JP2009537447A - 酸素を用いた塩化水素の酸化方法 - Google Patents
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Abstract
酸素を用い、場合により触媒を用いて塩化水素の酸化処理a)を実施するための方法を記載する。本発明の方法は、b)処理気体を一段階または多段階冷却する工程、c)処理気体から未反応塩化水素および反応生成水を分離する工程、d)生成気体を乾燥する工程、e)混合物から塩素を分離する工程を含み、塩化水素の酸化a)を、反応混合物と接触する構造部材がニッケルまたは少なくとも60重量%のニッケルパーセントを有するニッケル含有合金で製造されている反応器で実施する。
Description
本発明は、酸素を用い、場合により触媒を用いて塩化水素の酸化処理を実施する工程a)から開始する。本発明の方法は、b)処理気体を一段階または多段階冷却する工程、c)処理気体から未反応塩化水素および反応生成水を分離する工程、d)生成気体を乾燥する工程、e)混合物から塩素を分離する工程を含む。本発明は特に、反応混合物と接触する装置部材をライニングすることに関する。
イソシアネート(特にMDIおよびTDI)の製造方法のような多くの大規模な化学的方法、および有機物質の塩素化法では、塩素を原料として使用し、HCl気体流れが一般に副生物として得られる。
塩素を製造するため、および特に例えばイソシアネート製造方法で必然的に得られる塩酸を利用するために、基本的に知られている以下の様々な方法を例として挙げることができる:
NaClの電気分解による塩素の製造、および販売によるか、または例えば塩化ビニルの製造におけるオキシ塩素化法での更なる処理による、HClの活用。
陽極部と陰極部との間の分離媒体としてダイヤフラムまたは膜を用いたHCl水溶液の電気分解による、HClの塩素への転化。このときの副生物は水素である。
酸素復極化陰極(ODC)を備えた電解槽で酸素の存在下、HCl水溶液を電気分解することによる、HClの塩素への転化。このときの副生物は水である。
触媒を用いて高温で酸素によりHClを気相酸化することによる、HClガスの塩素への転化。このときの副生物は同様に水である。この方法は、「Deacon法」として一世紀以上も前から、知られており使用されている。
NaClの電気分解による塩素の製造、および販売によるか、または例えば塩化ビニルの製造におけるオキシ塩素化法での更なる処理による、HClの活用。
陽極部と陰極部との間の分離媒体としてダイヤフラムまたは膜を用いたHCl水溶液の電気分解による、HClの塩素への転化。このときの副生物は水素である。
酸素復極化陰極(ODC)を備えた電解槽で酸素の存在下、HCl水溶液を電気分解することによる、HClの塩素への転化。このときの副生物は水である。
触媒を用いて高温で酸素によりHClを気相酸化することによる、HClガスの塩素への転化。このときの副生物は同様に水である。この方法は、「Deacon法」として一世紀以上も前から、知られており使用されている。
副生物(例えば最初のケースでは水酸化ナトリウム溶液、水素、塩化ビニル)に関する市況、問題としている特定事例(例えばエネルギー価格、塩素インフラストラクチャーへの統合)での限界条件、並びに投資コストおよび運転コストに依存して、これらの方法の全ては、イソシアネートの製造方法にとって重要さが変動するという利点を有する。最後に記載したDeacon法は、より重要になりつつある。
Deacon法では、反応器内でHCl、塩素および酸素の間の化学平衡が確立され、圧力、温度、酸素過剰量、滞留時間および他のパラメーターに依存して、HClが通常約70〜90%しか転化されず、換言すると、処理気体が、目的生成物である塩素に加えて、有意な割合の未反応HClおよび有意な量の過剰に使用された酸素を含有するという問題がある。
Deacon法におけるより重大な技術的問題は、装置の各ゾーンで使用される材料の選択である。なぜなら、生成物と接触する装置部材が、特に高圧下、反応に含まれている物質によって腐食されるからである。
本発明の目的は、HClの酸化によって塩素を製造すること、特に適応した材料を用いることによって長期操作を確実とすること、および早すぎる腐食による操作中断を回避することである。
上記した目的を達成する本発明の対象は、
a)酸素を用い、場合により触媒を用いて塩化水素の酸化処理を実施し、
b)処理気体を一段階または多段階冷却し、
c)処理気体から未反応塩化水素および反応生成水を分離し、
d)生成気体を乾燥し、
e)混合物から塩素を分離する
方法であって、塩化水素の酸化a)を、反応混合物と接触する構造部材がニッケルまたはニッケルの割合が少なくとも60重量%であるニッケル含有合金で製造されている反応器で実施することを特徴とする方法である。互いに独立して主要な割合の鉄、クロムおよびモリブデンを含有するニッケル合金が好ましい。ニッケルのみを使用している場合、ニッケルの割合は、特に好ましくは少なくとも99.5重量%である。Hastelloy(登録商標)C型、Hastelloy(登録商標)B型、Inconel(登録商標)600、Inconel(登録商標)625の群から選択される材料が特に好ましい。構造部材は、特に、触媒物質および担体のような非機能性部材、または測定付属品を含む。
a)酸素を用い、場合により触媒を用いて塩化水素の酸化処理を実施し、
b)処理気体を一段階または多段階冷却し、
c)処理気体から未反応塩化水素および反応生成水を分離し、
d)生成気体を乾燥し、
e)混合物から塩素を分離する
方法であって、塩化水素の酸化a)を、反応混合物と接触する構造部材がニッケルまたはニッケルの割合が少なくとも60重量%であるニッケル含有合金で製造されている反応器で実施することを特徴とする方法である。互いに独立して主要な割合の鉄、クロムおよびモリブデンを含有するニッケル合金が好ましい。ニッケルのみを使用している場合、ニッケルの割合は、特に好ましくは少なくとも99.5重量%である。Hastelloy(登録商標)C型、Hastelloy(登録商標)B型、Inconel(登録商標)600、Inconel(登録商標)625の群から選択される材料が特に好ましい。構造部材は、特に、触媒物質および担体のような非機能性部材、または測定付属品を含む。
処理気体の冷却b)を、好ましくは、反応器出口温度から出発して140〜250℃、好ましくは160〜220℃の温度で第一熱交換器で実施し、反応混合物と接触する第一熱交換器の構造部材は、ニッケルまたはニッケルの割合が少なくとも60重量%であるニッケル含有合金で製造されている。互いに独立して主要な割合の鉄、クロムおよびモリブデンを含有するニッケル合金が好ましい。Hastelloy(登録商標)C型、Hastelloy(登録商標)B型、Inconel(登録商標)600、Inconel(登録商標)625の群から選択される材料が特に好ましい。
処理気体の冷却b)を、第一熱交換器の出口温度から出発して100℃以上の温度で第二熱交換器で更に実施し、少なくとも反応混合物と接触する第二熱交換器の構造部材が、とりわけ管材料については、鋼/フルオロポリマー(PFA、PVDF、PTFE)、およびセラミック、特に炭化ケイ素または窒化ケイ素の群から選択される材料で、特に好ましくは各々の場合に管底部の管については被覆鋼で製造されていることを特徴とする方法が更に好ましい。
特に好ましくは、第二熱交換器は管型熱交換器の形状であり、ジャケットはフルオロポリマー被覆鋼で製造されており、管束の管はセラミック材料、好ましくは炭化ケイ素または窒化ケイ素からなる。
冷却する処理気体を熱交換器のジャケットに供給し、冷却媒体が熱交換器の管を流通するように、第二熱交換器を操作することを特徴とする方法が、とりわけ好ましい。
特に好ましい方法では、処理気体の冷却b)を、液体状塩酸の凝縮のための第二熱交換器の出口温度から出発して特に5℃以上の温度で第三熱交換器で更に実施し、少なくとも反応混合物と接触する第三熱交換器の構造部材は、フルオロポリマー(特にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシ−ビニルエーテルコポリマー(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリフッ化ビニリデンテトラフルオロエチレン(ETFE))、およびセラミック(特に炭化ケイ素または窒化ケイ素)の群から選択される材料で、とりわけ各々の場合に管底部の管については被覆鋼で製造されている。
特に好ましい代替法では、処理気体を、100℃以下まで冷却工程b)で冷却し、次いで分離c)するために、水または30重量%までの濃度を有する塩酸を用いて実施するHCl吸収工程に導入し、少なくとも反応混合物と接触するHCl吸収装置の構造部材は、ガラスライニング鋼、グラファイト、炭化ケイ素、(特にポリエステル樹脂またはポリビニル樹脂系の)ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)で被覆された鋼、またはフルオロポリマー被覆および/またはライニング鋼、特に場合により付加的にPFAまたはETFEで被覆されていてよいPTFEライニング鋼の群から選択される材料で製造されている。
特にHClをほとんど含有していない塩素および酸素混合物の乾燥d)を、好ましくは濃硫酸を用いて、乾燥機で実施し、少なくとも反応混合物と接触する乾燥機の構造部材は、Hastelloy(登録商標)C 2000またはHastelloy(登録商標)B型の鋼、Si含有ステンレス鋼またはグラファイトの群から選択される材料で製造されている。
塩素および酸素混合物からの塩素の分離e)を特に好ましくは分離装置で実施し、少なくとも気体混合物と接触する分離装置の構造部材は炭素鋼で製造されている。
塩素および酸素混合物からの塩素の分離e)から得られた塩素の液相を気化装置で再び気化し、少なくとも生成物と接触する気化装置の構造部材が炭素鋼で製造されていることを特徴とする変法も特に好ましい。
本発明の方法の特に好ましい拡張形では、HCl酸化処理の塩化水素がイソシアネート製造方法に由来しており、精製された塩素をイソシアネート製造方法にフィードバックする。
好ましい代替法は、HCl酸化処理の塩化水素が塩素化芳香族化合物の有機化合物の塩素化方法に由来しており、精製された塩素を塩素化方法にフィードバックすることを特徴とする。
新規な方法は、特に好ましくは、HClの酸化処理a)が3〜30barの圧力で実施されるように行う。
好ましい方法は、HClの酸化処理法がDeacon法、即ち、酸素を用いたHClの触媒的気相酸化であることを特徴とする。
新規に組み合わされた塩素製造方法のイソシアネート製造方法への統合に関する特に好ましい方法の最初の工程では、塩素と一酸化炭素との反応によるホスゲンの調製を実施する。ホスゲンの合成は、十分よく知られており、例えば、Ullmanns Enzyklopaedie der industriellen Chemie, 第3版、第13巻、第494〜500頁に記載されている。工業規模では、ホスゲンは主に、好ましくは触媒として活性炭を使用して、一酸化炭素と塩素との反応によって調製される。一般的には管型反応器で、少なくとも250℃〜600℃以下の温度で、典型的には強い発熱を伴った気相反応が起こる。反応熱は、様々な方法で、例として、例えばWO 03/072237 A1に記載されているような液体状熱交換剤によって、または例えばUS−A 4764308に記載されているように水蒸気を生成するために反応熱を同時に使用しながら第二冷却回路により蒸気を冷却することによって、放散させることができる。
続く処理工程では、少なくとも1種の有機アミンまたは2種以上のアミン混合物との反応により、第一工程で生成したホスゲンから、少なくとも1種のイソシアネートを生成する。この第二処理工程を、以下ではホスゲン化とも称する。反応は、イソシアネートとの混合物として得られる副生物としての塩化水素の生成を伴って起こる。
イソシアネートの合成は、従来技術から基本的に同様に知られており、アミンに対して化学量論的に過剰のホスゲンを一般に使用する。ホスゲン化は液相で通常実施し、ホスゲンおよびアミンを溶媒に溶解することができる。ホスゲン化に好ましい溶媒は、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、対応するクロロトルエンまたはクロロキシレン、クロロエチルベンゼン、モノクロロジフェニル、α−またはβ−塩化ナフチルのような塩素化芳香族炭化水素、安息香酸エチルエステル、フタル酸ジアルキルエステル、ジイソジエチルフタレート、トルエンおよびキシレンである。適当な溶媒の更なる例は、従来技術から基本的に知られている。例えばWO 96/16028に従って、従来技術から更に知られているように、得られるイソシアネート自体もホスゲンのための溶媒として作用し得る。別の好ましい態様では、特に適当な芳香族および脂肪族ジアミンのホスゲン化は、気相で、即ちアミンの沸点より高い温度で行われる。気相ホスゲン化は、例えばEP 570 799 A1に記載されている。気相ホスゲン化の液相ホスゲン化に優る利点は、他の点では液相ホスゲン化と同等であるが、エネルギーが節約されることである。これは、複雑な溶媒およびホスゲン回路の最小化に起因する。
適当な有機アミンは、基本的に、ホスゲンと反応して1個以上のイソシアネート基を含有する1種以上のイソシアネートを生成できる、1個以上の第一級アミノ基を含有する第一級アミンである。アミンは、少なくとも1個、好ましくは2個、場合により3個以上の第一級アミノ基を含有する。従って、適当な有機第一級アミンは、脂肪族、脂環式、脂肪族−芳香族、芳香族アミン、ジアミンおよび/またはポリアミン、例として、アニリン、例えば4−クロロフェニルアミンのようなハロゲン置換フェニルアミン、1,6−ジアミノヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノ−シクロヘキサン、2,4−、2,6−ジアミノトルエンまたはそれらの混合物、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジアミンまたはそれらの混合物、および上記アミンおよびポリアミンの高分子量異性体、オリゴマーまたはポリマー誘導体である。更に可能なアミンは、従来技術から基本的に知られている。本発明に好ましいアミンは、ジフェニルメタンジアミン類のアミン(モノマー、オリゴマーおよびポリマーのアミン)、2,4−、2,6−ジアミノトルエン、イソホロンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。ホスゲン化では、対応するイソシアネート、即ちジイソシアナトジフェニルメタン(MDI、モノマー、オリゴマーおよびポリマーの誘導体)、トルイレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)が得られる。
アミンは、一段階反応または二段階反応或いは場合により多段階反応でホスゲンと反応できる。連続法と不連続法の両方が可能である。
気相での一段階ホスゲン化を選択するなら、好ましくは200〜600℃の温度および0.5〜5秒間の平均接触時間で、アミンの沸点より高い温度で反応を実施する。
液相でのホスゲン化は通常、20〜240℃の温度および1〜約50barの圧力で実施される。液相でのホスゲン化は、一段階または多段階で実施することができ、化学量論的に過剰のホスゲンを使用することができる。アミン溶液とホスゲン溶液とを静的混合装置によって混合し、次いで1つ以上の反応塔に、例えば塔底部から塔頂部へと導入し、混合物を完全に反応させて所望のイソシアネートを生成する。適当な混合装置を備えた反応塔に加えて、撹拌装置を備えた反応容器を使用することもできる。静的混合装置と同様、特定の動的混合装置を使用することもできる。適当な静的および動的混合装置は、従来技術から基本的に知られている。
一般に、工業規模での連続式液相イソシアネート製造方法は二段階で実施される。第一段階では、通常220℃以下、好ましくは160℃以下の温度で、アミンおよびホスゲンから塩化カルバモイルが生成し、アミンおよび分解された塩化水素から塩酸アミンが生成する。この第一段階は、高度に発熱反応である。第二段階では、塩化カルバモイルが分解してイソシアネートと塩化水素とを生成し、塩酸アミンが反応して塩化カルバモイルを生成する。第二段階は、一般的に少なくとも90℃、好ましくは100〜240℃の温度で実施される。
ホスゲン化後、ホスゲン化で生成したイソシアネートを第三工程で分離する。これはまず、ホスゲン化の反応混合物を、当業者に基本的に知られている方法により、液体状および気体状生成物流に分離することによって行われる。液体状生成物流は、実質的に、イソシアネートまたはイソシアネート混合物、溶媒および少量の未反応ホスゲンを含有している。気体状生成物流は、実質的に、塩化水素ガス、化学量論的に過剰のホスゲン、並びに少量の溶媒および不活性ガス(例えば、窒素および一酸化炭素)からなる。更に、続いて、液体状生成物流を仕上げ処理、好ましくは蒸留によって仕上げ処理し、順次、ホスゲンおよびホスゲン化用溶媒を分離する。また、場合により、得られたイソシアネートの更なる仕上げを、例えば当業者に既知の方法で得られたイソシアネート生成物を分留することによって行う。
ホスゲンと有機アミンとの反応により得られた塩化水素は一般に、塩化水素の熱触媒的酸化および非熱活性化酸化の両方を妨害し得る、少量の有機成分を含有する。これらの有機成分は、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンまたはp−ジクロロベンゼンのような、イソシアネート調製に使用された溶媒を包含する。
塩化水素の分離は、好ましくは、まず気体状生成物流からホスゲンを分離することによって実施する。ホスゲンは、例えば直列配置された1つ以上の冷却器で、ホスゲンを液化することによって分離できる。液化は、使用されている溶媒に依存して、好ましくは−15〜−40℃の温度範囲で行う。この深冷凍結によって、更に、気体状生成物流から溶媒残渣部分を除去することができる。
付加的にまたは代替的に、冷溶媒または溶媒/ホスゲン混合物を用いて、一段階以上で、ホスゲンを気体流れから洗い流すことができる。このために適した溶媒は、例えば、ホスゲン化で既に使用した溶媒であるクロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンである。溶媒または溶媒/ホスゲン混合物の温度は、−15〜−46℃の範囲である。
気体状生成物流から分離されたホスゲンは、再びホスゲン化にフィードバックできる。ホスゲンおよび溶媒残渣部分の分離後に得られた塩化水素は、窒素および一酸化炭素のような不活性ガスに加えて、0.1〜1重量%の溶媒および0.1〜2重量%のホスゲンを含有し得る。
次いで、微量の溶媒の含有量を低下させるため、場合により塩化水素の精製を実施する。この精製は、例えば凍結による分離により行うことができ、例として、溶媒の物理的性質に依存して、塩化水素を1つ以上のコールドトラップに流通させる。
場合により実施される塩化水素の精製の特に好ましい態様では、塩化水素流を直列連結した2つの熱交換器に流通させ、除去する溶媒を、その凝固点に依存して、例えば−40℃で凍結することにより分離する。これらの熱交換器を好ましくは交互に操作し、先に凍結分離した溶媒を、最初に流通させた熱交換器内で気体流れによって解凍する。溶媒は、ホスゲン溶液の調製のために再び使用することができる。常套の冷却装置用熱キャリヤー媒体(例えばFreon類の化合物)を満たした下流の第二熱交換器では、気体は好ましくは溶媒の凝固点より低い温度まで冷却され、溶媒が晶出する。解凍および晶出操作が完了したとき、気体流れおよび冷却剤流れを切り替え、熱交換器の機能を逆にする。このようにして、塩化水素を含有する気体流れの溶媒含有量を、好ましくは500ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下まで低下できる。
或いは、塩化水素の精製は、好ましくは、例えばUS−A 6 719 957に従って、直列連結した2つの熱交換器で実施することができる。この方法では、塩化水素を5〜20bar、好ましくは10〜15barの圧力まで圧縮し、圧縮した塩化水素ガスを20〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度で第一熱交換器に流通させる。この塩化水素を、第二熱交換器から来る−10〜−30℃の温度を有する冷塩化水素により冷却する。それによって有機成分が凝縮し、廃棄または再利用することができる。第一熱交換器を流通させた塩化水素は、−20〜0℃の温度で第一交換器を出て、第二熱交換器で−10〜−30℃の温度まで冷却される。第二熱交換器で生成した凝縮物は、更なる有機成分および少量の塩化水素からなる。塩化水素の損失を避けるために、第二熱交換器を出た凝縮物を分離蒸発ユニットに送る。この分離蒸発ユニットは、例えば蒸留塔であり、その中で塩化水素は凝縮物から取り出され、第二熱交換器にフィードバックされる。取り出した塩化水素を、第一熱交換器にフィードバックすることもできる。第二熱交換器で冷却され有機成分を含有していない塩化水素を、−10〜−30℃の温度で第一熱交換器に流通させる。10〜30℃に加熱後、有機成分を含有していない塩化水素が、第一熱交換器を出る。
同様に好ましい別の方法では、塩化水素の任意精製を、溶媒残渣のような有機不純物を活性炭に吸着させることにより行う。この方法では、例えば、過剰ホスゲンを除去した後、0〜5bar、好ましくは0.2〜2barの圧力差で活性炭バルクの上方または活性炭バルク中に塩化水素を流通させる。流速および滞留時間は、当業者に既知の方法で、不純物含有量に合わせて調節する。他の適当な吸着剤(例えばゼオライト)への有機不純物の吸着も可能である。
好ましい更なる代替法では、ホスゲン化からの塩化水素の任意精製のため、塩化水素の蒸留を行ってもよい。蒸留は、ホスゲン化からの塩化水素ガスの凝縮後に行う。凝縮塩化水素の蒸留において、精製塩化水素は、蒸留の初留として取り出される。蒸留は、当業者に既知であり、このような蒸留において常套である、圧力、温度などの条件下で行う。
次いで、上記した方法に従って分離され、場合により精製された塩化水素を、酸素を用いた塩化水素の酸化に供給することができる。
既に記載したように、Deacon法として知られている触媒法を好ましくは使用する。Deacon法では、塩化水素が発熱平衡反応により酸素で酸化されて塩素を生成し、水蒸気が生じる。反応温度は、通常150℃〜500℃であり、通常の反応圧力は、1〜25barである。この反応は平衡反応なので、触媒がまだ十分な活性を示す可能な限り低い温度で実施することが好都合である。更に、塩化水素に対して化学量論量より過剰の酸素を使用することが好都合である。例えば、2倍〜4倍過剰の酸素を通常使用する。選択性が損なわれる危険性はないので、比較的高圧で、従って常圧下での場合より長い滞留時間で、操作することが経済的に有利であり得る。
Deacon法に適した好ましい触媒は、担体としての二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウム上の酸化ルテニウム、塩化ルテニウムまたは他のルテニウム化合物を包含する。適当な触媒は、例えば、塩化ルテニウムを担体に適用し、次いで乾燥するか、または乾燥および焼成することによって得られる。ルテニウム化合物に加えてまたは代えて、適当な触媒は、他の貴金属(例えば、金、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウム、銀、銅またはレニウム)の化合物も包含し得る。適当な触媒は、更に、酸化クロム(III)を包含し得る。
触媒を用いた塩化水素の酸化は、断熱的または好ましくは等温的或いはほぼ等温的に、不連続式、しかしながら好ましくは流動床法または固定床法、好適には固定床法のような連続式で、特に好ましくは不均一触媒を含む多管式反応器で、180℃〜500℃、好ましくは200℃〜400℃、特に好ましくは220℃〜350℃の反応器温度で、1〜25bar(1,000〜25,000hPa)、好ましくは1.2〜20bar、特に好ましくは1.5〜17bar、とりわけ2.0〜15barの圧力で実施され得る。
触媒を用いた塩化水素の酸化を実施する常套の反応装置は、固定床反応器または流動床反応器である。触媒を用いた塩化水素の酸化は、好ましくは、複数の段階で実施することもできる。
等温的またはほぼ等温的な方法において、複数個、即ち2〜10個、好ましくは2〜6個、特に好ましくは2〜5個、とりわけ2〜3個の、付加的中間冷却を伴った直列反応器を使用することもできる。酸素は、第一反応器上流で塩化水素と一緒に全量添加され得るか、または各反応器に分配して添加され得る。この各反応器の直列配置は、1つの装置内で組み合わせることもできる。
該方法に適した装置の更に好ましい態様は、流れ方向に触媒活性が増大された、構造化触媒充填物の使用にある。触媒充填物のこのような構造化は、触媒担体を活性物質で異なった程度に含浸することにより、または不活性物質で触媒を異なって希釈することにより達成され得る。不活性物質として、例えば、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物、酸化アルミニウム、ステアタイト、セラミック、ガラス、グラファイトまたはステンレス鋼の、リング、円筒体または球体を使用できる。触媒成形物品の好ましい使用にとっては、不活性物質は、好適には類似した外寸を有すべきである。
触媒成形物品として任意形状の成形物品が適しており、タブレット、リング、円筒体、星形、車輪または球体が好ましく、リング、円筒体または星形ストランドが特に好ましい。
適当な不均一触媒は、特に、ドーピングされていてもよい、担体物質上のルテニウム化合物または銅化合物である。場合によりドーピングされていてよいルテニウム触媒が好ましい。適当な担体物質の例は、二酸化ケイ素、グラファイト、ルチル構造またはアナターゼ構造の二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはそれらの混合物、好ましくは二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはそれらの混合物、特に好ましくはγ−またはδ−酸化アルミニウムまたはそれらの混合物である。
銅またはルテニウム担持触媒は、例えば、CuCl3またはRuCl3の水溶液および場合により好ましくは塩化物状のドーピング促進剤の水溶液で、担体物質を含浸することによって得られる。触媒の成形は、担体物質の含浸後、または好ましくは含浸前に行い得る。
触媒のドーピングに適した促進剤は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウム、好ましくはリチウム、ナトリウムおよびカリウム、特に好ましくはカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム、好ましくはマグネシウムおよびカルシウム、特に好ましくはマグネシウム)、希土類金属(例えば、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジム、好ましくはスカンジウム、イットリウム、ランタンおよびセリウム、特に好ましくはランタンおよびセリウム)、またはそれらの混合物である。
次いで、成形物品は、例えば窒素、アルゴンまたは空気雰囲気下、100〜400℃、好ましくは100〜300℃の温度で乾燥でき、場合により焼成できる。成形物品を、まず100〜150℃で乾燥し、次いで200〜400℃で焼成することが好ましい。
好適には、単一のパスにおける塩化水素の転化率は、15〜90%、好ましくは40〜85%、特に好ましくは50〜70%に制限され得る。分離後、未反応塩化水素の一部分または全量を、触媒を用いた塩化水素の酸化に再循環できる。反応器入口における塩化水素と酸素との体積比は、好ましくは1:1〜20:1、より好ましくは2:1〜8:1、特に好ましくは2:1〜5:1である。
高圧水蒸気を生成するため、有利には、触媒を用いた塩化水素の酸化における反応熱を使用できる。この水蒸気は、例えば、ホスゲン化反応器および/または蒸留塔、特にイソシアネート蒸留塔を操作するために利用できる。
以下の実施例によって本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明に如何なる制限も設けない。
実施例では、処理流れの主成分のみを記載する。
塩化水素を酸化するため、下記組成:
の混合物を反応器に320℃の温度および4.3barの圧力で供給し、反応器中で、触媒を用いて塩化水素を酸素と反応させ、塩素および水を得る。この反応器については、構造部材全てが炭素鋼で製造されており、ニッケル(純度99.5重量%のニッケル)で被覆およびメッキされている。下記組成:
を有する処理気体が333℃の温度および3.4barの圧力で反応器を出る。この処理気体流れを第一熱交換器に流通させる。生成物と接触する第一熱交換器の構造部材は、ニッケル(純度99.5重量%のニッケル)で製造されている。ニッケルの一部はライニング状態で、一部は固体状態で存在する。第一熱交換器により、処理気体を250℃まで冷却する。
塩化水素を酸化するため、下記組成:
の混合物を反応器に320℃の温度および4.3barの圧力で供給し、反応器中で、触媒を用いて塩化水素を酸素と反応させ、塩素および水を得る。この反応器については、構造部材全てが炭素鋼で製造されており、ニッケル(純度99.5重量%のニッケル)で被覆およびメッキされている。下記組成:
を有する処理気体が333℃の温度および3.4barの圧力で反応器を出る。この処理気体流れを第一熱交換器に流通させる。生成物と接触する第一熱交換器の構造部材は、ニッケル(純度99.5重量%のニッケル)で製造されている。ニッケルの一部はライニング状態で、一部は固体状態で存在する。第一熱交換器により、処理気体を250℃まで冷却する。
第二熱交換器については、生成物と接触する構造部材が炭化ケイ素で製造されている。また、PTFE−ライニング管板と接続されており、熱交換器の形状に構成されているセラミック(炭化ケイ素)製の管を備えている。第二熱交換器で、処理気体流れを100℃まで冷却し、圧力は3.15barになる。
塩化水素および水を除去するため、この処理気体をHCl吸収装置に流通させる。HCl吸収装置は以下の構造を有する:
粗気体中のHClおよびH2Oを吸収塔で除去する。そのため、粗気体を塔底部上方に導入する。塔頂部に水を供給する。HClおよびH2Oが25重量%塩酸として塔底部で得られる。塔頂部で、精製された粗気体は、O2およびCl2を含有し、水蒸気で飽和されている。
粗気体中のHClおよびH2Oを吸収塔で除去する。そのため、粗気体を塔底部上方に導入する。塔頂部に水を供給する。HClおよびH2Oが25重量%塩酸として塔底部で得られる。塔頂部で、精製された粗気体は、O2およびCl2を含有し、水蒸気で飽和されている。
酸素の転化率を上昇させ、生じた吸収熱を放散させるため、25重量%塩酸を塔底部から塔頂部へポンプ注入する。循環する塩酸を、熱交換器によって冷却する。
生成物と接触する塩化水素吸収装置の部材は、プラスチック材料(PVDF)でライニングされた成分からなる。
下記組成:
を有する気体流れが、塩化水素吸収装置から取り出される。その温度は25℃であり、圧力は3.0barである。微量の水を除去するため、処理気体を硫酸で乾燥する。乾燥塔によって乾燥を行う。水蒸気で飽和されたCl2/O2気体混合物を、塔底部上方から塔に流通させる。塔頂部で98重量%硫酸を供給する。塔内で、水蒸気の硫酸への物質移動が起こる。約75〜78重量%まで希釈された硫酸が、塔底部から排出される。
を有する気体流れが、塩化水素吸収装置から取り出される。その温度は25℃であり、圧力は3.0barである。微量の水を除去するため、処理気体を硫酸で乾燥する。乾燥塔によって乾燥を行う。水蒸気で飽和されたCl2/O2気体混合物を、塔底部上方から塔に流通させる。塔頂部で98重量%硫酸を供給する。塔内で、水蒸気の硫酸への物質移動が起こる。約75〜78重量%まで希釈された硫酸が、塔底部から排出される。
生成物と接触する乾燥機の構造部材は、炭素鋼で製造されている。
乾燥された処理気体流れを11.9barまで圧縮し、その中に存在する塩素ガスを液化する。
圧縮後、気体を−45℃まで復熱的に冷却する。不活性物質(O2、CO2)を蒸留塔でストリッピングする。塔底部で液体状塩素を得る。次いで塩素を気化し、それによって圧縮Cl2/O2気体混合物を冷却する。
Claims (14)
- a)酸素を用い、場合により触媒を用いて塩化水素の酸化処理を実施し、
b)処理気体を一段階または多段階冷却し、
c)処理気体から未反応塩化水素および反応生成水を分離し、
d)生成気体を乾燥し、
e)混合物から塩素を分離する
方法であって、塩化水素の酸化a)を、反応混合物と接触する構造部材がニッケルまたはニッケルの割合が少なくとも60重量%であるニッケル含有合金で、特にHastelloy(登録商標)C型、Hastelloy(登録商標)B型、Inconel(登録商標)600、Inconel(登録商標)625の群から選択される材料で製造されている反応器で実施することを特徴とする方法。 - 処理気体の冷却b)を、反応器出口温度から出発して140〜250℃、好ましくは160〜220℃の温度で第一熱交換器で実施し、反応混合物と接触する第一熱交換器の構造部材が、ニッケルまたはニッケルの割合が少なくとも60重量%であるニッケル含有合金で、特にHastelloy(登録商標)C型、Hastelloy(登録商標)B型、Inconel(登録商標)600、Inconel(登録商標)625の群から選択される材料で製造されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 処理気体の冷却b)を、第一熱交換器の出口温度から出発して100℃以上の温度で第二熱交換器で更に実施し、少なくとも反応混合物と接触する第二熱交換器の構造部材が、好ましくは管材料については、鋼/フルオロポリマー(特にPFA、PVDFまたはPTFE)、およびセラミック、特に炭化ケイ素または窒化ケイ素の群から選択される材料で、特に好ましくは各々の場合に管底部の管については被覆鋼で製造されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 処理気体の冷却b)を、液体状塩酸の凝縮のための第二熱交換器の出口温度から出発して特に5℃以上の温度で第三熱交換器で更に実施し、少なくとも反応混合物と接触する第三熱交換器の部材が、フルオロポリマー、特にPFA、PVDF、PTFEまたはETFE、およびセラミック、特に炭化ケイ素または窒化ケイ素の群から選択される材料で、とりわけ各々の場合に管底部の管については被覆鋼で製造されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 処理気体を、100℃以下まで冷却工程b)で冷却し、次いで分離c)するために、水または30重量%までの濃度を有する塩酸を用いて実施するHCl吸収工程に導入し、少なくとも反応混合物と接触するHCl吸収装置の構造部材が、ガラスライニング鋼、グラファイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)被覆鋼、またはフルオロポリマー被覆および/またはライニング鋼、特に場合によりPFAまたはPTFEで被覆されていてよいPTFEライニング鋼の群から選択される材料で製造されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 特にHClをほとんど含有していない塩素および酸素混合物の乾燥d)を、好ましくは濃硫酸を用いて、乾燥機で実施し、少なくとも反応混合物と接触する乾燥機の構造部材が、Hastelloy(登録商標)C 2000またはHastelloy(登録商標)B型の鋼、Si含有ステンレス鋼またはグラファイトの群から選択される材料で製造されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 塩素および酸素混合物からの塩素の分離e)を分離装置で実施し、少なくとも気体混合物と接触する分離装置の部材が炭素鋼の群から選択される材料で製造されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 塩素および酸素混合物からの塩素の分離e)から得られた塩素の液相を気化装置で再び気化し、少なくとも生成物と接触する気化装置の部材が炭素鋼の群から選択される材料で製造されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 第二熱交換器が管型熱交換器の形状であり、ジャケットがフルオロポリマー被覆鋼で製造されており、管束の管がセラミック材料、好ましくは窒化ケイ素または炭化ケイ素からなることを特徴とする、請求項3〜8のいずれかに記載の方法。
- 冷却する処理気体を熱交換器のジャケットに供給し、冷却媒体が熱交換器の管を流通するように、第二熱交換器を操作することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- HCl酸化処理法がDeacon法(触媒的気相酸化)であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- HCl酸化処理の塩化水素がイソシアネート製造方法に由来しており、精製された塩素をイソシアネート製造方法にフィードバックすることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- HCl酸化処理の塩化水素が塩素化芳香族化合物の有機化合物の塩素化方法に由来しており、精製された塩素を塩素化方法にフィードバックすることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- HClの酸化処理a)を3〜30barの圧力で実施することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
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