JP4228219B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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    • F16F13/106Design of constituent elastomeric parts, e.g. decoupling valve elements, or of immediate abutments therefor, e.g. cages

Description

本発明は、例えば自動車におけるエンジンマウントやボデーマウント、デフマウント等に適用される流体封入式防振装置に係り、特に、内部に封入された流体の流動作用に基づいて発揮される防振特性を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、内部に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式の防振装置が知られている。
また、このような流体封入式防振装置においては、防振効果の要求される振動が複数種類ある場合に対応するために、低周波数域の振動に対して有効な防振効果を発揮するオリフィス通路と、高周波数域の振動に対して有効な防振効果を得るための可動部材を組み合せて採用した構造が、従来から提案されている。具体的には、特許文献1, 2及び3等に記載のものがそれであり、例えば、自動車用エンジンマウントに適用されて、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動と走行こもり音等の高周波小振幅振動の何れに対しても良好な防振効果の実現が図られている。
ところで、従来構造の流体封入式防振装置においては、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的な大荷重振動が入力された際に、比較的に大きな振動伝達が発生したり衝撃的な異音が発生したりする場合がある。例えば、自動車用エンジンマウントに適用した場合には、エンジンクランキング時や急加減速時等において、そのような振動や異音が発生する場合のあることが確認されている。
このような比較的に大きな振動や衝撃的な異音等の発生は、衝撃的な大荷重振動の入力時に、オリフィス通路を通じての流体流動量が制限されて受圧室に生ぜしめられる過大な負圧によって封入流体から分離された気体が再び封入流体に溶け込む際に発生する振動や異音等に起因すると考えられる。
そこで、上述の如き問題に対処するために、本願出願人は、先に、特許文献4において、オリフィス通路を短絡する短絡通路と、該短絡通路を遮断する弁手段を設けて、受圧室の負圧が過大となった場合に弁手段を開いて短絡通路を連通させることにより、受圧室における過大な負圧の発生を回避するようにした流体封入式防振装置を提案した。
しかしながら、この先の出願において開示した構造では、弁手段を形成する必要があることと、弁手段を高精度に作動調節する必要があることから、製造やその管理に高い能力が要求されるという課題があったのであり、実用化に際して更なる改良が望まれていたのである。
特公平4−17291号公報 特開平1−164831号公報 特開平3−121327号公報 特開2003−148548号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて発揮される防振効果が有効に確保されつつ、衝撃的に大きな振動や荷重が及ぼされた際の異音や振動の発生が効果的に抑えられることに加え、部品点数の削減に伴い構造が簡略化されて、製造が容易になると共にコストの低減化が図られ得る、改良された構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を形成して該受圧室と該平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を連通するオリフィス通路を形成する一方、該受圧室と該平衡室を仕切るように可動部材を配設して、該可動部材の各一方の面に及ぼされる該受圧室と該平衡室の圧力差に基づく該可動部材の変位乃至は変形によってオリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域での該受圧室の圧力変動を吸収して高動ばね化を抑えるようにした流体封入式防振装置において、前記オリフィス通路よりも短い流路長さで前記受圧室と前記平衡室を相互に連通する短絡流路を形成すると共に、該短絡流路の該平衡室への開口部を前記可動部材が変位乃至は変形せしめられる領域に設けて、該受圧室の圧力が増大して該可動部材が該平衡室側に変位乃至は変形することにより該短絡流路の該平衡室への開口部が該可動部材で覆蓋されて該短絡流路が実質的に遮断されるようにすると共に、該受圧室の圧力が減少して該可動部材が該受圧室側に変位乃至は変形することにより該短絡流路が連通せしめられるようにした流体封入式防振装置にある。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、高周波数域の振動に対する防振効果を得るために従来から採用されていた可動部材を巧く利用して、特別な弁手段を必要とすることなく、受圧室における過大な負圧の発生を回避せしめ得る短絡流路を実現することが出来る。
即ち、大荷重の入力に際して、受圧室の圧力が減少すると、可動部材の変位乃至は変形によって短絡流路が連通せしめられることにより、受圧室と平衡室の間の流体流動が、オリフィス通路よりも短い短絡流路を通じて許容されることとなる。その結果、衝撃的な大荷重の入力に起因する受圧室の過大な負圧が有効に回避されて、気相の分離が抑えられることにより、衝撃的な振動や異音の低減が図られ得るのである。
しかも、オリフィス通路がチューニングされた低周波大振幅の振動入力時には、少なくとも受圧室が正圧となる状態下では可動部材が短絡流路を閉じることから、オリフィス通路を通じての流体流動量も十分に確保されて、低周波振動に対して有効な防振効果が発揮される。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の前記態様1に係る流体封入式防振装置において、前記受圧室と前記平衡室を仕切る仕切部材を前記第二の取付部材で固定的に支持せしめて設けると共に、該仕切部材に透孔を形成して該透孔に前記可動部材を配設し、該仕切部材によって該可動部材を変位乃至は変形可能に支持せしめる一方、該仕切部材を利用して、該可動部材の外周側に前記短絡流路を形成したことにある。
このような本態様においては、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材を利用して、可動部材が支持されると共に短絡流路が形成されることにより、全体がコンパクトとされる。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の前記態様2に係る流体封入式防振装置にあって、前記可動部材の外周側において周方向で複数箇所に前記短絡流路を形成したことにある。
このような本態様においては、短絡流路を受圧室の複数箇所に開口せしめたことにより、衝撃的な大荷重の入力に伴う受圧室の瞬間的な負圧発生に際しても受圧室の広い領域で速やかに負圧を解消することが可能となり、局部的な負圧増大に起因する気相分離も効果的に回避され得る。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の前記態様2又は3に係る流体封入式防振装置にあって、前記仕切部材における前記透孔の形成部位において、前記可動部材に対して前記平衡室側に所定距離を隔てて対向位置する下蓋と、該可動部材に対して前記受圧室側に所定距離を隔てて対向位置する上蓋とを有する蓋部材からなる規制板を設けると共に、該蓋部材の該下蓋と該上蓋の各中央部分に通孔を設けて、該可動部材の変位乃至は変形がそれら該下蓋と該上蓋における該各通孔を通じての流体流動によって許容されるようにすると共に、該可動部材の該下蓋及び該上蓋への当接によって該可動部材の変位乃至は変形が制限されるようにする一方、前記短絡流路の平衡室側の端部を該可動部材と該下蓋の間の領域に開口させて該下蓋の該通孔を通じて該短絡流路を該平衡室に連通せしめ、受圧室の圧力が増大して該可動部材が該平衡室側に変位乃至は変形して該下蓋に当接することにより該通孔が閉塞せしめられて該短絡流路が遮断されると共に、該受圧室の圧力が減少して該可動部材が該受圧室側に変位乃至は変形して該上蓋に当接することにより該通孔が該可動部材と該規制板の間の領域に開口せしめられて該短絡流路が連通されるようにしたことにある。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の前記態様4に係る流体封入式防振装置において、前記仕切部材から独立形成された板状の可動プレートによって前記可動部材が構成されていると共に、該仕切部材の透孔に該可動プレートが収容状態で配設されて、該透孔の内周面で案内されつつ該可動プレートが板厚方向に変位せしめられるようになっている一方、前記短絡流路における前記平衡室側への端部を該透孔の内周面における前記平衡室側の端部付近に開口せしめたことにある。
このような本態様においては、可動部材が規制板に当接することにより、短絡流路を可動部材によって一層確実に遮断することが出来る。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の前記態様4に係る流体封入式防振装置において、板状の弾性プレートによって前記可動部材が構成されており、該弾性プレートが前記仕切部材の透孔に配設されてその外周縁部が該透孔の内周面に固着されることによって、該弾性プレートが板厚方向に弾性変形せしめられるようになっている一方、前記短絡流路における前記平衡室側への端部を該透孔の内周面における前記平衡室側の端部付近に開口せしめたことにある。
このような本態様においては、弾性プレートが弾性変形によって仕切部材に当接することを利用して、短絡流路をより確実に遮断せしめることも出来る。
(本発明の態様7)
本発明の態様7の特徴とするところは、本発明の前記態様2乃至6の何れかに係る流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材に形成された筒状部の一方の開口部側に離隔して前記第一の取付部材を配設せしめて該第一の取付部材と該第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該筒状部の一方の開口部を流体密に閉塞すると共に、該筒状部の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に閉塞する一方、該筒状部の中心軸に対して略直交して広がるように前記仕切部材を配設して該第二の取付部材で固定的に支持せしめることにより該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室を他方の側に前記平衡室を形成したことにある。
このような本態様においては、受圧室や平衡室、更には仕切部材に配設される可動部材が優れたスペース効率をもって形成されることとなり、それによって、流体封入式防振装置がコンパクトに実現され得る。
(本発明の態様8)
本発明の態様8の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至7の何れかに係る流体封入式防振装置において、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の一方を自動車のパワーユニットに取り付けると共に他方を車両ボデーに取り付けることによってエンジンマウントを構成して、前記オリフィス通路をエンジンシェイクに相当する低周波数域にチューニングする一方、前記可動部材の変位乃至は変形によって走行こもり音等に相当する高周波数域の振動入力時に低動ばね効果が発揮されるようにチューニングしたことにある。
このような本態様においては、シェイク等の低周波振動と、走行こもり音等の高周波振動等との、何れに対しても有効な防振効果を発揮し得るエンジンマウントが比較的に簡単な構造をもって有利に実現される。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、受圧室の圧力変動に伴う可動部材の変位乃至は変形を利用して短絡流路が遮断/連通せしめられることから、衝撃的荷重の入力に伴う受圧室での気体の分離に起因する振動や異音の発生が、特別で複雑な部材や機構を必要とすることなく有利に防止され得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造を有している。また、エンジンマウント10は、第一の取付金具12が防振連結される一方の部材としてのパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14が防振連結される他方の部材としてのボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。また、そのような装着状態下、当該マウント10には、パワーユニット荷重の入力により本体ゴム弾性体16が弾性変形することに伴って、第一の取付金具12と第二の取付金具14が図1中の上下方向に所定量だけ相対変位せしめられると共に、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に対して、図1中の上下方向に入力されることとなる。なお、以下の説明において、特に示さない限り、上下方向は、図1, 5中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12は、略逆円錐台形状を有していると共に、その大径側端面には径方向外方に拡がる環状の鍔部18が一体形成されている。また、第一の取付金具12には、大径側端面の中央部分から上方に向かって突出する螺着部20が設けられている。そして、この螺着部20に形成されたネジ穴に螺着される固定ボルトによって、第一の取付金具12が、図示しないパワーユニットに対して固定的に取り付けられるようになっている。
また、第一の取付金具12には、本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。かかる本体ゴム弾性体16は、下方に向かって拡径する大径の略円錐台形状を呈していると共に、その小径側端面から第一の取付金具12が軸方向下方に差し込まれた状態で同一中心軸上に配されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、下方に向かって開口する大径の凹所22が形成されている。それによって、パワーユニットの支持荷重の入力による引張応力が軽減乃至は回避されるようになっている。更に、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、大径円筒形状の中間スリーブとしての金属スリーブ24が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と金属スリーブ24を有する一体加硫成形品として形成されている。また、第一の取付金具12の鍔部18には、緩衝ゴム26が上方に向かって突出して本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部28を挟んで軸方向上部が大径部30とされていると共に、軸方向下部が小径部32とされている。また、第二の取付金具14の内周面には、略全面を覆う薄肉のシールゴム層34が設けられて加硫接着されていると共に、小径部32側の開口部には、可撓性膜としての変形容易な薄肉のゴム弾性膜からなるダイヤフラム36が設けられてシールゴム層34と一体形成されている。即ち、このダイヤフラム36の外周縁部が第二の取付金具14の下方の開口周縁部に加硫接着されていることによって、第二の取付金具14の下側開口部が流体密に閉塞されている。
そして、第二の取付金具14は、その大径部30が金属スリーブ24に外挿されて、圧入や絞り加工等で嵌着固定されることによって、第一の取付金具12と金属スリーブ24を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に固着されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、略同一の中心軸上で防振すべき振動の主たる入力方向となる軸方向(図1中、上下)で離隔配置されており、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。また、第二の取付金具14の大径部30が本体ゴム弾性体16の外周面に固着されることにより、第二の取付金具14の上側開口部が、本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
さらに、第二の取付金具14には、軸方向上側から筒状のストッパ筒金具38が被せられている。ストッパ筒金具38の軸方向下端部には、軸直角方向外方に拡がるフランジ状部40が形成されて、第二の取付金具14の上端部と金属スリーブ24の上端部に重ね合わされている。また、ストッパ筒金具38の軸方向上端部には、軸直角方向内方に突出する環状の当接突起42が一体形成されており、この当接突起42が、第一の取付金具12の鍔部18に対して軸方向に離隔して対向位置せしめられている。そして、大きな振動荷重が入力された際に鍔部18が緩衝ゴム26を介して当接突起42に当接されることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で相対的に離隔せしめられる方向、所謂第一の取付金具12と第二の取付金具14のリバウンド方向における相対的な変位量が制限されることとなる。
更にまた、第二の取付金具14には、保持金具44が組み付けられている。この保持金具44は、大径の略段付有底円筒形状を呈しており、軸方向中間部分に形成された段差部43を挟んで軸方向上部の径寸法が軸方向下部よりも大きくされている。そして、保持金具44においては、その大径部45が第二の取付金具14の大径部30に外挿されて圧入や絞り加工等で嵌着固定されると共に、段差部43が第二の取付金具14の段差部28に重ね合わされて、更に保持金具44の上端部にかしめ加工が施されて該上端部が第二の取付金具14の上端部等に重ね合わされたストッパ筒金具38のフランジ状部40にかしめ固定されることにより、第二の取付金具14に対してストッパ筒金具38と共に固定されている。なお、保持金具44の底壁部47とダイヤフラム36の間には、所定の空間が形成されており、かかる空間によってダイヤフラム36の軸方向下方の膨出変形が許容されるようになっている。また、保持金具44には、当該空間を外部と連通させる空気孔49が設けられている。
また、保持金具44の外周面には、下方に向かって延び出す複数のブラケット46が固設されていると共に、このブラケット46の延出先端部分に固設された固定用ボルト48が、図示しない車両ボデーに螺着されることとなる。それによって、第二の取付金具14が、保持金具44を介して車両ボデーに固定的に取り付けられるようになっている。
さらに、第二の取付金具14の軸方向中間部分には、仕切部材としての仕切金具50が収容配置されている。この仕切金具50は、略逆向き有底円筒形状を有していると共に、その上底部の外周縁部が径方向外方に向かって突出せしめられている。そして、該上底部の径方向突出部分が金属スリーブ24の下端部等と第二の取付金具14の段差部28の間に介装された形態で、仕切金具50が、第二の取付金具14の小径部32に嵌め込まれて小径部32への圧入組み付けや小径部32の絞り加工等によって第二の取付金具14に固定的に支持されている。これにより、仕切金具50の円筒状外周面が、第二の取付金具14の小径部32にシールゴム層34を介して流体密に密着固定されている。
このように仕切金具50が第二の取付金具14内に組み付けられることによって、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム36の間に形成されて外部空間に対して密閉された領域が、仕切金具50によって流体密に二分されている。従って、第二の取付金具14内における仕切金具50を挟んだ軸方向一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間の振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室52が形成されていると共に、軸方向他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム36で構成されて、該ダイヤフラム36の弾性変形に基づき容積変化が容易に許容される平衡室54が形成されている。そして、これら受圧室52と平衡室54には、それぞれ、非圧縮性流体が封入されている。封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、非圧縮性流体の封入は、例えば第一の取付金具12と金属スリーブ24を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する第二の取付金具14とダイヤフラム36の一体加硫成形品や仕切金具50等の組み付けを非圧縮性流体中で行うこと等によって実現される。
さらに、仕切金具50には、外周面に開口して周方向に略螺旋状に連続して延びる周溝56が形成されて、第二の取付金具14の小径部32で流体密に覆蓋されている。また、周溝56の一方の端部が、仕切金具50の上壁部等に形成された連通孔58を通じて受圧室52に接続されていると共に、周溝56の他方の端部が、仕切金具50の側壁部等に形成された連通孔60を通じて平衡室54に接続されている。それによって、仕切金具50の周溝56と第二の取付金具14が協働してオリフィス通路62が形成されており、このオリフィス通路62を通じて受圧室52と平衡室54が連通されている。従って、圧力変動が惹起される受圧室52とダイヤフラム36の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室54の間には、相対的な圧力変動が惹起されることとなり、それら両室間52, 54でオリフィス通路62を通じての流体流動が生ぜしめられる。その結果、オリフィス通路62を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が、防振すべき軸方向の振動に対して発揮されるようになっている。なお、オリフィス通路62を流動せしめられる流体の共振周波数が、例えば流体の共振作用等に基づいてエンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。オリフィス通路62の共振周波数のチューニングは、例えば周溝56の形状や大きさを設定変更することにより行われる。
更にまた、仕切金具50の中央部分には、受圧室52側に向かって開口する円形の中央凹部64が形成されていると共に、この中央凹部64の底部には、大径の略円孔形状を有する連通窓66が貫設されて平衡室54に開口せしめられている。また、中央凹部64には、蓋部材68が配設されている。蓋部材68は上蓋金具70と下蓋金具72を含んで構成されている。
上蓋金具70は、図2にも示されているように、薄肉の略平面視円板形状を呈している。また、上蓋金具70の中央部分には、プレス加工等で上方に向かって略平坦な円形状に突出せしめられた中空の中央凸部74が一体形成されている。この中央凸部74の上底部には、複数の円形小孔からなる通孔76が貫設されている。更に、中央凸部74の周壁部の基端部分には、略矩形状を有する中空の径方向突部78が径方向外方に向かって突設されている。即ち、上蓋金具70における径方向突部78を備えた部分の縦断面が階段状とされていると共に、径方向突部78の内部が、中央凸部74の周壁部における径方向突部78の形成部位に設けられた開口部80を通じて、中央凸部74の内部に連通されている(図3,4参照。)。また、径方向突部78の上壁部には、連通孔82が貫設されている。本実施形態では、かかる連通孔82を備えた径方向突部78が中央凸部74の周上の二箇所に設けられており、これら二つの径方向突部78, 78が中央凸部74の中心軸を挟んだ径方向一方向線上に位置せしめられている。また、上蓋金具70の外周縁部には、径方向外方に向かって凹状に開口する切欠き84が設けられている。
また、下蓋金具72は、薄肉の略円板形状を有しており、その中央部分に複数の円形小孔からなる通孔86が貫通形成されていると共に、その外周縁部に径方向外方に向かって凹状に開口する切欠き88が設けられている。
さらに、上蓋金具70の中央凸部74が上方に向かって突出する形態で、上蓋金具70の外周縁部が下蓋金具72の外周縁部に重ね合わせられていると共に、これら上蓋金具70と下蓋金具72が、仕切金具50の中央凹部64の底部に貫設された連通窓66を覆蓋せしめるようにして該底部に載置され、溶接やボルト固定等で固着されている。これによって、上下蓋金具70,72からなる蓋部材68が仕切金具50に固定されている。また、上蓋金具70の中央凸部74の底部と下蓋金具72の中央部分の間には、軸直角方向に略円形状に拡がる収容空所90が形成されており、該空所90と受圧室52が、上蓋金具70における中央凸部74の通孔76と径方向突部78の連通孔82を通じて連通されていると共に、該空所90と平衡室54が、中央凹部64の連通窓66と下蓋金具72の通孔86を通じて連通されている。また、かかる組み付け下では、上蓋金具70の切欠き84、下蓋金具72の切欠き88および仕切金具50における中央凹部64の底部(仕切金具50の上壁部)に貫設された連通孔58が周方向で略同じ位置に位置決めされている。それによって、オリフィス通路62の受圧室52側の開口部が常に開口せしめられた状態とされて、延いてはオリフィス通路62が受圧室52と平衡室54の間において常に連通せしめられた状態に維持されている。
また、上蓋金具70と下蓋金具72の間の収容空所90には、可動プレートとしての可動ゴム板92が収容配置されている。かかる可動ゴム板92は、薄肉の略円板形状を有している。また、可動ゴム板92の外径寸法が、上蓋金具70の中央凸部74の内径寸法よりも僅かに小さくされていると共に、上蓋金具70と下蓋金具72に形成された各通孔76,86の最大外形寸法よりも大きくされている。更に、可動ゴム板92の厚さ寸法が、収容空所90の高さ寸法よりも小さくされていると共に、中央凸部74の周壁部に形成された開口部80の高さ寸法よりも大きくされている。また、可動ゴム板92の上下両面には、周方向に連続に乃至は不連続に延びたり、適宜の形状をもって外周面に開口乃至は突出したりする凹部や凸部の複数が一体形成されている。そして、可動ゴム板92は、軸直角方向に拡がるようにして収容空所90に収容配置されて、中央凸部74の周壁部の内周面で案内されつつ可動ゴム板92の板厚方向(マウント10の軸方向)に変位可能に配設されている。
すなわち、そのような組み付け状態下で、可動ゴム板92の上面が、上蓋金具70に貫設された通孔76を通じて受圧室52に露呈されている一方、可動ゴム板92の下面が、下蓋金具72に貫設された通孔86と中央凹部64の底壁に貫設された連通窓66を通じて平衡室54に露呈されている。その結果、可動ゴム板92には、受圧室52と平衡室54の内圧が上下面に及ぼされるのであり、振動入力時に受圧室52と平衡室54の圧力差に基づいて軸方向の変位が生ぜしめられる。特に本実施形態では、上下蓋金具70,72の対向面間で、それら両蓋金具70,72に当接するまでのストロークで可動ゴム板92が上下に容易に変位可能とされている。
そして、例えば走行こもり音等の高周波小振幅振動が入力された場合には、可動ゴム板92の軸方向の変位に基づいて上蓋金具70および下蓋金具72の各通孔76,86を通じての流体流動が生ぜしめられることにより、流体の共振作用乃至は受圧室52に係る液圧吸収作用に基づいて入力振動に対する低動ばね効果が発揮されるようになっている。
なお、可動ゴム板92の固有振動数が、該可動ゴム板92の軸方向の変位に伴う通孔76,86を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づいて、例えば走行こもり音等の高周波小振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされることが有効である。
また、可動ゴム板92の外周側における径方向突部78の内部には、短絡流路としての短絡通路94が形成されている。短絡通路94の一方の端部は、径方向突部78の連通孔82を通じて受圧室52に接続されていると共に、他方の端部は、中央凸部74の周壁部に形成された開口部80を通じて収容空所90における可動ゴム板92と中央凹部64の底壁部の対向面間に接続され、延いては収容空所90の底壁部に形成された連通窓66を通じて平衡室54に接続されている。これにより、オリフィス通路62よりも短い流路長さで受圧室52と平衡室54を連通せしめる短絡通路94が、オリフィス通路62と独立して形成されていると共に、特に本実施形態では、かかる短絡通路94の一対が、可動ゴム板92の外周側において可動ゴム板92の中心軸を挟んだ径方向一方向で対向位置せしめられているのである。
そこにおいて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振動荷重が入力されて受圧室52に圧力変動が生ぜしめられるに際して、受圧室52の圧力増大時には、可動ゴム板92が下方に変位せしめられて下蓋金具72に当接されることに伴い該可動ゴム板92の下方に向かう変位量が制限されるようになっていると共に、受圧室52の圧力減少時には、可動ゴム板92が上方に変位せしめられて上蓋金具70に当接されることに伴い該可動ゴム板92の上方に向かう変位量が制限されるようになっている。このような受圧室52の圧力変動に基づいて可動ゴム板92が軸方向に所定量だけ変位せしめられるように、上下蓋金具70,72間の対向面間距離と可動ゴム板92の形状や大きさ(厚さ)等が設定されている。また、可動ゴム板92が上蓋金具70に当接された際に、中央凸部74の周壁部に形成された開口部80、即ち短絡通路94の平衡室54側への開口部80が、収容空所90における可動ゴム板92と中央凹部64の底壁部の間に開口せしめられた状態に保持されるようになっていると共に、可動ゴム板92が下蓋金具72に当接された際に、短絡通路94の平衡室54側への開口部80が、可動ゴム板92の外周縁部により実質的に覆蓋せしめられた状態が保持されるようになっている。
従って、本体ゴム弾性体16が圧縮変形せしめられる受圧室52の増圧時には、図3にも拡大して示されているように、可動ゴム板92が下蓋金具72に当接されることによって、下蓋金具72に形成された通孔86が可動ゴム板92で閉塞されると共に、短絡通路94の平衡室54側への開口部80が可動ゴム板92で閉塞されるようになっており、以て、短絡通路94が遮断された状態に保持されるようになっている。
一方、本体ゴム弾性体16が引張変形せしめられる受圧室52の減圧時には、図4にも拡大して示されているように、可動ゴム板92が上蓋金具70に当接されることによって、上蓋金具70の中央凸部74に形成された通孔76が可動ゴム板92で閉塞される一方、短絡通路94の平衡室54側への開口部80が、収容空所90における可動ゴム板92と中央凹部64の底壁部の間に開口せしめられて、底壁部に形成された連通窓66を通じて平衡室54に開口されるようになっている。それによって、短絡通路94が受圧室52と平衡室54の間を連通せしめた状態に保持されるようになっている。
なお、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、仕切金具50に形成される透孔が、中央凹部64や連通窓66を含んで構成されていると共に、可動ゴム板92の軸方向変位を案内させる透孔の内周面が、上蓋金具70における中央凸部74の周壁部の内周面を含んで構成されている。これによって、可動ゴム板92が、中央凹部64に設置される上蓋金具70と下蓋金具72を介して透孔に配設されている。また、透孔の形成部位において、可動ゴム板92に対して平衡室54側に所定距離を隔てて対向位置せしめられる規制板が、蓋部材68の下蓋金具72を含んで構成されていることに加えて、特に本実施形態では、可動ゴム板92に対して受圧室52側に所定距離を隔てて対向位置せしめられる規制板が、蓋部材68の上蓋金具70を含んで構成されている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動が第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に軸方向に入力された際に、本体ゴム弾性体16における受圧室52に対するピストン作用により受圧室52に大きな圧力変動が生ぜしめられて、受圧室52と平衡室54の間に相対的な圧力変動が及ぼされることとなり、オリフィス通路62を通じての流体の流動量が確保される。その結果、受圧室52と平衡室54の間でのオリフィス通路62を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、防振効果(振動減衰効果)が有効に発揮され得る。
これにより、可動ゴム板92の変位が制限されると共に、短絡通路94を通じての流体流動量が制限されることから、オリフィス通路62を流動せしめられる流体の流動量が十分に確保され得て、オリフィス通路62を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が有利に発揮される。
また、オリフィス通路62のチューニング周波数よりも高周波数域にある走行こもり音等の高周波小振幅振動が第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に入力された際には、オリフィス通路62が実質的に閉塞状態となるが、受圧室52と平衡室54の間に配設された可動ゴム板92の軸方向の変位に伴う通孔76,86を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づき、防振効果(振動絶縁効果)が有効に発揮され得る。それ故、オリフィス通路62の実質的な閉塞化等による受圧室52の圧力増大に伴う著しい高動ばね化が回避されて、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して優れた防振効果を得ることが可能となるのである。
さらに、段差の乗り越え等に際して過大な衝撃的荷重が及ぼされて受圧室52の圧力が急激に且つ大きく減少する際には、可動ゴム板92がそれ自体の軸方向変位によって上蓋金具70に当接せしめられて、短絡通路94の平衡室54への開口部80が開口せしめられて、短絡通路94が受圧室52と平衡室54の間において連通せしめられることとなり、オリフィス通路62が短絡される。その結果、短絡通路94の流路長さがオリフィス通路62のそれよりも十分に短く、流通抵抗が小さいことから、平衡室54から受圧室52への流体流動が、短絡通路94を通じて許容されることとなる。それ故、衝撃的な大荷重振動の入力に際しても、短絡通路94を通じての流体の流動作用に基づいて、受圧室52における過大な負圧の発生が効果的に回避されるのであり、それによって、受圧室52において封入流体から気体が分離されることに起因する衝撃的な振動や異音の発生等も有利に抑えられるのである。特に本実施形態では、軸直角方向両側に大きく離れた位置に2本の短絡通路94,94が開口位置せしめられていることから、受圧室52における衝撃的な負圧の発生が広い範囲に渡って極めて効率的に回避され得るのである。
従って、本実施形態によれば、受圧室52の圧力変動に伴って軸方向に変位せしめられる可動ゴム板92を利用することにより、特別な構造の弁手段等を設けなくとも、短絡通路94の連通/遮断状態が速やかに且つ確実に切り替えられることから、目的とする防振特性が確保されると共に、異音や振動等の発生抑制に優れた自動車用エンジンマウント10が比較的に簡単な構造をもって実現されるのである。
また、本実施形態では、可動ゴム板92が上蓋金具70と下蓋金具72の間の収容空所90に配設されていることによって、可動ゴム板92の下蓋金具72への当接により可動ゴム板92の平衡室54側の変位量が規制されていることに加えて、可動ゴム板92の上蓋金具70への当接によって受圧室52側にも変位量が規制されていることにより、可動ゴム板92の軸方向の変位が良好に制限されて、オリフィス通路62がチューニングされた低周波大振幅振動の入力時にも受圧室52の圧力変動が可動ゴム板92で吸収されることが効果的に抑えられることとなり、以て、オリフィス通路62を通じての流体流動量が十分に確保されることから、オリフィス通路62の流体流動作用による防振効果が一層有利に発揮され得る。
さらに、本実施形態では、可動ゴム板92が収容配置されると共に短絡通路94がオリフィス通路62と独立して形成された蓋部材68が、仕切金具50と別体形成されていることにより、例えば、受圧室と平衡室の間にオリフィス通路や可動ゴム板が設けられた従来構造の流体封入式防振装置に対して、かかる従来構造の可動ゴム板を本実施形態の可動ゴム板92に採用して蓋部材68に収容配置せしめると共に、それら受圧室と平衡室の間に蓋部材68を組み付けることによって、本実施形態のエンジンマウント10と実質的に同様な作用効果を奏する防振装置が容易に実現される。その結果、別途可動ゴム板や弁手段等が設けられた従来構造の流体封入式防振装置では到底達成され得ないほどに、製造効率の向上や製造コストの低減化等が有利に実現され得るのである。
次に、図5には、本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウント100の要部が示されている。かかる第二の実施形態では、前記第一の実施形態における可動部材の構造等が異なる態様を示している。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位に関しては、図中に第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
詳細には、第二の取付金具14内において受圧室52と平衡室54を上下に仕切る本実施形態の仕切部材が、第一仕切金具102と第二仕切金具104を含んで構成されている。第一仕切金具102は、略逆向き有底円筒形状を有しており、その円筒状外周面に周溝56が形成されていると共に、その底壁部の中央部分に連通窓66が形成されている。また、連通窓66の開口周縁部には、上方に向かって開口する環状の嵌着用溝106が設けられている。また、周溝56の一方の端部は、底壁部に形成された第一連通孔108を通じて上方に開口せしめらている。そして、第一仕切金具102は、第二の取付金具14の小径部32に嵌め込まれて、小径部32に対する圧入固定や小径部32の絞り加工等によりその円筒状外周面が流体密に密着固定されている。
また、第一仕切金具102の嵌着用溝106には、下蓋金具72が嵌合されている。本実施形態の下蓋金具72は、プレス加工等により中央部分が下方に向かって突出せしめられており、それによって、第一仕切金具102の連通窓66に向かって凸状に膨らんだ形状とされている。また、下蓋金具72の中央部分には、複数の円形小孔からなる通孔86が貫通形成されている。
さらに、第一仕切金具102には、第二仕切金具104が載置されている。第二仕切金具104は、厚肉の略円筒形状を有している。また、第二仕切金具104における内孔110の軸方向一方(図5中、上)の端部には、環状段差部112を介して径寸法が大きくされた固定凹所114が上方に向かって開口, 形成されている。更に、第二仕切金具104における固定凹所114の外周側には、第二連通孔116が板厚方向(図5中、上下)に貫設されている。更にまた、環状段差部112の周上の二箇所には、連通用溝118が形成されている。各連通用溝118は、環状段差部112の厚さ方向(図5中、上下)に延びていると共に、下部が径方向内方に向かって延びて内孔110の下端部に開口されており、屈曲形状を呈している。また、これら一対の連通用溝118,118は、第二仕切金具104の中心軸を挟んだ径方向一方向線上に位置せしめられている。そして、第二仕切金具104は、第一仕切金具102に載置されていると共に、第二の取付金具14の段差部28と金属スリーブ24の下端部の間に介装されて固定されている。また、第二仕切金具104の第一仕切金具102への載置に伴い、第一仕切金具102の嵌着用溝106に嵌合された下蓋金具72が、第一及び第二仕切金具102,104の間で支持されている。なお、かかる組み付け状態では、第一仕切金具102の第一連通孔108と第二仕切金具104の第二連通孔116が、相互に重ね合わされるように周方向で位置決めされている。
更にまた、第二仕切金具104の内孔110には、弾性プレートとしての弾性ゴム板120が組み付けられている。弾性ゴム板120は、図6,7にも示されているように、上方に向かって凸となる略平面視円形のドーム形状を呈していると共に、軸方向等に容易に弾性変形せしめられる特性を備えている。また、弾性ゴム板120の外周縁部には、略円環形状を呈する嵌着リング122が重ね合わされて加硫接着されている。即ち、弾性ゴム板120は、嵌着リング122を備えた一体加硫成形品として形成されているのである。更に、弾性ゴム板120と嵌着リング122の下端面には、嵌着リング122の外周縁部と弾性ゴム板120の内周縁部の間を連続して延びる連通溝124が一対形成されて、弾性ゴム板120の中心軸を挟んだ径方向一方向で対向位置せしめられている。そして、弾性ゴム板120が、上方に向かって凸となる形態で、嵌着リング122が第二仕切金具104の内孔110に圧入固定されていることにより、第二仕切金具104に固着されている。また、かかる組み付け状態では、第二仕切金具102における各連通用溝118の内孔110への開口部と弾性ゴム板120および嵌着リング122における各連通溝124が、相互に重ね合わされるように周方向で位置決めされている。
また、第二仕切金具104の固定凹所114には、本実施形態の上蓋金具70が収容配置されている。上蓋金具70は、図8にも示されているように、上方に向かって凸となる略平面視円形のドーム形状を有している。更に、上蓋金具70の中央部分には、複数の円形小孔からなる通孔76が貫設されていると共に、上蓋金具70の外周縁部の二箇所には、一対の接続孔126,126が貫設されて、上蓋金具70の中心軸を挟んだ径方向一方向で対向位置せしめられている。そして、上蓋金具70は、上方に向かって凸となる形態で、第二仕切金具104の固定凹所114に嵌め込まれていると共に、その外周縁部が第二仕切金具104の環状段差部112に重ね合わされてボルトや溶接等で固着されている。また、かかる組み付け状態では、上蓋金具70の各接続孔126が、第二仕切金具10における各連通用溝118の上方開口部に重ね合わされるように周方向で位置決めされている。
これにより、弾性ゴム板120の上面が、上蓋金具70の中央部分に貫設された通孔76を通じて受圧室52に露呈されている一方、弾性ゴム板120の下面が、下蓋金具72に貫設された通孔86と第一仕切金具102の底壁に貫設された連通窓66を通じて平衡室54に露呈されている。その結果、弾性ゴム板120には、受圧室52と平衡室54の内圧が上下面に及ぼされるのであり、振動入力時に受圧室52と平衡室54の圧力差に基づいて軸方向の変位が生ぜしめられる。そして、弾性ゴム板120の弾性変形に基づいて上蓋金具70および下蓋金具72の各通孔76,86を通じての流体流動が生ぜしめられることにより、流体の共振作用乃至は受圧室52に係る液圧吸収作用に基づいて入力振動に対する低動ばね効果が発揮されるようになっている。なお、弾性ゴム板120の固有振動数が、該弾性ゴム板120の弾性変形に伴う通孔76,86を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づいて、例えば走行こもり音等の高周波小振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。
また、上述の組み付け状態では、第一仕切金具102の周溝56が第二の取付金具で覆蓋せしめられていることによって、オリフィス通路62が形成されていると共に、オリフィス通路62の受圧室52側の開口部が、第一仕切金具102の第一連通孔108および第二仕切金具104の第二連通孔116を通じて確保されている。
さらに、第一及び第二仕切金具102,104における弾性ゴム板120の外周側には、上蓋金具70の接続孔126や第二仕切金具104の連通用溝118、嵌着リング122と弾性ゴム板120の連通溝124が協働して本実施形態の短絡通路94が形成されており、かかる短絡通路94,94の一対が、中心軸を挟んだ径方向一方向で対向位置せしめられている。短絡通路94の一方の端部が、上蓋金具70の接続孔126を通じて受圧室52に接続されていると共に、他方の端部が、嵌着リング122および弾性ゴム板120の連通溝124を通じて弾性ゴム板120と下蓋金具72の間に接続され、延いては下蓋金具72の通孔86と第一仕切金具102の連通窓66を通じて平衡室54に接続されている。これにより、一対の短絡通路94, 94が、第一の実施形態と同様に、オリフィス通路62と独立して形成されていると共に、オリフィス通路62よりも短い流路長さで受圧室52と平衡室54を連通せしめている。
そこにおいて、本実施形態では、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に所定の大きさの荷重振動が入力されて受圧室52に圧力変動が生ぜしめられるに際して、受圧室52の圧力増大時に、弾性ゴム板120が下方に延びるように弾性変形せしめられて下蓋金具72に密着状に当接されることに伴い該弾性ゴム板120の弾性変形が規制されるようになっている。また、受圧室52の圧力減少時には、弾性ゴム板120が上方に延びるように弾性変形せしめられて上蓋金具70に当接されることに伴い該弾性ゴム板120の弾性変形が規制されるようになっている。このような受圧室52の圧力変動に基づいて弾性ゴム板120が軸方向に弾性変形せしめられるように、弾性ゴム板120の形状や大きさ、ばね特性等が設定されている。
また、弾性ゴム板120が上蓋金具70に当接された際に、弾性ゴム板120と嵌着リング122の下端面に形成された連通溝124、換言すると短絡通路94の平衡室54側への開口部80が、弾性ゴム板120と下蓋金具72の間に開口せしめられた状態が保持されるようになっていると共に、弾性ゴム板120が下蓋金具72に当接された際に、短絡通路94の平衡室54側への開口部80が、弾性ゴム板120の外周縁部乃至は底壁部により実質的に覆蓋せしめられた状態が保持されるようになっている。
従って、本体ゴム弾性体16が圧縮変形せしめられる受圧室52の増圧時には、図9にも拡大して示されているように、弾性ゴム板120の略全体が下蓋金具72に密着状に当接されることによって、下蓋金具72に形成された通孔86が弾性ゴム板120で閉塞されると共に、短絡通路94の平衡室54側への開口部80が弾性ゴム板120で閉塞されるようになっており、以て、短絡通路94が受圧室52と平衡室54の間を遮断せしめた状態に保持されるようになっている。
一方、本体ゴム弾性体16が引張変形せしめられる受圧室52の減圧時には、図10にも拡大して示されているように、弾性ゴム板120の中央部分が上蓋金具70に当接されることによって、上蓋金具70に形成された通孔76が弾性ゴム板120で閉塞されると共に、短絡通路94の平衡室54側への開口部80が弾性ゴム板120と下蓋金具72の間に開口せしめられて、延いては下蓋金具72の通孔86および第一仕切金具102の連通窓66を通じて平衡室54に開口されるようになっている。それによって、短絡通路94が受圧室52と平衡室54の間を連通せしめた状態に保持されるようになっている。
なお、前述の説明からも明らかなように、本実施形態では、第一及び第二仕切金具102,104に形成される透孔が、第一仕切金具102の連通窓66、第二仕切金具104の固定凹所114や内孔110を含んで構成されていると共に、弾性ゴム板120の外周縁部が固着される透孔の内周面が、嵌着リング122の内周面、延いては第一仕切金具102の内孔110を含んで構成されている。
上述の如き構造とされたエンジンマウント100においては、受圧室52の圧力変動に伴う弾性ゴム板120の弾性変形によって短絡通路94が遮断/連通せしめられることにより、第一の実施形態に係るエンジンマウント10と同様な作用効果が発揮され得て、オリフィス通路62を通じての流体の共振作用等に基づく防振性能が有利に確保されつつ、受圧室52での気体の分離に起因する衝撃的な振動や異音の発生が効果的に抑制されるのである。
また、特に本実施形態では、短絡通路94を遮断/連通せしめる弾性ゴム板120が、嵌着リング122を介して第一仕切金具102に固着されていることにより、受圧室52と平衡室54の間の透孔において安定して支持され、しかも、弾性ゴム板120自身の弾性変形によって上蓋金具70や下蓋金具72に密着状に当接される。それ故、短絡通路94の遮断/連通状態が確実に切り替えられて、防振効果や衝撃的な異音の抑制効果等がより一層高度に実現され得るのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であり、これら実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、オリフィス通路の形状や大きさ、構造等は何等限定されるものでなく、また、前記実施形態では、オリフィス通路が一つの自動車用エンジンマウントに対して本発明を適用したものの具体例が示されていたが、オリフィス通路が二以上設けられたエンジンマウント等の各種の流体封入式防振装置に対して本発明を適用することが可能である。
また、短絡通路は、例示の如き形状や大きさ、構造に限定されるものでなく、例えば前記実施形態では、一対の短絡通路が設けられていたが、短絡通路を一又は三以上設けることも勿論可能である。
さらに、前記実施形態では、短絡通路がオリフィス通路と独立して形成されていたが、例えばオリフィス通路の周上の一部を分岐せしめて仕切部材における可動部材の外周側等に導くことにより、オリフィス通路の一部を利用して短絡通路を形成しても良い。
更にまた、本発明に係る可動部材は、例示の如き可動ゴム板や弾性ゴム板に限定されるものでなく、受圧室と平衡室の間で軸方向に変位乃至は変形せしめられる各種の構造体が採用される。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車のエンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明はボデーマウントやデフマウントの他、自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能であることは言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面説明図である。 図1におけるエンジンマウントの一部を構成する上蓋金具を示す平面説明図である。 図1におけるエンジンマウントの一作動形態を拡大して示す縦断面説明図である。 図1におけるエンジンマウントの別の一作動形態を拡大して示す縦断面説明図である。 本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面説明図である。 図5におけるエンジンマウントの一部を構成する嵌着金具を備えた弾性ゴム板の一体加硫成形品を示す側面説明図である。 図6における嵌着金具を備えた弾性ゴム板の一体加硫成形品を示す底面説明図である。 図5におけるエンジンマウントの一部を構成する上蓋金具を示す平面説明図である。 図5におけるエンジンマウントの一作動形態を拡大して示す縦断面説明図である。 図5におけるエンジンマウントの別の一作動形態を拡大して示す縦断面説明図である。
符号の説明
10 自動車用エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
36 ダイヤフラム
52 受圧室
54 平衡室
62 オリフィス通路
80 開口部
90 収容空所
92 可動ゴム板
94 短絡通路

Claims (8)

  1. 防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を形成して該受圧室と該平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を連通するオリフィス通路を形成する一方、該受圧室と該平衡室を仕切るように可動部材を配設して、該可動部材の各一方の面に及ぼされる該受圧室と該平衡室の圧力差に基づく該可動部材の変位乃至は変形によって該オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域での該受圧室の圧力変動を吸収して高動ばね化を抑えるようにした流体封入式防振装置において、
    前記オリフィス通路よりも短い流路長さで前記受圧室と前記平衡室を相互に連通する短絡流路を形成すると共に、該短絡流路の該平衡室への開口部を前記可動部材が変位乃至は変形せしめられる領域に設けて、該受圧室の圧力が増大して該可動部材が該平衡室側に変位乃至は変形することにより該短絡流路の該平衡室への開口部が該可動部材で覆蓋されて該短絡流路が実質的に遮断されるようにすると共に、該受圧室の圧力が減少して該可動部材が該受圧室側に変位乃至は変形することにより該短絡流路が連通せしめられるようにしたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記受圧室と前記平衡室を仕切る仕切部材を前記第二の取付部材で固定的に支持せしめて設けると共に、該仕切部材に透孔を形成して該透孔に前記可動部材を配設し、該仕切部材によって該可動部材を変位乃至は変形可能に支持せしめる一方、該仕切部材を利用して、該可動部材の外周側に前記短絡流路を形成した請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可動部材の外周側において周方向で複数箇所に前記短絡流路を形成した請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記仕切部材における前記透孔の形成部位において、前記可動部材に対して前記平衡室側に所定距離を隔てて対向位置する下蓋と、該可動部材に対して前記受圧室側に所定距離を隔てて対向位置する上蓋とを有する蓋部材からなる規制板を設けると共に、該蓋部材の該下蓋と該上蓋の各中央部分に通孔を設けて、該可動部材の変位乃至は変形がそれら該下蓋と該上蓋における該各通孔を通じての流体流動によって許容されるようにすると共に、該可動部材の該下蓋及び該上蓋への当接によって該可動部材の変位乃至は変形が制限されるようにする一方、前記短絡流路の平衡室側の端部を該可動部材と該下蓋の間の領域に開口させて該下蓋の該通孔を通じて該短絡流路を該平衡室に連通せしめ、受圧室の圧力が増大して該可動部材が該平衡室側に変位乃至は変形して該下蓋に当接することにより該通孔が閉塞せしめられて該短絡流路が遮断されると共に、該受圧室の圧力が減少して該可動部材が該受圧室側に変位乃至は変形して該上蓋に当接することにより該通孔が該可動部材と該規制板の間の領域に開口せしめられて該短絡流路が連通されるようにした請求項2又は3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記仕切部材から独立形成された板状の可動プレートによって前記可動部材が構成されていると共に、該仕切部材の透孔に該可動プレートが収容状態で配設されて、該透孔の内周面で案内されつつ該可動プレートが板厚方向に変位せしめられるようになっている一方、前記短絡流路における前記平衡室側への端部を該透孔の内周面における前記平衡室側の端部付近に開口せしめた請求項4に記載の流体封入式防振装置。
  6. 板状の弾性プレートによって前記可動部材が構成されており、該弾性プレートが前記仕切部材の透孔に配設されてその外周縁部が該透孔の内周面に固着されることによって、該弾性プレートが板厚方向に弾性変形せしめられるようになっている一方、前記短絡流路における前記平衡室側への端部を該透孔の内周面における前記平衡室側の端部付近に開口せしめた請求項4に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記第二の取付部材に形成された筒状部の一方の開口部側に離隔して前記第一の取付部材を配設せしめて該第一の取付部材と該第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該筒状部の一方の開口部を流体密に閉塞すると共に、該筒状部の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に閉塞する一方、該筒状部の中心軸に対して略直交して広がるように前記仕切部材を配設して該第二の取付部材で固定的に支持せしめることにより該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室を他方の側に前記平衡室を形成した請求項2乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の一方を自動車のパワーユニットに取り付けると共に他方を車両ボデーに取り付けることによってエンジンマウントを構成して、前記オリフィス通路をエンジンシェイクに相当する低周波数域にチューニングする一方、前記可動部材の変位乃至は変形によって走行こもり音等に相当する高周波数域の振動入力時に低動ばね効果が発揮されるようにチューニングしたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の流体封入式防振装置。
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