JP5129808B2 - HCl酸化法の生成ガスから塩素を分離する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素を用い、場合により触媒に基づく(又は触媒を利用する)HCl酸化法の生成ガスから選択的に塩素を分離する方法であって、生成ガスは、塩素の他に、少なくとも過剰の酸素、化学的に不活性の成分、特に二酸化炭素及び希ガスと、場合によりHClも含有し、蒸留することと、塩素を含まない酸素流をHCl酸化法に再循環することによる塩素の選択的分離方法に関する。
塩素は、イソシアネート、特にMDI及びTDIの製造(又は生産)等の多くの工業規模の化学的方法において、そして有機物質の塩素化法において原材料として使用され、副生成物として一般にHClガス流が生成する。このHClガスは、多くの場合、方法に特異的な有機物質及び無機物質で汚染されている。以下のものは、イソシアネート製造設備(又はプラント)からのHClガスの不純物として特に知られている:
ホスゲン製造法からの過剰の一酸化炭素、微量のホスゲン、微量の溶媒(例えば、トルエン、モノクロロベンゼン又はジクロロベンゼン)、微量の低沸点のハロゲン化炭化水素及び化学的に不活性な成分、例えば窒素、二酸化炭素又は希ガス。
下記の種々の工業規模の方法は、イソシアネート製造方法において必然的に生成する塩酸を利用する例及び塩素を製造する例として本明細書に記載する:
1.NaCl電気分解における塩素の製造方法、及び例えば塩化ビニルの製造方法等のオキシ塩素化法による更なる処理又は販売によるHClの利用。
2.陽極室と陰極室との間の分離手段として隔壁又は膜を用いるHCl水溶液の電気分解によるHClの塩素への転化方法。この場合のカップリング生成物は水素である。
3.酸素欠乏陰極(ODC)を備える電解セル内で、酸素存在下、HCl水溶液の電気分解によるHClの塩素への転化方法。この場合のカップリング生成物は水である。
4.触媒上高温下で酸素を用いるHClの気相酸化によるHClガスの塩素への転化方法。この場合のカップリング生成物も水である。この方法は、「ディーコン法(Deacon process)」として知られ、百年余りの間利用されてきた。
これらの全ての方法は、カップリング生成物(例えば、1.の場合では水酸化ナトリウム溶液、水素、塩化ビニル)の市場状況、それぞれの現場での限界条件(例えば、エネルギー価格、塩素インフラの統合)ならびに設備投資及び運転コストに応じてイソシアネート製造方法に様々な程度の長所をもたらす。最後に記載したディーコン法は重要性が増しつつある。
ディーコン法では、反応器内でHClと塩素と酸素との間での化学平衡が成立し、それにより圧力、温度、酸素過剰、滞留時間及び他のパラメーターの関数として、通常約70〜90%のHCl転化率のみ可能である、即ち、プロセスガス(process gas)はその目的生成物である塩素に加え、かなりの割合の未反応のHClと過剰に使用されるかなりの量の酸素を含有するという問題生ずる。
このプロセスガスの後処理はディーコン法における中心課題である。その目的は、およそ30〜50容量%のみの塩素を含有するプロセスガスから、選択的にその目的生成物である塩素を取り出すこと、及び例えば、イソシアネート製造方法で再使用するためにその塩素を調製すること、ならびに可能な限り塩素が除去されている残留ガスをディーコン反応器に再循環することである。
しかし、加圧下での常套の塩素液化方法(参照:Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, Chlorine, Wiley VCH Verlag 2006, (DOI: 10.1002/14356007.a06_399.pub2)では塩素含有残留ガスが生成するが、この塩素含有残留ガスは、極低温条件下で十分に塩素を含まない条件でのみ得ることができる。循環における不活性成分の濃縮を避けるために、ディーコン法のガス循環から、液化からの塩素含有残留ガスの一部を取り出さなければならない。その後、除去した塩素含有残留ガスの排ガス洗浄を、一般に水酸化ナトリウム溶液又はNaSOを用いて行わなければならず(参照:EP 0 406 675 A1)、この方法は望ましくない追加の原材料の消費と廃水中に望ましくない量の塩をもたらす。
「シェルディーコン法(Shell Deacon process)」として知られるようになった方法(The Chemical Engineer, (1963), pp. 224-232参照)では、四塩化炭素(CCl)を用いる吸着/脱着段階によって、ディーコン法からの反応ガスから、塩素を純粋な形態で得る。
DE 195 36 976 A1では、四塩化炭素(CCl)又は他の溶媒中での吸収によりプロセスガスから塩素を除去することと、追加の脱着工程において塩素含有溶媒から塩素を回収することも開示されている。
ディーコン反応ガスの他の成分の存在下でのCCl中での塩素の吸収はあまり選択的でなく、追加の精製段階も必要である。更に、そのオゾン破壊係数が高いことから、CClの使用は大気保護のために厳格な国際的制限を受ける。
この方法のさらなる問題は、ディーコン反応器及びディーコン触媒(the Deacon catalyst)への悪影響を避けるために、及びパージガス洗浄による追加の精製段階を除去するために、十分にCClを含まないリサイクリングガスを得るということである。
German Offenlegungsschrift 2426056は、COと空気を更に含有する塩素含有プロセスガスから、蒸留によって塩素を選択的に除去するという課題を検討する。蒸留塔の精留セクションであるにもかかわらず、約7バールの圧力において、5〜9容量%の塩素をなお含有するプロセスガスが回収される。更に、固体COの融点(−56.6℃)は克服できない障害であることも示される。
以下に記載する本発明は、例えば、ディーコン法全体の一部としての、改善されたプロセスガス後処理に言及し、この改善されたプロセスガス後処理は、この新規プロセスガス後処理でイソシアネートプラント(又は製造設備)からのHClガス流中の不純物を利用するので、特に有利にはイソシアネート製造方法と組み合わせて操作することができる。
特に、本発明の新規方法は、酸素を用いるHCl酸化法の生成物から塩素を選択的に除去する目的を達成し、上記の先行技術から既知である前記方法の不利益を回避する。
本発明は、酸素を用い、場合により触媒に基づく(又は触媒を利用する)HCl酸化法(又はプロセス)の生成ガスから選択的に塩素を分離する方法であって、生成ガスは、塩素に加えて、少なくとも過剰の酸素、化学的に不活性の成分、特に二酸化炭素と希ガスと、場合によりHClも含有し、蒸留と、塩素を含まない酸素流のHCl酸化法への再循環による塩素の選択的分離方法であり、
蒸留は、精留セクション(又は区画)とストリッピングセクションを形成する1又はそれ以上の蒸留塔を用いて操作され、分離すべき混合物は、蒸留塔の精留セクションとストリッピングセクションとの間に供給されること、
蒸留は、8〜30バール(8000〜30000HPa)の圧力下、−10℃〜−60℃の塔頂温度で行われること、
液体塩素は、蒸留塔から、特に蒸留塔の塔底から取り出されること、及び
蒸留塔の塔頂において、二酸化炭素と酸素を含む混合物が形成され、混合物の一部は還流として蒸留塔に供給され、また混合物一部は取り出されてHCl酸化法に戻されること
を特徴とする方法を提供する。
蒸留を含む本発明の方法全体を説明するための略図である。 蒸留塔に関する物質の流れの略図である。
蒸留に供給される生成ガスは、その蒸留の前に乾燥することが好ましい。
好ましい方法は、HCl酸化法がディーコン法、即ち、酸素を用い、触媒によるHClの気相酸化であることを特徴とする。
イソシアネートプラント(又は製造設備)からのHClガスは、不純物、例えばホスゲン製造方法からの過剰のCO、微量の有機溶媒(モノクロロベンゼン又はジクロロベンゼン等)、及び微量のCOを一般に含有する。これらの成分は、HClガス精製システム(又は組織)により部分的に除去することができるが、ディーコン法の反応条件下(過剰酸素、温度300〜400℃)では、残留する微量の炭素質化合物が酸素で酸化されてCOを生成する。既知の方法では、このCOはディーコン法からの酸素リサイクリングガス流中で不活性ガスとして濃縮された状態になり、酸素循環から除去(パージ)する必要がある。
酸素リサイクリング流から除去する量が多すぎると、リサイクリングガス流中のCO含量は低いままであるが、多量の酸素、場合によっては他の成分もパージガス流とともに失われる。
除去する量が非常に少なすぎると、COはリサイクリング流中で濃縮され、リサイクリングガスの量が増加し、その結果、設備投資及びガス経路全体の運転コストが増加する。
リサイクリングガス中のCO含量は、本発明に基づく方法によって、例えば、ディーコン反応器からクエンチされ、乾燥された生成ガスを用いて操作される蒸留塔内で、10〜30バールの圧力下、約−30℃〜−55℃の温度で、その中に含まれるCOを凝縮することを可能にし、更にそれを還流としてこの蒸留塔に供給することを可能にする。原則として既知の適する低温回収処置を用いるこの方法によって、深冷処理を行うための追加のエネルギー入力を著しく減少させることができる。
従って、HCl酸化法の塩化水素が、イソシアネート製造方法に由来し、精製された塩素がイソシアネート製造方法に戻される(又はフィードバックされる)ことを特徴とする前記方法の変形も同様に好ましい。
HCl酸化法の塩化水素が、有機化合物の塩素化、例えば、塩素化芳香族化合物の製造方法に由来し、本発明の方法で精製された塩素が塩素化方法に戻される前記方法の変形も同様に好ましい。
蒸留は、10〜25バール(10000〜25000HPa)の圧力下、−25℃〜−45℃の塔頂温度で操作されることが好ましい。
蒸留塔では、乾燥反応ガスから目的生成物である塩素が塔底生成物として選択的に取り出される。従って、液体COの還流により、塔頂のみならず酸素リサイクリング流も塩素を含まない;過剰酸素は別として、COと不活性成分のみを含むので、原則として、前記ガスは排ガス洗浄を行うことなく大気中に放出することができる。
前記方法の特に好ましい態様では、蒸留中、蒸留塔の塔底は液体塩素を含み、一連の酸素、二酸化炭素、窒素、場合により希ガス及び場合により塩化水素からの低沸点化合物を実質的に含まない。
前記方法の別の特に好ましい態様では、蒸留塔の塔頂で生成する混合物は、二酸化炭素、酸素及び塩化水素を実質的に含み、この混合物は蒸留塔に還流として供給される。
蒸留塔の塔頂で生成する混合物は、一連の酸素、二酸化炭素、窒素、場合により希ガス及び場合により塩化水素からの全ての低沸点化合物を含有することが特に好ましく、塩素を実質的に含まない。
本発明の意味の範囲内で塩素を実質的に含まないとは、残留塩素含量が0.001容量%以下、好ましくは0.0002容量%以下であることを意味する。
好ましい態様では、新規な方法は、塔頂で液体COの凝縮物が生成され得るように、十分に高いCO分圧を必要とする。そのため、上流のディーコン法の始動時には、COの外部供給が必要かもしれない。連続的操作では、CO濃度に関して平衡が成立し、CO濃度は除去されるパージガスの量によって調節される。
従って、特に好ましい方法は、蒸留塔の塔頂後の(特に蒸留の上流のHCl酸化の始動時を含む)コンデンサー出口領域において、二酸化炭素含量が20〜70容量%、特に好ましくは30〜50容量%の範囲であることを特徴とする。
更に好ましい変形によれば、経済的最適化のために蒸留塔に更にHClを供給することができる。供給されたHClの量によって、蒸留塔のオーバーヘッドコンデンサーにおいて、容易に凝縮可能な成分であるCO及びHClの分圧が高まり、その結果、より低い塔圧又はより高い凝縮温度又はその両方を確立することで経済的な操作が可能となる。
塔頂における凝縮温度を高めるため、更に場合により、全圧を低下させるために、前記方法の特に好ましい態様では、蒸留塔の投入流に塩化水素ガスを加えることができる、及び/又は蒸留塔の気体と一緒に蒸留塔のオーバーヘッドコンデンサーに塩化水素ガスを加えることができる。
上流HCl酸化法の予め精製されたHClガスの最大で30容量%を、そのHCl酸化の前に流れを迂回(又はバイパス)させて、HCl酸化の生成混合物の蒸留に加えることが特に好ましい。
従って、本発明の特に好ましい態様では、精製されたHClガスのバイパスは、前記方法の始動とその後の連続的操作のために、反応器あたりから直接蒸留塔まで設けられる。この場合、低CO含量での始動のために外部からのCO供給は不要である。このバイパス流の定量的割合はHClの合計の最大で30容量%である。
HClバイパス流は、蒸留塔のオーバーヘッドコンデンサーに直接供給することが有利であるが;場合により、HClバイパス流を、蒸留塔の入口に供給することもできる。
HClを塔頂に供給する場合、リサイクリングガスはHClを含有し、まだ塩素を含む。その後、パージ流の排ガスを水でごく簡単に洗浄することができる。回収されたHCl水溶液は、特にイソシアネート製造方法/ディーコン法の組合せに再使用することができる。
蒸留塔に比較的多量のHClを供給する場合、蒸留塔への乾燥プロセスガスの投入流はHClを極めて十分に含有し得る。この処置の結果、クエンチによるプロセスガス精製のコストも低減される。
蒸留塔における経済的な凝縮に必要な、一般に約20バールの圧力を、上流のディーコン反応器を含む本発明の方法のガス経路全体において有利に利用することができる。圧力が高すぎると、化学平衡がシフトすることにより反応器内でHCl転化率が増加するため、約20バールの圧力はディーコン反応に有利である。
例えば、ディーコン反応器にフィードバックされる、好ましい方法からのリサイクリングガスは、塩素と水を含まず、従って、これは、ディーコン反応器内での化学平衡によりHCl転化率が最大になり得ることを意味する。
イソシアネート製造方法と新規に組み合わされる塩素精製方法との一体化(又は統合)をもたらす、好ましい方法の第1工程では、ホスゲンの製造を、塩素と一酸化炭素との反応によって行う。ホスゲンの合成は十分に既知であり、例えば、Ullmanns Enzyklopaedie der industriellen Chemie, 3rd edition, volume 13, pages 494-500に記載されている。工業規模では、ホスゲンは、好ましくは触媒としての活性炭上で、一酸化炭素と塩素の反応によって主に製造される。強い発熱気相反応が、少なくとも250℃〜最高600℃の温度で一般にシェルアンドチューブ式反応器中で一般に行われる。反応熱の放散は、種々の方法で、例えば、WO 03/072237 A1に開示されているように、例えば液体熱交換器を用いて、又は例えば、US−A 4764308に開示されているようにスチーム(又は蒸気)を生成するために反応熱を同時に利用する二次冷却循環を介する蒸発冷却によって行うことができる。
次の工程で、第1工程で生成したホスゲンから、少なくとも1種の有機アミン又は2種又はそれ以上のアミンの混合物と反応させることで、少なくとも1種のイソシアネートを生成する。この方法の第2工程を、以下ホスゲン化ともいう。この反応は、副生成物として塩化水素の生成を伴って起こり、この副生成物はイソシアネートとの混合物として生ずる。
イソシアネートの合成も、先行技術から原則として既知であり、ホスゲンは一般にアミンを基準として化学量論的に過剰量で使用する。従って、ホスゲン化は、液相中で一般に行われ、ホスゲンとアミンは溶媒に可溶である。ホスゲン化に好ましい溶媒は、塩素化芳香族炭化水素、例えば、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、その対応するクロロトルエン又はクロロキシレン、クロロエチルベンゼン、モノクロロジフェニル、α−又はβ−ナフチルクロリド、安息香酸エチル、フタル酸ジアルキル、フタル酸ジイソジエチル、トルエン及びキシレンである。適する溶媒の更なる例は、先行技術から原則として既知である。更に、例えば、WO 96/16028に基づく先行技術から既知であるように、得られるイソシアネート自体もホスゲンの溶媒として機能し得る。別の好ましい態様では、ホスゲン化、特に適する芳香族及び脂肪族ジアミンのホスゲン化は、気相で、即ち、アミンの沸点より高温で行われる。気相ホスゲン化は、例えば、EP 570 799 A1に開示されている。他の従来の液相ホスゲン化と比較して、この方法の長所は、高価な溶媒とホスゲンの循環を最小にすることによってもたらされるエネルギー節約にある。
原則として、ホスゲンと反応して、1又はそれ以上のイソシアネート基を有する1又はそれ以上のイソシアネートを生成することができる、1又はそれ以上の一級アミノ基を有する全ての一級アミンは、有機アミンとして適する。アミンは、少なくとも1つ、好ましくは2つ又は場合により3つ又はそれ以上の一級アミノ基を有する。従って、脂肪族アミン、脂環式アミン、脂肪族−芳香族アミン及び芳香族アミン、ジアミン及び/又はポリアミン、例えばアニリン、ハロゲン置換フェニルアミン(例えば、4−クロロフェニルアミン)1,6−ジアミノヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノシクロヘキサン、2,4−、2,6−ジアミノトルエン又はそれらの混合物、4,4’−、2,4’−もしくは2,2’−ジフェニルメタンジアミン又はそれらの混合物、ならびに前記アミン及びポリアミンの高分子量異性体、オリゴマー又はポリマー誘導体は、有機一級アミンとして適する。他の可能なアミンは、先行技術から原則として既知である。本発明に好ましいアミンは、ジフェニルメタンジアミン系(モノマー、オリゴマー及びポリマーアミン)、2,4−、2,6−ジアミノトルエン、イソホロンジアミン及びヘキサメチレンジアミンのアミンである。ホスゲン化では、その対応するイソシアネート、例えば、ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI、モノマー、オリゴマー及びポリマー誘導体)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)が得られる。
アミンはホスゲンと一段階又は二段階、又は場合により多段階反応で反応させることができる。連続的又はバッチ式操作法が可能である。
気相での一段階ホスゲン化を選択する場合、反応はアミンの沸点より高い温度で、好ましくは0.5〜5秒の平均接触期間内で、200〜600℃の温度で行われる。
液相でのホスゲン化は、一般に20〜240℃の温度、1〜約50バールの圧力下で行われる。液相でのホスゲン化は、一段階又は二段階で行うことができ、ホスゲンを化学量論的過剰量で使用することができる。この場合、アミン溶液及びホスゲン溶液は静的混合要素を用いて混合後、例えば1又はそれ以上の反応塔に下部から上部に通され、そこで混合物は完全に反応して、所望のイソシアネートを生じる。適する混合要素を備える反応塔に加え、攪拌装置を有する反応槽も使用することができる。静的混合要素の他に、特殊な動的混合要素も使用してよい。適する静的及び動的混合要素は先行技術から原則として既知である。
工業規模でのイソシアネートの液相連続製造方法は、一般に二段階で行われる。第1段階では、一般に220℃以下、好ましくは160℃以下の温度で、アミンとホスゲンから塩化カルバモイルが生成され、そして、分離された塩化水素とアミンから塩酸アミンが生成される。この第1段階は強い発熱反応である。第2段階では、塩化カルバモイルが分解されて、イソシアネートと塩化水素が生成し、更に塩酸アミンが反応して、塩化カルバモイルを生成する。第2段階は、一般に少なくとも90℃、好ましくは100〜240℃の温度で行われる。
ホスゲン化後、ホスゲン化中に生成したイソシアネートの分離を第3工程で行う。これは、始めに、ホスゲン化の反応混合物を、当業者に原則として既知の方法によって液体生成物流とガス状生成物流に分離することで行う。液体生成物流は、イソシアネート又はイソシアネート混合物と、溶媒と、未反応のホスゲンのごく一部とを実質的に含有する。ガス状生成物流は、塩化水素ガスと、化学量論的過剰量のホスゲンと、少量の溶媒と不活性ガス(例えば窒素及び一酸化炭素等)から実質的になる。更に、液体流はその後好ましくは蒸留よる後処理に送られ、この後処理においてホスゲンとホスゲン化用溶媒が連続的に分離される。場合により、生成したイソシアネートの追加の後処理も行うことができる。これは、例えば当業者に既知の方法によって得られたイソシアネート生成物を分留することで行われる。
ホスゲンと有機アミンとの反応で得られる塩化水素は、一般に、工程(c)に基づく塩化水素水溶液の電気化学的酸化においても熱触媒又は非熱活性化HCl酸化においても問題となりえる有機二次成分を含有する。これらの有機成分は、例えばイソシアネート製造に使用される溶媒、例えば、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼン等を含む。電気分解の間に、陰極としてガス拡散電極を使用する場合、ガス拡散電極の触媒も有機不純物によって不活性化され得る。更に、これらの不純物は電流集電装置(又は電流コレクター)に沈着し、従って、ガス拡散電極と電流集電装置との間の接触を妨げ、その結果、電圧の望ましくない上昇をもたらし得る。塩酸の電気分解に隔膜法を用いる場合、前記有機成分がグラファイト電極及び/又は隔膜に沈着し、従って同様に電気分解電圧を上昇させ得る。
従って、別の工程で、ホスゲン化中に生じた塩化水素を、ガス状生成物流から分離することが好ましい。イソシアネートの分離中に得られるガス状生成物流は、ホスゲンがホスゲン化にフィードバックすることができ、そして塩化水素が電気化学的酸化に供給可能なように処理される。
塩化水素の分離は、最初にガス状生成物流からホスゲンを分離することで行うことが好ましい。ホスゲンは、例えば、直列に接続された1又はそれ以上のコンデンサーで、ホスゲンを液化して分離する。液化は、使用する溶媒に応じて、−15〜−40℃の範囲の温度で行うことが好ましい。この深冷処理の結果、溶媒残渣の一部もガス状生成物流から除去することができる。
更に又は別法では、冷溶媒又は溶媒−ホスゲン混合物を用いて、一又はそれ以上の段階で、ホスゲンをガス流から洗い流すことができる。この用途に好適な溶媒は、例えばホスゲン化に既に使用された溶媒クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼンである。この用途での溶媒又は溶媒ホスゲン混合物の温度は−15〜−46℃の範囲である。
ガス状生成物流から分離されたホスゲンは、ホスゲン化にフィードバックすることができる。ホスゲン及び溶媒残渣の一部を分離後、得られた塩化水素は、窒素及び一酸化炭素等の不活性ガスに加え、0.1〜1重量%の溶媒及び0.1〜2重量%のホスゲンをなお含有し得る。
場合により、塩化水素の精製を行い、微量の溶媒の割合を減らすことができる。これは、例えば、凍結処理を行うことによって、溶媒の物理的性質に応じて、塩化水素を例えば1又はそれ以上の冷却トラップに通すことによって行うことができる。
塩化水素の任意で行われる精製の特に好ましい態様では、塩化水素流は直列接続された2つの熱交換器を流れ、分離すべき溶媒は凝固点に応じて、例えば−40℃で凍結される。熱交換器は交互に運転することが好ましく、ガス流は、いずれの場合も、それが最初に通過する熱交換器内で予め凍結された溶媒を融解する。溶媒はホスゲン溶液の製造に再使用することができる。冷却装置用の常套の熱交換媒体、例えば、Frigen系の化合物が供給される下流の第2の熱交換器では、溶媒が晶出するように溶媒の凝固点より低い温度まで、ガスを冷却することが好ましい。融解及び晶出操作が完了すると、ガス流と冷却剤流は、熱交換器の作用を逆にするように切り替えられる。塩化水素を含有するガス流は、このようにして好ましくは500ppm以下、特に好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下の溶媒含量に激減させることができる。
あるいは、例えば、US−A−6 719 957に基づいて、塩化水素の精製は、直列接続された2つの熱交換器内で行い得ることが好ましい。この場合、塩化水素を、好ましくは、5〜20バール、好ましくは10〜15バールの圧力に圧縮し、圧縮された塩化水素ガスを20〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度で第1の熱交換器に供給する。ここで、塩化水素は、第2の熱交換器からくる−10〜−30℃の温度の冷塩化水素で冷却される。これにより廃棄又はリサイクリング可能な有機成分の凝縮がもたらされる。第1の熱交換器の中に入った塩化水素は第1の熱交換器を−20〜0℃の温度で出、第2の熱交換器内で−10〜−30℃の温度まで冷却される。第2の熱交換器内で生成する凝縮物は、さらなる有機成分と少量の塩化水素からなる。塩化水素の損失を回避するために、第2の熱交換器から出る凝縮物は、分離蒸発ユニットに供給される。この分離蒸発ユニットは、例えば塩化水素が凝縮物から除去され、第2の熱交換器に戻される蒸留塔であり得る。除去された塩化水素を第1の熱交換器に戻すことも可能である。第2の熱交換器内で冷却され、有機成分が除かれた塩化水素は、−10〜−30℃の温度で第1の熱交換器の中に入る。10〜30℃に加熱後、有機成分が除かれた塩化水素は第1の熱交換器から出る。
好ましい別の方法では、有機不純物、例えば溶媒残渣についての塩化水素の任意の精製を、活性炭上で吸着により行う。この方法では、例えば、塩化水素を、0〜5バール、好ましくは0.2及び2バールの圧力差で過剰のホスゲンを除去した後、活性炭床上又は活性炭床中に通す。流速及び滞留時間は、当業者に既知の方法で、不純物の含量に合わせる。有機不純物の吸着は、他の好適な吸着剤、例えば、ゼオライト上でも可能である。
好ましい他の方法では、ホスゲン化からの塩化水素の任意の精製のために、塩化水素の蒸留を備えることができる。この蒸留は、ホスゲン化からのガス状塩化水素の凝縮後に行われる。凝縮塩化水素の蒸留では、精製された塩化水素は塔頂生成物として蒸留から取り出される。当業者に既知であり、この種の蒸留のために常套の圧力、温度等の条件下で、蒸留は行われる。
上記に示した方法によって分離され、場合により精製された塩化水素を、その後酸素を用いるHCl酸化に供給することができる。
本発明の主な態様を以下に記載する。
1.酸素を用い、場合により触媒に基づくHCl酸化法の生成ガスから塩素を選択的に分離する方法であって、生成ガスは、塩素に加え、少なくとも過剰の酸素、化学的に不活性な成分、特に二酸化炭素と場合により希ガス、及び場合によりHClも含有し、蒸留と、塩素を含まない酸素流をHCl酸化法に再循環することによる塩素の選択的分離方法であり、
蒸留は、精留セクションとストリッピングセクションを形成する1又はそれ以上の蒸留塔を用いて操作され、分離すべき混合物は、蒸留塔の精留セクションとストリッピングセクションとの間に供給されること、
蒸留は、8〜30バール(8000〜30000HPa)の圧力下、−10℃〜−60℃の塔頂温度で行われること、
蒸留塔内の液体塩素は、蒸留塔の塔底から取り出されること、及び
蒸留塔の塔頂において、二酸化炭素と酸素を含む混合物が形成され、混合物の一部は還流として蒸留塔に供給され、混合物の一部は取り出されてHCl酸化法に供給されること
を特徴とする方法。
2.蒸留に供給される生成ガスは、乾燥されることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.HCl酸化法は、ディーコン法であることを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
4.HCl酸化法の塩化水素は、イソシアネート製造方法に由来し、精製された塩素は、イソシアネート製造方法に戻されることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.HCl酸化法の塩化水素は、塩素化芳香族に関する有機化合物の塩素化方法に由来し、精製された塩素は、塩素化方法に戻されることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の方法。
6.蒸留は、10〜25バール(10000〜25000HPa)の圧力下、−25℃〜−45℃の塔頂温度で操作されることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の方法。
7.蒸留中、蒸留塔の塔底は、液体塩素を含み、一連の酸素、二酸化炭素、窒素、場合により希ガス及び場合により塩化水素からの低沸点化合物を実質的に含まないことを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の方法。
8.蒸留塔の塔頂で生成する混合物は、二酸化炭素、酸素及び塩化水素を実質的に含んで成り、この混合物は蒸留塔に還流として供給されることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の方法。
9.蒸留塔の塔頂で生成する混合物は、一連の酸素、二酸化炭素、窒素、場合により希ガス及び場合により塩化水素からの全ての低沸点化合物を含み、実質的に塩素を含まないことを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の方法。
10.塔頂における凝縮温度を高めるため、蒸留塔の投入流に塩化水素ガスを追加して加えること、及び/又は蒸留塔の気体と一緒に塩化水素ガスを蒸留塔のオーバーヘッドコンデンサーに加えることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の方法。
11.上流のHCl酸化法の予め精製されたHClガスの最大で30容量%を、そのHCl酸化の前に分岐して、HCl酸化法からの生成混合物の蒸留に加えることを特徴とする上記10に記載の方法。
12.蒸留塔の塔頂後のコンデンサー出口領域における二酸化炭素含量は、特に蒸留の上流のHCl酸化の始動時の間も、20〜70容量%、特に好ましくは30〜50容量%の範囲であることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の方法。
実施例を用い、図面に基づいて、以下により詳細に本発明を説明するが、これらの説明は、本発明を限定するものではない。
実施例1
メチレンジイソシアネートを製造するためのイソシアネートプラントからのHClガス1(典型的には、>99容量%のHCl、<0.2容量%のCO、<500容量ppmの有機化合物(モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)及び微量の不活性ガスから構成される)を、圧縮システム2内で22バールに圧縮する。
下流の低温ガス精製システム3内で、有機不純物の大部分を、HClガスから除去する。
精製されたHClガス4の大部分(85%)を、過剰の酸素23と、塩素分離器からのリサイクリングガス15と一緒に、ディーコン反応器5に供給する。この反応器において、HClガスを、370℃で触媒を使用して塩素に酸化する。
前記反応からのプロセスガス6は、その主成分として塩素、酸素及び反応水を、未反応のHClガス、二酸化炭素及び不活性ガスと一緒に含む。
熱いプロセスガスは、適するクエンチ7に供給され、このクエンチ7で、約40〜90℃の温度に低下させることで、反応水は未反応のHClの大部分と一緒に濃HCl水溶液として凝縮する。
HClをなお含有する湿ったプロセスガス8を、乾燥媒体として濃硫酸を有するガスドライヤー9中で乾燥する。
冷却後、乾燥させたプロセスガス10を、精留セクションとストリッピングセクションを有する蒸留塔11に供給する。20バールの塔頂圧力で操作される蒸留塔で、CO、HCl及びごく一部の他の成分(例えば、酸素及び不活性ガス等)の液体混合物は、塔頂で約−32℃で凝縮し、還流として蒸留塔に供給される。結果として、塔頂及びそこで生じる酸素含有リサイクリングガス13は、完全に塩素を含まなくなる。
蒸留塔の塔底12で、低沸点物を含まない液体塩素は取り出され、イソシアネートプラントで再使用することができる(図示せず)。
ガス精製システム3からの精製HClガスの残量(15%)は、ディーコン反応前後のバイパス23として蒸留塔10からの気体と一緒に蒸留塔のオーバーヘッドコンデンサーに直接供給される。
40容量%の酸素、36容量%のCO、20容量%のHCl及び4容量%の不活性成分で構成されるリサイクリングガス13は、コンプレッサー14を介してディーコン反応器5にフィードバックされる。
経時的にリサイクリングガス中に濃縮された状態の副生成物、CO及び他の不活性物質等は、リサイクリングガス16から除去され、水洗浄17によりHClが精製される。排出された希塩酸水溶液21は、イソシアネートプラントとディーコン法との方法の組合せにおいて、別の時点で再使用される。
塩素とHClを含まない、50容量%の酸素、45容量%のCO及び5容量%不活性物質とで構成される排ガス22は、大気中に排出される。
蒸留塔の操作、実施例1(図2):
ディーコン反応器1からの、47容量%のCl、31容量%のO、19容量%のCO、2容量%の不活性ガス及び1容量%のHClで構成される乾燥プロセスガスは、精留セクションとストリッピングセクションを有する蒸留塔11に供給される。蒸留塔は、20バールの塔頂圧力と−32℃の塔頂温度で操作され;塔底温度は+64℃である。
蒸留塔の塔底において、純粋な液体塩素8は取り出され、エバポレーター10を介して蒸留塔11に部分的に戻される。
低沸点物である酸素、HCl、CO及び不活性物質は塔頂4に運ばれ、そこでHCl精製2aからのHClバイパス流と合流し、コンデンサー9に供給される。HClバイパス量は、酸化すべきHClの総量の15%である。
コンデンサー9において、これらの圧力及び温度条件下で凝縮可能なガスは凝縮して取り出される。50重量%のCO、38重量%のHCl及び12重量%の酸素で構成される凝縮物6は、還流として蒸留塔に供給される。コンデンサーで凝縮されない成分は、40容量%のO、36容量%のCO、20容量%のHCl及び4容量%不活性物質で構成される酸素リサイクリング流7として、ディーコン反応器にフィードバックされる。
実施例2(参照 図2):
実施例1の場合と同様の手順が用いられるが、HClバイパス流2bは、オーバーヘッドコンデンサー9にではなく、乾燥プロセスガス1と一緒に蒸留塔入口に供給される。

Claims (8)

  1. 酸素を用い、場合により触媒に基づくHCl酸化法の生成ガスから塩素を選択的に分離する方法であって、生成ガスは、塩素に加え、少なくとも過剰の酸素、化学的に不活性な成分、特に二酸化炭素と場合により希ガス、及び場合によりHClも含有し、蒸留と、塩素を含まない酸素流をHCl酸化法に再循環することによる塩素の選択的分離方法であり、
    蒸留は、精留セクションとストリッピングセクションを形成する1又はそれ以上の蒸留塔を用いて操作され、分離すべき混合物は、蒸留塔の精留セクションとストリッピングセクションとの間に供給されること、
    蒸留は、8〜30バール(8000〜30000HPa)の圧力下、−10℃〜−60℃の塔頂温度で行われること、
    蒸留塔内の液体塩素は、蒸留塔の塔底から取り出されること、及び
    蒸留塔の塔頂において、二酸化炭素と酸素を含む混合物が形成され、混合物の一部は還流として蒸留塔に供給され、混合物の一部は取り出されてHCl酸化法に供給されること
    を特徴とする方法。
  2. 蒸留に供給される生成ガスは、乾燥されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. HCl酸化法の塩化水素は、イソシアネート製造方法に由来し、精製された塩素は、イソシアネート製造方法に戻されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法
  4. 蒸留中、蒸留塔の塔底は、液体塩素を含み、一連の酸素、二酸化炭素、窒素、場合により希ガス及び場合により塩化水素からの低沸点化合物を実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法
  5. 蒸留塔の塔頂で生成する混合物は、二酸化炭素、酸素及び塩化水素を実質的に含んで成り、この混合物は蒸留塔に還流として供給されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法
  6. 蒸留塔の塔頂で生成する混合物は、一連の酸素、二酸化炭素、窒素、場合により希ガス及び場合により塩化水素からの全ての低沸点化合物を含み、実質的に塩素を含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法
  7. 塔頂における凝縮温度を高めるため、蒸留塔の投入流に塩化水素ガスを追加して加えること、及び/又は蒸留塔の気体と一緒に塩化水素ガスを蒸留塔のオーバーヘッドコンデンサーに加えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法
  8. 上流のHCl酸化法の予め精製されたHClガスの最大で30容量%を、そのHCl酸化の前に分岐して、HCl酸化法からの生成混合物の蒸留に加えることを特徴とする請求項7に記載の方法
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