JP5641525B2 - 流体封入式能動型防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用する流体封入式防振装置において、電磁式アクチュエータによる加振力を中間室に及ぼして能動的な防振効果が発揮されるようにした流体封入式能動型防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第1の取付部材と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第2の取付部材を、本体ゴム弾性体によって弾性連結した防振装置が知られており、例えば、自動車のエンジンマウント等に適用されている。また、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室とを、オリフィス通路で相互に連通して形成し、封入流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置も知られている。更に、電磁式アクチュエータで加振される加振部材で壁部の一部が構成された中間室を設け、この中間室の圧力変動を圧力伝達通路を通じて受圧室に及ぼすことにより能動的な防振効果を得るようにした流体封入式能動型防振装置も提案されている。例えば、特開2009−162281号公報(特許文献1)に記載のものが、それである。
ところで、流体封入式能動型防振装置では、複数の周波数域の振動に対して防振効果を得るために、受圧室と平衡室を連通するオリフィス通路に加えて、更に別のオリフィス通路を設けることが検討されている。例えば前記特許文献1では、受圧室と平衡室連通するオリフィス通路に加えて、中間室と平衡室を連通する第2のオリフィス通路を設けた構造が開示されている。
ところが、本発明者が更に検討を加えたところ、中間室に連通する第2のオリフィス通路を設けた場合には、加振部材による中間室の圧力制御に基づく能動的な防振効果が大幅に低下する場合のあることが明らかとなったのである。
この問題に関して、電磁式アクチュエータの制御手段においてフィードバック制御よりもマップ制御を採用した場合に問題が発生し易いこと等から、第2のオリフィス通路の共振作用による急激なばね特性の変化に圧力制御が追従しきれない場合があること等に起因するものと、本発明者は推定した。そこで、本発明者は、中間室と平衡室を連通する第2のオリフィス通路の廃止を検討した。
しかしながら、単に第2のオリフィス通路を廃止するだけでは防振特性が充分に改善されず、加振部材による中間室の圧力制御に基づく能動的な防振効果が未だ充分には発揮されがたいという問題を内在することが明らかとなった。
特開2009−162281号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、中間室の圧力制御に基づく能動的な防振効果が安定して発揮され得る、新規な構造の流体封入式能動型防振装置を提供することにある。
本発明者は、実験によって、第2のオリフィス通路の共振作用による急激なばね特性の変化に圧力制御が追従しきれないこと等に起因する防振性能の低下は、第2のオリフィス通路の廃止によって解消されるものの、防振特性の充分な改善には未だ至らないことを確認した。このことから、本発明者は、第2のオリフィス通路の廃止に伴って新たな問題が発生しているものと考えた。
そこで、第2のオリフィス通路の廃止に伴って発生する新たな問題を特定するために、本発明者が多くの実験を行って検討を加えた結果、かかる新たな問題が、電磁式アクチュエータの加振力(圧力変動)を中間室から受圧室に伝達する経路として設けられる圧力伝達通路の構造に起因して発生することが明らかとなった。
すなわち、流体封入式能動型防振装置では、電磁式アクチュエータによる加振力の高次成分等に起因する振動悪化を回避するために、圧力伝達通路がフィルタオリフィスとされる場合がある。このフィルタオリフィスは、加振力の効率的な伝達等を目的としてオリフィス通路よりも流通抵抗が小さくされることから、オリフィス通路による防振効果を有効に得るために、フィルタオリフィスを通じての流体流動を制限する可動板が併せて採用される場合もある。本発明者は、これらフィルタオリフィスと可動板を組み合わせた構造を有する流体封入式能動型防振装置において、第2のオリフィス通路を廃止して中間室と平衡室を独立させると、新たな問題が発生して防振性能の充分な向上が図られ難い場合があることを発見したのである。
この本発明者が発見に至った新たな問題は、以下の如くして発生するものと推定された。即ち、上記の如き圧力伝達通路の構造を有する流体封入式能動型防振装置において、第2のオリフィス通路を廃止して中間室を平衡室から独立させると、中間室と受圧室に液圧差が生じて可動板が仕切部材に押し当てられた場合に、フィルタオリフィスが可動板によって遮断されて中間室が密閉されてしまう。その結果、中間室の液圧が変化し難くなって、可動板が仕切部材に押し当てられたロック状態で保持されることから、電磁式アクチュエータの加振力が受圧室に有効に作用せず、圧力制御に基づく能動的な防振効果が充分に発揮されなくなるのである。
そして、本発明者は、かくの如き知見に基づいて、流体封入式能動型防振装置の更なる性能向上を目的とする本発明を完成し得た。即ち、本発明の第1の態様は、第1の取付部材と第2の取付部材とを連結する本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室とが設けられて、それら受圧室と平衡室とに封入された非圧縮性流体がオリフィス通路を通じて相互に流動されるようになっている一方、電磁式アクチュエータで加振される加振部材で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された中間室が設けられており、該中間室の圧力変動が圧力伝達通路を通じて該受圧室に及ぼされるようになっている流体封入式能動型防振装置において、前記中間室が前記平衡室から独立して形成されており、前記圧力伝達通路が、前記オリフィス通路よりも高周波数にチューニングされたフィルタオリフィスで構成されていると共に、該フィルタオリフィスを通じての流体流動量を制限する可動板が設けられている一方、該中間室と前記受圧室を常時連通するリーク孔が形成されており、該リーク孔の液柱共振周波数が該フィルタオリフィスの液柱共振周波数の半分以下に設定されていることを特徴とする。
このような本発明の第1の態様に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置によれば、リーク孔を通じて受圧室と中間室が常時連通されていることから、可動板によってフィルタオリフィスが遮断されても、受圧室と中間室の液圧差がリーク孔を通じた流体流動によって解消されて、可動板によるフィルタオリフィスの遮断が解除される。それ故、中間室と平衡室が独立した構造であっても、電磁式アクチュエータの加振力に基づく能動的な防振効果が有効に発揮されて、防振性能の低下が回避される。
しかも、リーク孔の断面積(A)と長さ(L)の比が調節されて、リーク孔の液柱共振周波数が、フィルタオリフィスの液柱共振周波数の半分以下に設定されている。これにより、リーク孔を通じての流体流動がフィルタオリフィスに比して充分に制限されて、オリフィス通路を通じての流体流動量が確保される。その結果、リーク孔の形成によってオリフィス通路の防振効果に及ぼされる悪影響が抑えられて、有効な防振効果が発揮される。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された流体封入式能動型防振装置において、前記リーク孔の液柱共振周波数が、前記フィルタオリフィスの液柱共振周波数の1/10以上且つ2/5以下に設定されているものである。
第2の態様によれば、リーク孔の液柱共振周波数がフィルタオリフィスの液柱共振周波数の1/10以上とされていることにより、リーク孔が簡単な形状で且つ容易に形成し得る程度の大きさを有する孔とされて、容易に製造することが可能となる。しかも、リーク孔の液柱共振周波数がフィルタオリフィスの液柱共振周波数の2/5以下に設定されていることによって、リーク孔の流動抵抗が充分に大きくされて、オリフィス通路による防振効果がより効率よく発揮される。
本発明によれば、可動板で遮断されることなく受圧室と中間室を連通するリーク孔が設けられていることにより、受圧室と中間室に相対的な圧力差が生じて、可動板がフィルタオリフィスを遮断した状態でロックされた場合にも、リーク孔を通じて受圧室と中間室の間で流体が流動することにより、受圧室と中間室の圧力差が解消される。その結果、フィルタオリフィスを通じて中間室から受圧室に能動的な加振力が有効に伝達されて、目的とする防振効果が有効に発揮される。しかも、リーク孔の液柱共振周波数がフィルタオリフィスの液柱共振周波数(チューニング周波数)の半分以下に設定されていることによって、オリフィス通路の液柱共振周波数(チューニング周波数)の振動入力時に、リーク孔を通じての流体流動が抑えられて、オリフィス通路を通じての流体流動量が確保されることから、オリフィス通路による防振効果も充分に発揮される。
本発明の1実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材の平面図。 図2のIII−III断面図。 図2に示された仕切部材を構成する仕切部材本体の平面図。 図2に示された仕切部材を構成する蓋部材の平面図。 周波数とばね定数の相関関係を示すグラフであって、(a)がリーク孔を設けない比較例の実測値を、(b)がリーク孔を設けた実施例の実測値を、それぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置の1実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第1の取付部材12と第2の取付部材14を本体ゴム弾性体16によって弾性連結した構造を有しており、第1の取付部材12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第2の取付部材14が図示しない車両ボデーに取り付けられることにより、パワーユニットと車両ボデーを防振連結するようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第1の取付部材12は、金属材料等で形成された高剛性の部材であって、上側が小径とされた略段付き円柱形状の本体部18と、本体部18の段部において外周側に突出するフランジ部20を、一体的に備えている。また、本体部18には、上面に開口して中心軸上を延びるねじ孔22が形成されており、内周面にねじ山が刻設されている。
一方、第2の取付部材14は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、第1の取付部材12と同様の金属材料等で形成された高剛性の部材とされている。
そして、第1の取付部材12と第2の取付部材14は、径方向および軸方向に離隔して同一中心軸上に配置されており、本体ゴム弾性体16によって相互に弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円錐台形状を呈しており、小径側端部に第1の取付部材12の本体部18が加硫接着されていると共に、大径側端部の外周面に第2の取付部材14の内周面が重ね合わされて加硫接着されている。
また、本体ゴム弾性体16には、ストッパゴム24が一体形成されている。ストッパゴム24は、本体ゴム弾性体16の小径側端部から延び出して第1の取付部材12のフランジ部20の外周面および上面を覆うように固着されており、フランジ部20の上面から上方に突出している。
また、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、中央凹所26が開口している。中央凹所26は、逆向きの略すり鉢状乃至は略円柱状の凹所であって、下方に向かって開口している。
また、第2の取付部材14には、可撓性膜28が取り付けられている。可撓性膜28は、薄肉の略円板形状乃至は略ドーム形状を呈するゴム膜であって、上下方向に充分な弛みを有している。また、可撓性膜28の外周縁部には略円筒形状の固着部30が一体形成されており、固着部30が固定金具32に加硫接着されている。固定金具32は、段付きの略円筒形状とされており、下側に位置する小径部分の内周面に固着部30が加硫接着されていると共に、上側に位置する大径部分が第2の取付部材14に外挿されてから縮径加工されることにより、第2の取付部材14に嵌着されている。このように固定金具32が第2の取付部材14に外嵌固定されることにより、可撓性膜28が第2の取付部材14に取り付けられて、第2の取付部材14の下側開口部が可撓性膜28で閉塞されている。なお、固定金具32の大径部分の内周面が薄肉のゴム弾性体で形成されたシールゴム層34で被覆されており、第2の取付部材14と固定金具32がシールゴム層34を介して流体密に組み付けられている。
かかる可撓性膜28の第2の取付部材14への組付けによって、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28の対向面間には、外部から密閉された流体封入領域36が形成されて、非圧縮性流体が封入されている。なお、流体封入領域36に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液等が好適に採用される。更に、後述する流体の流動作用に基づく防振効果をより効果的に発揮させるためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体が望ましく、本実施形態では、グリコール系の混合液が非圧縮性流体として流体封入領域36に封入されている。
また、流体封入領域36には、仕切部材38が配設されている。仕切部材38は、図2,図3に示されているように、略円板形状の部材であって、仕切部材本体40と蓋部材42を有している。仕切部材本体40は、厚肉の略円板形状を呈しており、図4に示されているように、中央部分に円柱状の収容凹所44が形成されて上方に開口していると共に、外周部分に1周弱の長さで周方向に延びる周溝46が形成されて上方に開口している。
蓋部材42は、図2,図3に示されているように、仕切部材本体40よりも小径の薄肉円板形状を呈しており、仕切部材本体40の上面に重ね合わされて固定されている。かかる蓋部材42の仕切部材本体40への取付けによって、収容凹所44の開口部が蓋部材42で覆われて収容空所が形成されていると共に、周溝46の開口部が蓋部材42で覆われてトンネル状の通路が形成されている。なお、仕切部材本体40と蓋部材42は、仕切部材本体40から上方に突出するかしめ突起48が、蓋部材42に貫通形成されたかしめ孔50に挿通されてから上端部を拡径されて、かしめ孔50の開口部周縁に係止されることによって固定されている。
そして、仕切部材38は、第2の取付部材14と固定金具32の蹴上部分との軸方向対向面間に仕切部材本体40の外周縁部が挟み込まれることにより、第2の取付部材14によって支持されて、流体封入領域36において軸直角方向に広がっている。このように仕切部材38が配設されることにより、流体封入領域36は、仕切部材38を挟んで上下に隔てられており、仕切部材38よりも上側に位置する部分が、壁部の一部を本体ゴム弾性体16で構成された受圧室52とされている。
また、仕切部材38と可撓性膜28の軸方向間には、加振部材54が配設されている。加振部材54は、小径の略カップ形状乃至は略有底円筒形状を呈する金具であって、エンジンマウント10の中心軸上に配設されている。
さらに、加振部材54の外周側には、環状の支持部材56が配設されている。支持部材56は、周方向環状に延びる環状溝部58と、環状溝部58の外周壁部の上端から外側に突出する円環板形状の支持フランジ60とを、一体的に備えた構造とされている。また、支持部材56の環状溝部58の内径寸法が加振部材54の外径寸法よりも大きくされており、環状溝部58の内周壁部が加振部材54の周壁部に対して径方向外側に離隔して対向配置されている。
更にまた、加振部材54と支持部材56の間には、支持ゴム弾性体62が配設されている。支持ゴム弾性体62は、略円環板形状を有しており、内周側に向かって次第に厚肉となっている。そして、支持ゴム弾性体62の内周端部が加振部材54の周壁部に加硫接着されると共に、外周縁部が支持部材56における環状溝部58の内周壁部に加硫接着されることにより、それら加振部材54と支持部材56が支持ゴム弾性体62によって弾性連結されている。なお、支持ゴム弾性体62の内周端部が加振部材54の周壁部の内外両面に固着されていると共に、支持ゴム弾性体62の外周端部が環状溝部58の内周壁部の内外両面に固着されている。また、支持ゴム弾性体62は、加振部材54と支持部材56を備えた一体加硫成形品として形成されている。
このようにして形成された支持ゴム弾性体62の一体加硫成形品は、支持部材56の支持フランジ60が仕切部材本体40と固定金具32の蹴上部分との間に全周に亘って挟持されることにより、第2の取付部材14によって間接的に支持されている。これにより、仕切部材38と可撓性膜28の軸方向間に形成された流体封入領域36の下側部分が、支持ゴム弾性体62の一体加硫成形品を挟んで上下に分割されている。そして、可撓性膜28と支持ゴム弾性体62の一体加硫成形品との間には、壁部の一部が可撓性膜28で構成された平衡室64が形成されている。一方、仕切部材38と加振部材54および支持ゴム弾性体62との間には、壁部の一部が加振部材54で構成された中間室66が形成されている。なお、言うまでもないが、受圧室52,平衡室64,中間室66には、何れも非圧縮性流体が封入されている。
また、受圧室52と平衡室64は、オリフィス通路68によって相互に連通されている。オリフィス通路68は、周溝46を利用したトンネル状通路を含んで仕切部材38に設けられており、受圧室52と、平衡室64の一部を構成する環状溝部58の溝内部とを、連通するように設けられている。即ち、上記トンネル状通路の一方の端部が蓋部材42に形成された上側連通孔70を通じて受圧室52に連通されると共に、他方の端部が仕切部材本体40に形成された下側連通孔72を通じて平衡室64に連通されることにより、受圧室52と平衡室64の間で流体流動を生じさせるオリフィス通路68が形成されている。このオリフィス通路68は、エンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波数にチューニングされている。なお、環状溝部58の溝内部は、環状溝部58の底壁部に形成された複数の貫通孔73を通じて平衡室64に連通されており、実質的に平衡室64の一部とされている。
また、受圧室52と中間室66は、仕切部材本体40に形成された複数の下側透孔76と、収容凹所44と、蓋部材42に形成された複数の上側透孔74とを通じて相互に連通されており、これら上下の透孔74,76と収容凹所44によって、圧力伝達通路としてのフィルタオリフィス78が構成されている。そして、フィルタオリフィス78を通じて中間室66の圧力が受圧室52に伝達されるようになっている。フィルタオリフィス78は、走行こもり音等に相当する120Hz程度の高周波数にチューニングされており、液柱共振周波数がオリフィス通路68よりも高周波数に設定されている。
さらに、収容凹所44には、可動板としての可動ゴム板80が配設されている。可動ゴム板80は、略円板形状のゴム弾性体で形成されており、径方向で厚肉部分と薄肉部分が交互に設けられている。また、可動ゴム板80の径方向中央には、軸方向両側に突出する支軸部82が一体形成されている。そして、可動ゴム板80は、仕切部材本体40と蓋部材42の各径方向中央に貫通形成された位置決め孔84,84に支軸部82がそれぞれ挿入されて、収容凹所44内に配設されている。かかる収容凹所44への配設下、可動ゴム板80は、仕切部材38に対して径方向で位置決めされていると共に、軸方向で微小変位を許容されている。
さらに、可動ゴム板80は、上下の透孔74,76の形成位置よりも外周側まで広がって、フィルタオリフィス78の流体流路上に配設されている。そして、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動が入力されると、可動ゴム板80が仕切部材38によって拘束されて、フィルタオリフィス78が可動ゴム板80で遮断されることにより、フィルタオリフィス78を通じての流体流動量が制限される。これにより、受圧室52の平衡室64に対する相対的な圧力変動が有効に惹起されて、オリフィス通路68を通じての流体流動が効率的に生じることから、流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮される。一方、走行こもり音等の中乃至高周波小振幅振動が入力されると、可動ゴム板80の微小変位によってフィルタオリフィス78が連通されて流体流動が許容されることから、後述する電磁式アクチュエータ94の加振力が受圧室52に伝達されて、能動的な防振効果が発揮される。
なお、受圧室52と平衡室64がオリフィス通路68によって連通されていると共に、受圧室52と中間室66がフィルタオリフィス78によって連通されている一方で、中間室66と平衡室64は互いに独立して設けられており、それら中間室66と平衡室64を直接的に連通する流路は設けられていない。
また、加振部材54には、出力軸86が取り付けられている。出力軸86は、全体として上下方向に延びる小径のロッド形状を呈しており、上端部分にはかしめ固定用の突起が一体形成されており、加振部材54の底壁部に貫通形成されたかしめ用の孔に挿入されて上端部分を拡径変形されることにより、出力軸86の上端部が加振部材54の底壁部に固定されている。
さらに、出力軸86の中間部分には、径方向外側に向かって突出する円環板形状の固着フランジ92が一体形成されており、固着フランジ92が可撓性膜28の中央部分に加硫接着されている。これにより、出力軸86は、可撓性膜28を上下に貫通して配設されていると共に、可撓性膜28に対して流体密に固着されて流体封入領域36の流体密性が確保されている。
更にまた、出力軸86の下端部は、電磁式アクチュエータ94に取り付けられている。電磁式アクチュエータ94は、コイル100を備えた固定子96と、固定子96に対して軸方向上下に加振変位可能とされた可動子98とを、備えている。
固定子96は、円筒形状のコイル100の周囲にヨーク部材102が組み付けられた構造を有している。ヨーク部材102は、強磁性体で形成されており、底壁中央に円形の貫通孔を有する有底円筒形状の外周ヨーク部材104と、略円環形状で外周ヨーク部材104の貫通孔に嵌め込まれた内周ヨーク部材106と、略円環板形状で外周ヨーク部材104の上側開口部に取り付けられる上ヨーク部材108とを組み合わせて形成されている。更に、内周ヨーク部材106の内周上端部と、上ヨーク部材108の内周下端部が、相互に離隔して磁気ギャップが形成されており、それらヨーク部材106,108の内周端部が、コイル100への通電によって磁極が形成される磁極部110,112とされている。なお、コイル100とヨーク部材102の間には電気絶縁性の合成樹脂材料で形成された絶縁部材114が設けられており、コイル100の周囲が絶縁部材114によって覆われている。
また、固定子96の中央部分には、可動子98が配設されている。可動子98は、強磁性体で形成された略円筒形状の部材であって、上端部分には内周側に突出する内フランジ部116が一体形成されている。この可動子98は、上ヨーク部材108の中央孔に挿入されていると共に、内周ヨーク部材106の内周端部と軸方向で対向して配置されている。そして、コイル100に通電されて内周ヨーク部材106の内周端部(磁極部110)に磁極が形成されると、磁力の作用に基づいて可動子98に内周ヨーク部材106側への引力が及ぼされて、可動子98が軸方向下方に変位されるようになっている。
このような構造とされた電磁式アクチュエータ94は、第2の取付部材14に取り付けられている。即ち、電磁式アクチュエータ94の上ヨーク部材108と固定金具32の下端部が縮径かしめ等によって固定されることにより、電磁式アクチュエータ94の固定子96が固定金具32を介して第2の取付部材14によって支持されている。
また、電磁式アクチュエータ94の可動子98は、出力軸86に取り付けられている。即ち、出力軸86の可撓性膜28から下方に延び出した部分が、可動子98の中心孔に挿通されて、固着フランジ92と可動子98の上面との間にコイルスプリング118が介装されると共に、出力軸86の下端部に設けられた雄ねじ部に係止ナット120が螺着されて可動子98の内フランジ部116に下方から当接することで、出力軸86と可動子98が弾性的に位置決めされて連結されている。なお、上記の説明からも明らかではあるが、出力軸86の上端部分と可動子98は、軸方向離隔方向への相対変位が係止ナット120によって規制されていると共に、軸方向接近方向への相対変位がコイルスプリング118の変形によって許容されている。
そして、電磁式アクチュエータ94のコイル100に対して外部の電源122から通電されて、可動子98に軸方向下向きの力が及ぼされると、可動子98に連結された出力軸86が下方に変位して、出力軸86の上端に固定された加振部材54が下方に変位する。その後、電源122からコイル100への通電を停止すると、加振部材54の変位によって弾性変形させられた支持ゴム弾性体62の弾性に基づく復元力が作用して、加振部材54とそれに連結された出力軸86および可動子98が初期位置に復帰する。従って、電源122からコイル100への通電を制御手段124によって制御することにより、加振部材54が電磁式アクチュエータ94によって上下に加振変位されて、中間室66に所定の加振力が及ぼされるようになっている。
なお、制御手段124によるコイル100への通電の制御は、特に限定されるものではないが、例えば、入力振動を予め測定し、測定結果から予測される入力振動に対して有効な防振効果が発揮されるように制御する、所謂マップ制御によって実現される。尤も、入力振動をセンサによって検出して、その検出結果に基づいて加振力を制御するフィードバック制御等も採用され得る。
ところで、本実施形態のエンジンマウント10では、電磁式アクチュエータ94の加振力を利用した能動的な防振効果を有効に得るために、受圧室52と中間室66を相互に連通するリーク孔126が設けられている。リーク孔126は、図3に示されているように、仕切部材38を上下に貫通するように設けられており、図1に示されているように、可動ゴム板80を外周側に外れた位置で受圧室52と中間室66を相互に常時連通している。より具体的には、リーク孔126は、収容凹所44を含んで構成されており、収容凹所44が、蓋部材42を貫通する上孔128(図5参照)を通じて受圧室52に連通されると共に、仕切部材本体40を貫通する下孔130(図4参照)を通じて中間室66に連通されることによって、形成されている。なお、リーク孔126が可動ゴム板80を外周側に外れた位置に設けられるとは、必ずしもリーク孔126の全体が可動ゴム板80と重ならない位置に設けられることだけを限定的に示唆するものではなく、リーク孔126を通じての流体流動が可動ゴム板80によって完全に遮断されないように、リーク孔126が設けられていれば良い。
また、リーク孔126の液柱共振周波数(f)は、フィルタオリフィス78の液柱共振周波数(f’)よりも低周波数に設定されており、フィルタオリフィス78の液柱共振周波数の半分以下(f≦f’/2)とされている。好適には、リーク孔126の液柱共振周波数(f)は、フィルタオリフィス78の液柱共振周波数(f’)に対して、1/10以上且つ2/5以下(f’/10≦f≦2f’/5)とされている。更に、より好適には、1/8以上且つf≦1/4以下(f’/8≦f≦f’/4)とされ、本実施形態では、1/6程度に設定されている。なお、オリフィス通路68,フィルタオリフィス78,リーク孔126の各液柱共振周波数は、それぞれの通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を、受圧室52,平衡室64,中間室66の壁ばね剛性を考慮しながら調節することによって、設定される。
また、収容凹所44は、上孔128および下孔130が形成された周上の一部において部分的に拡径されており、かかる収容凹所44の拡径部分が中間連通部132とされている。この中間連通部132を介して上孔128と下孔130が常時連通されていることから、上孔128と下孔130と中間連通部132によって、可動ゴム板80の変位等に関わらず、リーク孔126が常時連通状態に保持されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10によれば、受圧室52と中間室66の間で相対的な圧力差が生じて、可動ゴム板80がフィルタオリフィス78を遮断した場合に、リーク孔126を通じて受圧室52と中間室66の連通が保持される。それ故、リーク孔126を通じての流体流動によって受圧室52と中間室66の相対的な圧力差が緩和乃至は解消されて、可動ゴム板80によるフィルタオリフィス78の遮断が解除されるようになっている。従って、エンジンシェイクに相当する低周波数振動の入力時には、フィルタオリフィス78が可動ゴム板80によって遮断されて、オリフィス通路68による流体の流動作用に基づいた防振効果が発揮されると共に、アイドリング振動や走行こもり音等に相当する中乃至高周波数振動の入力時には、フィルタオリフィス78が連通されて、電磁式アクチュエータ94から加振部材54に及ぼされる加振力に基づいた能動的な防振効果が発揮される。このように、エンジンマウント10では、リーク孔126を設けたことによって、中間室66と平衡室64を連通する流路がない構造であっても、オリフィス通路68による受動的な防振効果と、電磁式アクチュエータ94による能動的な防振効果を、何れも有効に発揮させることが可能である。
特に、電磁式アクチュエータ94を用いたエンジンマウント10では、可動子98と固定子96の相対位置が発生力に対して大きく影響することから、可動子98と固定子96の相対位置のずれが小さいことが望ましい。そこにおいて、リーク孔126が設けられていることにより、中間室66が加圧又は減圧された状態でフィルタオリフィス78が遮断された場合にも、中間室66の加圧状態又は減圧状態がリーク孔126を通じての流体流動によって解消される。それ故、加振部材54に中間室66の液圧が作用して可動子98が固定子96に対して軸方向で相対的にずれるのを防ぐことができる。その結果、電磁式アクチュエータ94の発生力を効率的に得ることができて、目的とする能動的な防振効果が有効に発揮される。
また、リーク孔126の液柱共振周波数が、フィルタオリフィス78の液柱共振周波数の半分以下に設定されることから、低周波数振動の入力時に、リーク孔126を通じて流動する流体の量が制限されて、受圧室52の圧力変動の中間室66への逃げが抑えられる。その結果、受圧室52と平衡室64の相対的な圧力差が大きくなって、オリフィス通路68を通じて受圧室52と平衡室64の間で流動する流体の量が効率的に確保されることにより、流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮される。
しかも、本実施形態では、リーク孔126の液柱共振周波数が、フィルタオリフィス78の液柱共振周波数の1/10以上且つ2/5以下に設定されている。それ故、低周波数振動の入力時にオリフィス通路68を通じての流体流動量をより効率的に確保して、流体の流動作用に基づく防振効果を有利に得ることができると共に、仕切部材38を大型化することなく、リーク孔126を簡単な形状で容易に形成することができる。即ち、リーク孔126の液柱共振周波数は、オリフィス通路68による防振効果を効果的に発揮させるという観点からは、オリフィス通路68に比して充分に低周波数に設定されても良い。しかしながら、リーク孔126の液柱共振周波数を低周波数に設定するためには、孔の断面積を小さくするか孔の長さを大きく確保する必要があって、小径過ぎて形成し難くなったり、長さを確保するために仕切部材38を大型化する必要が生じ得る。そこにおいて、リーク孔126の液柱共振周波数を、同じく仕切部材38に形成されるフィルタオリフィス78の液柱共振周波数の1/10以上に設定することにより、リーク孔126を仕切部材38の大型化を防ぎながら容易に形成することが可能となる。
また、エンジンマウント10は、電磁式アクチュエータ94が制御手段124によってマップ制御される場合に、好適に採用される。蓋し、中間室66と平衡室64を連通する流路(アイドルオリフィス)がなく、中間室66と平衡室64が独立した構造とされていることから、ばね定数の急激な変化が問題となり難く、マップ制御であっても能動的な防振効果が有効に発揮されるからである。
また、リーク孔126が硬質の仕切部材38に形成されて、受圧室52と中間室66を連通していることから、液圧の作用等によるリーク孔126の変形が回避されると共に、リーク孔126を高精度に同一形状で形成することができる。
なお、このような本発明の効果は、図6に示された実測結果からも明らかである。即ち、図6(a)は、前記実施形態のエンジンマウント10からリーク孔126をなくした構造のエンジンマウント(比較例)において、入力振動の周波数とエンジンマウント10の軸方向でのばね定数との関係を実測した結果である。これによれば、破線で示された小振幅振動だけを入力した場合のばね定数に比して、実線で示された大振幅振動の入力後に小振幅振動を入力した場合のばね定数が、著しく大きくなっている。これは、大振幅振動の入力時に、可動ゴム板80によってフィルタオリフィス78が遮断されることで中間室66が密閉されたことに起因するものと考えられ、防振性能の低下が明らかである。
一方、図6(b)は、前記実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10(実施例)において、入力振動の周波数とエンジンマウント10の軸方向でのばね定数との関係を実測した結果である。これによれば、破線で示された小振幅振動だけを入力した場合のばね定数と、実線で示された大振幅振動の入力後に小振幅振動を入力した場合のばね定数が、殆ど同じとなっている。これは、大振幅振動の入力時にフィルタオリフィス78を遮断した可動ゴム板80が、リーク孔126を通じた流体流動による中間室66の液圧変化に伴って、フィルタオリフィス78を速やかに開放することに起因するものと考えられ、目的とする防振性能が充分に満たされている。
これらのように、受圧室52と平衡室64を連通するリーク孔126が設けられることによって、中間室66と平衡室64が互いに独立した構造であっても、有効な防振効果が発揮されることが、実測結果によっても明らかとなっている。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、リーク孔126の上孔128および下孔130が部分的に可動ゴム板80と重なり合っていたが、リーク孔は可動板を外周側に完全に外れた位置に設けられていても良い。一方、リーク孔の流体流路が可動板の変位や変形によっても遮断されないように確保されていれば、リーク孔の全体が軸方向の投影において可動板と重なる位置に設けられていても良い。要するに、リーク孔が可動板を外れて設けられるとは、リーク孔の流体流路が可動板で遮断されることなく常時連通状態に維持されることをいう。
また、リーク孔は、必ずしも1つの孔によって構成されている必要はなく、複数の孔によって構成されていても良い。
さらに、リーク孔は、前記実施形態に示されているように、仕切部材38を上下に貫通する構造とされていることが望ましいが、長さの確保等を目的として、周方向や径方向に延びるように設けられていても良い。また、リーク孔の液柱共振周波数は、フィルタオリフィスの液柱共振周波数に対して半分以下であれば良いのであって、上記の如くしてリーク孔の長さが充分に確保される場合等には、リーク孔の液柱共振周波数がフィルタオリフィスの液柱共振周波数の1/10よりも低周波数に設定され得る。
また、本発明は、必ずしも自動車用のエンジンマウントにのみ適用されるものではなく、例えば、自動車用のサブフレームマウントやボデーマウント、デフマウント等の他、自動車以外の各種振動体(例えば、自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両等)の防振装置に対して、何れも適用可能である。
10:エンジンマウント(流体封入式能動型防振装置)、12:第1の取付部材、14:第2の取付部材、16:本体ゴム弾性体、28:可撓性膜、52:受圧室、54:加振部材、64:平衡室、66:中間室、68:オリフィス通路、78:フィルタオリフィス(圧力伝達通路)、80:可動ゴム板(可動板)、94:電磁式アクチュエータ、126:リーク孔

Claims (2)

  1. 第1の取付部材と第2の取付部材とを連結する本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室とが設けられて、それら受圧室と平衡室とに封入された非圧縮性流体がオリフィス通路を通じて相互に流動されるようになっている一方、電磁式アクチュエータで加振される加振部材で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された中間室が設けられており、該中間室の圧力変動が圧力伝達通路を通じて該受圧室に及ぼされるようになっている流体封入式能動型防振装置において、
    前記中間室が前記平衡室から独立して形成されており、
    前記圧力伝達通路が、前記オリフィス通路よりも高周波数にチューニングされたフィルタオリフィスで構成されていると共に、該フィルタオリフィスを通じての流体流動量を制限する可動板が設けられている一方、
    該中間室と前記受圧室を常時連通するリーク孔が形成されており、該リーク孔の液柱共振周波数が該フィルタオリフィスの液柱共振周波数の半分以下に設定されていることを特徴とする流体封入式能動型防振装置。
  2. 前記リーク孔の液柱共振周波数が、前記フィルタオリフィスの液柱共振周波数の1/10以上且つ2/5以下に設定されている請求項1に記載の流体封入式能動型防振装置。
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