JP4922996B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにされた流体封入式防振装置に係り、特に入力振動に応じて防振特性を切り換えることが出来る流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結乃至は防振支持せしめる防振装置の一種として、内部に封入された流体の流動作用を利用する流体封入式防振装置が知られている。この流体封入式防振装置は、振動入力時に圧力変動が惹起される受圧室と容積変化が容易に許容される平衡室がオリフィス通路によって相互に連通された構造を有しており、オリフィス通路を通じて両室間で流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて優れた防振効果が発揮されるようになっている。
このような流体封入式防振装置においては、オリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動に対して目的とする防振効果が有効に発揮されるようになっている一方、チューニングされた周波数域を外れた振動に対しては有効な防振効果が発揮され難いという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1(特開平10−267072号公報)等においては、オリフィス通路とは異なる周波数域にチューニングされた流体流路を形成して、流体流路の連通状態と遮断状態を可動弁体で切り換えることにより、異なる複数の周波数の振動に対する防振効果を得ることが出来る、切換型の流体封入式防振装置も提案されている。
ところで、切換型の流体封入式防振装置においては、可動弁体を駆動する駆動手段としてのアクチュエータが設けられており、従来から、磁力を利用した電磁式アクチュエータや空気圧を利用した負圧式アクチュエータ等が、可動弁体の駆動手段として採用されている。しかし、従来の電磁式アクチュエータや負圧式アクチュエータでは、可動弁体の作動の制御を高精度に実現することが難しいという問題があると共に、可動弁体を変位後に所定の作動位置に保持する保持力を得るために電力や負圧の供給を維持する必要があり、消費電力の増加等が問題となるおそれがあった。
このような問題を解決する手段として、本出願人は、先の出願である特願2008−045677号において、電動モータの回転駆動力をカム機構によって構成された運動変換機構によって往復駆動力に変換して可動弁体に伝達する機械式アクチュエータを備えた流体封入式防振装置を提案した。これによれば、可動弁体の作動を高精度に制御することが可能となると共に、駆動変位後の可動弁体を、カム面の当接作用に基づいて、所定の切換え位置に非通電で保持することが出来る。
しかしながら、このような機械的な位置制御型のアクチュエータを採用した流体封入式防振装置において、新たな問題が明らかとなった。即ち、切換作動された可動弁体に対して、カム面の当接による大きな保持力が及ぼされることから、衝撃的な大荷重が入力された場合にも流体流路の遮断状態が可動弁体によって強固に維持される。その結果、入力された荷重が可動弁体を介してアクチュエータに緩衝されることなく伝達されて、アクチュエータが損傷するおそれがあった。
また、本出願人は、別の先出願である特願2008−034576号において、可動弁体がコイルスプリングによって往復作動方向で弾性的に支持されることで、受圧室の圧力の作用による可動弁体の受動的な変位が許容された流体封入式防振装置を提案している。このような構造の流体封入式防振装置では、コイルスプリングによって許容される可動弁体の変位を利用して、受圧室の液圧を吸収するリリーフ機構が設けられており、アクチュエータへの荷重の伝達が低減乃至は回避されるようになっている。
しかし、本発明者らの検討によって、更なる改善の余地のあることが明らかとなった。即ち、上記の如きリリーフ機構を備えた流体封入式防振装置では、運動変換機構を構成するカム部材を相互に当接状態に保持する付勢手段としてのコイルスプリングとは別に、過大な液圧を逃がすリリーフ機構を構成するコイルスプリングを設ける必要があり、部品点数の増加やそれに伴う構造の複雑化等が問題となるおそれがあった。
特開平10−267072号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、カム機構を用いた位置制御型のアクチュエータによって切換作動を高精度に実現出来ると共に、受圧室の液圧が作用することによるアクチュエータの損傷を回避することが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を少ない部品点数で実現することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室が流体流路によって相互に連通されている一方、可撓性膜を挟んで平衡室と反対側には往復作動によって可撓性膜を流体流路の開口部に対して当接および離隔せしめることにより流体流路を連通状態と遮断状態に切り換える可動弁体が配設されていると共に、可動弁体の駆動用の電動モータが設けられて、電動モータの回転駆動力がカム機構からなる運動変換機構を介して可動弁体に対して往復駆動力として伝達されて可動弁体が往復作動せしめられるようにした流体封入式防振装置において、電動モータによって回転駆動される主動部材と、主動部材に対して可動弁体の往復作動方向に重ね合わされて主動部材の回転中心軸方向で主動部材に対して相対変位可能に配設された従動部材とを含んで構成されており、従動部材における主動部材の回転中心軸回りの回転を阻止する回転阻止機構が設けられることにより、主動部材と従動部材の重ね合わせ面間に形成されたカム面によって主動部材の回転中心軸回りの回転作動を従動部材における主動部材の回転中心軸方向への往復作動に変換するカム機構が構成されている一方、従動部材から主動部材側に突出して主動部材を貫通して主動部材の回転中心軸方向に延びる弁体駆動軸が設けられており、弁体駆動軸の突出先端部に可動弁体が設けられていると共に、従動部材を主動部材の回転中心軸方向で主動部材側に向かって付勢してカム機構におけるカム面に対して当接状態への保持力を及ぼす付勢手段が設けられていることを特徴とする。
このような本発明に従う構造の流体封入式防振装置においては、可動弁体に受圧室の過大な正圧が及ぼされることにより、カム機構のカム面が付勢手段の付勢力に抗して相互に離隔されるようになっている。これにより、可動弁体から弁体駆動軸および従動部材に及ぼされた外力が、電動モータによって回転駆動される主動部材側に伝達されるのを阻止することが出来る。それ故、受圧室の正圧が及ぼされることによる電動モータやカム機構,弁体駆動軸等の損傷が防止されて、耐久性の向上を実現することが出来る。
さらに、流体流路が可動弁体によって遮断された状態で受圧室に過大な正圧が及ぼされた場合に、液圧の作用によって可動弁体が付勢手段の付勢力に抗して変位されて、流体流路が連通されることにより、受圧室に及ぼされた正圧が可及的速やかに解消されるようになっている。これにより、受圧室の過剰な内圧変動が速やかに低減乃至は解消されて、過大な圧力の作用による耐久性の低下や防振性能の低下が防止される。
しかも、本発明では、カム機構においてカム面を当接状態に保持する保持力を及ぼす付勢手段と、過大な圧力の作用によって可動弁体ひいては従動部材の変位を非通電で許容するリリーフ機構を構成する付勢手段が、共通の付勢手段によって実現されている。それ故、カム面の当接保持用の付勢手段と受圧室の液圧逃がし用の付勢手段を各別に設ける場合に比べて、部品点数を少なくすることが出来る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、電動モータと主動部材と従動部材を収容するハウジングが設けられており、ハウジングが第二の取付部材に対して固定されていても良い。
このように、電動モータとカム機構を構成する主動部材および従動部材がハウジングに収容配置されることで、異物の侵入による故障や作動精度の低下が回避されると共に、侵食等による電動モータやカム機構の劣化が防止されて耐久性の向上が実現される。なお、ハウジングは、第二の取付部材に対して直接固定されていても良いし、ブラケット等の別部材を介して間接的に固定されていても良い。
また、本発明に係る流体封入式防振装置において、ハウジングの外部に可動弁体が配設されて、ハウジングの壁部を貫通して弁体駆動軸が突設されていると共に、可動弁体とハウジングの対向面間に付勢手段が介装された構造を採用することも出来る。
このような本態様の流体封入式防振装置では、付勢手段がハウジングの外部に配設されることから、電動モータやカム機構を収容したハウジングに対して付勢手段を容易に取り付けることが出来る。それ故、製造が容易となって生産性の向上が図られ得る。
一方、本発明に係る流体封入式防振装置においては、付勢手段がハウジングに収容されている構造も採用することが出来る。
このような本態様の流体封入式防振装置では、付勢手段がハウジング内に収容されていることから、外部環境の影響による付勢手段の侵食や異物の噛込み等による不具合が問題となり難く、安定した作動を実現することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明に係る流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と、第二の取付部材としての第二の取付金具14を、本体ゴム弾性体16で相互に連結した構造を有している。そして、第一の取付金具12が図示しないパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が図示しない車両ボデー側に取り付けられることで、パワーユニットが車両ボデーに防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、特に説明がない限り、エンジンマウント10の軸方向である図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、全体として逆向きの略円錐台形状を有しており、大径側の上端面の中央には、中心軸上で上方に突出する取付ボルト18が固設されている。この取付ボルト18によって、第一の取付金具12がパワーユニットに固定されるようになっている。
一方、第二の取付金具14は、全体として大径の略円筒形状とされており、その上端部分は、次第に拡開するテーパ筒部20とされている。一方、第二の取付金具14の下端近くには、外周側に広がる円環板状の段差部22が形成されており、更に、この段差部22の外周縁部から下方に向かって延び出す円筒形状のかしめ部24が一体形成されている。そして、このかしめ部24に対して、ブラケット26がかしめ固定されている。ブラケット26は、筒形取付部28の外周面に複数の固定脚部30が溶着された構造とされている。筒形取付部28の上側開口周縁部にフランジ状部32が一体形成されており、筒形取付部28が第二の取付金具14の下側から同一中心軸上に重ね合わされて、かかるフランジ状部32が第二の取付金具14に対してかしめ部24でかしめ固定されている。このブラケット26の各固定脚部30に形成された取付孔に挿通される図示しない固定ボルトにより、ブラケット26ひいては第二の取付金具14が車両ボデーに固定されるようになっている。
また、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14は、本体ゴム弾性体16によって連結されている。本体ゴム弾性体16は略円錐台形状とされており、その小径側端部に対して第一の取付金具12が所定深さで埋められた状態で加硫接着されている一方、第二の取付金具14のテーパ筒部20が、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面に加硫接着されている。
また、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、逆すり鉢状の大径凹所34が形成されている。更にまた、第二の取付金具14の内周面を覆う薄肉のシールゴム層36が、本体ゴム弾性体16の外周縁部から延び出して一体形成されている。
さらに、第二の取付金具14には、仕切部材38と、可撓性膜としてのダイヤフラム40とが組み付けられている。
仕切部材38は、全体として円形ブロック形状を有しており、第二の取付金具14の下側開口から嵌め入れられて第二の取付金具14の軸方向中間部分に嵌着固定されている。一方、ダイヤフラム40は、薄肉の略円板形状を有するゴム弾性膜で形成されており、径方向の中間部分に十分な弛みが与えられて、軸方向への拡縮変形、特に中央部分の軸方向上下への変位が容易に許容されるようになっている。また、ダイヤフラム40の径方向中央部分が厚肉とされていると共に、該厚肉部分には上方に向かって突出する環状の弾性リップ42が一体形成されている。更に、ダイヤフラム40の外周縁部には、略円環板形状の固定金具44が加硫接着されており、この固定金具44が、第二の取付金具14の段差部22に重ね合わされてかしめ部24でかしめ固定されることにより、ダイヤフラム40の外周縁部が第二の取付金具14の下側開口周縁部に対して固着されて、第二の取付金具14の下側開口がダイヤフラム40で流体密に閉塞されている。これにより、第二の取付金具14内には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体が封入された流体封入領域46が形成されていると共に、この流体封入領域46が仕切部材38で仕切られることにより、受圧室48と平衡室50が形成されている。なお、封入流体としては、水やアルキレングリコール等の低粘性流体が好適に採用される。
受圧室48は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への略軸方向の振動入力に際して圧力変動が惹起されるようになっている。平衡室50は、壁部の一部がダイヤフラム40で構成されており、容積変化が容易に許容されるようになっている。
また、これら受圧室48と平衡室50の間には、両室48,50を相互に連通する第一のオリフィス通路52と第二のオリフィス通路54が形成されている。本実施形態では、仕切部材38の外周面を周方向で略螺旋状に延びるように形成された周溝56が、第二の取付金具14で覆蓋されることによって第一のオリフィス通路52が形成されている。また、仕切部材38の中心軸上を貫通して延びる直線孔58によって第二のオリフィス通路54が形成されている。第一のオリフィス通路52よりも第二のオリフィス通路54の方が、通路断面積(A)と通路長さ(L)との比(A/L)の値が大きくされて高周波数域にチューニングされている。特に本実施形態では、第一のオリフィス通路52がエンジンシェイクに相当する略10Hz程度にチューニングされていると共に、第二のオリフィス通路54がアイドリング振動に相当する20〜40Hz程度にチューニングされている。
また、ダイヤフラム40を挟んで平衡室50と反対側には、可動弁体としての弁部材60が配設されている。更に、この弁部材60の下方には、弁部材60を駆動するアクチュエータ62が、ダイヤフラム40を挟んで平衡室50の外側でブラケット26の筒形取付部28に収容状態で組み付けられている。
本実施形態において弁部材60は、略円板形状とされた押圧板部64とその外周縁部から下方に向かって延び出す筒状の外周筒部66を一体的に備えた構造とされており、合成樹脂や金属等で形成された硬質部材とされている。なお、弁部材60は、押圧板部64が、第二のオリフィス通路54の平衡室50側開口部と略同じ直径、より好適には僅かに大きな直径で形成されている。また、本実施形態では、弁部材60の押圧板部64が、弾性リップ42よりも大径とされている。
一方、アクチュエータ62は、略カップ形状のケース金具68と、ケース金具68の開口部を閉塞するように固定された略円板形状の蓋板70で構成されたハウジング72を有している。更に、略円板形状とされた蓋板70の径方向中央部分には、挿通孔74が貫通形成されている。更にまた、蓋板70の挿通孔74には、略円筒形状の案内スリーブ76が差し込まれて固着されている。なお、案内スリーブ76は、内周面の摩擦係数が小さくされていることが望ましく、好適には、例えば、低摩擦性の材料で形成されたり、内周面にグリース等が塗布される。
また、本実施形態では、蓋板70の径方向中間部分に対して軸方向に延びる円筒形状の内周筒部78が設けられて、挿通孔74を取り囲むように配置されている。この内周筒部78は、弁部材60に設けられた外周筒部66と同一中心軸上に配置されていると共に、外周筒部66に対して内外挿状態で重ね合わされており、これら内周筒部78と外周筒部66の径方向対向面間に設けられた狭窄領域によって、挿通孔74を通じてハウジング72内への水等の異物の浸入が防止されている。
また、ハウジング72には電動モータ80が収容されており、ハウジング72の外部に設けられた電源装置82からの通電によって回転駆動される電動モータ80の回転軸84が軸直角方向に延びている。なお、電動モータ80としては、例えば他励直流電動機等の各種公知のモータ(電動機)を採用することが出来ることから、ここでは内部構造等の詳細については省略する。また、本実施形態では、電動モータ80が略半円板形状の制御回路86を介して外部の電源装置82に対して電気的に接続されており、制御回路86によって電動モータ80の作動が制御されるようになっている。なお、制御回路86は、特に限定されるものではないが、例えば、回転軸84の回転駆動量をセルフスイッチや位置センサによって検出して、かかる検出信号を利用して電動モータ80の作動を制御するものが採用される。更に、例えば、電動モータ80としてステッピングモータを利用して、制御回路86によって通電時間等を制御することで回転軸84の回転角をコントロールしても良い。また、本実施形態では、制御回路86が案内スリーブ76の外周面に固着されている。
また、図2に示されているように、電動モータ80の回転軸84にウォームギヤ88が挿通固定されており、ウォームギヤ88にウォームホイール90が噛合されていると共に、ウォームホイール90がハウジング72で支持された第一の支軸92に対して外挿状態で取り付けられている。更に、ウォームホイール90の上側には第一のギヤ94が一体形成されており、第一のギヤ94に第二のギヤ96が噛合されていると共に、第二のギヤ96がハウジング72で支持された第二の支軸98に対して外挿状態で取り付けられている。更にまた、第二のギヤ96には、中心軸上に配された第三のギヤ100が噛合されており、電動モータ80の回転駆動力が第三のギヤ100に伝達されるようになっている。
また、第三のギヤ100には、主動部材としての主動側カム部材102が固設されている。主動側カム部材102は、第三のギヤ100から下方に向かって延び出す略円筒形状とされており、その下端面が周方向に波状をもって延びる主動側カム面104とされている。更に、本実施形態において、主動側カム部材102の径方向中央部分には、上方に向かって開口する円形の凹所が形成されていると共に、該凹所に対して案内スリーブ76の下端部が差し込まれており、主動側カム部材102が案内スリーブ76によって位置決め支持されている。そして、電動モータ80に通電されることで、第三のギヤ100に一体形成された主動側カム部材102が、案内スリーブ76を軸として回転駆動されるようになっている。
また、主動側カム部材102には、従動部材としての従動側カム部材106が軸方向に重ね合わされている。従動側カム部材106は、主動側カム部材102と同径の略円環板形状であって、その上端面が、主動側カム面104に対応する波状とされた従動側カム面108とされている。そして、従動側カム部材106が主動側カム部材102に対して軸方向下方から重ね合わされて、主動側カム面104と従動側カム面108が相互に重ね合わされて当接されている。更に、従動側カム部材106は、主動側カム部材102に対して非接着で重ね合わされて、軸方向の相対変位を許容された状態で配設されている。なお、本実施形態では、電動モータ80と、制御回路86と、ウォームギヤ88,ウォームホイール90および第一乃至第三のギヤ94,96,100で構成される歯車列と、カム部材102,106が、何れもハウジング72に収容されている。
そして、電動モータ80に通電されて主動側カム部材102が回転作動されると、カム面104,108の作用によって、主動側カム部材102の回転作動が、従動側カム部材106の往復作動に変換されるようになっている。もって、本実施形態における運動変換機構としてのカム機構が、主動側カム部材102と従動側カム部材106によって構成されている。
また、従動側カム部材106には、弁体駆動軸としての出力軸110が設けられている。出力軸110は、軸方向に直線的に延びるロッド形状を有しており、その下端部が従動側カム部材106の中央孔に挿通固定されている。更に、出力軸110は、主動側カム部材102の中央孔に対して遊挿状態で挿通されており、主動側カム部材102よりも上方にまで延び出している。更にまた、出力軸110は、案内スリーブ76の中央孔を通じてハウジング72の蓋板70よりも上方にまで延び出しており、上端部に弁部材60が固定されている。なお、本実施形態では、弁部材60と出力軸110が別体とされて、ねじ止めや溶接,接着等の手段で固着されている。
また、出力軸110の周上の一部には、下端に至る領域に平坦な係止面112が設けられている。更に、案内スリーブ76の内周面に対して係止面112に対応する平坦な当接面114が周上の一部に設けられていると共に、従動側カム部材106の内周面に対して係止面112に対応する平坦な当接面116が周上の一部に設けられている。そして、出力軸110の係止面112と案内スリーブ76の当接面114および従動側カム部材106の当接面116が軸直角方向に重ね合わされることにより、出力軸110の中心軸回りでの回転が阻止されていると共に、従動側カム部材106の出力軸110に対する回転が阻止されている。これにより、本実施形態における回転阻止機構が構成されて、カム面104,108の作用による従動側カム部材106の往復作動が、効率的に且つ高精度に実現されるようになっている。
そして、この従動側カム部材106の往復作動が出力軸110に伝達されて、出力軸110に固設された弁部材60に対して往復駆動力が及ぼされることにより、弁部材60が仕切部材38に対して接近方向および離隔方向に作動されるようになっている。これによって、弁部材60が上方に作動されると、ダイヤフラム40が弁部材60の押圧板部64によって押し上げられて、仕切部材38における第二のオリフィス通路54の開口部に押し付けられることにより、第二のオリフィス通路54が遮断されるようになっている。一方、弁部材60が下方に作動されると、ダイヤフラム40の仕切部材38における第二のオリフィス通路54の開口部からの離隔が許容されて、第二のオリフィス通路54が連通されるようになっている。以上によって、第二のオリフィス通路54の連通状態と遮断状態の切換えが実現されるようになっている。なお、このことからも明らかなように、本実施形態における流体流路は、第二のオリフィス通路54で構成されている。
ここにおいて、出力軸110においてハウジング72の外側に突出した部分には、付勢手段としてのコイルスプリング118が外挿されて、弁部材60の押圧板部64とハウジング72の蓋板70との対向面間に圧縮状態で介装されている。なお、本実施形態において、コイルスプリング118は、内周筒部78の内周側に配置されて、内周筒部78によって径方向で位置決めされている。
このコイルスプリング118の付勢力は、弁部材60に対して上方に向かって常時及ぼされて、弁部材60に固定された出力軸110を介して従動側カム部材106に伝達されており、従動側カム部材106が上方に向かって付勢されている。これにより、コイルスプリング118の付勢力が、主動側カム部材102の主動側カム面104と従動側カム部材106の従動側カム面108との間に、両カム面104,108の重ね合わせ方向に及ぼされている。その結果、従動側カム部材106の主動側カム部材102に対する軸方向の相対変位をコイルスプリング118の付勢力に抗して許容しつつ、主動側カム部材102と従動側カム部材106の重ね合わせ状態が保持されて、カム機構における運動変換作用が有効に発揮されるようになっている。
さらに、出力軸110に固定された従動側カム部材106が、主動側カム部材102に対して軸方向下方から重ね合わされていることにより、弁部材60に対して軸方向下向きの外力が及ぼされると、主動側カム部材102における主動側カム面104と従動側カム部材106における従動側カム面108の当接が解除されるようになっている。要するに、弁部材60とそれに固定される出力軸110および従動側カム部材106が、コイルスプリング118を介してハウジング72で弾性的に支持されており、弁部材60に対して軸方向下向きに大きな外力が及ぼされることにより、弁部材60がコイルスプリング118の付勢力に抗して軸方向下方に変位されるようになっている。以上のように、コイルスプリング118は、カム機構を実現するための付勢手段としての機能と、外力の作用時に弁部材60の下方への変位を許容するリリーフ機構を実現するための付勢手段としての機能を有している。
かくの如きアクチュエータ62は、ダイヤフラム40とブラケット26の軸方向間に配設されており、ハウジング72が第二の取付金具14に固定されたブラケット26に対して取り付けられていると共に、弁部材60がダイヤフラム40の中央部分に対して下方から非接着で重ね合わされている。
このような構造とされたエンジンマウント10の自動車への装着状態においては、第一のオリフィス通路52がチューニングされた低周波数の振動入力に際して、図3に示されているように、弁部材60を上端の閉作動位置に位置せしめるようにアクチュエータ62が作動されるようになっている。これにより、第二のオリフィス通路54の平衡室50側の開口部がダイヤフラム40によって閉塞されて第二のオリフィス通路54が遮断状態に切り替えられるようになっており、第一のオリフィス通路52を通じての流体流動量を有利に確保して、流体の流動作用に基づく防振効果(高減衰効果)が効率的に発揮されるようになっている。
一方、第二のオリフィス通路54がチューニングされた高周波数の振動入力に際して、弁部材60を下端の開作動位置に位置せしめるようにアクチュエータ62が作動されるようになっている。これにより、図1に示されているように、ダイヤフラム40が第二のオリフィス通路54の平衡室50側の開口部から離隔されて、第二のオリフィス通路54が連通状態に切り替えられるようになっている。その結果、第二のオリフィス通路54を通じて両室48,50間での流体流動が生ぜしめられて、流体の流動作用に基づく防振効果(低動ばね効果)が発揮されるようになっている。
なお、本実施形態では、第二のオリフィス通路54の平衡室50側の開口部を取り囲むように弾性リップ42が仕切部材38に対して当接されるようになっており、ダイヤフラム40による第二のオリフィス通路54の遮断が、緩衝的に実現されるようになっている。これにより、アクチュエータ62を構成する部品の寸法誤差等によって弁部材60の上死点にばらつきが生じる場合にも、ダイヤフラム40延いては弁部材60を適当な押付力で第二のオリフィス通路54の開口周縁部に対して当接させることが出来る。しかも、弾性リップ42を形成されたダイヤフラム40の中央部分が厚肉となっており、充分な耐久性を確保することが出来る。更に、弾性リップ42の断面形状が突出先端側に行くに従って次第に狭幅となっており、当接圧の急激な増大を防ぐことが出来る。
また、弁部材60が、主動側カム面104と従動側カム面108の当接作用によって、軸方向で高精度に位置決め保持されて、第二のオリフィス通路54の連通状態と遮断状態の切換えを高精度に実現することが出来る。しかも、かかる位置決め保持に際して機械的な作用(カム面の当接)を利用することにより、弁部材60を位置決め保持する保持力を非通電で得ることが出来て、通電による電力消費や発熱を抑えることが出来る。
一方、第二のオリフィス通路54が弁部材60によって遮断された状態で、受圧室48に過大な正圧が及ぼされると、コイルスプリング118の付勢力を利用したリリーフ機構による液圧低減効果が発揮されるようになっている。即ち、受圧室48に過大な正圧が及ぼされると、第二のオリフィス通路54の平衡室50側開口部を蓋する弁部材60に対して下向きに圧力が及ぼされて、図4に示されているように、弁部材60がコイルスプリング118の付勢力に抗して下方に変位せしめられる。これにより、ダイヤフラム40が第二のオリフィス通路54の開口部から離隔されて、第二のオリフィス通路54が連通状態に切り換えられるようになっている。その結果、第一のオリフィス通路52よりも流動抵抗が小さい第二のオリフィス通路54を通じて、受圧室48と平衡室50の間で流体が流動されて、受圧室48の内圧が低減されるのである。
さらに、受圧室48に及ぼされた正圧の伝達を阻止するクラッチ機構が、主動側カム部材102と従動側カム部材106によって構成されており、受圧室48の過大な正圧が作用することによるアクチュエータ62の損傷が防止されている。即ち、受圧室48の正圧が弁部材60に固定された従動側カム部材106に伝達されると、図4に示されているように、従動側カム部材106が、主動側カム部材102に対して下方に変位して、主動側カム部材102から離隔されるようになっている。これにより、カム機構を構成する主動側カム部材102と従動側カム部材106の間で力の伝達が阻止されて、受圧室48の正圧に基づく外力が、歯車列を介して電動モータ80の回転軸84に連結された主動側カム部材102に対して及ぼされるのを回避出来る。それ故、外力の作用による電動モータ80の故障やカム機構および歯車列の損傷が防止されて、耐久性の向上が効果的に実現される。
しかも、共通のコイルスプリング118によって、主動側カム部材102と従動側カム部材106が付勢されて当接状態に保持されていると共に、弁部材60とそれに固定された出力軸110および従動側カム部材106が弾性的に支持されて、コイルスプリング118の弾性変形による下方への変位が許容されている。それ故、各別の付勢手段を設ける場合に比して、部品点数を少なくすることが出来る。
また、本実施形態では、コイルスプリング118が、電動モータ80やカム機構,歯車列等が収容されたハウジング72の外部において、出力軸110に対して隙間を持って外挿されて、弁部材60の押圧板部64とハウジング72の蓋板70との対向面間に配設されている。これにより、アクチュエータ62に対して弁部材60を組み付ける際にコイルスプリング118を容易に配設することが出来て、生産性や取回しの向上を実現出来る。
次に、図5には、本発明に係る流体封入式防振装置の第二の実施形態として、自動車用エンジンマウントの要部が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材乃至部位については、図中に同一の符号を付すことで説明を省略する。また、図5には、第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部のみが示されているが、図5において省略されている部分については、前記第一の実施形態に係るエンジンマウント10と同一の構造とされている。
より詳細には、本実施形態に係るエンジンマウントにおいては、ダイヤフラム40の下方に弁部材122が配設されていると共に、弁部材122を挟んでダイヤフラム40と反対側にはアクチュエータ124が配設されている。アクチュエータ124は、主動部材としての主動側カム部材102に対して、従動部材としての従動側カム部材106が、軸方向下側から重ね合わされていると共に、従動側カム部材106に取り付けられた弁体駆動軸としての出力軸110が、主動側カム部材102を貫通して軸方向上方に向かって延びており、案内スリーブ76の中央孔を通じてハウジング72の上方に突設されていると共に、その上端部に対して押圧板部64が固設されている。なお、本実施形態では、出力軸110と押圧板部64と外周筒部66が一体形成されており、それらによって構成された弁部材122によって可動弁体と弁体駆動軸が実現されている。
そこにおいて、本実施形態では、従動側カム部材106の下面とハウジング72の底面の対向面間に付勢手段としてのコイルスプリング126が介装されている。これにより、従動側カム部材106がコイルスプリング126の弾性力で軸方向上向きに常時付勢されて、従動側カム部材106の従動側カム面108が主動側カム部材102の主動側カム面104に対して当接状態に保持されており、主動側カム部材102と従動側カム部材106によってカム機構が構成されている。
さらに、出力軸110を含んで構成された弁部材122に対して下向きの外力が及ぼされると、従動側カム部材106がコイルスプリング126の付勢力に抗して下方に変位されるようになっている。要するに、従動側カム部材106および弁部材122がコイルスプリング126によって軸方向で弾性的に支持されており、コイルスプリング126の圧縮変形によってそれら従動側カム部材106と弁部材122の下方への変位が許容された構造となっている。
このようなアクチュエータ124を備えたエンジンマウントにおいて、第二のオリフィス通路54の遮断状態下、受圧室48に過大な正圧が及ぼされると、第二のオリフィス通路54を通じて弁部材122に受圧室48の圧力が伝達されて、弁部材122がコイルスプリング126の付勢力に抗して下方に変位されるようになっている。これにより、前記第一の実施形態と同様に、第二のオリフィス通路54が連通状態に非通電で切り換えられて、第二のオリフィス通路54を通じての流体流動によって受圧室48の圧力変動が低減されるようになっている。
さらに、弁部材122の下方への変位に際して、主動側カム面104と従動側カム面108の当接状態が解除されて、それらカム面104,108が相互に離隔せしめられることにより、弁部材122に及ぼされた圧力が主動側カム部材102と歯車列,電動モータ80に伝達されるのを防いで、圧力の作用によるアクチュエータ124の損傷を防ぐことが出来る。
また、主動側カム面104と従動側カム面108を当接状態に保持すると共に、弁部材122および従動側カム部材106を弾性的に支持するコイルスプリング126が、ハウジング72内の領域に収容配置されている。それ故、コイルスプリング126に対する外部環境の影響を回避することが出来て、例えば、侵食による耐久性の低下や、砂等の異物の噛込みによる作動不良などの不具合が、効果的に回避される。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一,第二の実施形態においては、電動モータ80と制御回路86と歯車列とカム機構が、何れもハウジング72に収容された構造が示されているが、例えば、これらの一部或いは全部が外部に露出されていても良い。また、ハウジング72は、必ずしも前記第一,第二の実施形態で示されているような密閉型のもので無くても良い。
また、前記第一,第二の実施形態では、付勢手段としてコイルスプリングを採用しているが、付勢手段はコイルスプリングに限定されるものではなく、例えば、板ばねやゴム弾性体等によって付勢手段を実現することも出来る。なお、付勢手段の耐久性を充分に確保するために、好適には金属ばねが採用される。
また、前記第一,第二の実施形態では、従動側カム部材106の中心軸回りでの回転を阻止する回転阻止機構が、出力軸110と案内スリーブ76(ハウジング72)および従動側カム部材106の周方向での係止によって実現されているが、例えば、可動弁体と弁体駆動軸と従動部材を一体的に設けて、可動弁体とハウジングの間や従動部材とハウジングの間に回転阻止機構を設けても良い。
また、前記第一,第二の実施形態では、低周波オリフィス通路としての第一のオリフィス通路52と、高周波オリフィス通路としての第二のオリフィス通路54とを備えた所謂ダブルオリフィス構造のエンジンマウントが示されているが、例えば、微小変形や微小変位によって受圧室の液圧を平衡室に伝達する可動膜や可動板を仕切部材に設けることで液圧吸収機構が構成されて、該可動膜又は可動板によって発揮される液圧吸収作用に基づいて、自動車の走行こもり音等に相当する高周波オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数の振動に対して、目的とする防振効果(低動ばね効果)が発揮されるようにすることも出来る。
また、前記第一,第二の実施形態では、本発明を自動車のエンジンマウントに適用した例が示されているが、本発明の適用範囲は、エンジンマウントに限定されるものではなく、ボデーマウントやサブフレームマウント等にも適用することが出来る。更に、本発明の適用範囲は、自動車用に限定されるものではなく、例えば列車用や自転車用、更には車両以外の用途に用いられる流体封入式防振装置に対しても適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントの縦断面図。 図1のII−II断面図。 同エンジンマウントの第二のオリフィス通路の連通状態を示す要部の縦断面図。 同エンジンマウントの受圧室に過大な正圧が及ぼされた状態を示す要部の縦断面図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部を示す縦断面図。
符号の説明
10:エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、40:ダイヤフラム、48:受圧室、50:平衡室、54:第二のオリフィス通路、60:弁部材、80:電動モータ、102:主動側カム部材、104:主動側カム面、106:従動側カム部材、108:従動側カム面、110:出力軸、112:係止面、114:当接面、116:当接面、118:コイルスプリング

Claims (4)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室が流体流路によって相互に連通されている一方、該可撓性膜を挟んで該平衡室と反対側には往復作動によって該可撓性膜を該流体流路の開口部に対して当接および離隔せしめることにより該流体流路を連通状態と遮断状態に切り換える可動弁体が配設されていると共に、該可動弁体の駆動用の電動モータが設けられて、該電動モータの回転駆動力がカム機構からなる運動変換機構を介して該可動弁体に対して往復駆動力として伝達されて該可動弁体が往復作動せしめられるようにした流体封入式防振装置において、
    前記電動モータによって回転駆動される主動部材と、該主動部材に対して前記可動弁体の往復作動方向に重ね合わされて該主動部材の回転中心軸方向で該主動部材に対して相対変位可能に配設された従動部材とを含んで構成されており、該従動部材における該主動部材の回転中心軸回りの回転を阻止する回転阻止機構が設けられることにより、該主動部材と該従動部材の重ね合わせ面間に形成されたカム面によって該主動部材の回転中心軸回りの回転作動を該従動部材における該主動部材の回転中心軸方向への往復作動に変換する前記カム機構が構成されている一方、該従動部材から該主動部材側に突出して該主動部材を貫通して該主動部材の回転中心軸方向に延びる弁体駆動軸が設けられており、該弁体駆動軸の突出先端部に前記可動弁体が設けられていると共に、該従動部材を該主動部材の回転中心軸方向で該主動部材側に向かって付勢して該カム機構における該カム面に対して当接状態への保持力を及ぼす付勢手段が設けられていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記電動モータと前記主動部材と前記従動部材を収容するハウジングが設けられており、該ハウジングが前記第二の取付部材に対して固定されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記ハウジングの外部に前記可動弁体が配設されて、該ハウジングの壁部を貫通して前記弁体駆動軸が突設されていると共に、該可動弁体と該ハウジングの対向面間に前記付勢手段が介装されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記付勢手段が前記ハウジングに収容されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
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