JP2012508212A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、アミンとホスゲンを場合により不活性媒体の存在下において気相で反応させることによりイソシアネートを製造する方法において、初めにアミンとホスゲンを混合して反応器内でイソシアネートに変換し、液体急冷媒体を添加することによって反応器を急冷状態として、イソシアネートと塩化水素を含む反応ガスを冷却することで反応ガスと急冷媒体との混合物を得る方法に関する。
適切なアミンを液相又は気相ホスゲン化を実行して対応するアミンをホスゲン化しイソシアネートを製造することが、原理的に可能である、気相ホスゲン化は、選択性が高い点、対応するホスゲンのホールドアップ性がより小さい点、及び要求されるエネルギー量を減らすことができるという点で注目すべきものである。
気相ホスゲン化においては、アミン含有反応物流、及びホスゲン含有反応物流を気相の状態で相互に混合する。アミン及びホスゲンが反応し、塩化水素(HCL)を除去すると対応するイソシアネートが得られる。アミン含有反応物流は、一般的に液相で存在し、気化させる必要があり、場合によりホスゲンが含有流との混合の前にスーパーヒートさせる必要がある。
気相においてイソシアネートを製造する方法が、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されている。
上記反応が終了した後に他の反応を妨げるために反応混合物を急速に冷却する必要がある。この目的のために、例えば、液体急冷物が使用される。この種の液体急冷物は、例えば、特許文献3又は特許文献4に記載されている。冷却のために添加される液体急冷媒体は、50〜200℃の範囲の温度を有する。反応ガスに液体流が噴霧されると、液体流の温度が急速にほぼ100〜200℃の間の温度となる。これにより、イソシアネートを豊富に含む液相及びイソシアネートを少し含む気相を備えた2相混合物が形成される。次に、これら2つの相は、結合されるか、又は適宜、分離されて分離段階(ステージ)に進む。この分離段階は、例えば、上記2つの相を塩化水素、一方でホスゲン、さらに一方でイソシアネートに分離する蒸留分離場所である。
しかし、公知の急冷用装置の欠点は、急冷装置内のいくつかの壁部領域の湿潤の度合いが低いことである。この点において、凝縮された反応混合物が、長時間装置に残留し、全体の方法における選択性に悪影響を与える他の反応にさらされる。更に、昇華する他の成分、又は他の反応を通して生成する他の固体が、析出する可能性があり、したがって、プラントの稼働に悪影響を与えることがある。更に、エアロゾル生成の問題がある。エアロゾルは、気相の急冷により生じる超微細液滴又は粒子である。これらエアロゾルは、気相とともに次の分離工程に通され、気相の分離作用を低下させる。従って、適切な技術的手段によりその液滴を除去する必要がある。
従って、本発明の目的は、急冷空間においてエアロゾルが形成及び析出されることが防止される、対応するアミンとホスゲンの反応によりイソシアネートを製造する方法を提供することにある。
上記目的は、アミンとホスゲンを場合により不活性媒体の存在下において気相で反応させることによりイソシアネートを製造する方法において、初めにアミンとホスゲンを混合して反応器内でイソシアネートに変換し、液体急冷媒体を添加することによって反応器を急冷状態として、イソシアネートと塩化水素を含む反応ガスを冷却することで反応ガスと急冷媒体との混合物を得る方法であって、上記液体急冷媒体の添加は、急冷中に確立される反応ガスと急冷媒体との混合物の温度が、急冷中に存在する反応ガスの露点を上回る量で行われることを特徴とする方法により達成される。
添加される急冷媒体の量は、反応ガスの混合物及び急冷中に定着される急冷媒体の温度が、急冷中に存在する反応ガスの露点を上回っている状態となるように調整される。
急冷媒体は、反応ガスと急冷媒体の混合物が急冷中に存在する反応ガスの露点上回っている状態に調節されることにより、エアロゾルが形成されない。反応ガスと急冷媒体の混合物のいずれの成分も凝縮も昇華しない。
更に、エアロゾルの形成が阻害されるので、急冷工程の次のエアロゾルを除去する分離工程に反応ガスを通す必要が無くなる。また、急冷工程の次に続く分離工程において、混合物からイソシアネートを除去するための分離作用は低下しない。
イソシアネートを製造するために、アミン及びホスゲンが初めに混合領域へ送られて、この領域でアミンとホスゲンが混合されることで反応混合物を得ることが好ましい。次に、上記反応混合物をイソシアネートへの変換が実行される反応器に供給する。反応器におけるアミンとホスゲンの反応は、気相で行われることが好ましい。反応器内の圧力は、絶対圧で0.3〜3バールの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、絶対圧で0.8〜3.0バールの範囲内であることが好ましい。反応器の温度は、250〜550℃の範囲内であることが好ましく、特に300〜500℃の範囲内であることが好ましい。
更に、気相中で反応を実行することを可能とするために、アミン及びホスゲンを気体の形態で添加することが好ましい。この目的を達成するために、好ましくは、アミンが200〜400℃の範囲内の温度を有する。添加されるアミンの圧力は、絶対圧で0.05〜3バールの範囲内であることが好ましい。添加されるホスゲンの温度は、好ましくは、250〜450℃の範囲内である。この目的のために、ホスゲンは、通常、添加の前に当業者により知られている方法で加熱される。
ホスゲン及びアミンを加熱してアミンを気化させるために、例えば、電気ヒーター、又は燃料の燃焼による直接(或いは間接)加熱装置が使用される。使用される燃料は、一般的に燃料ガス、例えば天然ガスである。しかし、アミンの圧力を低下させて沸点を低下させることにより、例えば蒸気を用いた加熱を行うことも可能である。ここで、蒸気の圧力は、アミンの沸点に応じて選択される。蒸気の適切な蒸気圧は、例えば、40〜100バールの範囲内である。これにより、蒸気の温度は250〜311℃の範囲内になる。
一般的に、アミンは、いくつかの段階で反応温度まで加熱する必要がある。この目的のために、アミンを最初に予備加熱し、その後、気化させ、次いでスーパーヒートさせることが一般的である。通常、この気化の時間が最も長く、従って、アミンの分解が引き起こされる。この気化の時間を最少にするために、より低い温度で、より低い圧力による気化が有効である。気化の後に、気化されたアミンを反応温度までスーパーヒートするためには、一般的に蒸気を用いた加熱では不十分である。従って、このスーパーヒートのために、通常、電気ヒーター、又は燃料の燃焼による直接(或いは間接)加熱装置が用いられる。
アミンの気化に対して、ホスゲンの気化は、一般的にかなり低い温度で実行される。このため、ホスゲンは、一般的に蒸気を用いて気化することが可能である。しかし、ホスゲンを反応温度まで加熱するためのスーパーヒートもまた、電気ヒーター、又は燃料の燃焼による直接(或いは間接)加熱装置によってのみ可能である。
イソシアネートを製造するためのアミンのホスゲン化に使用される反応器は、当業者に知られている。使用される反応器は、一般的に管型反応器である。反応器において、アミンをホスゲンと反応させて対応するイソシアネート及び塩化水素を得る。一般的に、反応器で生成される反応ガスに加えて、生成されるイソシアネート及び塩化水素もまたホスゲンを含むように、ホスゲンは過剰量で添加される。
イソシアネートを製造するために使用され得るアミンは、モノアミン、ジアミン、トリアミン、又は高官能性アミンである。モノアミン又はジアミンを使用することが好ましい。使用されるアミンに関し、対応するモノイソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、又は高官能性イソシアネートが得られる。本発明にかかる方法により、モノイソシアネート又はジイソシアネートを製造することが好ましい。
ジアミン及びジイソシアネートは、脂肪族化合物、脂環式化合物、又は芳香族化合物であっても良い。好ましくは、アミンは、脂肪族化合物又は脂環式化合物であり、より好ましくは脂肪族化合物である。
脂環式イソシアネートは、少なくとも1つの環式脂肪族環系を含むものである。脂肪族イソシアネートは、直鎖又は分岐鎖に結合されたイソシアネート基をもっぱら有するものである。
芳香族イソシアネートは、少なくとも1つの芳香族環系に結合された少なくとも1つのイソシアネート基を有するものである。
以下では、「(環式)脂肪族イソシアネート」という語は、脂環式及び/又は脂肪族イソシアネートを意味する。
芳香族モノ−及びジイソシアネートの例は、好ましくは6〜20の炭素原子を有する、例えばフェニルイソシアネート、モノメリック2,4´−及び/又は4,4´−メチレンジ−(フェニルイソシアネート)(MDI)、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、及び/又は1,5−又は1,8−ナプチルジイソシアネート(NDI)である。
(環式)脂肪族イソシアネートの例は、脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6−ジイソシアネートヘキサン)、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、1,14−テトラデカメチレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアネートペンタン、ネオペンタンジイソシアネート、リシンジイソシアネートの誘導体、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサンジイソシアネート、又はテトラメチルヘキサンジイソシアネート、及び3(又は4)、8(又は9))−bis(イソシアナートメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン異性体混合物、及び脂環式ジイソシアネートであり、この脂環式ジイソシアネートは、例えば、1,4−、1,3−、又は1,2−ジイソシアネートシクロヘキサン、4´,4−又は2,4´−ジ(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3−又は1,4−bis(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、2,4−又は2,6−ジイソシアナート−1−メチルシクロヘキサンである。
好ましい(環式)脂肪族イソシアネートは、1,6−ジイソシアナートヘキサン、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4´−ジ(イソシアナートシクロヘキシル)メタン、及びトリレンジイソシアネート異性体混合物である。1,6−ジイソシアナートヘキサン、及び1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4´−ジ(イソシアナートシクロヘキシル)メタンが特に好ましい。
本発明にかかる方法で対応するイソシアネートを与える反応のために使用されるアミン類は、選択される反応条件において対応する中間体及び対応するイソシアネートが気体で存在するアミンである。アミンは、上記反応条件の下、反応の持続時間に亘って、2mol%以下、より好ましくは1mol%以下、さらに好ましくは0.5mol%以下程度に分解することが好ましい。本明細書において、特手に好ましいアミンは、特に、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族又は脂環式炭化水素をベースとするジアミンである。それらの例は、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,3−bis(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン(IPDA)、及び4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンである。1,6−ジアミノヘキサン(HDA)を用いることが特に好ましい。
同様に、本発明の方法において著しい分解を行うことなく気相に変換可能な芳香族アミンを用いても良い。好ましいアミンの例は、トリレンジアミン(TDA)、その2,4又は2,6異性体、又はそれらの混合物、例えば、80:20〜65:35(mol/mol)混合物である。更に、好ましいアミンの例は、ジアミノベンゼン、2,6−キシリジン、ナフチルジアミン(NDA)、及び2,4´−又は4,4´−メチレン(ジフェニルジアミン)(MDA)、又はそれらの異性体混合物である。これらの中で、ジアミンが好ましく、特に2,4−及び/又は2,6−TDA、又は2,4´−又は4,4´−MDAが好ましい。
モノイソシアネートを製造するために、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミン、一般的にはモノアミンを使用しても良い。特に好ましい芳香族モノアミンは、アニリンである。
気相ホスゲン化において、反応の過程で生じている化合物、すなわち、反応物(アミン及びホスゲン)、中間体(特に、中間体として形成されるモノ−及びジカルバモイル塩化物)、最終物(ジイソシアネート)、及び計量投入される任意の不活性化合物は、反応状況の下、気相に残ったままである。これらの又は他の化合物は、上記気相から例えば、反応器の壁や他の装置類に付着する。この付着により、望ましくない熱の移動(熱流)の変化や設置されている装置類への流入が生じ得る。これは、特に、遊離アミノ基及び塩化水素をから生じるアミン塩酸塩の発生に対しても同様である。なぜなら、得られる塩化アミンが直ちに沈殿し再度気化することが困難であるからである。
管型反応器を使用することに加えて、プレート反応器等のほぼ立方形状の反応チャンバーを用いても良い。他のどのような所望の断面形状の反応器を用いることが可能である。
副生成物の形成を阻害するために、ホスゲンを過剰に投入することが好ましい。アミンを反応に必要である比率のみ供給するために、アミンと不活性ガスを混合することが可能である。アミンにおける不活性ガスの比率を介して、アミン及びホスゲン用の供給オリフィスの与えられた幾何形状に対して供給されるアミンの量を調節することが可能である。添加可能な不活性媒体は、反応チャンバー内に気体で存在し、反応の途中で生じる化合物とは反応しない。使用される不活性媒体は、例えば、窒素、ヘリウム又はアルゴン等の不活性ガス類、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、デカヒドロナフタレン等の芳香族化合物、二酸化炭素、又は一酸化炭素である。しかし、窒素及び/又はクロロベンゼンを不活性媒体として使用することが好ましい。
しかしまた、ホスゲンがあまりに多量となることを避けるなどの目的で、ホスゲンを不活性媒体に添加しても良い。
一般的に、アミン又はホスゲンに対する不活性媒体の気体体積の比が、0.0001〜30未満、好ましくは0.01〜15未満、及び特に好ましくは0.1〜5未満となるように、不活性媒体をある量で添加する。
望ましくない副生成物の生成を低下させる又は妨げ、さらに生成されるイソシアネートの分解を抑えるために、反応の後に反応ガスを急冷状態として冷却する。この目的を達成するために、好ましい液体急冷媒体が添加される。液体急冷媒体が気化することで、熱が吸収され、反応ガスの急速な冷却がもたらされる。
反応生成物又は反応副生成物又は急冷媒体が、凝縮又は昇華して、これにより混合物中にエアロゾルが形成されることを防止するために、添加される急冷媒体が、反応ガス及び急冷媒体から決定される混合物の温度が、ガス混合物の露点を上回る状態とならないように調整されている。この目的のために、ガス混合物中に存在する全ての成分に対する分圧が、各々の場合においてそれらの蒸気圧を下回る必要がある。露点において、少なくとも1つの成分の分圧は、丁度その蒸気圧に達する。
一般的に急冷媒体は、液体の状態で添加される。急冷媒体の温度は、好ましくは0〜250℃の範囲内であり、特に20〜220℃の範囲内である。急冷媒体は、熱反応ガスへ吹付けられることにより、加熱され気化する。急冷媒体を加熱及び気化するために必要な熱は、反応ガスにより得られる。そして、反応ガスはこのようにして冷却される。反応ガス混合物及び急冷媒体の温度が反応ガスの露点を上回る状態となるように、添加される液体急冷媒体を量を調節することにより、全ての液体急冷媒体及び液体急冷媒体の液滴が反応ガス中に確実に残らなくなる。
本発明の一つの実施の形態において、急冷を、反応ガスを冷却する他の段階の後に行っても良い。個々の冷却段階において、反応ガスは、例えば反応ガスが下流の工程に送られるために望まれる最終温度を達成するまでさらに冷却される。
急冷に続く他の冷却段階(ステージ)として、例えば、さらなる急冷装置又は凝縮装置、或いは当業者に知られている任意の冷却段階があっても良い。急冷の後の反応ガスを冷却する少なくとも1つの段階は、好ましくは凝縮装置である。好適な凝縮装置は、当業者により知られている設計の任意の望まれる凝縮装置である。一般的に、使用される凝縮装置は、冷却媒体が流れる熱交換器である。使用されるクーラントは、例えば、水である。この場合、反応ガスは、凝縮装置の壁部から少なくとも部分的に凝縮する。従って、形成される液体は、流れ出て、集積されて凝縮装置から取り去られる。
反応ガスの混合物及び急冷媒体の凝縮は、一般的に仕上げの前に行われる。例えば、凝縮された混合物を溶媒で洗浄することが可能である。使用される溶媒は、例えば、急冷媒体としても使用され得る物質と実質的に同じ物質である。
洗浄工程において、イソシアネートが選択的に洗浄溶液に移送される。次に、得られた混合物は、好ましくは精留により、イソシアネート、溶媒、ホスゲン、及び塩化水素に分離される。
急冷媒体及び反応ガスの混合物の冷却及び凝縮の他に、反応ガス及び急冷媒体の混合物を急冷の後に分離場所に送ることも可能である。しかし、また、対応する分離場所は、例えば凝縮装置の後であっても良い。好適な分離場所は、例えば、蒸留カラム又はスクラバーである。
分離場所がスクラバーである場合に、反応ガスの混合物及び急冷を行う急冷媒体は、好ましくは、上述のように、溶媒により洗浄される。スクラバーは、選択的にイソシアネートを洗浄溶液に移す。そして、この洗浄は、分離、好ましくは精留の後に行われる。
分離場所が蒸留カラムである場合に、反応ガス及び急冷媒体の気体混合物は、蒸留カラムに送られる。蒸留カラムは、蒸留カラムにおける最高温度が急冷媒体と反応ガスの混合物の沸点よりも低くなるように操作される。このようにして、急冷媒体と反応ガスの混合物の成分が蒸留カラム内で選択的に凝縮され、カラムの頂部及び場合によりカラムの側部溝を介してカラムの底から取り出される。
分離段階がスクラバーである場合、洗浄塔が特に好適である。洗浄塔では、生成されたイソシアネートが、不活性溶媒内で反応ガスと急冷媒体の気体混合物から凝縮により取り除かれる。一方、過剰量のホスゲン、塩化水素、及び適宜不活性媒体は、気体状態で洗浄塔を通り抜ける。不活性媒体の温度は、選ばれた洗浄媒体中においてアミンに対応する塩化カルバモイルの溶解温度より高く保たれることが好ましい。不活性溶媒の温度は、特に、アミンに対応する塩化カルバモイルの融点より高く保たれることが好ましい。
好適なスクラバーは、当業者により知られている任意の所望のスクラバーである。例えば、撹拌漕又は他の従来の装置(例えば、カラム又はミキサーが取り付けられた装置)である。
上記洗浄、及び急冷工程の後における反応ガスと急冷媒体の混合物に対する仕上げ処理は、通常、WO−A2007/028715等に記載されているような態様で行われる。
アミンをホスゲン化してイソシアネートを製造するための反応器において、トリレンジアミンを1.8Kg/hでホスゲン化した。ホスゲン化のために要求されるホスゲンを、過剰に供給した。これにより、458℃の温度を有する反応ガスが15.95Kg/hで形成された。この反応ガスは、15、7質量%のトリレンジイソシアネート、71.2質量%のホスゲン、及び13.1質量%の塩化水素を含んでいた。急冷工程において反応ガスを、急冷媒体としてのモノクロロベンゼンを7.5kg/hで供給し冷却した。なお、モノクロロベンゼンは、温度60℃の液体の状態で噴霧ノズルを用いて供給した。急冷工程において、2バールの絶対圧を示した。その混合物の温度は、急冷工程中に定着され、およそ195℃であった。反応ガスの露点は、183℃であり、放出される気体急冷媒体の露点は、178℃であった。反応ガス及び急冷媒体の混合物は、急冷工程の後も気体の状態であった。エアロゾルの形成は無かった。これにより、長時間にわたる急冷工程を阻害されることなく行うことができた。サイトグラスを用いて、放出される急冷媒体をエアロゾルに関して調べた。エアロゾルは、放出される急冷媒体中には検出されなかった。
Claims (9)
- アミンとホスゲンを場合により不活性媒体の存在下において気相で反応させることによりイソシアネートを製造する方法において、
初めにアミンとホスゲンを混合して反応器内でイソシアネートに変換し、液体急冷媒体を添加することによって反応器を急冷状態として、イソシアネートと塩化水素を含む反応ガスを冷却することで反応ガスと急冷媒体との混合物を製造し、
上記液体急冷媒体の添加は、該液体急冷媒体が気化し、かつ急冷中に確立される反応ガスと気化状態の急冷媒体との混合物の温度が反応ガスの露点を上回る量で行われ、反応ガスと急冷媒体の混合物のいずれの成分も凝縮も昇華もしないことを特徴とする製造方法。 - アミン及びホスゲンを、気体の状態で添加する請求項1に記載の方法。
- 上記急冷媒体を、少なくとも1つのノズルを用いて添加する請求項1又は2に記載の方法。
- 上記急冷媒体が、任意にハロゲンで置換された炭化水素である請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
- 上記急冷媒体が、
モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ヘキサン、ベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、ニトロベンゼン、アニソール、クロロトルエン、o−ジクロロベンゼン、ジエチルイソフタレート、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、キシレン、クロロナフタレン、デカヒドロナフタレン、及びトルエンからなる群から選択される請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。 - 上記急冷の後に、反応ガスを冷却するための他の複数の段階が存在する請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
- 上記急冷の後に反応ガスを冷却するための前記複数段階の内の少なくとも1つが、凝縮装置である請求項6の記載の方法。
- 反応ガスと急冷媒体の混合物を、急冷を終えた後の分離段階に送る請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
- 分離段階が、蒸留カラム又はスクラバーである請求項8に記載の方法。
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