JP2011144879A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防振装置は、防振マウント5と、車体の振動を低減する制振用振動を発生するアクチュエータ30と、振動センサ51により検出された車体の振動に応じてアクチュエータ30を制御する制御装置50とを備える。防振マウント5は、エンジンの連結部2aが取り付けられる取付部22と、エンジンの変位を規制するストッパ24とを備える。制御装置50は、ストッパ24と連結部2aまたは取付部22の突出部22aとの当接状態に関連する状態量を検出する当接状態検出手段52により検出された状態量に基づいて当接状態判定手段57により判定される前記当接状態に応じてアクチュエータ30の制御特性を変更する。
【選択図】図2
Description
また、往復運動を生じさせるアクチュエータとして、固定部材と、該固定部材に対して移動可能な可動部材とを備えるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、防振マウントが、振動によるエンジンの過大な変位を規制するためにゴム製のストッパを備えるものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
そして、本発明は、さらに、アクチュエータの配置のコンパクト化を図りながら、アクチュエータの取付箇所の確保を図ることを目的とし、また、防振マウントに取り付けられた振動センサに対する熱影響の低減を図ることを目的とする。
これによれば、ストッパと連結部または取付部との当接状態に応じて、振動体の連結部または取付部がストッパに当接して防振マウントの振動伝達抑制機能が低下したときには、アクチュエータの制御特性を、支持体に対する振動低減効果が高まるように変更することができるので、連結部または取付部とストッパとが当接していて該ストッパが振動体の変位を規制しているときの振動低減効果が向上する。
これによれば、アクチュエータの取付箇所として、防振マウントの一部であって、ストッパが設けられるホルダを利用することにより、アクチュエータを防振マウントに対してコンパクトに配置でき、しかもスペース上の制約のために支持体にアクチュエータを取り付けることが困難な場合にも、アクチュエータの取付箇所の確保が可能になる。
これによれば、アクチュエータにおいて、制振用振動を発生する可動部材が、該可動部材を駆動する駆動部により構成されることから、可動部材と駆動部とが別々に設けられるアクチュエータに比べてアクチュエータを小型化できるので、アクチュエータが取り付けられた防振マウントの配置の自由度が大きくなる。
これによれば、振動センサに対してストッパが熱遮蔽を行うので、振動センサは雰囲気温度の影響を受けにくくなる。この結果、振動センサに対する熱影響を低減できて、振動センサの温度特性の変化を抑制できる。
さらに、アクチュエータをコンパクトに配置できると共にアクチュエータの取付箇所の確保が可能になる。また、防振マウントに取り付けられた振動センサに対する熱影響を低減できる。
図1を参照すると、本発明が適用された防振装置1は、装備対象としての車両に備えられ、該車両が備える振動体としてのエンジン2を車体Bに支持する1以上の、ここでは4つの防振マウント5a,5b,6,7と、制振用振動を発生する制振用アクチュエータ30と、アクチュエータ30を制御する制御装置50とを備える。
これら防振マウント5a,5b,6,7は、エンジン2の構成部品である前記ピストンの運動に起因して、前記クランク軸の回転速度であるエンジン回転速度に対応して周期的に発生するトルク変動により発生するエンジン振動が、サブフレーム4およびメインフレーム3に伝達されるのを抑制する。
なお、説明の便宜上、防振マウント5およびアクチュエータ30に関しての上下方向は、図2に示される防振マウント5での上下方向であるとする。
防振マウント5は、ハウジング20内で弾性体21と該弾性体21の下方に配置された弾性体(図示されず)とにより、液体が封入される液室25が形成される液体封入式の防振マウントである。
突出部22aとの間に上下方向での間隔をおいて配置されたストッパ24は、車両の加速時や減速時などの過渡運転時、および、路面の凹凸や段差などに起因して路面からの変動荷重のうちで比較的大きな荷重が作用したときに、突出部22aおよび連結部2a,2b(図1参照)の少なくとも一方と当接することにより、連結部2a,2bの過大な変位を規制し、したがってエンジン2が大きな振幅で振動することを防止する。
そして、アクチュエータ30およびストッパ24は、上下方向でホルダ23を挟んで(すなわち、アクチュエータ30、ホルダ23およびストッパ24が積層状態で)配置され、より具体的には、上下方向から見たときのホルダ23の中央部(図1も参照)を挟んで配置される。
固定部材31は、ホルダ23にボルト15で取り付けられる板状の取付部材35と、取付部材35に固定される本体としての柱状の軸部36とを備える。制振用振動の振動方向に平行な軸線Laを有する軸部36は、そのネジ部に螺合する固定具としてのナット16により取付部材35に固定される。この実施形態では、前記振動方向および軸線Laに平行な方向である軸線方向は上下方向に一致する。
第2ヨーク42は、第1ヨーク41を囲む周囲部42cと、周囲部42cから軸部36に向かって突出すると共にコイル40が巻回された1対の磁極部42a,42bとを有する。磁極部42aには、該磁極部42aと軸部36との間に軸線方向に直列に第1,第2永久磁石43a,43bが取り付けられ、磁極部42bには、該磁極部42bと軸部36との間に軸線方向に直列に第3,第4永久磁石44a,44bが取り付けられる。第1,第4永久磁石43a,44bは、軸部36に空隙を介して対面する側がN極、磁極部42a,42bに取り付けられる側がS極となるように着磁され、第2,第3永久磁石43b,44aは、軸部36に空隙を介して対面する側がS極、磁極部42a,42bに取り付けられる側がN極となるように着磁されている。
したがって、アクチュエータ30において、可動部材32は第2ヨーク42、コイル40および永久磁石43a,43b,44a,44bにより構成される。そして、アクチュエータ30の構成部材である第2ヨーク42、コイル40および永久磁石43a,43b,44a,44bの質量を利用して制振用振動が発生するので、アクチュエータ30を小型化できる。
ECU55は、入出力インターフェース、中央演算処理装置、各種の制御プログラムおよび各種のマップなどが記憶されたROMおよび各種のデータなどが一時的に記憶されるRAMを有する記憶装置を備えるコンピュータである。
このように、当接状態検出手段52は、当接状態に関連する状態量である動的荷重を検出する。
ここで、前記当接状態に関して、非当接とは、ストッパ24と連結部2a,2bおよび突出部22aとが当接していないことを意味し、当接とは、ストッパ24と連結部2a,2bおよび突出部22aの少なくとも一方とが当接していることを意味する。そして、前記動的荷重は、前記非当接のときの動的荷重に比べて前記当接のときの動的荷重が大きくなる。
このテーブルには、図5に示されるように、当接状態検出手段52により検出された前記当接状態に対応する制御パラメータが設定されている。制御パラメータは、例えば、ステップサイズパラメータμ、安定化係数α、振動センサ51のセンサゲインGs、出力ゲインGoである。
安定化係数αは、大きくなるほど振動の変動に対する反応が鈍化する。このため、ストッパ24に大きな動的荷重が作用したときに、安定化係数αを大きくすることにより、駆動制御手段56による制御系を安定化させて、安定的に制振用振動を発生させることができる。
センサゲインGsは、大きくなるほど振幅が小さな振動を選別して検出する。このため、センサゲインGsを大きくすることにより、小さな振幅の振動に対して効果的な制振用振動を発生させることができる。
出力ゲインGoは、大きくなるほど前記駆動信号が大きなる。このため、出力ゲインGoを大きくすることにより、振幅が大きな振動に対して振幅が大きな制振用振動を発生させることができる。
また、図6において、比較例3は、前記当接状態が前記当接のときに、制御パラメータが変更されずに、動的荷重が第1所定値L1未満のときと同じ制御パラメータが使用されときの例であり、本発明に比べて振動の抑制効果が低下することが分かる。
防振装置1は、エンジン2を車体Bに支持する防振マウント5の振動を低減する制振用振動を発生するアクチュエータ30と、振動センサ51により検出された振動に応じてアクチュエータ30を制御する制御装置50とを備え、防振マウント5は、エンジン2の連結部2a,2bが取り付けられるエンジン側取付部22と、エンジン2の変位を規制するストッパ24とを備え、制御装置50は、ストッパ24と連結部2a,2bまたはエンジン側取付部22の突出部22aとの当接状態に関連する状態量を検出する当接状態検出手段52を備え、当接状態検出手段52により検出された状態量に基づいて当接状態判定手段57により判定された前記当接状態に応じてアクチュエータ30の制御特性を変更する。
この構造により、ストッパと連結部または取付部との当接状態に応じて、エンジン2の連結部2a,2bまたはエンジン側取付部22がストッパ24に当接して防振マウント5の振動伝達抑制機能が低下したときには、アクチュエータ30の制御特性を、車体Bに対する振動低減効果が高まるように変更することができるので、連結部2a,2bまたは突出部22aとストッパ24とが当接していて該ストッパ24がエンジン2の変位を規制しているときの振動低減効果が向上する。
さらに、振動センサ51が当接状態検出手段52を兼ねるので、部品点数およびコストが削減される。
また、アクチュエータ30は、ホルダ23において前記ホルダ内側に配置されるストッパ24とは反対側の前記ホルダ外側に配置されるので、アクチュエータ30が前記ホルダ内側に配置される場合に比べて、ホルダ23を小型化でき、ひいてはホルダ23を備える防振マウント5を小型化できる。
さらに、アクチュエータ30およびストッパ24は、ホルダ23の前記中央部を挟んで配置されるので、アクチュエータ30の制振用振動を偏りが少ない状態で、ハウジング20および取付座10を介してバランスよくサブフレーム4に伝達できる。
前記当接状態が前記当接のときに、前記当接状態が前記非当接のときと同じ値の制御パラメータが使用されてもよく、この場合にも、前記実施形態に比べて振動低減効果は小さいものの、アクチュエータ30による制振制御が行われない場合に比べて、前記当接状態が前記当接のときのエンジン2の振動が低減し、したがってサブフレーム4に伝達される振動が低減する。
当接状態検出手段52は、前記荷重検出手段の代わりに、前記当接状態に関連する状態量を推定することが可能な検出手段、例えば、前記状態量として、車両の加速度を検出する加速度検出手段、または、エンジン2のスロットル開度および変速機の変速ギヤ位置(この場合、スロットル弁開度が、例えば30°以上、かつ変速ギヤ位置が2速ギヤ以下のときに当接状態が当接状態である推定する。)を検出する加速度検出手段、車両の減速度を検出する減速度検出手段が含まれる車両の過渡状態検出手段であってもよい。この場合、当接状態検出手段52が前記荷重検出手段により構成される場合を含めて、当接状態判定手段57は、当接状態検出状態の検出信号に応じて前記当接状態が前記当接のときに、当接の程度を2分して制御特性を変更してもよいし、該当接程度を3以上に分割して、制御特性を変更してもよい。この際、当接程度が大きくなるほど、ステップサイズパラメータμは小さい値に、安定化係数αは大きい値に、センサゲインGsは小さい値に、出力ゲインGoは大きい値に、それぞれ設定される。
ホルダ23にアクチュエータ30およびストッパ24が設けられる場合、アクチュエータ30およびストッパ24がホルダ23を挟んで配置されることなく、ホルダ23の別々の部位に、アクチュエータ30およびホルダ23のみが積層状態で配置され、ストッパ24およびホルダ23のみが積層状態で配置されてもよい。
防振マウント5は、エンジン振動に応じて駆動される駆動部材を備える能動型防振マウントであってもよい。
アクチュエータは、圧電素子や超磁歪素子であってもよい。
本発明が、防振マウント5以外の防振マウント6,7に適用されてもよい。
エンジンは、内燃機関以外の、振動が発生する原動機(例えば、電動モータ)であってもよい。さらに、振動体は、エンジン以外のものであってもよく、支持体は、車両の車体B以外に、振動体を備える車両以外の装備対象が備えるものであってよい。
2 エンジン
5 防振マウント
22 エンジン側取付部
24 ストッパ
30 アクチュエータ
31 固定部材
32 可動部材
34 駆動部
50 制御装置
51 振動センサ
52 当接状態検出手段
57 当接状態判定手段
B 車体
Claims (4)
- 振動体を支持体に支持すると共に前記振動体から前記支持体への振動の伝達を低減する防振マウントと、前記支持体の振動を低減する制振用振動を発生するアクチュエータと、振動センサにより検出された前記支持体の振動に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備える防振装置において、
前記防振マウントは、前記振動体の連結部が取り付けられる取付部と、前記振動体の変位を規制するストッパとを備え、
前記制御装置は、前記ストッパと前記連結部または前記取付部との当接状態に関連する状態量を検出する当接状態検出手段と、前記当接状態検出手段により検出された状態量に基づいて前記当接状態を判定する当接状態判定手段とを備え、前記当接状態判定手段により判定された前記当接状態に応じて前記アクチュエータの制御特性を変更することを特徴とする防振装置。 - 前記防振マウントは、前記ストッパが設けられるホルダを備え、
前記アクチュエータは、前記ホルダに取り付けられることを特徴とする請求項1記載の防振装置。 - 前記アクチュエータは、前記防振マウントに固定される固定部材と、前記固定部材に移動可能に支持される可動部材と、前記制振用振動を発生させるために前記可動部材を駆動する駆動部とを備え、
前記可動部材は前記駆動部により構成されることを特徴とする請求項1または2記載の防振装置。 - 前記振動センサは前記ストッパ内に収容されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の防振装置。
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