本発明は、発明者/出願人Christopher G.Neinerの1999年12月8日に出願された「CAN LID CLOSURE AND METHOD OF JOINING A CAN LID CLOSURE TO A CAN BODY」という名称の米国特許出願第09/456,345号、現在は米国特許第6,499,622号の継続出願であった2002年5月22日に出願された「CAN LID CLOSURE AND METHOD OF JOINING A CAN LID CLOSURE TO A CAN BODY」という名称の米国特許出願第10/153,364号、現在は米国特許第6,702,142号の継続出願である2004年1月7日に出願された「CAN LID CLOSURE AND METHOD OF JOINING A CAN LID CLOSURE TO A CAN BODY」という名称の米国特許出願第10/752,928号の一部継続出願であり、各関連出願は、すべての目的のために参照として本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般に容器、詳細には金属製飲料缶に関し、より詳細には金属製飲料缶に相互接続するように適合された金属製飲料缶端部栓に関する。
アルミニウム缶は主に、一般には個別に飲料を小売する容器として使用することができる。このような缶の年間売り上げは何十億にもなり、その設計は、何年にもわたってコストを低下させ性能を向上させるために改良されてきた。一般には、缶は引抜かれアイアニング加工された(drawn and ironed)単一の金属片から形成され、開放端部を有する。開放端部によって缶に飲料が充填され、缶蓋が開放端部の上に配置され、缶に飲料を包含し飲料の汚染を防ぐ目的で缶が封止される。いくつかの構成で缶は、缶蓋が封止される2つの開放端部を有する。
缶の製造におけるコストの削減は、材料の節約、スクラップの減少、製造率の向上により実現することができる。性能の向上は、より良好な密封、およびより高い最終圧力収容力などの本質的な機能性であり得る。このような改善により、より薄いシートメタル(sheet metal)を使用することができ、材料のコスト削減に直接つながる。性能の向上はまた、より簡単にプルタブに接触する、またはより注ぎやすい性質が可能になるように構成された缶端部など本質的に人間工学的であり得る。
一般に比較的薄いシートメタルから作成される飲料缶および端部は、漏出したり膨れたりすることにより缶が不良にならずに、100psi(90psiは産業上認可された条件である)に近い内部圧力に耐え得る必要がある。さらに、これらの構成要素は他の仕様および条件に適合しなければならない。例えば、缶を他の缶の頂部に容易に重ねることができるように、缶蓋の上部面は缶底部の下部面に入れ子式に重ね合わさるように構成されなければならない。缶蓋を缶本体に装着する前に出荷および輸送の目的で積み重ねられた構成で缶蓋自体を互いに入れ子式に重ね合わせることが望ましい。より少ない材料でこれら機能上の要件を満たすことが可能であることが引き続き缶製造の目標である。
材料のコストを削減する努力において、種々の独自の幾何学形状を有する多様な飲料缶蓋が開発されており、引き続き種々の産業上の要件に適合する缶蓋を作成している。例えば、米国特許第6,065,634号は、周辺カール部、外側に窪んだ環状補強ビード、中央パネルに垂直な軸に対して40°から60°の角度で傾けられ、周辺カール部と補強ビードとを接続する半円錐形のチャック壁、および環状補強ビードの内部に接続される中央パネルを有する、金属が削減された用途での缶蓋設計を記載する。米国特許第6,065,634号の缶蓋は、シーミングの際(during seaming)金属が変形することが多く、その結果より低い圧力で不良になりやすいことがわかっている。
その他の特許は、缶蓋の強度を向上させ材料コストを削減するために設計されたチャック壁および/または環状皿穴(annular countersink)の変形形態を有する缶蓋を開示する。これらの例は、参照により本明細書に組み込まれるNeinerの米国特許第6,499,622号、米国特許第6,561,004号および米国特許第6,702,142号を含む。皿穴領域を改善することにより、缶蓋をさらに改善するように試みる別の継続中の出願は、Nguyen等の米国出願公開番号第20030173367号である。
また、環状の皿穴と中央パネルの間に構造体を使用する種々の他の出願がある。このような設計の例は、米国特許第5,149,2358号、米国特許第4,832,223号、米国特許第4,796,772号、米国特許第4,991,735号および米国特許第4,577,774号、再発行特許第RE33,217号、欧州特許出願第EP 0103074号、ドイツ特許第DE 29906170号および日本国特許出願第2002−178072号を含む。
環状の皿穴と中央パネルの間に構造体を使用する従来技術の缶蓋構造の一例が図1に記載されている。図面の図1を参照すると、参照番号100が、環状の皿穴と中央パネルの間にステップ部を有する缶蓋を全体的に示している。缶蓋100は、周辺カール部108と、チャック壁114と、環状皿穴112と、中央パネル110と、第1ステップ部116と、移行部118と、第2ステップ部120と、第3ステップ部122とを備える。また用語「マイナスの窪み」(negative concavity)は、缶蓋の底部に向かう「下」方向の窪みに関し、用語「プラスの窪み」(positive cavity)は、「上」方向の窪みに関することに留意されたい。
缶蓋100は、中央パネル110を有し全体的に円形の形状であり、また中央でほぼ円形の形状を有する。缶蓋100の外側周辺縁部に沿って、缶本体(図示せず)と二重シーミングを形成するために使用される周辺カール108部がある。周辺カール部108にすぐ隣接して、缶蓋100の中央に向かって半径方向内側に延在し、周辺カール部108より低い深さまで下方に移行するチャック壁114がある。チャック壁114に隣接して、曲率半径ra1を有しプラスの窪みを備える環状皿穴112が形成され、缶蓋100の最低の深さは環状皿穴112の頂部に位置する。
環状皿穴112が頂部から上方ならびに半径方向内側に移行する際、移行部118が使用される。曲率半径ra2およびマイナスの窪みを有する第1ステップ部116が環状皿穴112とステップ部118の間に形成される。ステップ部118の深さから中央パネル110まで滑らかに移行するために、曲率半径ra3およびプラスの窪みを有する第2ステップ部120、および曲率半径ra4およびマイナスの窪みを有する第3ステップ部122が使用される。
環状の皿穴と中央パネルの間に構造体を使用する従来技術の缶蓋構成の別の例が図2に記載されている。図面の図2を参照すると、参照番号200が、環状の皿穴と中央パネルの間に移行部および隆起ビードを有する缶蓋を全体的に示している。缶蓋200は、周辺カール部108と、チャック壁114と、環状皿穴112と、中央パネル110と、第1ステップ部216と、移行部214と、第2ステップ部220と、隆起ビード222と、第3ステップ部224とを備える。
缶蓋200は、中央パネル110を有し全体的に円形の形状であり、また中央でほぼ円形状を有する。缶蓋200の外側周辺縁部に沿って、缶本体(図示せず)と二重シーミングを形成するために使用される周辺カール108部がある。周辺カール部108にすぐ隣接して、缶蓋200の中央に向かって半径方向内側に延在し、周辺カール部108より低い深さまで移行するチャック壁114がある。チャック壁114に隣接して、中央パネル110に平行な比較的平坦な底部を有する環状皿穴112が形成され、缶蓋200の最低の深さは環状皿穴112の底部に位置する。
環状皿穴112が頂部から上方ならびに半径方向内側に移行する際、移行部214が使用される。環状皿穴112と移行部214の間に、曲率半径rb1およびマイナスの窪みを備える第1ステップ部216が形成される。移行部214は、中央パネル110とほぼ等しい深さである。曲率半径rb2およびプラスの窪みを有する第2ステップ部220が、移行部214と、曲率半径rb3を有しマイナスの窪みを備え中央パネル110を超える高さの隆起ビード222との間に配置される。隆起ビード222から中央パネル110まで滑らかに移行するために、曲率半径rb4およびプラスの窪みを有する第3ステップ部224が使用される。
環状の皿穴と中央パネルの間に構造体を使用する従来技術の缶蓋構造のさらに別の例が図3に記載されている。図面の図3を参照すると、参照番号300が、環状の皿穴と中央パネルの間に傾斜(bevel)を備えたステップ部を有する缶蓋を全体的に示している。缶蓋300は、周辺カール部108と、チャック壁114と、環状皿穴112と、中央パネル110と、ステップ部316とを備える。
缶蓋300は、中央パネル110を有し全体的に円形の形状であり、また中央でほぼ円形の形状を有する。缶蓋300の外側周辺縁部に沿って、缶本体(図示せず)と二重シーミングを形成するために使用される周辺カール108部がある。周辺カール部108にすぐ隣接して、缶蓋300の中央に向かって半径方向内側に延在し、周辺カール部108より低い深さまで移行するチャック壁114がある。チャック壁114に隣接して、缶蓋100の頂部に対してプラスの窪みを備え曲率半径rc1を有する環状皿穴112が形成され、缶蓋300の最低の深さは環状皿穴112の頂部に位置する。
環状皿穴112が頂部から上方ならびに半径方向内側に移行する際、環状皿穴112と中央パネル110の間に曲率半径rc2を有しマイナスの窪みを備えるステップ部316が形成される。さらに、ステップ部316の外面上で傾斜縁部318が使用される。
環状の皿穴と中央パネルの間に構造体を使用する従来技術の缶蓋構造の最後の例が図4に記載されている。図面の図4を参照すると、参照番号400が、環状の皿穴と中央パネルの間に隆起ビードを有する缶蓋を全体的に示している。缶蓋400は、周辺カール部108と、チャック壁114と、環状皿穴112と、中央パネル110と、隆起ビード416と、ステップ部418とを備える。
缶蓋400は、中央パネル110を有し全体的に円形の形状であり、また中央でほぼ円形状を有する。缶蓋400の外側周辺縁部に沿って、缶本体(図示せず)と二重シーミングを形成するために使用される周辺カール108部がある。周辺カール部108にすぐ隣接して、缶蓋400の中央に向かって半径方向内側に延在し、周辺カール部108より低い深さまで移行するチャック壁114がある。チャック壁114に隣接して、缶蓋400の頂部に対してプラスの窪みを備え曲率半径rd1を有する環状皿穴112が形成され、缶蓋400の最低の深さは環状皿穴112の頂部に位置する。
環状皿穴112が頂部から上方ならびに半径方向内側に移行する際、隆起ビード416が使用される。隆起ビード416は、曲率半径rd2を有しマイナスの窪みを備え、隆起ビード416の頂部は中央パネル110を超える高さである。曲率半径rd3およびプラスの窪みを有する移行部418は、隆起ビード416を中央パネル110に結合する。
これらの種々の設計はそれぞれ、製造の難しさ、内部圧力への非耐容性、コストなどの一部の特定の問題を呈する。したがって従来の、すなわち従来技術の缶蓋に関連する問題の少なくともいくつかに対処し、材料コストを削減し、さらに内部圧力に耐えることができるより優れた缶蓋を提供する方法および/または装置に対する要求がある。
発明の要約
本発明は缶本体用の蓋を提供する。具体的には蓋は、蓋の外縁の直径に垂直な中央軸を有する中央パネルを備え、この中央パネルの高さは中央軸に相対する半径方向の距離の関数として変化する。マイナスの窪みを有し約0.015インチより小さい曲率半径を有する第1ステップ部が、中央パネルから半径方向外側に延在する。プラスの窪みを有し約0.015インチより小さい曲率半径を有する第2ステップ部が、第1ステップ部から半径方向外側に延在する。そこから、傾斜内壁の各端部を通って延在するラインから中央軸に対して約50°より小さい角度を有する傾斜内壁が、第2ステップ部から半径方向外側に延在する。さらに、環状皿穴部が中央パネルから半径方向外側に延在し、チャック壁が環状皿穴から延在する。最後に、周辺カール部がチャック壁から半径方向外側に延在する。
本発明の別の実施形態において、チャック壁はさらに、いくつかの他の特徴を有する。詳細には、アーチ部が環状皿穴から半径方向外側に延在し、これは半径が約0.5インチより小さく中央地点が蓋の表面より下にあることを特徴とし、アーチ部の端部を通るラインは、中央パネルの中央軸に対して約20°から約80°の角度である。さらにアーチ部から半径方向外側に延在し、半径が少なくとも0.010インチであり中央地点が蓋の表面より上にあることを特徴とする第3ステップ部が形成される。また第1移行部がステップ部から半径方向外側に延在し、これは概ね半円錐形であり、少なくとも約15°であり約25°より小さい角度で中央軸に対して傾斜している。第2移行部は第1移行部から半径方向外側に延在し、これは半径が少なくとも0.020インチであり中央地点が蓋の表面より下にあることを特徴とする。
本発明のさらに別のいくつかの他の実施形態において、傾斜内壁の端部を通るラインは、中央パネルの中央軸に対して、一実施形態においては約25°から約35°の角度であり、別の実施形態においては約30°の角度である。
本発明の別の実施形態において、第1ステップ部は、約0.010インチの曲率半径を有する。
本発明の別の実施形態において、第2ステップ部は、約0.010インチの曲率半径を有する。
本発明のさらに別の実施形態において、中央パネルは実質的にドーム形またはアーチ形である。
別の実施形態において、中央パネルの直径は約1.4インチから約2.0インチであり、環状皿穴の高さは約0.030から約0.115インチである。
本発明はまた、蓋の外縁の直径に対して垂直である中央軸を有する中央パネルを有する缶蓋に缶本体を接合する二重シーミングを形成する方法を提供し、中央パネルは中央軸に対する半径方向の距離に対して可変の高さを有し、第1ステップ部が中央パネルから半径方向外側に延在し、第2ステップ部が第1ステップ部から半径方向外側に延在し、傾斜内壁が第2ステップ部から半径方向外側に延在し、傾斜内壁の各端部を通って延在するラインから中央軸に対して約50°より小さい角度を有し、環状皿穴部が中央パネルから半径方向外側に延在し、チャック壁がアーチ形ステップ部および移行部を有し、チャック壁が環状皿穴から半径方向外側に延在し、周辺カール部がチャック壁から半径方向外側に延在し、缶本体が缶本体フランジを有する。方法は、缶本体をベース板上に支持すること、および缶本体フランジ上に移行部が載ったまま缶本体上に缶蓋を配置することとを含む、または有する。配置された後、弓状ステップ部が変形されないまま環状皿穴に接触するために、缶蓋をチャックに係合するようにチャックが設けられる。缶および蓋組立体は次に、中間周辺シーミングを形成する目的で周辺カールと缶本体フランジを一緒に丸めるためにチャックを使用して回転され、二重シーミングを形成するために中間周辺シーミングをチャックに対して押し付ける。
本発明の代替の実施形態において、缶本体に対して別の蓋が設けられる。この蓋と共に、前記蓋の外縁の直径に対して垂直である中央軸を有する中央パネルがある。傾斜内壁の各端部を通って延在するラインから前記中央軸に対して約50°より小さい角度を有する傾斜内壁が、前記中央パネル部から半径方向外側に延在する。環状皿穴部が前記傾斜内壁から半径方向外側に延在する。また前記環状皿穴から半径方向外側に延在するチャック壁が形成される。周辺カール部がそこから半径方向外側に延在する。
また本発明のいくつかの他の付加的実施形態が提供されており、すなわち各端部のステップ部および第1ステップ部が、前記中央パネルから半径方向外側に延在しマイナスの窪みおよび約0.015インチより小さい半径曲率を有し、第2ステップ部が、前記傾斜内壁から半径方向外側に延在し、マイナスの窪みを有して約0.015インチより小さい半径曲率を有する。
以下の本発明の詳細な説明をさらによく理解することができるように、上記は、本発明の特徴および技術的利点をむしろ広範に概略してきた。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明のさらなる特徴および利点を以下に記載する。本発明と同様の目的を実現するために、修正または他の構造体を設計するための基本として、開示される概念および特定の実施形態を容易に使用することができることを当業者は理解するべきである。このような均等な構造物は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱しないことを当業者は理解するべきである。
添付の図面は、本発明の説明を助けるために、明細書に組み込まれその一部を形成する。図面は例示のためのものにすぎず、本発明の実施形態の正確な描写を意図するものではない。図面はさらに、発明がいかに作成され使用されるかの好ましい例を示し、本発明を例示し記載する例にのみ限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の様々な利点および特徴は、図面を理解することから明らかになるであろう。
本発明がいかに作成され使用することができるかの例の図面を参照して、本発明を以下の本文に記載する。図面は、例示のためのものにすぎず、必ずしも本発明の実施形態の正確な縮尺を描写するものではない。これら図面において、同一の参照符号は、同様のまたは対応する部分を示す目的で図面を通して使用されている。本明細書で示され記載される実施形態は例示である。多くの詳細が当技術分野でよく知られており、したがって示したり記載したりしない。示され記載される詳細、部分、要素またはステップは、本明細書で考案されたことを主張しない。本発明の多くの特徴および利点を図面および添付の本文中で記載してきたが、記載は例示のためのものにすぎず、本発明の原理内で特許請求の範囲で使用される用語の広範で一般的な意味によって示される全範囲に対して、特に部品の配置、形状およびサイズの要素に変更を行うことができる。蓋の記載において与えられる寸法は設計寸法であり、本発明により製造される蓋の実際の寸法は設計寸法とはわずかに異なる場合がある。本文書中で使用される用語「半径方向外側に延在する」「半径方向内側に延在する」、「半径方向下方に延在する」および「半径方向上方に延在する」は、一部品または一部が参照される別の部分から記載の方向に延在することを意味する。しかしながら、部品は必ずしも互いに接合または接続されず、記載される部分の間に、いずれも示され記載されない他の部品または部分があってよい。用語「接合される」または「接続される」が本文書中で使用されるとき、これらの用語は通常の意味を有する。本文書中で使用される用語「上(up)」は、見下ろすと飲料缶の頂部上に缶蓋が見えるなど、缶蓋がタブを備えて平坦な面の頂部から外方に向いて平坦な面上に配置される際、現れる缶蓋を参照するのに使用される。さらに用語「マイナスの窪み」は、缶蓋の底部の「下」方向の窪みに関し、「プラスの窪み」は、「上」方向の窪みに関する。
図5Aおよび5Bは、本発明の現在の好ましい実施形態の例示である缶蓋510の一部の横断面図である。缶蓋510は、中央パネル512と、ステップ部552と、ステップ部516と、傾斜内壁518と、環状皿穴522と、アーチ部すなわちアーチ形チャック壁532と、ステップ部534と、移行部536と、ステップ部537と、周辺カール部538とを備える。さらに環状皿穴522は、外壁528と、湾曲した底部524と、内壁520とを備える。
缶蓋510は好ましくはシートメタルから形成されるが、他の材料も使用することができる。典型的には、アルミニウム合金5182などアルミニウム合金が使用される。シートメタルは典型的には約0.007から約0.010インチの厚みである。シートメタルは少なくとも片側をコーティング(図示せず)で覆われてよい。このコーティングは通常、缶の内側を形成する方のシートメタルの片側に設けられる。当業者は本明細書に記載される缶蓋を形成する方法に十分に精通しているであろう。
缶蓋510は中央パネル512を有する。中央パネル512は全体的に円形状であるが、意図的に非円形であってよい。中央パネル512は、約1.3から約2.0インチの直径d1を有する。中央パネル512は全体的に峰のあるまたはドーム型で示されるが、同様に概ね平坦な形状を有してよく、必ずしも示される峰のあるまたはドーム型の構造に限定されない。中央パネル512は、缶蓋510の外縁の直径d2または周辺カール部538に対して垂直である中央軸514を有する。直径d2は、約2.25から2.50インチであり、好ましい直径は2.34インチである。中央パネル512の直径d1は好ましくは、外縁の直径d2の80%を超えない。
中央パネル512の外径d1の周囲には、約0.0060から約0.015インチの曲率半径r1有し、より低い深さへ移行することができるマイナスの窪みを備えたステップ部552がある。約0.010から約0.015インチの曲率半径r2を有し、より低い深さへ移行することができるプラスの窪みを備えたステップ部516が、ステップ部552に隣接する。
ステップ部516および522の底部から下がると、傾斜内壁518がある。具体的には、曲率半径r3を有しマイナスの窪みを備える、傾斜内壁518のステップ部556にステップ部516の一端が装着され、環状皿穴522の内壁520が、曲率半径r4を有しマイナスの窪みを備える、傾斜内壁518のステップ部554に装着される。傾斜内壁518は好ましくは直線、または平坦な傾斜内壁518であるが、マイナスまたはプラスの窪みを備えるアーチ形壁を有することができる。しかしながらいずれの場合においても、ステップ部556とステップ部554の間に、中央パネル512の中央軸514に対して約15°から約50°の鋭角a1を形成する直線を引くことができる。
具体的には一構成においてステップ部554は、内壁520から傾斜内壁518の残りの部分へ半径方向内側に延在し、曲率半径r3は約0.006から約0.03インチである。さらにステップ部554は、傾斜内壁518から半径方向内側に延在し、曲率半径r4は約0.006から約0.03インチである。したがって傾斜内壁518は、一組の湾曲した接合部またはステップ部を含む面で形成することができ、傾斜内壁518の残りの部分は、その間に直線状すなわち接線方向に延在するが、均一な湾曲部またはほぼ均一な湾曲部を形成する完全なアーチ形傾斜内壁518を有する代替の構成も可能である。
離間され湾曲底部524から半径方向外側に延在する内壁520および外壁528から環状皿穴522が、形成される。内壁520および外壁528は概ね平坦であり、互いにおよび中央軸514に対して平行であり得るが、その片方または両方が約15°ほどの角度だけそれる場合がある。底部524は好ましくは曲率半径r4を有しプラスの窪みを備える。曲率半径r4は約0.009から約0.030インチである。中央パネル512は、約0.05から約0.15インチの深さh1を有する。環状皿穴522の底部524はまた、平坦な部分から半径方向外側に延在する異なる内側および外側半径を備えて形成することができる。
傾斜内壁518、ステップ部516およびステップ部522の配置を含む特定の構成により、中央パネル512をより容易に曲げるまたはドーム型にすることが可能になる。図1に見ることができるように、従来、すなわち従来技術の缶蓋は一般に、図1の中央パネル110などの中央パネルを使用し、これは中央パネル512の均一な深さh1を使用する。本発明によって示される中央パネル518では、深さh2は、中央軸514から半径方向の距離の関数として可変であり、概ねマイナスの窪みの形状を有する。この構成により、いくつかの既存の問題を有することなく、蓋に使用される金属の量を削減することが可能になる。具体的にはマイナスの窪んだ中央パネル512を使用することで缶の内部容積が増加し、これにより内部圧力を減少させ、缶蓋510内で早すぎるまたは予想しないシーミングの不良が起こる可能性を低減するために張力を下げることができる。さらに、プラスの窪みの形状を有する中央パネル514も可能であるが、好ましくはない。
環状皿穴522と中央パネル512の間で使用される特定の構造体に加えて、外壁528は、シーミング動作中チャック544が缶蓋510の内部に接触する2つの地点の一方である第2チャック接触部550を含み、他方の接触地点は移行部536である。アーチ部532は、外壁528から半径方向外側および上方に延在する。アーチ部532は、マイナスの窪みを備え約0.100から約0.300インチの曲率半径r5を有して示されている。曲率半径r5の好ましい設計パラメータは、0.0185インチである。湾曲した接合部530の終点付近のアーチ部532の最も内側の端部、およびステップ部534の始点付近のアーチ部532の最も外側の端部を通るラインが、中央パネル512の中央軸514に対して鋭角を形成するように、アーチ部532が構成される。この鋭角は、約20°から約80°である。好ましい蓋の設計は、約50°の角を使用する。
ステップ部534は、アーチ部532から半径方向外側に延在する。ステップ部534は好ましくは、プラスの窪みを備え約0.02インチから約0.06インチの曲率半径r6を有して湾曲する。曲率半径r6に対する現在の蓋の設計パラメータは、0.0446インチである。
第1移行部536が、ステップ部534から半径方向上方にわずかに外側に延在する。第1移行部536は、中央パネル512の中央軸514に対して角度a2を形成する。この角度は約15°から約25°である。図6に示すように、角度a2は、角度a3より大きくなるようになされ、これは中央軸514に対して測定される。角度a3は好ましくは、シーミング動作の後缶をチャック544から取り外すのを助けるために、少なくとも約2°であり、好ましくは約8°より小さい。角度a3に対する現在の設計パラメータは、約4°である。
図6は、缶本体540の上、詳細には缶本体540のフランジ542の上に載る缶蓋510を示す。フランジ542の半径r6は、ステップ部536の半径(図示せず)よりわずかに小さい。フランジ半径r6および移行部半径がかなり近いことから、シーミングるために蓋が容易に缶の上で中央に集まる。缶本体は、約2.051から約2.065インチであり、目標とする直径が約2.058インチである内側ネック直径d3を有する。
缶蓋510と併用するチャック544の機能上の目的は、缶フランジ542と周辺カール538の間に二重シーミングを形成することである。これは、チャック544を回転させ、その結果缶フランジ542の下で周辺カール538が丸められ、缶本体540に対して周辺カール538を押し付けることができることによって実現する。したがって図8に示されるように二重シーミング554bを形成することができる。
図7は、出荷、包装およびシーミング装置に送るために複数の缶蓋510aおよび510bを積み重ねる方法を示す。周辺カール538aの下側は、隣接する缶蓋510bの周辺カール538bの上方部を支える。缶蓋510aは担持され、プルタブ(図示せず)の厚みを収容するのに十分な高さh3だけ缶蓋510bから離れている。このように、缶蓋510はコンパクトに効率良く出荷され、機械化されたシーミング作動での弾倉式に送るためにより容易に配置される。
図8は、本発明により閉鎖および密封され充填された缶564aを同様の充填された缶564bの上に積み重ねる方法を示す。スタンドビード566aは二重シーミング554bの上に載っている。
図9は、チャック544の図6に示さ上述した部分を示し、また上方半円錐部546、下方湾曲部580および移行部582のより詳細な図を提供する。具体的には、上方半円錐部546および下方カール部580は、移行部563およびステップ部534のための接触部を形成し、周辺カール538は、缶フランジ542の下で丸められ缶本体540に対して押し付けられる。さらに移行部582は、シーミング動作中チャック壁532に接触しないように設計される。
さらに、傾斜内壁518など傾斜内壁を含むことができる他の構成がある。図面の図10を参照すると、傾斜内壁518を使用する缶蓋510の本発明の第2の実施形態が記載されている。この特定の実施形態は、傾斜内壁518と中央パネル512の間に介在する複数の構造体がない点で図5のものとは異なる。
図5と同様に、中央パネル512は全体的に円形状であるが、意図的に非円形でもよい。中央パネル512は約1.3から約2.0インチの直径d1を有してよい。さらに缶蓋510のほぼ中央に位置する中央軸514は、缶蓋510の外縁の直径d1に対して垂直である。しかしながら、図5と比較して中央パネル512は、比較的均一な深さd1を備えほぼ平坦な形状を有するように示されるが、ドーム型またはアーチ型形状を有することもできる。
中央パネル512の外径d1の周囲には、約0.0060から約0.015インチの曲率半径r4を有し、より低い深さへ移行することができるマイナスの窪みを備えるステップ部556がある。ステップ部556は傾斜内壁518に隣接する。ステップ部556の底部から下がると傾斜内壁518がある。傾斜内壁518は好ましくは直線すなわち平坦であるが、マイナスまたはプラスの窪みを備えたアーチ形の壁であってもよい。傾斜内壁518の端部にはステップ部554がある。ステップ部554は、傾斜内壁518と皿穴522の間に位置し、約0.0060から約0.015インチの曲率半径r4を有しマイナスの窪みを備える。したがって、ステップ部556とステップ部554の間に、中央パネル512の中央軸514に対して約15°から約50°の鋭角a1を形成する直線を引くことができる。
この構成により、従来の缶蓋を超える種々の利点がある。したがって具体的には、この特定の構成により缶蓋510の製造中に使用される金属の量を実質的に削減することが可能であり、結果として製造コストの低下につながる。さらに、傾斜内壁518を使用することは、中央パネル512内の張力を減少させる助けとなり、これは缶蓋510の構造上の完全性を向上させ、不良の可能性を低減する。
上記の特定の例の限定的記載および図面は、この特許の侵害となりうるものを指摘するのではなく、本発明をどのように使用し作成するかの少なくとも一つの説明を提供するためのものである。本発明の限定および本特許の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定されこの中で定義される。
したがって、本発明を特定の好ましい実施形態を参照して記載してきたが、開示された実施形態は、本質的に例示であり限定するものではなく、上記の開示に広範な変形、修正、変更および代替が企図され、例えば、対応する他の機能を使用せずに本発明のいくつかの機能を利用することができることに留意されたい。当業者は、上記の好ましい実施形態を再検討することによりこのような多くの変形形態および修正形態を明確で望ましいとみなすことができる。したがって添付の特許請求の範囲は広範に、また本発明の範囲と一致するように解釈されるべきであることを理解されたい。
環状皿穴と中央パネルの間にステップ部を有する従来、すなわち従来技術の缶蓋の一部の横断立面図である。
環状皿穴と中央パネルの間にステップ部と、隆起ビードとを有する従来、すなわち従来技術の缶蓋の一部の横断立面図である。
環状皿穴と中央パネルの間のステップ部に傾斜縁部を有する従来、すなわち従来技術の缶蓋の一部の横断立面図である。
環状皿穴と中央パネルの間に隆起ビードを有する従来、すなわち従来技術の缶蓋の一部の横断立面図である。
本発明により構築された缶蓋の一部の横断立面図である。
本発明により構築された缶蓋の一部の横断立面図である。
二重シーミングを形成する前、缶本体上の図5による缶蓋の一部の横断立面図である。
本発明により構築されるシーミングに先立ち、図5の缶蓋を積み重ねる方法の横断立面図である。
本発明の図5による充填された缶を積み重ねる方法の横断立面図である。
図5の缶蓋を缶本体にシーミングるのに使用されるチャックの横断立面図である。
図5の缶蓋の第2の実施形態の横断立面図である。