JP3809109B2 - 茶葉の蒸熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生茶葉を蒸すための茶葉の蒸熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
緑茶は、蒸熱工程、粗揉工程、中揉工程、仕上工程などの各加工工程を経て製造されるが、このうち蒸熱工程は、ボイラで発生した蒸気を回転蒸胴内へ導入し、該蒸気で生葉を蒸すことにより緑茶の製造に必要である適切な蒸葉を得る工程である。この蒸熱工程で用いられる蒸気は、蒸熱処理装置における蒸気導入部から回転蒸胴内に導入され、生葉投入口から投入された生茶葉を蒸気潜熱により蒸すのである。
【0003】
かかる蒸熱工程は、生茶葉にある酸化酵素の活性を速やかに失わせ、青臭を除いて緑茶固有の香味を発揚させるとともに、茶葉を軟らかくし、後工程である粗揉工程が円滑に処理できる素地をつくる機能を有している。然るに、かかる蒸熱工程の良否は、お茶(特に煎茶)の品質に大きく影響するとともに、蒸しの適否は後工程の難易に影響する重要な工程なのである。
【0004】
ところで、蒸気導入部から回転蒸胴内に導入される蒸気として、100℃の無圧の飽和蒸気が用いられるのが一般的であり、この蒸熱時間を任意変えることでお茶の特徴付けが行われてきた。例えば、蒸熱時間を短くすれば浅蒸し茶となり、逆に蒸熱時間を長くすれば深蒸し茶となるのである。
【0005】
しかし、消費者の中には、蒸気の如く蒸熱時間を変えて特徴付けされた煎茶とは異なった更なる特徴付けされたお茶を求める者が多くなってきている消費者ニーズの観点と、生茶葉に対して十分な水分を残留させつつ高温で加熱処理を図る観点とから、例えば特開平8−196424号公報及び特開平9−233997号公報などで開示されたものが従来より提案されている。
【0006】
これら公報には、蒸熱処理工程で用いられる飽和蒸気に代えて、蒸気を含んだ高温(150〜250℃程度)の熱風にて生茶葉を蒸すことが開示されており、この加湿蒸気によって生茶葉を蒸すと、釜炒り風の如き独特の香味を持つお茶(煎茶)が得られるとともに、生茶葉に対して十分な加熱処理を行うことができるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加湿蒸気のみを用いた蒸熱方法においては、釜炒り風の独特の煎茶が得られるものの、蒸熱処理における温度が高くなり過ぎ、無圧の飽和蒸気を使用した場合と比べ、茶葉と接触したときに熱の伝わり方が悪くなって、若蒸しやムラ蒸しの原因となる虞があった。即ち、飽和蒸気では、蒸気の潜熱539.0[cal/g・℃]を利用して蒸すのに対し、それよりも低い比熱に依存する熱量しか利用できないため熱量不足になり、かかる加湿蒸気のみでは蒸しが不十分となって品質上の不具合が生じてしまうのである。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、蒸し及び加熱を十分に行って若蒸しやムラ蒸しを回避しつつ、釜炒り風で香気と甘味を持った独特の煎茶を得ることができる茶葉の蒸熱処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、回転可能な円筒状の金網部材から成り、内部に茶葉を収容可能な回転蒸胴と、該回転蒸胴の一端側から当該回転蒸胴内に生茶葉を投入する生葉投入口と、前記回転蒸胴内に収容された茶葉を撹拌するとともに、当該回転蒸胴の回転と共働して前記生葉投入口から投入された茶葉を回転蒸胴の他端側まで搬送する撹拌手段と、前記生葉投入口から投入された生茶葉に対し蒸熱処理するための蒸気を導入する蒸気導入部と、を有し、生茶葉に蒸気を当てて熱処理を行う茶葉の蒸熱処理装置において、前記蒸気導入部は、100℃の飽和蒸気を導入する飽和蒸気導入部と、蒸気を含んだ180〜450℃の加湿熱風を導入する加湿熱風導入部と、から成るとともに、前記回転蒸胴の周囲を覆って設けられた固定胴と、該固定胴の一部に形成され、蒸気を含んだ前記加湿熱風を前記加湿熱風導入部を介して前記回転蒸胴内に供給し得る複数の導入孔と、前記加湿熱風を生成する加湿熱風生成手段と、前記導入孔の外側開口を覆いつつ前記加湿熱風生成手段と連結されたフードとを有することを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、生葉投入口から投入された生茶葉が撹拌手段で撹拌されつつ回転蒸胴内で搬送される過程において、飽和蒸気導入部から導入された無圧の飽和蒸気、及び加湿熱風導入部から導入された蒸気を含んだ加湿熱風を回転蒸胴内に導入し、その蒸発潜熱によって当該生茶葉に対し熱処理を施す。
【0013】
また、加湿熱風生成手段によって生成された蒸気を含んだ加湿熱風は、フードを介して加湿熱風導入部に至り、導入孔を通して回転蒸胴内に供給される一方、無圧の飽和蒸気は飽和蒸気導入部を介して回転蒸胴内に供給される。
【0014】
請求項記載の発明は、前記導入孔に嵌入され、前記回転蒸胴の外周面近傍まで延びた筒状部材から成るカラーを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、飽和蒸気を生成するボイラと前記加湿熱風生成手段とを連結する第1配管と、前記加湿熱風生成手段と前記フードとを連結する第2配管と、前記第1配管の途中において分岐し、前記飽和蒸気導入部と連結された第3配管とを有したことを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、ボイラで生成された無圧の飽和蒸気の一部は、第1配管を通って加湿熱風生成手段に至り、そこで蒸気を含んだ加湿熱風が生成されるとともに第2配管にてフードを介して加湿熱風導入部に供給される一方、他の無圧の飽和蒸気は、第1配管の分岐部までと第3配管とを介して飽和蒸気導入部に供給される。
【0017】
請求項記載の発明は、前記固定胴の下部に開口を形成するとともに、該開口を開放又は閉塞し得る下蓋を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項記載の発明は、前記下蓋が、所定時間の間隔で開放動作されるよう制御されたものであることを特徴とする。
【0019】
請求項記載の発明は、前記回転蒸胴は、側面全域が通気性部材で形成されたことを特徴とする。
【0020】
請求項記載の発明は、前記回転蒸胴が、直列に配設された第1回転蒸胴と第2回転蒸胴とから構成され、第1回転蒸胴に前記飽和蒸気導入部が形成されるとともに、第2回転蒸胴に前記加湿熱風導入部が形成されたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る茶葉の蒸熱処理装置は、茶葉に100℃の飽和蒸気を当てる飽和蒸気工程と、茶葉に蒸気を含んだ180〜450℃の加湿熱風を当てる加湿熱風工程との両方を施し得るもので、図1及び図2に示すように、回転蒸胴1と、生葉投入口2と、撹拌手段3と、飽和蒸気導入部4と、フード11及び導入孔h等から成る加湿熱風導入部5と、固定胴6とから主に構成されている。
【0022】
回転蒸胴1は、その軸心を中心に回転可能な円筒状の金網部材(通気性部材)から成り、内部に茶葉を収容可能とされるとともに、床面に設置された固定機枠7に水平軸(不図示)を介して揺動可能に支持された可動機枠8上に載置されている。尚、かかる回転蒸胴1を構成する金網部材は、側面全域に亘って形成されている。
【0023】
この回転蒸胴1の一端(図1中左端)には、リングギア14が一体的に固定されており、該リングギア14に噛み合わせて駆動ギア(不図示)が可動機枠8上に軸支されている。これにより、駆動ギアを不図示のモータによって回転駆動することにより、リングギア14を回転させ、回転蒸胴1を回転し得るよう構成されている。
【0024】
上記回転蒸胴1の上下及び側方周囲は、固定胴6によって覆われている。この固定胴6は、回転蒸胴1の周囲を覆って該回転蒸胴1内に導入された加湿熱風を封じ込め得るように設けられたものであり、回転蒸胴1の上方を覆う上部部材6aと下方を覆う下部部材6bとを上下から合致させて構成されている。尚、かかる回転蒸胴1は、回転蒸胴1を覆い、且つ、内部に導入される加湿熱風を保持し得るものであれば他の形態のもの(例えば上下一体部品から成るもの)であってもよい。
【0025】
上部部材6aの上面には、図3に示すように、加湿熱風を回転蒸胴1内に供給するための導入孔hが、その長手方向に一列に並んで複数形成されており、これら導入孔hにはカラー10が嵌入されている。このカラー10は、導入孔hの内径よりも若干小さい外径を有する円筒状部材から成り、当該導入孔hへ嵌入されて配設されると、図4で示すように、先端が回転蒸胴1の外周面近傍まで延びたものである。
【0026】
かかるカラー10により、後述するフード11で集積された加湿熱風を回転蒸胴1内に確実に供給することができる。即ち、導入孔hのみが形成されたものにおいては、加湿熱風が固定胴6内で拡散しながら供給されるのに対し、カラー10を用いることにより、加湿熱風を回転蒸胴1に案内でき、より確実に加湿熱風を生茶葉に当てることができるのである。
【0027】
一方、図4に示すように、下部部材6bの下面には開口6baが形成されているとともに、該開口6baを開放又は閉塞し得る一対の下蓋12が設けられている。かかる下蓋12は、下部部材6aの下端面近傍に取り付けられた揺動軸Cを中心にそれぞれ揺動して開閉自在とされたものであり、その外面の一部にはシリンダ13の作動ロッド13a先端が取り付けられている。
【0028】
即ち、シリンダ13を駆動して作動ロッド13を同図の状態から引っ込めると、各々の下蓋12が揺動し、固定胴6の下面側を開放させ得るのである(図5の状態とされる)。これにより、生茶葉に対して熱処理するときは下蓋12を閉じて開口6baを閉塞させ、加湿熱風を固定胴6内で留まらせることができる一方、固定胴6下部を清掃するときには、下蓋12を開けて開口6baを開放させれば当該固定胴6下部に溜まったもの(回転蒸胴1の網目から脱落したもの等)が落下し、傾斜配置された下方の流し9(図1参照)で除去することができる。
【0029】
ここで、シリンダ13における作動ロッド13の動作は、蒸熱処理中においては下蓋12を閉じるべく伸長した状態とされるとともに、所定時間の間隔で引っ込んで下蓋12を開けるように構成するのが好ましい。このような構成によれば、作業者が下蓋12を開閉することなく、自動的に固定胴6下部に溜まったものを除去することができる。
【0030】
更に、上記構成の蒸熱処理装置においては、フード11には蒸気を導入せず、飽和蒸気導入部4だけに飽和蒸気を導入するようにして、通常の蒸機として使用することができる。そのような場合、下蓋12を開いたまま使用すれば、例えば、一番茶は通常の蒸熱処理を行い、一茶後半や二番茶、三番茶、秋冬番茶に加湿熱風を用いた蒸熱処理を行う如く、一台の装置を兼用で使用することができる。
【0031】
図1における回転蒸胴1の左端側には、飽和蒸気導入部4が直列に配設されており、かかる飽和蒸気導入部4の両側面からはダクトγ(第3配管)を連結する連結部4aが形成されている。このダクトγは、後述するボイラB(図7参照)と接続されたもので、当該ボイラBで生成された無圧の飽和蒸気を飽和蒸気導入部4内に導入するためのものである。
【0032】
また、飽和蒸気導入部4と隣接して、生茶葉を回転蒸胴1内に投入するための生葉投入口2が形成されている。該生葉投入口2は、同図の如くホッパから成るものであり、大量の生茶葉を蒸機内に投入し易いように構成されている。然るに、生葉投入口2から投入された生茶葉は、飽和蒸気導入部4内において飽和蒸気による蒸熱処理が施されることとなり、撹拌手段3による動作(及び可動機枠8の動作による回転蒸胴1の傾斜で生じる自重)で回転蒸胴1内に搬送される。
【0033】
撹拌手段3は、回転蒸胴1の回転中心より若干下方に延設された撹拌軸と、該撹拌軸に略垂直に突設された複数の撹拌手とから構成されており、モータを駆動して撹拌軸を回転させることにより回転蒸胴1内に収容された生茶葉を撹拌手で撹拌しつつ、当該回転蒸胴1の回転(及び回転蒸胴1の傾斜で生じる自重)と共働して、生葉投入口2から投入された生茶葉を他端(図1中右端)まで搬送するよう構成されている。
【0034】
フード11は、図6に示すように、底部11aが開口しつつ2つの傾斜面11b及び11cを有したもので、該傾斜面11bにダクトβ(第2配管)先端を取り付けるための接続口11dが形成されている。このフード11の底部は、固定胴6の上面に固定され、図1に示すように、全ての導入孔hの外側開口を覆うようになっている。これにより、ダクトβで導かれた加湿熱風は、フード11内において集積されつつ導入孔hのカラー10を介して回転蒸胴1内に供給されることとなる。
【0035】
一方、飽和蒸気導入部4に導入されるべき無圧の飽和蒸気、及び加湿熱風導入部5を構成するフード11に導入されるべき加湿熱風は、図7に示すように、ボイラB及び加湿熱風生成手段Aにより生成される。即ち、100℃の無圧の飽和蒸気を生成するボイラBと蒸気を含んだ180〜450℃の加湿熱風を生成する加湿熱風生成手段Aとを連結するダクトα(第1配管)と、加湿熱風生成手段Aとフード11とを連結するダクトβ(第2配管)と、ダクトαの途中における分岐部Wから分岐し、飽和蒸気導入部4と連結されたダクトγ(第3配管)とを有し、ボイラBで生成された飽和蒸気の一部を、ダクトγを介して飽和蒸気導入部4に導入する一方、他の飽和蒸気を加湿熱風生成手段Aに導き、そこで生成された加湿熱風をダクトβを介してフード11に導入するよう構成されている。
【0036】
ここで、加湿熱風とは、空気を媒体として高温としつつ蒸気を含んで加湿されたものである。かかる加湿熱風の温度は、180〜450℃の範囲内であれば本発明に適用することができるが、略250℃の加湿熱風を用いるようにすれば、品質向上の観点から最も好ましい。
【0037】
次に、上記茶葉の蒸熱処理装置における作用について説明する。
まず、ボイラB及び加湿熱風生成手段Aを始動させて、ダクトα及びγを介して飽和蒸気導入部4に飽和蒸気を導入するとともに、ダクトβを介してフード11に加湿熱風を導入する。一方で、可動機枠8を所定角度まで揺動させて回転蒸胴1を傾斜配置するとともに、回転蒸胴1及び撹拌手段3を回転駆動しつつ、生葉投入口2から所望量の生茶葉を投入する。
【0038】
該生葉投入口2から投入された生茶葉は、傾斜に基づく自重と撹拌手段3の動作との共働により図1における回転蒸胴1の右端まで搬送される。かかる搬送過程において、飽和蒸気導入部4では飽和蒸気が生茶葉に当てられ、若蒸しやムラ蒸しを回避した十分な蒸熱処理(飽和蒸気工程)が施される。
【0039】
その後、加湿熱風導入部5まで搬送された生茶葉に対し加湿熱風が当てられ、釜炒り風の如き独特の香味付けを行うための蒸熱処理(加湿熱風工程)が施される。ここで、ダクトβで導かれた加湿熱風は、フード11にて集積されつつ導入孔hに嵌め込まれたカラー10を介して回転蒸胴1に吹き付けられ、該回転蒸胴1内の生茶葉に当てられることとなっている。
【0040】
また、生茶葉が回転蒸胴1の長手方向に搬送される過程で、当該回転蒸胴1を構成する金網の目を通過して固定胴6の底部に落下するものがあるので、蒸熱処理時においては、下蓋12は閉じた状態とされている。そして、所定時間の間隔でシリンダ13が駆動され、下蓋12を開くことにより固定胴6の底部が開放し、該底部に溜まったものが流し9に落下して除去される。
【0041】
回転蒸胴1内の茶葉が図1中右端に至った時点で、本実施形態に係る蒸熱処理が終了する。その後、生成された蒸葉は、葉打ち機などの次工程に搬送され、所定の揉乾処理が施されることとなる。尚、回転蒸胴1の傾斜角や回転速度は、生葉投入口2から投入される生茶葉の状態によって調整されるのが好ましい。
【0042】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図8に示すように、固定胴6の上面のフードを2つ直列に配設し、一方から飽和蒸気を導入するとともに、他方から加湿熱風を導入するよう構成してもよい。この場合、いずれに飽和蒸気又は加湿熱風を導入してもよく、同図左側のフード11’aに飽和蒸気を導入しつつ右側のフード11’bに加湿熱風を導入するようにすれば、飽和蒸気工程の後に加湿熱風工程が行われることとなる一方、フード11’aに加湿熱風を導入しつつフード11’bに飽和蒸気を導入するようにすれば、加湿熱風工程の後に飽和蒸気工程が行われることとなる。尚、大型の装置になると回転蒸胴が長くなるため、フード11’a及び11’bの両方に加湿熱風を供給するようにしてもよい。
【0043】
更に、図9に示すように、回転蒸胴を、直列に配設された第1回転蒸胴1’aと第2回転蒸胴1’bとから構成し、それぞれを覆う固定胴6’a及び6’bを設けるよう構成してもよい。この場合、飽和蒸気導入部4にはダクトγが接続されており、該部位に飽和蒸気が導入されて第1回転蒸胴1’a内で飽和蒸気工程が行われる一方、加湿熱風導入部5にはダクトβが接続されており、該部位に加湿熱風が導入されて第2回転蒸胴1’b内で加湿熱風工程が行われることとなる。かかる直列に配設された回転蒸胴を有するものによれば、確実に各蒸熱処理を行うことができる。尚、各回転蒸胴1’a、1’bにはそれぞれリングギア14’a及び14’bが配設されており、独立に回転駆動し得るよう構成されている。
【0044】
請求項1の発明によれば、100℃の飽和蒸気と蒸気を含んだ180〜450℃の加湿熱風との両方を、それぞれ生茶葉に当て、その蒸気潜熱にて熱処理を行うので、蒸し及び加熱を十分に行って若蒸しやムラ蒸しを回避しつつ、釜炒り風で香気と甘味を持った独特の煎茶を得ることができる。
【0045】
更に、固定胴によって回転蒸胴が覆われているので、回転蒸胴に導入された加湿熱風又は飽和蒸気を当該回転蒸胴内に留まらせることができ、効率よく蒸発を生茶葉に当てることができるとともに、蒸気を含んだ加湿熱風がフードで集積され、導入孔から加湿熱風導入部に導入されるので、当該加湿熱風を効率よく加湿熱風導入部に導入することができる。
【0046】
請求項の発明によれば、導入孔に回転蒸胴の外周面近傍まで延びたカラーが嵌入されているので、フードで集積された加湿熱風を確実に回転蒸胴内の茶葉に当てることができ、効率のよい蒸熱処理を行うことができる。
【0047】
請求項の発明によれば、ボイラで生成された無圧の飽和蒸気の一部が加湿熱風生成手段に送られて蒸気を含んだ加湿熱風を生成し、その加湿熱風が加湿熱風導入部に供給される一方、他の飽和蒸気はそのまま飽和蒸気導入部に供給されるので、ボイラを共通で用いることができ、装置構成を簡素化することができる。
【0048】
請求項の発明によれば、固定胴の下部に開口を形成するとともに、該開口を開放又は閉塞し得る下蓋を設けたので、生茶葉に対して熱処理するときは下蓋を閉じて開口を閉塞させ、加湿熱風又は飽和蒸気を回転蒸胴内で留まらせることができる一方、固定胴下部を清掃するときには、下蓋を開けて開口を開放させれば当該固定胴下部に溜まったものが落下するので、容易に除去することができる。
【0049】
請求項の発明によれば、下蓋が所定時間の間隔で開放動作されるよう制御されるので、自動的に固定胴下部に溜まったものを除去することができる。
【0050】
請求項の発明によれば、回転蒸胴の側面全域が通気性部材で形成されているので、集積された加湿熱風を確実に回転蒸胴内の茶葉に当てることができ、効率のよい蒸熱処理を行うことができる。
【0051】
請求項の発明によれば、直列に配設された第1回転蒸胴及び第2回転蒸胴のそれぞれにおいて飽和蒸気による蒸熱処理、及び加湿熱風による蒸熱処理が行われるので、確実に各蒸熱処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る茶葉の蒸熱処理装置を示す側面図
【図2】同正面図
【図3】本発明の実施形態に係る茶葉の蒸熱処理装置における固定胴の上部部材を示す斜視図
【図4】図1におけるIV−IV線断面図
【図5】本発明の実施形態に係る茶葉の蒸熱処理装置における下蓋が開いた状態を示す模式図
【図6】本発明の実施形態に係る茶葉の蒸熱処理装置におけるフードを示す斜視図
【図7】本発明の実施形態における茶葉の蒸熱処理装置及びそれに接続されるダクト(配管)を示す模式図
【図8】本発明の他の実施形態(フードを2つ用いたもの)に係る茶葉の蒸熱処理装置を示す側面図
【図9】本発明の他の実施形態(回転蒸胴を直列に配設したもの)に係る茶葉の蒸熱処理装置を示す側面図
【符号の説明】
1、1’a、1’b…回転蒸胴
2…生葉投入口
3…撹拌手段
4…飽和蒸気導入部
5…加湿熱風導入部
6、6’a、6’b…固定胴
6a…上部部材
6b…下部部材
7…固定機枠
8…可動機枠
9…流し
10…カラー
11…フード
12…下蓋
13…シリンダ
14、14’a、14’b…リングギア
h…導入孔
A…加湿熱風生成手段
B…ボイラ
C…揺動軸
α…ダクト(第1配管)
β…ダクト(第2配管)
γ…ダクト(第3配管)

Claims (7)

  1. 回転可能な円筒状の金網部材から成り、内部に茶葉を収容可能な回転蒸胴と、
    該回転蒸胴の一端側から当該回転蒸胴内に生茶葉を投入する生葉投入口と、
    前記回転蒸胴内に収容された茶葉を撹拌するとともに、当該回転蒸胴の回転と共働して前記生葉投入口から投入された茶葉を回転蒸胴の他端側まで搬送する撹拌手段と、
    前記生葉投入口から投入された生茶葉に対し蒸熱処理するための蒸気を導入する蒸気導入部と、
    を有し、生茶葉に蒸気を当てて熱処理を行う茶葉の蒸熱処理装置において、
    前記蒸気導入部は、
    100℃の飽和蒸気を導入する飽和蒸気導入部と、
    蒸気を含んだ180〜450℃の加湿熱風を導入する加湿熱風導入部と、
    から成るとともに、
    前記回転蒸胴の周囲を覆って設けられた固定胴と、
    該固定胴の一部に形成され、蒸気を含んだ前記加湿熱風を前記加湿熱風導入部を介して前記回転蒸胴内に供給し得る複数の導入孔と、
    前記加湿熱風を生成する加湿熱風生成手段と、
    前記導入孔の外側開口を覆いつつ前記加湿熱風生成手段と連結されたフードと、
    を有することを特徴とする茶葉の蒸熱処理装置。
  2. 前記導入孔に嵌入され、前記回転蒸胴の外周面近傍まで延びた筒状部材から成るカラーを備えたことを特徴とする請求項記載の茶葉の蒸熱処理装置。
  3. 飽和蒸気を生成するボイラと前記加湿熱風生成手段とを連結する第1配管と、
    前記加湿熱風生成手段と前記フードとを連結する第2配管と、
    前記第1配管の途中において分岐し、前記飽和蒸気導入部と連結された第3配管と、
    を有したことを特徴とする請求項又は請求項記載の茶葉の蒸熱処理装置。
  4. 前記固定胴の下部に開口を形成するとともに、該開口を開放又は閉塞し得る下蓋を設けたことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1つに記載の茶葉の蒸熱処理装置。
  5. 前記下蓋は、所定時間の間隔で開放動作されるよう制御されたものであることを特徴とする請求項記載の茶葉の蒸熱処理装置。
  6. 前記回転蒸胴は、側面全域が通気性部材で形成されたことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1つに記載の茶葉の蒸熱処理装置。
  7. 前記回転蒸胴は、直列に配設された第1回転蒸胴と第2回転蒸胴とから構成され、第1回転蒸胴に前記飽和蒸気導入部が形成されるとともに、第2回転蒸胴に前記加湿熱風導入部が形成されたことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1つに記載の茶葉の蒸熱処理装置。
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