JP2010012984A - 遮蔽装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遮蔽シートと、収容装置と、収容装置から遮蔽シートを引き出す方向に沿って受け面を延設する一対の支持部と、遮蔽シートの先端部に対して支持部に向かって設けられた先端部材と、先端部材と前記収容装置との間で遮蔽シートの幅方向に沿って配置され支持部の受け面上を移動可能な中間部材と、遮蔽シートの幅方向の両側にそれぞれ設けられ、先端側の端部が中間部材に沿って移動可能とされ、かつ、収容装置側の部位を中心として回動可能な一対の第一のアーム部材と、遮蔽シートの幅方向の両側にそれぞれ設けられ、先端側の端部が先端部材に対して回動可能に接続され、収容装置側の端部が第一のアーム部材の先端側の端部に対して回動可能に連結された一対の第二のアーム部材とを備える。
【選択図】図2
Description
例えば、自動車の後部に設けられた荷室と乗員室の間が仕切られていないワンボックスタイプの自動車では、荷室の上方を覆うことで荷室に積まれた荷物を遮蔽するトノカバー装置と呼ばれる遮蔽装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
この遮蔽装置には、遮蔽シートの引き出しに応じて展開されるリンク部材が設けられているものがあり、遮蔽シートの収納時にはリンク部材が各アームを繋ぐ支軸によって折りたたまれて収容される。一方、遮蔽シートの引き出し時にはリンク部材は遮蔽シートの引出方向に展開し、引出しを補助する。
そのため、遮蔽シートに意図しない荷重が加えられた場合でも、第一のアーム部材と第二のアーム部材の連結部を接続した中間部材に荷重が分散して加えられるため、可及的にアーム部材の変形を抑止することが可能となる。
請求項2に係る発明では、遮蔽シートを巻取り収容する遮蔽装置にも適応させることができる。
請求項3,及び請求項4に係る発明では、遮蔽シートを巻取り収容する遮蔽装置において、遮蔽シートを引き出すのに必要な力を低減させることができる。
請求項5に係る発明では、遮蔽シートを引き出す際に発生する摩擦抵抗を低減することができる。
請求項6に係る発明では、異音を低減することができる。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.第4の実施形態:
5.その他の実施形態:
(A)遮蔽装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態に係る遮蔽装置を採用した自動車の内装の一例を示す側面図である。また、図2は、遮蔽装置を採用した自動車の内装の一例を示す要部斜視図である。更に、図3は、遮蔽装置を採用した自動車の内装の一例を示す要部平面図である。これらの図では、本発明に係る遮蔽装置を自動車用遮蔽装置に適用した実施形態が示され、遮蔽シートが自動車後部に形成された荷室の一部を覆った状態を車体の一部を切り取って示している。
また、ドア開閉装置20により後部扉10が開閉されると、遮蔽装置3はこの開閉に連動させて、遮蔽シート30を収容位置LO1から引出し位置LO2まで移動させる。
遮蔽シート30は、図1に示す所定の収容位置LO1から図1に示す所定の引出位置LO2まで荷室LR1へ引き出し可能であり、前記引出位置LO2から前記収容位置LO1まで収容装置40へ巻き取り可能である。ここで、遮蔽シートの収容位置LO1は、収容装置により遮蔽シートが最も収容された位置を意味することにする。従って、収容位置LO1は、遮蔽シートの全てが収容装置に収容される位置のみならず、遮蔽シートの一部が収容装置外に出た位置でもよい。図6に示すように、遮蔽シート30の先端部32は、折り返されて係合部とされ、先端部材63に形成された係合溝63cに挿入されて先端部材63が取り付けられている。遮蔽シートには、巻き取り装置に巻き取り可能な柔軟性を有するシート状材料が用いられる。このシート状材料には、遮光性を有する不透明の軟質材料が好ましい。遮蔽シートには、塩化ビニル樹脂等の樹脂成形材料を成形したシート、塩化ビニル樹脂等の樹脂材料を用いたレザー、ナイロンやポリエステル等の織物、編物、等を用いることができる。
ケースには、アルミニウム等の金属や樹脂成形材料を押出成形等により成形して遮蔽シート引き出し用の開口を有する略筒状とした成形品を用いることができる。収容装置40が後部扉に設けられるため、巻き取り装置からケースを省略することも可能である。
遮蔽シート駆動手段50は、後部扉10の開閉に連動して、遮蔽シート30の引き出し及び収容を補助するためのものである。
図4は遮蔽シート駆動手段50を展開した状態で図2におけるAの矢印方向から見た上面図である。図5は遮蔽シート駆動手段50を収縮した状態で図2におけるAの矢印方向から見た上面図である。
先端部材63は遮蔽シート30の幅と略同寸又は若干大きな幅を備えた棒状であって、幅方向D3両縁はエンドホルダ63a,63bにより構成されている。このエンドホルダ63a,63bはデッキサイドトリム6に形成されたコ字状レール部60の溝に挿入されて、先端部材63の摺動を補助する。また、先端部材63は、その上部に遮蔽シート30の先端が挿入して係合する係合溝63cが設けられ、下部に第二のアーム部材69が回動可能に取り付けられるベース部63dが設けられている。
第一のアーム部材67は、先端側の端部67aが中間部材64に沿って幅方向D3へ移動可能とされ、収容装置40側の端部67cを中心として回動可能とされている。左右のアーム部材67A,67Bの先端側は、第二のアーム部材69A,69Bに対して回動可能に接続される連結部68,68を有している。
一方、本実施形態では、図4等に示すように、収容装置40側の端部67c,67cは、リンク部材84A,84Bが回動可能に連結されている。
なお、第一のアーム部材67に設けられるリンク部材への接続部は、後端部材への接続部よりも引出方向D1側とされてもよい。
第二のアーム部材69は、先端部材63に対して回動可能に取り付けられる接続部を先端側の端部69aに有し、第一のアーム部材の先端部67aに対して回動可能に取り付けられる連結部を巻き取り装置40側の端部69bに有している。
図7を参照しつつ第一のアーム部材67と第二のアーム部材69との接続状態をより詳細に説明する。第一のアーム部材67Aと第二のアーム部材69Aの端部67a,69bに形成された貫通穴、及びワッシャー部材WA2,WA3は、リベット部材RI2の軸部が挿通している。また、リベット部材RI2は第一のアーム部材67Aの下方で、レールランナーRU1を挿通しており、このレールランナーRU1のレール溝が中間部材64のガイド溝65を形成する対向部と滑合するよう接続されている。レールランナーRU1は、遮蔽シート引出時に上下方向となる中間部分に中間部材の対向部65a,65aを挿入させる溝RU1aが形成されている。これにより、レールランナーRU1は、溝RU1aから下側を中間部材のガイド溝65に挿入した状態で幅方向D3で対向部65a,65a間を摺動する。本実施形態では、ガイド溝65を中間部材64の幅方向D3で一対設けているため、ガイド溝65を摺動するレールランナーRU1が同ガイド溝65の両端で当接してその摺動が規制される。そのため、ガイド溝65をレールランナーRU1のストッパとして作用させることができる。なお、レールランナーRU1には、PP等の樹脂成形材料を射出成形等により成形した部材を用いることができる。
以上より、第一のアーム部材67と第二のアーム部材69は、リベット部材RI2により回動することができ、レールランナーRU1により中間部材64の長手方向で摺動することができる。
図8を参照しつつ第一のアーム部材67と収容装置40との接続状態をより詳細に説明する。収容装置40は、カウル形状のケース41を備えており、巻き取られた遮蔽シート30をこの41で上方から覆うよう配設されている。また、ケース41には、遮蔽シート30の引き出し側端部41aと反対方向の端部41bから延設したベース部41cが形成されている。また、ベース部41cの下方には、後端部材66が固定されている。この後端部材66には、スタッドボルトRI3が貫通しており、スタッドボルトRI3はワッシャー部材WA4、及び第一のアーム部材67の端部67bに形成された貫通穴を挿通している。また、スタットボルトRI3の先端はナット部材NU1が螺合し、第二のアーム部材67を供締めしている。そのため、第一のアーム部材67は後端部材66にスタッドボルトRI3の軸部を回転中心として回動することができる。
以下に、本発明に係る第1の実施形態の作用を説明する。
後部扉10が閉じられた状態では、先端部材63に固定された遮蔽シート30は引出し位置LO2に位置している。この状態で、ユーザが後部扉10を開くと、後部扉10の開きに連動して収容装置40は遮蔽シート30を巻取る。そのため、遮蔽シート30は収容位置LO1まで移動する。
一方、ユーザが後部扉10を閉じた場合、遮蔽シート駆動手段50は遮蔽シート30を引出方向D1に引き出す。具体的には、後部扉10が開くことにより、駆動手段80のリンク部材84A,84Bは、第一のアーム部材67A,67Bの端部67cを幅方向D3で外側に押出すように動作する。第一のアーム部材67A,67Bはリンク部材84A,84Bによる押出し動作を、軸部を中心とした回動運動に変換し、回動を開始する。この回動により、端部69bで第一のアーム部材67A,67Bに連結した第二のアーム部材69A,69Bは、連結部68がガイド溝65,65に沿って幅方向D3外側に摺動する。そのため、第一のアーム部材67A,67Bと第二のアーム部材69A,69Bの幅方向D3に対する傾きは大きくなり、先端部材63及び中間部材64を引出方向D1にスライドさせる。これにより、遮蔽シート30を引出位置LO2に移動させる。
図9は、遮蔽装置に係る力の関係を説明するための模式図である。収容装置40は遮蔽シート30に対して収容方向D2に張力Tを加えている。そのため、遮蔽シート30を引出すためには、この張力Tと反対方向にその大きさがT以上の力F1で遮蔽シート30を引き出す必要がある。具体的には、遮蔽シート駆動手段50をモーターの力で展開させて遮蔽シート30を引出す場合では、モーターは遮蔽シート駆動手段50に対して上記した条件を満たす力F1を及ぼす必要がある。
そこで、第2の実施形態では、張力Tに対して反対方向の力F2を発生させることで、モーターが必要とする力F1を軽減させる構成としてある。
Ta=Tcosθ …(1)
の力で、第一のアーム部材67Aを図中反時計回りに回動させるよう作用している。なお、張力Tにより第一のアーム部材67Aを時計回りで回動させる力は、第一のアーム部材67Aの傾き角θにより変化し、傾き角θが90度付近(遮蔽シート30が引出位置LO2に位置する)で最小となり、傾き角θが0度付近(遮蔽シート30が収容位置LO1に位置する状態)で最大となる。ここで、第一のアーム部材67Aを図中時計回りに回動させて遮蔽シート駆動手段50を展開させるためには、駆動手段80のモーター81は、少なくとも、
F3>Tcosθ …(2)
を満たす力F3を第一のアーム部材67Aに対して作用させる必要がある。
Fs=kλsinθ …(3)
となる。
なお、引張コイルばね71の伸び量λは、第一のアーム部材67Aの傾き角θにより変化し、傾き角θが90度付近(遮蔽シート30が引出位置LO2)で最小となり、傾き角θが0度付近(遮蔽シート30が収容位置LO1)で最大となる。
ここで、図中左向きを正とすれば、第一のアーム部材67Aには、
T’=Tcosθ−kλsinθ …(4)
の力で、図中反時計周りに回動させる力T’が作用する。そのため、駆動手段80のモーター81は、少なくとも、
F3>Tcosθ−kλsinθ …(5)
を満たす力F1を第一のアーム部材67Aに対して時計回りに作用させる必要がある。
さらに、連結部68は、引張コイルばね71により中間部材64の幅方向D3外側に向けて付勢力が作用している。そのため、自動車の揺れ等により遮蔽装置に振動が加えられた場合でも、第一のアーム部材67と第二のアーム部材69の位置を保持することができる。
先端部材63又は中間部材64の展開時の摩擦抵抗がより低減されれば、遮蔽シート30を引き出すために遮蔽シート駆動手段50が必要とする力を低減することができる。そのため、第3の実施形態では、先端部材63又は中間部材64の両端とコ字状レール部60との間の摩擦抵抗を軽減し、遮蔽シート駆動手段50が引き出し時に必要とする力を軽減している。
第一のアーム部材と第二のアーム部材との連結部68が中間部材64に摺動可能に接続される構成は様々な変形例が存在する。図15及び16は、変形例としての第一のアーム部材、第二のアーム部材、及び中間部材の要部を示す断面図である。
図15では、レールランナーRU2は中間部材64のガイド溝65の内部で同ガイド溝を形成する縁部と係合している。具体的には、中間部材64のガイド溝65を構成する対向部65a,65aは、下方に向けて延設するとともにガイド溝65の内部で外向きに突出するよう形成されている。また、レールランナーRU2の先端には溝部が形成されている。そして、ガイド溝65の対向部65a,65aがこの溝部に挿入されつつ互いの先端で係合している。
このような構成とすることで、中間部材64とレールランナーRU2とがより強固に係止するため、耐荷重性が向上し好ましい。
このような構成とすることで、中間部材64とレールランナーRU3との摩擦抵抗を低減することができる。
図17は、遮蔽装置としてのブラインド装置を示す正面図である。この図では、遮蔽装置を、後部扉10のリアガラスを車内側から遮蔽するブラインド装置100に適応したものである。ブラインド装置100は、収容装置40を後方扉10の車室内側上部に配置し、コ字状レール部60をデッキサイドトリム6に形成している。そのため、遮蔽シート30を下方に向けて引き出すことで、遮蔽シート30によりリアガラスを遮蔽し、リアガラス越しに車室内を見えないようにすることができる。
第二のアーム部材69(69A,69B)をエンドホルダ63a,63bに回動可能に接続すれば、先端部材63の本体部には第二のアーム部材69を固定するための部位を設ける必要がなく、材料を低減してコストを下げることができる。
そして、収容装置の位置及び、遮蔽シートの引出方向は実施の形態に記載されたものに限定されない。つまり、収容装置を後部座席側に配置し、車両後方に向けて遮蔽シートを引き出す構成としてもよい。
更に、荷室用ドアは、荷室の側部に配置され、側方へ開くドアとされてもよい。この場合、遮蔽シートの引出方向及び収容方向は、自動車の左右方向とすればよい。
また、遮蔽装置は、収容装置に対して蛇腹状の遮蔽シートを引出可能に収容する装置とされてもよい。
そして、本発明に係る遮蔽装置は自動車に利用されるものに限定されない。つまり、建物等に取り付けられるものであってもよい。
BP…バックドアパネル、BT…バックドアトリム、LR1…荷室、NU1…ナット部材、RI1,RI2…リベット部材、RI3…スタッドボルト、RO1,RO2,RO3…ローラー、RU1,RU2,RU3…レールランナー、RU1a…溝、SP1…バネ部材、WA1,WA2,WA3,WA4,WA5…ワッシャー部材
D1…引出方向、D2…収容方向、D3…幅方向、LO1…収容位置、LO2…引出位置
Claims (7)
- 遮蔽シートと、
前記遮蔽シートを引き出し可能に収容するための収容装置と、
該収容装置から前記遮蔽シートを引き出す方向に沿って受け面を延設しながら前記遮蔽シートの幅方向の両縁部に対向する位置に設けられた一対の支持部と、
前記遮蔽シートの先端部に対して前記一対の支持部に向かって設けられ、該一対の支持部の受け面上を移動可能とされた先端部材と、
前記先端部材と前記収容装置との間で前記遮蔽シートの幅方向に沿って配置され、前記一対の支持部の受け面上を移動可能とされた中間部材と、
前記遮蔽シートの幅方向の両側にそれぞれ設けられ、先端側の端部が前記中間部材に沿って移動可能とされ、かつ、前記収容装置側の部位を中心として回動可能な一対の第一のアーム部材と、
前記遮蔽シートの幅方向の両側にそれぞれ設けられ、先端側の端部が前記先端部材に対して回動可能に接続され、前記収容装置側の端部が前記第一のアーム部材の先端側の端部に対して回動可能に連結された一対の第二のアーム部材とを備えることを特徴とする遮蔽装置。 - 前記収容装置は、前記遮蔽シートを巻き取る巻き取り装置とされ、前記遮蔽シートを巻き取る方向へ該遮蔽シートを付勢することを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。
- 前記第一のアーム部材と前記第二のアーム部材との連結部には、前記中間部材の両端部に向けて付勢する付勢部材が取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の遮蔽装置。
- 前記付勢部材は、引張コイルばねであることを特徴とする請求項3に記載の遮蔽装置。
- 前記中間部材の両端部には、前記支持部の受け面に沿って同中間部材を摺動させるための転動部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
- 前記中間部材の両端部には、前記支持部に弾接して前記中間部材を上記支持部に密接させる干渉部材が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の遮蔽装置。
- 前記遮蔽シートを前記収容装置から引き出す向きへ前記第一のアーム部材を回動させる電動式の駆動手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
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