JPH06185568A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH06185568A
JPH06185568A JP33764392A JP33764392A JPH06185568A JP H06185568 A JPH06185568 A JP H06185568A JP 33764392 A JP33764392 A JP 33764392A JP 33764392 A JP33764392 A JP 33764392A JP H06185568 A JPH06185568 A JP H06185568A
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JP
Japan
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vibration
damping force
engine
damping
actual
Prior art date
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JP33764392A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Asada
俊昭 浅田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の内的・外的要因により目標減衰力から実
減衰力がずれても、そのずれを小さくして常に良好な防
振効果を得る。 【構成】粘性流体16がオリフィス18を通過する際の
抵抗により減衰力を発生させるタイプのエンジンマウン
ト3を、エンジン及び車体2の間に介在させる。オリフ
ィス18の流路面積を変化させて減衰力を調整するため
の調整体22及びステップモータ24を設ける。エンジ
ン回転数を検出する回転数センサ31を設ける。ECU
35は、回転数センサ31によるエンジン回転数に応じ
た目標減衰力を算出する。ECU35は、エンジンマウ
ント3に入力される振動の波形と出力される振動の波形
との位相差を求め、その位相差に基づきエンジンマウン
ト3で発生している実減衰力を算出する。ECU35
は、実減衰力と目標減衰力との偏差が所定値よりも小さ
くなるようにステップモータ24を駆動制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車等の車両
において、エンジンと車体との間に介在され、エンジン
から入力される振動を減衰して車体に出力することによ
り、同エンジンの振動が車体へ伝わるのを抑制するよう
にした減衰力制御型の防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動源及び基礎の間に介在さ
れ、振動源から入力される振動を減衰して基礎に出力す
ることにより、振動源の振動が基礎へ伝わるのを抑制す
るようにした防振装置が種々提案されている。例えば、
特開昭64−46036号公報には、電圧を印加するこ
とにより粘度が変化する電気粘性流体を用いた防振装置
が開示されている。
【0003】この防振装置は、図8に示すように、車体
側金具51、パワーユニット側金具52、及び両金具5
1,52を連結するゴム弾性体53を備えている。前記
両金具51,52及びゴム弾性体53によって形成され
る液室54内には、電気粘性流体55が充填されてい
る。電気粘性流体55内には、正の電極壁56及び負の
電極壁57が相互に離間した状態で配置されている。正
の電極壁56は、ボルト59により絶縁体58を介して
前記パワーユニット側金具52に固定されている。負の
電極壁57は、環状ゴム60を介して前記車体側金具5
1に固定されている。
【0004】前記正負の両電極壁56,57には、DC
/DCコンバータよりなる電圧印加装置62を介して制
御装置61が接続されている。制御装置61には、マウ
ント部絶対変位信号、マウント部相対変位信号、エンジ
ン回転二次信号、車輪の回転数信号等の各種信号が入力
される。制御装置61はこれらの信号に応じて所定の演
算を行い、電圧印加装置62に減衰力制御信号を出力す
る。電圧印加装置62は、この制御信号に応じた電圧を
正負の両電極壁56,57に印加する。すると、両電極
壁56,57間に位置する電気粘性流体の粘性が増加
し、同流体の流動の抵抗となる。この際の抵抗の大きさ
によって決定される減衰力は、電圧印加装置62から正
負の両電極壁56,57間に印加される電圧の大きさを
変化させることで調整可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、電圧印加装置62から電極壁56,57に印加
される電圧の大きさと、実際に防振装置で発生する減衰
力の大きさとの関係は常に変わらないものとして、電圧
印加装置62から両電極壁56,57に印加される電圧
を制御している。
【0006】このため、電気粘性流体が長年の使用によ
って変質したり(経時変化)、周囲の温度変化によって
電気粘性流体自身の粘性が影響を受けたり、電気粘性流
体自身の粘性が製品毎にばらついていたりすると、実際
に防振装置で発生している減衰力が目標減衰力から大き
くずれることがある。この場合には、良好な防振効果が
得られなくなってしまう。つまり、エンジンから防振装
置へ入力される振動に対する、防振装置から車体へ出力
される振動の比率(伝動率)が大きくなり、エンジン振
動による車両振動が悪化する。
【0007】このような問題は、電気粘性流体を用いた
防振装置以外にも、減衰力を連続的に変化させることが
可能な防振装置であれば同様に起こる。本発明は前述し
た事情に鑑みてなされたものであり、その目的は流体の
変質、温度変化、製品ばらつき等の種々の要因により実
際に発生する減衰力が目標減衰力からずれても、そのず
れを小さくして常に良好な防振効果を得ることが可能な
防振装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図1に示すように、振動源M1及び基礎M
2の間に介在され、同振動源M1から入力された振動を
振動減衰部M3aにて減衰して基礎M2に出力すること
により、同振動源M1の振動が基礎M2へ伝わるのを抑
制する防振装置本体M3と、前記防振装置本体M3の振
動減衰部M3aでの振動減衰力を連続的に調整するため
の減衰力調整手段M4と、前記振動源M1の作動状態を
検出する作動状態検出手段M5と、前記作動状態検出手
段M5による振動源M1の作動状態に応じて、前記防振
装置本体M3の目標減衰力を算出する目標減衰力算出手
段M6と、前記防振装置本体M3に入力される振動の波
形と、防振装置本体M3から出力される振動の波形との
位相差を求め、その位相差に基づき防振装置本体M3の
振動減衰部M3aで発生している実際の減衰力を算出す
る実減衰力算出手段M7と、前記実減衰力算出手段M7
による実際の減衰力と目標減衰力算出手段M6による目
標減衰力との偏差が所定値よりも小さくなるように前記
減衰力調整手段M4を駆動制御する制御手段M8とを備
えている。
【0009】
【作用】振動源M1の振動が防振装置本体M3に入力さ
れると、その振動は防振装置本体M3の振動減衰部M3
aによって減衰されて基礎M2に出力される。この作用
により、振動源M1の振動が基礎M2へ伝わるのが抑制
される。この際の振動減衰部M3aでの振動減衰力は、
減衰力調整手段M4によって調整される。
【0010】この減衰力調整手段M4の作動は次のよう
にして制御される。振動源M1の作動状態が作動状態検
出手段M5によって検出される。目標減衰力算出手段M
6により、前記作動状態に応じた防振装置本体M3の目
標減衰力が算出される。また、防振装置本体M3に入力
される振動の波形と、防振装置本体M3から出力される
振動の波形との位相差が実減衰力算出手段M7によって
求められる。防振装置本体M3で発生している実際の減
衰力が、前記の位相差に基づき実減衰力算出手段M7に
よって算出される。
【0011】そして、実減衰力算出手段M7による実際
の減衰力と目標減衰力算出手段M6による目標減衰力と
の偏差が所定値よりも小さくなるように、制御手段M8
によって減衰力調整手段M4が駆動制御される。
【0012】従って、種々の内的・外的要因により実減
衰力が目標減衰力からずれたとしても、そのずれを小さ
くするための制御が行われ、常に良好な防振効果が得ら
れる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の防振装置を、自動車用エンジ
ンを車体に搭載する際に用いられるエンジンマウントに
具体化した一実施例を図2〜図7に従って説明する。
【0014】図3は、振動源としての自動車多気筒エン
ジン1と、基礎としての車体2と、エンジンマウント3
との関係を示す概略図である。このエンジン1の作動時
には、同エンジン1から、車体2を振動させようとする
力(エンジン起振力F)が発生する。このエンジン起振
力Fとしては、例えば不平衡慣性力、不平衡慣性偶力、
トルク変動等が一般的であり、その大きさは時間の経過
とともに周期的に変化する。詳しくは、エンジン起振力
Fの波形は図5(b)で示すような正弦曲線(又は余弦
曲線)となる。前記エンジン起振力Fはエンジン固有の
値であり、例えば次式(1)を用いて簡易的に求められ
る。
【0015】 F=F0 sin(ωt−θa) ……(1) 上記式(1)中、F0 は入力、ωはエンジン起振力Fの
振動角速度、tは時間、θaはエンジン1の形式によっ
て定まる定数(クランク角度)である。前記エンジン起
振力Fの波形は、エンジンマウント3に入力される振動
の波形に相当する。
【0016】前記エンジン1には複数の(図3では2個
のみ示す)ブラケット4が固定されている。各ブラケッ
ト4は、エンジンマウント3を介して車体2上に取付け
られている。このエンジンマウント3は、エンジン1の
振動を減衰し、その振動が車体2に伝達するのを抑制す
る。
【0017】次に、エンジンマウント3の内部構成につ
いて説明する。図2に示すように、エンジンマウント3
は、ボルト5によって前記ブラケット4に固定される上
部取付金具6と、同じくボルト7によって車体2に固定
される下部取付金具8とを備えている。下部取付金具8
の上端8aは開口されており、この開口部分に略円筒状
をなす本体ケース9の下端9bが嵌入されている。本体
ケース9の上端9aと上部取付金具6との間には支持ゴ
ム11が固着され、この支持ゴム11によって本体ケー
ス9の上端開口が塞がれている。
【0018】前記支持ゴム11、本体ケース9及び下部
取付金具8によって囲まれる空間内には、仕切り板12
が配設されている。また、前記空間内において仕切り板
12の若干下方にはベローズ13が張設されている。そ
して、仕切り板12よりも上側の空間が主液室14を構
成し、仕切り板12及びベローズ13間の空間が副室1
5を構成している。これらの主室14及び副室15内に
は、オイル等の粘性流体16が封入されている。また、
ベローズ13の下側の空間は大気と連通した空気室17
となっている。
【0019】前記仕切り板12の中央部には、振動減衰
部としての丸孔状のオリフィス18が透設され、このオ
リフィス18により、主室14及び副室15が連通され
ている。このため、エンジンマウント3に外力が加わっ
たとき、粘性流体16がオリフィス18を介して主室1
4及び副室15間を双方向に移動可能である。そして、
この粘性流体16がオリフィス18を通過する際に発生
する抵抗により、前記外力が減衰される。
【0020】前記仕切り板12及びベローズ13間には
中間体19が配設されており、前記副室15が中間体1
9よりも上側の上部副室15aと、中間体19よりも下
側の下部副室15bとに区画されている。上下両副室1
5a,15bは、中間体19の外周部に形成された環状
のオリフィス21によって相互に連通されている。この
オリフィス21は、例えば自動車の高速走行時に車体
2、シート、ステアリング等が振動する現象(シェイ
ク)を低減するためのものである。
【0021】本実施例では前記した上下両取付金具6,
8、本体ケース9、支持ゴム11、仕切り板12、ベロ
ーズ13、粘性流体16、中間体19等によって、防振
装置本体が構成されている。
【0022】前記オリフィス18の流路面積を変化させ
て減衰力を連続調整可能とするために、仕切り板12の
下側には調整体22が上下動可能に、かつ回動不能に配
設されている。調整体22は減衰力調整手段の一部を構
成している。調整体22は略円板状をなす頭部22a
と、そのその頭部22aの中心部から垂下する軸部22
bとからなる。頭部22aの上面中央部分には前記オリ
フィス18に挿脱可能な突起23が形成されている。突
起23は、上側ほど縮径するような略円錐台形状に形成
されている。軸部22bは前記中間体19及び前記ベロ
ーズ13を貫通し、自身の下端部においてベローズ13
に止着されている。そして、調整体22が上動すると、
突起23がオリフィス21内に挿入し、同オリフィス2
1の流路面積を縮小させる。反対に、調整体22が下動
すると、突起23がオリフィス18内から離脱し、同オ
リフィス18の流路面積を拡大させる。また、調整体2
2の上下動時には、軸部22b下端に止着されたベロー
ズ13が撓む。
【0023】前記下部取付金具8の下側には、調整体2
2を上下動させるためのステップモータ24がボルト2
9により取付けられている。ステップモータ24は前記
調整体22とともに減衰力調整手段を構成している。ス
テップモータ24はステータコイル25、ロータ26及
び駆動軸27を備えている。ロータ26は永久磁石から
なり、ボールベアリング28によりステータコイル25
の内側に回転可能に支持されている。ステータコイル2
5に順に通電が行われて励磁状態が変化するとこのロー
タ26は回転する。ロータ26には駆動軸27が螺合さ
れている。駆動軸27は上下方向には移動可能である
が、ストッパピン(図示しない)により回転不能となっ
ている。そして、駆動軸27の上端が前記調整体22の
軸部22b下端に連結されている。そのため、ロータ2
6が回転すると駆動軸27が上下動し、その駆動軸27
と一体で調整体22が上下動する。
【0024】前記のように構成されたエンジンマウント
3をモデル化した図を図4に示す。図中、mはエンジン
1の質量、Kは支持ゴム11のばね定数、Caはオリフ
ィス18で発生している実減衰力である。Fはエンジン
起振力であり、エンジン1からエンジンマウント3へ入
力される力である。Ftrは自動車の起振力であり、エ
ンジンマウント3から車体2へ出力される力である。
【0025】前記エンジン1には図2に示す各種センサ
が設けられている。ディストリビュータ(図示しない)
内には、エンジン回転数Neを検出する作動状態検出手
段としての回転数センサ31と、クランク角度の基準位
置を検出する基準位置センサ32とが設けられている。
基準位置信号は、図5(a)に示すようにエンジン1の
クランクシャフトが2回転する毎に一つずつ出力され
る。本実施例では、エンジン1の第一気筒が上死点に至
ったときに基準位置信号が出力されるよう設定されてい
る。また、エンジン1には加速度センサ33が取付けら
れており、同エンジン1の作動時に発生するその時々の
振動の加速度が加速度センサ33によって検出される。
【0026】前記回転数センサ31及び基準位置センサ
32は、電子制御装置(以下単に「ECU」という)3
5の入力側に電気的に接続されている。また、加速度セ
ンサ33は、フィルタ付き積分アンプ34を介してEC
U35の入力側に接続されている。
【0027】ECU35は、回転数センサ31によるエ
ンジン回転数信号からエンジン回転数Neを検知すると
ともに、基準位置センサ32による基準位置信号から、
第一気筒が上死点に位置していることを検知する。ま
た、加速度センサ33による加速度信号は積分アンプ3
4内で信号処理(二回積分)され、変位信号に変換され
る。ECU35はこの積分アンプ34による変位信号か
らエンジン振動の変位xを検知する。
【0028】前記変位xの波形は図5(c)で示すよう
な正弦波形となり、同波形はエンジンマウント3から出
力される振動波形に相当する。この波形の位相は、図5
(b)に示すエンジン起振力Fの正弦波形の位相に対
し、所定クランク角(位相差φ)だけ遅れている。これ
は、エンジン1の内部でエンジン起振力Fが発生した場
合、その発生と同時にエンジン1が変位するのではな
く、実際にはエンジンマウント3の振動減衰作用により
エンジン起振力Fの発生から若干遅れてエンジン1が変
位することを意味する。例えば、エンジン起振力Fが図
5(b)においてプラスの場合、つまり、同エンジン1
を引張り上げようとする力がエンジン1内部で発生した
場合、実際にはエンジン1が若干遅れて引っ張られる。
【0029】一方、ECU35の出力側には、駆動回路
36を介して前記ステップモータ24が電気的に接続さ
れている。ECU35のメモリには、基準位置センサ3
2による基準位置信号が立ち下がった時点からエンジン
起振力Fが「0」になるまでのクランク角度θaが予め
記憶されている(図5参照)。このクランク角度θaは
エンジン固有の値であり、予め求められている。ECU
35は前記基準位置信号、変位x及びクランク角度θa
を用い、エンジンマウント3内で実際に発生している減
衰力(実減衰力Ca)を求める。また、ECU35はエ
ンジン回転数Neに応じた目標減衰力Cを求める。そし
て、ECU35は前記実減衰力Caと目標減衰力Cとの
偏差が予め定めた値よりも小さくなるようにステップモ
ータ24を駆動制御する。
【0030】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を説明する。図7のフローチャートはEC
U35によって実行される各処理のうち、エンジンマウ
ント3による減衰力を調整するための減衰力制御ルーチ
ンを示しており、所定時間毎に実行される。
【0031】このフローチャートに基づく処理が開始さ
れると、ECU35はまずステップ101で、回転数セ
ンサ31によるエンジン回転数Neと、積分アンプ34
による変位xとをそれぞれ取り込む。また、ECU35
は基準位置センサ32による基準位置信号の発生を検知
すると、その基準位置信号が立ち下がった時点のクラン
ク角度をメモリに記憶する。
【0032】次に、ECU35はステップ102におい
て、前記ステップ101でのエンジン回転数Neを用
い、次式(2)からエンジン起振力Fの振動角速度ωを
演算する。
【0033】 ω=n×(2πNe/60) ……(2) 上記式(2)中、nはエンジン起振力Fの最大成分の回
転次数であり、定数である。例えば、4サイクル直列4
気筒エンジンの場合、回転二次の入力波形が最も大きく
なることから、n=2である。
【0034】振動角速度ωを算出すると、ECU35は
次のステップ103で、基準位置信号が立下がってから
変位xが始めて「0」になるまでに要するクランク角度
φaを演算する(図5参照)。
【0035】次に、ECU35はステップ104におい
て、基準位置信号の立下がりからエンジン起振力Fが
「0」になるまでのクランク角θa(エンジン固有の定
数)と、前記ステップ103でのクランク角度φaとの
位相差φを求める。この位相差φは、エンジン起振力F
が「0」になってから、エンジン振動の変位xが「0」
になるまでの位相の遅れ(クランク角度)である。
【0036】続いて、ECU35はステップ105へ移
行し、前記ステップ102での振動角速度ω、前記ステ
ップ104での位相差φを用い、次式(3)より実減衰
力Caを演算する。
【0037】 Ca=tanφ{1−(mω2 /K)}(K/ω) ……(3) 式(3)は、1自由度のばね−質点系において、エンジ
ン1からエンジンマウント3に入力される力(エンジン
起振力F)が前記した式(1)で表される場合に成立す
る。なお、式(3)中の「m」及び「K」は、既述した
図4のものと同一である。
【0038】そして、ECU35はステップ106にお
いて、図6のマップを用い、前記ステップ101でのエ
ンジン回転数Neに対応した目標減衰力Cを算出する。
図6のマップは、エンジン回転数Ne毎の目標減衰力C
を予め実験により求めたものである。本実施例では、エ
ンジン回転数Neが低いとき目標減衰力Cが小さな値を
採り、エンジン回転数Neの上昇にともない目標減衰力
Cが増加する。そして、エンジン回転数Neが所定値N
1 のとき(アイドル時に相当)、目標減衰力Cが最大
値Cmax となる。エンジン回転数Neが所定値Ne1
越えると、同エンジン回転数Neの上昇とともに目標減
衰力Cが減少するように設定されている。
【0039】次に、ECU35はステップ107へ移行
し、前記ステップ105で求めた実減衰力Caと、前記
ステップ106で求めた目標減衰力Cとの偏差の絶対値
を算出し、その絶対値が所定値ΔC以下であるか否かを
判定する。この所定値ΔCは、実減衰力Caと目標減衰
力Cとの偏差が小さい場合に、ステップモータ24が頻
繁に作動するのを防止するための値であり、予め実験に
より設定されている。ECU35は前記偏差の絶対値が
所定値よりも大きく(|Ca−C|>ΔC)、ステップ
107の判定条件が成立していないと、粘性流体16が
長年の使用によって変質したり(経時変化)、周囲の温
度変化によって粘性流体16自身の粘性が影響を受けた
り、粘性流体16自身の粘性が製品毎にばらついていた
りして、目標減衰力Cに対し実減衰力Caが大きくずれ
ていると判断し、ステップ108へ移行する。
【0040】ステップ108において、ECU35は実
減衰力Caと目標減衰力Cとの偏差が「0」よりも大き
いか否かを判定する。偏差が「0」よりも大きい(Ca
−C>0)と、ECU35は実減衰力Caが目標減衰力
Cよりも大きく上回っており、両減衰力Ca,Cを一致
させるには実減衰力Caを低減させる必要があると判断
し、ステップ109へ移行する。ステップ109でEC
U35は調整体22を上動させてオリフィス18の流路
面積を縮小させるべく、ステップモータ24の駆動軸2
7を回転(例えば正転)させるための信号を駆動回路3
6に出力する。
【0041】また、ステップ108において、偏差が
「0」以下である(Ca−C≦0)と、ECU35は実
減衰力Caが目標減衰力Cよりも大きく下回っており、
両減衰力Ca,Cを一致させるには実減衰力Caを増加
させる必要があると判断し、ステップ110へ移行す
る。ステップ110でECU35は調整体22を下動さ
せてオリフィス18の流路面積を拡大させるべく、ステ
ップモータ24の駆動軸27を回転(この場合逆転)さ
せるための信号を駆動回路36に出力する。
【0042】そして、前記ステップ109,110の処
理を実行した後、ECU35はこの減衰力制御ルーチン
を終了する。また、前記ステップ107の判定におい
て、偏差の絶対値が所定値以下であり(|Ca−C|≦
ΔC)、このステップでの判定条件が成立していると、
ECU35は、粘性流体16の経時変化(変質)、オリ
フィス18の詰まり、周囲の温度変化による粘性への影
響、製品間のばらつき等がないか、もしくは無視できる
ほど小さく、目標減衰力Cに対する実減衰力Caのずれ
がわずかであると判断し、前記ステップ109,110
の処理を行わずに、この減衰力制御ルーチンを終了す
る。
【0043】そして、前記したステップ101〜110
の一連の処理が繰り返し行われると、実減衰力Caが、
C−ΔC〜C+ΔCの範囲内に収束する。このように本
実施例では、エンジン回転数Neを回転数センサ31に
よって検出し(ステップ101)、そのエンジン回転数
Neに応じた目標減衰力Cをマップから求める(ステッ
プ106)。また、エンジンマウント3に入力される振
動の波形と、エンジンマウント3から出力される振動の
波形との位相差φを求め、その位相差に基づきエンジン
マウント3のオリフィス18で発生している実際の減衰
力(実減衰力Ca)を算出する(ステップ105)。そ
して、実減衰力Caと目標減衰力Cとの偏差が所定値Δ
Cよりも小さくなるようにステップモータ24を駆動制
御するようにした(ステップ107〜110)。
【0044】このため、粘性流体16の経時変化(変
質)、オリフィス18の詰まり、周囲の温度変化による
粘性への影響、製品間のばらつき等、種々の内的・外的
要因により目標減衰力Cから実減衰力Caがずれたとし
ても、ステップモータ24を作動させてオリフィス18
の流路面積を調整することによって前記のずれを小さく
し、常に良好な防振効果を得ることが可能となる。
【0045】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)本発明が適用される防振装置としては減衰力を連
続的に可変できるものであればよく、その種類は特に限
定を受けない。例えば、従来技術で説明した、電気粘性
流体の粘性を変化させることで減衰力を連続調整可能と
したタイプの防振装置に、本発明を適用してもよい。ま
た、自動車以外の分野の防振装置に本発明を適用しても
よい。
【0046】(2)図6のマップにおける目標減衰力C
の特性を、エンジン1の種類等に応じて適宜変更しても
よい。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、振
動源の作動状態に応じた防振装置本体の目標減衰力を算
出するとともに、防振装置本体に入力される振動の波形
と、防振装置本体から出力される振動の波形との位相差
を求め、その位相差に基づき防振装置本体で発生してい
る実際の減衰力を算出し、実際の減衰力と目標減衰力と
の偏差が所定値よりも小さくなるように減衰力調整手段
を駆動制御するようにしたので、種々の内的・外的要因
により目標減衰力から実減衰力がずれても、そのずれを
小さくして常に良好な防振効果を得ることができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念構成図である。
【図2】本発明を具体化した一実施例の車両用エンジン
マウントの断面図である。
【図3】一実施例におけるエンジン、エンジンマウント
及び車体の関係を概略的に示す説明図である。
【図4】一実施例のエンジンマウントをモデル化した説
明図である。
【図5】一実施例における基準位置信号、エンジン起振
力及びエンジンの変位の関係を示すタイミングチャート
である。
【図6】一実施例において、エンジン回転数に応じた目
標減衰力が予め規定されたマップを示す特性図である。
【図7】一実施例のECUによって実行される減衰力制
御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図8】従来の防振装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…振動源としてのエンジン、2…基礎としての車体、
6…上部取付金具、8…下部取付金具、9…本体ケー
ス、11…支持ゴム、12…仕切り板、13…ベロー
ズ、16…粘性流体、19…中間体(6,8,9,1
1,12,13,16,19は防振装置本体を構成して
いる)、18…振動減衰部としてのオリフィス、22…
調整体、24…ステップモータ(22,24は減衰力調
整手段を構成している)、31…作動状態検出手段とし
ての回転数センサ、35…目標減衰力算出手段、実減衰
力算出手段及び制御手段としてのECU、C…目標減衰
力、Ca…実減衰力、φ…位相差、Ne…エンジン回転
数、ΔC…所定値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源及び基礎の間に介在され、同振動
    源から入力された振動を振動減衰部にて減衰して基礎に
    出力することにより、同振動源の振動が基礎へ伝わるの
    を抑制する防振装置本体と、 前記防振装置本体の振動減衰部での振動減衰力を連続的
    に調整するための減衰力調整手段と、 前記振動源の作動状態を検出する作動状態検出手段と、 前記作動状態検出手段による振動源の作動状態に応じ
    て、前記防振装置本体の目標減衰力を算出する目標減衰
    力算出手段と、 前記防振装置本体に入力される振動の波形と、防振装置
    本体から出力される振動の波形との位相差を求め、その
    位相差に基づき防振装置本体の振動減衰部で発生してい
    る実際の減衰力を算出する実減衰力算出手段と、 前記実減衰力算出手段による実際の減衰力と目標減衰力
    算出手段による目標減衰力との偏差が所定値よりも小さ
    くなるように前記減衰力調整手段を駆動制御する制御手
    段とを備えたことを特徴とする防振装置。
JP33764392A 1992-12-17 1992-12-17 防振装置 Pending JPH06185568A (ja)

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