JP5657407B2 - ペリクル枠体、ペリクル及びペリクル枠体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばIC(Integrated Circuit:集積回路)、LSI(Large ScaleIntegration:大規模集積回路)、TFT型LCD(Thin Film Transistor,Liquid Crystal Display:薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置や液晶表示装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマクスやレティクルに異物が付着することを防止するために用いるペリクルのペリクル枠体、ペリクル及びペリクル枠体の製造方法に関する。
LSI、超LSIなどの半導体装置や液晶表示装置(LCD)を構成する薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルター(CF)等の製造工程には、露光装置を用いたフォトリソグラフィー工程が含まれる。このとき、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段が用いられている。このペリクルは、フォトマスクやレティクルに合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面に、厚さ10μm以下程度のニトロセルロース、セルロース誘導体、フッ素ポリマーなどの透明な高分子膜(光学的薄膜体)を展張して接着したものであり、異物がフォトマスクやレティクル上に直接付着することを防ぐ。仮にフォトリソグラフィー工程において異物がペリクル上に付着したとしても、フォトレジストが塗布されたウエハー上にこれらの異物は結像しないため、異物の像による露光パターンの短絡や断線等を防止し、フォトリソグラフィー工程の製造歩留まりを向上させることができる。
そのため、ペリクルメーカーでは、ペリクル自体に異物が付着している状態では出荷できないため、ペリクル製造工程中に幾度も目視検査や装置等(主には、目視検査で行われている)で異物検査を行いペリクルへの異物の有無を出荷前まで検査している。また、マスクメーカーやデバイスメーカーにおいても、マスクに貼付する前にペリクルへの異物の有無を検査して、異物が付着していないと判断した場合にはペリクルを使用し、異物を発見するとペリクルを使用しない。そのため、異物検査のし易さは従来から求められており、その対策としてペリクル枠体を黒色としている。
また、近年、半導体装置の高集積化に伴い、より狭い線幅で微細な回路パターンの描画が求められ、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光についてもKrFエキシマレーザー(波長248mm)、ArFエキシマレーザー(波長193mm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)等のようなより短波長の光が用いられるようになっている。ところが、これらの短波長の露光光源は高出力であるため光のエネルギーが高く、露光の時間の経過と共に反応生成物をフォトマスク等に付着させて、くもり(ヘイズ)を発生させるといった問題がある。フォトマスク等の製造後の検査では無欠陥の良好な品質状態であっても、露光装置でエキシマレーザーの照射を繰り返すうちにフォトマスクやレティクル上にヘイズが発生して良好なパターン転写像が得られず、場合によっては半導体素子の回路の断線やショートを引き起こしてしまう。
ところで、ペリクルの枠体は、一般にアルミニウム材からなり、通常、その表面には陽極酸化皮膜が形成されている。しかし、陽極酸化皮膜を形成する際に用いる電解液には硫酸等の酸性成分が含まれており、これが皮膜中に残存すると、フォトリソグラフィー工程等において離脱して、フォトマスクやレティクルとの間の閉ざされた空間内にガス状物として発生する。そして、雰囲気中に含まれているアンモニアをはじめ、シアン化合物や炭化水素化合物などと光化学反応を起こしてヘイズが生じる。
そこで、上記の問題に関して、ペリクル枠体に対して陽極酸化処理をした後に純水中で超音波洗浄を行うことで、酸性成分を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、陽極酸化皮膜の替わりに電着塗装等によるポリマー皮膜を形成する方法や、酸性成分の含有量を個別に規定することで、フォトリソグラフィー工程に影響を及ぼさない程度のヘイズに抑制する方法も知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
また、例えば特許文献4に記載されているように、陽極酸化処理時に酸浸漬溶解処理を行うことで、ポーラス層のポア径とセル径の比を調節し、ポア径を広げることでアルマイト層中のイオンを洗浄しやすくしヘイズに関係するイオンを低減するといった方法も知られている。
また、ペリクルはマスクに貼り付けられて使用されるが、露光中、マスクからの散乱光が有機系染色によって黒色化されたペリクル枠体に当たったときに、有機系の黒色色素が分解し脱色されることで分解物が発生し、これが原因でヘイズが発生する場合もある。そのため、有機系の黒色色素を含まないペリクル枠体が提案されている(例えば、特許文献2,5〜7参照)。
特開2006−184822号公報 特開2007−333910号公報 特開2007−225720号公報 特開2010−113350号公報 特開2009−276521号公報 特開2010−211021号公報 特開平9−236908号公報
従来からある上述したヘイズの問題は、依然として解決されておらず、ヘイズの生成原因物質である酸性成分の含有量の更なる低減と、露光中の散乱光が当たっても脱色と光分解物の発生を抑制できるペリクル枠体が求められている。
ヘイズの原因は、主にアンモニウムイオンと硫酸イオンとが反応して生成される硫酸アンモニウム化合物であるとされている。マスクとペリクルとの閉空間内における化合物の生成を抑制するためには、ペリクルから発生するアンモニウムイオンや硫酸イオンを極力抑制する必要がある。そのため、アルミニウム材の皮膜中または表面に存在するアンモニウムイオンや硫酸イオンを低減するために、硫酸を含まない電解液で陽極酸化処理を行うことが望まれている。一方で、有機染料を使用しない方法も提案されているが、上記特許文献2に記載されているように黒色樹脂等で被覆した場合は、イオンは低減されるが、散乱光によって光劣化を起こす可能性がある。また、上記特許文献5に記載されているように、無着色のアルミニウムを使用すると、ペリクル枠体の異物検査性が悪いため、生産性が低下する可能性がある。
また、上記特許文献6に記載されているように、めっき膜厚が1μm程度の場合、ペリクル枠体が黒色系ではないために異物検査がし難い。めっき膜厚が0.1μm程度と薄い場合には、めっき後の表面に色むらが発生し、異物検査がし難いといった問題がある。また、二層構造で第一層をNiめっきとした場合、めっきの主成分には硫酸や酢酸などの塩類が用いられるため、第二層に膜厚0.1μm〜1μmの銀や金等の貴金属めっきを処理した場合、薄い皮膜であるためめっきの欠陥部などから第一層のNiめっきが露出し、硫酸、酢酸等の酸類が放出されてヘイズの原因になる可能性がある。
また、上記特許文献7に記載のものでは、硫酸で陽極酸化処理を行っているため、耐光性があっても所望する総量にまでイオンを低減させることができない可能性がある。また、実際に実施例に基づいて作製してみると、黒色化が薄い(灰色より白い)ため、検査性が悪いことが判明した。
また、シュウ酸浴アルマイトは、硫酸ニッケル浴中で交流電解しても着色皮膜が得られない、といった技術的な見解も示されており(佐藤敏彦・神長京子共著 「新・アルマイト理論」、カロス出版、1997年5月8日、p155参照)、硫酸アルマイト以外で電解着色を行い、しかも異物検査性を低下させないほどの黒色化にすることは極めて困難であると考えられる。
ペリクル枠体の色が薄いと、工程中での異物検査性が悪くなり、工程中の異物検査性のタクトが長くなる。更に、検査に時間をかけても黒色または黒色に近い色(例えば、濃紺色や濃茶色等)の場合と比較して異物を発見できる割合が減少するため異物が完全に除去できないままペリクルが組み立てられる可能性もある。このような場合、例えば、マスク粘着体とペリクル枠体との間に異物が挟まれていると、マスクに貼り付けた後にエアパスになりそこから別な異物が侵入したり、異物がきっかけで剥がれにつながるおそれがある。そのため、異物検査性が低下するおそれがある。また、露光中での散乱光による枠体からの光の反射を防止するために、黒色または黒色に近い色にすることが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高エネルギーの光の照射下においてもヘイズの発生を低減しつつ、露光中の散乱光が当たっても脱色せずに光分解物の発生を低減できると共に、異物検査に優れたペリクル枠体、ペリクル及びペリクル枠体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を含むアルミニウム材を使用して特定の電解液で陽極酸化処理を行い、特定の金属を電解析出させることで、従来よりもヘイズの生成原因物質である酸性成分の含有量の低減が可能になり、更には、露光中の散乱光が当たっても脱色せず、しかもペリクル枠体も黒色に近い色(濃紺黒色)になり異物検査性も良好なペリクル枠体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、ZnとMgの含有量が比較的大きいアルミニウム材を使用して、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸を含む電解液で陽極酸化処理し、Mg−Zn化合物をアルミニウム合金の表面付近に生成させることで、着色に関係する金属を陽極酸化皮膜中または孔層へ析出させることが容易になる。上記金属は、アルミニウム合金の表面層から皮膜に向かって樹氷状あるいは針状のように析出すると考えられており、この析出量が多いほど黒色に近い色になると考えられている。このとき、析出にMg−Zn化合物が何らかの影響を与えていると考えられている。このようして、ペリクル枠体において、異物検査性が良好な黒色に近い色(濃紺黒色)を得ることができる。また、有機染料を使用しないので、露光中の散乱光が当っても脱色しないペリクル枠体を得ることができる。
すなわち、本発明に係るペリクル枠体は、アルミニウム材で枠状に形成され、開口部を覆う光学的薄膜体を展張支持するペリクル枠体であって、アルミニウム材は、Cu:0.5〜3.0%、Mg:1.5〜4.5%、Zn:4.0〜7.0%を含み、アルミニウム材には、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸を含む電解液で陽極酸化処理されて表面に陽極酸化皮膜が形成されており、陽極酸化皮膜は、Ni、Co、Cu、Sn、Fe、Pb、Ca、Zn、Mgのうちの1種または2種以上が電解析出している。
また、好ましくは、電解液は、リン酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸を含む。
また、陽極酸化皮膜の色調のL値が40以下である。
また、陽極酸化皮膜の厚みが0.5μm〜10μmである。
また、本発明に係るペリクルは、上述のペリクル枠体と、ペリクル枠体の開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜とを備える。
また、本発明に係るペリクル枠体の製造方法は、アルミニウム材で枠状に形成され、開口部を覆う光学的薄膜体を展張支持するペリクル枠体の製造方法であって、Cu:0.5〜3.0%、Mg:1.5〜4.5%、Zn:4.0〜7.0%を含むアルミニウム材を枠体の形状に加工する工程と、枠体に150℃〜350℃にて熱処理を行う工程と、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸を含む電解液で枠体を陽極酸化処理し、枠体の表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、Ni塩、Co塩、Cu塩、Sn塩、Fe塩、Pb塩、Ca塩、Zn塩、Mg塩のうちの1種または2種以上を添加した浴中で電解析出処理を行って陽極酸化皮膜を着色する工程と、を含む。
本発明によれば、高エネルギーの光の照射下においてもヘイズの発生を低減しつつ、露光中の散乱光が当たっても脱色せずに光分解物の発生を低減できると共に、異物検査に優れたものとすることができる。
本発明の一実施形態に係るペリクル枠体を用いたペリクルを示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 評価結果を示す表である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素または同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るペリクル枠体を用いたペリクルを示す斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、ペリクル1は、ペリクル枠体2と、ペリクル枠体2の上縁面2eに展張支持されたペリクル膜(光学的薄膜体)3と、ペリクル枠体2の下縁面2fに塗布された粘着体10と、粘着体10に粘着され、この粘着体10を保護する保護フィルムFとを備えている。
このペリクル枠体2は、対向する一対の長辺2a,2bと、この長辺2a,2bよりも短い対向する一対の短辺2c,2dとから構成されており、平面視において矩形状を呈している。ペリクル枠体2において、長辺2aと長辺2bとの長さは等しく形成されており、短辺2cと短辺2dとの長さは等しく形成されている。ペリクル枠体2は、矩形状の開口部4を有しており、長辺2a,2b及び短辺2c,2dは、開口部4の周縁を形成している。
ペリクル膜3の材質としては、特に制限がなく、例えば、従来エキシマレーザー用に使用されている、非晶質フッ素ポリマー等が好適に用いられる。非晶質フッ素ポリマーの例としては、サイトップ(旭硝子(株)製商品名)、テフロン(登録商標)、AF(デュポン社製商品名)等が挙げられる。これらのポリマーは、ペリクル膜3の作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えば、フッ素系溶媒などで適宜溶解しえる。ペリクル枠体2にペリクル膜3を展張する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
ペリクル膜3を接着する接着剤としては、従来から使用されているものを使用でき、例えば、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、含フッ素シリコン接着剤等のフッ素ポリマー等を挙げることができるが、中でもフッ素系ポリマーが好適である。フッ素系ポリマーとしては、具体的にはフッ素系ポリマーCTシリーズ(旭硝子(株)製商品名)が挙げられる。
粘着体10としては、両面粘着テープ、シリコーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤等を挙げることができる。粘着体10は、必要により溶媒で希釈してペリクル枠体上端面に塗布し、加熱して乾燥し硬化させることにより形成することができる。この場合、接着剤の塗布方法としては、刷毛塗り、スプレー、自動ディスペンサーによる方法等が採用される。
粘着体10を保護する保護フィルムFは、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエタン、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリプロピレン等からなるフィルムを用いることができる。また、粘着体10の粘着力に応じて、離型剤、例えばシリコーン系離型剤、またはフッ素系離型剤を、保護フィルムの表面に塗布してもよい。保護フィルムの厚さは、例えば、1mm以下0.01mm以上が好ましい。
また、ペリクル枠体2には、異物を捕集したり耐光性のために内壁粘着材等を内壁に使用したり、内壁を被覆したりすることもできる。内壁粘着材としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリル系粘着材、フッ素系樹脂、フッ素系粘着材等が挙げられる。特に耐光性を考慮すると、好ましくは、フッ素系樹脂であり、具体的には、テトラフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド共重合体等を例示できるが、特にこれらに限定されない。
続いて、上述のペリクル枠体2について、より詳細に説明する。ペリクル枠体2は、アルミニウム材から形成されている。アルミニウム材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものであり、Cu:0.5〜3.0%、Mg:1.5〜4.5%、Zn:4.0〜7.0%を必須成分として含んでいる。これらの元素は、強度を向上させるために有効な成分であり、各々下限より少ないと強度不足を生じる場合がある一方、上限より多いと素材の鋳造・熱間加工性が低下し製造困難となる場合があるため、上記の含有量が好ましい。アルミニウム材は、好ましくはJIS A7000系であり、更には、強度と後述する平坦性の観点とからJIS A7075系が好適である。なお、本実施形態では、上記成分を含んでいる場合においても、アルミニウムとしている。
アルミニウム材(ペリクル枠体2)には、硫酸以外の酸性電解液を用いた陽極酸化処理により陽極酸化皮膜Pが表面に形成されている。陽極酸化処理に使用する硫酸以外の電解液は、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの酸を含む電解液である。
電解液としては、特に好ましくは、リン酸化合物、飽和ジカルボン酸、リンゴ酸、タルトロン酸であり、更に好ましくは、シュウ酸またはシュウ酸塩の水溶液である。このように、ヘイズの最大原因物質である硫酸を用いないようにして、陽極酸化処理を行う。
また、シュウ酸またはシュウ酸塩の水溶液である電解液を用いた陽極酸化処理により形成された陽極酸化皮膜Pは、電解液等が皮膜中に残存する可能性が少ないため、ヘイズを低減するイオンの総量の観点からも好ましい。さらに、アルミニウム材は、一般的に耐食性に若干劣るが、シュウ酸またはシュウ酸塩の水溶液を用いた陽極酸化処理後のアルミニウム材は、耐食性と耐磨耗性の観点からも好ましい。
以下、電解液として、シュウ酸またはシュウ酸塩の水溶液を用いる場合について説明する。但し、電解液はシュウ酸またはシュウ酸塩の水溶液に限定されるものではない。シュウ酸塩としては、シュウ酸水素カリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸アンモニウム等を挙げることができ、好ましくはシュウ酸水素カリウム、シュウ酸カリウム、及びシュウ酸ナトリウムであることがよい。電解液の濃度については、シュウ酸根(C 2−)が20〜90g/Lであることがよく、好ましくは30〜60g/Lであることがよい。シュウ酸根濃度が20g/L〜90g/Lの範囲である場合、適切な電解電圧を得ることができる。
陽極酸化処理の電圧については、10〜60Vであることがよく、好ましくは20〜50Vであることがよい。10Vより高いと、得られる陽極酸化皮膜の強度を使用するに十分なものとすることができ、60Vより低くすることで、上記皮膜中に形成されるポーラス層において大きな表面積が得られるので、後工程の着色処理で十分な着色性が得られる。また、電解液の温度については、好ましくは15〜40℃とすることがよく、陽極酸化の処理時間は、2〜60分、好ましくは5〜40分の範囲であることがよい。
そして、これら陽極酸化処理の条件を調整し、得られる陽極酸化皮膜Pの膜厚を0.5〜10μm、好ましくは1.0〜8.0μm、更には2.0〜6.0μmとすることが望ましい。陽極酸化皮膜Pの厚みが0.5μmより大きいと、着色処理で十分な着色性が得られ、陽極酸化皮膜Pの厚みが10μmより小さいと、皮膜内に取り込まれる酸性成分の量をヘイズの原因とならない程度に少なくすることができる。
上記特定の成分を含有するアルミニウム材の場合には、酸浸漬処理を行わないことが好ましい。これは、酸浸漬処理によって皮膜中のポーラス層の面積が拡大するため、染色のための染料は若干多く取り込まれるが、酸浸漬処理の際に皮膜内に残存する第二相化合物が溶解して、光の吸収・散乱が変化し、逆に黒色度が悪化してしまう場合があるからである。
また、このようにシュウ酸またはシュウ酸塩の水溶液を用いることで、一般に硫酸を用いて陽極酸化皮膜を形成する場合(通常100〜200g/L程度)に比べて、使用する酸の量を減らすことができる。また、得られた陽極酸化皮膜Pはビッカース硬度で150〜500Hv程度の硬度を有することができるため、枠体表面の傷付きや発塵を抑えることができて耐久性にも優れる。
また、上記特定の成分を含むアルミニウム材のシュウ酸液等による陽極酸化処理を行った後、イオンを低減するために酸浸漬処理を行うと、枠体にマイクロクラックと呼ばれるひび割れが発生する。このようなマイクロクラックが発生すると、このクラックに入り込んだ極小さい異物の落下の原因になったり、高エネルギー環境下では、そのクラックからヘイズの原因となり得るイオン等が発生する可能性もでてきている。そのため、ペリクルにとっては重大な問題となるため好ましくない。
なお、マイクロクラックとは、クラック幅が0.1μm以上1000μm未満のものを対象にしている。マイクロクラック数の評価方法としては、枠体表面を電子顕微鏡にて1000倍に拡大した写真において10cm(実寸法0.1mm)の直線を引き、その直線に交差するクラック数を計算する。クラックの幅は、その電子顕微鏡写真で観察できるもの、即ちクラック幅0.1μm以上のものを計数する。
一般に、マイクロクラックは、陽極酸化処理の際の電圧が低かったり、厚い膜を形成するほど入りやすくなる。マイクロクラックは、陽極酸化皮膜とアルミニウム合金の母材との線膨張係数が異なることが1つの起因と予測されている。また、陽極酸化皮膜は、皮膜が薄い場合には圧縮応力、厚い場合には引張応力が残留することが知られている。本実施形態のように、陽極酸化処理後の封孔工程(後述)で高温状態にさらされると、皮膜が薄い場合は、圧縮応力が緩和されてクラックは発生しないが、皮膜が厚い場合は、引張応力が強まり、皮膜に欠陥があるとそこを基点にクラックが発生する。また、電圧の低い皮膜は柔らかく、高いと硬いことからクラックに対する感受性が高い。
このため、膜厚が厚いと、圧縮応力の残留が大きくなりクラックの発生も高くなると考えられている。本実施形態では、イオン低減のために膜厚を0.5〜10μmとしたが、結果的には、マイクロクラックの発生抑制の効果にもつながることになった。また、陽極酸化処理の電解電圧を10V以上(好ましくは20V以上)とすることで、更に、マイクロクラックの発生抑止につながる。
更に、ペリクル枠体2は、その表面が着色されていることが好ましい。着色処理の条件については、金属を電解析出させる二次電解着色処理が好ましい。好ましくは、Ni、Co、Cu、Sn、Fe、Pb、Ca、Zn、Mgの1種または2種以上を電解析出させることであり、更に好ましくは、Ni、Co、Cu、Snの1種または2種以上を電解析出させる。二次電解着色処理は、Ni塩、Co塩、Cu塩、Sn塩、Fe塩、Pb塩、Ca塩、Zn塩、Mg塩のうちの1種または2種以上を添加した浴中に枠体を浸漬して行う。
これらの金属は、皮膜中、特に皮膜中のポア中に存在し、硫酸以外の電解液で陽極酸化した皮膜を黒色化或いは黒色に近い色に着色させるためにも必須のものであり、黒色化の関係から最適である。上記金属は、コロイド粒子或いは酸化物として存在してもよい。
着色処理において通常利用される有機染料の場合、一般的に黒色染料としてアゾ染料が使用される。アゾ染料からは、不純物としてアンモニウムイオンが検出されることがある。また、有機染料を使用した場合、短波長の光を露光する場合にエネルギーが高いため散乱光が当たって黒色染料が脱色され、光分解がおこり、その分解物がペリクル膜の表面を粗面状態にすることで膜厚が減少して透過率が下がるとも言われている。更に、光分解物がヘイズの原因にもなるとも言われている。
このため、二次電解着色処理を行うことで、アンモニア成分が存在する可能性が無くなり、更にイオン低減や耐光性が向上するため、ペリクル枠体2による透過率の低下の抑制やヘイズの抑制にも繋がる。このように、上記の金属を電解析出させることで、好適な効果を得ることが可能になる。
二次電解着色処理では、例えばJIS A7075アルミニウム合金材を用いシュウ酸水溶液で陽極酸化処理を実施した後に、金属塩を含んだ例えば硫酸Ni含有の水溶液で、10〜20Vの範囲で0.5〜10分電解着色処理を行い着色する。二次電解着色処理は、露光光の散乱防止等と異物検査性を目的としており、いわゆる黒色化或いは黒色に近い色にすることができればよい。
また、本実施形態においては、陽極酸化処理の前に、アルミニウム材の熱処理(焼鈍処理)を行うことが好ましい。予め熱処理を行うことで、アルミニウム材のひずみが除去され、陽極酸化処理で形成する陽極酸化皮膜Pのクラックの発生も抑えることができる。さらには、アルミニウム合金の微量成分であるZnやMgの溶出を促すことができ、Mg−Zn化合物を析出しやすくすることができる。具体的な処理条件については、特定の成分を含むアルミニウム材であり、高温でも結晶状態が変化しない剛性の高い母材であることから、クラックの発生やひずみ除去を考慮して、150℃〜350℃、好ましくは、200℃〜320℃、更には、250℃〜300℃である。
熱処理を行う時間としては、15分〜90分間とすることが好ましい。更には、均一な陽極酸化皮膜Pを形成するために、前処理として酸やアルカリを用いたエッチング処理を行ってもよく、得られた枠体にごみ等が付着した場合に検知し易くするために予めブラスト処理等を施すようにしてもよい。一方、洗浄度を高めるために、陽極酸化処理や着色処理や封孔処理後に、純水洗浄、湯洗浄、超音波洗浄等の洗浄処理を行うようにしてもよい。
上記のような熱処理をすることで、更に黒色化になることが判明した。JIS A7075アルミニウム合金材において、熱処理を行った場合と行わなかった場合について、それぞれX線回折を用いて測定した。熱処理の有無によりMgZnの強度に顕著な差が表れていたため、MgZnが黒色化と関係していたものと推定される。
より具体的には、アルミニウム合金の表面層にZn−Mg化合物の含有量が熱処理前より2倍以上含有していることが好ましい。このような構成とすることにより、熱処理をすることで、ひずみ取りと剛性の兼ね合いからペリクル枠体2の平坦性も得られ、更には、黒色化になるために検査性もよくなる。
ここで、黒色化の色調を数値化するのにL値という指標がある(JIS Z8729参照)。ペリクル枠体2の検査性に問題ないL値は、40以下であり、黒色または黒色に近い色(例えば、濃紺、濃茶色、濃灰色等)となる。すなわち、L値が低いほど検査性がよいことになる。なお、L値は、明度(Brightness)を示している。
また、硫酸イオン、硝酸イオン、及び有機酸イオン(シュウ酸イオン、ギ酸イオン、及び酢酸イオンの総量)の総溶出量が、ペリクル枠体2の表面積100cmあたり100mlの純水を90℃に加温し、3時間浸漬させた溶出濃度で50μg以下であることが好ましく、より好ましくは25μg以下、更により好ましくは15μg以下である。
陽極酸化処理及び着色処理を経たペリクル枠体2の表面には、これらの処理やそれ以外の処理で使用される水溶液や薬液等に含まれる酸やアルカリ成分が、そのまま或いはイオンとして付着しているものと考えられる。そこで、これらの中から代表的であり、且つヘイズの発生に影響が考えられるイオン、すなわち無機酸イオンとして硫酸イオン(SO 2−)及び硝酸イオン(NO )、有機酸イオンとしてシュウ酸イオン(C 2−)、ギ酸イオン(HCOO)及び酢酸イオン(CHCOO)が少ないほうが好ましい。
上記イオン溶出試験における溶出イオンについて、より詳しくは、有機酸イオン(シュウ酸イオン、ギ酸イオン、及び酢酸イオンの総量)の溶出量が、ペリクル枠体2の表面積100cmあたり純水100ml中への溶出濃度で35μg以下、好ましくは20μg以下、より好ましくは15μg以下であることがよい。有機酸イオンのなかでも、特にシュウ酸イオンの濃度が1μg以下、好ましくは0.8μg以下、より好ましくは0.3μg以下であることがよい。また、無機酸イオンでは、硫酸イオンの溶出量が枠体表面積100cmあたり純水100ml中への溶出濃度で0.5μg以下、好ましくは0.1μg以下、より好ましくは0.05μg以下であることがよい。溶出イオンの検出はイオンクロマトグラフ分析により行い、詳細な測定条件については後述する実施例にて説明する。
また、着色処理の後に、封孔処理を行ってもよい。封孔処理の条件については特に制限されず、公知の方法を採用することができるが、処理後は純水洗浄を十分に行うようにする。好ましくは純水温度を50〜95℃とし、10分〜24hrの洗浄を行うようにするのがよい。この封孔処理を行うことにより、仮に皮膜中に酸性成分が残存していたとしても、表面からの流出を抑えることができる。
続いて、上述の構成を有するペリクル枠体2の製造方法について説明する。まず、Cu:0.5〜3.0%、Mg:1.5〜4.5%、Zn:4.0〜7.0%を含むアルミニウム材を準備する。そして、このアルミニウム材を枠体の形状に加工し、さらに、この枠体を150℃〜350℃で熱処理する。次に、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの電解液で枠体を陽極酸化処理し、枠体の表面に陽極酸化皮膜Pを形成する。その後、Ni塩、Co塩、Cu塩、Sn塩、Fe塩、Pb塩、Ca塩、Zn塩、Mg塩の1種または2種以上を添加した浴中で二次電解析出処理を行い、金属を電解析出させて陽極酸化膜Pを着色する。以上により、ペリクル枠体2が得られる。なお、具体的な製造方法については、実施例にて説明する。
以上説明したように、ペリクル1は、ペリクル枠体2の上縁面2eにペリクル膜3が貼着されていると共に、その反対側の下縁面2fに粘着層10が設けられている。ペリクル枠体2を形成するアルミニウム材は、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの電解液で陽極酸化処理された陽極酸化皮膜Pが表面に形成されており、アルミニウム材の素材には、Cu0.5〜3.0%、Mg1.5〜3.0%、Zn4.0〜7.0%が含まれている。更に着色処理に金属を電解析出させる二次電解着色を行うことで、高エネルギーの光の照射下においてもヘイズの発生を低減しつつ、露光中の散乱光が当たっても脱色せずに光分解物の発生を低減できると共に、異物検査に優れたペリクル枠体2とすることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
JIS A7075アルミニウム合金材を切断し、枠体外寸法149mm×122mm×5.8mm、枠体厚さ2mmとなるように切削研磨して枠材を用意した。陽極酸化処理に先駆けて、大気中で280℃、30分間の熱処理を行った。次いで、シュウ酸50g/Lの水溶液(C 2−:48.9g/L)を電解液として、30℃で電解電圧20Vの定電圧電解を15分行い、上記枠材を陽極酸化処理した後、純水にて洗浄した。
そして、上記処理した枠材を、酢酸ニッケル50g/Lとホウ酸30g/Lを添加した水溶液で、30℃において15Vで10分間交流電解を行なった。その後、封孔剤(花見化学社製 シーリングX)を濃度40ml/Lで含有した水溶液に枠材を入れ、90℃にて20分浸漬して封孔処理を行った。そして純水にて十分に洗浄し、ペリクル枠体を得た。ここで、上記ペリクル枠体の明度であるL値を測定した(JIS Z8729参照)。その結果を図3に示す。
また、上述の方法で得られたペリクル枠体をポリエチレン袋に入れ、枠体表面積100cmあたり純水100mlを加えて密封し、90℃に保って3時間浸漬した。このようにして枠体からの溶出成分を抽出した抽出水を、セル温度35℃、カラム(IonPacAS19)温度35℃とし、1.0ml/minの条件でイオンクロマトグラフ分析装置(日本ダイオネクス社製ICS−2100)を用いて分析した。この抽出水から、硫酸イオン、硝酸イオン、及び有機酸イオン(シュウ酸イオン、ギ酸イオン及び酢酸イオン)を検出した。結果を図3に示す。なお、図3において、「<0.50」は、定量下限以下であることを示している。
更に、本実施例1の条件で得た別のペリクル枠体の表面に、ArFエキシマレーザーを、露光強度を0.7mJ/cm/pulse、繰り返し周波数200Hzにて10000J/cmの照射量で照射した。照射前後のペリクル枠体の色合いを確認した。その結果を図3に示す。
また、本実施例1の条件で得た別のペリクル枠体の片側面に光学的薄膜体として厚さ0.8μmの非晶質フッ素ポリマーを展張し、反対側の枠体端面にはアクリル系粘着体からなる粘着体を設けて試験用ペリクルとした。そして、この試験用ペリクルを、Crテストパターンを形成した石英ガラス製6インチフォトマスク基板(レティクル:表面残留酸成分の濃度が1ppb以下になる条件で洗浄したもの)に貼り付けた。次いで、ArFエキシマレーザーを、レティクル面上露光強度を0.7mJ/cm/pulse、繰り返し周波数200Hzにて10000J/cmの照射量で照射した。照射後のフォトマスク上をレーザー異物検査装置にて観察し、ヘイズや異物の発生の有無を調べた。結果を図3に示す。
[実施例2]
実施例1で用意したものと同じ枠材を、熱処理しない以外は実施例1と同様にしてペリクル枠体及びペリクルを準備した。そして、図3に示す項目を実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。
[実施例3]
実施例1で用意したものと同じ枠材を、陽極酸化処理に先駆けて、大気中で280℃、30分間の熱処理を行った。ついで、陽極酸化処理での電解時間を20分にして、電解着色の金属塩を硫酸Niにした以外は実施例1と同様にしてペリクル枠体及びペリクルを準備した。そして、図3に示す項目を実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。
[実施例4]
実施例1で用意したものと同じ枠材を、熱処理しない以外は実施例3と同様にしてペリクル枠体及びペリクルを準備した。そして、図3に示す項目を実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。
[比較例1]
陽極酸化処理に用いる電解液を硫酸160g/Lの水溶液として、15℃で電解電圧20Vの定電圧電解を25分行った以外は実施例3と同様にしてペリクル枠体及びペリクルを準備した。そして、図3に示す項目を実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。
[比較例2]
陽極酸化処理前の熱処理を行わない以外は比較例1と同様にしてペリクル枠体及びペリクルを準備した。そして、図3に示す項目を実施例1と同様にしてそれぞれ評価した。
1…ペリクル、2…ペリクル枠体、3…ペリクル膜(光学的薄膜体)、4…開口部、P…陽極酸化皮膜。

Claims (6)

  1. アルミニウム材で枠状に形成され、開口部を覆う光学的薄膜体を展張支持するペリクル枠体の製造方法であって、
    Cu:0.5〜3.0%、Mg:1.5〜4.5%、Zn:4.0〜7.0%を含む前記アルミニウム材を枠体の形状に加工する工程と
    前記枠体に150℃〜350℃にて熱処理を行う工程と、
    熱処理が行われた前記枠体の表面に、リン酸化合物、ホウ酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、オキシモノカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸を含む電解液により陽極酸化処理、陽極酸化皮膜形成する工程と
    Ni、Co、Cu、Sn、Fe、Pb、Ca、Zn、Mgのうちの1種または2種以上を添加した浴中で電解析出処理を行って前記陽極酸化皮膜を着色する工程と、を含むペリクル枠体の製造方法
  2. 熱処理後の前記アルミニウム材の表面層におけるZn−Mg化合物の含有量、熱処理前の2倍以上とする、請求項1に記載のペリクル枠体の製造方法
  3. 前記電解液は、リン酸化合物、飽和ジカルボン酸化合物、リンゴ酸、タルトロン酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの酸を含む、請求項1または2に記載のペリクル枠体の製造方法
  4. 前記陽極酸化皮膜の色調のL値40以下とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペリクル枠体の製造方法
  5. 前記陽極酸化皮膜の厚み0.5μm〜10μmとする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペリクル枠体の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のペリクル枠体の製造方法により製造されたペリクル枠体と、
    前記ペリクル枠体の開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、を備えるペリクル。
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