JP2010083351A - 車両用駆動装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速に行う。
【解決手段】本発明の車両用駆動装置の制御方法は、第2モータを駆動してエンジンを停止するモータ走行モードから、エンジン2を駆動して第2モータを停止または駆動するエンジン走行モードに移行する際に、第1モータの駆動力によりエンジンを始動するとともに、その際の出力制御手段の制御量(スロットル開度TO)を、アクセル開度AOにかかわらず所定の高値に設定するステップ(S2)と、このステップの後、エンジンと車輪(R)との間で動力を伝達または切断する断続手段の上流部と下流部とが同期する前に、上記第1モータのトルク値を発電側に切り替えるステップ(S6)と、上記断続手段の上流部と下流部とが同期した状態で断続手段を締結するステップ(S9)とを含む。
【選択図】図6
【解決手段】本発明の車両用駆動装置の制御方法は、第2モータを駆動してエンジンを停止するモータ走行モードから、エンジン2を駆動して第2モータを停止または駆動するエンジン走行モードに移行する際に、第1モータの駆動力によりエンジンを始動するとともに、その際の出力制御手段の制御量(スロットル開度TO)を、アクセル開度AOにかかわらず所定の高値に設定するステップ(S2)と、このステップの後、エンジンと車輪(R)との間で動力を伝達または切断する断続手段の上流部と下流部とが同期する前に、上記第1モータのトルク値を発電側に切り替えるステップ(S6)と、上記断続手段の上流部と下流部とが同期した状態で断続手段を締結するステップ(S9)とを含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、エンジンと、該エンジンに連結された第1モータと、上記エンジンに連結されて車輪を駆動する自動変速機と、該自動変速機を介さずに車輪を駆動する第2モータと、上記エンジンと車輪との間で動力を伝達または切断する断続手段と、アクセル開度と非連動で上記エンジン出力を制御することが可能な出力制御手段とを備え、上記第2モータを駆動して上記エンジンを停止するモータ走行モードと、上記エンジンを駆動して上記第2モータを停止または駆動するエンジン走行モードとの間で駆動形式を切り替え可能な車両用駆動装置を制御する方法に関する。
近年、自動車の分野では、燃費性能が最重要視されてきており、より燃費性能に優れた自動車として、エンジンおよび電動モータからなる複数の動力源を組合せ、その動力源を状況に応じ同時にまたは個々に作動させて走行するいわゆるハイブリッド車が開発されてきたのは周知の通りである。
このようなハイブリッド車の一種として、例えば下記特許文献1に示されるものが知られている。具体的に、この下記特許文献1のハイブリッド車では、例えば通常の発進時や定常走行時等には専ら電動モータが走行用の動力源として用いられる一方、上記電動モータに電力を供給する蓄電装置の残容量が少なくなったときや、より大きな駆動力が必要となったときには、エンジン単体、もしくはエンジンおよび電動モータの両方が走行用の動力源として用いられるようになっている。
特開2006−200644号公報
ところで、上記のようなハイブリッド車において、電動モータのみを用いて走行するモータ走行モードから、エンジンのみ(もしくはエンジンおよび電動モータの両方)を用いて走行するエンジン走行モードに移行する際には、エンジンを始動してその回転速度を現在の走行速度に見合った値まで上昇させるとともに、エンジンの駆動力を車輪(駆動輪)に伝達するために、両者の間で動力を断続するクラッチ等の断続手段を締結状態に復帰させる必要がある。
ただし、この場合において、エンジン始動後の回転速度の上昇が速やかでないと、エンジン回転速度が現車速に応じた適正値に達するまでの時間が長くなるため、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行が迅速に遂行されず、ドライバビリティが損なわれる等の問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速に行うことが可能な車両用駆動装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、エンジンと、該エンジンに連結された第1モータと、上記エンジンに連結されて車輪を駆動する自動変速機と、該自動変速機を介さずに車輪を駆動する第2モータと、上記エンジンと車輪との間で動力を伝達または切断する断続手段と、アクセル開度と非連動でエンジン出力を制御することが可能な出力制御手段とを備え、上記第2モータを駆動して上記エンジンを停止するモータ走行モードと、上記エンジンを駆動して上記第2モータを停止または駆動するエンジン走行モードとの間で駆動形式を切り替え可能な車両用駆動装置を制御する方法であって、上記モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に、上記第1モータの駆動力によりエンジンを始動するとともに、その際の上記出力制御手段の制御量を、アクセル開度にかかわらず所定の高値に設定するステップと、このステップの後、上記断続手段の上流部と下流部とが同期する前に、上記第1モータのトルク値を発電側に切り替えるステップと、上記断続手段の上流部と下流部とが同期した状態で断続手段を締結するステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に、まずエンジンの出力制御手段をアクセル開度にかかわらず所定の高値に設定してエンジンを始動し、その後、エンジンと車輪との間に設けられた断続手段の上流部と下流部とが同期する前に、第1モータのトルク値を発電側に切り替えてエンジンに負荷をかけるようにしたため、エンジン始動後の初期段階で回転速度を速やかに上昇させながら、断続手段の同期が近づいた時点でエンジンに負荷をかけることにより、エンジンの回転速度を迅速かつ精度よく目標値まで到達させることができ、エンジンが始動してから上記断続手段の同期が完了するまでの時間を効果的に短縮することができる。そして、断続手段の同期が完了した状態で断続手段を締結することにより、その上流部と下流部との回転速度差がほとんどない状態でエンジンと車輪とを連結でき、上記断続手段の締結時に駆動力の変動によるショックが乗員に加わるのを効果的に防止しつつ、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速化できるという利点がある。
上記断続手段が、油圧回路から供給される油圧により駆動される油圧駆動式の断続手段である場合、上記断続手段の上流部と下流部との同期が確認される前に、上記断続手段を完全に締結するのに必要な圧力よりも低いプリチャージ圧まで上記油圧を高め、上記断続手段の上流部と下流部との同期が確認されると、上記油圧をさらに高めて上記断続手段の締結を完了させることが好ましい(請求項2)。
このように、あらかじめ断続手段をプリチャージ圧によって締結直前の状態にしておき、断続手段の同期が確認された時点で油圧をさらに高めて断続手段の締結を完了させるようにした場合には、必要時に断続手段を迅速に締結状態に切り替えてエンジンと車輪とを連結できるため、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行に要する時間をより効果的に短縮できるという利点がある。
上記自動変速機が、所定の変速段を形成するために締結が必要な複数の摩擦締結要素を有する場合、このうち変速段に応じた特定の摩擦締結要素を上記断続手段として締結または解放することにより、上記エンジンと車輪との間で動力を伝達または切断することが好ましい(請求項3)。
このように、自動変速機に本来的に備わる摩擦締結要素を断続手段として利用した場合には、例えば上記摩擦締結要素とは別の専用のクラッチを設けてこのクラッチにより動力の断続を行うようにした場合と異なり、走行モードに応じた動力の断続を簡単な構成で効率よく行えるという利点がある。
上記エンジンと自動変速機との間に、流体を介した動力伝達を行う流体伝動装置が設けられている場合、上記エンジンを始動するステップの前に、上記流体伝動装置に内蔵されたロックアップクラッチを締結することにより上記エンジンと自動変速機とを直結することが好ましい(請求項4)。
このように、流体伝動装置のロックアップクラッチをあらかじめ締結してエンジンと自動変速機とを流体を介さず直接的に連結し、その状態でエンジンを始動するようにした場合には、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に必要な同期処理、つまり、エンジンと車輪との間に介在する上記断続手段の上流部と下流部とをエンジン側トルクを増減させることで同期させる処理を、エンジンと自動変速機との間に流体による滑りが発生しない状態(つまりエンジン側トルクをダイレクトに反映できる状態)で行うことができるため、上記断続手段の上流部と下流部とをより迅速かつ精度よく同期させることができ、上記モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速かつスムーズに行えるという利点がある。
以上説明したように、本発明の車両用駆動装置の制御方法によれば、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速に行えるという利点がある。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両用駆動装置の制御方法が適用されるハイブリッド型車両1(以下、単に車両1という)の概略平面図、図2は、上記車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。これらの図に示される車両用駆動装置は、ガソリンエンジンからなるエンジン2と、このエンジン2の駆動力を所定の減速比で減速しつつドライブシャフト15に伝達する自動変速機5と、この自動変速機5の入力軸20(図3参照)と上記エンジン2のクランク軸(図示省略)とを連動連結するトルクコンバータ4と、このトルクコンバータ4とエンジン2との間に設けられ、エンジン2の始動および発電を行うISG3(Integrated Starter Generator;本発明にかかる第1モータに相当)と、上記エンジン2とは別体の動力源として設けられた電動モータ9(本発明にかかる第2モータに相当)と、上記ISG3等で発電された電力を蓄える蓄電装置としてのバッテリ14と、このバッテリ14からの供給電力を交流に変換して上記電動モータ9を駆動するインバータ13と、これら各部を統括的に制御するECU12とを備えている。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両用駆動装置の制御方法が適用されるハイブリッド型車両1(以下、単に車両1という)の概略平面図、図2は、上記車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。これらの図に示される車両用駆動装置は、ガソリンエンジンからなるエンジン2と、このエンジン2の駆動力を所定の減速比で減速しつつドライブシャフト15に伝達する自動変速機5と、この自動変速機5の入力軸20(図3参照)と上記エンジン2のクランク軸(図示省略)とを連動連結するトルクコンバータ4と、このトルクコンバータ4とエンジン2との間に設けられ、エンジン2の始動および発電を行うISG3(Integrated Starter Generator;本発明にかかる第1モータに相当)と、上記エンジン2とは別体の動力源として設けられた電動モータ9(本発明にかかる第2モータに相当)と、上記ISG3等で発電された電力を蓄える蓄電装置としてのバッテリ14と、このバッテリ14からの供給電力を交流に変換して上記電動モータ9を駆動するインバータ13と、これら各部を統括的に制御するECU12とを備えている。
図1に示すように、上記ドライブシャフト15の後端部(反エンジン側の端部)には差動装置16が設けられており、エンジン2または電動モータ9により回転駆動される上記ドライブシャフト15の駆動力が、この差動装置16を介することにより左右一対の後輪Rに分配されて各後輪Rがそれぞれ回転駆動されるようになっている。すなわち、図例の車両1は、後輪Rのみが駆動されるいわゆるFR車であり、前輪Fは従動輪である。
上記ISG3は、エンジン2のクランク軸を強制回転させてエンジン2を始動するスタータとしての機能、およびエンジン2のクランク軸から駆動力を得て発電するオルタネータとしての機能の両方を兼ね備えたものである。また、ISG3は、エンジン2の始動および発電だけでなく、加速時等にエンジン2にトルクを付与するいわゆるトルクアシストを行うことも可能とされている。
上記電動モータ9は、例えば3相の交流同期モータ等からなり、上記ドライブシャフト15の途中部に減速ギヤ機構10を介して連動連結されている。減速ギヤ機構10にはモータクラッチ11が内蔵され、このモータクラッチ11を介して上記電動モータ9とドライブシャフト15とが断続可能に連結されている。そして、上記電動モータ9は、必要時にバッテリ14からインバータ13を介して電力の供給を受けることにより、上記減速ギヤ機構10を介してドライブシャフト15を駆動する一方、減速時や下り坂走行時等には、上記ドライブシャフト15から駆動力を得て発電を行い、その発電電力を上記バッテリ14に蓄電するように構成されている。
図2に示すように、上記ECU12は、周知のCPU、ROM、RAM、およびI/O(入出力インターフェース)等を有し、このうちROMには、車両1の運転に必要な各種制御プログラムや、図4に示される締結表および図5に示される変速マップに相当する制御データ等があらかじめ格納されている。なお、RAMには制御プログラムの実行に必要な種々のワークメモリが格納されている。
上記ECU12には、車両1の各部に設けられた種々のセンサ類が電気的に接続されている。具体的に、ECU12には、車両1の走行速度(車速)Vを検出する車速センサ30と、運転者により踏み込み操作される図外のアクセルペダルの開度AOを検出するアクセル開度センサ31と、上記アクセルペダルにより開閉操作されてエンジン2の吸入空気量(延いてはエンジン2の出力や回転速度)を制御するスロットル弁17(本発明にかかる出力制御手段に相当)の開度TOを検出するスロットル開度センサ32と、エンジン2の吸入空気量を検出する吸入空気量センサ33と、エンジン2のクランク軸の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ34と、自動変速機5を操作する操作レバーの位置(Dレンジ、Pレンジ、Rレンジ等)を検出するレバー位置センサ35と、ISG3の軸回転速度を検出するISG回転速度センサ36と、バッテリ14からISG3に入力される入力電流またはISG3で発電されてバッテリ14に出力される出力電流を検出するISG電流センサ37と、電動モータ9の軸回転速度を検出するモータ回転速度センサ38と、電動モータ9の入出力電流を検出するモータ電流センサ39と、バッテリ14の残容量を検出するバッテリセンサ40と、ドライブシャフト15の回転速度を検出するドライブシャフト回転速度センサ41とがそれぞれ接続されており、これら各センサ30〜41により検出された各種制御情報が上記ECU12に電気信号として入力されるようになっている。
上記ECU12は、上記各センサ30〜41からの入力情報に基づいて種々の演算を実行し、その結果に基づいて上記エンジン2、ISG3、トルクコンバータ4、自動変速機5、電動モータ9、インバータ13、およびバッテリ14の動作を統括的に制御する。そして、このようにECU12によって各部が制御されることにより、当実施形態の車両1では、例えば低速かつ低アクセル開度(低負荷)の運転状態のときに、電動モータ9を駆動してエンジン2を停止するモータ走行モードに切り替わり、低速かつ低アクセル開度以外の運転状態のときに、エンジン2を駆動して電動モータ9を停止するエンジン走行モードに切り替わるようになっている。
ところで、当実施形態において、上記スロットル弁17は、いわゆるドライブ・バイ・ワイヤー方式により駆動される。すなわち、アクセルペダルが運転者により踏み込み操作されると、その開度信号(アクセル開度AO)を受信した上記ECU12から、上記スロットル弁17を駆動する電気式のアクチュエータ(図示省略)に対し所定の制御信号が出力され、これに応じて上記スロットル弁17が開閉駆動されるようになっている。このように、上記ドライブ・バイ・ワイヤー方式によれば、スロットル弁17とアクセルペダルとが機械的に連動していないため、上記ECU12の制御次第で、スロットル弁17の開度TOを、アクセル開度AOに比例した開度とは異なる値に設定する(つまりアクセル開度AOと非連動とする)ことも可能である。
次に、上記トルクコンバータ4および自動変速機5の具体的構造について説明する。まず、トルクコンバータ4について説明すると、このトルクコンバータ4は、詳細な図示は省略するが、エンジン2のクランク軸と一体に回転するポンプインペラと、このポンプインペラに対向するように配置されたタービンランナと、これらポンプインペラおよびタービンランナの間に配置されたステータ(固定翼)とを有し、エンジン2により回転駆動された上記ポンプインペラの回転が、トルクコンバータ4内に充満された作動流体としてのオイル(以下、作動油という)を介して上記タービンランナに伝達されるようになっている。上記タービンランナは、トルクコンバータ4の出力軸となるタービン軸に連結されており、上記タービンランナがポンプインペラにより作動油を介して回転駆動されることにより、このタービンランナと一体にタービン軸が回転するようになっている。
図3は自動変速機5の骨子図であり、その入力軸20よりも上側の部分のみを図示したものである。本図に示すように、自動変速機5は、第1遊星ギヤ機構21および第2遊星ギヤ機構22を有するとともに、これら各ギヤ機構21,22を含む動力伝達経路を切り替える摩擦締結要素として、フォワードクラッチC1、ローリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2、3−4クラッチC2、およびリバースクラッチC3を有しており、これら各摩擦締結要素の断続に応じて、前進4段および後退段からなる複数の変速段を達成可能なように構成されている。そして、上記トルクコンバータ4のタービン軸と一体に回転する上記入力軸20の回転が、上記各変速段に応じた減速比で減速された後に出力ギヤ19に伝達されるようになっている。
上記各摩擦締結要素C1,C2,C3,B1,B2は、図外の油圧回路からの油圧により駆動される油圧駆動式の摩擦締結要素であり、上記油圧回路に含まれるソレノイドバルブ等からなる切替弁の作動に応じて油路・油圧が切り替えまたは変更されることにより、上記各摩擦締結要素C1,C2,C3,B1,B2が適宜締結または解放されるようになっている。
上記第1遊星ギヤ機構21は、サンギヤ21sおよびリングギヤ21rと、これら両ギヤ21s,21rの間に装着された複数のプラネタリギヤ21pと、このプラネタリギヤ21pを保持するキャリア21c等を備えており、このうちのキャリア21cに出力ギヤ19が一体的に連結されている。第2遊星ギヤ機構22は、サンギヤ22sおよびリングギヤ22rと、これら両ギヤ22s,22rの間に装着された複数のプラネタリギヤ22pと、このプラネタリギヤ22pを保持するキャリア22c等を備えている。
上記フォワードクラッチC1は、入力軸20に固定された部材23と、サンギヤ21sに固定された部材24との間に設けられており、入力軸20とサンギヤ21sとを断続可能に連結している。キャリア21cは、部材25を介してリングギヤ22rと一体的に連結されており、キャリア22cは、部材26を介してリングギヤ21rと一体的に連結されている。ローリバースブレーキB1は、自動変速機5のケースと上記部材26との間に設けられ、リングギヤ21rおよびキャリア22cとケースとを断続可能に連結している。
サンギヤ22sは部材27に一体的に連結され、キャリア22cは部材28に一体的に連結されている。2−4ブレーキB2は、自動変速機5のケースと上記部材27の間に設けられ、サンギヤ22sとケースとを断続可能に連結している。3−4クラッチC2は、入力軸20に固定された部材29と上記部材28との間に設けられ、キャリア22cと入力軸20とを断続可能に連結している。リバースクラッチC3は、上記部材27と部材29の間に設けられ、サンギヤ22sと入力軸20とを断続可能に連結している。
図4は、上記自動変速機5における1速〜4速および後退速の5つの変速段と、クラッチやブレーキからなる5つの摩擦締結要素C1〜C3、B1、B2の締結状態との関係を示す締結表であり、○印と●印が締結を示し、空欄が解放を示している。本図によれば、1速〜4速または後退速のときに、上記5つの摩擦締結要素C1〜C3、B1、B2のうちの2つが選択的に締結され、他は解放状態とされる。なお、図4の締結表には、電動モータ9に連結された減速ギヤ機構10のモータクラッチ11の締結状態も記載されている。
次に、変速マップの一例について図5に基づいて説明する。この変速マップは、車速Vおよびアクセル開度AO(または吸入空気量)をパラメータとして、1速〜4速の変速段をどのように設定するかを示すものである。なお、実際には、通常の変速マップと同様に、ダウンシフトの変速ラインはアップシフトの変速ラインよりも幾分低速側にシフトして設定されているが、それらの変速ラインが共通のラインであるとして説明する。
図5において、低速かつ低アクセル開度(低負荷)の運転領域に設定された第1運転領域M(斜線で示す領域)では、電動モータ9を駆動してエンジン2を停止することにより、電動モータ9のみを動力源として用いるモータ走行モードで車両1が運転される領域である。一方、第1運転領域Mよりも高速・高負荷側に設定された第2運転領域Eは、電動モータ9を停止してエンジン2を駆動することにより、エンジン2のみを動力源として用いるエンジン走行モードで車両1が運転される領域である。
また、図5では、上記エンジン走行モードに対応する第2運転領域Eのうち、上記自動変速機5の変速段として1速(1st)が選択される運転領域をE1、2速(2nd)が選択される運転領域をE2、3速(3rd)が選択される運転領域をE3、4速(4th)が選択される運転領域をE4として表記している。一方、上記モータ走行モードに対応する第1運転領域Mのうち、上記1速〜4速の運転領域M1〜E4より低速・低負荷側の領域M1〜M4では、上記1速〜4速を形成するのに締結が必要な摩擦締結要素(C1〜C3、B1、B2)のうちの1部が解放された擬似1速〜擬似4速が選択されるようになっている。
先の図4に示した締結表では、エンジン走行モードおよびモータ走行モードの両方で締結される摩擦締結要素を○印で、エンジン走行モードのときにのみ締結される(つまりモータ走行モードになると解放される)摩擦締結要素を●印でそれぞれ示している。すなわち、エンジン走行モードでは、○印および●印の両方の摩擦締結要素がともに締結されることにより、1速〜4速または後退速のいずれかが形成される一方、モータ走行モードでは、○印の摩擦締結要素が締結され、かつ●印の摩擦締結要素が解放されることにより、疑似1速〜擬似4速または擬似後退速のいずれかが形成される。
具体的に、図4の締結表によれば、擬似1速〜擬似3速ではフォワードクラッチC1のみが締結され、擬似4速では2−4ブレーキB2のみが締結され、擬似後退速ではローリバースブレーキB1のみが締結されるようになっている。このような擬似変速段(擬似1速〜擬似4速、擬似後退速)が選択される上記モータ走行モードでは、自動変速機5が遊転状態(擬似ニュートラル)となるため、後輪Rの回転がエンジン2に伝達されることはなく、エンジン2の引き摺り現象が発生しないようになっている。
図5の矢印S1〜S3は、車両1の運転状態がモータ走行モードに対応する第1運転領域Mにある状態(つまり電動モータ9が動力源として用いられている状態)で、図外のアクセルペダルが運転者により踏み込み操作されてアクセル開度AOが開側に変位することにより、運転状態が高負荷側の第2運転領域Eに移行して、車両1の駆動形式が、上記モータ走行モードから、エンジン2を動力源としたエンジン走行モードに切り替わるところを示している。このうち、矢印S1は、上記第1運転領域Mのうち擬似2速が選択される運転領域M2から、上記第2運転領域Eのうち1速が選択される運転領域M1への移行を示している。また、同様に、矢印S2は、擬似3速の運転領域M3から2速の運転領域M2への移行を、矢印S3は、擬似4速の運転領域M4から3速のエンジン運転領域M3への移行をそれぞれ示している。
上記矢印S1のように運転領域がM2からE1に移行する際には、2速のときに締結が必要な2つの摩擦締結要素C1,B2のうち2−4ブレーキB2が解放された擬似2速の状態から、フォワードクラッチC1の締結が維持されたままローリバースブレーキB1が締結されることにより、自動変速機5の変速段が1速に変更され、その結果、上記領域移行時に始動されるエンジン2の駆動力が1速に対応する変速比でドライブシャフト15に伝達されることになる。
同様に、上記矢印S2のように運転領域がM3からE2に移行する際には、3速のときに締結が必要な2つの摩擦締結要素C1,C2のうち3−4クラッチC2が解放された擬似3速の状態から、フォワードクラッチC1の締結が維持されたまま2−4ブレーキB2が締結されることにより、自動変速機5の変速段が2速に変更される。また、上記矢印S3のように運転領域がM4からE3に移行する際には、4速のときに締結が必要な2つの摩擦締結要素C2,B2のうち3−4クラッチC2が解放された擬似4速の状態から、2−4ブレーキB2が解放されかつフォワードクラッチC1および3−4クラッチC2が締結されることにより、自動変速機5の変速段が3速に変更される。
このように、上記矢印S1〜S3に示した領域移行の際には、2速〜4速のときに締結が必要な摩擦締結要素のうち●の要素C2,B2を解放した擬似2速〜擬似4速の状態から、1速〜3速のときに締結される●要素C2,B1,B2を含む摩擦締結要素が締結されることにより、自動変速機5の変速段が1速〜3速に変更されるようになっている。なお、上記矢印S1〜S3と逆方向の領域移行が行われる際には、上記各摩擦締結要素C2,B1,B2が解放される。
また、上記以外の領域移行、例えば、運転領域M1(またはM2,M3,M4)と運転領域M1(またはE2,E3,E4)との間での移行時等も、図4の締結表において●が付されたC2,C3,B1,B2を含む摩擦締結要素が適宜締結または解放されることにより、自動変速機5の変速段が、エンジン2とドライブシャフト15との間の動力伝達を切断する変速段(擬似1速〜擬似4速または擬似後退速)と、エンジン2とドライブシャフト15とを所定の減速比で連動連結する変速段(1速〜4速または後退速)との間で変更されるようになっている。
以上のように、モータ走行モードに対応する運転領域M(M1〜M4)と、エンジン走行モードに対応する運転領域E(E1〜E4)との間で車両1の運転状態が移行する際には、図4の●の摩擦締結要素C2,C3,B1,B2のいずれかを少なくとも締結もしくは解放することにより、エンジン2とドライブシャフト15(およびこれに連結された後輪R)との間で動力の断続が行われる。以下では、このように走行モードの切り替え時に締結もしくは解放される摩擦締結要素C2,C3,B1,B2をまとめて、断続手段8(図1、図3参照)と言うことがある。
次に、以上のように構成された当実施形態の車両用駆動装置において、駆動形式がモータ走行モードからエンジン走行モードに切り替わる際に行われる制御動作について、図6および図7を用いて説明する。なお、図6は、モータ走行モードからエンジン走行モードに切り替わる際にECU12により実行される制御の内容を示すフローチャートであり、図7は、このときの各部の動作を時系列で示すタイムチャートである。
まず、モータ走行モードで車両1が運転されている状態で図6のフローチャートがスタートすると、ECU12は、車両1の運転状態が、モータ走行モードに対応する運転領域Mから、エンジン走行モードに対応する運転領域Eに移行したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、図7(a)(b)に示すように、車両1を加速させる(つまり車速Vを増大させる)ために運転者が時点t1でアクセルペダルを踏み込み、これに応じてアクセル開度AOが開側に所定量変化したときに、現時点での車速Vとアクセル開度AOの変化とが図5の変速マップに照らされて調べられることにより、車両1の運転状態が、モータ走行モードに対応する運転領域Mからエンジン走行モードに対応する運転領域Eに移行したか否かが判定される。
上記ステップS1でYESと判定されてエンジン走行モードに対応する運転領域Eに移行したことが確認された場合、ECU12は、スロットル弁17の開度(スロットル開度TO)を全開にした状態でエンジン2を始動する制御を実行する(ステップS3)。すなわち、図7(c)に示すように、上記運転領域Eに移行した時点t1から所定時間が経過した時点t2で、図7(b)に示したアクセル開度AOの値にかかわらず、上記スロットル弁17を駆動する電気式アクチュエータに対し、スロットル弁17を全開状態まで開操作する制御信号がECU13から出力され、これに応じて上記スロットル開度TOが全開(100%)まで変化する。また、これと同時に、ISG3のトルク値を駆動側に増大設定してエンジン2のクランク軸を強制回転し、かつ所定量の燃料(ガソリン)をエンジン2に供給する制御信号がECU12から出力されることにより、エンジン2の始動が行われる(図7(f)参照)。なお、上記ISG3のトルク値は、エンジン2の始動が開始されてから所定時間の間は比較的高い値に維持され、エンジン2に対するトルクアシストが行われる。そして、このようなISG3によるトルクアシストに加え、上記スロットル開度TOが所定時間の間全開に維持されることにより、図7(f)に示すように、エンジン2の始動を開始した時点t2の直後、エンジン2の回転速度Ne(およびその出力)は急速に上昇する。
また、ECU12は、上記エンジン2の始動開始とほぼ同時に、自動変速機5を擬似変速段(擬似1速〜擬似4速等)から所定の変速段(1速〜4速等)に切り替えるための準備として、上記断続手段8(図3のC2,C3,B1,B2のいずれか)にプリチャージ圧を供給する制御を実行する(ステップS3)。すなわち、図7(h)の時点t2に示すように、上記断続手段8に油圧を供給する油圧回路のライン圧を、断続手段8が完全に締結するのに必要な圧力よりも所定量小さいプリチャージ圧まで上げることにより、断続手段8を締結直前の状態にする。例えば、モータ走行モードからエンジン走行モードへの領域移行が、図5の矢印S3に示すように、擬似4速の運転領域M4から3速の運転領域E3への移行である場合には、変速段を3速に切り替えるために、断続手段8としての3−4クラッチC2を解放状態から締結状態に切り替える必要があるため(図4参照)、この3−4クラッチC2にプリチャージ圧を供給する。
なお、上記のように変速段を擬似4速から3速に切り替えるには、図4に示すように、上記3−4クラッチC2の締結以外に、2−4ブレーキB2を解放しかつフォワードクラッチC1を締結する必要があるが、これら2−4ブレーキB2やフォワードクラッチC1に対しては、上記のような領域移行が確認されてから速やかに解放および締結の指令が出される。すなわち、上記領域移行が確認された時点t2の直後に、フォワードクラッチC1を完全に締結させるための高い油圧を油圧回路から供給し、かつ2−4ブレーキB2への供給油圧を解除する旨の指令がECU12から出力され、油圧系の応答遅れによる所定のタイムラグの後に、フォワードクラッチC1が完全に締結されかつ2−4ブレーキB2が解放される。このとき、上述したように、3−4クラッチC2にはプリチャージ圧しか供給されておらず、3−4クラッチC2は完全に締結されていないため、自動変速機5の変速段はこの時点で一時的に擬似4速から擬似3速に変化する。図7(d)の破線部分の段差P1は、このような擬似変速段の間での変速段の変化を表わしている。なお、図7(d)では、実質的にニュートラルとなる上記擬似変速段の状態を破線で示し、その状態から所定の変速段に変位して動力伝達が行われる状態を実線で示している。
上記のように断続手段8にプリチャージ圧を供給した後、ECU12は、現時点での車速Vに見合ったエンジン2の目標回転速度Netを演算するとともに(ステップS4)、その目標回転速度Netから、上記エンジン回転速度センサ34により検出された現時点での回転速度Neを差し引いた値が、あらかじめ設定された閾値NAより小さいか否かを判定する制御を実行する(ステップS5)。
ここで、「現時点での車速Vに見合ったエンジン2の目標回転速度Net」とは、現時点での車速Vに応じた回転速度で回転するドライブシャフト15に対し、自動変速機5の変速段に対応する速度比をもってクランク軸が回転するようにエンジン2を駆動制御したときのクランク軸の回転速度である。例えば、図5の矢印S3に示すように、運転領域がM4からE3に移行した場合、エンジン走行モードに切り替わる際に自動変速機5の変速段は3速になるので、現時点でのドライブシャフト15の回転速度に対し3速の減速比の分だけ速い回転速度が、上記目標回転速度Netということになる。
上記ステップS5でYESと判定されてNet−Ne<NAであることが確認された場合、つまり、エンジン2の回転速度Neが目標回転速度Netにある程度近づいたことが確認された場合、ECU12は、図7(e)の時点t3に示すように、ISG3のトルク値を駆動側から発電側に切り替える制御を実行する(ステップS6)。これにより、エンジン2のクランク軸にマイナスのトルク(回生ブレーキ)が付与され、クランク軸の回転速度Neの上昇が抑制される。すなわち、上記ISG3のトルク値を駆動側(プラスのトルク値)に維持したままでは、エンジン2の回転速度が上昇を続けて現時点での車速Vに見合った目標回転速度Netを超えてしまうので、図7(e)の時点t3においてISG3のトルク値を発電側に切り替えてエンジン2に負荷をかけることにより、エンジン回転速度Neの上昇を抑えて上記目標回転速度Netに収束させるようにする。
また、上記のようにISG3のトルク値が発電側に切り替えられるのに合わせて、ECU12は、上記スロットル弁17の開度TOを、アクセル開度AOに応じた値に設定する制御を実行する(ステップS7)。これにより、エンジン2の始動開始直後のように、アクセル開度AOと非連動でスロットル弁17が全開に設定されていた状態が解除され、図7(c)の時点t3以降のように、アクセル開度AOに連動してスロットル弁17を制御する通常の制御状態に復帰する。
次いで、ECU12は、エンジン2とドライブシャフト15との間で駆動力を断続する上記断続手段8の上流部と下流部とが同期したか否かを判定する制御を実行する(ステップS8)。すなわち、上記ステップS6でISG3のトルク値が発電側に制御される等により、エンジン2の回転速度Neが現時点での車速Vに見合った目標回転速度Netに収束すると、上記断続手段8の上流部と下流部との回転速度差がゼロになるので、このような回転同期が実際に達成されたか否かを上記ステップS8で判定する。具体的には、エンジン回転速度センサ33により検出されるクランク軸の回転速度と、ドライブシャフト回転速度センサ40により検出されるドライブシャフト15との回転速度とを比較して両者の速度比を求め、この速度比が、エンジン走行モード切替時に設定される自動変速機5の変速段に見合う速度比に一致するか否かに基づいて、上記断続手段8の上流部と下流部との同期が完了したか否かを判定する。
例えば、図5の矢印S3に示すように、運転領域の移行がM4からE3への移行であり、エンジン走行モードに切り替わる際の自動変速機5の変速段として3速が選択される場合には、上記目標回転速度Netの値が、現時点でのドライブシャフト15の回転速度に対し3速の減速比の分だけ速い回転速度に設定されることにより、3速への切替時に締結される断続手段8として、3−4クラッチC2の上流部と下流部とが同期することになる。なお、3−4クラッチC2の場合、その上流部および下流部は、図3に示したように、入力軸20側の部材29と、出力ギヤ19側の部材28とがそれぞれ対応する。図7(g)は、このような断続手段8の上流部と下流部との回転速度差を示しており、この図7(g)によれば、時点t3で上記ISG3のトルク値を発電側に切り替える制御が開始されてからまもなくした時点t4で、上記回転速度差がゼロになり同期が完了していることが分かる。
なお、エンジン走行モードに切り替わる際の変速段が3速以外の場合でも、同様に、各変速段に応じた目標回転Netにエンジン2の回転速度Neが収束するように制御されることにより、断続手段8の同期処理が行われる。例えば、図5の矢印S2に示すように、車両1の運転状態が2速の運転領域E2に移行することにより、エンジン走行モードに切り替わる際に自動変速機5の変速段が2速に設定される場合には、目標回転速度Netが、現時点でのドライブシャフト15の回転速度に対し2速の減速比の分だけ速い回転速度に設定され、このような目標回転速度Netにエンジン回転速度Neが収束することにより、断続手段8の上流部と下流部との同期が図られる。2速の場合、図4に示したように2−4ブレーキB2が断続手段8に相当するが、この2−4ブレーキB2の上流部と下流部とは、それぞれ、図3に示される部材27、および自動変速機5のケースに相当し、エンジン2の回転速度Neが上記のような目標回転速度Netに収束することにより、部材27の回転速度がケースと同じくゼロになって両者の同期が図られる。
上記ステップS7でYESと判定されて同期が確認された場合、ECU12は、同期が確認された図7(g)の時点t4から所定時間が経過した後に、上記断続手段8を完全に締結させるのに必要な油圧を断続手段8に供給することにより、断続手段8の締結を完了させる制御を実行する(ステップS9)。すなわち、図7(h)に示すように、上記断続手段8の上流部と下流部との同期が確認された時点t4から所定時間が経過した時点t5で、上記断続手段8に油圧を供給する油圧回路のライン圧が、断続手段8が完全に締結するのに必要な圧力まで高められ、これに応じて断続手段8が完全な締結状態へと切り替わる。このとき、断続手段8には事前にプリチャージ圧が供給されていることから、断続手段8の締結完了は速やかになされる。そして、このように断続手段8の締結が完了することにより、自動変速機5において所定の変速段(1速〜4速等)が形成され、その変速段に対応する減速比でエンジン2とドライブシャフト15(およびこれに連結された後輪R)とが連動連結される。
また、上記のように断続手段8の締結が完了するのに合わせて、ECU12は、上記インバータ13から電動モータ9への電力供給を徐々にストップすることにより、図7(j)に示すように、電動モータ9のトルク値を徐々にゼロにしてその駆動を停止する制御を実行する(ステップS10)。これにより、電動モータ9が完全に停止した時点t6で、車両1の動力源が電動モータ9からエンジン2へと完全に切り替わり、エンジン1のみを動力源としたエンジン走行モードで車両1が運転されることになる。
以上説明したように、当第1実施形態の車両用駆動装置は、エンジン2と、該エンジン2に連結されたISG3(第1モータ)と、上記エンジン2に連結されて後輪Rを駆動する自動変速機5と、該自動変速機5を介さずに後輪Rを駆動する電動モータ9(第2モータ)と、上記エンジン2と後輪Rとの間で動力を伝達または切断する断続手段8と、アクセル開度AOと非連動でエンジン出力を制御することが可能なスロットル弁17(出力制御手段)とを備え、上記電動モータ9を駆動して上記エンジン2を停止するモータ走行モードと、上記エンジン2を駆動して上記電動モータ9を停止または駆動するエンジン走行モードとの間で駆動形式を切り替え可能に構成されている。そして、このような車両用駆動装置を制御するにあたり、当第1実施形態では、上記モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に、上記ISG3の駆動力によりエンジン2を始動するとともに、その際の上記スロットル弁17の開度を、アクセル開度AOの値に関係なく全開(100%)に設定するステップ(S2)と、このステップの後、上記断続手段8の上流部と下流部とが同期する前に、上記ISG3のトルク値を発電側に切り替えるステップ(S6)と、上記断続手段8の上流部と下流部とが同期した状態で上記断続手段8を締結するステップ(S9)とを行うようにした。このような方法によれば、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速に行えるという利点がある。
すなわち、上記第1実施形態では、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に、まずスロットル弁17を全開にしてエンジン2を始動し、その後、エンジン2と後輪Rとの間に設けられた断続手段8の上流部と下流部とが同期する前に、ISG3のトルク値を発電側に切り替えてエンジン2に負荷をかけるようにしたため、エンジン始動後の初期段階で回転速度Neを速やかに上昇させながら、断続手段8の同期が近づいた時点でエンジン2に負荷をかけることにより、エンジン2の回転速度Neを迅速かつ精度よく目標値(目標回転速度Net)まで到達させることができ、エンジン2が始動してから上記断続手段8の同期が完了するまでの時間を効果的に短縮することができる。そして、断続手段8の同期が完了した状態で断続手段8を締結することにより、その上流部と下流部との回転速度差がほとんどない状態でエンジン2と後輪Rとを連結でき、上記断続手段8の締結時に駆動力の変動によるショックが乗員に加わるのを効果的に防止しつつ、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速化できるという利点がある。
特に、上記第1実施形態のように、油圧回路から供給される油圧により駆動される油圧駆動式の断続手段(摩擦締結要素C2,C3,B1,B2)を上記断続手段8として設けるとともに、上記断続手段8の上流部と下流部との同期が確認される前に、上記断続手段8を完全に締結するのに必要な圧力よりも低いプリチャージ圧まで上記油圧を高め(図7(h)の時点t2)、上記断続手段8の上流部と下流部との同期が確認されると、上記油圧をさらに高めて上記断続手段8の締結を完了させるようにした場合には(同図の時点t5)、エンジン走行モードへの移行に要する時間をより効果的に短縮できるという利点がある。
すなわち、あらかじめ断続手段8をプリチャージ圧によって締結直前の状態にしておき、断続手段8の同期が確認された時点で上記油圧をさらに高めて断続手段8の締結を完了させることにより、必要時に断続手段8を迅速に締結状態に切り替えてエンジン2と後輪Rとを連結できるため、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行に要する時間をより効果的に短縮できるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、自動変速機5が、所定の変速段を形成するために締結が必要な複数の摩擦締結要素(C1,C2,C3,B1,B2)を有する場合において、このうち変速段に応じた特定の摩擦締結要素(C2,C3,B1,B2のいずれか)を上記断続手段8として締結または解放することにより、上記エンジン2と後輪Rとの間で動力を伝達または切断するようにしたが、このような方法に代えて、例えば自動変速機5の出力軸とドライブシャフト15との間(図1のX部)等に、上記断続手段8として専用のクラッチを設け、このクラッチの断続により、エンジン2と後輪Rとの間で動力を伝達または切断するようにしてもよい。この方法による場合でも、モータ走行モードでクラッチを解放することによりエンジン2の引き摺り現象を防止できるとともに、エンジン走行モードではクラッチを締結することによりエンジン2の動力を後輪Rに伝達することができる。
ただし、このように専用のクラッチを設けた場合には、部品点数が増える分だけコストアップを招くといった問題がある。これに対し、上記実施形態のように、自動変速機5に本来的に備わる摩擦締結要素(C2,C3,B1,B2)を断続手段8として利用した場合には、上記のような部品点数の増大を招くことがなく、走行モードに応じた動力の断続を簡単な構成で効率よく行えるという利点がある。
なお、上記第1実施形態では、エンジン始動時のスロットル弁17の開度TOを、アクセル開度AOの値にかかわらず全開(100%)に設定するようにしたが、エンジン始動時のスロットル開度TOは、エンジン回転速度Neを速やかに上昇させることが可能な所定の高開度(高値)であれば必ずしも全開に設定する必要はなく、その値はエンジン2の特性等に基づき適宜設定されるべきものである。
なお、上記第1実施形態では、エンジン2が、吸入空気量を調節するスロットル弁17を出力制御手段として備えたガソリンエンジンである場合に本発明の制御方法を適用した例について説明したが、本発明の制御方法は、エンジン2がディーゼルエンジンである場合にも好適に適用することが可能である。ただし、ディーゼルエンジンでは、一般に、エンジン出力が燃料の噴射量によって制御されるため、エンジン2がこのような形式のディーゼルエンジンである場合、その出力を制御する出力制御手段には、エンジン2の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁が該当することになる。このため、ディーゼルエンジンにおいて、本発明にかかる第1のステップに相当するステップS2(図6)の制御、つまり、エンジン始動時にその回転速度Neを急上昇させる制御を行うには、上記燃料噴射弁による噴射量を、アクセル開度AOにかかわらず所定の高値(例えばアクセル全開時の噴射量)に設定すればよい。すなわち、本発明の第1のステップでは、エンジン2の始動時に、エンジン出力を制御する出力制御手段の制御量(スロットル弁17の開度TOや燃料噴射弁の噴射量等)を、アクセル開度AOにかかわらず、エンジン回転速度Neを急上昇させ得る所定の高値に設定すればよく、また、制御対象となる上記出力制御手段については、エンジン形式等に応じて適宜選択されるものであり、その具体的種類は特に問わない。このとこは、以下に説明する本発明の第2実施形態でも同様である。
(実施形態2)
図8は、本発明の第2実施形態にかかる車両用駆動装置の制御方法が適用されるハイブリッド型車両1の概略平面図である。本図に示される車両用駆動装置では、エンジン2と自動変速機5との間で流体を介した動力伝達を行うトルクコンバータ4(本発明にかかる流体伝動装置に相当)に、動力直結用のロックアップクラッチ7が内蔵されている。そして、必要時にこのロックアップクラッチ7がECU12からの制御信号に応じ締結されることにより、エンジン2のクランク軸とトルクコンバータ4のタービンランナとが直接的に連結され、エンジン2と自動変速機5との間で動力がロスなく(流体による滑りなく)伝達されるようになっている。なお、当実施形態において、上記ロックアップクラッチ7を除いた他の構成については、図1等に示した上記第1実施形態と同様である。
図8は、本発明の第2実施形態にかかる車両用駆動装置の制御方法が適用されるハイブリッド型車両1の概略平面図である。本図に示される車両用駆動装置では、エンジン2と自動変速機5との間で流体を介した動力伝達を行うトルクコンバータ4(本発明にかかる流体伝動装置に相当)に、動力直結用のロックアップクラッチ7が内蔵されている。そして、必要時にこのロックアップクラッチ7がECU12からの制御信号に応じ締結されることにより、エンジン2のクランク軸とトルクコンバータ4のタービンランナとが直接的に連結され、エンジン2と自動変速機5との間で動力がロスなく(流体による滑りなく)伝達されるようになっている。なお、当実施形態において、上記ロックアップクラッチ7を除いた他の構成については、図1等に示した上記第1実施形態と同様である。
次に、このような構成の当実施形態の車両用駆動装置において、電動モータ9を動力源として走行するモータ走行モードから、エンジン2を動力源として走行するエンジン走行モードへと移行する際に行われる制御動作を、図9のフローチャートおよび図10のタイムチャートに基づき説明する。
モータ走行モードで車両1が運転されている状態で図9のフローチャートがスタートすると、ECU12は、トルクコンバータ4のロックアップクラッチ7を締結する制御を実行する(ステップS21)。すなわち、図10(h)の初期の部分に示すように、ロックアップクラッチ7を締結する旨の制御信号がECU12から出力されることにより、図10(i)に示すようにロックアップクラッチ7が締結状態に切り替わり、これによってエンジン2のクランク軸とトルクコンバータ4のタービンランナとが直結される。
その後のステップS22からステップS28までの制御は、上記第1実施形態のステップS1〜S7と同様である。すなわち、車両1の運転状態が、図5に示したモータ走行モードに対応する運転領域Mから、エンジン走行モードに対応する運転領域Eに移行すると(ステップS22でYES)、スロットル弁17の開度TOを全開にしてエンジン2を始動する等の制御が実行され(ステップS23〜S25)、その後、エンジン2の回転速度Neが目標回転速度Netにある程度近づいた時点で(ステップS26でYES)、ISG3のトルク値を発電側に切り替えるとともに、上記スロットル弁17の開度TOをアクセル開度AOに応じた値に復帰させる制御が実行される(ステップS27,S28)。
以上のような制御の後、ECU12は、図10(h)のP2部に示すように、トルクコンバータ4のロックアップクラッチ7を解放すべく、このロックアップクラッチ7に対し解放を指示する旨の制御信号を出力する(ステップS29)。これにより、ロックアップクラッチ7を駆動する油圧系の応答遅れによる所定のタイムラグの後、図10(i)のP3部に示すように、ロックアップクラッチ7が解放状態に切り替わり、これによってエンジン2のクランク軸とトルクコンバータ4のタービンランナとの直結が解除される。そして、このようにロックアップクラッチ7による動力の直結が解除されることにより、エンジン2と自動変速機5との間では、流体(作動油)を介して動力が伝達されるようになる。
その後のステップS30からステップS32までの制御は、上記第1実施形態のステップS8〜S10と同様である。すなわち、断続手段8の上流部と下流部との同期が確認されると(ステップS30でYES)、断続手段8が完全に締結状態に切り替わり(ステップS31)、電動モータ9が停止する(ステップS32)。
以上説明したように、当第2実施形態では、エンジン走行モードへの移行時にエンジン2を始動するステップ(S23)が行われる前に、上記トルクコンバータ4に内蔵されたロックアップクラッチ7を締結することにより上記エンジン2と自動変速機5とを直結するようにしたため(S21)、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行を迅速かつスムーズに行えるという利点がある。
すなわち、上記第2実施形態では、トルクコンバータ4のロックアップクラッチ7をあらかじめ締結してエンジン2と自動変速機5とを流体を介さず直接的に連結し、その状態でエンジン2を始動することにより、モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に必要な同期処理、つまり、エンジン2と後輪Rとの間に介在する断続手段8の上流部と下流部とをエンジン側トルクを増減させることで同期させる処理を、エンジン2と自動変速機5との間に流体による滑りが発生しない状態(つまりクランク軸とタービンランナとの間で回転速度の不一致がなく、エンジン側トルクの増減をダイレクトに断続手段8の上流部に反映できる状態)で行うことができるため、上記断続手段8の上流部と下流部とをより迅速かつ精度よく同期させることができる。そして、両者を同期させる処理が完了した後に上記断続手段8を締結することにより、例えば図10(j)に示すように断続手段8に対する供給油圧を急速に高めて断続手段8を素早く締結状態に切り替えたとしても、その上流部と下流部との回転速度差によるショックがほとんど発生することがない。このため、例えば断続手段8への供給油圧を段階的に高める等により断続手段8を徐々に締結するといった措置をとらなくても、断続手段8の締結時に後輪Rに伝達される駆動力が急変して乗員にショックが加わるといった事態を有効に回避でき、上記モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行をより迅速かつスムーズに行えるという利点がある。
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を上記第1および第2の実施形態として説明したが、本発明の制御方法はこのような例に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、エンジン走行モードに移行する際に、エンジン2を始動するとともに、例えば図7(i)に示したように電動モータ9を完全に停止することにより、車両1の動力源を電動モータ9からエンジン2に完全に切り替えるようにしたが、エンジン走行モードで電動モータ9を完全停止する必要は必ずしもなく、エンジン2および電動モータ9をともに駆動して両方の駆動力を車両1の動力源として利用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、エンジン2の始動および発電を行うISG3を、エンジン2とトルクコンバータ4との間に配置したが、例えばエンジン2の前面(反トルクバータ側の面)のうちクランク軸からオフセットした位置に上記ISG3を配置し、このISG3とクランク軸とを補機駆動ベルト等を介して連動連結するようにしてもよい。このことは、後述する図11〜図14の変形例においても同様である。
また、上記実施形態では、エンジン2および電動モータ9がともに後輪Rを駆動するFR式のハイブリッド型車両に本発明の制御方法を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明の制御方法は、以下に説明するような種々のハイブリッド型車両に適用可能である。なお、以下の説明では、上記実施形態と同一構成要素のものは同一符号を付してその説明を省略する。
(1)図11に示されるハイブリッド型車両100は、エンジン2と、これに連結されたISG3、トルクコンバータ4、および自動変速機5と、自動変速機5と前輪車軸50とを連動連結する差動装置16と、前輪車軸50に駆動力を入力可能な電動モータ9とを備える。すなわち、図例の車両100は、エンジン2および電動モータ9の駆動力がともに前輪車軸50に入力されて前輪Fが回転駆動されるFF式のハイブリッド型車両である。なお、ECU12、インバータ13、バッテリ14の各構成については、上記実施形態と同様である。
(2)図12に示されるハイブリッド型車両101は、図11の場合と同様の構成で前輪Fを駆動するエンジン2を備えるとともに、前輪Fを直接回転駆動することが可能ないわゆるインホイールモータからなる一対の電動モータ9を備えている。
(3)図13に示されるハイブリッド型車両102は、図11の場合と同様の構成で前輪Fを駆動するエンジン2を備えるとともに、後輪Rの車軸(後輪車軸)52に減速ギヤ機構10および差動装置16を介して駆動力を入力可能な電動モータ9を備えている。すなわち、図例の車両102では、エンジン2により前輪Fが駆動され、電動モータ9により後輪Rが駆動される。なお、この図13の例において、電動モータ9を図12に示したようなインホイールモータとし、このインホイールモータにより直接後輪Rを駆動するようにしてもよい。
(4)図14に示されるハイブリッド型車両103は、上記第1および第2の実施形態(図1,図8)の場合と同様の構成で後輪Rを駆動するエンジン2を備えるとともに、後輪Rを直接回転駆動するインホイールモータからなる一対の電動モータ9を備えている。すなわち、図例の車両103は、エンジン2および電動モータ9がともに後輪Rを駆動するFR式のハイブリッド型車両であるが、上記第1および第2の実施形態の場合と異なり、電動モータ9の駆動力がドライブシャフト15ではなく、後輪Rに直接入力されるようになっている。なお、さらに別の変形例として、電動モータ9の駆動力を後輪車軸52に入力することも当然に可能である。
(5)本発明の制御方法を適用可能なハイブリッド型車両は他にも種々考えられる。例えば、エンジン2および電動モータ9によってともに前輪Fおよび後輪Rの両方を駆動する4輪駆動式のハイブリッド型車両であってもよい。また、エンジン2の搭載位置は、車両の前部に限られず、車両の中央部もしくは後部であってもよい。
2 エンジン
3 ISG(第1モータ)
4 トルクコンバータ(流体伝動装置)
5 自動変速機
7 ロックアップクラッチ
8(C2,C3,B1,B2) 断続手段
9 電動モータ(第2モータ)
17 スロットル弁(出力制御手段)
C1,C2,C3,B1,B2 摩擦締結要素
R 後輪(車輪)
AO アクセル開度
3 ISG(第1モータ)
4 トルクコンバータ(流体伝動装置)
5 自動変速機
7 ロックアップクラッチ
8(C2,C3,B1,B2) 断続手段
9 電動モータ(第2モータ)
17 スロットル弁(出力制御手段)
C1,C2,C3,B1,B2 摩擦締結要素
R 後輪(車輪)
AO アクセル開度
Claims (4)
- エンジンと、該エンジンに連結された第1モータと、上記エンジンに連結されて車輪を駆動する自動変速機と、該自動変速機を介さずに車輪を駆動する第2モータと、上記エンジンと車輪との間で動力を伝達または切断する断続手段と、アクセル開度と非連動でエンジン出力を制御することが可能な出力制御手段とを備え、上記第2モータを駆動して上記エンジンを停止するモータ走行モードと、上記エンジンを駆動して上記第2モータを停止または駆動するエンジン走行モードとの間で駆動形式を切り替え可能な車両用駆動装置を制御する方法であって、
上記モータ走行モードからエンジン走行モードへの移行時に、上記第1モータの駆動力によりエンジンを始動するとともに、その際の上記出力制御手段の制御量を、アクセル開度にかかわらず所定の高値に設定するステップと、
このステップの後、上記断続手段の上流部と下流部とが同期する前に、上記第1モータのトルク値を発電側に切り替えるステップと、
上記断続手段の上流部と下流部とが同期した状態で断続手段を締結するステップとを含むことを特徴とする車両用駆動装置の制御方法。 - 請求項1記載の車両用駆動装置の制御方法において、
上記断続手段が、油圧回路から供給される油圧により駆動される油圧駆動式の断続手段であり、
上記断続手段の上流部と下流部との同期が確認される前に、上記断続手段を完全に締結するのに必要な圧力よりも低いプリチャージ圧まで上記油圧を高め、上記断続手段の上流部と下流部との同期が確認されると、上記油圧をさらに高めて上記断続手段の締結を完了させることを特徴とする車両用駆動装置の制御方法。 - 請求項1または2記載の車両用駆動装置の制御方法において、
上記自動変速機が、所定の変速段を形成するために締結が必要な複数の摩擦締結要素を有し、
このうち変速段に応じた特定の摩擦締結要素を上記断続手段として締結または解放することにより、上記エンジンと車輪との間で動力を伝達または切断するようにしたことを特徴とする車両用駆動装置の制御方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置の制御方法において、
上記エンジンと自動変速機との間に、流体を介した動力伝達を行う流体伝動装置が設けられており、
上記エンジンを始動するステップの前に、上記流体伝動装置に内蔵されたロックアップクラッチを締結することにより上記エンジンと自動変速機とを直結することを特徴とする車両用駆動装置の制御方法。
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