JP2009521931A - 胎盤幹細胞を収集及び保存するための改善された組成物、及び該組成物の使用方法 - Google Patents

胎盤幹細胞を収集及び保存するための改善された組成物、及び該組成物の使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、器官、例えば胎盤から幹細胞を収集するための改善された組成物及び方法を提供する。本発明は、アポトーシス阻害剤と、場合によりプロテアーゼ又は粘液溶解酵素などの酵素、血管拡張剤、開始阻害剤、酸素担持ペルフルオロカーボン或いは器官保存化合物とを含む幹細胞収集組成物を提供する。本発明は、幹細胞収集組成物を使用して、幹細胞を収集し、幹細胞の集団を保存する方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2005年12月29日に出願された米国仮特許第60/754,969号の有益性を主張するものである。
(1. 序論)
本発明は、例えば、胎盤又はその一部の灌流或いは物理的及び/又は酵素破壊によって胎盤幹細胞を収集するための改善された方法及び組成物、並びに該組成物を使用して幹細胞を収集する方法に関する。本明細書に開示された組成物は、生理的に許容し得る水溶液、例えば食塩水、1つ以上のプロテアーゼ及び1つ以上のJNK(c-Jun-N-末端キナーゼ)阻害剤を含む。場合により、該組成物は、TNF-αを調節する(例えば阻害する)化合物、免疫調節化合物、血管拡張剤、壊死阻害剤、酸素担持ペルフルオロカーボン、又はそれらのいずれかの組合せをさらに含む。本発明は、幹細胞及び幹細胞の集団を収集及び保存するために該組成物を使用する方法を提供する。
(2. 発明の背景)
ヒト幹細胞は様々な成熟ヒト細胞系を生成することが可能な全能性又は多能性前駆細胞である。すべてではないが、多くの組織を再増殖させて、生理的及び解剖学的機能を回復させるのに幹細胞を採用できるという証拠が存在する。
多くの異なる種類の哺乳類幹細胞の特徴が調べられてきた(例えば、Caplanらの文献、米国特許第5,486,359号(「ヒト間葉幹細胞」(human mesenchymal stem cells));Huらの文献、WO 00/73421(「ヒト羊膜上皮細胞の単離、凍結保存及び治療的使用方法」(methods of isolation, cryopreservation, and therapeutic use of human amniotic epithelial cells));Beltramiらの文献、Cell 114(6):763-766 (2003) (「心臓幹細胞」(cardiac stem cells));Forbesらの文献、J. Pathol. 197(4):510-518 (2002) (「肝幹細胞」hepatic stem cells))参照)。臍帯血、及び帯血から誘導される全有核細胞を移植に使用して、切除治療を受けた患者における造血機能を部分的又は全面的に回復させる。
胎盤は、特に魅力的な幹細胞源である(例えば、Hariri、米国特許出願公開第2002/0123141号及び第2003/0032179号参照)。胎盤は、容易に入手可能であるが、各胎盤から得られた幹細胞の数を最大にすることが望ましい。幹細胞は、他の種類の細胞のように、収集及び保管時にもたらされる環境変化に敏感である。これらの変化は、幹細胞のアポトーシス又は壊死をもたらしうる。したがって、改善された組成物、及び単一の胎盤から多数の幹細胞を回収するために、産後の哺乳類胎盤から胎盤幹細胞の収集の必要性が存在する。
(3. 発明の要旨)
本発明は、幹細胞の回収を容易にするため、器官、例えば胎盤の灌流及び保存のための改善された方法及び組成物、並びに該組成物を使用して幹細胞を収集する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、アポトーシス阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、幹細胞と、壊死阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。
上記実施態様のいずれかの具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、カスパーゼ阻害剤である。別の具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、c-Jun N-末端キナーゼ(JNK)阻害剤である。より具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、前記単離前の前記幹細胞の分化又は増殖を調節しない。別の具体的な実施態様において、該方法は、前記幹細胞と、壊死を阻害する化合物とを接触させることをさらに含む。別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、哺乳類胎盤、臍帯、胎盤血又は臍帯血から単離される。別の具体的な実施態様において、該方法は、前記幹細胞と、酸素担持ペルフルオロカーボンとを接触させることをさらに含む。別の実施態様において、該方法は、前記幹細胞と、プロテアーゼとを接触させることをさらに含む。より具体的な実施態様において、前記プロテアーゼは、マトリックス金属プロテアーゼ又は中性プロテアーゼである。より具体的な実施態様において、前記マトリックス金属プロテアーゼは、コラゲナーゼである。別の具体的な実施態様において、前記中性プロテアーゼは、サーモリシン又はディスパーゼである。別の具体的な実施態様において、該方法は、前記幹細胞と粘液溶解酵素とを接触させることをさらに含む。より具体的な実施態様において、前記粘液溶解酵素は、ヒアルロニダーゼである。該方法の別の具体的な実施態様において、前記溶液は、食塩水又は培地である。別の具体的な実施態様において、前記溶液は、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノースをさらに含む。別の具体的な実施態様において、前記溶液は、UW溶液である。
別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、組織の酵素消化を含む物理的破壊によって前記組織から単離される。より具体的な実施態様において、前記幹細胞は、胎盤の少なくとも一部の酵素消化によって胎盤から単離される。
別の具体的な実施態様において、前記哺乳類胎盤は、前記物理的破壊の前に放血される。別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、前記哺乳類胎盤から単離され、前記単離は、前記哺乳類胎盤を灌流溶液で灌流することによって実施される。より具体的な実施態様において、前記灌流は、検出可能な数の幹細胞を前記哺乳類胎盤から収集するのに十分な量及び時間で、哺乳類胎盤を前記灌流溶液により灌流することによって実施される。より具体的な実施態様において、前記哺乳類胎盤は、前記灌流の前に放血される。より具体的な実施態様において、前記灌流は、前記灌流溶液を前記胎盤の臍帯動脈及び臍帯静脈の一方又は双方に流すことによって実施される。別のより具体的な実施態様において、前記灌流溶液は、0.9%NaCl溶液又はリン酸緩衝生理食塩水を含む。別のより具体的な実施態様において、前記灌流は、約500mLから約2000mLの前記灌流溶液又は約750mLの前記灌流溶液を使用する。別のより具体的な実施態様において、前記灌流は、複数回実施される。
別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、送達後72時間未満の時間にわたって低酵素条件に曝され、低酵素条件は、正常な血液酸素濃度未満の酸素濃度である。より具体的な実施態様において、前記幹細胞は、48時間未満の時間にわたって前記低酵素条件に曝される。別のより具体的な実施態様において、前記幹細胞は、24時間未満の時間にわたって前記低酵素条件に曝される。別のより具体的な実施態様において、前記幹細胞は、6時間未満の時間にわたって前記低酵素条件に曝される。別のより具体的な実施態様において、前記幹細胞は、低酵素条件に曝されない。
別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、前記単離中に剪断応力に曝されない。
別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、インダゾールである。別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
aは、1、2、3、4、5又は6であり;
b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール又はヘテロアリールであり;
R2は、水素であり;
R3は、水素又は低級アルキルであり;
R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8-、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
より具体的な実施態様において、該方法は、幹細胞と免疫調節化合物とを接触させることをさらに含む。より具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;3-(4'-アミノイソリンドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3-アミノフタルイミド)グルタルイミドである。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキルである)。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)R5であり;
R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であるか、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
nは、0又は1であり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し;
R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。
該方法の別の具体的な実施態様において、前記溶液は、血管拡張剤をさらに含む。より具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、抗高血圧薬である。別のより具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、グアニリルシクラーゼ、ADP-リボシルトランスフェラーゼ又はシクロオキシゲナーゼを活性化させ、或いはリポキシゲナーゼを阻害する。別のより具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン放出ホルモン、ナトリウムニトロプルシド、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシン又は硫酸マグネシウムである。より具体的な実施態様において、前記ヒドララジンは、約0.1mMから約10mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記アデノシンは、約0.001mMから約10.0mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記アデノシン三リン酸は、約0.1mMから約1000mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記インドメタシンは、約1mg/kgから約20mg/kgの濃度で存在し、「kg」は、胎盤の重量である。別のより具体的な実施態様において、前記硫酸マグネシウムは、約0.1mMから約20mMの濃度で存在する。
該方法の別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、CD34+幹細胞である。より具体的な実施態様において、CD34+幹細胞は、CD34+CD38-幹細胞である。より具体的な実施態様において、前記CD34+CD38-幹細胞は、帯血におけるCD34+CD38-細胞の割合と比較して、より高い割合の全有核細胞として、胎盤灌流液に存在するCD34+CD38-幹細胞集団の一部である。本発明の別の具体的な実施態様において、前記幹細胞は、CD34-幹細胞である。より具体的な実施態様において、前記CD34-幹細胞は、さらに、CD31+、CD33+、CD44-、CDl17+、KDR+、HLA-ABCweak又はHLA-DRweakである。別のより具体的な実施態様において、前記CD34-幹細胞は、さらに、ABC-p+、SSEA3+及びSSEA4+である。
本発明は、組成物、例えば、幹細胞収集、例えば、灌流及び/又は組織破壊、例えば酵素消化による収集を容易にする溶液も提供する。一実施態様において、本発明は、生理的に許容し得る溶液にアポトーシス阻害剤及びプロテアーゼを含む組成物であって、幹細胞の集団と接触すると、組成物に接触しない幹細胞の集団と比較して前記幹細胞の集団におけるアポトーシスを低減又は防止する組成物を提供する。具体的な実施態様において、前記組成物は、天然組成物でない。別の具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、カスパーゼ阻害剤である。別の具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、JNK阻害剤である。より具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、前記幹細胞の分化又は増殖を調節しない。別の具体的な実施態様において、前記プロテアーゼは、そこから前記幹細胞を誘導できる組織の細胞を検出可能に分離させるのに十分な量で存在する。別の実施態様において、該組成物は、壊死阻害剤をさらに含む。より具体的な実施態様において、前記壊死阻害剤は、2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミドである。別の具体的な実施態様において、該組成物は、酸素担持ペルフルオロカーボンをさらに含む。別の具体的な実施態様において、前記生理的に許容し得る溶液は、食塩水又は培地である。より具体的な実施態様において、前記食塩水は、0.9%NaCl溶液又はリン酸緩衝生理食塩水である。別のより具体的な実施態様において、前記プロテアーゼは、マトリックス金属プロテアーゼ又は中性プロテアーゼである。より具体的な実施態様において、前記マトリックス金属プロテアーゼは、コラゲナーゼである。別の具体的な実施態様において、前記中性プロテアーゼは、サーモリシン又はディスパーゼである。別の具体的な実施態様において、該組成物は、粘液溶解酵素をさらに含む。より具体的な実施態様において、前記粘液溶解酵素は、ヒアルロニダーゼである。
別の具体的な実施態様において、該組成物は、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸及びラフィノーゼをさらに含む。別の具体的な実施態様において、該組成物は、UW溶液をさらに含む。
該組成物の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、インダゾールである。別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物を有する。
Figure 2009521931
(式中、
Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
aは、1、2、3、4、5又は6であり;
b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
該組成物の別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール又はヘテロアリールであり;
R2は、水素であり;
R3は、水素又は低級アルキルであり;
R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、0、1、2、3又は4から選択され;
cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
該組成物の別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
より具体的な実施態様において、該組成物は、免疫調節化合物をさらに含む。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;3-(4'アミノイソリンドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3-アミノフタルイミド)グルタルイミドである。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキルである)。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)R5であり;
R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であり、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
nは、0又は1であり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し、
R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。
別の具体的な実施態様において、該組成物は、血管拡張剤をさらに含む。より具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、抗高血圧薬である。別のより具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、グアニリルシクラーゼ、ADP-リボシルトランスフェラーゼ又はシクロオキシゲナーゼを活性化させ、或いはリポキシゲナーゼを阻害する。別のより具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン放出ホルモン、ナトリウムニトロプルシド、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシン又は硫酸マグネシウムである。さらにより具体的な実施態様において、前記ヒドララジンは、約0.1mMから約10mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記アデノシンは、約0.001mMから約10.0mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記アデノシン三リン酸は、約0.1mMから約1000mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記インドメタシンは、約1mg/kgから約20mg/kgの濃度で存在し、「kg」は、胎盤の重量である。別のより具体的な実施態様において、前記硫酸マグネシウムは、約0.1mMから約20mMの濃度で存在する。
別の態様において、本発明は、幹細胞集団を保存する方法であって、幹細胞集団と、アポトーシス阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボンとを接触させることを含み、前記アポトーシス阻害剤は、アポトーシス阻害剤と接触しない幹細胞集団と比較して幹細胞集団におけるアポトーシスを低減又は防止するのに十分な量及び時間で存在する方法を提供する。具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、カスパーゼ阻害剤である。別の具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、JNK阻害剤である。より具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、前記幹細胞の分化又は増殖を調節しない。別のより具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンは、前記接触の前に単一の溶液に含められる。別のより具体的な実施態様において、前記接触の前に、前記JNK阻害剤は第1の溶液に含められ、前記ペルフルオロカーボンは第2の溶液に含められる。別の具体的な実施態様において、前記溶液、第1の溶液又は第2の溶液は、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノースをさらに含む。前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンが、前記接触時に約0℃から約25℃である、請求項95記載の方法。別のより具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンは、前記接触時に約2℃から10℃、又は約2℃から約5℃である。別のより具体的な実施態様において、前記接触は、前記幹細胞集団の輸送中に実施される。別のより具体的な実施態様において、前記接触は、前記細胞集団の凍結及び解凍中に実施される。
別の具体的な実施態様において、該方法は、前記幹細胞集団と壊死阻害剤とを接触させることを含む。より具体的な実施態様において、前記壊死阻害剤は、2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミドである。
該方法の別の具体的な実施態様において、前記幹細胞集団は、前記保存中に、72時間未満の時間にわたって低酸素条件に曝され、低酸素条件は、正常な血液酸素濃度未満の酸素濃度である。より具体的な実施態様において、前記幹細胞集団は、前記保存中に、48時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝される。別のより具体的な実施態様において、前記幹細胞集団は、前記保存中に、24時間未満の時間又は6時間未満の時間にわたって、前記低酸素条件に曝される、或いは低酸素条件に曝されない。別の具体的な実施態様において、前記幹細胞集団は、前記保存中に剪断応力に曝されない。
別の具体的な実施態様において、前述の溶液のいずれかは、UW溶液を含む。
該方法の別の具体的な実施態様において、前記幹細胞集団は、胎盤内に含まれる、或いは胎盤から単離される。
該方法のより具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
aは、1、2、3、4、5又は6であり;
b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
該方法の別のより具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール又はヘテロアリールであり;
R2は、水素であり;
R3は、水素又は低級アルキルであり;
R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8-、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、0、1、2、3又は4から選択され;
cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
該方法の別のより具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
さらにより具体的な実施態様において、該方法は、幹細胞と免疫調節化合物とを接触させることをさらに含む。より具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;3-(4'アミノイソリンドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3-アミノフタルイミド)グルタルイミドである。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキルである)。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;
R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であり、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
nは、0又は1であり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。別のより具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し、
R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。
上記方法又は組成物のいずれかの別の具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、約0.5μMから約10μMの濃度で存在する。上記方法又は組成物の別の具体的な実施態様において、前記プロテアーゼは、約0.1mg/mLから約10mg/mLの濃度で存在する。上記方法又は組成物のいずれかの別の具体的な実施態様において、前記粘液溶解酵素は、約0.1mg/mLから約10mg/mLの濃度で存在する。上記方法又は組成物の別の具体的な実施態様において、前記免疫調節化合物は、約0.5μMから約10μMの濃度で存在する。上記方法又は組成物の別の具体的な実施態様において、前記血管拡張剤は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン放出ホルモン、ナトリウムニトロプルシド、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシン又は硫酸マグネシウムである。さらにより具体的な実施態様において、前記ヒドララジンは、約0.1mMから約10mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記アデノシンは、約0.001mMから約10.0mMの濃度で存在する。別のより具体的な実施態様において、前記アデノシン三リン酸は、約0.1mMから約1000mMの濃度で存在する。
別の具体的な実施態様において、本明細書に記載されている組成物のいずれかは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム及びグルコースを含む生理的に許容し得る溶液を含むことができる。該組成物のいずれかは、1種以上の必須又は非必須アミノ酸を単独又は組み合わせて含むことができる。
(3.1 定義)
本明細書に用いられているように、「胚幹細胞」という用語は、胚盤胞(例えば、4から5日のヒト胚芽)の内細胞塊から誘導され、多能性である細胞を指す。
本明細書に用いられているように、「胎盤幹細胞」という用語は、細胞形態、細胞表面マーカ、又は一次培養後の流路数に関わらず、哺乳類胎盤から誘導される幹細胞又は前駆細胞を指す。しかし、該用語は、専ら別の組織、例えば胎盤血又は臍帯血から誘導された幹細胞を包括しない。
本明細書に用いられているように、「放血された」又は「放血」という用語は、胎盤に関して用いられる場合は、胎盤からの実質的にすべての帯血の除去及び/又は排出を指す。
本明細書に用いられているように、「灌流液」という用語は、器官又は組織を流れてから収集される液体を指す。好ましい実施態様において、灌流液は、1つ以上の抗凝血剤を含む。
本明細書に用いられているように、「幹細胞」という用語は、多能性又は多分化能性細胞、並びに委任前駆細胞を含む前駆細胞を包括する。多能性又は多分化能性細胞は、培養で増殖・拡張する能力を保持する。
「アルキル」は、1個から10個の炭素原子を有する飽和直鎖状又は分枝状の非環式炭化水素を指す。「低級アルキル」は、1個から4個の炭素原子を有する、上記に定義されたアルキルを指す。代表的な飽和直鎖状アルキルとしては、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、-n-ヘキシル、-n-ヘプチル、-n-オクチル、-n-ノニル及び-n-デシルが挙げられ;飽和分枝状のアルキルとしては、-イソプロピル、-sec-ブチル、イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、2-メチル-4-エチルペンチル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2-メチル-4-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル及び3,3-ジエチルヘキシル等が挙げられる。
「アルケニル基」又は「アルキリデン」は、2個から10個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖状又は分枝状の非環式炭化水素を指す。代表的な直鎖状及び分枝状の(C2〜C10)アルケニルとしては、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニル、-1-ノネニル、-2-ノネニル、-3-ノネニル、-1-デセニル。-2-デセニル及び-3-デセニル等が挙げられる。アルケニル基は、非置換又は置換され得る。「環式アルキリデン」は、3個から8個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、1個から3個のヘテロ原子を含むことができる環である。
「アルキニル基」は、2個から10個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖状又は分枝状の非環式炭化水素を指す。代表的な直鎖状及び分枝状の-(C2〜C10)アルキニルとしては、-アセチレニル、-プロピニル、-1-ブチニル、-2-ブチニル、-1-ペンチニル、-2-ペンチニル、-3-メチル-1-ブチニル、-4-ペンチニル、-1-ヘキシニル、-2-ヘキシニル、-5-ヘキシニル、-1-へプチニル、-2-へプチニル、-6-へプチニル、-1-オクチニル、-2-オクチニル、-7-オクチニル、-1-ノニニル、-2-ノニニル、-8-ノニニル、-1-デシニル、-2-デシニル及び-9-デシニル等が挙げられる。アルキニル基は、非置換又は置換され得る。
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「ケト」は、カルボニル基(すなわちC=O)を指す。
「アシル」は、-C(O)CH3、-C(O)CH2CH3、-C(O)(CH2)2CH3、-C(O)(CH2)3CH3、-C(O)(CH2)4CH3及び-C(O)(CH2)5CH3等を含む-C(O)アルキル基(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「アシルオキシ」は、-OC(O)CH3、-OC(O)CH2CH3、-OC(O)(CH2)2CH3、-OC(O)(CH2)3CH3、-OC(O)(CH2)4CH3及び-OC(O)(CH2)5CH3等を含む-OC(O)アルキル基(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「エステル」は、-C(O)OCH3、-C(O)OCH2CH3、-C(O)O(CH2)2CH3、-C(O)O(CH2)3CH3、-C(O)O(CH2)4CH3及び-C(O)O(CH2)5CH3等を含む-C(O)Oアルキル基(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「アルコキシ」は、-OCH3、-OCH2CH3、-O(CH2)2CH3、-O(CH2)3CH3、-O(CH2)4CH3及び-O(CH2)5CH3等を含む-O-(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。「低級アルコキシ」は、低級アルキルが上記に定義された通りである-O-(低級アルキル)を指す。
「アルコキシアルコキシ」は、-OCH2OCH3、-OCH2CH2OCH3及び-OCH2CH2OCH2CH3等を含む-O-(アルキル)-O-(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「アルコキシカルボニル」は、-C(=O)O-CH3、-C(=O)O-CH2CH3、-C(=O)O-(CH2)2CH3、-C(=O)O-(CH2)3CH3、-C(=O)O-(CH2)4CH3及び-C(=O)O-(CH2)5CH3等を含む-C(=O)O-(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「アルコキシカルボニルアルキル」は、-CH2-C(=O)O-CH3、-CH2-C(=O)O-CH2CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)2CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)3CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)4CH3及び-CH2-C(=O)O-(CH2)5CH3等を含む-(アルキル)-C(=O)O-(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「アルコキシアルキル」は、-CH2OCH3、-CH2OCH2CH3、-(CH2)2OCH2CH3及び-(CH2)2O(CH2)2CH3等を含む-(アルキル)-O-(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「アリール」は、5個から10個の環原子を含む炭素環式芳香族基を指す。代表的な例としては、フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、ピリジニル及びナフチル、並びに5,6,7,8-テトラヒドロナフチルを含むベンゾ縮合炭素環式成分が挙げられるが、それらに限定されない。炭素環式芳香族基は、非置換又は置換され得る。一実施態様において、炭素環式芳香族基は、フェニル基である。
「アリールオキシ」は、-O-アリール基(アリールは上記に定義されている)を指す。アリールオキシ基は、非置換又は置換され得る。一実施態様において、アリールオキシ基のアリール環は、フェニル基である。
「アリールアルキル」は、-(CH2)フェニル、-(CH2)2フェニル、-(CH2)3フェニル、-CH(フェニル)2、-CH(フェニル)3、-(CH2)トリル、-(CH2)アントラセニル、-(CH2)フルオレニル、-(CH2)インデニル、-(CH2)アズレニル、-(CH2)ピリジニル及び-(CH2)ナフチル等を含む-(アルキル)-(アリール)(アルキル及びアリールは上記に定義された通りである)を指す。
「アリールアルキルオキシ」は、-O-(CH2)2フェニル、-O-(CH2)3フェニル、-O-CH(フェニル)2、-O-CH(フェニル)3、-O-(CH2)トリル、-O-(CH2)アントラセニル、-O-(CH2)フルオレニル、-O-(CH2)インデニル、-O-(CH2)アズレニル、-O-(CH2)ピリジニル及び-O-(CH2)ナフチル等を含む-O-(アルキル)-(アリール)(アルキル及びアリールは上記に定義された通りである)を指す。
「アリールオキシアルキル」は、-CH2-O-(フェニル)、-(CH2)2-O-フェニル、-(CH2)3-O-フェニル、-(CH2)-O-トリル、-(CH2)-O-アントラセニル、-(CH2)-O-フルオレニル、-(CH2)-O-インデニル、-(CH2)-O-アズレニル、-(CH2)-O-ピリジニル及び-(CH2)-O-ナフチル等を含む-(アルキル)-O-(アリール)(アルキル及びアリールは上記に定義された通りである)を指す。
「シクロアルキル」は、炭素原子及び水素原子を有し、炭素-炭素多重結合を有さない単環式又は多環式飽和環を指す。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む(C3〜C7)シクロアルキル基、並びに飽和環式及び二環式テルペンが挙げられるが、それらに限定されない。シクロアルキル基は、非置換又は置換され得る。一実施態様において、シクロアルキル基は、単環又は二環である。
「シクロアルキルオキシ」は、-O-シクロプロピル、-O-シクロブチル、-O-シクロペンチル、-O-シクロヘキシル及び-O-シクロヘプチル等を含む-O-(シクロアルキル)(シクロアルキルは上記に定義されている)を指す。
「シクロアルキルアルキルオキシ」は、-O-CH2-シクロプロピル、-O-(CH2)2-シクロプロピル、-O-(CH2)3-シクロプロピル、-O-(CH2)4-シクロプロピル、-O-CH2-シクロブチル、O-CH2-シクロペンチル、O-CH2-シクロヘキシル及びO-CH2-シクロヘプチル等を含む-O-(アルキル)-(シクロアルキル)(シクロアルキル及びアルキルは上記に定義されている)を指す。
「アミノアルコキシ」は、-O-CH2-NH2、-O-(CH2)2-NH2、-O-(CH2)3-NH2、-O-(CH2)4-NH2及び-O-(CH2)5-NH2等の-O-(アルキル)-NH2(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「モノ-アルキルアミノ」は、-NHCH3、-NHCH2CH3、-NH(CH2)2CH3、-NH(CH2)3CH3、-NH(CH2)4CH3及び-NH(CH2)5CH3等の-NH(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「ジ-アルキルアミノ」は、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2及び-N(CH3)(CH2CH3)等を含む-N(アルキル)(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「モノ-アルキルアミノアルコキシ」は、-O-(CH2)-NHCH3、-O-(CH2)-NHCH2CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)2CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)3CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)4CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)5CH3及び-O-(CH2)2-NHCH3等を含む-O-(アルキル)-NH(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「ジ-アルキルアミノアルコキシ」は、-O-(CH2)-N(CH3)2、-O-(CH2)-N(CH2CH3)2、-O-(CH2)-N((CH2)2CH3)2及び-O-(CH2)-N(CH3)(CH2CH3)等を含む-O-(アルキル)-N(アルキル)(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「アリールアミノ」は、-NH(フェニル)、-NH(トリル)、-NH(アントラセニル)、-NH(フルオレニル)、-NH(インデニル)、-NH(アズレニル)、-NH(ピリジニル)及び-NH(ナフチル)等を含む-NH(アリール)(アリールは上記に定義されている)を指す。
「アリールアルキルアミノ」は、-NH-CH2-(フェニル)、-NH-CH2-(トリル)、-NH-CH2-(アントラセニル)、-NH-CH2-(フルオレニル)、-NH-CH2-(インデニル)、-NH-CH2-(アズレニル)、-NH-CH2-(ピリジニル)、-NH-CH2-(ナフチル)及び-NH-(CH2)2-(フェニル)等を含む-NH-(アルキル)-(アリール)(アルキル及びアリールは上記に定義されている)を指す。
「アルキルアミノ」は、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)を含む-N(アルキル)(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)、並びに-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2及び-N(CH3)(CH2CH3)等を含む-N(アルキル)(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)など、上記に定義されたモノ-アルキルアミノ又はジ-アルキルアミノを指す。
「シクロアルキルアミノ」は、-NH-シクロプロピル、-NH-シクロブチル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシル及び-NH-シクロヘプチル等を含む-NH-(シクロアルキル)(シクロアルキルは上記に定義されている)を指す。
「カルボキシル」及び「カルボキシ」は、-COOHを指す。
「シクロアルキルアルキルアミノ」は、-NH-CH2-シクロプロピル、-NH-CH2-シクロブチル、-NH-CH2-シクロペンチル、-NH-CH2-シクロヘキシル、-NH-CH2-シクロヘプチル及び-NH-(CH2)2-シクロプロピル等を含む-NH-(アルキル)-(シクロアルキル)(アルキル及びシクロアルキルは上記に定義されている)を指す。
「アミノアルキル」は、CH2-NH2、-(CH2)2-NH2、-(CH2)3-NH2、-(CH2)4-NH2及び-(CH2)5-NH2等を含む-(アルキル)-NH2(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「モノ-アルキルアミノアルキル」は、-CH2-NH-CH3、-CH2-NHCH2CH3、-CH2-NH(CH2)2CH3、-CH2-NH(CH2)3CH3、-CH2-NH(CH2)4CH3、-CH2-NH(CH2)5CH3及び-(CH2)2-NH-CH3等を含む-(アルキル)-NH(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「ジ-アルキルアミノアルキル」は、-CH2-N(CH3)2、-CH2-N(CH2CH3)2、-CH2-N((CH2)2CH3)2、-CH2-N(CH3)(CH2CH3)及び-(CH2)2-N(CH3)2等を含む-(アルキル)-N(アルキル)(アルキル)(各アルキルは、独立に、上記に定義されたアルキル基である)を指す。
「ヘテロアリール」は、単環及び二環系を含めて、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含む5から10員の芳香族複素環を指す。代表的なヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ピリミジル、オキセタニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジオキサニル、チエタニル及びオキサゾリルである。
「ヘテロアリールアルキル」は、-CH2-トリアゾリル、-CH2-テトラゾリル、-CH2-オキサジアゾリル、-CH2-ピリジル、-CH2-フリル、-CH2-ベンゾフラニル、-CH2-チオフェニル、-CH2-ベンゾチオフェニル、-CH2-キノリニル、-CH2-ピロリル、-CH2-インドリル、-CH2-オキサゾリル、-CH2-ベンゾキサゾリル、-CH2-イミダゾリル、-CH2-ベンゾイミダゾリル、-CH2-チアゾリル、-CH2-ベンゾチアゾリル、-CH2-イソキサゾリル、-CH2-ピラゾリル、-CH2-イソチアゾリル、-CH2-ピリダジニル、-CH2-ピリミジニル、-CH2-ピラジニル、-CH2-トリアジニル、-CH2-シノリニル、-CH2-フタラジニル、-CH2-キナゾリニル、-CH2-ピリミジル、-CH2-オキセタニル、-CH2-アゼピニル、-CH2-ピペラジニル、-CH2-モルホリニル、-CH2-ジオキサニル、-CH2-チエタニル、-CH2-オキサゾリル及び-(CH2)2-トリアゾリル等を含む-(アルキル)-(ヘテロアリール)(アルキル及びヘテロアリールは上記に定義されている)を指す。
「複素環」は、飽和又は不飽和であり、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1個から4個のヘテロ原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子が場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が場合により四級化されていてもよい5から7員の単環式又は7から10員の二環式、複素環を指し、上記の複素環のいずれかがベンゼン環に縮合した二環式環を含む。複素環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合されうる。複素環は、上記に定義されたヘテロアリールを含む。代表的な複素環としては、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル及びテトラヒドロチオピラニル等が挙げられる。
「フェニルに縮合した複素環」は、フェニル環の2つの隣接炭素原子でフェニル環に結合した複素環(複素環は上記に定義されている)を指す。
「ヘテロシクロアルキル」は、-CH2-モルホリニル、-CH2-ピロリジノイル、-CH2-ピロリジニル、-CH2-ピペリジニル、-CH2-ヒダントイニル、-CH2-バレロラクタミル、-CH2-オキシラニル、-CH2-オキセタニル、-CH2-テトラヒドロフラニル、-CH2-テトラヒドロピラニル、-CH2-テトラヒドロピリジニル、-CH2-テトラヒドロプリミジニル、-CH2-テトラヒドロチオフェニル、-CH2-テトラヒドロチオピラニル、-CH2-テトラヒドロピリミジニル、-CH2-テトラヒドロチオフェニル及び-CH2-テトラヒドロチオピラニル等を含む-(アルキル)-(複素環)(アルキル及び複素環は上記に定義されている)を指す。
「置換された」という用語は、本明細書に用いられているように、置換される成分の少なくとも1つの水素原子が置換基で置き換えられた上記基(すなわち、アリール、アリールアルキル、複素環及びヘテロシクロアルキル)のいずれかを指す。一実施態様において、置換される基の各炭素原子が、2つ以下の置換基で置換されている。別の実施態様において、置換される基の各炭素原子が、1つ以下の置換基で置換されている。ケト置換基の場合は、2個の水素原子が、二重結合を介して炭素に結合した酸素で置換されている。置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、一又は二置換アミノアルキル、アルキルオキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaSO2Rb、-ORa、-C(=O)RaC(=O)ORa-C(=O)NRaRb、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、-OC(=O)NRaRb、-NRaSO2Rb、又は式-Y-Z-Ra(式中、Yはアルカンジイル又は直接結合であり、Zは、-O-、-S-、-N(Rb)-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-N(Rb)C(=O)-、-C(=O)N(Rb)-又は直接結合であり、Ra及びRbは、同一又は異なっており、独立に、水素、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはRa及びRbは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環を形成する)のラジカルが挙げられる。
「ハロアルキル」は、1個以上の水素原子が、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CBr3、-CHBr2、-CH2Br、-CCl3、-CHCl2、-CH2Cl、-CI3、-CHI2、-CH2I、-CH2-CF3、-CH2-CHF2、-CH2-CH2F、-CH2-CBr3、-CH2-CHBr2、-CH2-CH2Br、-CH2-CCl3、-CH2-CHCl2、-CH2-CH2Cl、-CH2-CI3、-CH2-CHI2及び-CH2-CH2I等を含む、ハロゲン(ハロゲンは上記に定義されている)で置換されたアルキル(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「ヒドロキシアルキル」は、-CH2OH、-CH2CH2OH、-(CH2)2CH2OH、-(CH2)3CH2OH、-(CH2)4CH2OH、-(CH2)5CH2OH、-CH(OH)-CH3及び-CH2CH(OH)CH3を含むヒドロキシで置換された1個以上の水素原子を有するアルキル(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「ヒドロキシ」は、-OHを指す。
「スルホニル」は、-SO3Hを指す。
「スルホニルアルキル」は、-SO2-CH3、-SO2-CH2CH3、-SO2-(CH2)2CH3、-SO2-(CH2)3CH3、-SO2-(CH2)4CH3及び-SO2-(CH2)5CH3等を含む-SO2-(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「スルフィニルアルキル」は、-SO-CH3、-SO-CH2CH3、-SO-(CH2)2CH3、-SO-(CH2)3CH3、-SO-(CH2)4CH3及び-SO-(CH2)5CH3等を含む-SO-(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「スルホンアミドアルキル」は、-NHSO2-CH3、-NHSO2-CH2CH3、-NHSO2-(CH2)2CH3、-NHSO2-(CH2)3CH3、-NHSO2-(CH2)4CH3及び-NHSO2-(CH2)5CH3等を含む-NHSO2-(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。
「チオアルキル」は、-S-CH3、-S-CH2CH3、-S-(CH2)2CH3、-S-(CH2)3CH3、-S-(CH2)4CH3及び-S-(CH2)5CH3等を含む-S-(アルキル)(アルキルは上記に定義されている)を指す。
本明細書に用いられているように、「JNK阻害剤」という用語は、本明細書に開示されている化合物を包括するが、それらに限定されない。JNK阻害剤は、その医薬として許容し得る塩、遊離塩基、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物又はプロドラッグの形で存在しうる。当該阻害活性を、セクション5に記載されたものを含む、当該技術分野で良く知られているアッセイ又は動物モデルによって測定することができる。一実施態様において、JNK阻害剤は、構造(I)〜(III)の化合物である。
本明細書に用いられているように、且つ他に指定がなければ、「医薬として許容し得る塩」という用語は、該用語が指す化合物の無毒性酸及び塩基付加塩を包括する。許容し得る無毒性酸付加塩としては、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボン酸及びエナント酸等を含む、当該技術分野で知られている有機及び無機酸又は塩基から誘導された塩が挙げられる。
本質的に酸性である化合物は、様々な医薬として許容し得る塩基と塩を形成することが可能である。当該酸性化合物の医薬として許容し得る塩基付加塩を調製するのに使用できる塩基は、無毒性塩基付加塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のような(ただし、それらに限定されない)医薬として許容し得るカチオンを含む塩を形成する塩基である。好適な有機塩基としては、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N-メチルグルカミン)、リシン及びプロカインが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書に用いられているように、且つ他に指定がなければ、「プロドラッグ」という用語は、加水分解し、酸化し、或いは生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)で反応して、該化合物を与えることができる化合物の誘導体を指す。プロドラッグの例としては、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイド及び生加水分解性ホスフェート類似体のような生加水分解性成分を含むJNK阻害剤の誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。プロドラッグの他の例としては、-NO、-NO2、-ONO又は-ONO2成分を含むJNK阻害剤の誘導体が挙げられる。典型的には、1 Burger 's Medicinal Chemistry and Drug Discovery、172-178、949-982 (Manfred E. Wolff編、第5版、1995)及びDesign of Prodrugs (H. Bundgaard編New York(ニューヨーク)州Elselvier、1985)に記載されているようなよく知られている方法を用いてプロドラッグを調製することができる。
本明細書に用いられているように、且つ他に指定がなければ、「生加水分解性アミド」、「生加水分解性エステル」、「生加水分解性カルバメート」、「生加水分解性カーボネート」、「生加水分解性ウレイド」及び「生加水分解性ホスフェート」という用語は、1)摂取、作用の持続又は作用の発生のようなインビボにおける有利な特性をその化合物に付与することができる化合物の生物活性を損なわない、或いは2)生物不活性であるが、インビボで生物活性化合物に変換される化合物のそれぞれアミド、エステル、カルバメート、カーボネート、ウレイド又はホスフェートを指す。生加水分解性エステルの例としては、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(アセトキシルメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル及びピバロイルオキシエチルエステル等)、ラクトニルエステル(フタリジル及びチオフタリジルエステル等)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステル等)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル及びアシルアミノアルキルエステル(アセトアミドメチルエステル等)が挙げられるが、それらに限定されない。生加水分解性アミドの例としては、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられるが、それらに限定されない。生加水分解性カルバメートの例としては、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式アミン及び複素環式芳香族アミン及びポリエーテルアミンが挙げられるが、それらに限定されない。
様々なJNK阻害剤及び免疫調節化合物は、1つ以上のキラル中心を含み、鏡像異性体のラセミ混合物又はジアステレオ異性体の混合物として存在し得る。本発明は、立体異性体として純粋の形の当該化合物の使用、並びにそれらの形の混合物の使用を包括する。例えば、JNK阻害剤又は免疫調節化合物の当量又は不等量の鏡像異性体からなる混合物を本発明の方法及び組成物に使用することができる。本明細書に開示されている具体的な化合物の純化された(R)又は(S)鏡像異性体をそのほかの鏡像異性体が実質的にない形で使用することができる。
本明細書に用いられているように、且つ他に指定がなければ、「立体異性体として純粋である」という用語は、化合物の1つの立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体が実質的にない組成物を指す。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋の組成物は、該化合物の反対の鏡像異性体が実質的にない。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋の組成物は、該化合物の他の立体異性体が実質的にない。典型的な立体異性体として純粋の化合物は、該化合物の約80重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約20重量%未満の他の立体異性体、より好ましくは、該化合物の約90重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約10重量%未満の他の立体異性体、さらにより好ましくは、該化合物の約95重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約5重量%未満の他の立体異性体、最も好ましくは、該化合物の約97重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約3重量%未満の他の立体異性体を含む。
本明細書に用いられているように、且つ他に指定がなければ、「立体異性体として高濃度である」という用語は、化合物の約60重量%を超える1つの立体異性体、好ましくは、化合物の約70重量%を超える1つの立体異性体、より好ましくは、化合物の約80重量%を超える1つの立体異性体を含む組成物を指す。
本明細書に用いられているように、且つ他に指定がなければ、「鏡像異性体として純粋である」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋の組成物を指す。同様に、「鏡像異性体として高濃度である」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として高濃度の組成物を指す。
(5. 発明の詳細な説明)
(5.1 幹細胞収集組成物)
一態様において、本発明は、多能性及び多分化能性幹細胞並びに委任前駆細胞を含む幹細胞を、物理的破壊、例えば酵素消化又は灌流により器官、例えば哺乳類胎盤から収集するための組成物を提供する。該組成物は、好ましくは収集及びその後の保存を通じて、幹細胞の収集を容易にし、幹細胞のアポトーシス及び/又は壊死を阻害する。幹細胞収集組成物を使用して、幹細胞、例えば胎盤幹細胞を収集するための方法を以下に説明する。
一実施態様において、本発明は、器官からの幹細胞、例えば胎盤幹細胞を収集するための組成物であって、生理的に許容し得る水溶液及びアポトーシス阻害剤を含み、幹細胞集団と接触すると、該組成物と接触していない幹細胞集団と比較して、前記幹細胞集団におけるアポトーシスを低減又は防止する組成物を提供する。一実施態様において、該組成物は、天然の組成物ではない。好ましくは、生理的に許容し得る水溶液は、幹細胞の維持に好適である。生理的に許容し得る水溶液は、例えば、生理的に許容し得る水溶液、例えば、0.9%NaCl溶液、リン酸緩衝生理食塩水、ダルベッコ改質イーグル培地(DMEM)、高グルコースダルベッコ改質イーグル培地(h.DMEM)及びクレブス溶液等の生理食塩緩衝液のような等張性水溶液であり得る。生理的に許容し得る水溶液は、培地、すなわち、哺乳類細胞の培養に通常使用され、例えば抗生物質又は血清を含む、或いは欠いた任意の培地であり得る。具体的な実施態様において、生理的に許容し得る水溶液は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム及びグルコースを含む。生理的に許容し得る水溶液は、必須アミノ酸又は非必須アミノ酸、又はアミノ酸の組合せを含むこともできるし、或いはそれらを欠いていてもよい。
幹細胞収集組成物は、好ましくは、組織を破壊することが可能な酵素、例えばプロテアーゼ、例えば、以下のセクション5.1.1に記載されたプロテアーゼを含む。幹細胞収集組成物は、当該技術分野で知られている任意のアポトーシス阻害剤でありうるアポトーシス阻害剤、例えばカスパーゼ阻害剤、例えば、以下のセクション5.1.2.1に記載されたカスパーゼ阻害剤を含む。好ましくは、アポトーシス阻害剤は、JNK阻害剤、例えば、以下のセクション5.1.2.2に記載されたJNK阻害剤である。別の実施態様において、生理的に許容し得る水溶液は、免疫調節化合物、例えば、以下のセクション5.1.3に記載された免疫調節化合物を含むこともできる。生理的に許容し得る水溶液は、血管拡張剤、例えば、以下のセクション5.1.4に記載された血管拡張剤を含むこともできる。生理的に許容し得る水溶液は、壊死阻害剤、例えば、以下のセクション5.1.5に記載された壊死阻害剤を含むことができる。生理的に許容し得る溶液は、酸素担持ペルフルオロカーボン、例えば、以下のセクション5.1.6に記載されたペルフルオロカーボンを含むことができる。生理的に許容し得る溶液は、先述の化合物の1つ又はいずれかの組合せを含むことができる。
本発明の幹細胞収集組成物は、灌流溶液として使用される場合は、好ましくは、残留する帯血又は胎盤血の凝固物の形成を防止するのに十分な濃度のヘパリン、クエン酸塩、クエン酸リン酸塩、クエン酸リン酸デキストロース又はCPDA(クエン酸リン酸デキストロースアデニン)等の抗凝血剤を含む。具体的な実施態様において、単一の哺乳類胎盤からの幹細胞の収集に約1から約100単位のヘパリン、好ましくは1ml当たり約1から10単位のヘパリンが採用される。
(5.1.1 酵素)
該組成物は、組織及び/又は細胞間の接合部若しくは細胞と基底膜との間の接合部を破壊するように作用する1種以上の酵素を含むことができる。一実施態様において、酵素は、検出可能な複数の幹細胞を、そこから幹細胞を誘導することができる器官又は組織、例えば胎盤から分離するのに十分な量で存在する。当該酵素は、例えば、プロテアーゼ、又はプロテアーゼ活性を有するポリペプチドであり得る。プロテアーゼは、ヒト、哺乳類、細菌等であってもよく、原生のプロテアーゼポリペプチド、又はプロテアーゼ活性を有する改質ポロペプチド(例えば、配列変異体、断片、融合タンパク質、類似体)であり得る。様々な実施態様において、プロテアーゼは、マトリックス金属プロテアーゼ又は中性プロテアーゼである。他の実施態様において、酵素は、コラゲナーゼ(例えば、コラゲナーゼI、コラゲナーゼIV、ヒストリチクス菌からのコラゲナーゼ等)、トリプシン(例えば、トリプシンEDTA)、サーモリシン、エラスターゼ、ジスパーゼ、LIBERASE(商標)、又はそれらの組合せである。当該酵素を商業的供給源、例えばSigmaAldrich(Missouri(ミズーリ)州St. Louis);Roche Diagnostics (LIBERASE(商標)、Indiana(インディアナ)州Indianapolis);Clinalfa(Indiana(インディアナ)州Bloomington)から得ることができる。酵素を任意の有効濃度、例えば約0.1mg/mLから約10mg/mLで使用することができる。様々な具体的な実施態様において、トリプシン-EDTA(GibcoBRL)を約0.25%(w/v)の濃度で使用することができ;コラゲナーゼ-IA(Sigma)を約1mg/mLの濃度で使用することができ;コラゲナーゼ-I(Worthington)を約0.5mg/mLの濃度で使用することができ;エラスターゼを約1mg/mlの濃度で使用することができ;コラゲナーゼIVを約0.5mg/mLの濃度で使用することができ;ジスパーゼ(Worthington)を約0.1mg/mLの濃度で使用することができる。好ましい酵素の組合せとしては、コラゲナーゼI+トリプシン;コラゲナーゼ1A+トリプシン及びエラスターゼ+コラゲナーゼ1+コラゲナーゼIV+ジスパーゼが挙げられる。以上に示した使用濃度例を増加又は減少させて、特定の消化又は灌流プロトコルを最適化できることを当業者なら理解するであろう。
該組成物は、ヌクレアーゼ、例えばDNase又はRNaseを含む。該組成物は、粘液溶解酵素をさらに含むことができる。具体的な実施態様において、前記粘液溶解酵素は、ヒアルロニダーゼである。
(5.1.2 アポトーシス阻害剤)
本発明の幹細胞収集組成物は、胎盤細胞、特に収集される幹細胞のアポトーシスを低減、抑制又は排除する薬剤、例えばアポトーシス阻害剤を含む。好ましくは、該薬剤は、収集及び保管時の胎盤幹細胞のアポトーシスを低減、抑制又は排除する。アポトーシス阻害剤は、任意の知られているアポトーシス阻害剤、例えばカスパーゼ阻害剤であってもよいが、好ましくはJNK阻害剤である。
(5.1.2.1 カスパーゼ阻害剤)
本発明の幹細胞収集組成物は、カスパーゼ阻害剤を含むことができる。カスパーゼ阻害剤は、特定のカスパーゼ、例えば、カスパーゼ1、カスパーゼ2、カスパーゼ3、カスパーゼ4、カスパーゼ5、カスパーゼ6、カスパーゼ7、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ11、カスパーゼ12又はカスパーゼ13に対する阻害剤であり得る。カスパーゼ阻害剤は、いくつかのカスパーゼを阻害することができ、或いは知られているすべてのカスパーゼを阻害することが可能である(例えば、パン-カスパーゼ阻害剤)。カスパーゼ阻害剤は、カスパーゼタンパク質に対する阻害剤、又はカスパーゼの活性に対する阻害剤、例えば、カスパーゼをコードする遺伝子に対する阻害剤でありうる。カスパーゼ阻害剤の例としては、2,2'-メチレンビス(1,3-シクロヘキサンジオン)、Z-Val-Ala-Asp(OMe)-CH2F配列を有するペプチド、ビオチン-X-Val-Ala-Asp(OMe)-CH2F配列(Xはリンカーである)を有するペプチド、Ac-Val-Ala-Asp-CHO配列を有するペプチド、Boc-Asp(OMe)-CH2F、Z-Val-Asp(OMe)-Val-Ala-Asp(OMe)-CH2F配列を有するペプチド、Ac-Asp-Glu-Val-Asp-CHO配列を有するペプチド、Ac-Leu-Glu-Cal-Asp-CHO配列を有するペプチド及びZ-Trp-Glu(OMe)-His-Asp(OMe)-CH2F配列を有するペプチド等が挙げられるが、それらに限定されない。カスパーゼ阻害剤を、例えば、CalBiochem(カリフォルニア州San Diego)、Bio Vision(カリフォルニア州Mountain View);Clontech(カリフォルニア州Mountain View)又はR&D Systems, Inc.(ミネソタ州Minneapolis)から得ることができる。
(5.1.2.2 JNK阻害剤)
幹細胞収集組成物のアポトーシス阻害剤は、好ましくはJNK阻害剤であり、より好ましくは、JNK阻害剤は、本明細書に開示されている化合物である。理論に縛られることを望まないが、アポトーシス阻害剤、特にJNK阻害剤を添加すると、収集できる生細胞の数が増え、収集及び単離過程を通じての当該細胞を取り囲む細胞環境が緊密に維持されることによって、哺乳類胎盤からの幹細胞の収集が容易になる。
具体的な実施態様において、JNK阻害剤は、JNK阻害剤を含む幹細胞収集組成物と接触した幹細胞又は幹細胞集団の分化又は増殖を調節させない。すなわち、JNK阻害剤は、JNK阻害剤に接触していない幹細胞と比較して、幹細胞又は幹細胞集団の増殖又は分化の検出可能な差を生じない。
本発明の組成物及び方法に使用されるJNK阻害剤としては、ラセミJNK阻害剤、立体異性体として純粋のJNK阻害剤及び立体異性体として高濃度のJNK阻害剤、選択的なJNK阻害活性を有する立体異性体及び鏡像異性体として純粋の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物及びプロドラッグが挙げられる。当該JNK阻害剤を商業的に購入することもできるし、本明細書に開示された特許又は特許公報に記載されている方法に従って調製することもできる。さらに、知られている分割剤又はキラルカラム、並びに他の標準的な合成有機化学技術を用いて、光学的に純粋の組成物を非対称的に合成又は分割することができる。
一実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
aは、1、2、3、4、5又は6であり;
b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
一実施態様において、-A-R1は、ハロゲン、アルコキシ、-NR8C(C=O)R9、-C(=O)NR8R9及び-O(CH2)bNR8R9からなる群から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたフェニルであり、bは、2又は3であり、R8及びR9は、上記に定義されている。
別の実施態様において、R2は、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり、bは、0〜4の整数である。
別の実施態様において、R2は、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルであり、bは0であり、R8及びR9は、上記に定義されている。
別の実施態様において、R2は、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルである。
別の実施態様において、
(a)-A-R1は、ハロゲン、アルコキシ、-NR8C(C=O)R9、-C(=O)NR8R9及び-O(CH2)bNR8R9から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたフェニルであり、bは、2又は3であり;
(b)R2は、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルであり、bは0であり、R8及びR9は、上記に定義されている。
別の実施態様において、
(a)-A-R1は、ハロゲン、アルコキシ、-NR8C(C=O)R9、-C(=O)NR8R9及び-O(CH2)bNR8R9から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたフェニルであり、bは、2又は3であり;
(b)R2は、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルである。
別の実施態様において、R2はR4であり、R4は、その5位が、
(a)ヒドロキシル、メチルアミノ、ジメチルアミノ又は1-ピロリジニル基で場合により置換されたC1〜C4直鎖状又は分枝状のアルキル基;又は
(b)2-ピロリジニル基
で場合により置換された3-トリアゾリルである。
別の実施態様において、R2はR4であり、R4は、その5位が、メチル、n-プロピル、イソプロピル、1-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、1-(ジメチルアミノ)エチル、1-ピロリジニルメチル又は2-ピロリジニルで場合により置換された3-トリアゾリルである。
別の実施態様において、構造(I)の化合物は、Aが直接結合である場合は構造(IA)を有し、Aが-(CH2)a-である場合は構造(IB)を有する。
Figure 2009521931
他の実施態様において、構造(I)の化合物は、Aが-(CH2)bCH=CH(CH2)c-である場合は構造(IC)を有し、Aが-(CH2)bC≡C(CH2)c-である場合は構造(ID)を有する。
Figure 2009521931
本発明のさらなる実施態様において、構造(I)のR1は、以下の構造(IE)で表されるフェニル又は置換フェニルのようなアリール又は置換アリールである。
Figure 2009521931
別の実施態様において、構造(I)のR2は、-(CH2)bNR4(C=O)R5である。本実施態様の一態様において、b=0であり、該化合物は、以下の構造(IF)を有する。
Figure 2009521931
構造(I)の化合物の代表的なR2基としては、アルキル(メチル及びエチル等)、ハロ(クロロ及びフルオロ等)、ハロアルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、アルコキシ(メトキシ及びエトキシ等)、アミノ、アリールアルキルオキシ(ベンジルオキシ等)、モノ又はジ-アルキルアミン(-NHCH3-、-N(CH3)2及び-NHCH2CH3等)、R6が置換又は非置換のフェニル又はヘテロアリールである-NHC(=O)R4(ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、エステル、アルコキシ、アルキル、アリール、ハロアルキル、ハロ、-CONH2及び-CONHアルキルで置換されたフェニル又はヘテロアリール等)、-NH(ヘテロアリールアルキル)(-NHCH2(3-ピリジル)、-NHCH2(4-ピリジル)等)、ヘテロアリール(ピラゾロ、トリアゾロ及びテトラゾロ等)、R6が水素、アルキル、又は上記に定義されている-C(=O)NHR6(-C(=O)NH2、-C(=O)NHCH3、-C(=O)NH(H-カルボキシフェニル)、-C(=O)N(CH3)2等)、アリールアルケニル(フェニルビニル、3-ニトロフェニルビニル、4-カルボキシフェニルビニル等)、ヘテロアリールアルケニル(2-ピリジルビニル、4-ピリジルビニル等)が挙げられる。
構造(I)の化合物の代表的なR3基としては、ハロゲン(クロロ及びフルオロ等)、アルキル(メチル、エチル及びイソプロピル等)、ハロアルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ及びイソブチルオキシ等)、アミノ、モノ又はジ-アルキルアミノ(ジメチルアミン等)、アリール(フェニル等)、カルボキシ、ニトロ、シアノ、スルフィニルアルキル(メチルスルフィニル等)、スルホニルアルキル(メチルスルホニル等)、スルホンアミドアルキル(-NHSO2CH3等)、-NR8C(=O)(CH2)bOR9(NHC(=O)CH2OCH3等)、NHC(=O)R9(-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CH2C6H5、-NHC(=O)(2-フラニル)等)及び-O(CH2)bNR8R9(-O(CH2)2N(CH3)2等)が挙げられる。
当業者に知られている有機合成技術、並びにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、2002年2月7日に公開された国際公開第WO02/10137号(特に35頁第1行から396頁第12行の実施例1〜430)に記載されている方法を用いて、構造(I)の化合物を製造することができる。さらに、これらの化合物の具体例が、この文献に見いだされる。
構造(I)のJNK阻害剤の実例は、以下の化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩である。
Figure 2009521931
Figure 2009521931
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造(II)を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
アリール又はヘテロアリールであり;
R2は、水素であり;
R3は、水素又は低級アルキルであり;
R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8-、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、0、1、2、3又は4から選択され;
cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
一実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール又はヘテロアリールである。R1は、置換される場合は、以下に定義される1つ以上の置換基で置換される。一実施態様において、R1は、置換される場合は、ハロゲン、-SO2R8又は-SO2R8R9で置換される。
別の実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シノリニル、フタラジニル又はキナゾリニルである。
別の実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール又はヘテロアリールである。R1は、置換される場合は、以下に定義される1つ以上の置換基で置換される。一実施態様において、R1は、置換される場合は、ハロゲン、-SO2R8又は-SO2R8R9で置換される。
別の実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール、好ましくはフェニルである。R1が置換アリールの場合は、その置換基は以下に定義されているものである。一実施態様において、R1は、置換される場合は、ハロゲン、-SO2R8又は-SO2R8R9で置換される。
別の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、置換又は非置換の窒素含有非芳香族複素環、一実施態様では、ピペラジニル、ピペリジニル又はモルホリニルを形成する。
R5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、置換ピペラジニル、ピペラジニル又はモルホリニルを形成する場合は、ピペラジニル、ピペラジニル又はモルホリニルは、以下に定義されている1つ以上の置換基で置換される。一実施態様において、置換される場合は、置換基は、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアルキル、アシル、ピロリジニル又はピペリジニルである。
一実施態様において、R3は水素であり、R4は存在せず、JNK阻害剤は、以下の構造(IIA)、及びその医薬として許容し得る塩を有する。
Figure 2009521931
より具体的な実施態様において、R1は、R7で場合により置換されたフェニルであり、以下の構造(IIB)、及びその医薬として許容し得る塩を有する。
Figure 2009521931
さらなる実施態様において、R7は、以下の構造(IIC)、及びその医薬として許容し得る塩で表されるように、ピリミジンに対してフェニル基のパラ位に存在する。
Figure 2009521931
当業者に知られている有機合成技術、並びにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、2002年6月13日に公開された国際公開第WO02/46170号(特に23頁第5行から183頁第25行の実施例1〜27)に記載されている方法を用いて、構造(II)のJNK阻害剤を製造することができる。さらに、これらの化合物の具体例が、この文献に見いだされる。
構造(II)のJNK阻害剤の実例は、以下の化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩である。
Figure 2009521931
Figure 2009521931
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造(III)を有する。
Figure 2009521931
(式中、
R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1又は第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造(IIIA)を有する。
Figure 2009521931
(式中、
式(IIIA)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1又は第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
構造(IIIA)の化合物のサブクラスは、第1又は第2の置換基が5、7又は9位に存在する化合物である。一実施態様において、第1又は第2の置換基は、5又は7位に存在する。
構造(IIIA)の化合物の第2のサブクラスは、第1又は第2の置換基が5、7又は9位に存在し;
第1又は第2の置換基が、独立に、アルコキシ、アリールオキシ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、ジ-アルキルアミノアルキル、又は構造(a)、(c)、(d)、(e)又は(f)で表される基であり;
R3及びR4が、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;
R5が、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルである化合物である。
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の(IIIB)の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
式(IIIB)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1又は第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
構造(IIIB)の化合物のサブクラスは、第1又は第2の置換基が5、7又は9位に存在する化合物である。一実施態様において、第1又は第2の置換基は、5又は7位に存在する。
構造(IIIB)の化合物の第2のサブクラスは、第1又は第2の置換基が、独立に、アルコキシ、アリールオキシ、又は構造(a)、(c)、(d)、(e)又は(f)で表される基であり;
R3及びR4が、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;
R5が、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルである化合物である。
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の(IIIC)の構造を有する。
Figure 2009521931
(式中、
式(IIIC)の化合物は、(i)一置換され、第1の置換基を有し、又は(ii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1又は第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
構造(IIIC)の化合物のサブクラスは、第1又は第2の置換基が5、7又は9位に存在する化合物である。一実施態様において、第1又は第2の置換基は、5又は7位に存在する。
構造(IIIC)の化合物の第2のサブクラスは、第1又は第2の置換基が、独立に、アルコキシ、アリールオキシ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、ジ-アルキルアミノアルキル、又は構造(a)、(c)、(d)、(e)又は(f)で表される基であり;
R3及びR4が、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;
R5が、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルである化合物である。
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造(IIID)を有する。
Figure 2009521931
(式中、
式(IIID)の化合物は、(i)一置換され、第1の置換基を5、7又は9位に有する、(ii)二置換され、第1の置換基を5位に有し、第2の置換基を7位に有する、(iii)二置換され、第1の置換基を5位に有し、第2の置換基を9位に有し、又は(iv)二置換され、第1の置換基を7位に有し、第2の置換基を9位に有し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
構造(IIID)の化合物のサブクラスは、第1又は第2の置換基が5又は7位に存在する化合物である。
構造(IIID)の化合物の第2のサブクラスは、第1又は第2の置換基が、独立に、アルキル、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(c)、(d)、(e)又は(f)で表される基である化合物である。
構造(IIID)の化合物の別のサブクラスは、第1及び第2の置換基が、独立に、アルコキシ、アリールオキシ、又は構造(a)、(c)、(d)、(e)又は(f)で表される基である化合物であり;
R3及びR4が、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;
R5が、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシカルボニル又はシクロアルキルアルキルである化合物である。
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造(IIIE)を有する。
Figure 2009521931
(式中、
式(IIIE)の化合物は、(i)一置換され、第1の置換基を5、7又は9位に有する、(ii)二置換され、第1の置換基を5位に有し、第2の置換基を9位に有する、(iii)二置換され、第1の置換基を7位に有し、第2の置換基を9位に有し、又は(iv)二置換され、第1の置換基を5位に有し、第2の置換基を7位に有し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
構造(IIIE)の化合物のサブクラスは、第1又は第2の置換基が5又は7位に存在する化合物である。
構造(IIIE)の化合物の第2のサブクラスは、構造(IIIE)の化合物が二置換され、置換基の少なくとも1つが、構造(d)又は(f)で表される基である化合物である。
構造(IIIE)の化合物の別のサブクラスは、化合物が一置換である化合物である。さらに別のサブクラスの化合物は、化合物が5又は7位において、構造(e)又は(f)で表される基で一置換された化合物である。
別の実施態様において、JNK阻害剤は、以下の構造(IIIF)を有する。
Figure 2009521931
(式中、
構造(IIIF)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
第1又は第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し;
第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
Figure 2009521931
で表される基であり;
R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
一実施態様において、構造(IIIF)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩は、3、4、5、7、8、9又は10位が非置換である。
当業者に知られている有機合成技術、並びにそれぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている、2001年2月22日に公開された国際公開第WO01/12609号(特に24頁第6行から49頁第16行の実施例1〜7)並びに2002年8月29日に公開された国際公開第WO02/066450号(特に59〜108頁の化合物AA-HG)に記載されている方法を用いて、構造(III)のJNK阻害剤を製造することができる。さらに、これらの化合物の具体例が、この文献に見いだされる。
構造(III)のJNK阻害剤の実例は、以下の化合物、及びそれらの医薬として許容し得る塩である。
Figure 2009521931
Figure 2009521931
Figure 2009521931
これらの組成物及び方法に有用である他のJNK阻害剤としては、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている国際公開第WO00/39101号(特に、2頁第10行から6頁第12行);国際公開第WO01/14375号(特に、2頁第4行から4頁第4行);国際公開第WO00/56738号(特に、3頁第25行から6頁第13行);国際公開第WO01/27089号(特に、3頁第7行から5頁第29行);国際公開第WO00/12468号(特に、2頁第10行から4頁第14行);欧州特許公開第1110957号(特に、19頁第52行から21頁第9行);国際公開第WO00/75118号(特に、8頁第10行から11頁第26行);国際公開第WO01/12621号(特に、8頁第10行から10頁第7行);国際公開第WO00/64872号(特に、9頁第1行から106頁第2行);国際公開第WO01/23378号(特に、90頁第1行から91頁第11行);国際公開第WO02/16359号(特に、163頁第1行から164頁第25行);米国特許第6,288,089号(特に、第22欄第25行から第25欄第35行);米国特許第6,307,056号(特に、第63欄第29行から第66欄第12行);国際公開第WO00/35921号(特に、23頁第5行から26頁第14行);国際公開第WO01/91749号(特に、29頁第1〜22行);国際公開第WO01/56993号(特に、43頁から45頁);及び国際公開第WO01/58448号(特に39頁)に開示されているJNK阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の幹細胞収集組成物は、JNK阻害剤の溶媒和を容易にするための1種以上の溶媒又は共溶媒を含んでいてもよい。幹細胞収集組成物に含めることができる溶媒又は共溶媒の例としては、ジメチルスルホキシド、エタノール、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールが挙げられるが、それらに限定されない。一般に、特定のJNK阻害剤の特定の濃度を達成するのに必要な分の溶媒又は共溶媒が使用される。好ましくは、幹細胞収集及び培養に適合可能な溶媒又は共溶媒のみ、或いはそれらに適合可能な濃度の溶媒又は共溶媒が使用される。
記載の構造と、その構造に与えられた名称との間に差違がある場合は、記載の構造により大きなウェイトがおかれることに留意されたい。加えて、構造又はその一部の立体化学構造が、例えば太線又は破線で示されていない場合は、該構造又はその一部は、そのすべての立体異性体を包括するものと解釈されるべきである。
(5.1.2.3 他のアポトーシス阻害剤)
任意の他のアポトーシス阻害剤を本発明の幹細胞組成物に含めることができる。例えば、様々な実施態様において、アポトーシス阻害剤は、2,2'-メチレンビス(1,3-シクロヘキサンジオン)(CalBiochem);アポトーシス阻害剤3タンパク質(すなわち、XIAP、バキュロウィルスIAP複製含有タンパク質4、API3、哺乳類IAP相同体A、MIHA、アポトーシスタンパク質3に対する阻害剤、アポトーシスタンパク質に対するX結合阻害剤、X結合IAP、HILP、IAP類似タンパク質、ILP);及びタンパク質Mcl-1等であり得る。
(5.1.3 TNFアルファ阻害剤/免疫調節化合物)
本発明の組成物は、1つ以上のTNF-α阻害剤、例えば免疫調節化合物を含むことができる。免疫調節化合物は、例えば、サリドマイド又はサリドマイド誘導体であり得る。
免疫調節化合物の具体例としては、米国特許第5,929,117号に開示されているもののような置換スチレンのシアノ及びカルボニル誘導体;米国特許第5,874,448号及び同第5,955,476号に記載されているもののような1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記載されている四置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン;米国特許第5,635,517号、同第6,476,052号、同第6,555,554号及び同第6,403,613号に開示されているものを含むが、それらに限定されない1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン(例えば、サリドマイドの4-メチル誘導体);米国特許第6,380,239号に記載されている、インドリン環の4又は5位が置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリン(例えば4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-4-カルバモイルブタン酸);米国特許第6,458,810号に記載されている、2位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオン(例えば2-(2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシ-5-フルオロピペリジン-5-イル)-4-アミノイソインドリン-1-オン);米国特許第5,698,579号及び同第5,877,200号に開示されている非ポリペプチド環式アミド類;アミノサリドマイド並びにアミノサリドマイドの類似体、加水分解生成物、代謝物質、誘導体及び前駆体、並びに米国特許第6,281,230号及び同第6,316,471号に記載されているもののような置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール;及び2001年10月5日に出願された米国特許出願第09/972,487号、2001年12月21日に出願された米国特許出願第10/032,286号、及び国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に記載されているもののようなイソインドール-イミド化合物が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に特定されている特許及び特許出願の各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれている。免疫調節化合物は、サリドマイドを含まない。
他の具体的な免疫調節化合物としては、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,635,517号に記載されている、ベンゾ環においてアミノで置換された1-オキソ-及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。これらの化合物は、構造Iを有する。
Figure 2009521931
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキル、特にメチルである)。具体的な免疫調節化合物としては、
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-アミノイソインドリン;
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-アミノイソインドリン;
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-7-アミノイソインドリン;
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;及び
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-アミノイソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,281,230号;同第6,316,471号;同第6,335,349号;及び同第6,476,052号並びに国際特許出願第PCT/US97/13375号(国際公開第WO98/03502号)に記載されているもののような置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール類に属する。代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
R6は、X及びYがC=Oであり、(i)R1、R2、R3又はR4の各々がフルオロであり、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つがアミノである場合は水素以外であることを条件として、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンジル又はハロである)。
この類を代表する化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、R1は、水素又はメチルである)。個別的な実施態様において、本発明は、これらの化合物の鏡像異性体として純粋の形(例えば、光学的に純粋の(R)又は(S)鏡像異性体)の使用を包括する。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第US2003/0096841号及び同第US2003/0045552号;並びに国際特許出願第PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に開示されているイソインドール-イミド類に属する。代表的な化合物は、式IIの化合物、及びその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、及び立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;
R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であり、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
nは、0又は1であり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。
式IIの具体的な化合物において、nが0である場合は、R1は、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(S)NHR3又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H又は(C1〜C8)アルキルであり;
R3は、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C5〜C8)アルキル-N(R6)2;(C0〜C8)アルキル-NH-C(O)O-(R5);(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;他の変動要素は、同様の定義を有する。
式IIの他の具体的な実施態様において、R2は、H又は(C1〜C4)アルキルである。
式IIの他の具体的な実施態様において、R1は、(C1〜C8)アルキル又はベンジルである。
式IIの他の具体的な実施態様において、R1は、H、(C1〜C8)アルキル、ベンジル、CH2OCH3、CH2CH2OCH3、又は
Figure 2009521931
である。
式IIの化合物の別の実施態様において、R1は、以下の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、Qは、O又はSであり、R7は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、ハロゲン、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又は-C(O)OR5であり、或いはR7の隣接する存在は、一緒になって、二環式アルキル又はアリール環を形成することができる)。
式IIの他の具体的な実施態様において、R1はC(O)R3である。
式IIの他の具体的な実施態様において、R3は、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C1〜C8)アルキル、アリール又は(C0〜C4)アルキル-OR5である。
式IIの他の具体的な実施態様において、ヘテロアリールは、ピリジル、フリル又はチエニルである。
式IIの他の具体的な実施態様において、R1はC(O)OR4である。
式IIの他の具体的な化合物において、C(O)NHC(O)のHを(C1〜C4)アルキル、アリール又はベンジルで置換することができる。
この類の化合物のさらなる例としては、[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル]-アミド;(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル;4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;N-(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-アセトアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;2-クロロ-N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}アセトアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-3-ピリジルカルボキサミド;3-{1-オキソ-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン;2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}プロパンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-3-ピリジルカルボキサミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}ヘプタンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-2-フリルカルボキサミド;{Ν-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)カルバモイル}メチルアセテート;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-2-チエニルカルボキサミド;Ν-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ブチルアミノ)カルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;及びN-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミドが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明のさらに他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第US2002/0045643号、国際公開第WO98/54170号及び米国特許第6,395,754号に開示されているイソインドール-イミド類に属する。代表的な化合物は、式IIIの化合物、及びその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、及び立体異性体の混合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し;
R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
*は、キラル-炭素中心を表す)。
他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し;
R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルである)。
他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、ニトロ又は保護アミノであり、R1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロである)。
他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキル、又はCO-R7-CH(R10)NR8R9であり、R7、R8、R9及びR10の各々は、本明細書に定義されている通りであり;
R6は、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロである)。
該化合物の具体例は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンジル、クロロ又はフルオロであり;
R7は、m-フェニレン、p-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し;
R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルである)。
本発明の好ましい免疫調節化合物は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン及び3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンである。該化合物を標準的な合成法により得ることができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,635,517号参照)。該化合物は、Celgene Corporation(ニュージャージ州Warren)より入手可能である。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンは、以下の化学構造を有する。
Figure 2009521931
化合物3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンは、以下の化学構造を有する。
Figure 2009521931
別の実施態様において、本発明の具体的な免疫調節化合物は、いずれも参照により本明細書に組み込まれている、2003年9月4日に出願された米国仮出願第60/499,723号及び2004年9月3日に出願された対応する米国本出願に開示されているA、B、C、D、E、F、G及びH型などの多型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン2,6-ジオンを包括する。例えば、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンのA型は、非水性溶媒系から得ることができる非溶媒和結晶性物質である。A型は、およそ8、14.5、16、17.5、20.5、24及び26度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約270℃である。A型は、吸湿性が弱く、或いは吸湿性がなく、これまで発見された最も熱力学的に安定した無水多型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンである。
B型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン2,6-ジオンは、ヘキサン、トルエン及び水を含むが、それらに限定されない様々な溶媒系から得ることができる半水和結晶性物質である。B型は、およそ16、18、22及び27度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、DSC曲線による吸熱量が約146及び268℃であり、それらは、高温顕微鏡試験によって確認された脱水及び溶融である。B型は、水性溶媒系でE型に変換され、アセトン及び他の無水系で他の型に変換されることが相互変換試験によって示されている。
C型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンは、アセトンのような(ただし、それに限定されない)溶媒から得ることができる半溶媒和結晶性物質である。C型は、およそ15.5及び25度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約269℃である。C型は、約85%RH未満で吸湿しないが、より高い相対湿度でB型に変換され得る。
D型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンは、アセトニトリルと水の混合物から調製される結晶性の溶媒和多型である。D型は、およそ27及び28度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約270℃である。D型は、吸湿性が弱く、或いは吸湿性がないが、典型的には、より高い相対湿度で応力がかかるとB型に変換されることになる。
E型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンは、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンを水でスラリー化すること、及びアセトン:水が約9:1の割合の溶媒系において3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンを徐々に蒸発させることによって得ることができる二水和結晶性物質である。E型は、およそ20、24.5及び29度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約269℃である。E型は、アセトン溶媒系でC型に変換され、THF溶媒系でG型に変換され得る。水性溶媒系において、E型は、最も安定した型であると思われる。約125℃で約5分間加熱すると、E型がB型に変換され得ることが、E型に対して実施された脱溶媒和試験によって示されている。175℃で約5分間加熱すると、B型がF型に変換され得る。
F型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンは、E型の脱水により得ることができる非溶媒和結晶性物質である。F型は、およそ19、19.5及び25度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約269℃である。
G型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンは、B及びE型をテトラヒドロフラン(THF)のような(ただし、それに限定されない)溶媒でスラリー化することにより得ることができる非溶媒和結晶性物質である。G型は、およそ21、23及び24.5度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約267℃である。
H型の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリデン-2,6-ジオンは、E型を相対湿度0%に曝すことによって得ることができる部分水和(約0.25モル)結晶性物質である。H型は、およそ15、26及び31度2θに大きなピークを含むX線粉末回折パターンを有し、最大示差走査熱分析溶融温度が約269℃である。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物としては、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,874,448号及び同第5,955,476号に記載されているもののような1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、Yは、酸素又はH2であり、
R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、水素、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、又はアミノである)。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物としては、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,798,368号に記載されている四置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシである)。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物としては、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,403,613号に開示されている1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、Yは、酸素又はH2であり、
R1及びR2の第1は、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、R1及びR2の第2は、第1から独立に、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R3は、水素、アルキル又はベンジルである)。
該化合物の具体例は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、R1及びR2の第1は、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、各アルキルが1個から4個の炭素原子を有するジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R1及びR2の第2は、第1から独立に、水素、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、アルキルが1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノ、各アルキルが1個から4個の炭素原子を有するジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R3は、水素、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、又はベンジルである)。
具体例としては、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンが挙げられるが、それに限定されない。
他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、R1及びR2の第1は、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、各アルキルが1個から4個の炭素原子を有するジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R1及びR2の第2は、第1から独立に、水素、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、アルキルが1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノ、各アルキルが1個から4個の炭素原子を有するジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、
R3は、水素、1個から4個の炭素原子を有するアルキル、又はベンジルである)。
具体例としては、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンが挙げられるが、それに限定されない。
他の具体的な免疫調節化合物としては、参照により本明細書に組み込まれている、2004年7月28日に出願された米国特許第6,380,239号及び同時係属出願第10/900,270号に記載されている、インドリン環の4-又は5-位が置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、以下の式の化合物及びその塩である。
Figure 2009521931
(式中、C*で示される炭素原子は、(nが0でなく、R1がR2と同じでない場合は)キラルの中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、又はNH-Zであり、X1及びX2の他方は水素であり;R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、水素、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、ハロ又はハロアルキルであり;Zは、水素、アリール、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、ホルミル、又は1個から6個の炭素原子を有するアシルであり;nは、0、1又は2の値を有し;X1がアミノであり、nが1又は2である場合は、R1及びR2は、ともにヒドロキシでない)。
さらなる代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、C*で示される炭素原子は、nが0でなく、R1がR2でない場合はキラルの中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、又はNH-Zであり、X1又はX2の他方は水素であり;R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、ハロ又は水素であり;Zは、水素、アリール、又は1個から6個の炭素原子を有するアルキル若しくはアシルであり;nは、0、1又は2の値を有する)。
具体例としては、それぞれ以下の構造を有する2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸及び4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ及び立体異性体が挙げられるが、それらに限定されない。
Figure 2009521931
他の代表的な化合物は、以下の式の化合物及びそれらの塩である。
Figure 2009521931
(式中、C*で示される炭素原子は、nが0でなく、R1がR2でない場合はキラルの中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、又はNH-Zであり、X1又はX2の他方は水素であり;R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、ハロ又は水素であり;Zは、水素、アリール、又は1個から6個の炭素原子を有するアルキル若しくはアシルであり;nは、0、1又は2の値を有する)。
具体例としては、それぞれ以下の構造を有する4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸及び2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタンジオン酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ及び立体異性体が挙げられるが、それらに限定されない。
Figure 2009521931
該化合物の他の具体例は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、X1及びX2の一方は、ニトロ又はNH-Zであり、X1及びX2の他方は水素であり;
R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、ハロ又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、1個から6個の炭素原子を有するアシル又は1個から6個の炭素原子を有するアルキルであり;
nは、0、1又は2の値を有し;
X1及びX2の一方がニトロであり、nが1又は2である場合は、R1及びR2はヒドロキシ以外であり;
-COR2と-(CH2)nCOR1が異なる場合は、C*で示される炭素原子はキラルの中心を構成する)。
他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、X1及びX2の一方は、1個から6個の炭素原子を有するアルキルであり;
R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は、1個から6個の炭素原子を有するアルキル、ハロ又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、1個から6個の炭素原子を有するアシル又は1個から6個の炭素原子を有するアルキルであり;
nは、0、1又は2の値を有し;
-COR2と-(CH2)nCOR1が異なる場合は、C*で示される炭素原子はキラルの中心を構成する)。
本発明のさらに他の具体的な免疫調節化合物としては、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,458,810号に記載されている、2-位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオンが挙げられるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、以下の式の化合物である。
Figure 2009521931
(式中、
*で示される炭素原子はキラルの中心を構成し;
Xは、-C(O)-又は-CH2-であり;
R1は、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、又は-NHR3であり;
R2は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、又はハロゲンであり;
R3は、水素、
非置換の1個から8個の炭素原子を有するアルキル、又は1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノで置換された、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、
3個から18個の炭素原子を有するシクロアルキル、
非置換フェニル、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキル、1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノで置換されたフェニル、
非置換ベンジル、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキル、1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノで置換されたベンジル、或いは-COR4であり、
R4は、水素、
非置換の1個から8個の炭素原子を有するアルキル、又は1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノで置換された、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、
3個から18個の炭素原子を有するシクロアルキル、
非置換フェニル、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキル、1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノで置換されたフェニル、
非置換ベンジル、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキル、1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1個から4個の炭素原子を有するアルキルアミノで置換されたベンジルである)。
本発明の化合物を商業的に購入することもできるし、本明細書に開示された特許又は特許公報に記載されている方法に従って調製することもできる。さらに、知られている分割剤又はキラルカラム、並びに他の標準的な合成有機化学技術を用いて、光学的に純粋の組成物を非対称的に合成又は分割することができる。
本発明の組成物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国出願第2003/0235909号に記載されている免疫調節化合物を含むこともできる。
(5.1.4 血管拡張剤)
別の実施態様において、本発明の幹細胞収集組成物は、血管拡張剤を含む。血管拡張剤を含む幹細胞収集組成物は、哺乳類胎盤の灌流による胎盤誘導幹細胞の収集に特に有用である。血管拡張剤は、天然血管拡張剤及び人工血管拡張剤を含む、当該技術分野で知られている任意の血管拡張剤であってもよい。一実施態様において、血管拡張剤は、抗高血圧薬である。当該抗高血圧薬は、グアニリルシクラーゼ、ADP-リボシルトランスフェラーゼ若しくはシクロオキシゲナーゼ又はそれら3つすべてを活性化させ、且つ/又はリポキシゲナーゼを阻害する薬物であり得る。血管拡張剤は、有機又は無機化合物、例えば、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン放出ホルモン、ナトリウムニトロプルシド、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシン又は硫酸マグネシウム等であり得る。他の実施態様において、血管拡張剤は、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、ジブチリルアデノシン、イソブチルメチルキサンチン、インドリダン、ロリプラム、2-o-プロポキシフェニル-8-アザプリン-6-オン、トレクエンシン、アムリノン、ミルリノン、アミノフィリン又はジピリダモール)である。
灌流による幹細胞収集では、ヒドラジンを約0.1mMから約10mMの濃度で使用することができる。同様に、アデノシンを約0.001mMから約10.0mMの濃度で使用することができ、アデノシン三リン酸を約0.1mMから約1000mMの濃度で使用することができ、インドメタシンを約1mg/kgから約20mg/kgの濃度で使用することができ、「kg」は、器官、例えば胎盤の重量であり、或いは硫酸マグネシウムを約0.1mMから約20mMの濃度で使用できる。
(5.1.5 壊死阻害剤)
本発明は、壊死阻害剤を含む幹細胞収集組成物をさらに提供する。壊死阻害剤は、当該技術分野で知られている任意の生理的に許容し得る壊死阻害剤であり得る。
したがって、一実施態様において、本発明は、生理的に許容し得る溶液に壊死阻害剤を含む幹細胞収集組成物を提供する。別の実施態様において、本発明は、生理的に許容し得る溶液に壊死阻害剤及びアポトーシス阻害剤を含む幹細胞収集組成物を提供する。具体的な実施態様において、壊死阻害剤は、2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド、ピロリジンジチオカルバメート又はクロナゼパムである。他の具体的な実施態様において、壊死阻害剤、又は壊死阻害剤及びアポトーシス阻害剤を含む幹細胞収集組成物は、1種以上の酵素、例えば、上記セクション5.1.1に記載されている酵素の1種以上;上記セクション5.1.2に記載されているアポトーシス阻害剤;免疫調節化合物、例えば上記セクション5.1.3に記載されている免疫調節化合物;血管拡張剤、例えば上記セクション5.1.4に記載されている血管拡張剤、又は酸素担持ペルフルオロカーボン、例えば下記セクション5.1.6に記載されている酸素担持ペルフルオロカーボンを含むことができる。
一実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、壊死阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、壊死阻害剤及びアポトーシス阻害剤を含む溶液とを接触させ、前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。具体的な実施態様において、壊死阻害剤は、2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド、ピロリジンジチオカルバメート及びクロナゼパム等である。
(5.1.6 酸素担持ペルフルオロカーボン)
本発明の幹細胞収集組成物は、1つ以上の酸素担持ペルフルオロカーボンをさらに含むことができる。一般に、酸素担持ペルフルオロカーボンは水溶性でなく、そうでない場合は、幹細胞収集組成物は、一般には、生理的に許容し得る水溶液である。したがって、酸素担持ペルフルオロカーボンを含む幹細胞収集組成物は、個別の水相及びペルフルオロカーボン相を含むことができ、或いは両相をエマルジョンとして含むことができる。幹細胞を収集中に二相組成物又は乳化組成物と接触させることができ、或いは水相で収集した後に、ペルフルオロ相と接触させることができる。例えば、器官、例えば胎盤の幹細胞を灌流又は組織破壊、例えば酵素消化中に、アポトーシス阻害剤、例えばJNK阻害剤を含む生理的に許容し得る水溶液と接触させ、得られた細胞懸濁物をペルフルオロカーボンと混合することができる。アポトーシス阻害剤及びペルフルオロカーボンを含む生理的に許容し得る溶液を幹細胞の収集前に混合、例えば乳化することができる。次いで、灌流溶液、或いは破壊器官又はその一部からの細胞を懸濁できる溶液として、エマルジョンを使用することができる。
したがって、一実施態様において、前記アポトーシス阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンを、保存すべき幹細胞と接触させる前に単一溶液、例えばエマルジョンに含める。別の実施態様において、前記接触前に、前記アポトーシス阻害剤を第1の溶液に含め、前記ペルフルオロカーボンを第2の溶液に含める。
酸素担持ペルフルオロカーボンは、単一種のペルフルオロカーボンを含むことができ、或いは複数種を含むことができる。例えば、酸素担持ペルフルオロカーボンは、ペルフルオロアルキル又はペルフルオロエーテルを含むことができる。具体的な実施態様において、酸素担持ペルフルオロカーボンは、一般構造CnF2n+1R又はCnF2nR2(式中、nは8から12の整数であり、Rは親油性成分である)の脂肪族ペルフルオロカーボン;一般構造CnF2n+1-O-CnF2n+1のペルフルオロエーテル;ペルフルオロオクチルエタン、ペルフルオロオクチルデカン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロメチルビシクロ[3.3.1]-ノナン、ペルフルオロジメチルビシクロノナン、ペルフルオロ-2,2,4,4-テトラメチルペンテン、ペルフルオロトリプロピルアミン、ビス(F-ブチル)エテン、(F-イソプロピル)(F-ヘキシル)エテン、ペルフルオロメチルアダマンタン、ペルフルオロジメチルアダマンタン、F-N-メチルデカヒドロイソキノリン、F-4-メチルオクタヒドロキノリジン、臭化ペルフルオロオクチル、臭化ペルフルオロデシル、α,ω-ジクロロ-F-デカン、α,ω-ジブロモ-F-デカン、C10F21CH=CH2及びC10F21CH2CH3等の1種又は複数種を含むことができる。
酸素担持ペルフルオロカーボンは、幹細胞収集組成物に存在していてもよく、或いはエマルジョンの約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%又は約125%(重量/容量)を表す量でエマルジョンに存在していてもよい。好ましくは、酸素担持ペルフルオロカーボンを含む幹細胞収集組成物は、乳化剤(例えば、界面活性剤)をさらに含む。当該乳化剤は、任意の生理的に許容し得る乳化剤であってもよく、好ましくはレシチンである。乳化剤は、約0.1%から約7%(w/v)の量で存在し得る。
好ましい実施態様において、幹細胞収集組成物は、第1のペルフルオロカーボン、及び第1のペルフルオロカーボンより高分子量の第2のペルフルオロカーボンを含む。典型的には、ペルフルオロカーボンの全容量は、約50%から約99.9%の第1のペルフルオロカーボン、及び約0.1%から約50%の第2のペルフルオロカーボンを含む。一実施態様において、第1のペルフルオロカーボンは臭化ペルフルオロオクチルであり、第2のペルフルオロカーボンは臭化ペルフルオロデシルである。
幹細胞収集組成物の酸素担持ペルフルオロカーボン及び水性部を、標準的な乳化技術、例えば米国特許第4,987,154号に記載されている高圧均質化;フラスコ中での振盪;Manton-Gaulinミキサ又はMicrofluidizer(Microfluidics Corp.、Newton、Mass)でのエマルジョン配合物の機械的又は超音波乳化;等を用いて乳化することができる。幹細胞収集組成物が2種以上の異なる種の酸素担持ペルフルオロカーボンを含む場合は、それらの種を乳化剤とともに所望の比で水相と混合することができる。通常は、様々な成分の単純な混合又は配合によって、プレエマルジョン混合物を調製する。次いで、このプレエマルジョンを所望の乳化装置で乳化する。幹細胞を二相溶液で収集する乳化技術を、好ましくは、幹細胞の損傷が最小限になるように選択する。
幹細胞収集組成物に含めることとは別に、酸素担持ペルフルオロカーボンを、胎盤収集場所(例えば分娩室)から幹細胞収集場所への輸送中の胎盤の保存に使用することもできる。一実施態様において、そこから幹細胞を収集する胎盤と、1つ以上の酸素担持ペルフルオロカーボンを含む組成物とを、胎盤収集から幹細胞収集までの時間の少なくとも一部にわたって接触させる。好ましくは、胎盤収集から幹細胞収集までの時間の大部分にわたって胎盤と酸素担持ペルフルオロカーボンとの接触を維持する。別の実施態様において、胎盤収集から幹細胞収集までの時間の少なくとも一部にわたって、胎盤と、1つ以上の酸素担持ペルフルオロカーボン及び1つ以上の器官保存媒体(例えばUW溶液;以下のセクション5.3参照)を含む組成物とを接触させる。
(5.1.7 他の成分)
幹細胞収集組成物は、収集又は保管の側面によって引き起こされる細胞の損傷、生体汚染等を低減することができ、或いは幹細胞の収集を容易にすることができる他の成分を含むことができる。
幹細胞収集組成物は、単独又はG-CSFと併用される、例えば胎盤重量1kg当たり1〜10mgの幹細胞可動化剤、及び/又はVLA-4(超遅発抗原)アンタゴニストのような造血刺激剤(例えば、抗体などのアルファ-4インテグリンアンタゴニスト、例えばナタリズマブ又は抗ホスホインテグリンα4(Ser988)、クローン6.33(アップステート細胞信号伝達溶液)又はペプチド(例えば、フェニルアセチル-leu-asp-phe-D-プロリンアミド(Cytel Corp.、カリフォルニア州San Diego)))、例えば胎盤重量1kg当たり0.01〜10mgのCXCR-4アゴニスト(例えば、MOZIBIL(商標)(AMD3100としても知られている;AnorMED、Langley、BC、カナダ);例えば0.01〜10mg/kgのSDF-1(間質細胞誘導因子)類似体(例えば、Chemokine Therapeutics Corp.のCTCE-0214)又は抗SDF-1抗体等を含むことができる。
幹細胞収集組成物は、殺菌又は静菌有効量の抗生物質を含むことができる。一定の非限定的な実施態様において、抗生物質はマクロライド(例えばトブラマイシン)、セファロスポリン(例えば、セファレキシン、セファラジン、セフロキシム、セフプロジル、セファクロル、セフィキシム又はセファドロキシル)、クラリトロマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン(例えばペニシリンV)又はキノロン(例えばオフロキサシン、シプロフロキサシン又はノルフロキサシン)、テトラシクリン等である。特定の実施態様において、抗生物質は、グラム(+)及び/又はグラム(-)細菌、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeriginosa)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)等に対して活性である。
幹細胞収集組成物は、以下の化合物、すなわちアデノシン(約1mMから約50mM);D-グルコース(約20mMから約100mM);マグネシウムイオン(約1mMから約50mM);一実施態様において、内皮保全性及び細胞生存度を維持するのに十分な量で存在する20,000ダルトンを超える分子量の巨大分子(例えば、約25g/lから約100g/l又は約40g/lから約60g/lで存在する合成又は天然コロイド、デキストランのような多糖類又はポリエチレングリコール);酸化防止剤(例えば、約25μMから約100μMで存在するブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、グルタチオン、ビタミンC又はビタミンE);還元剤(例えば、約0.1mMから約5mMで存在するN-アセチルシステイン);細胞へのカルシウムの浸入を防止する薬剤(例えば、約2μMから約25μMで存在するベラパミル);ニトログリセリン(例えば、約0.05g/Lから約0.2g/L);一実施態様において、残留血液の凝血を防止するのに役立つのに十分な量で存在する抗凝血剤(例えば、約1000単位/lから約100,000単位/lの濃度で存在するヘパリン又はヒルジン);又はアミロリド含有化合物(例えば、約1.0μMから約5μMで存在するアミロリド、エチルイソプロピルアミロリド、ヘキサメチレンアミロリド、ジメチルアミロリド又はイソブチルアミロリド)の1つ以上を含むことができる。
(5.2 本発明の組成物を使用した幹細胞収集方法)
本発明は、上記の幹細胞収集組成物を使用して、胎盤幹細胞を収集及び単離する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、壊死阻害剤、例えば上記セクション5.1.5に記載されている壊死阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、アポトーシス阻害剤、例えば上記セクション5.1.2に記載されているアポトーシス阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、壊死阻害剤、例えば上記セクション5.1.5に記載されている壊死阻害剤を含む溶液及びアポトーシス阻害剤、例えば上記セクション5.1.2に記載されているアポトーシス阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む方法を提供する。具体的な実施態様において、壊死阻害剤は、2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド、ピロリジンジチオカルバメート及びクロナゼパム等である。具体的な実施態様において、アポトーシス阻害剤は、カスパーゼ阻害剤又はc-Jun N末端キナーゼ(JNK)阻害剤である。別の具体的な実施態様において、JNK阻害剤は、前記単離の前に前記幹細胞の分化又は増殖を調節させない。すなわち、JNK阻害剤は、JNK阻害剤との接触中に幹細胞の分化又は増殖を検出可能に改変しない。該方法における幹細胞を哺乳類胎盤、臍帯、胎盤血又は臍帯血から単離することができる。該方法は、幹細胞と酸素担持ペルフルオロカーボン、例えばセクション5.1.6に記載されている酸素担持ペルフルオロカーボンとを接触させることをも包括する。別の実施態様において、該方法は、前記幹細胞と酵素、例えばプロテアーゼとを接触させることを含む。プロテアーゼは、例えば、マトリックス金属プロテアーゼ又は中性プロテアーゼであり、例えば、コラゲナーゼ、サーモリシン又はジスパーゼであり得る。別の実施態様において、幹細胞とヒアルロニダーゼなどの粘液溶解酵素とを接触させることができる。
該方法に使用される幹細胞収集組成物は、溶液、例えば食塩水又は培地を含むことができる。いくつかの実施態様において、該溶液は、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノース及び/又はUW溶液を含む。
好ましい実施態様において、単離中に幹細胞を低酸素又は剪断応力に曝さない、或いは当該応力を可能な範囲で最小限とする。例えば、一実施態様において、幹細胞を単離中に6時間未満、2時間未満、1時間未満又は30分間未満の時間にわたって低酸素条件に曝し、低酸素条件は、正常な血液酸素濃度未満の酸素濃度である。
(5.2.1 物理的破壊)
一実施態様において、幹細胞を器官の物理的破壊、例えば酵素消化によって哺乳類の器官、例えば胎盤から収集する。例えば、器官又はその一部を例えば粉砕、剪断、切刻、切断、乱切又は破砕等しながら、本発明の幹細胞収集組成物と接触させ、続いて組織を1つ以上の酵素で消化させることができる。器官又はその一部を物理的に破壊し、1つ以上の酵素で消化させ、次いで得られた物質を本発明の幹細胞収集組成物に浸漬又は混入することができる。本発明の幹細胞収集組成物は、酵素を含むことができる。破壊方法が、例えばトリパンブルー排除によって測定した場合に前記器官における複数の、好ましくは多数の、好ましくは少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%の細胞を生存させるのであれば、任意の物理的破壊法を用いることが可能である。好ましくは、該方法は、例えばトリパンブルー排除によって測定した場合に前記器官における複数の、好ましくは多数の、好ましくは少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%の細胞を生存させる。
酵素の任意の組合せ、例えば、上記セクション5.1.1に開示されている1つ以上のプロテアーゼ及び/又は粘液溶解酵素を使用することができる。例えば、コラゲナーゼ(例えばコラゲナーゼI、II、III又はIV)、ジスパーゼ、エラスターゼ、トリプシン等を単独又は任意の組合せで使用して、胎盤組織を消化させることができる。組織消化酵素の典型的な濃度としては、例えば、コラゲナーゼI及びコラゲナーゼIVについては50〜200u/mL、ジスパーゼについては1〜10u/mL、及びエラスターゼについては10〜100u/mLが挙げられる。胎盤幹細胞を遊離させるために、プロテアーゼの組合せ、すなわち2つ以上のプロテアーゼを同一の消化反応で使用する、又は順次使用することができる。例えば、一実施態様において、胎盤又はその一部を最初に2mg/mlの適切な量のコラゲナーゼIで30分間にわたって消化させた後、0.25%のトリプシンで37℃にて10分間消化させる。
別の実施態様において、キレート剤、例えば、エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N'N'-四酢酸(EGTA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を、幹細胞を含む幹細胞収集組成物、或いは幹細胞収集組成物で幹細胞を単離する前に、組織が破壊され、且つ/又は消化される溶液に添加することによって、組織をさらに破壊することができる。
(5.2.2 灌流)
本発明の幹細胞収集組成物を灌流溶液として使用して、例えば胎盤血管系を通じて、灌流により細胞、例えば幹細胞を器官、例えば哺乳類胎盤から収集することができる。一実施態様において、臍帯動脈及び臍帯静脈のいずれか又は両方に灌流溶液を流すことによって哺乳類胎盤を還流する(図1、図2A〜2D)。例えば、胎盤への重力流を利用して、灌流溶液を胎盤に流すことができる。好ましくは、ポンプ、例えば蠕動ポンプを使用して、灌流溶液を胎盤に送り込む。無菌チューブなどの無菌接続装置に接続されたカニューレ、例えばTEFLON(登録商標)又はプラスチックカニューレを臍帯静脈に挿入することができる。図3にしめすように、無菌接続装置を灌流マニホールドに接続する。
圧力チャンバ、例えば灌流中の胎盤を取り囲む雰囲気の圧力が大気圧を超えるチャンバの使用によって灌流を支援することもできる。一実施態様において、圧力チャンバ又はタンクは、複数の管の進入及び退出を可能にする複数のポートを含む。胎盤からの灌流液、又は胎盤血管系だけを循環した灌流液の滲出液を収集することによって灌流を容易にするように、胎盤静脈及び動脈に当該管を接続することができる。タンクは、タンク内部の大気圧を制御するポンプに接続されたポートをも含む。具体例において、1つのポンプを使用して、灌流液を胎盤(胎児)血管系に送り込み、第2のポンプを使用して、胎盤に対する大気圧を制御して、例えば、灌流液の収集を支援する、又は胎盤がインビボで行われる場合に胎盤に対する自然圧に類似する圧力を加える。
灌流の準備に際して、好ましくは、臍帯動脈及び臍帯静脈が胎盤の最高点に位置するように胎盤を配向(例えば懸濁)させる。灌流液、例えば本発明の幹細胞収集組成物を胎盤血管系、又は胎盤血管系及び周囲の組織に流すことによって胎盤を灌流することができる。灌流溶液を臍帯血管のいずれかに任意の組合せで流すことができる。灌流溶液を胎盤血管系のいずれかの方向に流すことができる(すなわち、灌流溶液を胎盤動脈又は胎盤静脈に灌流し、或いは胎盤動脈若しくは胎盤静脈から、又は胎盤組織からの滲出液から収集することができる)。一実施態様において、図1に示されるように臍帯動脈及び臍帯静脈を、フレキシブルコネクタを通じて灌流溶液の液溜に接続されたピペットに同時に接続する。灌流溶液を臍帯動脈及び動脈に流す。灌流溶液は、血管の壁から出て、且つ/又は血管の壁を流れて、胎盤の周囲の組織に流入し、妊娠中に母体の子宮に結合した胎盤の表面から好適な開放容器で収集される。臍帯開口を通じて灌流溶液を導入し、母体子宮壁と接した胎盤の壁の開口から流出又は滲出させることができる。別の実施態様において、灌流溶液を臍帯静脈に流し、臍帯動脈から収集し、或いは臍帯動脈に流し、臍帯静脈から収集する。
一実施態様において、基部の臍帯を灌流中に固定し、より好ましくは、臍帯を胎盤へ挿入する4〜5cm(センチメートル)以内に固定する。
放血過程中の哺乳類胎盤からの灌流液、例えば本発明の幹細胞収集組成物の第1の収集は、一般には、臍帯血及び/又は胎盤血の残留赤血球で着色される。灌流液は、灌流が進行し、残留臍帯血細胞が胎盤から洗い流されるに従って無色になる。最初に胎盤を放血するのに一般に30から100ml(ミリリットル)の灌流液が十分であるが、観察された結果に応じて、より多い、又はより少ない灌流液を使用できる。
胎盤幹細胞を収集するのに使用される灌流液の容量は、収集される幹細胞の数、胎盤の大きさ、単一の胎盤から行われる収集の回数等に応じて異なっていてもよい。様々な実施態様において、灌流液の容量は、50mLから5000mL、50mLから4000mL、50mLから3000mL、100mLから2000mL、250mLから2000mL、500mLから2000mL又は750mLから2000mLであってもよい。典型的には、放血に続いて、胎盤を700〜800mLの灌流液で灌流する。本発明では任意の哺乳類胎盤の灌流が想定されたため、胎盤を少なくとも又は多くとも1.0mL、2.0mL、3.0mL、4.0mL、5.0mL、6.0mL、7.0mL、8.0mL、9.0mL、10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mL、50mL、55mL、60mL、65mL、70mL、75mL、80mL、85mL 90mL、95mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL 600mL、700mL、800mL、900mL、1000mL、1500mL、2000mL、2500mL、3000mL、3500mL、4000mL、4500mL、5000mL、5500mL、6000mL、6500mL、7000mL、7500mL、8000mL、8500mL、9000mL、9500mL又は10,000mLの灌流液で灌流して、胎盤誘導幹細胞を収集することができる。
器官、例えば胎盤を、数時間又は数日間にわたって複数回灌流することができる。器官を複数回灌流する場合には、それを容器又は他の好適な容器において無菌条件下で維持又は培養し、抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ワルファリンナトリウム、クマリン、ビスヒドロキシクマリン、クエン酸塩、クエン酸リン酸デキストロースアデニン(CPDA-1))を含む又は含まない、且つ/又は抗菌剤(例えば、ストレプトマイシン(例えば40〜100μg/ml)、ペニシリン(例えば40U/ml)、アムホテリシンB(例えば0.5μg/ml)を含む又は含まない、本発明の幹細胞収集組成物又は標準的な灌流溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)などの通常の食塩水)で灌流することができる。一実施態様において、単離器官、例えば胎盤を、該器官が灌流及び灌流液の収集前に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24時間、或いは2又は3日以上にわたって維持又は培養されるように、灌流液を収集することなく一定時間にわたって維持又は培養する。灌流器官を1つ以上のさらなる時間、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24時間以上にわたって維持し、例えば700〜800mLの灌流液で2回目の灌流を行うことができる。器官、例えば胎盤を1、2、3、4又は5回以上、例えば1、2、3、4、5又は6時間毎に灌流することができる。好ましい実施態様において、胎盤の灌流及び灌流溶液、例えば幹細胞収集組成物の収集を、回収有核細胞数が100個/ml未満に低下するまで繰り返す。異なる時点の灌流液を個々にさらに処理して、細胞、例えば幹細胞の時間依存集団を回収することができる。異なる時点からの灌流液をプールすることもできる。
本明細書に記載されている幹細胞収集組成物の1種以上で胎盤を場合により培養することができ、幹細胞収集組成物を直ちに収集するのでなく、胎盤誘導幹細胞の収集前の一定時間にわたって胎盤血管系に残留させる。例えば、一実施態様において、胎盤血管系を満たすのに十分な幹細胞収集組成物で胎盤を灌流することができ、幹細胞収集組成物は、例えば、続く幹細胞の収集を容易にすることができる血管拡張剤を含む。別の実施態様において、例えば1つ以上のプロテアーゼを含む幹細胞収集組成物で胎盤を灌流する。幹細胞をさらなる灌流によって収集してすぐに、1つ以上のプロテアーゼが胎盤組織の消化を開始するのに十分な時間、例えば1〜5時間にわたって胎盤を幹細胞収集組成物とともに培養する。
異なる幹細胞収集組成物を使用して、幹細胞を灌流することもできる。例えば、最初に、血管拡張剤が胎盤血管を拡張するのに十分な時間にわたって、血管拡張剤を含む幹細胞収集組成物で胎盤を灌流することができる。好ましくは、胎盤血管系を満たすのに必要とされるだけの幹細胞収集組成物を使用する。上述したように、幹細胞収集前の一定時間にわたって胎盤を幹細胞収集組成物で場合により培養することができる。次いで、1つ以上のプロテアーゼを含む第2の幹細胞収集組成物で胎盤を灌流する。プロテアーゼが胎盤組織の消化を開始するのに十分な時間にわたって、胎盤をこの幹細胞収集組成物とともに一定時間場合により培養することができる。次いで、胎盤をさらなる幹細胞収集組成物、又は第3の幹細胞収集組成物、例えば、1つ以上のアポトーシス及び/又は壊死阻害剤を含む幹細胞収集組成物で灌流することができる。異なる幹細胞収集組成物の他の順次的な組成物は、当業者であれば容易に理解するであろう。
一実施態様において、自発的膣送達(SVD)については、胎盤血管系を本発明の収集組成物で満たし、胎盤を溶液に浸し(例えば浸漬させ)、例えば、送達の約20から約24時間後に灌流することによって幹細胞を収集する。別の実施態様において、送達から幹細胞収集までの時間の少なくとも一部にわたって、胎盤を収集組成物に浸漬させる。別の実施態様において、送達から幹細胞収集までの時間の少なくとも一部にわたって、胎盤の血管系を収集組成物で満たす。別の実施態様において、送達直後から、例えば灌流、酵素消化又は胎盤組織の培養による幹細胞の収集のときまで、胎盤を(例えば約0℃から約5℃で)冷蔵する。具体的な実施態様において、幹細胞を送達の約20から約24時間後に冷蔵胎盤から収集する。
理論に縛られることを望まないが、放血及び十分な時間の胎盤の灌流の後に、胎盤幹細胞は、胎盤の放血及び灌流微小循環の中に移動すると考えられ、本発明の方法に従って、好ましくは、灌流により収集容器に流入させることによって収集する。単離された胎盤の灌流は、残留臍帯血を除去するばかりでなく、酸素を含む適切な栄養分を胎盤に供給する役割を果たす。好ましくは抗凝血剤を添加せずに、胎盤を培養し、残留臍帯血細胞を除去するのに使用された類似の溶液で灌流することができる。
本発明の方法による灌流は、前記溶液で灌流されていない、或いはそうでない場合は幹細胞を得るための(例えば組織破壊、例えば酵素消化による)処理が施されていない哺乳類胎盤から入手可能な数より有意に多い胎盤幹細胞を収集させる。この文脈において、「有意に多い」とは、少なくとも10%以上多いことを指す。本発明の方法による灌流は、例えば、胎盤又はその一部が培養された培地から入手可能な胎盤幹細胞の数より有意に多い胎盤幹細胞を与える。
幹細胞を、1つ以上のプロテアーゼ又は他の組織破壊酵素を含む溶液による灌流によって、例えば胎盤から単離することができる。具体的な実施態様において、胎盤又はその一部(例えば、羊膜、羊膜及び卵膜、胎盤細葉若しくは小葉、臍帯又は上記部分のいずれかの組合せ)を25〜37℃とし、200mLの培地で1つ以上の組織破壊酵素とともに30分間インキュベートする。灌流液からの細胞を収集し、4℃とし、5mMのEDTA、2mMのジチオスレイトール及び2mMのベータ-メルカプトエタノールを含む低温の阻害剤混合物で洗浄する。数分後に、幹細胞を本発明の低温(例えば4℃)の幹細胞収集組成物で洗浄する。
(5.2.3 幹細胞の単離、分類及び特徴付け)
灌流又は酵素消化によって得られた器官、例えば哺乳類胎盤からの細胞をフィコール比重差遠心(Ficoll gradient centrifugation)によって他の細胞から最初に精製(すなわち単離)することができる。当該遠心は、遠心速度等について、任意の標準プロトコルに従うことができる。一実施態様において、器官、例えば胎盤から収集された細胞を室温で約10〜30分間にわたって約400から約1000×gの遠心によって灌流液から回収する。別の実施態様において、灌流液を200mlまで濃縮し、例えば、フィコール(Ficoll)、パーコール(Percoll)又はヘタスターチ(hetastarch)勾配上に緩やかに積層し、22℃にて20分間にわたって例えば約400〜3000×gで遠心させ、細胞の低密度界面層をさらなる処理に向けて収集する。別の実施態様において、ヘタスターチを胎盤細胞と混合し、重力によって沈降させ、上澄を除去し、ヘタスターチ及び細胞をさらなる処理に向けて収集する。
細胞ペレットを新鮮な幹細胞収集組成物、又は幹細胞維持に好適な培地、例えば、2U/mlのヘパリン及び2mMのEDTAを含むIMDM無血清培地(GibcoBRL、NY)又はDMEM等に再懸濁させることができる。一実施態様において、灌流又は破壊、例えば酵素消化によって得られた胎盤細胞を、例えば、DMEM-LG、MCDB-201、(ITS(インシュリン、トランスフェリン、セレニウム)、LA-BSA(リノレン酸-ウシ血清アルブミン)、デキサメタソン、EGF(上皮成長因子、PDGF(血小板誘導成長因子)及び抗生物質、例えばペニシリン及び/又はストレプトマイシンで構成される培地において選択することができる。例えば、Lymphoprep(Nycomed Pharma、Oslo、ノルウェー)を製造者推奨手順に従って使用して、全単核細胞断片を単離することができ、単核細胞断片を再懸濁した。幹細胞が再懸濁された幹細胞組成物又は培地は、好ましくは、幹細胞適合性タンパク質、例えばアルブミン、例えばヒトアルブミンを含む。
本明細書に用いられているように、「幹細胞を単離する」とは、無傷器官、例えば胎盤において幹細胞に通常対応づけられる細胞の少なくとも50%を除去することを指す。無傷器官において幹細胞に通常対応づけられる細胞の50%未満を含む細胞集団において、器官の幹細胞を、それが存在する場合に、器官の他の幹細胞とともに「単離」する。
例えば、0.2%のEDTAを含む0.05%トリプシンの溶液(Sigma(ミズーリ州St. Louis))を使用する差別的トリプシン処理によって、灌流又は消化により得られた胎盤細胞をさらに又は最初に単離することができる。例えば胎盤から収集された線維芽細胞は、典型的には、約5分間以内にプラスチック表面から剥離するのに対して、他の接着性集団は、典型的には、20〜30分より多くのインキュベーションを必要とするため、差別的トリプシン処理が可能である。トリプシン処理、及びトリプシン中和溶液(TNS、Cambrex)を使用したトリプシン中和に続いて、剥離した線維芽細胞を収穫することができる。接着性細胞の単離の一実施態様において、例えば約5〜10×106個の細胞のアリコットをいくつかのT-75フラスコ、好ましくはフィブロネクチン被覆T75フラスコの各々に配置する。市販の間葉幹細胞成長培地(MSCGM、Cambrex)で細胞を培養し、組織培養インキュベータ(37℃、5%CO2)に配置する。10から15日後に、非接着性細胞をPBSで洗浄することによってフラスコから除去する。次いで、PBSをMSCGMに代える。好ましくは、様々な接着細胞型の存在、特に、線維芽細胞の集団の識別及び拡大についてフラスコを毎日調べる。
器官、例えば胎盤から収集された細胞の数及び型を、流動細胞計測、細胞保存、免疫細胞化学(例えば、組織特異的又は細胞マーカ特異的抗体による染色)蛍光活性化細胞保存(FACS)、磁気活性化細胞保存(MACS)などの標準的な細胞検出技術を用いて形態の変化及び細胞表面マーカを測定することによって、光学顕微鏡法又は共焦点顕微鏡法を用いて細胞の形態を調べることによって、或いはPCR及び遺伝子発現プロファイリングなどの当該技術分野で良く知られている技術を用いて遺伝子発現の変化を測定することによって、容易に監視することができる。胎盤細胞、特に、フィコール分離、差次接着又は双方の組合せによって単離された細胞を、蛍光活性化細胞分類機(FACS)を使用して、分類することができる。蛍光活性化細胞分類(FACS)は、粒子の蛍光特性に基づいて、細胞を含む粒子を分離するための良く知られている方法である(Kamarch、1987、Methods Enzymol、151:150-165)。個々の粒子における蛍光成分のレーザ励起は、混合物からの正及び負粒子の電磁分離を可能にする小さな電荷をもたらす。一実施態様において、細胞表面マーカ特異的抗体又はリガンドを異なる蛍光標識で標識する。細胞を細胞分類機で処理して、使用される抗体に対するそれらの結合能力に基づく細胞の分離を可能にする。FACS分類粒子を96ウェル又は384ウェルプレートの個々のウェルに直接付着させて、分離及びクローン化を容易にする。
1つの分類スキームにおいて、胎盤の幹細胞を図4に示されるマーカAC133、CD34、CD38、CD90、CDl17、HLA-DR、CDlO、CD4、CD71、CD38、CD45及びCD61の発現に基づいて分類する。別の実施態様において、胎盤の細胞は、マーカCD200及び/又はHLA-Gのそれらの発現に基づき、一実施態様において、これらのマーカのいずれかを示す細胞をさらなる使用に向けて単離する。具体的な実施態様において、例えばCD200及び/又はHLA-Gを発現する細胞をCD73又はCD105のそれらの発現、或いは抗体SH2、SH3若しくはSH4によって認識されたエピトープ、或いはCD34、CD38若しくはCD45の発現の欠如に基づいてさらに分類することができる。例えば、一実施態様において、胎盤細胞をCD200、HLA-G、CD73、CD105、CD34、CD38及びCD45のそれらの発現又はその欠如によって分類し、CD200+、HLA-G+、CD73+、CD105+、CD34-、CD38-及びCD45-である胎盤細胞をさらなる使用に向けて他の胎盤細胞から単離する。
別の実施態様において、磁気ビーズを使用して、細胞を分離することができる。磁気活性化細胞分類(MACS)技術、すなわち磁気ビーズ(直径0.5〜100μm)を結合するそれらの能力に基づいて粒子を分離する方法を用いて、細胞を分類することができる。特定の細胞表面分子又はヘパリンを特異的に認識する抗体の共有結合付加を含む様々な有用な修飾を磁気微小球に対して行うことができる。次いで、ビーズを細胞と混合して、結合を可能にする。次いで、細胞を磁場に通して、特異的細胞表面マーカを有する細胞を分離する。一実施態様において、次いでこれらの細胞を単離し、さらなる細胞表面マーカに対する抗体に結合された磁気ビーズと再混合することができる。細胞を再び磁場に通し、両方の抗体に結合した細胞を単離する。次いで、当該細胞を、クローン単離用マイクロタイタ皿のような個別の皿内に希釈することができる。
胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞を細胞形態及び成長特性に基づいて特徴づけ、且つ/又は分類することができる。例えば、胎盤細胞を、培養において玉石又は線維芽の外観を有するものとして特徴づけ、且つ/又はそれに基づいて選択することができる。胎盤細胞を、例えば、それらが胚様体を形成する能力があるか否かで特徴づけ、且つ/又はそれに基づいて選択することができる。一実施態様において、例えば、線維芽形状であり、CD73及びCD105を発現し、培養で1つ以上の胚様体を生成する胎盤細胞を他の胎盤細胞から単離する。別の実施態様において、培養で1つ以上の胚様体を生成するOCT-4+胎盤細胞を他の胎盤細胞から分離する。
別の実施態様において、コロニー形成単位アッセイによって胎盤幹細胞の識別及び特徴付けを行うことができる。Mesen Cult(商標)培地(Stem Cell Technologies, Inc.、Vancouver British Columbia)などのコロニー形成単位アッセイは、当該技術分野で広く知られている。
トリパンブルー排除アッセイ、二酢酸フルオレセイン消費アッセイ、(生存度を評価するための)ヨウ化プロピジウム消費アッセイ;及びチミジン消費アッセイ、(増殖を評価するための)MIT細胞増殖アッセイなどの当該技術分野で知られている標準的な技術を用いて、幹細胞、例えば胎盤幹細胞の生存度、増殖潜在性及び寿命を評価することができる。培養延長で二倍になる集団の最大数を測定すること等の当該技術分多で良く知られている方法によって寿命を判断することができる。
(5.2.4 幹細胞保存)
他の実施態様において、胎盤から収集された細胞を後の使用に向けて凍結保存する。幹細胞のような細胞の凍結保存方法は、例えば、Huらの文献(2000年12月7日に公開されたWO 00/73421)のように当該技術分野で良く知られている。
(5.2.5 幹細胞集団の潜在力の評価)
本明細書に記載されている胎盤誘導幹細胞集団、又は胎盤誘導幹細胞を含む単離細胞の集団を、コロニー形成単位アッセイを用いて、潜在力、すなわち生存細胞の数について評価することができる。好ましい実施態様において、コロニー形成単位アッセイを用いて、胎盤の初期灌流液に含まれる胎盤幹細胞集団の潜在力、又は胎盤組織の初期酵素消化を評価する。培養で少なくとも1回、5回、10回又は20回以上継代された胎盤誘導幹細胞集団、又は胎盤誘導幹細胞を含む単離胎盤細胞の集団に対してコロニー形成単位アッセイを行うこともできる。任意の標準的なコロニー形成単位アッセイ、例えば、StemCell Technologies, Inc.が提供するコロニー形性アッセイを用いることができる。当該アッセイは、例えばMESENCULT(商標)培地(Stem Cell Technologies, Inc.、Vancouver British Columbia)を使用してもよい。
コロニー形成単位アッセイを胎盤誘導幹細胞の個々の集団(例えば灌流液又は消化液の個々の単位)、又は胎盤誘導幹細胞を含む単離胎盤細胞の集団に対して行い、集団の潜在力を評価することができる。例えば、コロニー形成単位アッセイを単独、又は生存度試験のような他の試験とともに用いて、胎盤誘導細胞の集団における有用な細胞の数を測定することができる。典型的には、コロニー形性単位アッセイを集団の小サンプル細胞に対して行い、その結果を残りの集団に外挿する。
上述のコロニー形成単位アッセイを用いて、幹細胞収集組成物の様々な配合物の効果を評価することができる。すなわち、変化する環境下での幹細胞収集を改善する、又は幹細胞収集に最適な幹細胞収集配合物を識別することができる。当該環境としては、例えば、幹細胞収集の前に胎盤を入手する、輸送する、培養する、又は扱う方法;幹細胞収集方法、胎盤収集から幹細胞収集までの時間、及び幹細胞収集の一部としての、又はその前の胎盤培養工程の存否等を挙げることができる。一実施態様において、例えば、本発明は、胎盤誘導幹細胞集団、又は胎盤誘導幹細胞を含む単離胎盤細胞の集団の潜在力を評価する方法であって、前記集団と幹細胞収集組成物とを接触させること;コロニー形成単位アッセイで前記集団によって生成されたコロニー形成単位の数を測定することを含み、前記コロニー形成単位の数が、該集団の潜在力であるか、又はそれに相関する、前記方法を提供する。具体的な実施態様において、コロニー形成単位の数を対照と比較することができる。例えば、対照は、特定数の胎盤誘導幹細胞に対して想定されるコロニー形成単位の絶対数、例えば潜在力の基準であり得る。別の例において、対照は、第2の幹細胞収集配合物と接触された同等数の胎盤誘導幹細胞によって生成されたコロニー形成単位の数であり得る。本例において、該方法は、より多くの生存する胎盤誘導幹細胞を保存又は生成するのにどちらがより良好であるかを評価するために2つの異なる配合物を比較することを可能にする。別の具体的な実施態様において、対照は、胎盤を分娩場所から幹細胞収集場所に輸送する特定の方法の下で入手可能なコロニー形成単位の数又は平均数である。別の具体的な実施態様において、前記対照は、幹細胞収集場所で胎盤を扱う特定の方法の下で入手可能なコロニー形成単位の数である。
別の実施態様において、本発明は、胎盤誘導幹細胞集団、又は胎盤誘導幹細胞を含む単離胎盤細胞の集団を保存するための幹細胞収集組成物を選択する方法であって、いくつかの胎盤誘導幹細胞を含む第1の集団と、第1の幹細胞収集組成物とを接触させることであって、前記第1の集団は、コロニー形成単位アッセイで第1の数のコロニー形成単位を生成すること、前記数の胎盤誘導幹細胞を含む第2の集団と、第2の幹細胞収集組成物とを接触させることであって、前記第2の集団は、コロニー形成単位アッセイで第2の数のコロニー形成単位を生成すること、コロニー形成単位の第1の数をコロニー形成単位の前記第2の数と比較すること、前記第1の数又は前記第2の数のいずれか大きい方を選択することを含む、前記方法を提供する。
(5.3 幹細胞保存)
別の態様において、本発明は、幹細胞の集団を保存するための組成物及び方法を提供する。本発明は、集団が、単離幹細胞の集団であるか、単離及び収集の過程の前又は最中の器官又は組織におけるインサイツの幹細胞の集団であるかにかかわらず、幹細胞の集団の保存を包括する。例えば、本発明の方法及び組成物を用いて、例えば、胎盤が輸送されている、又は胎盤幹細胞を単離及び収集する処理を待っている間に、単離胎盤幹細胞の集団又は胎盤における胎盤幹細胞の集団を保存することができる。
本発明は、アポトーシス阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボン、例えば、上記セクション5.1.5に記載されているペルフルオロカーボンを含む幹細胞収集組成物を使用して幹細胞の集団を保存する方法をさらに提供する。一実施態様において、本発明は、幹細胞の集団を保存する方法であって、前記幹細胞の集団とアポトーシス阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボンとを接触させることを含み、前記アポトーシス阻害剤は、アポトーシス阻害剤と接触していない幹細胞の集団と比較して、幹細胞の集団におけるアポトーシスを低減又は防止するのに十分な量及び時間で存在する方法を提供する。具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、カスパーゼ阻害剤である。別の具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤は、JNK阻害剤、例えば、上記セクション5.1.2.2に記載されているJNK阻害剤である。より具体的な実施態様において、前記JNK阻害剤は、前記幹細胞の分化又は増殖を調節させない。別の実施態様において、前記幹細胞収集組成物は、前記アポトーシス阻害剤及び前記酸素担持ペルフルオロカーボンを個別の相に含む。別の実施態様において、前記幹細胞収集組成物は、前記アポトーシス阻害剤及び前記酸素担持ペルフルオロカーボンをエマルジョンに含む。別の実施態様において、幹細胞収集組成物は、乳化剤、例えばレシチンをさらに含む。別の実施態様において、前記アポトーシス阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンは、幹細胞との接触時に約0℃から約25℃である。別のより具体的な実施態様において、前記アポトーシス阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンは、幹細胞との接触時に約2℃から約10℃又は約2℃から約5℃である。別のより具体的な実施態様において、前記接触は、前記幹細胞の集団の輸送中に行われる。別のより具体的な実施態様において、前記接触は、前記幹細胞の集団の凍結及び解凍中に行われる。
別の実施態様において、本発明は、幹細胞の集団を保存する方法であって、前記幹細胞の集団又は幹細胞を含む器官(例えば胎盤)と、アポトーシス阻害剤及び器官保存化合物と接触させることを含み、前記アポトーシス阻害剤は、アポトーシス阻害剤と接触していない幹細胞の集団と比較して、幹細胞の集団におけるアポトーシスを低減又は防止するのに十分な量及び時間で存在する方法を提供する。具体的な実施態様において、器官保存化合物は、UW溶液(米国特許第4,798,824号に記載;ViaSpanとしても知られる;Southardらの文献、Transplantation 49(2):251-257(1990)も参照されたい)又はSternらの文献、米国特許第5,552,267号に記載の溶液である。別の実施態様において、前記器官保存化合物は、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸、ラフィノース、又はそれらの組合せである。別の実施態様において、幹細胞収集組成物は、酸素担持ペルフルオロカーボンを二相又はエマルジョンとしてさらに含む。
該方法の別の実施態様において、灌流中に、前記幹細胞と、アポトーシス阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボンを含む前記幹細胞収集組成物、器官保存化合物、又はそれらの組合せとを接触させる。別の実施態様において、前記幹細胞を組織分離の過程中に接触させる。別の実施態様において、灌流による収集後、又は組織破壊、例えば酵素消化による収集後に前記幹細胞と前記幹細胞収集組成物とを接触させる。
典型的には、胎盤細胞の収集、濃縮及び単離中に、低酸素及び機械的応力による細胞応力を最小限にする、又は排除することが望ましい。したがって、該方法の別の実施態様において、前記保存中の72時間未満の時間にわたって、収集、濃縮又は単離中に幹細胞又は幹細胞の集団を低酸素条件に曝し、低酸素条件は、正常な血液酸素濃度未満の酸素濃度である。より具体的な実施態様において、前記幹細胞の集団を前記保存中に48時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す。別のより具体的な実施態様において、収集、濃縮又は単離中に、前記幹細胞の集団を、24時間未満、又は12、6若しくは2時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝すか、或いは低酸素条件に曝さない。別の具体的な実施態様において、前記幹細胞の集団を収集、濃縮又は単離中に、剪断応力に曝さない。
(5.4 胎盤の処理)
一般に、ヒト胎盤は、出産後の娩出後まもなく回収される。好ましい実施態様において、胎盤は、同意後、及び患者の完全な身体歴が取られ、胎盤に対応づけられた後に患者から回収される。好ましくは、身体歴は、分娩後も継続される。当該身体歴を用いて、胎盤又はそこから収穫された幹細胞の後の使用を調整することができる。例えば、胎盤に対応づけられる乳児、又は乳児の両親、兄弟若しくは他の親類に対する個別化医療のために、身体歴に照らし合わせて、ヒト胎盤幹細胞を使用することができる。
胎盤幹細胞の回収の前に、臍帯血及び胎盤血を除去する。一定の実施態様において、分娩後、胎盤における臍帯血を回収する。胎盤に従来の臍帯血回収処理を施すことができる。典型的には、重力を利用しながらニードル又はカニューレを使用して、胎盤を放血する(Andersonの文献、米国特許第5,372,581号;Hesselらの文献、米国特許第5,415,665号)。ニードル又はカニューレを臍帯静脈に通常挿入し、臍帯血を胎盤から抜くのを助けるために胎盤を静かにマッサージすることができる。当該臍帯血回収を商業的に得ることができる(例えば、LifeBank Inc.、Cedar Knolls, N. J.、ViaCord、Cord Blood Registry及びCryocell)。好ましくは、臍帯血回収中の組織破壊が最小限になるように、さらに操作することなく胎盤を重力放血する。一定の実施態様において、臍帯血回収前に基部の臍帯を胎盤への挿入の好ましくは4〜5cm(センチメートル)以内に固定する。他の実施態様において、臍帯血回収の後で胎盤のさらなる処理の前に、基部の臍帯を固定する。
典型的には、例えば灌流又は組織分離による臍帯血の回収及び幹細胞の収集のために、胎盤を分娩室又は出産室から別の場所、例えば実験室に輸送する。一実施態様において、好ましくは、胎盤を固定された基部臍帯とともに無菌のプラスチック袋に入れ、次いでそれを断熱容器に入れることによって、胎盤を無菌の断熱輸送デバイス(胎盤の温度を20〜28℃に維持する)で輸送する。別の実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2005年9月19日に出願された米国係属特許出願第11/230,760号に実質的に記載されている臍帯血収集キットで胎盤を輸送する。好ましくは、分娩の4から24時間後に胎盤を実験室に送達する。
胎盤を、幹細胞収集前に、無菌条件下及び室温又は5℃から25℃(摂氏)の温度で保存することができる。胎盤を灌流して、残留する臍帯血を除去する前に、48時間を超える時間及び/又は例えば4から24時間にわたって胎盤を保存することができる。好ましくは、胎盤を5℃から25℃(摂氏)の温度で抗凝血溶液中に保存する。好適な抗凝血溶液は、当該技術分野で良く知られている。例えば、ヘパリン又はワルファリンナトリウムの溶液を使用することができる。好ましい実施態様において、抗凝血溶液は、ヘパリンの溶液(1:1000溶液中1%w/w)を含む。好ましくは、放血された胎盤を、胎盤幹細胞を収集する前に、36時間以下の時間にわたって保存する。
胎盤が幹細胞収集を待っている間に、胎盤収集から幹細胞収集までの時間の少なくとも一部にわたって、胎盤と、1つ以上の酸素担持ペルフルオロカーボンを含む溶液とを接触させることができる(例えば分娩室から幹細胞収集場所)。好ましくは、胎盤収集から幹細胞収集までの時間の大部分にわたって、胎盤と酸素担持ペルフルオロカーボンとの接触を維持する。胎盤収集から幹細胞収集までの時間の少なくとも一部にわたって、胎盤と、1つ以上の酸素担持ペルフルオロカーボン及び1つ以上の器官保存媒体(例えばUW溶液;上記セクション5.3参照)を含む組成物とを接触させることができる。
(5.5 胎盤幹細胞)
本発明の方法に従って得ることができる胎盤幹細胞は、多能性及び多分化能性細胞、胚性幹細胞の1つ以上の特性を有する幹細胞、並びに委任前駆細胞を含む。
臍帯血及び胎盤血は、主としてCD34+CD38+造血前駆細胞を含む。放血並びに実質的にすべての胎盤及び臍帯血の除去から最初の24時間以内に、臍帯血又は骨髄に見いだすことができる数に相関するCD34+CD38-造血前駆細胞をCD34-CD38+造血前駆細胞とともに胎盤から単離することができる。例えば、組織培養基質に対する差次接着によって、CD34-CD38-細胞を胎盤から単離することもできる(例えば米国特許第7,045,148号参照)。
好ましい実施態様において、本発明の方法によって得られた胎盤幹細胞は、生存する静止状態の多分化能性又は多能性幹細胞である。
少なくとも1つのヒト胎盤幹細胞類は、発達段階で未処理である。例えば、当該幹細胞は、SSEA3-(段階に特異的な胚性抗原3)、SSEA4-、OCT-4+(幹細胞転写因子)及びABC-p+(ATP結合カセット(ABC)輸送タンパク質)、すなわち発達段階で未処理であることを示すマーカである。具体的な実施態様において、幹細胞は、非胚性で、SSEA3-SSEA4-OCT-4+ABC-p+である。別の実施態様において、ヒト胎盤幹細胞は、MHCクラス2抗原を発現しない。別の実施態様において、当該幹細胞は、内胚葉、外胚葉又は中胚葉細胞に分化することが可能である。
一実施態様において、本発明の方法によって得られた胎盤幹細胞をOCT-4及びABC-pマーカの存在によって識別することができる。さらに、本発明は、CD10、CD29、CD44、CD54、CD90、CD105(SH2)、CD73(SH3、SH4)、OCT-4及びABC-pマーカを示す、又はCD34、CD38、CD45、SSEA3又はSSEA4マーカが欠如した、若しくは当該マーカを示さない胎盤幹細胞の収集を包括する。具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38- CD44+、CD45-、CD54+、CD73+、CD90+、CD105+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+及びABC-p+である。別の具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、CD200+及びHLA-G+である。別の具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、CD73+、CD105+及びCD200+である。別の具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、CD200+及びOCT-4+である。別の具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、CD73+及びCD105+であり、胎盤幹細胞を含む単離胎盤細胞の集団は、胚様体の形成を可能にする条件下で胚様体を形成する。別の具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、CD73+、CD105+及びHLA-G+である。別の具体的な実施態様において、胎盤幹細胞は、OCT-4+であり、胚様体の形成を可能にする条件下で胚様体を形成する。
当該細胞表面マーカを当該技術分野で良く知られている方法、例えば流動細胞計測により慣例的に検出した後に、洗浄し、抗細胞表面マーカ抗体で染色する。例えば、CD34又はCD38の存在を確認するために、細胞をPBSで洗浄し、次いで抗CD-34フィコエリスリン及び抗CD-38イソチオシアン酸フルオレセインで二重染色することができる(Becton Dickinson、カリフォルニア州Mountain View)。
本発明の方法及び組成物によって収集できる胎盤幹細胞を、体の組織又は器官が、幹細胞又は前駆細胞集団などの所望の細胞集団の差込、移植又は注入によって増強、修復又は交換される広範な治療プロトコルに使用することができる。本発明の胎盤幹細胞を使用して、既存の組織を交換又は増強し、新しい組織又は改変組織を導入し、或いは生体組織又は構造体を接合することができる。胚性幹細胞が典型的に使用される治療プロトコルにおいて、本発明の胎盤幹細胞を胚性幹細胞と取り換えることもできる。
(6. 実施例)
(6.1 実施例1:幹細胞収集組成物)
以下の実施例では、幹細胞収集組成物の処方について記載する。他の実施態様は、当業者にとって明らかになるであろう。
(6.1.1 アポトーシス阻害剤及びプロテアーゼを含む組成物)
0.9%のNaCl、最終濃度が50〜100μMのカスパーゼ阻害剤Ac-Val-Ala-Asp-CHO及び最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTAを含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示された改質クレブス溶液、最終濃度が50〜100μMのカスパーゼ阻害剤Ac-Val-Ala-Asp-CHO及び最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTAを含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示されたDMEMベースの溶液、最終濃度が50〜100μMのカスパーゼ阻害剤Ac-Val-Ala-Asp-CHO及び最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTAを含む灌流溶液を調製する。
(6.1.2 アポトーシス阻害剤の組合せ及びプロテアーゼを含む組成物)
0.9%のNaCl、最終濃度が50〜100μMのカスパーゼ阻害剤Ac-Val-Ala-Asp-CHO、最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA及び以下の構造の1つを有するJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
Figure 2009521931
(JNK阻害剤は、約0.5μMから約10μMの濃度で存在する)。
実施例1に示されたDMEMベースの溶液、最終濃度が50〜100μMのカスパーゼ阻害剤Ac-Val-Ala-Asp-CHO、本実施例で上記に示されたJNK阻害剤及び最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTAを含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示された改質クレブス溶液、最終濃度が50〜100μMのカスパーゼ阻害剤Ac-Val-Ala-Asp-CHO、本実施例の上記に示されたJNK阻害剤及び最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTAを含む灌流溶液を調製する。
(6.1.3 JNK阻害剤及びプロテアーゼの組合せを含む組成物)
0.9%のNaCl;最終濃度が約1.0mg/mLのエラスターゼ、最終濃度が約1.0mg/mLのコラゲナーゼI、最終濃度が約0.5mg/mLのコラゲナーゼIV及び最終濃度が約0.1mg/mlのジスパーゼを含むプロテアーゼのカクテル;並びに以下の構造の1つを有するJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
Figure 2009521931
(JNK阻害剤は、約0.5μMから約10μMの濃度で存在する)。
実施例1に示されたDMEMベースの溶液;最終濃度が約1.0mg/mLのエラスターゼ、最終濃度が約1.0mg/mLのコラゲナーゼI、最終濃度が約0.5mg/mLのコラゲナーゼIV及び最終濃度が約0.1mg/mlのジスパーゼを含むプロテアーゼのカクテル;並びに本実施例の上記に示されたJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示された改質クレブス溶液;最終濃度が約1.0mg/mLのエラスターゼ、最終濃度が約1.0mg/mLのコラゲナーゼI、最終濃度が約0.5mg/mLのコラゲナーゼIV及び最終濃度が約0.1mg/mlのジスパーゼを含むプロテアーゼのカクテル;並びに本実施例の上記に示されたJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
(6.1.4 JNK阻害剤の組合せ及び酵素の組合せを含む組成物)
0.9%のNaCl;最終濃度が約1.0mg/mLのエラスターゼ、最終濃度が約1.0mg/mLのコラゲナーゼI、最終濃度が約0.5mg/mLのコラゲナーゼIV、最終濃度が約0.1mg/mlのジスパーゼ及び濃度が約0.1から約10.0mg/mLのヒアルロニダーゼを含むプロテアーゼのカクテル;並びに以下の構造の1つ以上を有する2つ以上のJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
Figure 2009521931
(JNK阻害剤は、約0.5μMから約10μMの濃度で存在する)。
実施例1に示されたDMEMベースの溶液;最終濃度が約1.0mg/mLのエラスターゼ、最終濃度が約1.0mg/mLのコラゲナーゼI、最終濃度が約0.5mg/mLのコラゲナーゼIV、最終濃度が約0.1mg/mlのジスパーゼ及び濃度が約0.1から約10.0mg/mLのヒアルロニダーゼを含むプロテアーゼのカクテル;並びに本実施例の上記に示されたJNK阻害剤の2つ以上を含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示された改質クレブス溶液;最終濃度が約1.0mg/mLのエラスターゼ、最終濃度が約1.0mg/mLのコラゲナーゼI、最終濃度が約0.5mg/mLのコラゲナーゼIV、最終濃度が約0.1mg/mlのジスパーゼ及び濃度が約0.1から約10.0mg/mLのヒアルロニダーゼを含むプロテアーゼのカクテル;並びに本実施例の上記に示されたJNK阻害剤の2つ以上を含む灌流溶液を調製する。
(6.1.5 JNK阻害剤、プロテアーゼ及び血管拡張剤を含む組成物)
0.9%のNaCl;最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA;濃度が約0.15mMから約6mMの血管拡張剤としての硫酸マグネシウム;及び以下の構造の1つを有するJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
Figure 2009521931
(JNK阻害剤は、約0.5μMから約10μMの濃度で存在する)。
実施例1に示されたDMEMベースの溶液;最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA;濃度が約0.15mMから約6mMの血管拡張剤としての硫酸マグネシウム;及び本実施例の上記に示されたJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示された改質クレブス溶液;最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA;濃度が約0.15mMから約6mMの血管拡張剤としての硫酸マグネシウム;及び本実施例の上記に示されたJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
(6.1.6 JNK阻害剤、プロテアーゼ及び抗壊死剤を含む組成物)
0.9%のNaCl;最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA;濃度が約0.5μMから約100.0μMの2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド;及び以下の構造の1つを有するJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
Figure 2009521931
(JNK阻害剤は、約0.5μMから約10.0μMの濃度で存在する)。
実施例1に示されたDMEMベースの溶液;最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA;濃度が0.5μMから約100.0μMの2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド;及び本実施例の上記に示されたJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
実施例1に示された改質クレブス溶液;最終濃度が約0.25%のトリプシン-EDTA;濃度が0.5μMから約100.0μMの2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド;及び本実施例の上記に示されたJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
(6.1.7 JNK阻害剤、プロテアーゼ及び酸素担持ペルフルオロカーボンを含む組成物)
0.9%のNaCl;最終濃度が0.25%のトリプシン-EDTA;及び以下の構造の1つを有するJNK阻害剤を含む灌流溶液を調製する。
Figure 2009521931
(JNK阻害剤は、約0.5μMから約10.0μMの濃度で存在する)。該溶液は、50%〜100%(重量/容量)の臭化ペルフルオロオクチル、臭化ペルフルオロオクチルの容量の約10%の臭化ペルフルオロデシル及び約4%(重量/容量)の乳化剤としてのレシチンをも含む。該溶液を使用前に乳化する。
0.9%のNaClの代わりに実施例1に示されたDMEMベースの溶液を含むことを除いては上記の通りの灌流溶液を調製する。0.9%のNaClの代わりに実施例1に示された改質クレブス溶液を含むことを除いては上記の通りの灌流溶液を調製する。
(6.2 実施例2:胎盤幹細胞の培養)
胎盤幹細胞を灌流又は物理的破壊、例えば酵素消化によって産後の哺乳類胎盤から得る。60% DMEM-LG(Gibco)、40%のMCDB-201(Sigma)、2%のウシ胎児血清(FCS)(Hyclone Laboratories)、1×インシュリン-トランスフェリン-セレニウム(ITS)、1×レノレン酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA)、10-9Mのデキサメタソン(Sigma)、10-4Mのアスコルビン酸、2-リン酸(Sigma)、上皮成長因子(EGF)10ng/ml(R&D Systems)、血小板誘導成長因(PDGF-BB)10ng/ml(R&D Systems)及び100Uペニシリン/1000Uストレプトマイシンを含む培地で細胞を培養する。
細胞を培養する培養フラスコを以下のように準備する。5ng/mlのヒトFN(Sigma F0895)を含有する5mlのPBSをフラスコに加えることによってT75フラスコにフィブロネクチン(FN)をコートする。FN溶液を含むフラスコを37℃で30分間放置する。次いで、FN溶液を細胞培養前に除去する。処理後にフラスコを乾燥させる必要はない。或いは、培養前にフラスコを4℃で一晩以上FN溶液と接触させ、フラスコを加温し、FN溶液を除去する。
(灌流によって単離された胎盤幹細胞)
胎盤灌流液からの胎盤細胞の培養物を以下のように確立する。フィコール勾配からの細胞を、15ml培地中50〜100×106個/フラスコの密度で、上記のように準備したFNコートT75フラスコに接種する。典型的には、5〜10個のフラスコに接種する。フラスコを37℃で12〜18時間インキュベートして、接着性細胞の接着を可能にする。懸濁液中の細胞を除去するために10mlの加温PBSを各フラスコに加え、静かに混合する。次いで、15mlの培地を除去し、15mlの新鮮な培地と取り換える。培養の開始から3〜4日後にすべての培地を交換する。次の培地交換を実施し、その間、50%又は7.5mlの培地を除去する。
開始から約12日目に、培養物を顕微鏡で確認して、接着性細胞コロニーの成長を調べる。細胞培養物が約80%コンフルエントになったとき、典型的には培養の開始の13から18日後に、接着性細胞をトリプシン消化によって収穫する。これらの一次培養物から収穫された細胞を継代0(ゼロ)と呼ぶ。
(酵素消化によって単離された胎盤幹細胞)
消化胎盤組織から胎盤幹細胞培養物を以下のように確立する。母胎側面を上にして、灌流胎盤を無菌の紙シートに配置する。胎盤の母胎側面上の約0.5cmの表面層を刃で擦り取り、その刃を使用して、約1×2×1cmの胎盤組織塊を除去する。次いで、この胎盤組織を約1cm3の片に切断する。これらの片を50mlファルコン管に収集し、37℃の水浴中で、コラゲナーゼIA(2mg/ml、Sigma)で30分間消化した後、トリプシン-EDTA(0.25%、GIBCO BRL)で10分間消化する。得られた溶液を室温にて10分間にわたって400gで遠心し、消化溶液を除去する。ペレットをPBSで約10容量に再懸濁し(例えば、5mlペレットを45mlのPBSで再懸濁する)、管を室温にて10分間400gで遠心する。組織/細胞ペレットを約130mlの培地に再懸濁し、細胞をフィブロネクチンコートT-75フラスコ毎に13mlずつ接種する。細胞を5%CO2を含む加湿雰囲気により37℃でインキュベートする。胎盤幹細胞をこの段階で場合により凍結保存する。
(胎盤幹細胞の二次培養及び拡大)
凍結保存した細胞を37℃水浴中で素早く解凍する。胎盤幹細胞をクライオバイアルから10mlの加温培地とともに除去し、15mlの無菌管に移す。細胞を室温にて5分間にわたって約400×gで遠心する。細胞をピペットで10mlの加温培地に静かに再懸濁させ、トリパンブルー排除により生存細胞数を測定する。次いで、上記のように準備したFNコートフラスコに細胞を約6000〜7000個/cm2の割合で接種する(T-75フラスコ毎に約5×105個)。細胞を37℃、CO25%及び湿度90%の条件でインキュベートする。細胞が75〜85%コンフルエントに達すると、消費培地のすべてを無菌状態でフラスコから除去し、廃棄する。3mlのトリプシン/EDTA溶液(0.25%)を添加して、細胞層を被覆し、細胞を37℃、5%のCO2及び湿度90%の条件で5分間インキュベートする。フラスコを1回又は2回軽くたたいて、細胞の剥離を促す。95%を超える細胞をまとめ、剥離されると、7mlの加温培地を各T-75フラスコに加え、その溶液をピペットで細胞層表面に数回散布する。
上記のように細胞を計数し、生存度を測定した後に、細胞を室温にて5分間にわたって1000RPMで遠心する。培地を含む1つのT-75フラスコから細胞ペレットを静かに再懸濁し、細胞を2つのFNコートT-75フラスコに均等にプレーティングすることによって、細胞を継代する。
上記方法を用いて、CD105、CD117、CD33、CD73、CD29、CD44、CD10、CD90及びCD133マーカを発現する接着性胎盤幹細胞の集団を識別する。この細胞集団は、CD34又はCD45を発現しなかった。これらの胎盤幹細胞のすべてでなく、いくつかはHLA-ABC及び/又はHLA-DRを発現した。
(実施例3:胎盤幹細胞の分化)
(6.3.1 ニューロンへの分化の誘発)
胎盤幹細胞のニューロン分化を例えば以下のように遂行することができる。
1.DMEM/20%FBS及び1mMのベータ-メルカプトエタノールからなる前誘発培地にて胎盤幹細胞を24時間成長させる。
2.前誘発培地を除去し、細胞をPBSで洗浄する。
3.DMEM及び1〜10mMのベータメルカプトエタノールからなるニューロン誘発培地を細胞に添加する。或いは、DMEM/2%DMSO/200μMブチル化ヒドロキシアニソールからなる誘発培地を使用してもよい。
4.一定の実施態様において、無血清培地及びベータメルカプトエタノールとの接触から60分後には形態変化及び分子変化が生じ得る。RT/PCRを使用して、例えば神経成長因子受容体及び神経細線維重鎖遺伝子の発現を評価することができる。
(6.3.2 脂肪細胞への分化の誘発)
胎盤幹細胞の脂肪生成を例えば以下のように遂行することができる。
1. 胎盤幹細胞を15%臍帯血清が補充されたMSCGM(Cambrex)又はDMEMで成長させる。
2. 誘発/維持の3つのサイクルを用いる。各サイクルは、胎盤幹細胞に脂肪生成誘発培地(Cambrex)を供給すること、及び細胞を(37℃、5%CO2で)3日間にわたって培養した後に、脂肪生成維持培地(Cambrex)で1〜3日間培養することからなる。使用できる代替的な誘発培地は、1μMのデキサメタソン、0.2mMのインドメタシン、0.01mg/mlのインシュリン、0.5mMのIBMX、DMEM高グルコース、FBS及び抗生物質を含む。
3. 3つの誘発/維持の完全なサイクルの後、2〜3日毎に培地を交換しながら、細胞を脂肪生成維持培地でさらに7日間培養する。
4. 脂肪生成の証拠は、親油性染色オイルレッドOを使用して容易に観察できる多数の細胞室内脂質小胞の発生である。リパーゼ及び/又は脂肪酸結合タンパク質遺伝子の発現を、脂肪細胞への分化を開始した胎盤幹細胞におけるRT/PCRによって確認する。
(6.3.3 軟骨細胞への分化の誘発)
胎盤幹細胞の軟骨形性分化を例えば以下のように遂行することができる。
1. 胎盤幹細胞を15%臍帯血清が補充されたMSCGM(Cambrex)又はDMEMに維持する。
2. 胎盤幹細胞を無菌ポリプロピレン管に分取する。細胞を(150×g、5分間)遠心し、不完全軟骨形性培地(Cambrex)で2回洗浄する。
3. 最後の洗浄後に、0.01μg/mlのTGF-ベータ-3を含む完全軟骨形性培地(Cambrex)に細胞を5×10(5)細胞/mlの濃度で再懸濁する。
4. 0.5mlの細胞を15mlのポリプロピレン培養管に分取する。細胞を150×gで5分間ペレット化する。ペレットを培地にそのまま放置する。
5. 粗密閉管を37℃、5%CO2で24時間インキュベートする。
6. 新たに調製された完全軟骨形性培地を2〜3日毎に細胞ペレットに供給する。
7. 低速渦流を用いて毎日撹拌することによってペレットの培地への懸濁を維持する。
8. 14〜28日の培養後に軟骨形性細胞ペレットを収穫する。
9. 軟骨形性を例えば好酸球基質の生成の観察、細胞形態の評価及び/又はコラーゲン2及びコラーゲン9遺伝子発現のRT/PCR確認によって特徴づける。
(6.3.4 骨細胞への分化の誘発)
骨形性分化を例えば以下のように遂行することができる。
1. 胎盤幹細胞の接着性培養物を15%臍帯血清が補充されたMSCGM(Cambrex)又はDMEMで培養する。
2. 培養物を組織培養フラスコで24時間培養する。
3. MSCGMを、0.1μMのデキサメタソン、0.05mMのアスコルビン酸-2-ホスフェート、10mMのベータグリセロホスフェートを含む骨形性誘発培地(Cambrex)と取り換えることによって骨形性分化を誘発する。
4. 骨形性誘発培地を2〜3週間にわたって3〜4日間毎に細胞に供給する。
5. カルシウム特異的染料及びRT/PCRを使用して、分化をアルカリホスファターゼ及びオステオポンチン遺伝子発現についてアッセイする。
(6.3.5 膵臓細胞への分化の誘発)
膵臓分化を例えば以下のように遂行することができる。
1. 胎盤幹細胞を塩基性線維芽細胞成長因子(10ng/ml)、ニコチンアミド(10mM)、B27(1X)、N2(1X)及び形質転換成長因子ベータ1(2ng/ml)が補充されたDMEM/20%CBSで培養する。CBSの代わりにノックアウト血清置換を用いることができる。
2. ネスチン陽性ニューロン細胞培養物の調整培地を50/50濃度で培地に添加する。
3. 3〜4日毎に再供給しながら、細胞を14〜28日にわたって培養する。
4. RT/PCRによるインシュリンタンパク質又はインシュリン遺伝子発現について検定することによって分化を特徴づける。
(6.3.6 心臓細胞への分化の誘発)
筋原(心原)分化を例えば以下のように遂行することができる。
1. 胎盤幹細胞をレチノイン酸(1μM);塩基性線維芽細胞成長因子(10ng/ml);及び形質転換成長因子ベータ-1(2ng/ml);及び上皮成長因子(100ng/ml)が補充されたDMEM/20%CBSで培養する。CBSの代わりにノックアウト血清置換(Invitrogen、Carlsbad、カリフォルニア)を用いることができる。
2. 或いは、胎盤幹細胞を50ng/mlのカルジオトロピン-1が補充されたDMEM/20%CBSで24時間培養する。
3. 或いは、胎盤幹細胞を無タンパク質培地に5〜7日間維持し、次いでヒト心筋抽出物で刺激する(増減投与分析)。心筋抽出物は、1gmのヒト心筋を1%の臍帯血清が補充された1%HEPES緩衝液にホモジナイズすることによって製造される。懸濁物を60分間インキュベートし、次いで遠心し、上澄を回収する。
4. 3〜4日毎に再供給しながら、細胞を10〜14日間培養する。
5. RT/PCRにより心臓アクチン遺伝子発現を実証することによって分化を確認する。
本発明は、本明細書に記載されている具体的な実施態様によってその範囲が限定されるものではない。実際、本明細書に記載されているもの以外の本発明の様々な変更が、先述の説明から当業者にとって明らかになるであろう。当該変更は、添付の請求項の範囲内に含まれることを意図する。
本明細書に引用されているすべての参考文献は、各々の刊行物、特許又は特許出願が、あらゆる目的のために具体的且つ個別的にその全体が参照により組み込まれていることを示すように、その全体が参照により、且つあらゆる目的のために同程度に本明細書に組み込まれている。
任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示を目的としており、本発明が、先行発明の効力により当該刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして捉えられるべきではない。
胎盤を灌流し、次いで灌流液を収集するための胎盤の血管及び動脈のカニューレ挿入の断面図である。 放血及び灌流胎盤の収集、固定、灌流、収集及び保存を示す概略図である。 放血及び灌流胎盤の収集、固定、灌流、収集及び保存を示す概略図である。 放血及び灌流胎盤の収集、固定、灌流、収集及び保存を示す概略図である。 放血及び灌流胎盤の収集、固定、灌流、収集及び保存を示す概略図である。 放血及び灌流胎盤の収集、固定、灌流、収集及び保存を示す概略図である。 バイオリアクターとしての使用のためのデバイスにおける灌流胎盤の断面概略図である。

Claims (137)

  1. 幹細胞を単離する方法であって、前記幹細胞と、アポトーシス阻害剤を含む溶液とを接触させること、及び前記幹細胞を単離することを含む、前記方法。
  2. 前記アポトーシス阻害剤がカスパーゼ阻害剤である、請求項1記載の方法。
  3. 前記アポトーシス阻害剤がc-Jun N末端キナーゼ(JNK)阻害剤である、請求項1記載の方法。
  4. 前記JNK阻害剤が前記単離前に前記幹細胞の分化又は増殖を調節しない、請求項3記載の方法。
  5. 前記幹細胞と、壊死を阻害する化合物とを接触させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記幹細胞を哺乳類胎盤、臍帯、胎盤血又は臍帯血から単離する、請求項1記載の方法。
  7. 前記幹細胞と酸素担持ペルフルオロカーボンとを接触させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  8. 前記幹細胞とプロテアーゼとを接触させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  9. 前記プロテアーゼがマトリックス金属プロテアーゼ又は中性プロテアーゼである、請求項8記載の方法。
  10. 前記マトリックス金属プロテアーゼがコラゲナーゼである、請求項9記載の方法。
  11. 前記中性プロテアーゼがサーモリシン又はジスパーゼである、請求項9記載の方法。
  12. 前記幹細胞と粘液溶解酵素とを接触させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  13. 前記粘液溶解酵素がヒアルロニダーゼである、請求項12記載の方法。
  14. 前記溶液が食塩水又は培地である、請求項1記載の方法。
  15. 前記溶液が、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノースをさらに含む、請求項1記載の方法。
  16. 前記溶液がUW溶液を含む、請求項1記載の方法。
  17. 前記幹細胞を前記組織の物理的破壊によって組織から単離する、請求項1記載の方法。
  18. 前記物理的破壊が前記組織の酵素消化を含む、請求項17記載の方法。
  19. 前記幹細胞を胎盤の少なくとも一部の物理的破壊によって胎盤から単離する、請求項6記載の方法。
  20. 前記物理的破壊が前記組織の酵素消化を含む、請求項19記載の方法。
  21. 前記幹細胞を前記哺乳類胎盤から単離し、前記哺乳類胎盤を灌流溶液で灌流することによって前記単離を行う、請求項6記載の方法。
  22. 検出可能な数の幹細胞を前記哺乳類胎盤から収集するのに十分な量及び時間で、哺乳類胎盤を前記灌流溶液で還流することによって前記灌流を行う、請求項21記載の方法。
  23. 前記哺乳類胎盤を前記灌流の前に放血させる、請求項21記載の方法。
  24. 前記灌流溶液を前記胎盤の臍帯動脈及び臍帯静脈の一方又は両方に流すことによって前記灌流を行う、請求項21記載の方法。
  25. 幹細胞の前記検出可能な数が、前記溶液で灌流されていない哺乳類胎盤から入手可能な幹細胞の数を有意に上回る、請求項22記載の方法。
  26. 前記灌流溶液が、0.9%NaCl溶液又はリン酸緩衝生理食塩水を含む、請求項21記載の方法。
  27. 前記灌流が、約mLから約10,000mLの前記灌流溶液を使用する、請求項21記載の方法。
  28. 前記灌流が、約750mLの前記灌流溶液を使用する、請求項21記載の方法。
  29. 前記灌流を複数回行う、請求項21記載の方法。
  30. 前記幹細胞を前記単離中に72時間未満の時間にわたって低酸素条件に曝し、低酸素条件が、正常な血液酸素濃度未満の酸素濃度である、請求項1記載の方法。
  31. 前記幹細胞を48時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す、請求項30記載の方法。
  32. 前記幹細胞を24時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す、請求項30記載の方法。
  33. 前記幹細胞を6時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す、請求項30記載の方法。
  34. 前記幹細胞を低酸素条件に曝さない、請求項30記載の方法。
  35. 前記幹細胞を前記単離中に剪断応力に曝さない、請求項1記載の方法。
  36. 前記JNK阻害剤がインダゾールである、請求項3記載の方法。
  37. 前記JNK阻害剤が以下の構造を有する、請求項3記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
    R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
    アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
    aは、1、2、3、4、5又は6であり;
    b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から独立に選択され;
    dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
    R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
    R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
    R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
  38. 前記JNK阻害剤が以下の構造を有する、請求項3記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
    アリール又はヘテロアリールであり;
    R2は、水素であり;
    R3は、水素又は低級アルキルであり;
    R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
    R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
    或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
    R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
    或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
    a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、0、1、2、3又は4から独立に選択され;
    cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
  39. 前記JNK阻害剤が以下の構造を有する、請求項3記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
    構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
    第1及び第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
    Figure 2009521931
    で表される基であり;
    R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
    R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
  40. 幹細胞と免疫調節化合物とを接触させることをさらに含む、請求項3記載の方法。
  41. 前記免疫調節化合物が、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;3-(4'-アミノイソリンドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3-アミノフタルイミド)グルタルイミドである、請求項40記載の方法。
  42. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項40記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキルである)。
  43. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項40記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
    R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
    R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
    R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;
    R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
    R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
    R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であり、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
    nは、0又は1であり;
    *は、キラル-炭素中心を表す)。
  44. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項40記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
    Rは、H又はCH2OCOR'であり;
    (i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
    R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
    R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
    R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し、
    R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
    R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
    *は、キラル-炭素中心を表す)。
  45. 前記溶液が血管拡張剤をさらに含む、請求項1記載の方法。
  46. 前記血管拡張剤が抗高血圧薬である、請求項45記載の方法。
  47. 前記血管拡張剤が、グアニリルシクラーゼ、ADP-リボシルトランスフェラーゼ又はシクロオキシゲナーゼを活性化させ、或いはリポキシゲナーゼを阻害する、請求項45記載の方法。
  48. 前記血管拡張剤が、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン放出ホルモン、ナトリウムニトロプルシド、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシン又は硫酸マグネシウムである、請求項45記載の方法。
  49. 前記ヒドララジンが約0.1mMから約10mMの濃度で存在する、請求項45記載の方法。
  50. 前記アデノシンが約0.001mMから約10.0mMの濃度で存在する、請求項45記載の方法。
  51. 前記アデノシン三リン酸が約0.1mMから約1000mMの濃度で存在する、請求項45記載の方法。
  52. 前記インドメタシンが約1mg/kgから約20mg/kgの濃度で存在し、「kg」が胎盤の重量である、請求項45記載の方法。
  53. 前記硫酸マグネシウムが約0.1mMから約20mMの濃度で存在する、請求項45記載の方法。
  54. 前記幹細胞がCD34+幹細胞である、請求項1記載の方法。
  55. 前記CD34+幹細胞がCD34+CD38-幹細胞である、請求項54記載の方法。
  56. 前記CD34+CD38-幹細胞が、帯血におけるCD34+CD38-細胞の割合と比較して、より高い割合の全有核細胞として胎盤灌流液に存在するCD34+CD38-幹細胞集団の一部である、請求項55記載の方法。
  57. 前記幹細胞がCD34-幹細胞である、請求項1記載の方法。
  58. 前記CD34-幹細胞が、さらに、HLA-G+又はCD200+である、請求項57記載の方法。
  59. 前記CD34-幹細胞が、さらに、OCT-4+、CD73+又はCD105+である、請求項58記載の方法。
  60. 生理的に許容し得る溶液にアポトーシス阻害剤及びプロテアーゼを含む組成物であって、幹細胞の集団と接触すると、組成物に接触しない幹細胞の集団と比較して前記幹細胞の集団におけるアポトーシスを低減又は防止し、天然組成物でない、前記組成物。
  61. 前記アポトーシス阻害剤がカスパーゼ阻害剤である、請求項60記載の組成物。
  62. 前記アポトーシス阻害剤がJNK阻害剤である、請求項60記載の組成物。
  63. 前記JNK阻害剤が前記幹細胞の分化又は増殖を調節しない、請求項62記載の組成物。
  64. 前記プロテアーゼが、そこから前記幹細胞を誘導できる組織の細胞を検出可能に分離させるのに十分な量で存在する、請求項60記載の組成物。
  65. 壊死阻害剤をさらに含む、請求項60記載の組成物。
  66. 前記壊死阻害剤が2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミドである、請求項65記載の組成物。
  67. 酸素担持ペルフルオロカーボンをさらに含む、請求項60記載の組成物。
  68. 前記生理的に許容し得る溶液が食塩水又は培地である、請求項60記載の組成物。
  69. 前記食塩水が0.9%NaCl溶液又はリン酸緩衝生理食塩水である、請求項68記載の組成物。
  70. 前記プロテアーゼがマトリックス金属プロテアーゼ又は中性プロテアーゼである、請求項60記載の組成物。
  71. 前記マトリックス金属プロテアーゼがコラゲナーゼである、請求項70記載の組成物。
  72. 前記中性プロテアーゼがサーモリシン又はジスパーゼである、請求項70記載の組成物。
  73. 粘液溶解酵素をさらに含む、請求項60記載の組成物。
  74. 前記粘液溶解酵素がヒアルロニダーゼである、請求項74記載の組成物。
  75. ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸及びラフィノーゼをさらに含む、請求項60記載の組成物。
  76. UW溶液をさらに含む、請求項60記載の組成物。
  77. 前記JNK阻害剤がインダゾールである、請求項60記載の組成物。
  78. 前記JNK阻害剤が、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物を有する、請求項60記載の組成物:
    Figure 2009521931
    (式中、
    Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
    R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
    アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
    aは、1、2、3、4、5又は6であり;
    b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
    dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
    R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
    R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
    R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
  79. 前記JNK阻害剤が、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物を有する、請求項60記載の組成物:
    Figure 2009521931
    (式中、
    R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
    アリール又はヘテロアリールであり;
    R2は、水素であり;
    R3は、水素又は低級アルキルであり;
    R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
    R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
    或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
    R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
    或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
    a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、0、1、2、3又は4から選択され;
    cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
  80. 前記JNK阻害剤が、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物を有する、請求項60記載の組成物:
    Figure 2009521931
    (式中、
    R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
    構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
    第1及び第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
    Figure 2009521931
    で表される基であり;
    R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
    R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
  81. 免疫調節化合物をさらに含む、請求項60記載の組成物。
  82. 前記免疫調節化合物が、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;3-(4'-アミノイソリンドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3-アミノフタルイミド)グルタルイミドである、請求項81記載の組成物。
  83. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項81記載の組成物:
    Figure 2009521931
    (式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキルである)。
  84. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項81記載の組成物:
    Figure 2009521931
    (式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
    R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
    R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
    R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;
    R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
    R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
    R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であり、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
    nは、0又は1であり;
    *は、キラル-炭素中心を表す)。
  85. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項81記載の組成物:
    Figure 2009521931
    (式中、
    X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
    Rは、H又はCH2OCOR'であり;
    (i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシであり、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
    R5は、水素、又は1個から8個の炭素を有するアルキルであり;
    R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
    R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
    R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し、
    R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
    R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
    *は、キラル-炭素中心を表す)。
  86. 前記灌流溶液が血管拡張剤をさらに含む、請求項60記載の組成物。
  87. 前記血管拡張剤が抗高血圧薬である、請求項86記載の組成物。
  88. 前記血管拡張剤が、グアニリルシクラーゼ、ADP-リボシルトランスフェラーゼ又はシクロオキシゲナーゼを活性化させ、或いはリポキシゲナーゼを阻害する、請求項86記載の組成物。
  89. 前記血管拡張剤が、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン放出ホルモン、ナトリウムニトロプルシド、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシン又は硫酸マグネシウムである、請求項86記載の組成物。
  90. 前記ヒドララジンが約0.1mMから約10mMの濃度で存在する、請求項89記載の組成物。
  91. 前記アデノシンが約0.001mMから約10.0mMの濃度で存在する、請求項89記載の組成物。
  92. 前記アデノシン三リン酸が約0.1mMから約1000mMの濃度で存在する、請求項89記載の組成物。
  93. 前記インドメタシンが約1mg/kgから約20mg/kgの濃度で存在し、「kg」が胎盤の重量である、請求項89記載の組成物。
  94. 前記硫酸マグネシウムが約0.1mMから約20mMの濃度で存在する、請求項89記載の組成物。
  95. 幹細胞集団を保存する方法であって、幹細胞集団と、アポトーシス阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボンとを接触させることを含み、前記アポトーシス阻害剤は、アポトーシス阻害剤と接触しない幹細胞集団と比較して、幹細胞集団におけるアポトーシスを低減又は防止するのに十分な量及び時間で存在する、前記方法。
  96. 前記アポトーシス阻害剤がカスパーゼ阻害剤である、請求項95記載の方法。
  97. 前記アポトーシス阻害剤がJNK阻害剤である、請求項95記載の方法。
  98. 前記JNK阻害剤が、前記幹細胞の分化又は増殖を調節しない、請求項97記載の方法。
  99. 前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンが、前記接触の前に単一の溶液に含められる、請求項97記載の方法。
  100. 前記接触の前に、前記JNK阻害剤が第1の溶液に含められ、前記ペルフルオロカーボンが第2の溶液に含められる、請求項97記載の方法。
  101. 前記溶液が、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノースをさらに含む、請求項95記載の方法。
  102. 前記幹細胞集団を壊死阻害剤と接触させることをさらに含む、請求項95記載の方法。
  103. 前記壊死阻害剤が2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミドである、請求項102記載の方法。
  104. 前記幹細胞集団を、前記保存中に、6時間未満の時間にわたって低酸素条件に曝し、低酸素条件が正常な血液酸素濃度未満の酸素濃度である、請求項95記載の方法。
  105. 前記幹細胞集団を、前記保存中に、2時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す、請求項95記載の方法。
  106. 前記幹細胞集団を、前記保存中に、1時間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す、請求項95記載の方法。
  107. 前記幹細胞集団を、前記保存中に、30分間未満の時間にわたって前記低酸素条件に曝す、請求項95記載の方法。
  108. 前記幹細胞集団を、前記保存中に、低酸素条件に曝さない、請求項95記載の方法。
  109. 前記幹細胞集団を、前記保存中に、剪断応力に曝さない、請求項95記載の方法。
  110. 前記溶液が、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノースをさらに含む、請求項99記載の方法。
  111. 前記第1の溶液が、ヒドロキシエチルデンプン、ラクトビオン酸アニオン及びラフィノースをさらに含む、請求項100記載の方法。
  112. 前記溶液がUW溶液を含む、請求項99記載の方法。
  113. 前記第1の溶液がUW溶液を含む、請求項100記載の方法。
  114. 前記幹細胞集団が、胎盤内に含まれる、又は胎盤から単離される、請求項95記載の方法。
  115. 前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンが、前記接触時に約0℃から約25℃である、請求項97記載の方法。
  116. 前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンが、前記接触時に約2℃から約10℃である、請求項97記載の方法。
  117. 前記JNK阻害剤及び前記ペルフルオロカーボンが、前記接触時に約2℃から約5℃である、請求項97記載の方法。
  118. 前記接触を前記幹細胞集団の輸送中に行う、請求項97記載の方法。
  119. 前記接触を前記幹細胞集団の凍結及び解凍中に行う、請求項97記載の方法。
  120. 前記JNK阻害剤が以下の構造を有する、請求項97記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
    R1は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換された
    アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
    aは、1、2、3、4、5又は6であり;
    b及びcは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、0、1、2、3又は4から選択され;
    dは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2であり;
    R3は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R4は、それぞれR3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR4は、ハロゲン又はヒドロキシであり;
    R5、R6及びR7は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されており;
    R8及びR9は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環又はヘテロシクロアルキルであり、或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し、R8、R9、並びに一緒になって複素環を形成するR8及びR9の各々は、R3から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されている)。
  121. 前記JNK阻害剤が以下の構造を有する、請求項97記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    R1は、R7から独立に選択される1から4つの置換基で場合により置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
    R2は、水素であり;
    R3は、水素又は低級アルキルであり;
    R4は、1から4つの随意の置換基を表し、各置換基は、同一又は異なっており、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシから独立に選択され;
    R5及びR6は、同一又は異なっており、独立に、-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9又は-(CH2)aSO2NR9R10であり;
    或いはR5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環又は置換複素環を形成し;
    R7は、それぞれ出現するごとに独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合した複素環であり;
    R8、R9、R10及びR11は、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに独立に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであり;
    或いはR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒になって、複素環を形成し;
    a及びbは、同一又は異なっており、それぞれ出現するごとに、0、1、2、3又は4から独立に選択され;
    cは、それぞれ出現するごとに、0、1又は2である)。
  122. 前記JNK阻害剤が以下の構造を有する、請求項97記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、R0は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NH又は-CH2-であり;
    構造(III)の化合物は、(i)非置換であり、(ii)一置換され、第1の置換基を有し、又は(iii)二置換され、第1の置換基及び第2の置換基を有し;
    第1及び第2の置換基は、存在する場合は、3、4、5、7、8、9又は10位に存在し、第1及び第2の置換基は、存在する場合は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、又は構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f):
    Figure 2009521931
    で表される基であり;
    R3及びR4は、一緒になって、アルキリデン又はヘテロ原子含有環式アルキリデンを表し、或いはR3及びR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルであり;
    R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル又はジ-アルキルアミノアルキルである)。
  123. 幹細胞と免疫調節化合物とを接触させることをさらに含む、請求項97記載の方法。
  124. 前記免疫調節化合物が、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;3-(4'-アミノイソリンドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3-アミノフタルイミド)グルタルイミドである、請求項123記載の方法。
  125. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項123に記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキルである)。
  126. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項123記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
    R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
    R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり;
    R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり;
    R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
    R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
    R6は出現するごとに、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であり、或いはR6基は、一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり;
    nは、0又は1であり;
    *は、キラル-炭素中心を表す)。
  127. 前記免疫調節化合物が、以下の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合物である、請求項123記載の方法:
    Figure 2009521931
    (式中、
    X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
    Rは、H又はCH2OCOR'であり;
    (i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、1個から4個の炭素原子を有するアルキル又は1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは、水素であり;
    R5は、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R6は、水素、1個から8個の炭素原子を有するアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
    R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
    R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値を有し、
    R8及びR9の各々は、互いに独立に、水素、又は1個から8個の炭素原子を有するアルキルであり、或いはR8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
    R10は、水素、から8個の炭素原子を有するアルキル、又はフェニルであり;
    *は、キラル-炭素中心を表す)。
  128. 前記JNK阻害剤が約0.5μMから約10μMの濃度で存在する、請求項3記載の方法。
  129. 前記JNK阻害剤が約0.5μMから約10μMの濃度で存在する、請求項62記載の方法。
  130. 前記JNK阻害剤が約0.5μMから約10μMの濃度で存在する、請求項97記載の方法。
  131. 前記プロテアーゼが約0.1mg/mLから約10mg/mLの濃度で存在する、請求項8記載の方法。
  132. 前記プロテアーゼが約0.1mg/mLから約10mg/mLの濃度で存在する、請求項60記載の方法。
  133. 前記粘液溶解酵素が約0.1mg/mLから約10mg/mLの濃度で存在する、請求項12記載の方法。
  134. 前記粘液溶解酵素が約0.1mg/mLから約10mg/mLの濃度で存在する、請求項73記載の方法。
  135. 前記免疫調節化合物が約0.5μMから約10μMの濃度で存在する、請求項40記載の組成物。
  136. 前記免疫調節化合物が約0.5μMから約10μMの濃度で存在する、請求項81記載の組成物。
  137. 前記免疫調節化合物が約0.5μMから約10μMの濃度で存在する、請求項123記載の組成物。
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