JP2009219423A - 茶の葉の殺青方法、荒茶製造システム、および荒茶の製造方法 - Google Patents

茶の葉の殺青方法、荒茶製造システム、および荒茶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】茶の葉の色合いを緑色に維持するとともに繊維の状態を破壊することなく、深蒸し茶と同等な香味を持つ荒茶を短時間に製造することができる茶の葉の殺青方法を提供する。
【解決手段】製茶ラインは、摘採された茶の葉を乾燥させる茶葉乾燥機200と、茶の葉を蒸気で加熱して殺青処理する蒸機400とを備えている。茶葉乾燥機200は、搬送コンベア202a〜202eと温風生成装置210とを備え、投入された茶の葉を搬送しながら乾燥させることにより茶の葉の含水率を約200%にする。蒸機400は、温度が約300℃の蒸気を生成する蒸気生成装置430および加熱装置440と、同生成された蒸気を用いて茶の葉を加熱処理する加熱処理部410とを備えている。製茶ラインは、茶葉乾燥機200によって茶の葉を乾燥させた後、蒸機400によって約300℃に加熱された蒸気のみを用いて50秒間乾燥させた茶の葉を加熱して殺青処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、茶園から摘採した茶の葉から荒茶を製造するために茶の葉を殺青する茶の葉の殺青方法、同茶の葉の殺青方法を用いた荒茶の製造システム、および同茶の葉の殺青方法を用いた荒茶の製造方法に関する。
一般に、茶園から摘採された茶の葉は、荒茶を経て仕上茶(製品茶)に加工される。荒茶は、摘採された茶の葉を蒸気で蒸して酸化酵素の働きを止めた後、各種揉み工程(粗揉、揉念、中揉および精揉)および乾燥工程などを経て製造される。そして、製造された荒茶は、さらに、篩い分け、乾燥、異物除去、および均一化などの各工程を経て最終的に仕上茶に加工される。すなわち、荒茶とは、精製されていない一時加工の状態の茶の葉である。この荒茶を製造するための各加工工程のうち、茶の葉を蒸して酸化酵素の働きを止める処理、所謂、殺青処理(「蒸熱処理」ともいう)は飲用するお茶の色合いや香味を決定する重要な加工工程の一つである。従来、この茶の葉の殺青処理は、摘採した茶の葉、所謂生葉に温度が100℃前後の蒸気(水蒸気)を30〜200秒の範囲で接触させることにより行われている。
ところで、夏以降に摘採される茶の葉、すなわち、番茶に用いられる茶の葉は、春に摘採される一番茶(新茶)に比べて葉の厚さが厚いとともに硬く、葉の茎の太さも太い。このため、番茶における茶の葉の殺青処理においては、茶の葉の酸化酵素の働きを止めるとともに、番茶の茶の葉の青臭さ、所謂番臭を抑えるために、一番茶の蒸熱時間(茶の葉を蒸気に接触させる時間)よりも長い蒸熱時間が必要となる。
しかしながら、摘採された茶の葉は蒸熱時間が長い程、荒茶に加工した際、緑茶特有の色合いである緑色が失われて茶褐色になるとともに、茶の葉が粉状となって商品およびお茶として煎じた際の外観価値が低下する。特に、お茶の香味をまろやかにするとともに強い甘味を持たせるために蒸熱時間を長く(概ね90秒以上の蒸熱時間)した所謂深蒸し茶においては、荒茶の外観価値の低下は著しい。また、茶の葉は蒸熱時間が長い程、茶の葉に含まれる香気成分が揮発して、お茶として煎じた際の香りも少なくなる。
一方、下記特許文献1には、茶の葉の硬さに関わらず安定して殺青処理を行うために、250〜390℃に熱した空気と蒸気とを混合して湿度が60〜90%の高湿度熱風を用いて茶の葉を殺青処理する緑茶の製造方法が開示されている。しかし、下記特許文献1に示された製造方法を用いて茶の葉を殺青処理した場合であっても、下記特許文献2に示されている通り、製造された荒茶の色合いが茶褐色に変化するとともに、香味も香ばしさが増して緑茶とは異なるものとなる。また、下記特許文献2においては、摘採された茶の葉に湿度が60〜90%、かつ温度が100〜230℃の高湿度熱風を最大で20分間接触させることにより殺青処理する緑茶の製造方法が開示されている。しかし、下記特許文献2に示された緑茶の製造方法においては、一般的な茶の葉の蒸熱時間(30〜200秒)より蒸熱時間が長いため、上記した蒸熱時間の長さによる問題点に加えて荒茶の加工時間が長くなり加工効率が低下するという問題がある。
特開平09−23397号公報 特開2001−136908号公報
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、茶の葉の色合いを緑色に維持するとともに繊維の状態を破壊することなく、深蒸し茶と同等な香味を持つ荒茶を短時間に製造することができる茶の葉の殺青方法、同茶の葉の殺青方法を用いた荒茶の製造システム、および同茶の葉の殺青方法を用いた荒茶の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の特徴は、摘採した茶の葉を蒸気を用いて殺青する茶の葉の殺青方法において、摘採した茶の葉を乾燥させて含水率を乾量基準で300%以下にする乾燥工程と、温度が200℃以上かつ450℃以下の蒸気を生成する高温蒸気生成工程と、高温蒸気生成工程にて生成した蒸気のみを用いて前記乾燥させた茶の葉を加熱して殺青する茶の葉加熱工程とを含むことにある。
この場合、前記茶の葉の殺青方法において、茶の葉加熱工程は、湿度が90%以上の雰囲気中で5秒以上かつ110秒以下の間茶の葉を加熱するようにするとよい。
このように構成した請求項1に係る発明の特徴によれば、茶園から摘採した茶の葉(所謂生葉)は、含水率が乾量基準で300%(茶の葉の4分の3が水分であることを表している)以下に乾燥された後、200〜450℃の温度範囲の蒸気のみによって加熱されて殺青処理が行われる。すなわち、従来の蒸熱処理温度(100℃)より極めて高い温度の蒸気、かつ、熱した空気を含まない高温の蒸気のみを用いて茶の葉の殺青処理が行われる。これにより、本発明者の実験によれば、従来の処理時間より短い時間、具体的には、5秒〜110秒の時間で従来の深蒸し茶の殺青処理と同等な殺青処理を行うことが可能であることを確認した。すなわち、本願発明によれば、茶の葉の色合いを緑色に維持するとともに繊維の状態を破壊することなく深蒸し茶と同等な香味を持つ荒茶を短時間に製造することができる。
また、本発明においては、茶の葉の殺青処理に先駆けて茶の葉を乾燥させて含水率を300%以下にしている。このため、茶の葉を殺青処理するための蒸機に茶の葉を投入した際における同蒸機内の温度低下を防止できるとともに、投入された茶の葉の加熱効率が向上する。この結果、より精度良く短時間に茶の葉を殺青処理することができ、品質の高い荒茶を製造することができる。なお、従来の緑茶用の荒茶の製茶方法においては、茶園から摘採された茶の葉は、水分を多く含んだ新鮮な状態(生葉の含水率は350〜600%)のうちに素早く殺青処理に供されることが求められていた。しかし、本発明に係る茶の葉の殺青方法においては、従来好ましくないとされている含水率の低い茶の葉に対して殺青処理を行うものであるため、摘採された後時間が経過して含水率が低下した茶の葉であっても精度良く殺青処理することができ、品質の良い荒茶を製造することができる。さらに、本発明においては、処理対象となる茶の葉に高温となった蒸気のみを供給して加熱しているため、従来例のような熱風(例えば、100℃〜390℃に熱した空気)を生成して茶の葉に供給する構成が不要となり、茶の葉を加熱処理する工程の構成を簡単にすることができる。
また、請求項3に係る発明の特徴は、前記茶の葉の殺青方法において、さらに、摘採された茶の葉を萎凋する萎凋工程を含み、茶の葉加熱工程は、乾燥および萎凋された茶の葉を加熱して殺青することにある。
このように構成した請求項3に係る発明の特徴によれば、萎凋された茶の葉に対して殺青処理を行っている。このため、茶の葉の色合いを緑色に維持しつつ深蒸し茶と同等な香味と茶の葉を萎凋することによる香味(萎凋香)とを併せ持つ、新規な風味を呈する荒茶を製造することができる。また、一般に、摘採された茶の葉を萎凋すると茶の葉の含水率が低下するため、茶の葉の殺青処理精度が低下することがあった。しかし、本発明に係る茶の葉の殺青方法においては、前記した通り、含水率の低い茶の葉に対して殺青処理を行うものであるため、萎凋して含水率が低下した茶の葉であっても、精度良く殺青処理することができ、品質の良い荒茶を製造することができる。
また、請求項4に係る発明の特徴は、前記茶の葉の殺青方法において、茶の葉加熱工程は、摘採した茶の葉を撹拌しながら加熱することにある。このように構成した請求項4に係る発明の特徴によれば、処理対象である茶の葉は撹拌されながら高温の蒸気に接触する。この結果、茶の葉加熱工程における茶の葉を、短時間にムラなく均一に加熱して殺青処理することができる。
また、本発明は茶の葉の殺青方法として実施できるばかりでなく、同殺青方法を用いた荒茶製造システム、および摘採された茶の葉から荒茶を製造するための荒茶の製造方法の発明としても実施できるものである。
以下、本発明に係る茶の葉の殺青方法、同茶の葉の殺青方法を用いた荒茶製造システム、および同茶の葉の殺青方法を用いた荒茶の製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る茶の葉の殺青方法を適用して荒茶を製造するための製茶ラインの構成の一部を模式的に示した構成概略図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。
(茶葉乾燥機200および蒸機400の構成)
この製茶ラインは、茶園から摘採された茶の葉から所謂荒茶を製造するための各種製茶機によって構成されている。具体的には、定量給葉コンベア100、茶葉乾燥機200、定量給葉コンベア300、蒸機400および定量給葉コンベア500を備えている。なお、ここで、荒茶とは、前記したように、摘採された茶の葉を殺青処理して乾燥させた精製されていない一次加工の状態の茶の葉である。
定量給葉コンベア100は、製茶ラインによって加工する茶の葉を受け入れて茶葉乾燥機200に所定量ごとに搬送する搬送装置であり、図示しない制御装置によって作動が制御される。この定量給葉コンベア100は、定量給葉コンベア100が設置される床面近傍に開口する給葉口101と、給葉口101に投入された茶の葉を斜め上方に搬送する無端ベルトコンベア(図示せず)を備える搬送体102と、同無端ベルトによって搬送された茶の葉を下方に向かって排出する排出口103とから構成されている。これらのうち、搬送体102が備える無端コンベア上には、無端コンベア上から突出した状態で板状の桟(図示せず)が一定の間隔ごとに複数設けられており、給葉口101に投入された茶の葉を一定量ごとに搬送できるようになっている。定量給葉コンベア100の排出口103の下方には、茶葉乾燥機200が配置されている。
茶葉乾燥機200は、詳しくは図2に示すように、箱型の筐体201内に5つの搬送コンベア202a〜202eを備えている。搬送コンベア202a〜202eは、幅広の網状体を環状に形成した無端ベルト203aの内側における両端部に左右一対のローラ203b,203cが噛み合った状態で配置されて構成された搬送装置である。これら5つの搬送コンベア202a〜202eは、それぞれ水平な姿勢で筐体201内部の上部から下部に掛けて略等間隔かつ水平方向に千鳥状にずらした状態で配置されている。そして、これら5つの搬送コンベア202a〜202eは、図示しない制御装置によって駆動が制御されて無端ベルト203a上に載置された茶の葉を水平方向における一方から他方、または他方から一方に向って搬送する。すなわち、搬送コンベア202a〜202eは、最上段に配置された搬送コンベア202aに投入された茶の葉を順次最下段に配置された搬送コンベア202eに向って移送する。
搬送コンベア202aの一方の端部上方における筐体201の上面には、茶葉乾燥機200内に茶の葉を受け入れるための投入口204が設けられている。また、同搬送コンベア202aの他方の端部上方における筐体201の上面には、筐体201内の空気を排気するための排気ファン205が設けられている。一方、搬送コンベア202eの他方の端部の下方における筐体201の下面には、茶葉乾燥機200内から茶の葉を排出するための排出口206が設けられている。
筐体201の外側には、筐体201の内部に連通した状態で温風生成装置210が設けられている。温風生成装置210は、図示しない制御装置によって作動が制御されて筐体201内に温風を供給する装置であり、主として、温風を発生させるバーナ211と、発生させた温風を筐体201内に導くためのダクト212とをそれぞれ備えている。
茶葉乾燥機200における排出口206の下方には、給葉コンベア300の給葉口301が配置されている。給葉コンベア300は、茶葉乾燥機200から排出された茶の葉を蒸機400に搬送するための搬送装置であり、前記定量給葉コンベア100と同様の給葉口301、搬送体302および排出口303を備えて構成されている。この定量給葉コンベア300の排出口303の下方には、蒸機400が配置されている。
蒸機400は、摘採された茶の葉に熱を加えることにより茶の葉に含まれる酸化酵素の働きを止める所謂殺青処理を行う装置であり、主として、導入体411、外筒412、網胴413、駆動ギア414、および搬送軸415からなる加熱処理部410を備えている。導入体411は、茶園から摘採された茶の葉、および同茶の葉を加熱するための蒸気を加熱処理部410内に導入する部材であり、ステンレス材からなる筒体を略L字状に組み合わせて構成されている。
具体的には、導入体411は、略L字状に形成された筒体の一方の端部が図示上側に向って開口するとともに、他方(図示右側)の端部が図示右側に向って開口して形成されている。導入体411における図示上方に向かって開口した投入口411aには、茶の葉を搬送する定量給葉コンベア300の排出口303(二点鎖線で示す)が接続されている。導入体411において水平方向に延びた外周面上部には、同外周面上部から導入体411の内周面に貫通した蒸気供給孔411bが形成されている。この蒸気供給孔411bは、導入体411の内部に蒸気を導入するための孔であり、後述する蒸気供給配管420の一方の端部が接続されている。
導入体411の他方の端部には、駆動ギア414を介して外筒412が接続されている。外筒412は、加熱処理部410に投入された茶の葉を、同じく加熱処理部410内に導入された蒸気を用いて加熱して殺青するための部材であり、ステンレス材を円筒状に形成して構成されている。外筒412の内部には、ステンレス材からなる網体を円筒状に形成した網胴413が設けられている。網胴413は、外筒412内において処理対象である茶の葉を保持するための部材であり、一方(図示左側)の端部が駆動ギア414を介して外筒412の一方(図示左側)の端部に回動自在な状態で支持されているとともに、他方(図示右側)の端部がベアリング416を介して外筒412の他方(図示右側)の端部に回動自在な状態で支持されている。すなわち、網胴413は、外筒412内にて回転可能な状態で支持されている。
駆動ギア414は、円筒状に形成された歯車部材であり、外周面の一方(図示左側)の端部に外歯歯車が形成されるとともに、同外周面の他方(図示右側)の端部が外筒412の一方(図示左側)の端部内周面に図示しないベアリングを介して回動自在な状態で嵌め込まれている。また、駆動ギア414における一方(図示右側)の端部内周面には、前記網胴413の一方(図示左側)の端部外周面が着脱可能、かつ相対回動不能な状態で嵌め込まれている。すなわち、駆動ギア414と網胴413とは一体的に回転するように組み付けられている。さらに、駆動ギア414における他方(図示左側)の端部内周面には、前記導入体411の他方(図示右側)の端部が図示しないベアリングを介して回動自在な状態で嵌め込まれている。この駆動ギア414は、電動モータ414aによって回転駆動される。
導入体411の内部、および外筒412の内部には、同導入体411および外筒412を長手方向に貫通した状態で搬送軸415が設けられている。搬送軸415は、導入体411および網胴413内の茶の葉を撹拌しつつ搬送するための部材であり、ステンレス材からなる棒体の外周面にプーリ415aと複数枚の搬送羽415bとを備えて構成されている。プーリ415aは、電動モータ415cの回転駆動力を図示しないベルトを介して搬送軸415に伝達する円板状に形成された動力伝達部材であり、搬送軸415の一方(図示左側)の端部に固定的に組み付けられている。
搬送羽415bは、導入体411および網胴413の各内径に対応した長さの長辺を有する長方形状に形成されたステンレス材からなる板材であり、搬送軸415の外周面において周方向に90度ずつずれるとともに軸線方向に所定の間隔を介して設けられている。なお、導入体411内における搬送羽415bの形成される間隔は、網胴413内における搬送羽415bの形成される間隔より狭く形成されている。この搬送軸415は、図において一部のみを示した支持台460上に両端部が回動自在な状態で支持されており、プーリ415aを介して電動モータ415cによって回転駆動される。
このように構成された加熱処理部410は、投入された茶の葉が排出される網胴413の排出口413a側が下方に傾斜した状態で前記支持台460上に固定されている(図示せず)。また、この加熱処理部410が、本発明に係る茶の葉加熱手段に相当する。
導入体411に接続された蒸気供給配管420は、導入体411内に蒸気を導入するための配管であり、一方(図示左側)の端部、すなわち、蒸気が吐出される吐出口421が導入体411内に開口した状態で設けられている。蒸気供給配管420における吐出口421は、内径が先端部に向って次第に広がる所謂ラッパ形状に形成されており、吐出する蒸気が広範囲に広がるように成形されている。
蒸気供給配管420の他方(図示右側)の端部には、蒸気生成炉430が接続されている。蒸気生成炉430は、導入体411内に供給する蒸気を生成するボイラー装置であり、水を貯留する貯水槽431と同貯水槽431に貯留された水を加熱する加熱部432とから構成されている。これらのうち、貯水槽431には、給水管431aを介して図示しない吸水タンクが接続されており、貯水槽431内に常に一定の水量が貯水されるようになっている。また、貯水槽431の上端部には前記蒸気供給配管420が接続されており、貯水槽431内で生成された蒸気が蒸気供給配管420に導かれるようになっている。一方、加熱部432は、貯水槽431内に貯留された水を加熱して蒸気(水蒸気)を発生させるためのガスバーナであり、貯水槽431の下方に配置されている。
蒸気生成炉430と導入体411との間における蒸気供給配管420には、加熱装置440が設けられている。加熱装置440は、蒸気供給配管420内を流れる蒸気を250℃〜350℃の温度範囲で加熱することができる電熱コイルであり、蒸気供給配管420の外周面に巻き回された状態で設けられている。これらの蒸気生成炉430および加熱装置440が、本発明に係る高温蒸気生成手段に相当する。なお、加熱装置440において、蒸気供給配管420を加熱する熱源は、電熱コイルの以外の熱源(例えば、ガスバーナなど)であってもよいことは当然である。また、加熱装置440と導入体411との間における蒸気供給配管420には、手動弁422が設けられている。手動弁422は、蒸気供給配管420を流れる蒸気の流量、すなわち、導入体411内に導かれる蒸気の量を調整するための弁である。
この蒸機400は、電動モータ414a,415c、蒸気生成炉430および加熱装置440の作動を制御するための制御装置450を備えている。制御装置450は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されているとともに、作業者からの指示を入力するための図示しない入力装置および作業者に対して蒸機400の作動状況を表示するための図示しない表示装置をそれぞれ備えている。この制御装置450は、作業者の指示に従ってROMなどの記憶装置に予め記憶されたプログラムを実行することにより、蒸機400の各種作動、具体的には、電動モータ414a,415c、蒸気生成炉430および加熱装置440の各作動の開始および停止を制御する。
蒸機400の排出口413aの下方には、給葉コンベア500の給葉口501が配置されている。給葉コンベア500は、蒸機400から排出された茶の葉を他の製茶機(二点鎖線で示す)(例えば、冷却機)に搬送するための搬送装置であり、前記定量給葉コンベア100,300と同様の給葉口501、搬送体502および排出口503を備えて構成されている。
この製茶ラインには、前記した定量給葉コンベア100、茶葉乾燥機200、定量給葉コンベア300、蒸機400および定量給葉コンベア500の他に、蒸機400によって処理された茶の葉を冷却する冷却機、同冷却機によって冷却された茶の葉を揉む粗揉機や揉捻機などの各種揉機、および揉まれた茶の葉を乾燥させる乾燥機などの各種製茶機(いずれも図示せず)を備えている。しかし、これらの各種製茶機は、本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
(茶葉乾燥機200および蒸機400の作動)
次に、このように構成された茶葉乾燥機200および蒸機400の作動について説明する。まず、作業者は、各製茶機における図示しない電源スイッチをそれぞれ投入して茶葉乾燥機200および蒸機400を含む各製茶機を作動可能な状態とする。次に、作業者は、各製茶機ごとに各製茶機の作動条件をそれぞれ設定する。この場合、作業者は、茶葉乾燥機200における図示しない制御装置を操作して筐体201内の温度および搬送コンベア202a〜202eの搬送速度などを設定する。この筐体201内の温度および搬送コンベア202a〜202eの搬送速度などの各設定値は、蒸機400に投入する茶の葉に必要な茶の葉の含水率に基づいて、茶葉乾燥機200に投入する茶の葉の量や状態、荒茶を製造する日の気象条件などを加味して適宜決定される。本実施形態においては、茶葉乾燥機200から排出される茶の葉の含水率が乾量基準で約200%になるように筐体201内の温度および搬送コンベア202a〜202eの搬送速度などをそれぞれ設定する。
また、作業者は、制御装置450を操作して蒸機400の作動条件、具体的には、導入体411内に導入する蒸気の温度、茶の葉を処理する時間および網胴413の回転数などをそれぞれ設定する。本実施形態においては、夏以降に摘採される茶の葉、所謂番茶として飲用される茶の葉の作動条件として導入体411内に導入する蒸気の温度を300℃、茶の葉を処理する時間を50秒とする。なお、作業者は、製茶ラインを構成する他の製茶機における各作動条件もそれぞれ設定するが、これらの各作動条件は本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
次に、作業者は、茶葉乾燥機200および蒸機400を含む各製茶機における各制御装置を操作して各製茶機の作動を開始させる。これにより、茶葉乾燥機200は、搬送コンベア202a〜202eを図示実線矢印方向にそれぞれ駆動させる。また、茶葉乾燥機200は、温風生成機210および排気ファン206の作動をそれぞれ制御して筐体201内に温風の供給をして同筐体201内を所定の温度に維持する。なお、図2において、茶葉乾燥機200の筐体201内における温風の流れを破線の矢印で示す。
一方、蒸機400における加熱処理部410内には、蒸気生成炉430および加熱装置440の作動開始によって生成された約300℃の蒸気が蒸気供給配管420を介して連続的に供給される。この場合、蒸気供給配管420の吐出口421は、末広がりの所謂ラッパ形状に形成されている。このため、吐出口421から吐出される蒸気は、導入体411内の底部に向って速やか、かつ広範囲に導かれるとともに、導入体411に隣接して配置されている外筒412内にも流動する。これにより、蒸気供給配管420の吐出口421の周辺における導入体411および外筒412の各内部は、供給された蒸気による湿度が略100%に近い雰囲気となる。
なお、作業者は、蒸気供給配管420の手動弁422を操作して導入体411内に供給される蒸気の流量を処理対象の茶の葉の状態や荒茶を製造する日の気象条件などに応じて適宜調整する。また、蒸機400は、電動モータ414a,415cの作動を開始させることにより、網胴413および搬送軸415を前記設定した茶の葉の処理時間に対応する回転数によってそれぞれ回転駆動させる。
茶葉乾燥機200および蒸機400を含む各製茶機が茶の葉の受入可能な状態となった場合には、作業者は、茶園から摘採され洗浄および異物が取り除かれた茶の葉(生葉)(一般に含水率400%前後)を定量給葉コンベア100の給葉口101に投入して茶の葉の処理、すなわち、荒茶の製造を開始する。これにより、茶葉乾燥機200の筐体201内における搬送コンベア202aには、投入口204を介して茶園から摘採された茶の葉が連続的に供給される。茶葉乾燥機200の筐体201内に供給された茶の葉は、搬送コンベア202aから搬送コンベア202eに搬送される間継続的に加熱され、茶の葉に含まれる水分が取り除かれる。そして、搬送コンベア202eの他方の端部に達した茶の葉は、含水率が乾量基準で略200%の状態で排出口206から定量給葉コンベア300の給葉口301に排出される。
定量給葉コンベア300の給葉口301に排出された茶の葉は、定量給葉コンベア300によって蒸機400の導入体411内に投入される。導入体411内に投入された茶の葉は、搬送軸415の回転駆動によって導入体411内を外筒412側に向って搬送される。導入体411内には、前記したように、蒸気供給配管420の吐出口421から温度が約300℃の蒸気が連続的に供給されている。したがって、導入体411内に導かれた茶の葉は、導入体411内に供給された高温の蒸気に接触して急速に加熱される。この場合、搬送軸415の外周面に設けられた搬送羽415bは、搬送軸415とともに回転している。また、導入体411内に投入された茶の葉は、前記茶葉乾燥機200によって含水率が略200%となっている。これらにより、導入体411内に導かれた茶の葉は、急速かつムラなく均一に加熱されながら外筒412内の網胴413に搬送される。
外筒412内には、前記したように、導入体411内から高温の蒸気が導かれるとともに、同外筒412内の網胴413内に導入体411内の茶の葉が搬送される。したがって、外筒412内に導かれた茶の葉は、外筒412内に導かれた蒸気によって引き続き加熱されるとともに、撹拌羽415bおよび網胴413の回転駆動によって撹拌されながら網胴413の他方の端部に向って搬送される。これら導入体411および外筒412内における加熱処理によって茶の葉の殺青処理が行われる。この場合、網胴413の入口側(図示左側端部)に導かれた茶の葉は、前記設定した茶の葉の処理時間(本実施形態においては、50秒)を掛けて網胴113の排出口413aに向って搬送される。すなわち、加熱処理部410内に投入された茶の葉は、前記設定した茶の葉の処理時間の間加熱されて殺青処理が施される。作業者は、殺青処理が施された茶の葉の状態を確認しながら、加熱処理部410に投入される茶の葉の量、茶の葉の処理時間、および加熱処理部110(導入体411)内に供給する蒸気の温度と流量などを適宜調整する。
そして、殺青処理が施された茶の葉は、網胴413の排出口413aから定量給葉コンベア500の給葉口501内に排出される。定量給葉コンベア500の給葉口501に排出された茶の葉は、定量給葉コンベア500によって製茶ラインを構成するその他の製茶機(例えば、冷却機、各種粗揉機および乾燥機など)に供給され処理されて最終的に荒茶に加工される。なお、本発明者によれば、上記した作動条件で殺青処理した茶の葉から製造された荒茶は、茶の葉の色合いを緑色に維持するとともに粉っぽくならず深蒸し茶と同等な香味を持つ荒茶に仕上げられた。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、茶園から摘採した茶の葉は、含水率が乾量基準で200%以下に乾燥された後、約300℃の温度の蒸気のみによって加熱されて殺青処理が行われる。すなわち、従来の蒸熱処理温度(100℃)より極めて高い温度の蒸気、かつ、熱した空気を含まない高温の蒸気のみを用いて茶の葉の殺青処理が行われる。これにより、本発明者の実験によれば、従来の処理時間より短い時間、具体的には、50秒の時間で従来の深蒸し茶の殺青処理と同等な殺青処理を行うことが可能であることを確認した。すなわち、本願発明によれば、茶の葉の色合いを緑色に維持するとともに繊維の状態を破壊することなく深蒸し茶と同等な香味を持つ荒茶を短時間に製造することができる。
また、本実施形態においては、茶の葉の殺青処理に先駆けて茶の葉を乾燥させて含水率を200%以下にしている。このため、茶の葉を殺青処理するための蒸機400に茶の葉を投入した際における同蒸機400内の温度低下を防止できるとともに、投入された茶の葉の加熱効率が向上する。この結果、より精度良く短時間に茶の葉を殺青処理することができ、品質の高い荒茶を製造することができる。なお、従来の緑茶用の荒茶の製茶方法においては、茶園から摘採された茶の葉は、水分を多く含んだ新鮮な状態のうちに素早く殺青処理に供されることが求められていた。しかし、本発明に係る茶の葉の殺青方法においては、従来好ましくないとされている含水率の低い茶の葉に対して殺青処理を行うものであるため、摘採された後、時間が経過して含水率が低下した茶の葉であっても精度良く殺青処理することができ、品質の良い荒茶を製造することができる。さらに、本実施形態においては、処理対象となる茶の葉に高温となった蒸気のみを供給して加熱しているため、従来例のような熱風(例えば、100℃〜390℃に熱した空気)を生成して茶の葉に供給する構成が不要となり、茶の葉を加熱処理する工程、すなわち、製茶ラインの構成を簡単にすることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、茶葉乾燥機200によって茶の葉を乾燥させることにより茶の葉の含水率が略200%の茶の葉を蒸機400に投入して荒茶を製造した。しかし、蒸機400に投入する茶の葉の含水率は、処理する茶の葉の状態(茶の葉の厚さや硬さなど)、加熱処理部410に投入する茶の葉の量、荒茶を製造する日の気象条件などによって適宜決定されるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明者による実験によれば、茶の葉の含水率は乾量基準で概ね300%以下かつ100%以上が好適である。なお、茶園から摘採された茶の葉の含水率は一般に400%前後であるが、茶の葉を摘採する季節や栽培の仕方によって含水率が600%程度の茶の葉もあるため、茶葉を乾燥させる工程での好適な含水率には自ずと幅がある。
また、茶の葉の含水率を低下される方法も、上記実施形態における茶葉乾燥機200による温風以外の方法、例えば、温風より温度が高い熱風を用いて茶の葉を乾燥させるようにしてもよいし、ヒータなどを用いて直接加熱して茶の葉を乾燥させるようにしてもよい。また、単に摘採された茶の葉に常温の空気を送風して乾燥させてもよいし、風通しのよい場所に茶の葉を配置して自然乾燥させてもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、摘採された茶の葉を乾燥させる際、茶の葉を萎凋させてもよい。この場合、萎凋とは、茶園から摘採された茶の葉を萎れさせて発酵を進行させた状態の茶の葉である。このように、茶の葉を萎凋することにより、煎じたお茶に萎凋独特の香味(萎凋香)を持たせることができる。すなわち、茶の葉の色合いを緑色に維持しつつ深蒸し茶と同等な香味と茶の葉を萎凋することによる香味(萎凋香)とを併せ持つ、新規な風味を呈する荒茶
を製造することができる。また、一般に、摘採された茶の葉を萎凋すると茶の葉の含水率が低下するため、茶の葉の殺青処理精度が低下する。しかし、上記実施形態に係る茶の葉の殺青方法においては、前記した通り、含水率の低い茶の葉に対して殺青処理を行うものであるため、萎凋して含水率が低下した茶の葉であっても、精度良く殺青処理することができ、品質の良い荒茶を製造することができる。
また、上記実施形態においては、茶の葉に対して温度が約300℃の蒸気を供給して50秒間加熱処理することにより茶の葉の殺青処理を行った。しかし、茶の葉を殺青処理するための蒸気の温度や蒸気を茶の葉に接触させる時間は、処理する茶の葉の状態(茶の葉の厚さや硬さなど)、加熱処理部410に投入する茶の葉の量、殺青処理の行う日の気象条件などによって適宜決定されるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。この場合、本発明者による実験によれば、茶の葉に供給する水蒸気の温度は200℃以上かつ450℃以下、蒸気を茶の葉に接触させる時間は5秒以上かつ110秒以下が好適である。この場合、茶の葉の厚さが厚く硬い葉ほど高い温度および長い蒸熱時間が必要となる。なお、本実施形態においては、処理対象となる茶の葉を番茶としたが、処理対象を番茶に限定する意味ではない。すなわち、5月ごろ摘採される茶の葉、所謂新茶を処理対象としてもよいことは当然である。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、導入体411内に蒸気供給配管420を接続して蒸気を供給するように構成した。しかし、加熱処理部410内に蒸気を供給する位置や数は、加熱処理部410内に投入される茶の葉にムラ無く均一に蒸気を接触できる構成であれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、導入体411への蒸気の供給に代えて、または加えて、外筒412に蒸気供給配管420を接続して同外筒412内に直接、蒸気を供給するように構成してもよい。また、蒸気を加熱処理部410に供給する数も2つ以上設けるようにしてもよい。さらに、複数の加熱処理部410を直列に連結した構成にしてもよい。これらによれば、茶の葉の殺青処理中における蒸気の温度低下を抑えて茶の葉の殺青処理を行うことができるとともに、加熱処理部410ごとに茶の葉に供給する蒸気の温度および量を調整して茶の葉状態に応じたきめ細かな殺青処理を行うことができる。
また、上記実施形態においては、外筒412内において回転駆動する網胴413を配置することにより、外筒412内に投入された茶の葉を撹拌するように構成した。これは、網胴413を回転させて茶の葉を撹拌することにより、茶の葉に対して短時間にムラなく均一に蒸気を接触させるためである。したがって、加熱処理部410内に投入された茶の葉に高温の蒸気が接触する構成であれば、必ずしも茶の葉を撹拌する必要はない。すなわち、網胴413を必ずしも回転駆動させる必要はない。また、搬送軸415によって茶の葉を撹拌させながら搬送する必要もない。例えば、無端帯状のネットコンベア上に茶の葉を載置して、ネットコンベア上で静止している茶の葉に対して高温の蒸気を接触させる構成であってもよいし、密閉可能な釜状の容器内に茶の葉を投入するとともに同容器内に蒸気を供給して殺青処理を行う構成としてもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、茶の葉を殺青処理する加熱処理部410の形状を外筒412の両端部が開放された略円筒状に形成した。しかし、加熱処理部410は、茶の葉に高温の蒸気を所定の時間接触させることができる構成であれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、導入孔411および外筒412の両端部を閉塞可能な構成として茶の葉の処理中に加熱処理部410内に外気が入らない構成としてもよい。これによれば、処理室411b内を高い温度に維持できるとともに蒸気以外の気体の浸入を防止してより精度良く茶の葉の殺青処理を行うことができる。
また、上記実施形態においては、導入体411内に投入される茶の葉に対して蒸気供給配管420の吐出口421から吐出される蒸気が直接当るように構成した。これは、処理対象となる茶の葉に対して、高温(本実施形態においては、約300℃)の蒸気を速やかに供給するためである。本発明者による実験によれば、加熱処理部410内において網胴413や、ステンレス製の円筒体の外周面に複数の孔を形成した所謂パンチング胴などに茶の葉を収容した状態で、これらの網胴413やパンチング胴の外側から蒸気を供給した場合、網胴413やパンチング胴に蒸気が導かれ難いとともに、導かれる蒸気の温度が低下した。特に、網胴413やパンチング胴を回転駆動した場合には、網胴413やパンチング胴に蒸気が導かれ難いとともに、導かれる蒸気の温度低下が著しい。
したがって、網胴413やパンチング胴内に収容した茶の葉に対して蒸気を供給する構成の加熱処理部410の場合には、茶の葉に到達するまでの熱損失を考慮して供給する蒸気の温度を設定するとともに、蒸気の供給量を増やす必要がある。なお、上記実施形態においては、蒸気供給配管420の吐出口421を末広がりのラッパ形状に形成したが、必ずしもラッパ形状にする必要はなく、吐出口421の内径を一定のストレート状に形成してもよい。また、吐出口421の開口部にパンチングプレートを設け、蒸気を噴射する構成としてもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、蒸気供給配管420によって供給された蒸気による湿度が略100%に近い雰囲気中で茶の葉を加熱し殺青処理を行った。本発明者の実験によれば、蒸気供給配管420によって供給された高温の蒸気による湿度が概ね90%以上の雰囲気中で茶の葉を加熱して殺青処理することが好適である。ただし、茶の葉を加熱する雰囲気の湿度は、摘採された茶の葉の状態(摘採時季、葉の厚さ、硬さなど)によって適宜調整されるものであって、湿度90%以上の雰囲気中で茶の葉を加熱することを限定する意味ではない。
また、上記実施形態においては、加熱処理部410内に供給された蒸気の熱損失を抑えるために加熱処理部410を保温する構成を備えていない。しかし、加熱処理部410の外周部に断熱材などの保温部材を設けてもよいことは、当然である。また、例えば、加熱処理部410内の茶の葉を殺青可能な程度まで熱しない範囲で、外筒412を外部から熱することにより加熱処理部410内に供給された蒸気の熱損失を抑えてもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
本発明の一実施形態に係る茶の葉の殺青方法を適用した荒茶の製造システムの一部の構成を示した構成概略図である。 図1に示す茶葉乾燥機の全体構成を模式的を示す一部破断構成図である。 図1に示す蒸機の全体構成を模式的に示す一部破断構成図である。
符号の説明
100…定量給葉コンベア、200…茶葉乾燥機、201…筐体、202a〜202e…搬送コンベア、203…無端ベルト、203b,203c…ローラ、204…投入口、205…排気ファン、206…排出口、210…温風生成装置、211…バーナ、212…ダクト、300…定量給葉コンベア、400…蒸機、410…加熱処理部、411…導入体、412…外筒、413…網胴、414…駆動ギア、414a…電動モータ、415…搬送軸、415a…プーリ、415b…搬送羽、415c…電動モータ、420…蒸気供給配管、421…吐出口、422…手動弁、430…蒸気生成装置、431…貯水槽、432…加熱部、440…加熱装置、450…制御装置、460…支持台、500…定量給葉コンベア。

Claims (6)

  1. 摘採した茶の葉を蒸気を用いて殺青する茶の葉の殺青方法において、
    前記摘採した茶の葉を乾燥させて含水率を乾量基準で300%以下にする乾燥工程と、
    温度が200℃以上かつ450℃以下の蒸気を生成する高温蒸気生成工程と、
    前記高温蒸気生成工程にて生成した蒸気のみを用いて前記乾燥させた茶の葉を加熱して殺青する茶の葉加熱工程とを含むことを特徴とする茶の葉の殺青方法。
  2. 請求項1に記載した茶の葉の殺青方法において、
    前記茶の葉加熱工程は、湿度が90%以上の雰囲気中で5秒以上かつ110秒以下の間前記茶の葉を加熱する茶の葉の殺青方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載した茶の葉の殺青方法において、さらに、
    前記摘採された茶の葉を萎凋する萎凋工程を含み、
    前記茶の葉加熱工程は、前記乾燥および前記萎凋された茶の葉を加熱して殺青する茶の葉の殺青方法
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した茶の葉の殺青方法において、
    前記茶の葉加熱工程は、前記摘採した茶の葉を撹拌しながら加熱する茶の葉の殺青方法。
  5. 摘採した茶の葉から荒茶を製造する荒茶製造システムにおいて、
    前記摘採した茶の葉を乾燥させて含水率を乾量基準で300%以下にする乾燥手段と、
    温度が200℃以上かつ450℃以下の蒸気を生成する高温蒸気生成手段と、
    前記高温蒸気生成手段にて生成した蒸気のみを用いて前記乾燥させた茶の葉を5秒以上かつ110秒以下の範囲で加熱して殺青する茶の葉加熱手段とを備えることを特徴とする荒茶製造システム。
  6. 摘採した茶の葉から荒茶を製造する荒茶の製造方法において、
    前記摘採した茶の葉を乾燥させて含水率を乾量基準で300%以下にする乾燥工程と、
    温度が200℃以上かつ450℃以下の蒸気を生成する高温蒸気生成工程と、
    前記高温蒸気生成工程にて生成した蒸気のみを用いて前記乾燥させた茶の葉を5秒以上かつ110秒以下の範囲で加熱して殺青する茶の葉加熱工程とを含むことを特徴とする荒茶の製造方法。
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