ペリクル枠の材質は通常、陽極酸化皮膜を形成する処理がされたアルミニウム合金からなる。具体的に陽極酸化皮膜を形成する処理とは、金属を硫酸などの電解液を満たした電解槽中に浸漬して、金属にプラスの電解を印加することにより、その金属表面に酸化金属皮膜を形成する処理である。アルミニウムまたはその合金に陽極酸化皮膜を形成する処理を、特にアルマイト処理と称する。電解槽中の陽極酸化で形成される酸化金属皮膜の表面には、無数の凹部が形成される。この凹部により高い電解が発生するため、電解液中の硫酸イオンがその部分に入り込み、局部的に皮膜が溶出して、最終的に多孔質化する。このとき、多孔質化した酸化金属皮膜の中に多くの硫酸が取り込まれ、その硫酸が残留することがある。ペリクル枠に硫酸成分が含まれる理由は、この残留硫酸のためであると考えられ、この残留硫酸が、硫黄を含むガスの放出源になっていると考えられる。
本発明者らは、ペリクル枠に、炭素を含む無機化合物をコーティングすることにより、硫黄を含むガスの放出を抑制できることを見出した。
すなわち本発明は、以下に示すペリクルに関する。
[1] リソグラフィ・マスクに装着されるペリクルであって、ペリクル膜、前記ペリクル膜の外周に配置されたペリクル枠、前記ペリクル枠と前記ペリクル膜とを接着させる膜接着剤、および前記ペリクル枠と前記マスクとを接着するためのマスク接着剤を有し、前記ペリクル枠が、炭素を含む無機化合物の膜でコーティングされている、ペリクル。
[2] 前記炭素を含む無機化合物が、TiCN、TiC、またはダイアモンドライクカーボン(DLC)である、[1]に記載のペリクル。
[3] 前記炭素を含む無機化合物の膜の厚さが、0.5μm以上15μm以下である、[1]または[2]に記載のペリクル。
[4] 前記ペリクル枠は、その材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、アルマイト処理されていない、[1]〜[3]のいずれかに記載のペリクル。
本発明のペリクルを装着したマスクを、半導体装置を製造するためのリソグラフィで長期にわたって使用しても、硫酸アンモニウムなどの異物の発生が抑制される。
本発明のペリクルは、ペリクル膜と、前記ペリクル膜の外周に配置されたペリクル枠と、前記ペリクル枠と前記ペリクル膜とを接着させる膜接着剤と、前記ペリクル枠と前記マスクとを接着するためのマスク接着剤とを有する。図1には、本発明のペリクルの一例が示される。ペリクル1は、ペリクル膜2と、ペリクル膜2の外周に配置されたペリクル枠4とを有する。ペリクル膜2は、ペリクル枠4の一方の端面にある膜接着剤層3を介して張設されている。一方、ペリクル枠4をマスク(不図示)に接着させるために、ペリクル枠4のもう一方の端面には、マスク接着剤層5が設けられている。
ペリクル膜2は、ペリクル枠4によって保持されており、マスク(不図示)の露光エリアを覆う。したがって、ペリクル膜2は露光によるエネルギーを遮断しないような透光性を有する。ペリクル膜2の材質の例には、石英ガラスや、フッ素系樹脂や酢酸セルロースなどの透明性の材質が含まれる。
ペリクル枠4の材質の例には、アルミニウム、アルミニウム合金、およびマグネシュウム合金などの金属、ならびに樹脂が含まれる。ペリクル枠4の材質を金属とした場合に、ペリクル枠4に陽極酸化皮膜形成処理を施してもよい。陽極酸化皮膜形成処理により、枠をコーティングする無機化合物の膜の密着性が向上することがある。ただし、陽極酸化皮膜形成処理に硫酸を用いないことが好ましい。
さらにペリクル枠の内壁部(枠の内部側の壁面)には、内壁粘着剤6が配置されていてもよい。内壁粘着剤6は、ペリクル膜に異物が付着することを防ぎ、露光部での異物の存在を抑制する。
ペリクル枠4は黒化処理を施されていることが望ましい。露光光の反射を防ぎ、かつ付着した異物などの有無を検査しやすくするためである。本発明のペリクル枠4は、炭素を含む無機化合物の膜でコーティングすることによって、黒化処理される。
膜接着剤層3は、ペリクル枠4とペリクル膜2を接着する。マスク接着剤層5は、ペリクル枠4とマスク(不図示)を接着する。
ペリクル枠4の表面は、炭素を含む無機化合物の膜でコーティングされていることを特徴とする。「炭素を含む無機化合物」とは、分子構造に炭素原子が含まれている無機化合物や、無機化合物とそれに分散された炭素微粒子(グラファイトなど)を含む組成物などでありうる。ペリクル枠4の表面の全体が、炭素を含む無機化合物の膜でコーティングされていることが好ましいが、少なくともペリクル枠4の露出表面がコーティングされていることが好ましい。つまり、ペリクル枠4の内壁面は、内壁粘着剤6で覆われていればコーティングされている必要は必ずしもない。さらに、膜接着剤層3、マスク接着剤層5で覆われている部分も、コーティングされていなくてもよい。
炭素を含む無機化合物の例には、TiCN、TiC、ダイアモンドライクカーボン(DLC)などが含まれ、なかでも、TiCN、TiCが好ましい。TiCはアンモニアを発生させることがないため、TiCNよりもさらに好ましい。アンモニアが発生するとペリクル内部(ペリクル膜、ペリクル枠、マスクで囲まれた空間)のアンモニア濃度が高くなり、より少ない硫酸イオン量でもヘイズの原因となる結晶性異物(硫酸アンモニウム)が成長しやすくなる。コーティング膜は、単層膜でもよいし、複数の層を有する積層膜であってもよいが、コーティング膜の厚さは0.5μm以上15μm以下が好ましい。
ペリクル枠4の表面をコーティングする膜は、例えば、布でこすった程度では剥がれることなく、枠上の異物が見えるような色であることが求められる。一方で、白色や金属光沢であると枠上の異物が見えにくい。
炭素を含む無機化合物の膜でコーティングするには、スパッタリングやイオンプレーティング等の蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)などで、ペリクル枠4の表面に薄膜を形成することが好ましい。より具体的に、TiCNやTiCの膜によるコーティングは、イオンプレーティング、CVD、スパッタリング、真空蒸着などで行うことができ、特に、イオンプレーティング法を用いて行うことが好ましい。ダイアモンドライクカーボン(DLC)の膜によるコーティングは、イオンプレーティング、CVD、スパッタリングで行うことができる。
炭素を含む無機化合物の膜でコーティングする前に、ペリクル枠に前処理を施してもよい。前処理の例には、プラズマ処理や組面化処理、例えばサンドブラスト処理が含まれる。ペリクル枠の表面を粗面化することにより、形成される炭素を含む無機化合物のコーティング膜が、枠の表面により強固に結合する。サンドブラスト処理は、例えば#300のサンドを用いて表面粗度(平均表面粗さRa)が4〜6μmになるよう行えばよい。サンドブラスト処理を施された表面に形成されたコーティング膜表面は、艶消しされている(光沢が消されている)。したがって、枠のコーティング膜に異物等が付着したかどうかを検査しやすい。前処理の他の例には洗浄が含まれ、それにより表面に付着した異物や油成分を除去することが好ましい。一方、ペリクル枠には、硫酸を用いて陽極酸化皮膜を形成する処理(例えばアルマイト処理)が施されていないことが好ましい。前述の通り、アルマイト処理などによりペリクル枠に硫酸が残留することを防ぐためである。
従来のペリクル枠は、その表面を黒化するため、陽極酸化皮膜形成処理をして多孔質皮膜を形成し、その皮膜を黒色染色で染色していた。それにより、ペリクル枠の表面を、光沢のない黒色としていた。また、酸化皮膜で覆うことにより、耐食性を向上させる必要もあった。例えば、アルミニウム合金からなるペリクル枠をアルマイト処理して多孔質皮膜を形成し、それを黒色染色で染色し、さらに封孔処理していた。
染色処理は、黒色の染料、たとえばSanodal Deep Black MLW New(商品名 クラリアントジャパン社製)が溶解した染色液に、染色対象物を浸漬することで、陽極酸化処理で形成された微細な穴に染料を吸着させて黒色とする処理である。染色液の染料濃度は3〜10g/L、染色液の温度は50〜65℃で行えばよいが、特に限定されない。
封孔処理は、染料を吸着させた微細な穴を塞ぐ処理である。封孔助剤、たとえば花見化学社製 封孔剤(酢酸ニッケル)を含む高温度(たとえば60〜100℃)水溶液に、対象物を浸漬すればよい。封孔助剤の濃度は6〜12g/L、浸漬時間は5分〜60分とすればよいが、特に限定されない。
一方、本発明のペリクルに含まれるペリクル枠をコートする炭素を含む無機化合物の膜は、黒色を有し、かつ耐食性が高いので、陽極酸化皮膜形成処理、染色処理、封孔処理が不要になる。
ペリクル1は、マスク接着剤層5を介してマスク(不図示)上に装着され、マスク(不図示)に異物が付着することを防止する。マスクに付着した異物は、それに露光光の焦点が合うと、ウェハへの解像不良を引き起こす。したがって、ペリクル1はマスク(不図示)の露光エリアを覆うように装着される。
マスク(不図示)とは、パターン化された遮光膜を配置されたガラス基板などである。遮光膜とは、CrやMoSiなどの金属の、単層または複数層構造の膜である。パターン化された遮光膜を含むマスクが、露光エリアとなる。
[実施例1]
アルミ合金(#7075)からなる枠(N62FPタイプ、外寸:149mm×122mm×5.8mm、厚み:2mm)を準備した。準備した枠の表面をサンドブラスト処理(#300)した。
サンドブラスト処理した枠の表面全体に、イオンプレーティング法によりTiCN膜を形成した。形成されたTiCN膜の厚さは1μmとした。得られた枠を抽出処理した。抽出処理は、抽出液(純水100ml)に枠を浸漬させて、90℃で3時間維持して行った。抽出液に抽出された硫酸の量を、イオンクロマトグラフ分析装置(ICS−1000(DIONEX社製))で検出した。硫酸の量は、検出限界(5ppb)以下であった。
[実施例2]
実施例1と同様に調製したサンドブラスト処理された枠の表面全体に、イオンプレーティング法によりTiC膜を形成した。形成されたTiC膜の厚さは1μmとした。得られた枠を抽出処理した。抽出処理は、抽出液(純水100ml)に枠を浸漬させて、90℃で3時間維持して行った。抽出液に抽出された硫酸の量を、イオンクロマトグラフ分析装置(ICS−1000(DIONEX社製))で検出した。硫酸の量は、検出限界(5ppb)以下であった。
[実施例3]
TiC膜の厚さを0.7μmとしたこと以外は実施例2と同様にTiC膜を形成し、抽出処理、分析を行った。硫酸の量は、検出限界(5ppb)以下であった。
[実施例4]
TiC膜の厚さを1.5μmとしたこと以外は実施例2と同様にTiC膜を形成し、抽出処理、分析を行った。硫酸の量は、検出限界(5ppb)以下であった。
[実施例5]
実施例1と同様に調製したサンドブラスト処理された枠の表面全体に、イオンプレーティング法によりダイアモンドライクカーボン(DLC)膜を形成した。形成されたDLC膜の厚さは1μmとした。得られた枠を抽出処理した。抽出処理は、抽出液(純水100ml)に枠を浸漬させて、90℃で3時間維持して行った。抽出液に抽出された硫酸の量を、イオンクロマトグラフ分析装置(ICS−1000(DIONEX社製))で検出した。硫酸の量は、検出限界(5ppb)以下であった。
[比較例1]
実施例1と同様に、アルミ合金(#7075)からなる枠(N62FPタイプ、外寸:149mm×122mm×5.8mm、厚み:2mm)を準備し、枠の表面をサンドブラスト処理(#300)した。
準備された枠にアルマイト処理を施し、その表面に陽極酸化皮膜を形成した。表面に形成された陽極酸化皮膜を、次の方法で染色処理した。Sanodal Deep Black MLW New(商品名 クラリアントジャパン社製)を水に溶解した染色液(染料濃度5g/L、染色液温度60℃)に、枠を20分浸漬することで、陽極酸化処理で形成された微細な穴に染料を吸着させた。さらに、封孔助剤(花見化学社製 封孔剤(酢酸ニッケル))10g/Lを加えた高温度水(70℃)に、染料を吸着させた枠を20分間浸漬して、陽極酸化皮膜の微細孔を塞ぐ封孔処理を施した。得られた枠を抽出処理した。抽出処理は、実施例1と同様の条件で行った。抽出液に抽出された硫酸の量を、イオンクロマトグラフ分析装置(検出限界:5ppb)で検出した。検出された硫酸の量は、21.5μg/枚であった。
[比較例2]
実施例1と同様に、アルミ合金(#7075)からなる枠(N62FPタイプ、外寸:149mm×122mm×5.8mm、厚み:2mm)を準備し、枠の表面をサンドブラスト処理(#300)した。
準備された枠を黒色ペイント剤(商品名:レジラック3810 東京ペイント社製)を塗布して、約60μmのコーティング膜を形成した。得られた枠を抽出処理した。抽出処理は、実施例1と同様の条件で行った。抽出液に抽出された硫酸の量を、実施例1と同一のイオンクロマトグラフ分析装置(検出限界:5ppb)で検出した。検出された硫酸の量は、46μg/枚であった。
[比較例3]
実施例1と同様に、アルミ合金(#7075)からなる枠(N62FPタイプ、外寸:149mm×122mm×5.8mm、厚み:2mm)を準備し、枠の表面をサンドブラスト処理(#300)した。
準備された枠を黒色ペイント剤(商品名:ミリオンアルメ14-2300 ミリオンペイント社製)を塗布して、約20μmのコーティング膜を形成した。得られた枠を抽出処理した。抽出処理は、実施例1と同様の条件で行った。抽出液に抽出された硫酸の量を、イオンクロマトグラフ分析装置(検出限界:5ppb)で検出した。検出された硫酸の量は、58μg/枚であった。
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた枠について、その表面の色、およびレーザ耐光性を評価した。レーザ耐光性の評価は、ペリクル枠にArFレーザ(100J/cm)を照射した後の色変化に基づいて行った。
Figure 0004921417
表1に示されるように、実施例1〜実施例5の枠からは硫酸が抽出されず、黒色度およびレーザ耐光性も高かった。一方、比較例1の枠からは硫酸が抽出された。これはアルマイト処理の影響と考えられる。また、比較例2〜3では、アルマイト処理がされていないにもかかわらず、硫酸が抽出され、かつレーザ耐光性に劣ることがわかった。
本発明のペリクルは、マスクに装着してリソグラフィで使用することができる。本発明のペリクルが装着されたマスクは、長期に亘って使用されても、硫酸アンモニウムなどのヘイズを発生させないので、例えば半導体リソグラフィで使用すれば、半導体ウェハに正確な回路パターンを形成することができる。
ペリクルの構成の一例を示す図である。

Claims (4)

  1. リソグラフィ・マスクに装着されるペリクルであって、
    ペリクル膜、前記ペリクル膜の外周に配置されたペリクル枠、前記ペリクル枠と前記ペリクル膜とを接着させる膜接着剤、および前記ペリクル枠と前記マスクとを接着するためのマスク接着剤を有し、
    前記ペリクル枠が、炭素を含む無機化合物の膜でコーティングされている、ペリクル。
  2. 前記炭素を含む無機化合物が、TiCN、TiC、またはダイアモンドライクカーボン(DLC)である、請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記炭素を含む無機化合物の膜の厚さが、0.5μm以上15μm以下である、請求項1に記載のペリクル。
  4. 前記ペリクル枠は、その材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、アルマイト処理されていない、請求項1に記載のペリクル。
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