JP6013818B2 - ペリクル枠体及びペリクル - Google Patents

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Description

本発明は、例えばIC(Integrated Circuit:集積回路)、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、TFT型LCD(ThinFilm Transistor,Liquid Crystal Display:薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置や液晶表示装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマクスやレティクルに異物が付着することを防止するために用いるペリクルのペリクル枠体及びペリクルに関する。
LSI、超LSIなどの半導体装置や液晶表示装置(LCD)を構成する薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルター(CF)等の製造工程には、露光装置を用いたフォトリソグラフィー工程が含まれる。このとき、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段が用いられている。このペリクルは、フォトマスクやレティクルに合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面に、厚さ10μm以下程度のニトロセルロース、セルロース誘導体、フッ素ポリマーなどの透明な高分子膜(光学的薄膜体)を展張して接着したものであり、異物がフォトマスクやレティクル上に直接付着することを防ぐ。仮にフォトリソグラフィー工程において異物がペリクル上に付着したとしても、フォトレジストが塗布されたウエハー上にこれらの異物は結像しないため、異物の像による露光パターンの短絡や断線等を防止し、フォトリソグラフィー工程の製造歩留まりを向上させることができる。
そのため、ペリクルメーカーでは、ペリクル自体に異物が付着している状態では出荷できないため、ペリクル製造工程中に幾度も暗室の集光灯下で目視検査や装置等使って異物検査を行っている。また、マスクメーカーやデバイスメーカーにおいても、マスクに貼付する前にペリクルへの異物検査を行っている。そのため、異物検査のし易さは従来から求められており、その対策の一つとして異物が選別しやすいようにペリクル枠体を黒色系にすることが望まれている。
また、近年、半導体装置の高集積化に伴い、より狭い線幅で微細な回路パターンの描画が求められ、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光についてもKrFエキシマレーザー(波長248mm)、ArFエキシマレーザー(波長193mm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)等のようなより短波長の光が用いられるようになっている。これらの露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、露光に伴うペリクル膜又はマスクの汚れ(ヘイズ)が発生する頻度が高くなっている。そのような場合、フォトマスク等の製造後の検査では無欠陥の良好な品質状態であっても、露光装置でエキシマレーザーの照射を繰り返すうちに良好なパターン転写像が得られず、場合によっては半導体素子の回路の断線やショートを引き起こしてしまうことがある。
ところで、ペリクルの枠体は、一般にアルミニウム材からなり、通常、その表面には陽極酸化皮膜が形成されている。しかし、陽極酸化皮膜を形成する際に用いる電解液には硫酸等の酸性成分が含まれており、これが皮膜中に残存すると、フォトリソグラフィー工程等フォトマスクやレティクルとの間の閉ざされた空間内にガス状物として発生する。そのようなガス状物としてのイオンやアウトガスが、雰囲気中に含まれているアンモニアをはじめ、シアン化合物や炭化水素化合物などと光化学反応を起こしてヘイズが生じる。また、通常はペリクル枠体を黒色化するために有機染料が使用されており、有機染料は露光中の散乱光によって光劣化を起こす可能性があると言われている。
そこで、上記の問題に関して、ペリクル枠体に対して陽極酸化処理をした後に純水中で超音波洗浄を行うことで、酸性成分を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、陽極酸化皮膜の代わりに電着塗装等によるポリマー皮膜を形成する方法や、酸性成分の含有量を個別に規定することで、フォトリソグラフィー工程でのヘイズを抑制する方法も知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
また、ペリクルはマスクに貼り付けられて使用されるが、露光中、有機系染料を使用したペリクル枠体にマスクからの散乱光が照射された場合、分解物が発生する恐れがあるとして有機系染料を含まないペリクル枠体が提案されている(例えば、特許文献2,5〜8参照)。
特開2006−184822号公報 特開2007−333910号公報 特開2007−225720号公報 特開2009−276521号公報 特開2010−211021号公報 特開平9−236908号公報 特開2010−107986号公報 米国特許公開第US2011/0063601号公報
従来からある上述したヘイズの問題は、依然として解決されておらず、ヘイズの生成原因物質である酸性成分の含有量が更に低減されたペリクル枠体が求められている。
ヘイズの原因は、主にアンモニウムイオンと硫酸イオンとが反応して生成される硫酸アンモニウム化合物であるとされている。マスクとペリクルとの閉空間内における化合物の生成を抑制するためには、ペリクルから発生するアンモニウムイオンや硫酸イオンを極力抑制する必要がある。そのため、アルミニウム材の皮膜中または表面に存在する硫酸イオンを低減するために、硫酸を含まない電解液で陽極酸化処理を行うことが望まれている。一方で、有機染料を使用しない方法も提案されているが、上記特許文献2に記載されているように黒色樹脂等で被覆した場合は、イオンは低減されるが、散乱光によって光劣化を起こす可能性がある。また、上記特許文献4に記載されているように、無着色のアルミニウムを使用すると、ペリクル枠体の異物検査性が悪い。
また、上記特許文献5に記載されているように、めっき膜厚が1μm程度の場合、ペリクル枠体が黒色系ではないために異物検査がし難い。めっき膜厚が0.1μm程度と薄い場合には、めっき後の表面に色むらが発生し、異物検査がし難いといった問題がある。また、二層構造で第一層をNiめっきとした場合、めっきの主成分には硫酸や酢酸などの塩類が用いられるため、第二層に膜厚0.1μm〜1μmの銀や金等の貴金属めっきを処理した場合、薄い皮膜であるためめっきの欠陥部などから第一層のNiめっきが露出し、硫酸、酢酸等の酸類が放出されてヘイズの原因になる可能性がある。
また、上記特許文献6に記載のものでは、硫酸で陽極酸化処理を行っているため、耐光性があっても所望する総量にまでイオンを低減させることができない可能性がある。また、文献7、8には実施例が無いため本文に沿って作製してみると、従来問題となっていた硫酸イオン等は低減できるが、電解質液由来の電解質イオンが発生することが判明した。また、前記イオンを発生させない場合は、ペリクル枠体として使用できない着色度合になることが判明した。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高エネルギーの光の照射下においてもヘイズの発生を低減しつつ、ペリクル枠体の異物検査に優れたペリクル枠体及びペリクルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ペリクル枠体の表面の酸化皮膜層が空隙を有し、その空隙率が所定値以上とすることにより、従来よりもヘイズの生成原因物質である酸性成分の含有量が低減し、更には、ペリクル枠体として使用可能な着色になり且つ異物検査も良好なペリクル枠体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るペリクル枠体は、枠状に形成され、開口部を覆う光学的薄膜体を展張支持するペリクル枠体であって、その表面に空隙を有する酸化皮膜層が設けられており、酸化皮膜層の空隙率が10%以上であることを特徴とする。
一実施形態においては、酸化皮膜層には、空隙が形成されない領域が点在する。
一実施形態においては、酸化皮膜層は、α−Alとγ−Alの混合層を含む。
本発明に係るペリクルは、上記のペリクル枠体と、ペリクル枠体の開口部を覆うように展張支持された光学的薄膜体とを備える。
本発明によれば、高エネルギーの光の照射下においてもヘイズの発生を低減すると共に、異物検査に優れたものとすることができる。
本発明の一実施形態に係るペリクル枠体を用いたペリクルを示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 ペリクル枠体の表面を示す顕微鏡写真である。 評価結果を示す表である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の一実施形態に係るペリクル枠体を用いたペリクルを示す斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、ペリクル1は、ペリクル枠体2と、ペリクル枠体2の上縁面2eに展張支持されたペリクル膜(光学的薄膜体)3と、ペリクル枠体2の下縁面2fに塗布された粘着体10と、粘着体10に粘着され、この粘着体10を保護する保護フィルムFとを備えている。
このペリクル枠体2は、対向する一対の長辺2a,2bと、この長辺2a,2bよりも短い対向する一対の短辺2c,2dとから構成されており、平面視において矩形状を呈している。ペリクル枠体2において、長辺2aと長辺2bとの長さは等しく形成されており、短辺2cと短辺2dとの長さは等しく形成されている。ペリクル枠体2は、矩形状の開口部4を有しており、長辺2a,2b及び短辺2c,2dは、開口部4の周縁を形成している。
ペリクル膜3の材質としては、特に制限はないが透過率が高く耐光性の高いものが好ましい。例えば、従来エキシマレーザー用に使用されている、非晶質フッ素ポリマー等が好適に用いられる。非晶質フッ素ポリマーの例としては、サイトップ(旭硝子(株)製商品名)、テフロン(登録商標)、AF(デュポン社製商品名)等が挙げられる。これらのポリマーは、ペリクル膜3の作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えば、フッ素系溶媒などで適宜溶解しえる。ペリクル枠体2にペリクル膜3を展張する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。また、ペリクル膜3の膜厚としては、0.20μm以上10μm以下がよい。好ましくは、0.25μm以上8.0μm以下、更には0.6μm以下である。膜厚が0.20μm以上10μm以下であれば、透過率もよく製造上作製可能な範囲になるため好ましい。
ペリクル膜3を接着する接着剤としては、従来から使用されているものを使用でき、例えば、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、含フッ素シリコン接着剤等のフッ素ポリマー等を挙げることができるが、中でもフッ素系ポリマーが好適である。フッ素系ポリマーとしては、具体的にはサイトップシリーズ(旭硝子(株)製商品名)が挙げられる。
粘着体10としては、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材、SEBS系等のゴム系粘着材、両面粘着テープ等が使用されるが、アウトガス、イオン等の関係よりアクリル系粘着材がより好ましい。粘着体10は、必要により溶媒で希釈してペリクル枠体上端面に塗布し、加熱して乾燥し硬化させることにより形成することができる。この場合、接着剤の塗布方法としては、刷毛塗り、スプレー、自動ディスペンサーによる方法等が採用される。
粘着体10を保護する保護フィルムFは、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエタン、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリプロピレン等からなるフィルムを用いることができる。また、粘着体10の粘着力に応じて、離型剤、例えばシリコーン系離型剤、またはフッ素系離型剤を、保護フィルムの表面に塗布してもよい。保護フィルムの厚さは、例えば、1mm以下0.01mm以上が好ましい。
また、ペリクル枠体2には、異物を捕集したり耐光性を向上させるために内壁粘着材や耐光性の良い樹脂等を内壁に設けたり、内壁を被覆したりすることもできる。内壁粘着材としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリル系粘着材、フッ素系樹脂、フッ素系粘着材等が挙げられる。特に耐光性を考慮すると、好ましくは、フッ素系樹脂であり、具体的には、テトラフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド共重合体等のフッ素系の共重合体等を例示できるが、特にこれらに限定されない。
続いて、上述のペリクル枠体2について、より詳細に説明する。ペリクル枠体2は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)、鉄及び鉄系合金、セラミックス(SiC、AlN、Al等)、セラミックスと金属との複合材料(Al−SiC、Al−AlN、Al−Al等)、炭素鋼、工具鋼、ステンレスシリーズ等からなる。これらの中でも、アルミニウム、アルミニウム合金が、軽量かつ剛性の面からより好ましい。
ペリクル枠体2の表面には、図2に示すように、空隙Kを有する酸化皮膜層Pが形成されている。酸化皮膜層Pは、空隙率が10%以上であることが好ましい。更には、空隙率は、12%以上、より好ましくは14%以上である。また、酸化皮膜層Pの空隙率が高すぎると、イオンの析出量が増えるため、空隙率は、約70%以下が好ましい。
酸化皮膜層Pの空隙率の評価方法としては、ペリクル枠体2の各辺1ヵ所ずつの表面をSEM(走査電子顕微鏡)にて3000倍に拡大した写真において、空隙Kが多い場所で10cm×10cmの正方形を選択し、正方形に対して0.3μm以上の空隙Kの面積の割合を算出したものを空隙率とした。空隙率が10%以上である場合には、ペリクル枠体2を洗浄する洗浄水が孔の中まで入りこむ孔数が多くなることでペリクル枠体2の洗浄性が向上し、ペリクル枠体2から検出されるイオン量を従来よりも減らすことが可能になる。
また、酸化皮膜層Pにおいては、図3に示すように、空隙Kが0.3μm以上のものについては孔に対して環状を成していることが好ましく、環状部分は2.0μm以下であることが好ましい。
酸化皮膜層Pには、図3に示すように、空隙Kが形成されない領域Rが点在している。酸化皮膜層Pの全面に空隙Kが形成されている場合、そこから洗浄されなかった遷移金属イオンが分析中に析出することになるため、空隙Kが形成されない領域Rが点在することが好ましい。領域Rは、空隙Kが存在する周辺部より高いことが好ましく、最大高さとしては1μm以上5μm以下高いことが好ましい。凹凸の差が大きいと暗室内の集光灯下でペリクル枠体の異物検査をする際に光の散乱が激しくなり異物検査に時間を要することになる。
また、酸化皮膜層Pは、色合いを良くするために遷移金属を含むことが好ましく、遷移金属としては、元素周期表の1B族、2B族、3A族、4A族、5A族、6A族、7A族が好ましく、更には、5A族、6A族が好ましい。特に、ジルコニア系、バナジウム系、モリブデン系、タングステン系、クロム系、マンガン系などは、微量でも黒色しやすいことから好ましい。更に、ペリクル枠体の耐光性の観点からタングステン系、バナジウム系が好ましく、特にバナジウム系が好ましい。
酸化皮膜層Pは、α−Alとγ−Alの混合層を含むことが好ましい。酸化皮膜層Pは、α−Alの割合が多いほど硬い皮膜になる一方、脆くなりやすくなる。そのため、酸化皮膜層Pは、脆さを低減するために、γ−Alと適度な割合で混合していることが好ましい。また、アルミニウム材は、α−Alよりγ−Alと結合しやすい。そのため、酸化皮膜層Pは、着色の面からもγ−Alを混合していることが好ましい。
本実施形態では、上記ペリクル枠体2を得る一つの方法として、マイクロアーク酸化処理を一例として説明する。なお、ペリクル枠体2は他の方法により製造しても構わない。ここで、マイクロアーク酸化処理とは、電解質液内に装入した金属(陽極)とステンレス電極等(陰極)との間に数百ボルトの高電圧を印加し、金属の表面でマイクロアーク反応を形成し、金属板の表面に超硬質の酸化皮膜層Pを形成する表面処理技術である。電解液としては、遷移金属酸化物水溶液を用いるがこれに限定されるものではない。
上記電解液に、アルミニウム合金(例えばA6061)を陽極に、陰極にステンレス電極を浸漬し、約250V〜800Vの高電圧を印可することで、アルミニウム表面でのアーク放電により約800℃以上の高温プラズマによって酸化皮膜層Pが形成される。処理時間は約2〜30分、電解液温度としては5〜60℃、電流密度は3〜30A/dm、電解液のpHはpH7〜12の範囲であることが好ましい。
また、電解液は、遷移金属系化合物以外に強固な酸化皮膜層Pを形成する上で、アルカリ性の水酸基イオンを含む電解液や酸素量の多いリン酸系やなどを含むことがより好ましい。メカニズムはとしては、電解液中で酸素量を多量に生成し、それが表層部分に混入することで、マイクロアーク処理による表層部分内の酸素濃度が高くなり、容易に酸化アルミニウムを生成させ、その後による高電圧で皮膜破壊が始まると予想される。また、電解液により、放電可能で高温でも表面が焦げ付かない状態とすることができる。具体的には、電解液は、KOH、NaOH、EDTA、SiO、K、NaPO、KHPO、NaHPO、KHPO、NHPO、C等を含むことが好ましい。
そして、酸化皮膜層Pは、上記の陽極酸化処理の条件を調整し、得られる膜厚を2.0〜30.0μm、好ましくは3.0〜28.0μm、更には4.0〜25.0μmとすることが望ましい。酸化皮膜層Pの厚みが2.0μmより大きいと、着色処理で十分な着色性が得られ、酸化皮膜層Pの厚みが30.0μmより小さいと、アルミニウム材との密着性に優れる。
また、上記のような処理は、一般的に用いられる陽極酸化アルミニウム合金のような封孔処理をしないため封孔処理剤に含まれるNiが表面に析出しない。ヘイズはイオン種とイオン量が少ないほど良いため、Ni量も低減した方がより良い。具体的には、ペリクル枠体2に対してNi含有量は80ppm以下であれば好ましく、評価方法としては遷移金属と同じ評価方法で測定可能である。なお、具体的な製造方法については、実施例にて説明する。
以上説明したように、本実施形態では、ペリクル枠体2の表面に空Kを有する酸化皮膜層Pが設けられており、酸化皮膜層Pの空隙率が10%以上である。これにより、高エネルギーの光の照射下においてもヘイズの発生を低減しつつ、ペリクル枠体2の異物検査に優れるものとすることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
JIS A6061アルミニウム合金材を切断し、枠体外寸法149mm×122mm×5.8mm、枠体厚さ2mmとなるように切削研磨して枠材を用意した。電解液(V+PO塩)を用意し、陰極にステンレス電極を用意し、陽極に前記枠材を設置し、電解液温度25℃、最高電圧350Vにて10分処理した後、純水にて十分に洗浄し、ペリクル枠体を得た。
(ペリクル枠体の検査性評価)
上記で得たペリクル枠体の色合いを蛍光灯下で確認し、暗室内の集光灯下にて一般的な陽極酸化アルミニウム合金(比較例2)と比較して検査の難易度を作業者(10名)に確認してもらった。検査良好な人8〜10名を「○」、5〜7名を「△」、0〜4名を「×」とした。その結果を図3に示す。
また、上述の方法で得られたペリクル枠体をポリエチレン袋に入れ、枠体表面積100cmあたり純水100mlを加えて密封し、90℃に保って3時間浸漬した。このようにして枠体からの溶出成分を抽出した抽出水を、セル温度35℃、カラム(IonPacAS19)温度35℃とし、1.0ml/minの条件でイオンクロマトグラフ分析装置(日本ダイオネクス社製ICS−2100)を用いて分析した。この抽出水から、硫酸イオン及び遷移金属イオンを検出した。結果を図4に示す。なお、図4において、「<0.50ppb」は、定量下限以下であることを示している。
更に、本実施例1の条件で得た別のペリクル枠体を5cmの棒状に切り出し、SEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 SU1510走査電子顕微鏡)にて、加電圧15kV、3000倍にて観察した。その結果を図3に示す。
[実施例2]
印加電圧を450Vにした以外は実施例1と同様にして、ペリクル枠体を準備した。図4に示す項目を、実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。結果を図4に示す。
[実施例3]
電解液をNaWO+KOHに変更した以外は実施例2と同様にして、ペリクル枠体を準備した。図4に示す項目を、実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。結果を図4に示す。
[実施例4]
印加する電圧を810Vにした以外は実施例1と同様にして、ペリクル枠体を準備した。図4に示す項目を、実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。結果を図4に示す。
[比較例1]
印加する電圧を240Vにした以外は実施例1と同様にして、ペリクル枠体を準備した。図4に示す項目を、実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。結果を図4に示す。
[比較例2]
実施例1同じ寸法の枠材を用意した。陽極酸化処理に用いる電解液を硫酸160g/Lの水溶液として、15℃で電解電圧20Vの定電圧電解を25分行った。そして、上記処理した枠材を、有機染料にて染色後、封孔剤(花見化学社製 シーリングXシリーズ)を濃度40ml/Lで含有した水溶液に枠材を入れ、90℃にて20分浸漬して封孔処理を行った。そして純水にて十分に洗浄し、ペリクル枠体を得た。図4に示す項目を、実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。結果を図4に示す。
1…ペリクル、2…ペリクル枠体、3…ペリクル膜(光学的薄膜体)、4…開口部、P…酸化皮膜層。

Claims (3)

  1. 枠状に形成され、開口部を覆う光学的薄膜体を展張支持するペリクル枠体であって、
    その表面に空隙を有する酸化皮膜層が設けられており、
    前記酸化皮膜層の空隙率が10%以上であり、
    前記酸化皮膜層には、前記空隙が形成されない領域が点在する、ペリクル枠体。
  2. 前記酸化皮膜層は、α−Alとγ−Alの混合層を含む、請求項1に記載のペリクル枠体。
  3. 請求項1又は2に記載のペリクル枠体と、
    前記ペリクル枠体の開口部を覆うように展張支持された光学的薄膜体とを備えるペリクル。
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