JP2009281541A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力軸の作動を妨げることなく、平衡室に封入された非圧縮性流体等の異物がアクチュエータの内部に侵入するのを防いで、目的とする防振性能を安定して維持することが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【解決手段】アクチュエータ62の出力軸106の外周側において、アクチュエータ62から可動弁体60側に向かって延び出す堰状筒体118を形成すると共に、可動弁体60の外周部分には、堰状筒体118よりも大径の囲繞筒体120をアクチュエータ62側に向かって延び出すように形成して、囲繞筒体120を堰状筒体118の外周側を取り囲むように配置してそれら堰状筒体118と囲繞筒体120を内外挿状態で重ね合わせた。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づく防振効果を利用する流体封入式防振装置に係り、特に外部からの通電によって入力振動に応じて防振特性を切り換えることが出来る流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に弾性連結乃至は弾性支持せしめる防振装置の一種として、流体封入式防振装置が提案されており、自動車のエンジンマウントやメンバマウント,サブフレームマウント等への適用が検討されている。即ち、流体封入式防振装置は、振動入力に際して内圧変動が生ぜしめられる受圧室と容積変化が許容される平衡室が内部に形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されている。更に、受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されており、オリフィス通路を通じて受圧室と平衡室の間で流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、目的とする防振効果が発揮されるようになっている。
ところで、このような流体封入式防振装置においては、オリフィス通路が予めチューニングされた周波数域の振動入力に際して、流体の流動作用に基づく優れた防振効果が発揮される一方、オリフィス通路のチューニング周波数を外れた周波数域の振動入力に際して、目的とする防振効果を得ることが難しいという問題があった。特に、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数の振動入力時には、流体の反共振的な作用によってオリフィス通路が実質的に遮断されることから、著しい高動ばね化による防振性能の大幅な低下を避け難かった。
このような問題を解決する一つの手段として、例えば、特許文献1(特開平10−267072号公報)等では、アクチュエータによって可動弁体を往復駆動せしめることで流体流路を連通状態と遮断状態に切り換えて、入力振動の周波数に応じて防振特性を切り換えるようにした切換型の流体封入式防振装置が提案されている。なお、可動弁体の往復作動を実現するためのアクチュエータとしては、内蔵された駆動回路への通電によって作動する電気式のアクチュエータが一般的に採用されている。
ところで、従来構造の流体封入式防振装置において、アクチュエータは、内部に非圧縮性流体が封入された平衡室に対して、可撓性膜を挟んで反対側に配置されていると共に、外側をケース金具やカバー金具、ブラケット部材等によって覆われていることから、封入流体および外部からの異物がアクチュエータの内部に侵入することは殆どないものと考えられており、それらの浸入を防ぐための特別なシール構造は設けられていなかった。特に、可動弁体に連結されるアクチュエータの出力軸の周囲には、出力軸の駆動を妨げないために隙間が設けられており、かかる隙間を通じてアクチュエータの内部が外部空間に連通されていた。
しかしながら、本発明者の検討によれば、このような液体等の内部への侵入を想定していない従来構造のアクチュエータを流体封入式防振装置に適用すると、アクチュエータの故障に起因して流体封入式防振装置の耐久性を充分に確保できないおそれがある。例えば、可撓性膜に小さな亀裂や孔等の損傷が生じた場合においては、平衡室に封入された非圧縮性流体が損傷箇所を通じて漏れ出すこととなるが、封入流体の漏出量が少なければ、流体封入式防振装置の防振特性に対する影響が抑えられて、目的とする防振性能を維持し得る。ところが、漏出した非圧縮性流体が出力軸の周囲に形成された隙間を通じてアクチュエータの内部に容易に侵入可能な構造となっていると、少量の非圧縮性流体の漏れによってアクチュエータに内蔵された駆動回路等がショートしてアクチュエータが故障するおそれがある。その結果、アクチュエータの故障によって流体封入式防振装置全体が目的とする防振性能を実現し得なくなってしまうという問題があった。特に、封入流体が漏れて駆動回路等の電気回路へ侵入すると、電気回路の短絡等によって回路の損傷だけでなく発熱等の問題が発生するおそれもある。
なお、アクチュエータの内部に水等が浸入するのを防ぐ手段としては、例えば、ゴムリング等のシール部材をアクチュエータの出力軸とアクチュエータのハウジング(中間蓋板)との間に配設して、出力軸の周囲に形成される隙間を流体密に遮断してシールすることも考えられるが、このようなゴムリング等によるシール構造を用いると、出力軸の駆動に際して摩擦抵抗が大きくなってしまい、大出力の動力源が必要となったり、電力消費量が増加するという問題があり、実用的であるとは言い難かった。
特開平10−267072号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、出力軸の作動を妨げることなく、平衡室に封入された非圧縮性流体等の異物がアクチュエータの内部に侵入するのを防いで、目的とする防振性能を安定して維持することが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室を流体流路によって相互に連通する一方、可撓性膜を挟んで平衡室と反対側に可動弁体を設けると共に、可動弁体を挟んで可撓性膜と反対側には可動弁体に向かって突出する出力軸を備えたアクチュエータを配設して、アクチュエータに内蔵された駆動回路に対して通電することによりアクチュエータの出力軸を介して可動弁体に駆動力を伝達して、可動弁体の往復作動によって可撓性膜を流体流路の開口部に対して当接および離隔せしめて流体流路を連通状態と遮断状態に切り換えるようにした流体封入式防振装置において、出力軸の外周側においてアクチュエータから可動弁体側に向かって延び出す堰状筒体を形成すると共に、可動弁体の外周部分には堰状筒体よりも大径の囲繞筒体をアクチュエータ側に向かって延び出すように形成して、囲繞筒体を堰状筒体の外周側を取り囲むように配置してそれら堰状筒体と囲繞筒体を内外挿状態で重ね合わせたことを特徴とする。
このような本発明に従う構造の流体封入式防振装置においては、出力軸の外周側に堰状筒体を形成することによって、平衡室に封入された流体が、可撓性膜の損傷等によって、アクチュエータに対して降り懸かった場合にも、該流体が堰状筒体によって堰き止められて、出力軸の周囲の隙間からアクチュエータの内部に浸入するのを防ぐことが出来る。その結果、流体の浸入に起因するアクチュエータの故障を回避することが出来て、目的とする防振性能を安定して維持することが出来る。
さらに、可動弁体の外周縁部に囲繞筒体が形成されており、囲繞筒体が堰状筒体に対して外挿状態で重ね合わされている。これにより、堰状筒体の突出先端側の開口部が可動弁体によって覆われており、平衡室から漏れ出した流体が堰状筒体の内周側に対して直接的に入り込むのを防ぐことが出来る。しかも、可動弁体に降り懸かった非圧縮性流体は、囲繞筒体によって堰状筒体よりも外周側に案内されることから、堰状筒体によって堰き止められてアクチュエータ内部への侵入が阻止されるようになっている。
更にまた、堰状筒体と囲繞筒体が内外挿状態で相互に重ね合わされていることにより、それら堰状筒体と囲繞筒体の径方向間に流体が入り込むと、該流体が、堰状筒体の外周面および囲繞筒体の内周面との接触によって大きな流動抵抗を受けるようになっている。これにより、流体が堰状筒体と囲繞筒体の間を通過するのを防いで、流体がアクチュエータの内部に浸入するのを回避することが出来る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、アクチュエータが、電動モータと、電動モータによって回転作動せしめられる主動部材と、主動部材における回転運動を往復運動に変換する運動変換機構と、運動変換機構を介して電動モータの回転駆動力が往復駆動力として伝達されて往復作動せしめられる従動部材とを、含んで構成されており、従動部材によって出力軸が構成された態様が、採用され得る。
このように、回転運動を往復運動に変換する運動変換機構を採用することにより、電動モータを利用して本発明に用いられるアクチュエータを容易に実現することが可能となる。
さらに、本発明に係る流体封入式防振装置において、上述の如き構造を採用する場合には、従動部材の中心軸回りでの回転を防止する回転制限機構が堰状筒体を利用して構成されていることが望ましい。
このように、回転駆動力を及ぼされる主動部材に対して運動変換機構を介して連結される従動部材が、主動部材の回転作動に伴って中心軸回りで回転するのを防止する回転制限機構を、堰状筒体を利用して構成することにより、特別に別体の回転制限機構を設ける場合に比べて、部品点数の増加や必要とされるスペースの増大といった問題を回避することが出来て、コンパクト且つ安価な流体封入式防振装置を実現することが出来る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、出力軸と堰状筒体の間にシール部材を配設しても良い。
これによれば、堰状筒体と囲繞筒体を設けることによって発揮される浸水防止効果に加えて、シール部材を出力軸の周囲の隙間を閉塞するように設けることで発揮されるシール効果によって、アクチュエータ内部への流体の浸入が一層効果的に防止される。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明に係る流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と、第二の取付部材としての第二の取付金具14を、本体ゴム弾性体16で相互に連結した構造を有している。そして、第一の取付金具12が図示しないパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が図示しない車両ボデー側に取り付けられることで、パワーユニットが車両ボデーに防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、特に説明がない限り、エンジンマウント10の軸方向である図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、全体として逆向きの略円錐台形状を有しており、大径側の上端面の中央には、中心軸上で上方に突出する取付ボルト18が固設されている。この取付ボルト18によって、第一の取付金具12がパワーユニットに固定されるようになっている。
一方、第二の取付金具14は、全体として大径の略円筒形状とされており、その上端部分は、次第に拡開するテーパ筒部20とされている。一方、第二の取付金具14の下端近くには、外周側に広がる円環板状の段差部22が形成されており、更に、この段差部22の外周縁部から下方に向かって延び出す円筒形状のかしめ部24が一体形成されている。そして、このかしめ部24に対して、ブラケット26がかしめ固定されている。ブラケット26は、筒形取付部28の外周面に複数の固定脚部30が溶着された構造とされている。筒形取付部28の上側開口周縁部にフランジ状部32が一体形成されており、筒形取付部28が第二の取付金具14の下側から同一中心軸上に重ね合わされて、かかるフランジ状部32が第二の取付金具14に対してかしめ部24でかしめ固定されている。このブラケット26の各固定脚部30に形成された取付孔に挿通される図示しない固定ボルトにより、ブラケット26ひいては第二の取付金具14が車両ボデーに固定されるようになっている。
また、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14は、本体ゴム弾性体16によって連結されている。本体ゴム弾性体16は略円錐台形状とされており、その小径側端部に対して第一の取付金具12が所定深さで埋められた状態で加硫接着されている一方、第二の取付金具14のテーパ筒部20が、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面に加硫接着されている。
また、本体ゴム弾性体16の外径側端面には、逆すり鉢状の大径凹所34が形成されている。更にまた、第二の取付金具14の内周面を覆う薄肉のシールゴム層36が、本体ゴム弾性体16の外周縁部から延び出して一体形成されている。
さらに、第二の取付金具14には、仕切部材38と、可撓性膜としてのダイヤフラム40とが組み付けられている。
仕切部材38は、全体として円形ブロック形状を有しており、第二の取付金具14の下側開口から嵌め入れられて第二の取付金具14の軸方向中間部分に嵌着固定されている。一方、ダイヤフラム40は、薄肉の略円板形状を有するゴム弾性膜で形成されており、第二の取付金具14の下側開口部に組み付けられてその開口部を蓋している。これにより、第二の取付金具14内には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体が封入された流体封入領域42が形成されていると共に、この流体封入領域42が仕切部材38で仕切られることにより、受圧室44と平衡室46が形成されている。なお、封入流体としては、水やアルキレングリコール等の低粘性流体が好適に採用される。
受圧室44は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への略軸方向の振動入力に際して圧力変動が惹起されるようになっている。平衡室46は、壁部の一部がダイヤフラム40で構成されており、容積変化が容易に許容されるようになっている。
また、これら受圧室44と平衡室46の間には、両室44,46を相互に連通する第一のオリフィス通路48と第二のオリフィス通路50が形成されている。本実施形態では、仕切部材38の外周面を周方向で略螺旋状に延びるように形成された周溝52が、第二の取付金具14で覆蓋されることによって第一のオリフィス通路48が形成されている。また、仕切部材38の中心軸上を貫通して延びる直線孔54によって第二のオリフィス通路50が形成されている。第一のオリフィス通路48よりも第二のオリフィス通路50の方が、通路断面積(A)と通路長さ(L)との比(A/L)の値が大きくされて高周波数域にチューニングされている。特に本実施形態では、第一のオリフィス通路48がエンジンシェイクに相当する略10Hz程度にチューニングされていると共に、第二のオリフィス通路50がアイドリング振動に相当する20〜40Hz程度にチューニングされている。
ところで、平衡室46を画成する上記ダイヤフラム40は、径方向の中間部分に十分な弛みが与えられて、軸方向への拡縮変形、特に中央部分の軸方向上下への変位が容易に許容されるようになっている。このダイヤフラム40の外周縁部には、略円環板形状の固定金具56が加硫接着されており、この固定金具56が、第二の取付金具14の段差部22に重ね合わされてかしめ部24でかしめ固定されることにより、ダイヤフラム40の外周縁部が第二の取付金具14の下側開口周縁部に対して固着されて、第二の取付金具14の下側開口がダイヤフラム40で流体密に閉塞されている。また、本実施形態におけるダイヤフラム40は、径方向中央部分が比較的に厚肉とされていると共に、該中央部分から上方に向かって突出する弾性リップ58が一体形成されている。なお、弾性リップ58は、第二のオリフィス通路50の平衡室46側開口部よりも大径の環状とされている。
また、ダイヤフラム40を挟んで平衡室46と反対側には、可動弁体としての弁部材60が配設されている。更に、この弁部材60を駆動するアクチュエータ62が、ダイヤフラム40を挟んで平衡室46の外側でブラケット26の筒形取付部28に収容状態で組み付けられている。
本実施形態において弁部材60は、略円板形状とされた押圧板部64を有しており、合成樹脂や金属等で形成された硬質部材とされている。また、弁部材60は、押圧板部64が、第二のオリフィス通路50の平衡室46側開口部と略同じ直径、より好適には僅かに大きな直径で形成されている。
一方、アクチュエータ62は、略カップ形状のケース金具66と、ケース金具66の開口部を閉塞するように固定された中間蓋板68で構成されたハウジング70を有しており、ハウジング70内の領域が外部から隔てられた収容領域72となっている。また、中間蓋板68は、外周部分が上方に向かって縮径するテーパ形状となっていると共に、中央部分が軸直角方向に広がる円板形状の中央支持部74となっている。更に、略円板形状とされた中間蓋板68の径方向中央部分には、挿通孔76が貫通形成されている。なお、図1において、アクチュエータは、見易さのために、ハウジング70と後述するベアリング部材94およびコイルスプリング110が、何れも断面図として図示されていると共に、他の部分が何れも側面図として図示されている。
また、収容領域72には、電動モータ78が配設されており、外部からの通電によって回転駆動される電動モータ78の回転軸80が軸直角方向に延びている。なお、電動モータ78としては、他励直流電動機等の各種公知のモータ(電動機)を採用することが出来ることから、ここでは内部構造等の詳細については省略する。また、電動モータ78の回転軸80に対してウォームギヤ82が固定されていると共に、ウォームギヤ82に対してウォームホイール84が噛合されて、ハウジング70で支持された支軸86に対して外挿状態で取り付けられている。更に、ウォームホイール84の下側には第一のギヤ88が一体形成されており、第一のギヤ88に対して第二のギヤ90が噛合されていると共に、第二のギヤ90が主動部材としての回転駆動軸92に外挿固定されている。回転駆動軸92は、ベアリング部材94によってハウジング70に対して中心軸回りで回転可能に支持されており、本実施形態では、マウント中心軸上を延びている。以上によって、電動モータ78に外部の電源装置96から通電されると、電動モータ78の回転駆動力が歯車列を介して回転駆動軸92に伝達されて、回転駆動軸92が中心軸回りで回転駆動されるようになっている。
また、回転駆動軸92の上端には、主動側カム部材98が固設されている。主動側カム部材98は、略円板形状であって、その上端面が周方向に波状をもって延びる主動側カム面100とされている。また、主動側カム部材98に対して、従動側カム部材102が軸方向に重ね合わされて配設されている。従動側カム部材102は、主動側カム部材98と同径の略円板形状であって、その下端面が主動側カム面100に対応した波状を有する従動側カム面104とされている。更に、従動側カム部材102から軸方向上向きに延び出す従動部材としての弁体駆動軸106が設けられており、弁体駆動軸106が、中間蓋板68の径方向中央部分に貫通形成された挿通孔76に対して挿通配置されて、ハウジング70から外部(上方)に突出せしめられている。この弁体駆動軸106は、中間蓋板68の挿通孔76に対して遊挿状態で挿通されており、弁体駆動軸106と中間蓋板68の間に、収容領域72をハウジング70の外部に連通する連通領域108が形成されている。
また、ハウジング70外に突出した弁体駆動軸106の先端部には、弁部材60が固着されている。換言すれば、弁部材60の中心軸上で下方に向かって突出するようにして弁体駆動軸106が固設されている。また、本実施形態では、弁部材60とハウジング70の間に回転制限機構が設けられており、弁部材60および弁体駆動軸106,従動側カム部材102の軸方向への変位が許容されると共に、係合作用等によって弁部材60および弁体駆動軸106,従動側カム部材102のハウジング70に対する回転が阻止されるようになっている。
さらに、ハウジング70の中間蓋板68における挿通孔76の周縁部が、従動側カム部材102に対して軸方向で対向位置せしめられていると共に、それら中間蓋板68と従動側カム部材102の対向面間にコイルスプリング110が配設されている。そして、コイルスプリング110の付勢力が、主動側カム部材98の主動側カム面100と従動側カム部材102の従動側カム面104との間に、両カム面100,104の重ね合わせ方向に及ぼされている。これにより、弁体駆動軸106の回転駆動軸92に対する軸方向の相対変位をコイルスプリング110の付勢力に抗して許容しつつ、主動側カム部材98と従動側カム部材102の重ね合わせ状態が保持されるようになっている。即ち、電動モータ78に通電されて主動側カム部材98が回転作動されると、従動側カム部材102の回転が回転制限機構によって阻止されていることから、カム面100,104の作用によって、主動側カム部材98の回転作動が、従動側カム部材102の往復作動に変換されるようになっている。もって、本実施形態における運動変換機構が、主動側カム部材98と従動側カム部材102によって構成されている。
そして、この従動側カム部材102の往復作動が弁体駆動軸106に伝達されて、弁体駆動軸106に連結された弁部材60に往復駆動力が及ぼされることにより、弁部材60が仕切部材38に対して接近方向および離隔方向に作動されるようになっている。これによって、弁部材60が上方に作動されると、ダイヤフラム40が弁部材60によって押し上げられて、仕切部材38における第二のオリフィス通路50の開口部に押し付けられることにより、第二のオリフィス通路50が遮断されるようになっている。一方、弁部材60が下方に作動されると、ダイヤフラム40の仕切部材38における第二のオリフィス通路50の開口部からの離隔が許容されて、第二のオリフィス通路50が連通されるようになっている。以上によって、第二のオリフィス通路50の連通状態と遮断状態の切換えが実現されるようになっている。なお、このことからも明らかなように、本実施形態における流体流路は、第二のオリフィス通路50で構成されている。また、本実施形態では、運動変換機構によって変換された往復駆動力を弁部材60に伝達する出力軸が、弁体駆動軸106によって構成されている。
さらに、かくの如き切換作動を自動車の走行状態に応じて制御する駆動回路としての制御装置112が、ハウジング70内に収容されて組み付けられている。この制御装置112は、電動モータ78と電源装置96を電気的に接続する回路上に配設されており、本実施形態では、電動モータ78への通電を制御することで電動モータ78の回転軸80を所定の回転角、具体的には、周方向に延びるサイン波状の波面とされた主動側カム面100および従動側カム面104の1/2周期に相当する回転角ずつ一方向に回転させるようになっている。なお、電動モータ78への通電と非通電を切り換える制御装置112は、接点制御機構等の従来から公知のものを採用することが出来るため、ここでは説明を省略する。
なお、アクチュエータ62は、ケース金具66の開口周縁部に一体形成された取付フランジ114が、ダイヤフラム40の固定金具56とブラケット26のフランジ状部32の間に挟み込まれて、第二の取付金具14のかしめ部24でかしめ固定されることにより、第二の取付金具14に支持されてダイヤフラム40とブラケット26の対向面間に配設されている。そして、アクチュエータ62のハウジング70を構成する中間蓋板68とダイヤフラム40の対向面間には、外部から隔てられた浸水領域116が形成されている。
ここにおいて、中間蓋板68に対して堰状筒体としての内周筒部118が形成されていると共に、弁部材60に対して囲繞筒体としての外周筒部120が形成されている。内周筒部118は、中間蓋板68の中央部分において挿通孔76の開口周縁部に一体形成されており、弁部材60に向かって軸方向上向きに突出されている。一方、外周筒部120は、略円板形状とされた押圧板部64の外周縁部から下方に向かって垂れ下がるようにアクチュエータ62側に延び出しており、内周筒部118よりも大径の円筒形状とされている。なお、弁部材60の上面の外周角部は、円弧状に湾曲したアール形断面を有しており、弁部材60のダイヤフラム40に対する当接状態で応力の集中軽減が図られている。
そして、それら内周筒部118と外周筒部120は、軸直角方向の投影において相互に重なり合うように配置されている。即ち、中間蓋板68に形成された内周筒部118と弁部材60に形成された外周筒部120が同一中心軸上に位置しており、外周筒部120が、内周筒部118の外周側を所定距離を隔てて取り囲むようにして、内周筒部118に対して外挿状態で配置されている。また、弁部材60の装着下、中間蓋板68に形成された内周筒部118の突出先端面(上端面)が、弁部材60の押圧板部64から下方に離隔されていると共に、弁部材60に形成された外周筒部120の突出先端面(下端面)が、中間蓋板68の中央支持部74から上方に離隔されている。
これによって、内周筒部118と外周筒部120の径方向間には、内周筒部118の外径と外周筒部120の内径の差に基づいて、狭窄領域としての浸水防止領域122が形成されている。この浸水防止領域122は、内周筒部118と外周筒部120の対向面間を軸方向に延びる筒状の隙間であって、内周筒部118と外周筒部120が内外挿状態で重なり合う部分において軸方向に所定の長さで形成されている。なお、図1,図2に示されているように、弁部材60の往復作動によっても、内周筒部118と外周筒部120の内外挿状態が維持されるようになっており、弁部材60が上死点に位置する状態においても、内周筒部118と外周筒部120が軸方向に最小値:dmin の長さをもって重なり合っている。dmin は、2mm≦dmin となっていることが望ましく、より好適には、3mm≦dmin となっている。
また、浸水防止領域122は、その軸方向一方の端部(上端部)が、内周筒部118の突出先端面と押圧板部64との軸方向対向面間の隙間を通じて、連通領域108に対して常時連通されていると共に、軸方向他方の端部(下端部)が、外周筒部120の突出先端面と中央支持部74との軸方向対向面間の隙間を通じて、浸水領域116に対して常時連通されている。これにより、ハウジング70内に形成された収容領域72が、連通領域108と浸水防止領域122を通じて浸水領域116に連通されている。
そして、ダイヤフラム40に小さな孔や亀裂が生じて、平衡室46に封入された非圧縮性流体がダイヤフラム40の下方に漏れ出した場合において、内周筒部118および外周筒部120が形成されて、浸水防止領域122が設けられていることにより、漏出した非圧縮性流体が中間蓋板68よりも下方に形成された収容領域72に浸入するのを防止出来るようになっている。
すなわち、連通領域108の開口部を取り囲むように上方に向かって立ち上がる筒状の内周筒部118が形成されていることにより、中間蓋板68の中央支持部74上に降り懸かった非圧縮性流体が、内周筒部118によって堰き止められるようになっており、非圧縮性流体が中間蓋板68を伝わって連通領域108に入るのを防ぐことが出来る。
さらに、内周筒部118の内周面と弁体駆動軸106の外周面との間に形成された連通領域108の上方が、弁部材60によって覆われている。これによって、連通領域108の上側開口部から漏出流体が直接に入り込むのを防止することが出来る。特に、弁部材60の外周縁部に形成された外周筒部120が、内周筒部118に対して外挿状態で重ね合わされていることにより、弁部材60上に降り懸かった非圧縮性流体が、外周筒部120を伝わって内周筒部118よりも外周側に案内されて、連通領域108への浸入が回避されるようになっている。
更にまた、内周筒部118と外周筒部120が小さな隙間をもって径方向で重ね合わされることによって、それら内周筒部118と外周筒部120の間に浸水防止領域122が形成されており、連通領域108が浸水防止領域122を通じて外部(浸水領域116)に連通されている。これにより、中間蓋板68の上面に落ちた非圧縮性流体がアクチュエータ62の振動等によって飛び跳ねて、内周筒部118を越えて連通領域108に入り込むのを防ぐことが出来る。
蓋し、浸水防止領域122が径方向で狭幅の空間とされており、浸水防止領域122に入り込んだ流体は、内周筒部118の外周面との間で作用する抵抗と、外周筒部120の外周面との間で作用する抵抗とによって、全体として大きな流動抵抗を及ぼされることとなる。その結果、漏出した非圧縮性流体は、実質的に浸水防止領域122を通過し得なくなっており、アクチュエータ62の内部に対する漏出流体の浸入が防止されるようになっているからである。
しかも、ハウジング70内に形成された収容領域72が、連通領域108以外の部分において外部から隔てられている。これにより、収容領域72の空気圧の作用によって、浸水防止領域122において非圧縮性流体の上方への移動がより効果的に防止されるようになっている。
なお、内周筒部118と外周筒部120の径方向での対向面間距離が充分に小さく設定されることにより、アクチュエータ62の故障の原因となり得る量の非圧縮性流体が浸水防止領域122に浸入した場合には、非圧縮性流体が内外周筒部118,120の少なくとも一方に対して接触するようになっており、浸水防止領域122における上述の如き浸水防止作用が安定して発揮されるようになっている。また、中間蓋板68は、ケース金具66に対して流体密に圧入固定されており、中間蓋板68の外周縁部とケース金具66の周壁部の間を通じた流体のアクチュエータ62内部への浸入が防止されている。
このような構造とされたエンジンマウント10の自動車への装着状態においては、第一のオリフィス通路48がチューニングされた低周波数の振動入力に際して、図2に示されているように、弁部材60を上端の閉作動位置に位置せしめるようにアクチュエータ62が作動されるようになっている。これにより、第二のオリフィス通路50の平衡室46側の開口部がダイヤフラム40によって閉塞されて第二のオリフィス通路50が遮断状態に切り替えられるようになっており、第一のオリフィス通路48を通じての流体流動量を有利に確保して、流体の流動作用に基づく防振効果(高減衰効果)が効率的に発揮されるようになっている。
一方、第二のオリフィス通路50がチューニングされた高周波数の振動入力に際して、弁部材60を下端の開作動位置に位置せしめるようにアクチュエータ62が作動されるようになっている。これにより、図1に示されているように、ダイヤフラム40が第二のオリフィス通路50の平衡室46側の開口部から離隔されて、第二のオリフィス通路50が連通状態に切り替えられるようになっている。その結果、第二のオリフィス通路50を通じて両室44,46間での流体流動が生ぜしめられて、流体の流動作用に基づく防振効果(低動ばね効果)が発揮されるようになっている。
なお、本実施形態では、第二のオリフィス通路50の平衡室46側の開口部を取り囲むように弾性リップ58が仕切部材38に対して当接されるようになっており、ダイヤフラム40による第二のオリフィス通路50の遮断が、緩衝的に実現されるようになっている。これにより、アクチュエータ62を構成する部品の寸法誤差等によって弁部材60の上死点にばらつきが生じる場合にも、ダイヤフラム40延いては弁部材60を適当な押付力で第二のオリフィス通路50の開口周縁部に対して当接させることが出来る。しかも、弾性リップ58を形成されたダイヤフラム40の中央部分が厚肉となっており、充分な耐久性を確保することが出来る。更に、弾性リップ58の断面形状が突出先端側に行くに従って次第に狭幅となっており、当接圧の急激な増大を防ぐことが出来る。
また、弁部材60が、主動側カム面100と従動側カム面104の当接作用によって、軸方向で高精度に位置決め保持されるようになっており、第二のオリフィス通路50の連通状態と遮断状態の切換えを高精度に実現することが出来る。しかも、かかる位置決め保持に際して機械的な作用(カム面の当接)を利用することにより、弁部材60を位置決め保持する保持力を非通電で得ることが出来る。従って、アクチュエータ62において、高精度な作動を実現することが出来ると共に、通電による電力消費や発熱を抑えることが出来る。
また、上述の如く、ダイヤフラム40が損傷する等して、平衡室46に封入された非圧縮性流体が浸水領域116に漏れ出した場合には、漏れた非圧縮性流体がアクチュエータ62の内部に侵入するのを防ぐことが出来て、流体の浸入によるアクチュエータ62の故障を防止することが出来るようになっている。その結果、非圧縮性流体の漏出量が防振特性を維持し得る程度に少量の場合には、アクチュエータ62の故障によって防振性能が急速に且つ著しく低下するのを防いで、目的とする防振性能を維持することが出来る。
次に、図3には、本発明に係る流体封入式防振装置の第二の実施形態として、自動車用のエンジンマウント124が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材乃至部位については、同一の符号を付すことによって説明を省略する。
すなわち、エンジンマウント124は、アクチュエータ126を備えている。アクチュエータ126は、電磁式の駆動機構を有しており、該駆動機構が、コイル128を含む固定子と、コイル128に対して軸方向に相対変位を許容された態様で配設された可動子としてのアーマチャ130を含んで構成されている。
また、コイル128は、カップ状の下ヨーク132と、下ヨーク132の開口部に嵌め付けられる円環板形状の上ヨーク134で構成されたヨーク部材に収容配置されている。これら上下のヨーク134,132は、何れも強磁性材で形成されており、ヨーク部材によって磁路が形成されるようになっている。更に、筒状とされたコイル128の中央孔には、非磁性材料で形成された筒状の案内スリーブ136が挿入されてヨーク134,132に固定されている。なお、案内スリーブ136は、好適には、フッ素樹脂やフェノール樹脂等の低摩擦性材料で形成されている。
また、コイル128には、電源装置96が接続されており、コイル128に対して電源装置96から電源が供給されるようになっている。そして、コイル128に通電されることにより、下ヨーク132の底壁部に貫通形成された円形孔の周縁部と、上ヨーク134の内周縁部に、それぞれ磁極が形成されるようになっている。更に、ハウジング70内に形成された収容領域72には制御装置112が配設されており、制御装置112によって、コイル128に対する通電と非通電が切り換えられるようになっている。
また、案内スリーブ136の中央孔には、略円筒形状を有する強磁性体によって形成されたアーマチャ130が配設されている。更に、アーマチャ130の軸方向中間部分には、外周面に開口して周方向に延びる凹溝が形成されており、該凹溝を挟んだ軸方向両側が上下のヨーク134,132の磁極形成部に吸引されるようになっている。そして、アーマチャ130は、コイル128に対して軸方向での相対変位を許容された態様で、案内スリーブ136の内周側に挿し入れられて、コイル128と略同一中心軸上に配置されている。
また、アーマチャ130には、出力軸としての弁体駆動軸138が取り付けられている。弁体駆動軸138は、マウント軸方向に直線的に延びる略ロッド形状を有しており、軸方向下端部がアーマチャ130の中央孔に対して螺着されている。なお、弁体駆動軸138は、中間蓋板68の径方向中央部分に形成された内周筒部118に対して遊挿状態で挿通されており、弁体駆動軸138と内周筒部118の径方向間において筒状の連通領域108が形成されている。また、弁体駆動軸138の上端部には、弁部材60が取り付けられている。
さらに、本実施形態では、弁部材60と中間蓋板68の間に付勢手段としてのコイルスプリング140が配設されている。コイルスプリング140は、中間蓋板68に形成された内周筒部118と、弁部材60に形成された外周筒部120の径方向間において軸方向に延びるように配設されており、中間蓋板68の中央支持部74と弁部材60の押圧板部64の対向面間に介装されている。これにより、弁部材60が、コイルスプリング140の弾性力によって、常に軸方向上向きに付勢されている。
このような電磁式アクチュエータ126においては、コイル128への通電によって、上下のヨーク134,132が磁化されて、アーマチャ130と上下の磁極形成部との間で吸引力が作用するようになっており、アーマチャ130に対して下向きの力が及ぼされるようになっている。これにより、アーマチャ130に対して固定された弁体駆動軸138および弁部材60が、コイルスプリング140の付勢力に抗して軸方向下方に変位駆動せしめられるようになっている。
かくの如きアクチュエータ126は、前記第一の実施形態におけるアクチュエータ126と同様に、ダイヤフラム40の下方に配設されており、弁体駆動軸138がダイヤフラム40側に向かって軸方向に延びている。そして、弁部材60がダイヤフラム40の下面に対して重ね合わされており、コイル128への非通電下、弁部材60が、コイルスプリング140の付勢力によって、ダイヤフラム40に対して押し付けられて、第二のオリフィス通路50が遮断状態に保持されるようになっている。一方、コイル128に通電されることにより、弁部材60が軸方向下方に変位せしめられて、仕切部材38における第二のオリフィス通路50の開口部に対するダイヤフラム40の押付けが解除されて、第二のオリフィス通路50が連通状態に切り換えられるようになっている。
このような電磁式のアクチュエータ126を採用したエンジンマウント124においても、前記第一の実施形態に示されたエンジンマウント10と同様に、ダイヤフラム40の損傷に起因する液漏れが発生した場合において、漏れ出した非圧縮性流体がアクチュエータ126の内部(収容領域72)に浸入して制御装置112に付着するのを防ぐことが出来て、アクチュエータ126の故障を防ぐことが出来る。
次に、図4には、本発明に係る流体封入式防振装置の第三の実施形態として、自動車用のエンジンマウント142が示されている。エンジンマウント142は、マウント本体144にブラケット146が取り付けられた構造を有しており、マウント本体144は、更に第一の取付部材としての第一の取付金具148と第二の取付部材としての第二の取付金具150が本体ゴム弾性体152で相互に連結された構造を有している。そして、第一の取付金具148が図示しないパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具150が図示しない車両ボデー側に取り付けられることで、パワーユニットが車両ボデーに防振支持されるようになっている。
より詳細には、第一の取付金具148は、全体として略円形ブロック形状を有しており、上端面の中央には、中心軸上で上方に突出する取付ボルト18が固設されている。この取付ボルト18によって、第一の取付金具148がパワーユニットに固定されるようになっている。
一方、第二の取付金具150は、全体として大径の略円筒形状とされており、ブラケット146が外嵌固定されている。ブラケット146は、略有底円筒形状の取付部154の外周面に環状の固定脚部156が圧入固定された構造とされている。このブラケット146の固定脚部156に形成された取付孔に挿通される図示しない固定ボルトにより、ブラケット146ひいては第二の取付金具150が車両ボデーに固定されるようになっている。
また、これら第一の取付金具148と第二の取付金具150は、本体ゴム弾性体152によって連結されている。本体ゴム弾性体152は略円錐台形状とされており、その小径側端部に対して第一の取付金具148が所定深さで埋められた状態で加硫接着されている一方、第二の取付金具150の上端部が、本体ゴム弾性体152の大径側端部外周面に加硫接着されている。
さらに、第二の取付金具150には、仕切部材158と、可撓性膜としてのダイヤフラム160とが組み付けられている。仕切部材158は、円形ブロック形状の仕切部材本体と、略円板形状の蓋金具が、軸方向に重ね合わされた構造となっており、第二の取付金具150の下側開口から嵌め入れられて第二の取付金具150の軸方向中間部分に嵌着固定されている。一方、ダイヤフラム160は、薄肉で軸方向に弛みをもった略円板形状を有するゴム弾性膜で形成されており、外周縁部に固着された環状の固定金具162が第二の取付金具150の下側開口部に圧入固定されることで第二の取付金具150に対して組み付けられてその開口部を蓋している。これにより、第二の取付金具150内に流体封入領域42が形成されていると共に、この流体封入領域42が仕切部材158で仕切られて、壁部の一部が本体ゴム弾性体152で構成された受圧室44と、壁部の一部がダイヤフラム160で構成された平衡室46が形成されている。
また、これら受圧室44と平衡室46の間には、両室44,46を相互に連通する第一のオリフィス通路164と第二のオリフィス通路166が形成されている。本実施形態では、第一のオリフィス通路164が仕切部材158の外周縁部を周方向で略螺旋状に延びるように形成されていると共に、第二のオリフィス通路166が仕切部材158の内周部分を周方向に延びるように形成されている。更に、第二のオリフィス通路166が仕切部材158の径方向中央部分において平衡室46に連通されている。なお、第一,第二のオリフィス通路164,166のチューニングは、前記第一の実施形態の第一,第二のオリフィス通路48,50と同様である。
また、ダイヤフラム160を挟んで平衡室46と反対側には、可動弁体としての弁部材168が配設されている。更に、この弁部材168を駆動するアクチュエータ170が、ダイヤフラム160を挟んで平衡室46の外側でブラケット146の取付部154に収容状態で組み付けられている。
本実施形態において弁部材168は、略円板形状の押圧板部171を有しており、合成樹脂や金属等で形成された硬質部材とされている。また、弁部材168は、押圧板部171が、第二のオリフィス通路166の平衡室46側開口部と略同じ直径、より好適には僅かに大きな直径で形成されている。
一方、アクチュエータ170は、ブラケット146の取付部154と、取付部154に圧入固定された円環板形状の中間蓋板172によって構成されたハウジング70を有しており、ハウジング70内の領域が外部から隔てられた収容領域72となっている。
また、収容領域72には、電動モータ78が配設されており、外部の電源装置96からの通電によって回転駆動される主動部材としての電動モータ78の回転軸80が軸方向に延びている。また、電動モータ78は、収容領域72において径方向中央部分に配設されていると共に、その外周縁部がブラケット146の底壁部と中間蓋板172の内周縁部との対向面間に挟み込まれている。なお、本実施形態では、電動モータ78の外周縁部の上面に凹溝が形成されており、該凹溝に対してリング状のシールゴム173が配設されている。これにより、電動モータ78と中間蓋板172の対向面間が流体密にシールされている。また、電動モータ78としては、他励直流電動機等の各種公知のモータ(電動機)を採用することが出来ることから、ここでは内部構造等の詳細については省略する。
また、電動モータ78と電源装置96を電気的に接続する回路上には、制御装置112が配設されている。制御装置112は、収容領域72に配設されており、電動モータ78の回転軸80の回転方向をコントロール出来るようになっている。なお、制御装置112の具体的な構造は、前記第一の実施形態と同様に本発明の要点ではないことから、説明を省略する。
また、電動モータ78の回転軸80には、雄ねじ部材174が取り付けられている。雄ねじ部材174は、略円形ブロック状とされており、軸方向の全長に亘って外周面にねじ山が形成されている。そして、雄ねじ部材174の中心軸上を延びるように形成された中央孔に対して回転軸80が挿通固定されている。
さらに、雄ねじ部材174を取り付けられた回転軸80には、従動部材としての弁体駆動部材176が取り付けられている。弁体駆動部材176は、逆向きの略有底円筒形状を有しており、本実施形態では、硬質の合成樹脂で形成することにより軽量化が図られている。また、弁体駆動部材176の軸方向中間部分には、外周縁部を全周に亘って延びる段差が形成されており、該段差を挟んだ軸方向上側が下側よりも小径となっている。更にまた、弁体駆動部材176の下端部には、径方向一方向で対向する部分から外周側に向かって突出する一対の係合突起178,178が形成されている。係合突起178は、略ブロック状の突起であって、周方向の両端面が相互に平行となっている。
更にまた、弁体駆動部材176の周壁部を利用して、内周面に雄ねじ部材174と対応するねじ山を形成された雌ねじ部180が設けられている。そして、雌ねじ部180が雄ねじ部材174に螺合されることにより、回転軸80に対して弁体駆動部材176が取り付けられている。更に、それら回転軸80と弁体駆動部材176の連結部分において、雄ねじ部材174と雌ねじ部180で構成された運動変換機構としてのねじ機構が設けられている。即ち、本実施形態では、電動モータ78に通電されて回転軸80の回転作動が雄ねじ部材174に伝達されることにより、雌ねじ部180を備えた弁体駆動部材176に対して、回転軸80の回転方向に応じた軸方向の駆動力が及ぼされるようになっている。なお、図4においては、分かり易さのために、雄ねじ部材174および雌ねじ部180の形状、具体的には、例えば、それらねじ部174,180におけるねじ山の傾斜やサイズ等が誇張して図示されている。
また、弁体駆動部材176は弁部材168の下方に所定距離を隔てて位置せしめられており、それら弁部材168と弁体駆動部材176の軸方向対向面間には、コイルスプリング182が配設されている。これにより、弁部材168と弁体駆動部材176がコイルスプリング182によって弾性的に連結されており、弁体駆動部材176に及ぼされる往復駆動力が、コイルスプリング182を介して弁部材168に伝達されるようになっている。このように、本実施形態では、弁体駆動部材176によって、出力軸が構成されている。
ここにおいて、中間蓋板172に対して堰状筒体としての内周筒部184が形成されていると共に、弁部材168に対して囲繞筒体としての外周筒部186が形成されている。内周筒部184は、中間蓋板172の中央孔の周縁部に一体形成されており、軸方向上方に向かって突出されている。一方、外周筒部186は、略円板形状とされた押圧板部171の外周縁部から下方に向かって垂れ下がるように一体形成されており、内周筒部184よりも大径の円筒形状とされている。
また、本実施形態においては、内周筒部184の内径が弁体駆動部材176の外径よりも大きくなっており、弁体駆動部材176の外周面と内周筒部184の内周面の対向面間の領域によって本実施形態における連通領域108が形成されている。なお、弁体駆動部材176の下端部に形成された係合突起178の突出先端部分が、内周筒部184の内周面よりも外側に突出している。
さらに、前記第一の実施形態の内外周筒部118,120と同様に、内周筒部184と外周筒部186が軸直角方向の投影において相互に重なり合うように内外挿状態で配置されており、それら内周筒部184と外周筒部186の径方向間において狭窄領域としての浸水防止領域122が形成されている。また、浸水防止領域122は、その軸方向一方の端部(上側の端部)が、内周筒部184の突出先端面と押圧板部171との軸方向対向面間の隙間を通じて、連通領域108に対して常時連通されていると共に、軸方向他方の端部(下側の端部)が、外周筒部186の突出先端面と中間蓋板172との対向面間の隙間を通じて、浸水領域116に対して常時連通されている。これにより、ハウジング70内に形成された収容領域72が、連通領域108と浸水防止領域122を通じて浸水領域116に連通されている。
また、本実施形態において、内周筒部184には、係合溝188が形成されている。係合溝188は、内周筒部184の上端面および内周面に開口して、軸方向に所定の長さで延びる凹溝であって、弁体駆動部材176に一体形成された係合突起178と対応する断面形状で径方向一方向の両側に形成されている。そして、係合突起178が係合溝188に対して挿し入れられることにより、弁体駆動部材176の中心軸回りでの回転が、係合突起178と係合溝188の周方向での当接によって阻止されていると共に、弁体駆動部材176の軸方向の変位が、係合突起178が係合溝188内を軸方向に案内されることで許容されている。このように、本実施形態では、弁体駆動部材176の軸方向への変位を許容しつつ中心軸回りでの回転を制限する回転制限機構が、内周筒部184を利用して設けられている。
このような回転制限機構が設けられていることにより、弁体駆動部材176の回転が制限されていると共に、係合突起178が係合溝188に沿って軸方向に案内されることによって弁体駆動部材176の軸方向の変位が許容されている。これにより、電動モータ78に電源装置96から給電されて、回転軸80が回転作動せしめられると、弁体駆動部材176および弁部材168が軸方向で駆動変位されるようになっている。そして、弁体駆動部材176が軸方向で上向きに作動せしめられることにより、ダイヤフラム160が弁部材168によって第二のオリフィス通路166の開口周縁部に押し付けられて、第二のオリフィス通路166が遮断状態に切り換えられるようになっている。一方、弁体駆動部材176が軸方向で下向きに作動せしめられることにより、弁部材168のダイヤフラム160への押付けが解除されて、第二のオリフィス通路166が連通状態に切り換えられるようになっている。それ故、前記第一の実施形態と同様に、異なる複数の周波数域の振動入力に対して、何れも優れた防振効果を発揮せしめることが出来る。なお、本実施形態における流体流路が、第二のオリフィス通路166によって構成されている。
また、このようなアクチュエータ170を備えた流体封入式防振装置においても、内周筒部184および外周筒部186、更には浸水防止領域122を設けることによるハウジング70内への流体の浸入防止効果を、前記第一及び第二の実施形態と同様に得ることが出来る。
また、本実施形態では、弁部材168が電動モータ78の回転軸80に固定された弁体駆動部材176とは別体とされて、弁体駆動部材176に対してコイルスプリング182で弾性的に連結されている。それ故、弁部材168に過大な正圧が及ぼされると、弁部材168が弁体駆動部材176に対して軸方向下方に相対変位されて、弁体駆動部材176や雄ねじ部材174および雌ねじ部180で構成されるねじ機構、更には回転軸80を含む電動モータ78が、過大な圧力の作用によって損傷するのを防ぐことが出来る。
また、極寒時において、封入された非圧縮性流体がシャーベット状に凍結した場合には、平衡室46の容積変化が制限されて、弁部材168の上方への変位が制限される。このような封入流体の凍結下において、弁体駆動部材176と弁部材168の接近方向での相対変位が許容されて、拘束された弁部材168に伝達される駆動力を低減することが出来る。それ故、弁体駆動部材176や弁部材168,ねじ機構等が応力の作用によって損傷したり、電動モータ78が焼き付く等して故障するのを防ぐことが出来る。
さらに、ダイヤフラム160が凍結等によって仕切部材158に固着せしめられた状態で、電動モータ78に通電されて弁体駆動部材176に対して軸方向下向きの駆動力が及ぼされた場合には、弁部材168がダイヤフラム160に対して非接着で重ね合わされていることにより、弁部材168がダイヤフラム160から離隔せしめられるようになっており、ダイヤフラム160に駆動力が伝達されるのを防ぐことが出来て、駆動力の作用によってダイヤフラム160が仕切部材158から無理に引き剥がされて損傷するのを回避することが出来る。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、図5に示されているように、リング状のシールゴム190を、弁体駆動軸106と内周筒部118の間に形成された連通領域108に配設して、連通領域108をシール部材としてのシールゴム190によって流体密に遮断しても良い。これによれば、非圧縮性流体が連通領域108を通じて収容領域72に浸入するのを、シールゴム190のシール機能によって一層効果的に防ぐことが出来る。
また、例えば、図5に示されているように、内周筒部118において径方向外側に向かって突出する係合突起192を形成すると共に、弁部材60の外周筒部120に対して内周面に開口して軸方向に延びる係合溝194を形成して、係合突起192を係合溝194に対して挿し入れることにより、それら係合突起192と係合溝194の周方向での当接係止によって、弁部材60および弁体駆動軸106の中心軸回りでの回転を制限する回転制限機構を構成することも出来る。
また、堰状筒体と囲繞筒体は必ずしも同一中心軸上に配置されていなくても良い。具体的には、例えば、堰状筒体と囲繞筒体が偏心して位置せしめられて、周上の一部において相互に当接されることにより、狭窄領域が周上の一部において非連続とされた略C字状断面を有していても良い。更に、例えば、堰状筒体と囲繞筒体が全周に亘って当接状態で重ね合わされて、狭窄領域が形成されていない構造となっていても良いし、堰状筒体と囲繞筒体の径方向間に全周に亘ってシールゴムが介装されて、それら堰状筒体と囲繞筒体の径方向間の領域が流体密にシールされていても良い。
また、前記第一乃至第三の実施形態においては、内周筒部118(184)が中間蓋板68(172)に一体形成されていると共に、外周筒部120(186)が弁部材60(168)に一体形成された構造を示したが、内周筒部118(184)が中間蓋板68(172)とは別体で形成されて、中間蓋板68(172)に後付けされていても良いし、外周筒部120(186)が弁部材60(168)とは別体で形成されて、弁部材60(168)に後付けされていても良い。
また、アクチュエータの具体的な構造は、前記第一乃至第三の実施形態に例示された具体的な構造によって限定的に解釈されるものではなく、例えば、電動モータの駆動力を伝達する歯車列の構成等は、何等限定されるものではない。更に、出力軸は、前記第一,第二の実施形態において示された軸方向に直線的に駆動する構造に限定されるものではなく、前記第三の実施形態において示された回転駆動する構造(回転軸)であっても良い。
また、前記第一乃至第三の実施形態では、可動弁体が出力軸とは別部材とされており、可動弁体が出力軸に対して後付けで取り付けられていたが、例えば、可動弁体と出力軸が一体形成されていても良い。また、可動弁体と出力軸が別部材とされている場合には、ボルト固定や圧入固定、溶接等の手段によって相互に固定されていても良いし、金属ばねやゴム弾性体等を介して弾性的に連結されていても良い。
また、前記第一乃至第三の実施形態では、低周波オリフィス通路としての第一のオリフィス通路48(164)と、高周波オリフィス通路としての第二のオリフィス通路50(166)を備えた構造が示されているが、例えば、微小変形や微小変位によって受圧室の液圧を平衡室に伝達する可動膜や可動板を仕切部材に設けることで液圧吸収機構を構成して、該可動膜又は可動板によって発揮される液圧吸収作用に基づいて、自動車の走行こもり音等に相当する高周波オリフィス通路よりも高周波数の振動に対して目的とする防振効果(低動ばね効果)が発揮されるようにすることも出来る。
また、前記第一乃至第三の実施形態では、本発明に係る流体封入式防振装置の一例として、自動車のエンジンマウントを示したが、本発明は、エンジンマウントに限定されることなく、ボデーマウントやサブフレームマウント等にも適用することが出来る。更に、本発明の適用範囲は、自動車用に限定されることなく、例えば列車用や自転車用、更には車両以外の用途に用いられる流体封入式防振装置に対しても適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 同エンジンマウントの第二のオリフィス通路の遮断状態を示す要部拡大図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 本発明の別の一実施形態としてのエンジンマウントを示す要部拡大図。
符号の説明
10,124,142:エンジンマウント、12,148:第一の取付金具、14,150:第二の取付金具、16,152:本体ゴム弾性体、38,158:仕切部材、40,160:ダイヤフラム、44:受圧室、46:平衡室、50,166:第二のオリフィス通路、60,168:弁部材、62,126,170:アクチュエータ、78:電動モータ、98:主動側カム部材、102:従動側カム部材、106:弁体駆動軸、112:制御装置、118,184:内周筒部、120,186:外周筒部、122:浸水防止領域、174:雄ねじ部材、176:弁体駆動部材、178:係合突起、180:雌ねじ部、188:係合溝、190:シールゴム

Claims (4)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室を流体流路によって相互に連通する一方、該可撓性膜を挟んで該平衡室と反対側に可動弁体を設けると共に、該可動弁体を挟んで該可撓性膜と反対側には該可動弁体に向かって突出する出力軸を備えたアクチュエータを配設して、該アクチュエータに内蔵された駆動回路に対して通電することにより該アクチュエータの該出力軸を介して該可動弁体に駆動力を伝達して、該可動弁体の往復作動によって該可撓性膜を該流体流路の開口部に対して当接および離隔せしめて該流体流路を連通状態と遮断状態に切り換えるようにした流体封入式防振装置において、
    前記出力軸の外周側において前記アクチュエータから前記可動弁体側に向かって延び出す堰状筒体を形成すると共に、該可動弁体の外周部分には該堰状筒体よりも大径の囲繞筒体を該アクチュエータ側に向かって延び出すように形成して、該囲繞筒体を該堰状筒体の外周側を取り囲むように配置してそれら堰状筒体と囲繞筒体を内外挿状態で重ね合わせたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記アクチュエータが、電動モータと、該電動モータによって回転作動せしめられる主動部材と、該主動部材における回転運動を往復運動に変換する運動変換機構と、該運動変換機構を介して該電動モータの回転駆動力が往復駆動力として伝達されて往復作動せしめられる従動部材とを、含んで構成されており、該従動部材によって前記出力軸が構成されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記従動部材の中心軸回りでの回転を防止する回転制限機構が前記堰状筒体を利用して構成されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記出力軸と前記堰状筒体の間にシール部材を配設した請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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