JP2008038237A - アルミナ多孔質構造体の製造方法 - Google Patents

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Shigeru Suehara
茂 末原
Yoshinobu Katsuta
喜宣 勝田
Satoru Inoue
井上  悟
Kenji Wada
健二 和田
Takeru Koike
長 小池
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Abstract

【課題】陽極酸化多孔質皮膜の作製法において、ミクロンオーダーの細孔径を形成するこ
とができるセルサイズを有するアルミナ多孔質構造体の製造方法が求められている。
【解決手段】アルミニウムを電解液に浸漬して行う陽極酸化を利用したアルミナ多孔質構
造体の製造方法であって、前記電解液が陽極酸化の設定電圧を超える絶縁破壊電圧を有し
ており、該設定電圧は200V以上とし、0.2V/sec〜5V/secの勾配で該設
定電圧まで昇圧する電圧を印加するステップを有し、該ステップにおいて、電圧の上昇に
従って抵抗値が大きくなる領域、電圧の上昇に従って抵抗値が小さくなる領域とが存在し
、抵抗値の極大が観測される電解液条件であることを特徴とするアルミナ多孔質構造体の
製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、陽極酸化を利用したアルミナ多孔質構造体の製造方法、特に、ミクロンオー
ダーの細孔径を形成することができるセルサイズを有するアルミナ多孔質構造体の製造方
法に関する。
多孔質型の陽極酸化皮膜の製造に一般的に使用される金属はアルミニウムである。アル
ミニウムの陽極酸化においては、硫酸、シュウ酸、リン酸などの適度の化学溶解力を持つ
酸性溶液中ではナノオーダーの微細孔が無数に配列した形状の多孔質皮膜が生成する。こ
の多孔質皮膜は、図1に示すように、アルミニウムの表面に垂直なセルの集合体であり、
微細孔底部には下地金属と密着した半円球状のバリア層が存在している。
ここで言うセルとは一つの微細孔を取り囲む酸化皮膜全体のことを言い、1個のセルの
平面的な領域の大きさ(セルサイズ)とセルの高さ(皮膜厚さ)で特徴付けられる。これ
らは、図1では、セルサイズ(Cell Size)δ、セルの高さ(Thickness)Δで示されている
。また、多孔質皮膜の微細孔の孔径は一般的にセルサイズに比べてかなり小さいが、その
周りのセル壁を溶解させることによりセルサイズと同程度まで拡大できる。一方、セルサ
イズは陽極酸化時における電圧に依存しており、電圧が大きければ大きいほどセルサイズ
も大きくなることが知られている。
前述したように、細孔径はセルサイズと同程度まで拡大できる。また、セルサイズは電
解時における電圧に依存しており、電圧が大きくなるに従ってセルサイズも大きくなる。
しかし、従来の硫酸、シュウ酸、リン酸などの無機酸系の電解液が主体となる陽極酸化で
は、大きくても約500nm程度のセルサイズしか作製することができなかった。このと
きの電圧は約200V程度であり、これ以上の電圧を印加すると、電解液が絶縁破壊を起
こし、多孔質皮膜を形成することができなかった。一方、分子量の大きな有機酸では高電
圧を印加することができることが知られているが、一般に有機酸溶液などの中性付近の電
解液では溶解力が小さいため、多孔質皮膜ではなくバリア型皮膜が形成されることが知ら
れている。(例えば、非特許文献1)
上述の課題を解決するために、高電圧をかけることができる有機酸溶液が研究されてい
る。例えば、ミクロンオーダーのセルサイズのナノ構造体を製造するために、電解液を無
機酸から選ばれる第一の酸とジカルボン酸又はトリカルボン酸から選ばれる第二の酸とを
混合したものにし、アルミニウムに高い電圧を印加する方法が開示されている。(例えば
、特許文献1)
上述の技術では、陽極酸化の電圧を高くするために第二の酸を用い、陽極酸化皮膜を多
孔質型にするために第一の酸を用いている。この方法では、ミクロンオーダーの細孔径を
形成することができるセルサイズを有するアルミナ多孔質構造体を形成するために、電解
液として複数の酸を使用するので、電解液の管理が煩雑である。また、陽極酸化により多
孔質金属酸化物を所定厚み形成する工程と、前記工程により形成された細孔の一部を閉塞
する工程と、前記工程の後、さらに陽極酸化を行う工程からなる製造方法(特許文献2)に
より、細孔径の大きさ30〜500nm、セルサイズ50nm〜15μmの範囲の多孔質
金属酸化物を提供できるという。
また、初期の電圧を20V以下とし、その後処理電圧を上昇させて、最終電圧が初期の
処理電圧の5倍以上になるように設定する陽極酸化皮膜の形成方法が開示されている。(
例えば、特許文献3)
しかし、上述の技術は、電流密度が一定になるように電圧を変化させる、定電流陽極酸
化に関するものである。また、陽極酸化皮膜に形成されているポアが、内部において表面
口部より大径な大径部を有するアルミニウム陽極酸化皮膜の形成方法に関するものであり
、最大処理電圧は無機酸を使用することから、180V程度となされており、その際の最
大のポア径は約200nm程度と記載されている。
表面技術便覧 社団法人表面技術協会編集 1998年2月27日発行 日刊工業新聞社発行 P.507 特開2005−179730号公報 特開2005−097656号公報 特開2000−109996号公報
陽極酸化多孔質皮膜を利用するナノ構造体の作製法の一つにゾルゲル法があげられる。
この方法では、まず鋳型となる多孔質皮膜を作製した後に、各種化合物のゾルを多孔質皮
膜の細孔中に導入し、加熱等の方法でゲル化することでナノチューブやナノワイヤなどの
ナノ構造体を作製することができる。しかし、ゾルの粘度や形状によっては細孔中に化合
物が導入できない場合が生じてくる。このような問題に対応するためにミクロンオーダー
の細孔径が必要になってきた。また、用途によっては、ミクロンオーダーの細孔径や、直
径がミクロンオーダーのナノチューブ、ナノワイヤが必要な場合もあり、ミクロンオーダ
ーの細孔径を形成することができるセルサイズを有するアルミナ多孔質構造体の製造方法
が求められている。
本発明者らは、陽極酸化のプロセスでどのような現象が発生しているのかを理解するた
めに、電気的パラメータを精密に制御し、また、電流・電圧を正確に測定・モニターする
研究に取り組み、今まで知られていなかった陽極酸化のメカニズムを発見した。そして、
このメカニズムを利用して、ミクロンオーダーの細孔径を形成することができるセルサイ
ズを有するアルミナ多孔質構造体を製造する技術を確立した。
本発明は、アルミニウムに印加する陽極酸化電圧を予め定められた勾配で昇圧すること
で、セルサイズがミクロンオーダーのアルミナ多孔質構造体を製造する方法に関するもの
である。ここで、ミクロンオーダーとは、厳密に定義されるものではないが、本発明では
、0.3μm〜3μm程度を意味するものとする。本発明の方法によれば、0.3μm以
上、より好ましくは、0.5μm程度以上2μm程度までのセルサイズを容易に形成でき
る。
セルサイズ、孔径は、試料の表面及び断面を、FESEM(電界放出形走査電子顕微鏡)を
用いて測定される。具体的にはFESEMで得られた像を写真撮影し、セルサイズや孔径を直
接目視により測定し、平均値を求めることにより決定される。平均値を求めるために用い
られる測定セルの個数は、例えば、隣接する10、100、1000など任意の数とし、
測定値を平均することにより得られる。本発明の実施例では、隣接する100個の平均値
を用いた。
すなわち、本発明は、(1)アルミニウムを電解液に浸漬して行う陽極酸化を利用した
アルミナ多孔質構造体の製造方法であって、前記電解液が陽極酸化の設定電圧を超える絶
縁破壊電圧を有しており、該設定電圧は200V以上とし、0.2V/sec〜5V/s
ecの勾配で該設定電圧まで昇圧する電圧を印加するステップを有し、該ステップにおい
て、電圧の上昇に従って抵抗値が大きくなる領域、電圧の上昇に従って抵抗値が小さくな
る領域とが存在し、抵抗値の極大が観測される電解液条件とすることを特徴とするアルミ
ナ多孔質構造体の製造方法である。
本発明では、アルミニウム金属およびアルミ合金、さらにはそれらを含む複合多層膜の
うち、全部またはその一部が陽極酸化可能なものを含む。
陽極酸化の設定電圧を200V以上とすることにより、ミクロンオーダーのセルサイズ
を有する多孔質陽極酸化皮膜を形成することができる。電解液の種類と濃度、温度によっ
て、アルミニウムに印加できる電圧には限界があり、そのため、その範囲で目的に応じて
最大電圧が設定される。
アルミニウムに印加できる最大の電圧を上げる方法としては、有機酸を使用することが
効果的である。例えば、電解液をクエン酸とした場合、最大電圧は400V以上まで、リ
ンゴ酸では350V以上まで設定可能である。
その他の方法として、無機酸からなる電解液にアルキレングリコール類等の導電性の低
い有機物を一種類又は複数種類添加する方法がある。例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、グロセロール等のアルキ
レングリコール類やポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類等のポリア
ルキレングリコール類等の有機物を電解質の10〜85重量%までの範囲で含ませること
ができる。
多孔質膜を得るためにアルミニウムに印加できる電圧の上限は、電解液の種類や濃度、
温度によって変化する。例えば、電解液の濃度を低くすれば上限の電圧を高くすることが
でき、電解液の濃度を高くすれば上限の電圧は低くなる。この例として、リンゴ酸溶液2
wt%および4wt%を用いて良質な多孔質膜を得るための限界の電圧は、それぞれ36
0V、220V程度となることが挙げられる。
一方、アルミニウムに高電圧を印加できたとしても、電解液の溶解力が過度に低い、ま
たは高いと多孔質化は起こらない。溶解力の調整は電解液の濃度と温度を変化させること
で行う。例えば、電解液温度を低くすれば溶解力を低くすることができ、温度を高くすれ
ば溶解力を高くすることができる。この例として、印加電圧を280Vとし6wt%クエ
ン酸溶液を用いると、電解液の温度が0℃近傍、および60℃では多孔質膜が成長せず、
30℃では良好な多孔質膜が生成することが挙げられる。
つまり、単一の酸からなる電解液での多孔質膜生成のための最大の印加電圧や化学溶解
力の調整は、電解液の種類や濃度、温度を変えることによって可能となる。
昇圧速度を5V/sec以下とすることにより、単一の有機酸であっても、酸による溶
解速度と皮膜形成速度を適度に保つことができ、アルミナ表面に規則的な凹凸を設けるこ
とができる。また、200V以上の設定電圧まで昇圧した後の電圧を一定に維持すること
により、その電圧に相当するセルサイズを有するアルミナ多孔質構造体を安定して製造す
ることができる。昇圧速度が5V/sec超であると、多孔質型の陽極酸化にならなかっ
たり、多孔質皮膜が生成されても細孔の配列が乱れたり、均質な膜が生成されない場合が
ある。特に限定はされないが、昇圧速度が0.2V/secより小さいと、製造速度が遅
くなり、工業的には不利な条件となる。本発明の昇圧速度は、2.5V/sec以下であ
ればさらに好ましい。
また、定められた勾配で昇圧する電圧は、必ずしも直線的なものでなくてもよく、また
、なだらかなものである必要はなく、パルス状のプロファイルであってもよい。例えば、
電圧の印加時間が1秒〜60秒、電圧を印加しない時間が1秒〜60秒といったパルス状
のプロファイルが好適に採用できる。特に電圧の印加時間と電圧を印加しない時間の比が
1対1〜1対10程度であれば、電解液の温度上昇が抑えられ特に好適である。
通常、アルミニウムの陽極酸化を開始すると、アルミニウム表面に陽極酸化皮膜が形成
されるので、陽極酸化のための電流量を増やすと電圧も高くなる。つまり、流す電流の増
加割合を予め定めることにより、印加する電圧の昇圧勾配を決めることと同様の陽極酸化
のメカニズムを発生させることができる。したがって、本発明の方法において、定められ
た勾配で昇圧する方法として、流す電流の増加割合を予め定める方法を採用しても良い。
また、本発明は、(2)前記電解液が単一の有機酸からなることを特徴とするアルミナ
多孔質構造体の製造方法である。
本発明に採用される有機酸としては、リンゴ酸、シュウ酸やコハク酸、クエン酸等のジ
カルボン酸、またはトリカルボン酸等が挙げられる。図2に、本発明の方法によってクエ
ン酸液、リンゴ酸液を用いて得られる多孔質アルミナ皮膜における陽極酸化の設定電圧と
セルサイズの関係を従来のリン酸液、硫酸液、シュウ酸液を用いた場合と比較して示す。
特にクエン酸は設定電圧280〜420Vの高電圧でセルサイズ0.6〜1.0μm程度
を形成することができる。
また、本発明は、(3)アルミニウムを電解液に浸漬して行う陽極酸化を利用したアル
ミナ多孔質構造体の製造方法であって、陽極酸化の設定電圧は200V以上として、予め
0.2V/sec〜5V/secの勾配で昇圧する電圧を印加し、その印加された電圧値
に対応してアルミニウムに流れる電流値を測定し、前記電圧値と前記電流値とから抵抗値
の変化を求め、その抵抗値が極大値から小さくなり0になる直前の極大値の1/100以
下となった際の印加電圧を陽極酸化処理の最大電圧とし、該最大電圧以下の電圧を設定電
圧とすることを特徴とする請求項1記載のアルミナ多孔質構造体の製造方法である。
本発明の陽極酸化方法によれば、陽極酸化初期の電圧上昇時において抵抗値変化を観測
すれば、多孔質型の陽極酸化が行えるかどうかが判断できる。つまり、電解液の種類や濃
度、温度等により、陽極に印加可能な最大の電圧や化学溶解力を変化させることにより、
単一の有機酸からなる電解液によって、高電圧で多孔質型の陽極酸化が行える。また、最
適な定電圧陽極酸化の電圧を決定でき、セルサイズをコントロールすることができる。
上述したように、本発明のアルミナ多孔質構造体の製造方法によれば、ミクロンオーダ
ーのセルサイズを有するアルミナ多孔質構造体を、複雑な電解液を使用することなく、簡
単な工程管理で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図3は、本発明の陽極酸化の
方法の電気回路を示す模式図である。図4は、本発明の陽極酸化の方法に用いる電圧プロ
ファイルのグラフである。図 5は、本発明によるアルミニウムの陽極酸化のステップ毎
の酸化被膜の生成状態を模式的に示す断面図である。
図3においては、電源装置1には制御装置2が接続されており、電源装置1から供給さ
れる電圧のプロファイルが制御装置2により制御されている。また、電源装置1には、電
解槽6の中の電解液5に浸されたアルミニウム7と白金や炭素等からなる電極8とが接続
されている。さらに、電源装置1から供給される電圧値に対応する電流値を測定できるよ
うに電流計3が、また、電圧プロファイルの任意の時間における電圧値を測定できるよう
に電圧計4が設けられている。
図4には、電圧計4により測定された電圧値と、その電圧値と電流計3により測定され
た電流値とから計算された抵抗値プロファイルが右目盛りR(抵抗)で示されている。図
4の左目盛りV(電圧)で示される電圧プロファイルは、直線的に電圧が上昇していく(i
)電圧上昇のステップと、電解液の絶縁破壊電圧未満で、かつ200V以上の電圧に維持
する(ii)設定電圧保持のステップとから構成されており、これらは制御装置2で制御され
ている。(i)では、電圧の上昇に従って抵抗値が大きくなる(a)の領域、電圧の上昇に
従って抵抗値が小さくなる(b)の領域に区別でき、抵抗値の極大がある。また、(ii)に
おいては、抵抗値が大きくなる領域(c)、抵抗値が小さくなる領域(d)、抵抗値がほ
ぼ一定の領域(e)に区別できる。
本発明では、アルミニウムに印加できる最大の電圧を、上記電圧上昇のステップの電圧
の上昇に従って抵抗値が小さくなっていく領域(b)に注目し、その抵抗値がほぼ0にな
る直前、定量的に定義するとすれば、抵抗値が極大値から小さくなり極大値の1/100
以下となった際の印加電圧として定義できる。抵抗値の絶対値はアルミニウム試料の大き
さに依存して変化するので、このように、相対値を基準にして定義することとするが、1
/100となった際の印加電圧以下0Vの範囲の印加電圧の値は厳密には相違するが、そ
の差は1V程度であり無視できるので、この範囲内の印加電圧の測定により得られる電圧
をアルミニウムに印加できる最大の電圧とする。
図4、図5を用いて、多孔質陽極酸化皮膜生成のメカニズムを説明する。図4と図5の
(a)〜(e)はそれぞれ対応した領域を示している。(a)の領域では抵抗値が上昇し
ている。これは、電場によってアルミニウムの酸化反応が進められ、もともとアルミニウ
ム表面に存在する自然酸化皮膜をさらに厚くさせた酸化皮膜であるバリア層が成長した結
果生じる。(b)の領域では、電圧の上昇とともに電場アシストによる電解液の溶解力が
増加し、酸化皮膜表面の侵食による荒れ、つまり凹凸ができ始める。このとき、酸化皮膜
の凹凸部は厚肉部と薄肉部になり、薄肉部分では電流がアルミニウム表面に通りやすくな
るために抵抗が減少していると考えることができる。
(b)の領域において抵抗値が0に近づくまでは電圧を上昇することができるため、抵
抗値が極大値から小さくなり、抵抗値が0直前になるまで、すなわち、極大値の1/10
0以下の抵抗値となるまで昇圧させてその際の印加電圧を求めることによって到達可能な
最大電圧を知ることができる。したがって、電解液の種類や温度によって、予め、陽極酸
化の最大電圧を決めることができる。とくに、200V以上の到達電圧を得ることで、電
圧に応じたミクロンオーダーのセルサイズを決めることができ、設計通りの細孔径を有す
る多孔質型陽極酸化皮膜を製造することができる。
(c)の領域以降は、一般的に定電圧陽極酸化のプロセスとして知られている。まず、
(c)の領域では抵抗値が急激に上昇している。これは、設定電圧に到達した瞬間から始
まっている。この現象は二つの原因により生じていると考えられる。
第一の原因は、設定電圧までのバリア層の成長である。つまり、陽極酸化電圧は(i)
の領域を通して設定電圧まで常に上昇させてきたが、(ii)のごく初期、すなわち(c)の
領域では、その電圧に見合うだけのバリア層がまだ成長しておらず、そのため設定電圧分
までのバリア層がこの時点でも生成され続けていることによる。
第二の原因として、電場アシストによる電解液の溶解力増加の停止が考えられる。電場
アシストによる溶解は、薄肉部のバリア層(微細孔底部)に流れた電流によって発生した
ジュール熱により、その部分のバリア層の温度が上昇し、電解液として用いる酸溶液の溶
解力が局所的に増すことによって起こる現象である。(i)の領域で常に上昇し続けてきた
電圧により電場アシストによる電解液の溶解力も上昇を続けていたが、(ii)の領域では設
定電圧に到達して電圧は定常状態になる。すなわち、電圧上昇の停止がバリア層−溶液界
面でのバリア層の加熱の上昇を止め、電場アシストの電解液の溶解力を大きく下げている
と考えられる。このような酸化皮膜の成長と電解液の溶解力の低下という二つの理由で酸
化皮膜の生成が加速され、その結果として(c)領域の初期では抵抗値が急激な増加を始
める。その後、酸化皮膜は次第に成長し、(c)領域の最終段階では設定電圧分のバリア
層が形成される。
(d)領域での抵抗値の減少は、(c)領域の最終段階で設定電圧分まで達したバリア
層の表面に化学溶解によって形成された微細な凸凹の凹(すなわち膜厚の薄くなっている
)部分で、再び電場アシストの電解液の溶解力が働き出し、酸化皮膜の再侵食が起こるこ
とによる。すなわち多孔質化の開始によって抵抗値が下がる。その後、(e)の領域では
、抵抗値および電流密度は皮膜の溶解と生成がつり合うようにほぼ一定になりながら多孔
質皮膜が成長していく。
つまり、電圧の上昇により抵抗値が大きくなる(a)の領域と、電圧の上昇により抵抗
値が小さくなる(b)の領域とが観測できれば、電解液が溶解力の小さいものであっても
多孔質陽極酸化皮膜が形成されることになる。また、多孔質陽極酸化皮膜のセルサイズは
、印加される設定電圧により定まるため、予め、電解液の種類や電解液の温度により決定
される最大印加電圧までの昇圧時間を変え、(a)の領域と(b)の領域が観測される電
圧プロファイルを見つけることにより、多孔質陽極酸化皮膜を製造できることになる。例
えば、溶解力の小さい電解液であれば温度を高くすることにより多孔質化が可能な最大印
加電圧を高くすることが可能となる。
電源装置1にはPVS600−2 with GPIB(菊水電子工業;600VDC/
2A)を使用し、IGOR(WAVEMETRICS社;波形解析ソフトウェア)を用いて
GPIB制御プログラム(以下、ACSと呼称する)を作製した。ACSは陽極酸化処理
全体を電気的に制御・監視するグラフィカルユーザーインターフェースを備えた総合ソフ
トウェアである。ACSは電圧または電流プロファイルを一秒おきに確認し、プロファイ
ルに従って電圧または電流を陽極酸化電極に印加するようになっている。
出力した電圧および電流の測定は、リアルタイムに行われ、抵抗値は測定された電圧お
よび電流値よりオームの法則によって計算される。総電荷量は測定した電流値を積分する
ことで得ており、また、この総電荷量には上限値(Limit)を設けた。ACSの自動
停止法の一つがこの総電荷量のLimitである。あらかじめ総電荷量を設定しておくと
、その値に達したときに陽極酸化が終了する。総電荷量はアルミニウムをAl2O3に変化さ
せた量を示しており、酸化皮膜厚さに比例すると考えられるため、この機能により酸化皮
膜厚さを制御することが可能である。
また、ACSは上述の総電荷量による自動停止機能の他に、時間による自動停止機能、
焼けと呼称される酸化膜の絶縁破壊が観測されたはじめた場合の、焼け防止プログラムへ
の自動移行などの機能を有している。制御装置2としては、汎用のパソコンを使用するこ
とができる。また、電流計3、電圧計4は電源装置1に内蔵されている。
上述の装置を使用して陽極酸化を行った。試料として純度99.99 %のアルミニウ
ム板 (幅17×長さ42×厚さ0.5 mm)を用いた。前処理としてアセトン超音波洗
浄による脱脂を10分間行った。
10℃、6wt%クエン酸溶液(関東化学・JIS特級)を電解液として用い、昇圧速
度を1.2V/secとして陽極酸化を開始したところ、抵抗値の極大が観測され、抵抗
値が0になる電圧が305V程度であることがわかった。したがって、この電解液での最
大電圧は305Vである。次に、再現性を考慮し、陽極酸化を安定して行うという条件か
ら280Vに設定電圧を決定し、昇圧速度を2.3V/sec、1.2V/sec、0.
8V/sec、0.6V/secと変化させて、総陽極酸化時間を3000secの陽極
酸化を行った。得られた陽極酸化皮膜のセルサイズ、細孔径、皮膜の厚さは、いずれ条件
においても、それぞれ、750nm程度、150nm程度、3μm程度であった。なお、
セルサイズ、孔径は、FESEMで得られた試料の表面像写真の互いに隣接するセル100個
についての目視測定による平均値を用いた。
実施例1と同じ装置と試料、同様な前処理を行って電解液の温度を変化させて陽極酸化
を行った。電解液の温度を30℃、40℃と変えて陽極酸化したところ、昇圧ステップで
抵抗値の極大が観測されたが、実施例1との比較のために設定電圧を280Vとした。得
られた陽極酸化皮膜のセルサイズと細孔径は、実施例1と同じ条件で測定したところ、い
ずれも750nm程度、150nm程度であったが、皮膜の厚さは、それぞれ、2μm程
度、0.5μm程度であった。これは実施例1よりも電解液の温度が高く、その溶解力が
高いため、皮膜の成長が遅くなったことによるものである。
実施例1と同じ装置と試料を使い、同様な前処理を行って陽極酸化を行った。10℃、
1.2wt%のクエン酸溶液(関東化学・JIS特級)を電解液として用いた。実施例1
と同様に抵抗値の極大を観測し最大電圧を求めたところ、430V程度であった。次に、
この電解液を用い、設定電圧を420Vに決定し、1V/secの昇圧速度で420Vま
で電圧を昇圧し、2500秒の間420Vを保持した。得られた陽極酸化皮膜のセルサイ
ズは、実施例1と同じ条件で測定したところ、1.2μm、細孔径は200nm、皮膜の
厚さは約1.2μm程度であった。また、その後、10A/mで定電流陽極酸化で約4
000秒行なったもののセルサイズは1.2μm、陽極酸化皮膜の厚さは、3.5μmで
あった。図6に、得られたAl試料のFESEM像を示す。約1μのセルサイズを持つ多
孔質膜が形成されていることが分かる。
実施例1と同じ装置と試料を使い、同様な前処理を行って陽極酸化を行った後、細孔径
の拡大を行った。20℃、4wt%のリンゴ酸溶液(関東化学・特一級)を電解液として
用いて、実施例1と同様の陽極酸化を行った。設定電圧は220Vに決め、1V/sec
の昇圧速度で220Vまで電圧を昇圧し、2500秒間220Vを保持した。得られた陽
極酸化皮膜のセルサイズは、実施例1と同じ条件で測定したところ、525nm、孔径は
104nmであった。皮膜の厚さは約3000nmであった。この陽極酸化皮膜を20℃
、5wt%のKOH水溶液中で浸漬溶解させたところ、浸漬時間5分で174nm、10
分で297nm、15分で437nmまで孔径が拡大された。
実施例1〜4の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2008038237
アルミニウムの陽極酸化により生成されるミクロンオーダーのアルミナ多孔質陽極酸化
構造体は光学デバイス、化学センサ、マイクロレジスタ、電解コンデンサなど様々なナノ
構造体に応用されているが、本発明の方法はこのような用途に多大な貢献をなすことがで
きる。本発明によれば、このように応用範囲の広い陽極酸化皮膜を設計通りのセルサイズ
、孔径、膜厚で製造でき、コストダウンと品質向上に資すること大である。
セルサイズとセルの高さの関係を模式的に示す断面図である。 本発明の方法及び従来の方法によって得られる多孔質アルミナ皮膜における陽極酸化の設定電圧とセルサイズの関係を示すグラフである。 本発明の陽極酸化の方法の電気回路を示す模式図である。 本発明の陽極酸化の方法に用いる電圧プロファイルのグラフである。 本発明によるアルミニウムの陽極酸化のステップ毎の酸化被膜の生成状態を模式的に示す断面図である。 実施例3で得られたAl試料の図面代用FESEM写真である。
符号の説明
1 電源装置
2 制御装置
3 電流計
4 電圧計
5 電解液
6 電解槽
7 アルミニウム
8 電極

Claims (3)

  1. アルミニウムを電解液に浸漬して行う陽極酸化を利用したアルミナ多孔質構造体の製造方
    法であって、前記電解液が陽極酸化の設定電圧を超える絶縁破壊電圧を有しており、該設
    定電圧は200V以上とし、0.2V/sec〜5V/secの勾配で該設定電圧まで昇
    圧する電圧を印加するステップを有し、該ステップにおいて、電圧の上昇に従って抵抗値
    が大きくなる領域、電圧の上昇に従って抵抗値が小さくなる領域とが存在し、抵抗値の極
    大が観測される電解液条件であることを特徴とするアルミナ多孔質構造体の製造方法。
  2. 前記電解液が単一の有機酸からなることを特徴とするアルミナ多孔質構造体の製造方法。
  3. アルミニウムを電解液に浸漬して行う陽極酸化を利用したアルミナ多孔質構造体の製造方
    法であって、前記電解液が陽極酸化の設定電圧を超える絶縁破壊電圧を有しており、該設
    定電圧は200V以上として陽極酸化するに際して、予め0.2V/sec〜5V/se
    cの勾配で昇圧する電圧を印加し、その印加された電圧値に対応してアルミニウムに流れ
    る電流値を測定し、前記電圧値と前記電流値とから抵抗値の変化を求め、その抵抗値が極
    大値から小さくなり0になる直前の極大値の1/100以下となった際の印加電圧を陽極
    酸化処理の最大電圧とし、該最大電圧以下の電圧を設定電圧とすることを特徴とする請求
    項1記載のアルミナ多孔質構造体の製造方法。
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