JP2009216146A - 能動型防振支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動時等に発生する過渡振動を、その振動の始まりから効果的に抑制できる能動型防振支持装置を提供する。
【解決手段】ステップS13においてアクティブ・マウントM,Mに所定のDC電流が印加される。ステップS18では仮想電流波形が設定され、ステップS19、S20では初発インジェクション気筒の点火タイミングに対応する制御が開始される。例えば、アクティブ・マウントMでは、時刻tCFにおいてDC電流値IiFから最初の仮想電流波形に移行し、初爆からのロール共振に伴うアクティブ・マウントMにおける荷重変化の山―谷―山に合致するように制御される。その結果、曲線CF1のように作用点は、当初のDC電流値IiFにより保持されていた初期位置PiMから一度仮想の0点P0Fに移動してからアクティブ・マウントMにおける荷重変化の山―谷―山に合致するように上下動をする。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両のエンジンを車体に支承する能動型防振支持装置に関する。
クランクパルスセンサを使用してエンジン振動の位相及びエンジン振動の大きさを推定し、その推定結果に基づいてアクチュエータを伸縮駆動して、エンジン振動の車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される従来の技術によると、クランクパルスをサンプリングしてクランクパルス間隔の変動からエンジン振動を推定し、その推定結果に基づいて、アクチュエータを伸縮駆動するため、アイドル状態や一定走行等、定常状態の振動に対しては、効果的な防振性能を有することができる。
しかしながら、短期間の振動(過渡振動)に対しては、クランクパルス間隔の変動でエンジン振動を判定しようとしても制御が間に合わず、過渡振動を抑制できないという問題がある。そこで、例えば、特許文献2には、エンジンが全筒運転状態から休筒運転状態に切り換わるときの過渡振動に対して効果的な防振性能を有する能動型防振支持装置の技術が開示されている。
特開2007−107579号公報(段落0022〜0025参照) 特開2006−017288号公報(段落0026、図6参照)
しかしながら、特許文献2に開示された技術は、全筒運転状態と休筒運転状態の切り換わりを検知して、予めマップとして記憶されている補正値でエンジン振動の推定を過渡的に補正するものであり、その基本的な考え方は、エンジンが定常運転をしているときのものである。つまり、その制御は一定の周期で行われており、最初の周期でクランクパルスをサンプリングしたその結果は、次の周期での制御のための演算に用いられ、演算の結果は更に次の周期におけるアクチュエータの伸縮制御に用いられるというものであり、エンジン始動時に発生する過渡振動等の一過性のものを、効果的に抑制するにはアクチュエータの伸縮制御の開始が間に合わないという課題があった。
特に、エンジンの始動前の無通電時には、図12に示すようにアクチュエータによって動作させられる加振板の位置が、上下作動幅の一方側に位置し、能動型防振支持装置の作用点の変位可能な上下幅が小さく、エンジン始動時の初発の気筒以降の大きなエンジン振動を吸収できないという問題があった。
そこで、本発明は、エンジン始動時等に発生する過渡振動を、その振動の始まりから効果的に抑制できる能動型防振支持装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンの荷重を車体に支承するとともに、制御手段の制御によりエンジンの振動状態に応じた電流でアクチュエータを周期的に伸縮駆動して、振動の車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置において、制御手段は、アクチュエータの制御開始条件に基づき、アクチュエータに所定の電流を通電し、その後、エンジンの振動に対応した電流の制御指令値に基づきアクチュエータの制御を開始することを特徴とする。
請求項1に係る発明によると、アクチュエータの制御開始条件に基づき、例えば、エンジンの点火が開始する前のスタータによるクランクシャフトの回転の間にアクチュエータに通電して、能動型防振支持装置の作用点を上下変位幅の中央点に移動させることができ、その後、エンジンの振動に対応した電流の制御指令値に基づきアクチュエータの制御を開始することにより、例えば、最初の気筒の点火のときから、作用点を上下変位幅一杯に移動可能となり、車体への振動の伝達をエンジンが点火して自力回転を始める発動の最初から抑制することができる。
請求項2に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンの荷重を車体に支承するとともに、制御手段の制御によりエンジンの振動状態に応じた電流でアクチュエータを周期的に伸縮駆動してアクチュエータに固定された加振板を上下動させ、振動の車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置において、制御手段は、アクチュエータの制御開始条件に基づき、アクチュエータを駆動して加振板を所定の位置に移動させ、その後、エンジンの振動に対応した電流の制御指令値に基づきアクチュエータの制御を開始することを特徴とする。
請求項2に係る発明によると、アクチュエータの制御開始条件に基づき、例えば、エンジンの点火が開始する前のスタータによるクランクシャフトの回転の間に加振板を所定の位置に移動でき、能動型防振支持装置のエンジン取付部の作用点を上下変位幅の中央点に移動させることができ、その後、エンジンの振動に対応した電流の制御指令値に基づきアクチュエータの制御を開始することにより、例えば、最初の気筒の点火のときから、作用点を上下変位幅一杯に移動可能となり、車体への振動の伝達をエンジンが点火して自力回転を始める発動の最初から抑制することができる。
請求項3に係る発明の能動型防振支持装置は、請求項1又は請求項2に記載の能動型防振支持装置において、制御開始条件は、エンジンの始動開始により設定されることを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、制御開始条件は、エンジンの始動開始により設定されるので、通常、エンジン始動のためクランクシャフトをスタータで回転させて、最初の気筒の点火のときまでの間には、十分な時間があるので、最初の気筒の点火時から生じるエンジンのロール共振の開始前に、アクチュエータに所定の電流を通電してエンジン取付部の作用点を上下変位幅の中央点に移動させるのに好都合である。
ちなみに、車両のイグニッション・スイッチがオン位置に回されたことを検知したスイッチ信号を制御開始条件とすると、実際のエンジンの始動開始とは異なるので、能動型防振支持装置のアクチュエータに所定の一定電流が流れた状態が継続し、電力が無駄となる可能性があるが、本発明によれば、それが防止できる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、その後のエンジンの振動に対応した電流の制御指令値は、エンジンの回転開始時の少なくともクランクアングル位置に基づいて決められる初発の気筒の位置に応じて制御が開始されることを特徴とする。
請求項4に係る発明によると、その後のエンジンの振動に対応した電流の制御指令値は、エンジンの回転開始時の少なくともクランクアングル位置に基づいて決められる初発の気筒の位置に応じて制御が開始されるので、初発の気筒のクランクアングル位置を検出したタイミングに応じて能動型防振装置のエンジンへの前記作用点の押し動作や引き動作が開始できる。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、アクチュエータは、リニアソレノイドであることを特徴とする。
請求項5に係る発明によると、アクチュエータはリニアソレノイドであるので、ソレノイドの電流立ち上がり遅れを減らせ、能動型防振支持装置の前記作用点を安定状態に速く収束することができる。
請求項6に係る発明は、その後のエンジンの振動に対応した電流の制御指令値は、エンジン停止時に取得されたエンジンのロール共振振動の振動数に基づくことを特徴とする。
請求項6に係る発明によると、その後のエンジンの振動に対応した電流の制御指令値は、エンジン停止時に取得されたエンジンのロール共振振動の振動数に基づくので、エンジンのロール共振振動の振動数の経時変化が生じる場合でも、エンジン始動時のロール共振振動の車体への伝達を抑制できる。
本発明によると、エンジン始動時に発生する過渡振動を効果的に抑制できる能動型防振支持装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を参照しながら詳細に説明する。
(能動型防振支持装置の全体構成)
図1は本発明の実施形態に係る能動型防振支持装置を適用した車両におけるエンジン搭載状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。図2は、本実施形態に係わる能動型防振支持装置のアクティブ・コントロール・マウントの構造を示す縦断面図であり、図3は図2のA部拡大図である。
本実施形態に係わる能動型防振支持装置101は、図1の(a)、(b)において、上下方向に伸縮駆動することが可能で、車両Vのエンジン102を車体フレームに弾性的に支承するために用いられるアクティブ・コントロール・マウント(以下、単にアクティブ・マウントと略称する)M(図1では、符号M,Mで示す)を、エンジン102の前後方向に2つ配置してなる。
なお、以下ではアクティブ・マウントM,Mを特に区別する必要がない場合は、単にアクティブ・マウントMと記載する。
ここで、エンジン102は、クランクシャフト(図示せず)の一端にトランスミッション103が結合されるとともに、クランクシャフトが車両Vの本体に横向きに配置される、いわゆる横置きのV型6気筒エンジンである。従って、エンジン102はクランクシャフト方向が車両Vの左右方向に配置され、エンジン102によるロール方向の振動を抑制するため、エンジン102を挟んで、車両Vの前方側にアクティブ・マウントMが、車両Vの後方側にアクティブ・マウントMが対にして備えられている。
アクティブ・マウントM,Mは、エンジン102の重心の高さより低い位置に取り付けられ、エンジン102の前後方向のロール振動を抑制するとともに、エンジン102を車両Vの車体に弾性支持(支承)する。
図2に示すように、能動型防振支持装置101は、アクティブ・マウントM,M(図2では、代表的に1つのアクティブ・マウントMのみを表示)を制御するアクティブ・コントロール・マウント制御ECU(Electric Control Unit)71を備えている。以下では、アクティブ・コントロール・マウント制御ECU(制御手段)71は、ACM(Active Controll Mount)ECU71と称する。
ACMECU71はエンジン回転速度Neや出力トルク等を制御するエンジン制御ECU(以下、エンジンECUと称する)73と通信回線、例えば、CAN(Controller Area Netwaok)通信で接続されている。
なお、ACMECU71は、エンジンECU73から、通信回線を介してエンジン回転速度Ne信号、クランクパルス信号、各気筒の上死点のタイミングを示すTDC(Top Dead Center)信号、V型6気筒のエンジン102を全筒運転しているのか、休筒運転をしているのかを示すシリンダ・オフ信号、イグニッション・スイッチのエンジン始動を示すイグニッション・スイッチ信号(以下、IG−SW信号と称する)が入力される。
ちなみに、クランクパルスは、6気筒エンジンの場合、クランクシャフトの1回転につき24回、つまりクランクアングルの15°毎に1回出力される。
(ACMの構成)
図2に示すように、アクティブ・マウントMは、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、略円筒状の上部ハウジング11と、その下側に配置された略円筒状の下部ハウジング12と、下部ハウジング12内に収容されて上面が開放した略カップ状のアクチュエータケース13と、上部ハウジング11の上側に接続したダイヤフラム22と、上部ハウジング11内に格納された環状の第1弾性体支持リング14と、第1弾性体支持リング14の上側に接続した第1弾性体19と、アクチュエータケース13に収容された環状の第2弾性体支持リング15と、第2弾性体支持リング15の内周側に接続した第2弾性体27と、アクチュエータケース13に収容され第2弾性体支持リング15及び第2弾性体27の下方に配置された駆動部(アクチュエータ)41等から構成されている。
上部ハウジング11下端のフランジ部11aと、下部ハウジング12の上端のフランジ部12aとの間に、アクチュエータケース13の外周のフランジ部13aと、第1弾性体支持リング14の外周部14aと、アクチュエータケース13内の上部側に配置された環状断面が略コの字型で上下に外周部を有する第2弾性体支持リング15の上面外周部15aとが重ね合わされてカシメにより結合される。このとき、フランジ部12aとフランジ部13aとの間に環状の第1フローティングラバー16を介在させ、かつフランジ部13aの上面と第2弾性体支持リング15の上面外周部15a下面との間に環状の第2フローティングラバー17を介在させることで、アクチュエータケース13は、上部ハウジング11及び下部ハウジング12に対して上下方向に相対移動可能にフローティング支持される。
第1弾性体支持リング14と、第1弾性体19の上面側に設けられた凹部内に配置された第1弾性体支持ボス18とは、厚肉のラバーで形成された第1弾性体19の下端及び上端で、加硫接着によって接合されている。更に、第1弾性体支持ボス18の上面にダイヤフラム支持ボス20がボルト21で固定されており、ダイヤフラム支持ボス20に内周部を加硫接着によって接合されたダイヤフラム22の外周部が、上部ハウジング11に加硫接着により接合されている。
ダイヤフラム支持ボス20の上面にはエンジン取付部(作用点)20aが一体に形成され、エンジン102(図1参照)に固定される(詳細な固定方法は、図示省略してある)。また、下部ハウジング12の下端の車体取付部12bが図示しない車体フレームに固定される。
上部ハウジング11の上端のフランジ部11bには、ストッパ部材23の下端のフランジ部23aがボルト24及びナット25で結合されており、ストッパ部材23の上部内面に取り付けたストッパラバー26に、ダイヤフラム支持ボス20の上面に突設したエンジン取付部20aが当接可能に対向する。
このような構造によって、アクティブ・マウントMにエンジン102(図1参照)から大きな荷重が入力したとき、エンジン取付部20aがストッパラバー26に当接することで、エンジン102の過大な変位が抑制される。
第2弾性体支持リング15の内周面には、膜状のラバーで形成された第2弾性体27の外周部が加硫接着により接合されており、第2弾性体27の中央部にその上部が埋め込まれるように可動部材28が加硫接着により接合される。
そして、第2弾性体支持リング15の上面と第1弾性体支持リング14の下部との間に円板状の隔壁部材29が固定されており、第1弾性体支持リング14、第1弾性体19及び隔壁部材29により区画された第1液室30と、隔壁部材29及び第2弾性体27により区画された第2液室31とが、隔壁部材29の中央に開口している連通孔29aを介して相互に連通する。
第2弾性体27の外周部27aは、第2弾性体支持リング15の下面外周部15b(図3参照)と後記するヨーク44との間に挟持され、シール機能を有するようになっている。
また、第1弾性体支持リング14と上部ハウジング11との間に環状の連通路32が形成されている。連通路32は連通孔33を介して第1液室30に連通するとともに、環状の連通間隙34を介して、第1弾性体19とダイヤフラム22により区画された第3液室35に連通する。
次に、図3を参照しながらアクチュエータケース13内に格納された破線枠内で示した駆動部41の詳細構造を説明する。
図3に示すように駆動部41は、主に透磁率が高い金属又は合金からなる固定コア42、コイル組立体43、ヨーク44、可動コア54等から構成されている。
固定コア42は、下端部に受け座面のフランジ部を有する略円筒状で、円筒部の外周は円錐の周面形状をしている。可動コア54は略円筒状で上端が内周方向に突き出てばね座54aを形成し、ばね座54aより下部の円筒部の内周は円錐の周面形状をしている。
コイル組立体43は、固定コア42及びヨーク44間に配置され、コイル46とコイル46の周囲を覆うコイルカバー47とで構成される。コイルカバー47には、下部ハウジング12及びアクチュエータケース13に形成された開口部12c,13bを貫通して外部に延出するコネクタ48が一体に形成され、そこにコイル46に給電する給電線が接続される。
ヨーク44は、コイルカバー47の上面側に環状の鍔部を持ち、その鍔部の内周から下方に伸びる円筒部44aを有する、謂わば、フランジ付き円筒の形状である。コイルカバー47の上面とヨーク44の鍔部の下面との間にシール部材49が配置され、コイルカバー47の下面と固定コア42の上面との間にシール部材50が配置される。これらのシール部材49,50によって下部ハウジング12及びアクチュエータケース13に形成した開口部12c,13bから駆動部41の内部空間に水や塵が入り込むのを阻止することができる。
ヨーク44の円筒部の内周面には、薄肉円筒状の軸受け部材51が上下方向に摺動自在に嵌合しており、この軸受け部材51の上端には径方向内向きに折り曲げられた上部フランジ51aが形成されるとともに、下端には径方向外向きに折り曲げられた下部フランジ51bが形成されている。
下部フランジ51bとヨーク44の円筒部44aの下端との間には、セットばね52が圧縮状態で配置されており、このセットばね52の弾性力で軸受け部材51の下部フランジ51bを下方に付勢して、下部フランジ51bの下面と固定コア42との間に配された弾性体53を介して、固定コア42の上面に押し付けることで、軸受け部材51がヨーク44にて支持される。
軸受け部材51の内周面には、略円筒状の可動コア54が上下方向に摺動自在に嵌合する。更に、固定コア42及び可動コア54はそれぞれ軸線L上の中心部が中空になっており、そこに前記した可動部材28の中心部(軸線L上)に接続して下方に伸びる略円柱状のロッド55が挿通されている。ロッド55の下端部にはナット56が締結される。ナット56は、中心部に上端が開口した中空部を有し、その中空部にロッド55の下端側を収容している。ナット56の上端部56aは、その下方よりもやや外径が大きく、上端部56aの上面が可動コア54のばね座54aの下面と当接するようになっている。
また、可動コア54のばね座54aと可動部材28の下面との間には、圧縮状態のセットばね58が配置され、このセットばね58の弾性力で可動コア54は下方に付勢され、可動コア54の前記ばね座54aの下面がナット56の上端部56aの上面に押し付けられて固定される。この状態で、可動コア54の円筒部の円錐の周面形状の内周面と固定コア42の円錐の周面形状の外周面とが、円錐の周面状のギャップgを介して対向している。
ロッド55に対し、ナット56は固定コア42の中心に形成された開口42a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口42aは、ゴム製のキャップ60で閉塞される。
ここで、第2弾性体27及び可動部材28は請求項に記載の加振板を構成し、固定コア42、コイル46、可動コア54は請求項に記載のリニアソレノイドを構成する。
以上のように構成されるアクティブ・マウントMの作用について説明する(以下、適宜図1から図3参照)。
ACMECU71は、エンジン102(図1参照)の図示しないクランクシャフトの1回転につき24回、つまり、クランクアングルの15°毎に1回出力されるクランクパルスを検出するクランクパルスセンサSa(図2参照)と、クランクシャフトの1回転につき3回、つまり、各気筒の上死点毎に1回、TDC信号を出力するカム角センサSb(図2参照)に接続されている。ACMECU71は、クランクパルスセンサSaからクランクパルス信号及びカム角センサSbからのTDC信号に基づいてエンジンの振動状態を推定し、能動型防振支持装置101(図1参照)を構成するアクティブ・マウントM,Mの駆動部41に対する通電を制御する。
駆動部41のコイル46は、ACMECU71からの通電制御により励磁され、可動コア54を吸引して可動部材28を下方側に移動させる。この可動部材28の移動に伴い、第2液室31を区画する第2弾性体27が下方に変形して第2液室31の容積が増加する。逆に、コイル46を消磁すると、第2弾性体27が自己の弾性により上方に変形し、可動部材28及び可動コア54が上昇し、第2液室31の容積が減少する。
しかして、車両Vの走行中に低周波数(例えば、7〜20Hz)のエンジン102、車体、サスペンションの連成系において車体の剛体振動とエンジン系の共振により発生する低周波振動であるエンジンシェイク振動が発生したとき、エンジン102からダイヤフラム支持ボス20及び第1弾性体支持ボス18を介して入力される荷重で第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化すると、連通路32を介して接続された第1液室30及び第3液室35の間で液体が流通する。この状態で、第1液室30の容積が拡大・縮小すると、それに応じて第3液室35の容積は縮小・拡大するが、この第3液室35の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、連通路32の形状及び寸法、並びに第1弾性体19のばね定数は、前記エンジンシェイク振動の周波数領域で低ばね定数及び高減衰力を示すように設定されているため、エンジン102から車体フレームに伝達される振動を効果的に低減することができる。
なお、前記エンジンシェイク振動の周波数領域では、エンジン102が定常回転の場合は、駆動部41は駆動しない非作動状態に保たれる。
前記エンジンシェイク振動よりも周波数の高い振動、すなわちエンジン102の図示しないクランクシャフトの回転に起因するアイドル時の振動や、エンジン102の気筒の一部を休止してエンジン102を駆動する気筒休止運転時の振動が発生した場合、第1液室30及び第3液室35を接続する連通路32内の液体はスティック状態になって防振機能を発揮できなくなるため、アクティブ・マウントM,Mの駆動部41,41を駆動して防振機能を発揮させる。
ちなみに、アイドル振動は、アイドル回転状態でフロア、シート及びステアリング・ホイールが低周波振動を起こすもので、ブルブル振動は4気筒エンジンで、例えば、20〜35Hz、6気筒エンジンで、例えば30〜50Hzであり、ユサユサ振動は5〜10Hzで燃焼不均一にて発生し、エンジンのロール振動が主な要因である。
そこで、駆動部41,41を駆動するため、図2に示すアクティブ・マウントM,Mを含む能動型防振支持装置101(図1参照)には、クランクパルスセンサSa、カム角センサSb、エンジンECU73からの信号に基づいて、コイル46,46に対する通電を制御する。
(ACMECUの構成)
次に、図4を参照し、適宜図1から図3を参照しながらACMECUの構成を説明する。
図4は、クランクパルスセンサ、カム角センサ、エンジンECU及びACMECUの接続を示すブロック図である。
クランクパルスセンサSaは、エンジン102の図示しないクランクシャフトが発生するクランクパルスを検出するセンサである。6気筒エンジンの場合、クランクパルスは、エンジン102におけるクランクアングルが15°毎に発生し、クランクパルスセンサSaはこのクランクパルスを検出してエンジンECU73に入力する。カム角センサSbは、各気筒の上死点毎に1回、TDC信号を出力するセンサであり、クランクシャフトの1回転につき3回、TDC信号を出力する
エンジンECU73は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるマイクロコンピュータ及び周辺回路等から構成され、エンジン回転速度Neを制御したり、エンジン102に備わる図示しない回転速度センサを介してエンジン回転速度Neを検出したりする。そして、検出したエンジン回転速度NeやクランクパルスセンサSa、カム角センサSbから入力されるクランクパルス信号やTDC信号をACMECU71に通信回線を介して入力する機能を有する。
更に、IG−SW信号により、エンジン102に組み込まれたスタータと呼ばれる図示しない電動モータによりエンジン102を始動する時には、エンジンECU73は、クランクパルス信号及びTDC信号に基づいて、エンジン102が最初の爆発(以下、「初爆」と称する)するときにどの気筒を最初に爆発させる気筒(以下、「初発の気筒」と称する)とするか決め、その決められた初発の気筒に対して最初に燃料噴射を行う制御を行う。その際に、最初に燃料噴射が行われる気筒を「初発インジェクション気筒」と称する。
エンジンECU73は、車両Vに配線されている通信回線を介して、前記した初発インジェクション気筒を特定する信号をACMECU71に出力する。
ACMECU71は、CPU71b、ROM71c、RAM71d、不揮発メモリで構成される記憶部71e等を備えるマイクロコンピュータ及び信号入出力部71a等を含む周辺回路、給電部72A,72B等から構成される。
信号入出力部71aは、エンジンECU73から入力されるエンジン回転速度Neやクランクパルス信号、TDC信号、初発インジェクション気筒を特定する信号等の信号を受信して、CPU71bに入力したり、CPU71bから出力されるアクティブ・マウントM,Mの駆動部41,41への通電制御の信号を給電部72A,72Bへ出力したりする。
給電部72Aは、アクティブ・マウントMが備えるコイル46(図3参照)に電流を通電する図示しないスイッチング回路とコイル46に実際に流れる電流値を検出する図示しない電流センサを含んでいる。給電部72Aの前記スイッチング回路はCPU71bに制御され、給電部72Aがバッテリから供給される直流電源を、コネクタ48(図3参照)を介してコイル46に供給可能となっている。給電部72Bも同様な構成である。
そして、CPU71bは、例えば、ROM71cに格納されたプログラムによって動作する。また、記憶部71eには、アクティブ・マウントM,Mを制御するために必要なデータ等が記憶されている。
図3に示すように構成されるアクティブ・マウントMの駆動部41は、コイル46に電流が通電されていない状態のとき、可動部材28は、第2弾性体27の自己の弾性復元力によって上動する。そして、ナット56が可動コア54を押し上げ、可動コア54と固定コア42との間にギャップgが形成される。
一方、ACMECU71からコイル46に電流が通電されると、コイル46が発生させた磁束線がヨーク44、可動コア54、更にギャップgを上下に貫通して、固定コア42、コイル46に戻る閉じた回路を形成することによって、可動コア54が下方に吸引され、移動する。このとき、可動コア54は可動部材28の下方に接続するロッド55に固定されるナット56を介して、可動部材28を下方に移動させ、第2弾性体27が下向きに変形する。その結果、第2液室31(図2参照)の容積が増加するため、エンジン102(図1参照)からの押し荷重で圧縮された第1液室30の液体が隔壁部材29の連通孔29aを通過して第2液室31に流入し、エンジン102から車両V(図1参照)に伝達される荷重を低減することができる。
逆に、コイル46への通電を止めると、可動コア54は下への吸引力から解放され、下向きに変形していた第2弾性体27が自身の弾性力で上方位置に戻ろうとし、ロッド55に固定されるナット56を介して、可動コア54が上方に引っ張られ、移動する。その結果、ギャップgが形成される。このとき、第2弾性体27が上方に移動する結果、第2液室31の容積が減少するため、エンジン102からの引き荷重で減圧された第1液室30へ隔壁部材29の連通孔29aを通過して第2液室31の液体が流入し、エンジン102から車両Vに伝達される荷重を低減することができる。
以上のように、ACMECU71は、コイル46へ通電する電流値を制御することで可動部材28の上下動を制御でき、エンジン102のロール振動を車体フレームに伝えないように防振機能を発揮することができる。
(通常運転状態での防振機能)
次に、図5、図6を参照して適宜図4を参照しながらエンジン102の始動時及び停止時を除く通常運転状態での能動型防振支持装置101の制御を説明する。
この制御はCPU71bにおいて予めROM71cに格納されたプログラムを実行することによって行われる。
図5は、通常運転状態における能動型防振支持装置の制御の流れを示すフローチャートである。図6は図5のステップS5の説明図であり、(a)はクランクパルスの時間間隔tnの累積時間と平均累積時間を示し、(b)はエンジン回転速度Neの増減の影響を除去したエンジン振動だけに起因する偏差Δtnを説明する図である。
CPU71b(図4参照)は、予めエンジンECU73(図4参照)からの情報に基づき、エンジン102(図4参照)の気筒の内一部を休止している気筒休止運転状態か、エンジン102の全ての気筒が運転する全筒運転状態かを判定する。全気筒運転時には、クランクシャフトが2回転する間に6回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは120°となる。この振動周期において、クランクアングルの15°毎に8個のクランクパルスが出力される。また、片方のバンクの気筒の運転を休止する気筒休止運転時には、クランクシャフトが2回転する間に3回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは240°となり、その間に16個のクランクパルスが出力される。
たとえば、エンジン102が全筒運転状態であると判断された場合には、先ず、ステップS1でエンジン102の振動周期Tに対するクランクアングル(この場合は120°)を決定する。続くステップS2では、振動周期Tにおける8個のクランクパルスを読みこみ、クランクパルスの時間間隔を算出する。図6の(a)に示すように、振動周期Tの間に8個のクランクパルスが出力され、それらの時間間隔tn(t1,t2,t3,・・・,t8)はクランクシャフトの角速度の変動に応じて変動する。
即ち、エンジン102の爆発工程ではクランク角速度ωが増加して時間間隔tnが短くなり、エンジン102の圧縮工程ではクランク角速度ωが減少して時間間隔tnが長くなるが、それ以外に、エンジン回転速度Neが増加する過程ではクランク角速度ωの増加により時間間隔tnが短くなり、エンジン回転速度Neが減少する過程ではクランク角速度ωの減少により時間間隔tnが長くなる。したがって、図6の(a)に示すクランクパルスの時間間隔tnは、エンジン102の各振動周期T内の振動に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素と、エンジン回転速度Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素を含む。
前記2つの要素の内、能動型防振支持装置101の制御に影響を与えるのは前者の要素(振動に伴うクランク角速度ωの変動)であり、能動型防振支持装置101の制御に影響を与えない後者(エンジン回転速度Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動)の要素を排除する必要がある。
続くステップS3では、クランクパルスの8個の時間間隔tnの累積時間Σtn=t1+t2+t3+・・・+t8を算出する。この累積時間Σtnは振動周期Tに相当する。
続くステップS4では、8個の時間間隔tnの平均累積時間を算出する。図から明らかなように累積時間のラインはS字状にカーブしているが、平均累積時間のラインは、累積時間のラインの始点と終点とを結ぶ直線となる。つまり、平均累積時間は、クランク角速度ωが一定である場合の累積時間に相当し、その値はクランクアングルが15°増加するごとにT/8ずつ増加する。
続くステップS5では、クランクアングル15°おきの各位置において、累積平均時間から平均累積時間を減算することにより、8個の偏差Δt1、Δt2、Δt3,・・・,Δt8を算出する。図6の(b)のS字状にカーブするラインは偏差Δtnを表すもので、このラインはエンジン回転速度Neの変動の影響を取り除いたクランクパルスの時間間隔tnの変動波形、つまり、クランク角速度ωが一定である場合のクランクパルスの時間間隔tnに対するずれに相当する。
エンジン振動が存在しないと仮定した場合、エンジン回転速度Neが一定であれば、時間間隔tnの累積時間は平均累積時間と同じように直線状に増加するが、エンジン回転速度Neが増減する場合には、時間間隔tnの累積時間は直線状の平均累積時間から外れることになる。しかしながら、本実施形態では、実際には変動するエンジン回転速度Neを平均化した直線状の平均累積時間を基準とし、その平均累積時間から偏差Δtnを算出することで、エンジン回転速度Neの変動の影響を排してエンジン振動だけに起因する偏差Δtnを得ることができる。このことは、クランクシャフトの平均角速度に対する実角速度の偏差を求めることに外ならない。
続くステップS6では、偏差Δtnの最大値と最小値を判定し、その最大値と最小値との偏差に基づいてクランク角速度ωの変動量VAPPを算出し、ステップS7では、カム角センサSbからのTDC信号の出力タイミングと最小値までの時間差に基づき振動の位相を推定する。そして、ステップS8では、ROM71cに予め格納された変動量VAPPとエンジン回転速度Neとのマップに基づき振動の振幅を算出して駆動部41に印可する電流波形の出力タイミングを決定する。
なお、エンジン102が気筒休止運転状態であると判断された場合には、前記振動周期Tにおける16個のクランクパルスを読み込み、全筒運転状態と同じ手順で駆動部41に印可する電流波形とそのタイミングを決定する。
以上のように、エンジン102が振動すると、その振動の振幅及び位相に応じて、エンジン102のロール振動に追従するように能動型防振支持装置101を伸縮させることで、エンジン102の振動が車体フレームに伝達されるのを抑制して防振機能を発揮させることができる。
(エンジン始動時ロール共振に対する防振支持制御)
ところで、エンジン102は燃焼室における混合気の爆発がピストンを押し下げる力をコネクティングロッドを介してクランクシャフトの回転運動に変換するもので、エンジン102本体にはクランクシャフトの回転の反作用としてのクランクシャフト回りのロールモーメントが作用する事になる。このロールモーメントが変動する周波数はエンジン回転速度に応じて変化するため、特定のエンジン回転速度においてロールモーメントの変動する周波数がエンジン102のロール共振周波数に一致した場合には、乗員にとって不快な車体振動が発生する。
一般に、前記ロール共振周波数は、エンジン102の通常の運転領域でのエンジン回転速度Ne(アイドリング回転速度以上の回転速度)における振動周波数よりも低いため、エンジン102の始動時及び停止時のエンジン回転速度Neがアイドリング回転速度未満の所定の回転速度のときにエンジン102のロール共振が発生し、エンジンが大きく振動して、その振動が車体に大きく伝達される。これは運転者がエンジン102を始動しようとしてスタータを作動させた時に、大きくブルブルと車体が揺れる動きに相当する。そこで、次に説明するように本実施形態では、エンジン102の始動時の初爆から効果的にエンジン102のロール共振に起因する車体振動を防止するように能動型防振支持装置101を制御する。
この制御は、ACMECU71のCPU71bにおいてROM71cに格納されたプログラムを実行することによってなされる。
ちなみに、本実施形態におけるエンジン102は、燃料噴射ポンプにより気筒毎に燃料を噴射する形式のエンジン102を搭載した車両Vを前提としている。
また、最近の車両Vでは、排気ガス制御の観点から、エンジン始動時に燃焼しなかった生ガスを排気することの無いように、エンジンECU73は、スタータが回転を始めたときのクランクシャフトの初期回転位置(クランクアングルの初期位置)に基づいて、具体的にはクランクパルス信号とTDC信号に基づいて、初爆をどの気筒で行わせるかを決め、その決められた気筒から始めてその次の爆発させる気筒へと順に燃料をインジェクションしていく。
図7から図9を参照しながらエンジン始動時ロール共振に対する防振支持制御の方法について説明する。
図7は、本実施形態におけるエンジン始動時ロール共振に対する防振支持制御の流れを示すフローチャートである。図8は、エンジン始動時のアクティブ・マウントMの動作を説明する図であり、(a)はアクティブ・マウントMの作用点の変位量の時間推移を示し、(b)は加振板の変位量の時間推移を示し、(c)は駆動電流の時間推移を示す。図9は、エンジン始動時のアクティブ・マウントMの動作を説明する図であり、(a)はアクティブ・マウントMの作用点の変位量の時間推移を示し、(b)は加振板の変位量の時間推移を示し、(c)は駆動電流の時間推移を示す。
運転者はエンジン始動のためにイグニッション・スイッチをオン位置(スタータ位置)に回す。ステップS11では、CPU71bはイグニッション・スイッチがスタータ位置に回されたときに出力されるIG−SW信号を受信したか否かをチェックする。IG−SW信号を受信した場合(Yes)はステップS12へ進み、受信しない場合(No)はステップS11を繰り返す。
スタータが回転を始めると、エンジンECU73はクランクパルスセンサSaからのクランクパルス信号とカム角センサSbからのTDC信号より決められる初発インジェクション気筒を決定し、初発インジェクション気筒を示す信号を、通信回線を介してACMECU71に出力する。そこで、CPU71bは、初発インジェクション気筒を示す信号を受信して、初発インジェクション気筒を判別する(ステップS12)。
ここで、「初発インジェクション気筒を示す信号を受信」が請求項に記載の「制御開始の条件」に対応する。
次いで、初発インジェクション気筒を判別したタイミングで、アクティブ・マウントM,MにDC電流を印加する(ステップS13)。
ここで、アクティブ・マウントM,Mに印加されるDC電流は図8の(c)及び図9の(c)に示すように異なった電流値IiF,IiRで(IiF<IiR)あり、アクティブ・マウントMは、押し側動作をさせるため第2弾性体(加振板)27を無通電の場合の位置PiVより低い初期位置PiFまで移動させて保持し、アクティブ・マウントMは、引き側動作をさせるため第2弾性体(加振板)27を無通電の場合の位置PiVより低い位置PiRまで移動させて保持している。
ちなみに、第2弾性体27の前記初期位置はPiF>PiRである。また、ステップS13における所定のDC電流値IiF,IiRの印加は、図8の(c)及び図9の(c)に示すように立ち上がりをゆっくりとしているので、第2弾性体(加振板)27の無通電時の位置PiVからそれぞれ初期位置PiF,PiRに移動しても第1液室30と第2液室31との間で液体がゆっくり移動してバランスするので、エンジン取付部(作用点)20aは上下に移動せず無通電時の初期位置PiMを保ったままである。
そして、ステップS14では、初発インジェクション気筒に点火するタイミングtexp(図8の(c)及び図9の(c)参照)を算出する。ステップS15では、記憶部71e又はROM71cに格納されているデータからロール共振の振動数を読み込んでロール共振の振動数を決定する。ステップS16では、記憶部71e又はROM71cに格納されているデータからロール共振のゲインを読み込んでロール共振の振動ゲインを決定する。ステップS17では、記憶部71e又はROM71cに格納されているデータからロール共振の振動期間Tを読み込んでロール共振の振動期間Tを決定する。
ステップS18では、仮想電流波形の設定を行う。この仮想電流波形は交流電流波形であり、ステップS15により決められた振動数、ステップS16で決められた振動ゲインに基づいて仮想電流波形が設定される。
アクティブ・マウントMでは、図8の(c)に示すように初発インジェクション気筒に点火するタイミングtexpを連続する交流の仮想電流波形の最初の山PF1が位置するように設定し、所定のDC電流値IiFと時刻tSFから始まる最初の仮想電流波形とが交わる点を時刻tCFとする。
アクティブ・マウントMでは、図9の(c)に示すように初発インジェクション気筒に点火するタイミングtexpを連続する交流の仮想電流波形の最初と次の波形との谷BR1が位置するように設定し、所定のDC電流値IiRと時刻tSRから始まる最初の仮想電流波形の下降時点で交わる点を時刻tCRとする。
ここで、時刻tCFは所定のDC電流値IiFから仮想電流波形に切り換える時期を示し、時刻tCRは所定のDC電流値IiRから仮想電流波形に切り換える時期を示す。
このように制御の切り換え時期に係る時刻tCF,tCRを算出するために、ステップS12における初発インジェクション気筒を示す信号を受けたとき(時刻t=0)に、そのときのクランクシャフトアングルと初発インジェクション気筒とをパラメータとして時刻tSF,tSRの対応表のデータが、予めROM71c又は記憶部71eに格納されている。
そして、ステップS19では、初発インジェクション気筒の点火タイミングに対応する制御の開始時期か否かをチェックする。まだ、制御の開始時期に到っていない場合(No)はステップS19を繰り返し、ステップS13からのDC電流の印加が続く。ステップS19において制御の開始時期に到った場合(Yes)はステップS20へ進み、アクティブ・マウントM,Mへの駆動電流を、DC電流から仮想電流波形に切り換え、その後は、ステップS18において設定されたアクティブ・マウントM,Mそれぞれに対する仮想電流波形に応じてアクティブ・マウントM,Mは駆動制御される。
ここで、ステップS18において設定されたアクティブ・マウントM,Mそれぞれに対する仮想電流波形が請求項に記載の「制御指令値」に対応する。
このDC電流から仮想電流波形への切り換えは、図8の(c)及び図9の(c)に示すようにアクティブ・マウントM,M間でタイミングが異なる。
駆動電流のDC電流から仮想電流波形への切り換えを受けて、アクティブ・マウントM,Mの駆動部(アクチュエータ)41が防振動作をする。
ステップS19,S20における制御の開始によって、アクティブ・マウントMでは、時刻tCFにおいてDC電流値IiFから最初の仮想電流波形に移行し、最初の仮想電流波形の山PF1と、それに続く2番目の仮想電流波形との間の谷B(電流値0A)と、2番目の仮想電流波形の山PF2とが、初爆からのロール共振に伴うアクティブ・マウントMにおける荷重変化の山―谷―山に合致するように制御される。
なお、アクティブ・マウントMのエンジン取付部(作用点)20aの押し側の変位量を最大限に確保するためには、谷Bにおける電流値を0Aとする。
その結果、図8の(b)に示す曲線CF2のように第2弾性体(加振板)27は、当初のDC電流値IiFにより保持されていた初期位置PiFから一度下一杯の位置に移動してからアクティブ・マウントMにおける荷重変化の山―谷―山に合致するように上下動をする。そのような第2弾性体(加振板)27の変位の推移を受けて、第1弾性体19が上下動し、図8の(a)に示す曲線CF1のようにエンジン取付部(作用点)20aは、当初のDC電流値IiFにより保持されていた初期位置PiMから一度仮想の0点P0Fに移動してからアクティブ・マウントMにおける荷重変化の山―谷―山に合致するように上下動をする。
同様に、ステップS19,S20における制御の開始によって、アクティブ・マウントMでは、時刻tCRにおいてDC電流値IiRから最初の仮想電流波形に移行し、最初の仮想電流波形に続く2番目の仮想電流波形との間の谷BR1(電流値0A)と、2番目の仮想電流波形の山Pと、2番目の仮想電流波形に続く3番目の仮想電流波形との間の谷BR2とが、初爆からのロール共振に伴うアクティブ・マウントMにおける荷重変化の谷―山―谷に合致するように制御される。
なお、アクティブ・マウントMのエンジン取付部(作用点)20aの引き側の変位量を最大限に確保するためには、谷BR1における電流値を0Aとする。
その結果、図9の(b)に示す曲線CR2のように第2弾性体(加振板)27は、当初のDC電流値IiRにより保持されていた初期位置PiRから一度上一杯の位置に移動してからアクティブ・マウントMにおける荷重変化の谷―山―谷に合致するように上下動をする。そのような第2弾性体(加振板)27の変位の推移を受けて、第1弾性体19が上下動し、図9の(a)に示す曲線CR1のようにエンジン取付部(作用点)20aは、当初のDC電流値IiRにより保持されていた初期位置PiMから一度仮想の0点P0Rに移動してからアクティブ・マウントMにおける荷重変化の谷―山―谷に合致するように上下動をする。
ステップS21では、ロール共振の振動期間Tが経過したか否かをチェックする。ロール共振の振動期間Tが経過していない場合(No)は、アクティブ・マウントM,Mの駆動部(アクチュエータ)41の動作が継続し、ロール共振の振動期間Tが経過した場合(Yes)は一連のエンジン始動時のロール共振に対する防振支持の制御を終了し、駆動部41への駆動電流を0とする。図8の(c)及び図9の(c)に示す例では、連続する仮想電流波形が谷(電流値0)に達した時点で駆動電流の出力を止めるという制御をしており、アクティブ・マウントMとアクティブ・マウントMとの間で、制御終了のタイミングを異ならせている。このような制御により、アクティブ・マウントM,Mの制御を止めるときに車体への振動の伝達が小さくなる。
アクティブ・マウントM,Mの防振制御が終了すると、第2弾性体(加振板)27は無通電時の位置PiVに復帰し、エンジン取付部(作用点)20aも無通電時の初期位置PiMに復帰する。
次に、図10から図14を参照しながら本実施形態におけるエンジン始動時の能動型防振支持装置101の防振制御の効果を説明する。
図10はエンジン始動時のエンジン振動を説明する図であり、(a)はエンジン回転速度Neを示すエンジン回転速度Neパルスの信号を示す曲線であり、(b)は能動型防振支持装置ではない一般のエンジンマウントを使用した場合の、マウント点に作用するエンジン振動(荷重(単位N))を示す曲線である。図11は、本実施形態におけるアクティブ・マウントM,Mの第2弾性体(加振板)27を初期位置に移動させた後の、アクティブ・マウントM,Mの仮想0点からの駆動電流低減の開放時の弾性力の範囲(押し側の力の範囲)と駆動電流印加時の吸引力の範囲(引き側の力の範囲)を説明する図である。図12は、エンジン始動時に、エンジンの初爆がなされてからアクティブ・マウントにロール共振による振動に合わせて交流の駆動電流を通電した場合の、作用点の変位量の時間推移、加振板変位量の時間推移及び駆動電流の時間推移を説明する図である。
図10に示すように能動型防振支持装置がついていない場合、エンジン始動時にエンジンマウントには、「初爆」と記載したエンジンの発動(連続する気筒内爆発の継続による自力回転の開始)の直後からしばらくの間(「着目区間」と記載した時間領域)、エンジンにロール共振が生じ大きな荷重がエンジンマウントに加わる。そのような、エンジン始動時のロール共振を本実施形態における能動型防振支持装置101を用いて吸収し、車体フレームに伝達されるのを抑制しようとしても、駆動部41のリニアソレノイドの形式では、押し側動作をさせる前方側のアクティブ・マウントMと引き側動作をさせる後方側のアクティブ・マウントMとでは、以下のような制約がある。
(1)アクティブ・マウントMの動作可能な力の範囲については、第2弾性体(加振板)27の初期位置PiFを、予めアクティブ・マウントMにおける初期位置PiRよりも高く設定しないと、開放時(駆動電流低減時)の弾性力の範囲を大きく確保できない。
(2)反対に、アクティブ・マウントMの動作可能な力の範囲については、第2弾性体(加振板)27の初期位置PiRを予めアクティブ・マウントMにおける初期位置PiFよりも低く設定しないと、吸引時(駆動電流増加時)の吸引力の範囲を大きく確保できない。
したがって、エンジン始動時に初爆直後からアクティブ・マウントM,Mの駆動電流の制御を開始してロール共振に対処しようとしても、図12に示すように最初の交流駆動の間は、第2弾性体(加振板)27が適切な位置に移動していないので、押し側のアクティブ・マウントMについては、十分な弾性力を発揮することができず、又、引き側のアクティブ・マウントMについては、十分な吸引力を発揮することができず、ロール共振の振動がある程度繰り返した時点で第2弾性体(加振板)27の動作が安定となり、所定のエンジン取付部(作用点)20aの変位出力が得られることになる。これでは、初爆の最初からロール共振の車体への伝達を抑制することができない。
図13の(a)は、本実施形態の能動型防振支持装置を作動させなかった場合の車体フレームに掛かる荷重の時間推移を示す曲線であり、(b)は(a)の荷重の時間推移をバンドパスフィルタ処理して15〜21Hzの周波数帯を表示したものである。これに対し、図14の(a)は、本実施形態の能動型防振支持装置を作動させた場合の車体フレームに掛かる荷重の時間推移を示す曲線であり、(b)は(a)の荷重の時間推移をバンドパスフィルタ処理して15〜21Hzの周波数帯を表示したものである。
図13及び図14においてMの表示はアクティブ・マウントMの曲線を示し、Mの表示はアクティブ・マウントMの曲線を示す。
なお、図14の(a)において、中太線は荷重(N)を示し、細線は駆動電流(A)を示す。
本実施形態によれば、図13の(b)と図14の(b)を比較して分かるように、15〜21Hzの周波数帯のロール共振による車体フレームに加わる荷重の振幅AM0が格段に低減されている。
本実施形態のように、ACMECU71が、スタータによりエンジン102が回転を始めた段階の初発インジェクション気筒の信号をエンジンECU73から取得したタイミングで、アクティブ・マウントM,Mに所定のDC電流を印加して、第2弾性体(加振板)27を初期位置PiF,PiRに移動させておくことで、初爆からのロール共振による振動の最初から、アクティブ・マウントM,Mに弾性力又は吸引力の作用する範囲を十分に確保しておくことができ、効果的にロール共振の振動を吸収し車体フレームへの振動の伝達を抑制できる。
また、駆動部(アクチュエータ)41は、リニアソレノイドであるので、ソレノイドの電流立ち上がり遅れを減らすことができ、能動型防振支持装置101の作用点を安定状態に速く収束することができる。
なお、本実施形態では、例えば、アクティブ・マウントMでは、時刻tCFを基準に制御を開始しているが、制御の開始時点を時刻tSFを基準として制御を開始し、電流値IiFに達した時点から電流値を設定するDutyを変化させるようにしても良い。同様に、アクティブ・マウントMでは、時刻tCRを基準に制御を開始しているが、制御の開始時点を時刻tSRを基準として制御を開始し、電流値IiRに達した時点から電流値を設定するDutyを変化させるようにしても良い。これにより、アクティブ・マウントMとアクティブ・マウントMとの間で、仮想電流波形を規定するマップや、プログラムの制御ステップを共通化することでシステムを簡素化することができる。
《変形例》
次に本実施形態の変形例について説明する。
本変形例の特徴は、前記した始動時に駆動部41の制御に用いた電流波形及びその周期をエンジン102の停止時のエンジン振動を学習して、それを不揮発メモリに記憶させて、次回のエンジン102の始動時に用いることを特徴とする。
以下にエンジン102の停止時のロール共振振動の車体フレームへの伝達防止制御と、周波数及び電流波形の学習制御について説明する。これらの制御は、主にCPU71bにおいてROM71cに格納されているプログラムを実行して、給電部72A,72Bが制御されることによりなされる。
以下では、アクティブ・マウントMについて説明するが、アクティブ・マウントMについても同様であり、( )内に対応する符号を記載する。
給電部72A(72B)は、それぞれ電流検出回路72aを有し、電流検出回路72aは、図示しない電流検出センサとローパスフィルタ(LPF)を含んでいる。
ステップS31では、エンジン102の停止時にエンジンECU73からACMECU71にエンジン102の停止信号が入力されると、ステップS32ではCPU71bは給電部72A(72B)に固定デューティのPWM指令を出力することで、アクティブ・マウントM(M)の駆動部41に直流電流が供給される(図16の(a)参照)。ここで、前記直流電流が細かく振動しているのは、PWMによるチョッピングの影響である。
この結果、第2弾性体27が吸引されて所定の前記した仮想の0点に移動する。
一方、エンジン102は、エンジンECU73の制御信号に応じて停止動作に入り、回転速度を徐々に低下させる。このエンジン102の回転速度の低下過程において、アクティブ・マウントM(M)にはエンジン102からの振動が入力され、その振動により第1弾性体19に加わる荷重変動により第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化する。この第1液室30の容積変化に伴い可動部材28に連結された可動コア54がコイル46に対して相対的に往復運動することで、コイル46にエンジン102の振動波形に応じた波形の交流逆起電流が発生し、この逆起電流の交流電流は前記給電部72A(72B)から供給される定電流に重畳される。
ステップS33では、前記重畳電流が電流検出回路72aの電流センサで検出されると(図16の(b)参照)、ステップS34では、電流検出回路72aで検出された電流値信号はローパスフィルタによりフィルタリング処理されて、PWMによるチョッピングの脈動を除去されてエンジン102の振動成分に対応する交流電流成分だけが残される(図16の(b)参照)。そして、ステップS35では、CPU71bは、前記交流電流の周波数からエンジン102の振動周波数を検出する。そして、検出した交流電流の中で、振幅が所定の大きさ以上の周波数をロール共振周波数として記憶部71eに記憶して、次回のエンジン始動時の振動制御における周波数として用いる。
図17から明らかなように、エンジン102のロール共振は始動時と停止時に発生しており、そのロール共振の周期(周波数)は、始動時のロール共振と停止時のロール共振とで一致しているが、その振幅は始動時の方が停止時よりも大きい。したがって、停止時にロール共振の周波数を検出し、その周波数を用いて次の始動時のロール共振による振動を効果的に抑制することができる。しかも、定期的に検出される固有振動のうち最新のもの基づいて能動型防振支持装置101の作動を制御することで、防振効果を有効に発揮させることができる。
本実施形態では、エンジン102はV型6気筒エンジンを例に説明したが、それに限定されるものではない。V型8気筒エンジン、直列4気筒エンジン、水平対向4気筒エンジン等他の多気筒エンジンにも、勿論、適用可能である。
本発明の実施形態に係る能動型防振支持装置を適用した車両におけるエンジン搭載状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 実施形態の能動型防振支持装置のアクティブ・マウントの構造を示す縦断面図である。 図2のA部拡大図である。 クランクパルスセンサ、カム角センサ、エンジンECU及びACMECUの接続を示すブロック図である。 通常運転状態における能動型防振支持装置の制御の流れを示すフローチャートである。 図5のステップS5の説明図であり、(a)はクランクパルスの時間間隔tnの累積時間と平均累積時間を示し、(b)はエンジン回転速度Neの増減の影響を除去したエンジン振動だけに起因する偏差Δtnを説明する図である。 エンジン始動時ロール共振に対する防振支持制御の流れを示すフローチャートである。 エンジン始動時のアクティブ・マウントMの動作を説明する図であり、(a)はアクティブ・マウントMの作用点の変位量の時間推移を示し、(b)は加振板の変位量の時間推移を示し、(c)は駆動電流の時間推移を示す。 エンジン始動時のアクティブ・マウントMの動作を説明する図であり、(a)はアクティブ・マウントMの作用点の変位量の時間推移を示し、(b)は加振板の変位量の時間推移を示し、(c)は駆動電流の時間推移を示す。 エンジン始動時のエンジン振動を説明する図であり、(a)はエンジン回転速度Neを示すエンジン回転速度Neパルスの信号を示す曲線であり、(b)は能動型防振支持装置ではない一般のエンジンマウントを使用した場合の、マウント点に作用するエンジン振動(荷重(単位N))を示す曲線である。 アクティブ・マウントM,Mの第2弾性体(加振板)を初期位置に移動させた後の、アクティブ・マウントM,Mの仮想0点からの駆動電流低減の開放時の弾性力の範囲(押し側の力の範囲)と駆動電流印加時の吸引力の範囲(引き側の力の範囲)を説明する図である。 エンジン始動時に、エンジンの初爆がなされてからアクティブ・マウントにロール共振による振動に合わせて交流の駆動電流を通電した場合の、作用点の変位量の時間推移、加振板変位量の時間推移及び駆動電流の時間推移を説明する図である。 (a)は、本実施形態の能動型防振支持装置を作動させなかった場合の車体フレームに掛かる荷重の時間推移を示す曲線であり、(b)は(a)の荷重の時間推移をバンドパスフィルタ処理して15〜21Hzの周波数帯を表示したものである。 (a)は、本実施形態の能動型防振支持装置を作動させた場合の車体フレームに掛かる荷重の時間推移を示す曲線であり、(b)は(a)の荷重の時間推移をバンドパスフィルタ処理して15〜21Hzの周波数帯を表示したものである。 振動周波数の検出手法を示すフローチャートである。 電流検出回路が検出する電流の波形を示す図である。 エンジンのロール振動の波形を示す図である。
符号の説明
11 上部ハウジング
12 下部ハウジング
13 アクチュエータケース
14 第1弾性体支持リング
15 第2弾性体支持リング
16 第1フローティングラバー
17 第2フローティングラバー
18 第1弾性体支持ボス
19 第1弾性体
20 ダイヤフラム支持ボス
20a エンジン取付部(作用点)
22 ダイヤフラム
23 ストッパ部材
26 ストッパラバー
27 第2弾性体(加振板)
27a 外周部
28 可動部材(加振板)
29 隔壁部材
29a 連通孔
30 第1液室
31 第2液室
32 連通路
33 連通孔
34 連通間隙
35 第3液室
41 駆動部(アクチュエータ)
42 固定コア(リニアソレノイド)
43 コイル組立体
44 ヨーク
44a 円筒部
46 コイル(リニアソレノイド)
47 コイルカバー
54 可動コア(リニアソレノイド)
55 ロッド
71 ACMECU(制御手段)
71a 信号入出力部
71b CPU
71c ROM
71d RAM
71e 記憶部
72A,72B 給電部
72a 電流検出回路
73 エンジンECU
101 能動型防振支持装置
102 エンジン
L 軸線
M,M,M アクティブ・マウント
Sa クランクパルスセンサ
Sb カム角センサ
V 車両

Claims (6)

  1. エンジンの荷重を車体に支承するとともに、制御手段の制御により前記エンジンの振動状態に応じた電流でアクチュエータを周期的に伸縮駆動して、振動の前記車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、前記アクチュエータの制御開始条件に基づき、前記アクチュエータに所定の電流を通電し、
    その後、前記エンジンの振動に対応した電流の制御指令値に基づき前記アクチュエータの制御を開始することを特徴とする能動型防振支持装置。
  2. エンジンの荷重を車体に支承するとともに、制御手段の制御により前記エンジンの振動状態に応じた電流でアクチュエータを周期的に伸縮駆動して前記アクチュエータに固定された加振板を上下動させ、振動の前記車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、前記アクチュエータの制御開始条件に基づき、前記アクチュエータを駆動して前記加振板を所定の位置に移動させ、
    その後、前記エンジンの振動に対応した電流の制御指令値に基づき前記アクチュエータの制御を開始することを特徴とする能動型防振支持装置。
  3. 前記制御開始条件は、前記エンジンの始動開始により設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の能動型防振支持装置。
  4. 前記その後のエンジンの振動に対応した電流の制御指令値は、前記エンジンの回転開始時の少なくともクランクアングル位置に基づいて決められる初発の気筒の位置に応じて制御が開始されることを特徴とする請求項3に記載の能動型防振支持装置。
  5. 前記アクチュエータは、リニアソレノイドであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の能動型防振支持装置。
  6. 前記その後のエンジンの振動に対応した電流の制御指令値は、エンジン停止時に取得されたエンジンのロール共振振動の振動数に基づくことを特徴とする請求項4に記載の能動型防振支持装置。
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