JP2009542770A - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アミンまたはアミンと溶媒の混合物をエアゾールの形でガス状のホスゲンと混合し、次いでアミンをホスゲンと反応させることを特徴とするアミンとホスゲンとの反応によるイソシアネートの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アミンとホスゲンとを反応させてイソシアネートを製造する方法に関する。
ポリイソシアネートは大量に製造され、ポリウレタン製造用の出発原料となっている。これらは、通常、相当するアミンをホスゲンと反応させて製造される。
芳香族イソシアネートの中で、メチレンジ(フェニルイソシアネート)(MDI)とその高級同族体やトリレンジイソシアネート(TDI)は、最も工業用に重要なものであり、脂肪族イソシアネート中では、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)が工業的に最も重要である。
第一級の有機アミンとホスゲンとの反応による有機のイソシアネートの連続製造法が数多く報告されており、また大規模な工業スケールで実施されている。(例えば、Ullmanns Enzyklopadie der Technischen Chemie, volume 7 (Polyurethane), 3rd revised edition, Carl Hanser Verlag, Munich−Vienna, p.76ff (1993))。
ホスゲン化は、通常、二段階で実施される。ホスゲン化の一段目では、アミンをホスゲンとを反応させてカルバモイル塩化物と塩化水素とし、平行反応でアミン塩酸塩ができるが、これは、通常反応混合物中での溶解度が低いため固体として沈殿する。アミンとホスゲンの反応は非常に速く、発熱性が強く、低温でも反応は進行する。また、イソシアネートとアミンからの尿素の生成などの、収率を低下させる副反応が平行して進行する。したがって、副生成物や固体の生成を最小限に抑えるためには、アミンとホスゲンを、適当なら有機溶媒との混合物を、極めて早く混合する必要があり、またこの反応はできる限り逆混合を抑えて行う必要がある。したがって、第一のホスゲン化段階は、一般的には、混合装置中で、好ましくはノズル中で行う必要がある。ホスゲン化の第二段階は、カルバモイル塩化物の分解による所望のイソシアネートと塩化水素の生成と実質的の固体で存在するアミン塩酸塩のホスゲン化によるカルバモイル塩化物の生成の両方を含む。ホスゲン化の第二段階の温度は、通常第一段階より高い。この方法の欠点は、一段階目の処理で生成する固体が、粗い固体で、場合によれば凝集した固体として沈殿し、この固体のホスゲン化が用いる操作条件では難しいことと、その後の加工中に完全に反応せず、収率の低下をもたらし、さらには閉塞や汚染を引き起こすことである。これに対処するには、温度、したがって圧力や、反応器内での滞留時間を増加する必要がある。これは、一般的には、安全性や技術的、経済的理由で、好ましくない。この反応段階の収率は、実質的には混合速度と反応速度の比により決まる。例えば、DE10026142A1やEP1275639に記載のように、ノズルを混合装置として使用するのが有利である。混合速度に影響を与える主な因子は、ノズルの構造とノズルによる圧力損失である。ここでの欠点は、ホスゲン側の導入圧力の増加が、ポンプ系に対する設計上や安全上の要件を増加させることである。特に世界的規模の工場の場合には、発生する問題を解決するにはかなりの努力が必要となる。尿素やその反応生成物などの副生成物を最小限に抑えるには、全体の反応を、逆混合を非常に小さくして行う必要がある。実際の混合装置や連続運転反応器は、固有の逆混合度を持ち、この逆混合度はゼロではない一定の値であり、それ以下では反応が進まなくなる。逆混合による副生成物成形をさらに抑えるには、通常、バッチ反応が利用できる。
近年、気相でのイソシアネートの製造がますます重要となってきている。これらのプロセスでは、ガス状で存在するアミンを、同じくガス状のホスゲンと反応させる。この反応は、通常アミン塩酸塩の分解温度を超える温度で進行する。したがって、反応段階での固体の沈殿を避けることができる。
このようなプロセスは公知であり、例えば、EP570799、EP593334、WO2004/062813またはWO03/045900に記載されている。
気相でのアミンのホスゲン化により溶媒が原理的には反応段階で不要となるため、プロセス内を循環する溶媒をかなり減少させることができる。また、液相ホスゲン化よりは、一般的には高収率となる。ガス状の出発原料の密度が低いため、装置内のホスゲン量をかなり低下させることができ、これは大きな安全上の利点となる。気相ホスゲン化の反応条件は、アミン塩酸塩の沈殿が起こらないように選択されるため、難反応性の固体の生成に伴う上記のような欠点が解消される。
適当な加工コストで気相に変換可能なアミンのみが、気相ホスゲン化によりホスゲンと反応させることができる。これらのアミンは、好ましくはヘキサメチレンジアミン(HDA)やイソホロンジアミン(IPDA)などの脂肪族のジアミン、および芳香族のトルエンジアミン(TDA)である。メチレンジ(フェニルイソシアネート)(MDI)製剤(通常、工業的には高級同族体との混合物として存在する)は、気相ホスゲン化では得られない。二環化合物は気化しにくく、より高級な同族体、即ち三個以上の芳香族環を持つものは、全く気化しない。
したがって、本発明の目的は、アミンとホスゲンとを反応させてイソシアネートを製造する方法であって、
・反応器内での逆混合を最小に抑え、同時に起こる副産物成形を最小に抑える、
・ホスゲン側での低い圧力損失で短い混合時刻を達成するアミンとホスゲンとの効果的な混合方法を提供する、
・沈殿するアミン塩酸塩が凝集してホスゲン化が難しい凝集物を形成しないようにする、また
高い空間・時刻収率と品最終製の品質の改良、特に不純物、NCO含量、分散度や副産物の種類の改良をする方法を開発することである。
この目的は、驚くべきことに、アミンをエアゾールの形でホスゲンと反応させることで達成された。
したがって、本発明は、アミンとホスゲンと反応させてイソシアネートを製造する方法であって、アミンがエアゾールの形で、ガス状のホスゲンと反応させられる方法を提供する。
下記における液滴サイズ分布は、重量平均サイズ分布関数である。上述のパラメーターのすべては、この分布関数に基づいている。
このエアゾールの液滴サイズ分布は、10nm〜1mmであることが必要で、好ましくは100nm〜100μm、特に0.2〜10μmである。この液滴サイズ分布は、これらの極限値間内で、非常に広くても非常に狭くてもよい。理想的な場合は、この液滴サイズ分布が非常に狭くなっている。分布幅の目安は、液滴サイズ分布のd50を元として規格化した標準偏差σである。d50は、累積分布関数が、0.5(50%)に達する液滴のサイズである。非常に広い分布では、σは>>1である。狭い分布では、σは<1であり、理想的な単分散分布では、σは0である。
一般に、液滴のサイズはできる限り小さくあるべきであり、これによりホスゲンの液体アミン含有相への浸透が大きくなる。また、沈殿アミン塩酸塩粒子の最大径は、実現可能な液滴直径により制限される。このため、非常に荒いエアゾールより微細なエアゾールが好ましい。しかしながら、エアゾール/製品が、下流の液滴/ダスト分離器で分離できるようにすることが必要である。
液滴サイズ分布は、重量的な測定方法、例えば衝撃法またはサイクロンカスケード法で測定できる。また、レーザー光学的な方法などの他の方法を、具体的には、パラス社のウェラス計測システム、粒子ドッブラー測風法(PDA)、粒子イメージ速度計測法(PIV)、または走査型移動度粒度計(SMPSシステム)などのレーザー散乱システムを使用することができる。分散系と各種の測定法の概説が、M. Stieli “Mechanische Verfahrenstechnik 1”、Springer−Verlag、Berlin 1995、p.4ff.に記載されている。
液滴したがってエアゾールは、既知のエアゾール製造方法を用いて、特にノズルを用いて製造できる。ある実施様態においては、これらが、特殊な種類の構造をもつ単一流体圧力ノズル例えば、デュセン・シュリック社の製品カタログに記載のもの、具体的には完全コーン状ノズル、中空コーン状ノズル、遠心式ミストノズルなでである。この実施様態においては、噴霧が加圧下で行われる。
他の実施様態においては、特殊な種類の構造の二流体ノズルを用いることができ、(デュセン・シュリック製品カタログ:二流体ノズル、多流体ノズルを参照)、また適当なら噴霧化ガス(不活性ガスまたはホスゲン)を用いることができる。この実施様態においては、噴霧化は、追加ガスを用いて行われる。通常の不活性ガスまたはホスゲンを噴霧化ガスとして使用できる。
他の実施様態においては、超音波を用いて噴霧化させることもでき(超音波噴霧化)、あるいはまたは超音波ノズルを用いてミスト化させることもできる。
さらに他の実施様態においては、回転ディスク(回転噴霧化ディスク)を用いて噴霧化することができる。ノズルや他の噴霧装置を用いる各種の液体の噴霧化方法の概説が、T. Richter in “Zerstauben von Flussigkeiten”, Expert Verlag, Renningen 2004, p.1ff、およびG. Wozniak “Zerstaubungstechnik”, Springer−Verlag, Berlin 2003, pp. 57−88に記載されている。
アミンは、純粋物質として用いてもよく、アミンとホスゲンとの反応前、反応中、反応後に不活性な挙動を示す他の液体との混合物として用いてもよい。噴霧は、好ましくは、反応空間中で1〜20(絶対)バール、好ましくは1〜10バール、特に好ましくは1〜5(絶対)バールの圧力で実施される。上述のように、噴霧化装置上流の導入圧力は、選択した方法やエアゾールの細かさによる。
純粋物質のアミンを用いる場合、アミンの噴霧は、好ましくはアミンの融点と沸点の間の温度でおこなわれる。特に、この噴霧化は、続くアミンとホスゲンの反応の初期温度に相当する温度で実施される。
本発明の方法のある好ましい実施様態においては、エアゾールの製造に先立って、アミンまたはアミン/溶媒混合物を、加圧下で過熱して、低圧で噴霧化の際に液体の一部が突沸してさらに小さな液滴が生成するようにすることができる。この導入圧力は、反応器圧力より通常1〜20バールの範囲、好ましくは1〜10バール高い絶対圧力である。この導入圧力、即ち噴霧化装置の上流での過熱の程度は、上述のように、所望の液滴サイズ分布や選択された噴霧化方法に依存する。本方法のこの実施様態においては、噴霧化装置上流の温度と圧力の上昇と噴霧化装置下流の噴霧対象の混合物の突然の減圧とが、液滴サイズの減少をもたらし、液滴サイズ分布を小さな液滴側に移動させる。
他の用いうる液滴サイズの減少方法では、噴霧器(この場合好ましくはノズル)と対極との間に電場をかけること、即ちエレクトロスプレー法である。電気力の追加により、得られるエアゾール液滴のサイズがさらに減少する。この作動様式や実施様態についての詳細は、例えば、H. Wiggers, P. Walzel, “Elektrostatisches Zerstauben von Flussigkeiten”, Chem. Ing. Tech. 69 (1997) 1066 − 1073; A. G. Bailey: Electrostatic Spraying of Liquids, Res. Stud. Press Ltd Taunton, Somerset 1988; D. Michelson: Electrostatic Atomization, Adam Hilger, Bristol−New York 1990、に記載されている。
上記のアミンとホスゲンとの反応前、反応中、反応後に不活性な挙動を示す他の液体の添加により、液滴サイズを減少させることもできる。第一に、液滴サイズに影響を与えるアミン含有液体流の重要な物性、例えば流体の粘性または表面張力は、このようにして思い通りに変更できる。第二に、上述の過熱液体流の減圧噴霧方法と組合わせて溶媒を蒸発させることで、液滴サイズをさらに低下させることができる。不活性化合物としては有機溶媒が好ましい。芳香族の溶媒(ハロゲン化も含む)の使用が、特に有利である。その例としては、トルエン、モノクロロベンゼン、o−またはp−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン、クロロキシレン、クロロエチルベンゼン、クロロナフタレン、クロロジフェニル、キシレン、デカヒドロナフタレン、ベンゼン、および他の混合物があげられる。他の有機溶媒の例としては、塩化メチレン、パークロロエチレン、ヘキサン、ジエチルイソフタレート、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トリクロロフルオロメタン、酢酸ブチル、およびジメチルホルムアミド(DMF)があげられる。
他の液滴サイズを最適化する方法としては、分級法の使用があげられる。このようにして、ホスゲンとの反応に先立って過大な液滴を除くことができる。例えば、エアゾール発生器と反応ゾーンの間に多孔板またはガラス濾板を取り付けることで、これを行うことができる。遠心分離器、重力分離器または静電集塵器などの他の分級方法を使用することもできる。
分離された液体流は、好ましくは再循環、つまりエアゾール生成前の出発原料に返送する。返送アミンまたは再循環アミンのホスゲンによる汚染を防ぎ、反応器外でのこれらの反応を防ぐために、この液滴分級領域を、不活性ガスで、例えば窒素で加圧してもよい。このようにして、反応性ガス、例えばホスゲンの分級空間への流入を防ぐことができる。
エアゾール状アミンとホスゲンとの反応は、通常、圧力が1〜20(絶対)バール、好ましくは1〜10(絶対)バール、特に好ましくは1〜5(絶対)バールで、温度が50〜350℃、好ましくは50〜250℃、特に好ましくは90〜150℃で行われる。液滴中におけるホスゲンのアミンに対するモル比率が過剰となるように、例えば1:1〜20:1、好ましくは1:1〜10:1、特に好ましくは1:1〜5:1となるように、ホスゲンが反応器内に導入される。この反応を、チューブ反応器、噴射塔、またはループ反応器中で行ってもよい。しかしながら、原理的には、具体例は示さないが他の構造の反応器を使用することもできる。ホスゲン使用の二流体ノズルを用いてエアゾールを形成する場合、噴霧後にガス状ホスゲンとアミンまたはアミン/溶媒混合物の二つの供給流が非常に均一に混合されるように、ホスゲンをエアゾールに混合する必要がある。できるだけ速く均一にすることが特に重要である。これを確実にするために、当業界の熟練者が通常用いるあらゆる技術を、例えば、併流または交流でのホスゲンの分割投入や、ホスゲンの中心から回転させながら投入、あるいは一個以上のノズル、例えば環状ギャップノズルや向流型ノズルを用いた供給流の混合などを利用することができる。低揮発性のホスゲン含有溶媒の液滴を用いて、ホスゲンとアミン・エアゾールとを混合するのも有利であろう。
エアゾール反応器中でイソシアネートヘの変換が完了するまで、この反応を行ってもよい。しかしながら、後反応器の液相中では、部分変換に抑える、特に残存するアミン塩酸塩を部分変化に抑えるのも有利であろう。この後反応器は、いろいろな程度の逆混合をもつ従来型の反応器であってよく、例えば攪拌容器、ループ反応器、またはチューブ反応器などである。完全反応後または部分反応後のエアゾールは、フィルター、デミスター、遠心分離機、板状分離器または重力分離器などの既知の液滴または粒子分離法により分離される。いろいろな液滴分離器が、Burkholz “Droplet Separation”, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim 1989, p. 17ff.に記載されている。F. Loeffler “Staubabscheiden”、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1988、p. 32f f.、およびM. Stiess “Mechanische Verfahrenstechnik 2”、Springer−Verlag、Berlin 1997、pp. 1−53、は、粒子分離器の構造の種類についての概説である。
反応後、反応混合物は、通常、一種以上のイソシアネートと、不活性の化合物、好ましくは溶媒と未反応のホスゲンと塩化水素とに分離される。イソシアネート中に残留する少量の副生成物は、望ましいイソシアネートから、さらに精留または結晶化により分離される。
この未反応のホスゲンは、通常、適当なら精製後に、再循環してホスゲン化に再利用される。反応で生じる塩化水素は、適当なら精製した後、塩化ビニルや塩酸の製造に用いることができる。また、この塩化水素と酸素とをディーコン法により反応させて塩素とし、これをホスゲン合成に循環させてもよい。
イソシアネートに従来から用いられているアミンはすべて、本発明のアミンとして使用できる。これらの例としては、上述のように、ヘキサメチレンジアミン(HDA)やイソホロンジアミン(IPDA)などの脂肪族ジアミン、トルエンジアミン(TDA)やメチレンジ(フェニルアミン)(MDA)などの芳香族イソシアネート、およびこれらの高級同族体があげられる。本発明の方法は、特にMDAのホスゲン化において有利である。
液相のホスゲン化に較べて、ここの提案する方法は、次の大きな利点を有している。つまり、液体の液滴が空間的に制限されているため、反応生成物の、完全に反応が終わっていない供給流へ逆混合を最小限に抑えることができることである。液滴サイズを変えることで、ホスゲンとアミンとの混合時間を大きく短縮したり、コントロールすることができる。混合結果に大きな影響を与えることなくホスゲン側の圧力損失を小さく維持することができる。混合時刻の短縮と逆混合の低下により、収率の低下を抑え、製品の高品質を、具体的には好ましい色番号、低い塩素含量、高いNCO価、適当な分散度などを、維持することが可能となる。沈殿するアミン塩酸塩の粒度は、液滴サイズを制限することである最大値以下に保つ(更なる凝集の防止)。これにより、アミン塩酸塩のホスゲン化に必要な滞留時間を低下させ、この方法の汚染に対する感受性を低下することができる。気相のホスゲン化とは対照的に、エアゾールホスゲン法では、より高沸点であり、気化するにしても気化が容易でないアミンまたはアミン混合物をホスゲン化することが可能である。また、この反応をアミンの沸点未満で実施することが可能である。このようにして熱的に引き起こされる品質の劣化や収率の低下を防止することができ、また、エネルギーを多く消費する高温下でのアミンまたはアミン混合物の気化を省くことができる。
以下、本発明を、実施例を基に説明する。
実施例:
アニリンとホルムアルデヒドとの酸触媒反応で得たMDAを、噴射チューブ反応器内、10バールの圧力で、二流体ノズル(シュリック型970シリーズ)を用いて噴霧させた。ノズル当たりの体積流量が0.36l/h(0.39kg/h)のMDAと、体積流量が1.23l/h(0.9kg/h)のMCBとを混合した(合計1.6l/hの液体、50℃)。噴霧には、MDAが過熱されるようにノズルに圧力をかけるとともに、過圧状態の窒素を噴霧ガスとして用いた。大きな液滴を多孔板で除き再循環させることにより、MDAを直径が<10μmの液滴の形で反応器に投入した。このようにして得たエアゾールとガス状で注入したホスゲンとを、質量比が1:7.5(2.88kg/hat 90℃)で反応させた。生成したMDIは、遠心式液滴分離器により分離し、工程から排出し、後処理した。
過剰のホスゲンと生成した塩化水素は、反応器から排出して分離貯蔵した。このホスゲンは本プロセスに再循環させた。

Claims (17)

  1. アミンまたはアミンと溶媒の混合物をエアゾールの形でガス状のホスゲンと混合し、次いでアミンをホスゲンと反応させることを特徴とするアミンとホスゲンとの反応によるイソシアネートの製造方法。
  2. 前記エアゾールの液滴のサイズ分布が10nm〜1mmである請求項1に記載の方法。
  3. 前記エアゾールがノズルを用いて製造される請求項1に記載の方法。
  4. 前記エアゾールが単一流体圧力ノズルを用いて製造される請求項1に記載の方法。
  5. 前記エアゾールが二流体ノズルを用いて製造される請求項1に記載の方法。
  6. 前記エアゾールが回転式噴霧板を用いて製造される請求項1に記載の方法。
  7. 前記エアゾールが超音波式ノズルを用いて製造される請求項1に記載の方法。
  8. 前記エアゾールがエレクトロスプレー法を用いて製造される請求項1に記載の方法。
  9. 前記噴霧化が他のガスを用いて行われる請求項5に記載の方法。
  10. 不活性ガスまたはホスゲンを、前記他のガスとして使用する請求項6に記載の方法。
  11. ヘキサメチレンジアミン(HDA)、イソホロンジアミン(IPDA)、および芳香族のトルエンジアミン(TDA)とメチレンジ(フェニルアミン)(MDA)とその高級同族体との混合物を前記アミンとして用いる請求項1に記載の方法。
  12. 前記アミンが純粋物質として用いられる請求項1に記載の方法。
  13. 前記アミンを、ホスゲンとの反応中および反応後に、不活性な挙動を示す化合物とともに使用する請求項1に記載の方法。
  14. 噴霧を1〜20バール(絶対圧)の範囲の差圧で行う請求項1に記載の方法。
  15. 前記アミンとホスゲンとの反応を1〜20バール(絶対圧)で行う請求項1に記載の方法。
  16. 前記アミンとホスゲンとの反応を50〜350℃の温度で行う請求項1に記載の方法。
  17. 前記アミンとホスゲンとの反応を、チューブ反応器、噴射塔、またはループ反応器内で行う請求項1に記載の方法。
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