JP2011252553A - 能動型防振支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ACM_ECU71は、モータリング状態の開始を検出したとき、モータリング時ロール固有振動制御部241において、CAN通信線207を介してエンジン・AT_ECUからエンジン始動前のクランク角を取得する。そして、取得したエンジン始動前のクランク角に応じたロール固有振動の振動開始時期、入力振動荷重、振動周波数、振動の期間をデータ部241aのロール固有振動特性データに基づいて算出し、駆動電流演算部236に駆動電流波形を生成させる。駆動制御部238A,238Bは、駆動電流波形に基づいてアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを制御する。
【選択図】図4
Description
その結果、エンジンの始動前のピストンの停止位、つまり、クランク角の停止位置により影響を受けるロール固有振動の特性である振動の大きさや周波数のみならず、ロール固有振動の始まるタイミングに応じたエンジンの振動の車体への振動伝達抑制制御ができる。
《能動型防振支持装置の全体構成》
先ず、図1から図4を参照しながら本発明の実施形態に係る能動型防振支持装置101とそれに組み合わせられるエンジン・トランスミッション制御ECU73(図3参照、以下「エンジン・AT_ECU73」と称する)の全体構成について説明する。
図1は、実施形態に係る能動型防振支持装置を備えた車両の斜視図であり、図2は、実施形態に係る能動型防振支持装置のアクティブ・コントロール・マウントの構造を示す縦断面図である。
図3は、能動型防振支持装置を備えた車両におけるACM_ECU、エンジン・AT_ECU、モータECU及びバッテリECUの間の信号取り合いと、エンジン・AT_ECUの機能構成ブロックの説明図である。図4は、図3におけるACM_ECUの機能構成ブロック図である。
これにより、車両Vは、エンジン駆動と、エンジン駆動時のモータ2によるモータアシストが可能なハイブリッド車両となっている。また、モータ2は、回生発電機、エンジン1の始動時のスタータとしても機能する。
なお、以下ではアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを特に区別する必要がない場合は、単にアクティブ・コントロール・マウントMと記載する。また、図2では、代表的に1つのアクティブ・コントロール・マウントMのみを表示している。
エンジン・AT_ECU73は、ACM_ECU71ともクランクパルス信号線201(以下、「CRKパルス信号線201」と称する)、TDC(Top Dead Center)パルス信号線203、気筒休止信号線205、CAN通信線207で接続されている。
ここで、アクティブ・コントロール・マウントMは、例えば、特開2009−216146号公報に記載のような構成であり、詳細な説明は省略する。
ちなみに、駆動回路121A(図4参照)は、アクティブ・コントロール・マウントMF(図2参照)が備えるコイル46(図2参照)に電流を通電するスイッチング回路であり、コイル46に実際に流れる電流値を検出する電流センサ123A(図4参照)を含んでいる。駆動回路121Aは、後記するACM_ECU71に含まれるマイクロコンピュータ71a(図4参照)に制御され、駆動回路121Aがバッテリから供給される直流電源を、コイル46に供給可能となっている。駆動回路121B(図4参照)も同様な構成である。
アクティブ・コントロール・マウントMのコイル46が励磁されると加振板27(図2参照)を下方に変位させ、コイル46が無励磁になると加振板27が上方に変位する。ここで、アクティブ・コントロール・マウントMのコイル46とそれにより駆動される加振板27が、能動型防振支持装置101における特許請求の範囲に記載の「アクチュエータ」を構成する。
次に、図3を参照しながら能動型防振支持装置101を備えた車両VにおけるACM_ECU71、エンジン・AT_ECU73、モータECU74及びバッテリECU75の間の信号取り合いを説明する。
また、エンジン1には、気筒休止運転用の油圧バルブ(図示せず)を作動させる気筒休止運転用ソレノイド(図示せず)が複数設けられており、エンジン・AT_ECU73のソレノイド駆動回路127により駆動される。
また、エンジン1の各気筒へ吸気を導入するインテーク・マニホールド1aには、インテーク・マニホールド圧を検出する圧力センサSPIMが設けられ、その検出されたインテーク・マニホールド圧を示す信号は、マイクロコンピュータ73aに入力される。
回転角センサSMAとしては、例えば、レゾルバが用いられる。
AT3には、AT油温(油温情報)TTOを検出するAT油温センサ(油温情報取得手段)STTOが設けられ、その信号は、エンジン・AT_ECU73に入力される。
さらに、ACM_ECU71、エンジン・AT_ECU73、モータECU74及びバッテリECU75等の間は、バス型のCAN通信線207で接続されている。モータECU74は、CAN通信のためのCAN通信部74cを有しており、マイクロコンピュータ74aが外部とCAN通信線207で通信可能な構成となっている。
次に、図3を参照してエンジン・AT_ECU73の概略構成について説明する。エンジン・AT_ECU73は、ECU電源回路(図示せず)、ROM73a1、RAM(図示せず)、バス(図示せず)等を含むマイクロコンピュータ73a、不揮発メモリ73c、各種センサからの信号接続用のインタフェース回路(図示せず)や、燃料インジェクタ駆動回路125、イグナイタ制御回路126、ソレノイド駆動回路127、スロットルバルブ5の開度を制御するスロットルバルブ駆動回路130、CAN通信部73b等を含んで構成されている。
これにより、各気筒が、個別に、つまり、吸気、圧縮、爆発、排気の各行程のどの行程にあるのかが分かる。
さらに、エンジン回転速度演算部210は、エンジン停止時の各気筒のクランク角を不揮発メモリ73cに記憶させるとともに、エンジン停止後の車両Vの移動等によるエンジン1の停止状態におけるクランクシャフトの回転によるクランク角の変化を検出して不揮発メモリ73cにクランク角を記憶更新させる機能を有している。つまり、次回のエンジン始動前の各気筒のピストン位置の情報が検出され記憶されることになる。
また、要求出力演算部211は、エンジン要求トルクに応じた吸気量を算出し、スロットル制御部216にスロットルバルブ5の目標開度を出力する。
なお、前記した要求出力演算部211におけるエンジン要求トルクに応じた吸気量の算出に当たっては、例えば、冷却水温度センサSTWからのエンジン冷却水の水温、スロットルバルブ・ポジション・センサSThpからのスロットル開度、吸気温度センサSTAからの吸気温度、エアフローメータSFAからの吸気流量、圧力センサSPIMからの吸気圧(インテーク・マニホールド圧)等を示す信号が用いられる。
要求出力演算部211は、エンジン1の始動の際に始動時特有の制御をするため、エンジン始動時制御部211aを有している。
また、気筒数切替制御部212は、気筒休止状態にしたとき、気筒休止対象の気筒を示す信号である気筒休止信号を、気筒休止信号線205を介してACM_ECU71に出力する。気筒数切替制御部212は、図3では信号の矢印線を省略してあるが、気筒休止状態にしたとき、気筒休止対象の気筒を示す信号である気筒休止信号を、燃料インジェクタ駆動回路125やイグナイタ制御回路126にも出力する。
ちなみに、エンジン始動時は、全気筒運転状態とする。
また、燃料噴射制御部213は、酸素濃度センサSO2からの排気ガス中の酸素濃度の信号に基づいて、燃料噴射量を調節し、排気ガス規制に適合するような燃焼状態に調節する。
なお、エンジン始動時には、点火時期制御部214は、前記したエンジン始動時制御部211aによる点火時期の制御を特別に受ける。
次に、図4から図9を参照しながらACM_ECU71の概略構成を説明する。
図4に示すようにACM_ECU71は、エンジン・AT_ECU73から、CRKパルス信号線201を介してCRKパルス信号を、TDCパルス信号線203を介して各気筒の上死点のタイミングを示すTDCパルス信号、気筒休止信号線205を介してV型6気筒のエンジン1が全筒運転している状態、つまり、休気筒無しの状態を示す信号、2気筒休止運転の状態を示す信号、3気筒(片バンクの3気筒)休止運転の状態を示す信号、全気筒休止運転の状態を示す信号を受信する。
以下では、休気筒無しの状態を示す信号、2気筒休止運転の状態を示す信号、3気筒休止運転の状態を示す信号、全筒休止運転の状態を示す信号をまとめて、「気筒休止信号」と称する。
ちなみに、CRKパルスは、6気筒エンジンの場合、クランクシャフトの1回転につき60回、つまりクランク角の6deg.毎に1回出力される。
ACM_ECU71の各機能構成ブロックの機能は、ROM71a1に記憶されたプログラムをマイクロコンピュータ71aが実行することで実現される。具体的には、CAN通信制御部231、CRKパルス間隔演算部232、エンジン回転モード判定部233、振動状態推定部(推定手段)234、位相検出部235、駆動電流演算部236、駆動制御部238A,238B、モータリング時ロール固有振動制御部(駆動電流波形値設定手段)241、初爆振動制御部243、エンジン停止時振動制御部245を含んで構成されている。
CAN通信制御部231は、CAN通信部71bが受信した信号、例えば、エンジン回転速度Neを示す信号や、アクセルペダル・ポジション・センサSACからの信号、モータリングスタート信号、モータ2のモータ回転角信号、AT2のAT油温TTO、初回のインジェクション信号、初回のインジェクション信号に対応する気筒判別信号(以下、「初爆気筒を示す信号」と称する)をエンジン回転モード判定部233に出力する。
CRKパルス間隔演算部232は、マイクロコンピュータ71aの内部クロック信号とエンジン・AT_ECU73からのCRKパルス信号及びTDCパルス信号により、CRKパルスの間隔を算出する。
CRKパルス間隔演算部232で算出されたCRKパルス間隔は、エンジン回転モード判定部233と振動状態推定部234に入力される。
エンジン回転モード判定部233には、エンジン・AT_ECU73からのエンジン始動時のモータリングスタート信号や初回のインジェクション信号や初爆気筒を示す信号、エンジン回転速度Ne信号、気筒休止信号、アクセルペダル・ポジション・センサSACからの信号、CRKパルス間隔等が入力される。
エンジン回転モード判定部233は、これらの信号に基づいて、エンジン1の回転モードを、エンジン始動の際のモータ2によるエンジン1のモータリング状態(エンジン1がモータ2で回転させられて自発回転、つまり、発動するまでの間の期間でのエンジン運転状態)と判定したり、エンジンの発動と判定したり、その後アクセルペダル・ポジション・センサSACからの信号とエンジン回転速度Neに基づいてアイドリング状態と判定したり、気筒休止信号に基づいてエンジン1の運転状態が全筒運転状態か、2筒休筒運転状態か、3筒休筒運転状態か、全筒休筒運転(制動発電による走行状態)か、を判定したりする。そして、エンジン回転モード判定部233は、前記のように判定したエンジン1の回転モードに対応するフラグ信号を、振動状態推定部234及び位相検出部235に出力する。
振動状態推定部234は、エンジン回転モード判定部233からの回転モードの判定がモータリング状態、アイドリング状態、全筒運転状態、休筒運転状態(2筒休筒運転状態、3筒休筒運転状態、全筒休筒運転状態)の場合、その判定に基づいて、CRKパルス間隔からクランク軸の回転変動を検出することとし、回転変動のP−P値(ピークから次のピークまでの間隔)から、エンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期を求め、位相検出部235にクランク軸の回転変動のピークのタイミングを、駆動電流演算部236にエンジン振動の周期及び大きさ、を出力する。このとき、振動状態推定部234は、エンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期を、エンジン回転モード判定部233から入力された、エンジン1の回転モードのフラグ信号に応じて、ROM71a1に予め記憶させた振動周波数データ234aに基づいて、算出する。
これは、全筒運転状態と休筒運転状態では、エンジン振動の1次振動、2次振動の振動周波数と、エンジン回転速度Neとの関係が異なることや、1次振動成分の振幅と2次振動成分の振幅との比が異なるからである。
ここで、振動状態推定部234において求められた前記したエンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期が、特許請求の範囲に記載の「エンジンの振動量」に対応する。
位相検出部235は、アイドリング状態や、全筒運転状態、休筒運転状態の場合は、振動状態推定部234からのクランク軸の回転変動のP−P値、回転変動のピークのタイミングと、エンジン・AT_ECU73からのCRKパルス信号、各気筒のTDCパルス信号と、に基づいて、クランク軸の回転変動のピークのタイミングとTDCのタイミングを比較し、TDC毎の基準パルスから求めた位相の算出を行い、駆動電流演算部236に出力する。
モータリング時ロール固有振動制御部241は、予めロール固有振動の制御のための各種データ(以下総称して「ロール固有振動特性データ」と称する)をROM71a1に記憶させたデータ部(ロール固有振動データ記憶手段)241aを有する。データ部241aに含まれるロール固有振動特性データとしては、例えば、ロール固有振動の標準振動開始時期T0SA(図5参照)、標準入力振動荷重G0R(図6参照)、標準振動周波数F0R(図7参照)、標準振動開始時期T0SAに対する補正係数K1を取得可能とする振動開始時期補正データ641(図8の(a)参照)、標準入力振動荷重G0Rに対する第1補正係数K2を取得可能とする第1入力振動荷重補正データ642(図8の(b)参照)、標準振動周波数F0Rに対する補正係数K3を取得可能とする振動周波数補正データ643(図8の(c)参照)、標準入力振動荷重G0Rに対する第2補正係数(入力振動荷重補正情報)K4を取得可能とするロール固有振動データ644(図9参照)がある。
図5は、エンジン始動前のクランク角とロール固有振動の振動開始時期との関係の説明図、図6は、エンジン始動前のクランク角とロール固有振動の入力振動荷重との関係の説明図、図7は、エンジン始動前のクランク角とロール固有振動の振動周波数との関係の説明図である。
図8の(a)は、ロール固有振動特性データのうちの図5における標準振動開始時期T0SAからのエンジン始動前のクランク角に応じた補正係数K1を格納した振動開始時期の補正係数データ例の説明図、(b)は、ロール固有振動特性データのうちの図6における標準入力振動荷重G0Rからのエンジン始動前のクランク角に応じた第1補正係数K2を格納した入力振動荷重の補正係数データ例の説明図、(c)は、ロール固有振動特性データのうちの図7における標準振動周波数F0Rからのエンジン始動前のクランク角に応じた補正係数K3を格納した振動周波数の補正係数データ例の説明図である。
ここで、振動開始時期TSAが特許請求の範囲に記載の「駆動タイミング」に対応する。
なお、エンジン始動のためのモータリング開始時には、全気筒が動作状態であるとしている。つまり、吸排気弁は動作状態であるとしている。
V型6気筒のエンジン1の場合は、0deg.では、1つの気筒が爆発行程に対応する上死点からピストンが下降開始の動作を始め、1つの気筒が圧縮行程に入って下死点から60deg.経過し、1つの気筒が吸気行程に入って上死点から120deg.経過し、1つの気筒が吸気行程開始の上死点に位置し、1つの気筒が排気行程に入って下死点から60deg.経過し、1つの気筒が爆発行程の対応する上死点から120deg.経過した状態である。
同様に、エンジン始動前のピストン位置(つまり、エンジン始動前のクランク角)に応じたフリクションの度合いの差によりロール固有振動の入力振動荷重GRが異なる。フリクションの度合いが高いエンジン始動前のクランク角110deg.程度では、モータ2の起動直後のトルクに対して高いフリクションを生じることにより、ロール固有振動の入力振動荷重GRもほぼ最大になる(図6参照)。
同様に、エンジン始動前のピストン位置(つまり、エンジン始動前のクランク角)に応じたフリクションの度合いの差によりロール固有振動の振動周波数FRが異なる。フリクションの度合いが高いエンジン始動前のクランク角110deg.程度では、モータ2の起動直後のトルクに対して高いフリクションを生じ、エンジン回転速度Neの立ち上がり方が遅くなることにより、ロール固有振動の振動周波数FRもほぼ最小になる(図7参照)。
ロール固有振動データ644の内の入力振動荷重の第2補正係数マップは、例えば、図9に示すようにロール固有振動の入力振動荷重の第2補正曲線X1に基づくものであり、横軸に、エンジン始動のためのモータリング開始時のAT油温TTOを示し、縦軸にロール固有振動の入力振動荷重の第2補正係数K4を示す。第2補正曲線X1は、エンジン始動時のAT油温TTOが高いほどロール固有振動の入力振動荷重の第2補正係数K4は小さい値となり、エンジン始動時のAT油温TTOが低いほどロール固有振動の入力振動荷重の第2補正係数K4は大きい値となるように対応付けられている。
これは、エンジン始動のモータリング開始時のAT油温TTOが低いと、連れ回しを受けるAT3のトルクコンバータ3aにおける抵抗が大きく、その回転抵抗がロール固有振動を増幅して、ロール固有振動の入力振動荷重を大きくするためであると考えられる。
つまり、モータリング時ロール固有振動制御部241は、エンジン回転モード判定部233からの回転モードの判定がエンジン始動の際のモータリング状態の場合、ロール固有振動の所定の初期の期間TCAのみ駆動電流演算部236に所定のゲイン、周期でエンジン振動の車体への伝達を抑制するように駆動電流演算部236に駆動電流波形を生成させ
る。
そして、ロール固有振動の所定の初期の期間TCA、が経過した後は、通常のCRKパルス間隔に基づくロール固有振動の振動伝達の抑制制御に引き継がれる。
図4に戻って、初爆振動制御部243は、初回のインジェクション信号受信のタイミングから、その当該気筒における初爆によって、エンジン振動となって現れるまでの遅れ時間である初爆オフセット時間が、例えば、ルックアップテーブル形式で初爆オフセット時間テーブルとして予めROM71a1に記憶されたデータ部243aと、予め初爆振動の入力荷重決定マップ及び期間決定マップが予めROM71a1に記憶されたデータ部243bとを有する。
初爆オフセット時間テーブルは、エンジン回転速度Neが高いほど初爆オフセット時間を短くし、逆に、エンジン回転速度Neが低いほど初爆オフセット時間を長く設定する傾向を持つ。
ここで言う、ACM制御データとは、初爆振動の振幅を抑制するための駆動電流波形のゲインと制御期間を示すデータである。
前記した初爆振動マップは、例えば、初爆振動の入力振動荷重決定マップ及び初爆振動の期間決定マップのデータを、AT油温TTOをパラメータとして構成されたものである。初爆振動の入力振動荷重決定マップは、始動から初回のインジェクション信号受信までの時間が長いほど初爆振動の入力振動荷重は小さい値となり、始動から初回のインジェクション信号受信までの時間が短いほど初爆振動の入力振動荷重は大きい値となるように対応付けられている。
図4に示すようにエンジン停止時振動制御部245は、エンジン回転モード判定部233が、CAN通信制御部231を介して、エンジン・AT_ECU73のマイクロコンピュータ73aからのエンジン停止信号を受信して、エンジン停止時振動の開始を検出したときに、前回停止時に学習したエンジン停止時のロール固有振動から振動の抑制制御を行う。
この制御は、例えば、特開2009−47199号公報に記載の技術により、前回のエンジン停止時にロール固有振動を学習して、不揮発メモリに記憶したエンジン振動の周期、振動ゲイン及び振動期間に基づきエンジン停止時振動の伝達を抑制制御する。
次に駆動電流演算部236について説明する。駆動電流演算部236は、エンジン回転モード判定部233においてエンジン1の運転状態の判定が、アイドリング状態、全筒運転、気筒休止運転のいずれかであると判定されたとき、それを受けて、振動状態推定部234からの振動の振幅、周期、並びに、位相検出部235からの位相とに基づいて、振動の周期毎に前方アクティブ・コントロール・マウントMFと後方アクティブ・コントロール・マウントMRにおいてエンジン振動波形を相殺できるマウント動作となるように、TDC毎の基準パルスから求めた位相により、前方アクティブ・コントロール・マウントMFと後方アクティブ・コントロール・マウントMRそれぞれに対して駆動電流波形を生成する。そして、生成されたそれぞれの駆動電流波形をPWM制御の所定の周期でサンプリングしてACM駆動目標電流値とし、駆動制御部238A,238Bそれぞれに出力する。
ちなみに、この駆動電流演算部236における駆動周期内のデューティ信号の集合体を用いて行う制御は、特開2002−139095号公報の発明の詳細な説明の段落[0030],[0031]及び図5、図6を参照されたい。
その場合、モータリング時ロール固有振動制御部241において、モータリング開始信号受信したとき、前記したデータ部241aのロール固有振動特性データに基づいて、ロール固有振動の振動開始時期TSA、入力振動荷重GR(つまり、入力振動荷重GRにより決まる駆動電流波形のゲイン)、振動周波数FR、ロール固有振動の初期の期間TCAの決定をし、そのACM制御データを、駆動電流演算部236に出力する。それを受けて、駆動電流演算部236は、エンジン振動の伝達を抑制するように振動の周期毎に前方アクティブ・コントロール・マウントMFと後方アクティブ・コントロール・マウントMRに対する駆動電流波形を生成し、生成したそれぞれの駆動電流波形をPWM制御の所定の周期でサンプリングしてACM駆動目標電流値とし、駆動制御部238A,238Bそれぞれに出力する。
その場合、初爆振動制御部243が、エンジン回転モード判定部233を介して初回のインジェクション信号を受信したとき、前記したデータ部243aの初爆オフセット時間テーブル(図示せず)に基づいて初爆オフセット時間を決定し、次いで、前記したデータ部243bの初爆振動マップ(図示せず)に基づいて、初爆振動の入力振動荷重GRexp(つまり、入力振動荷重GRexpにより決まる駆動電流波形のゲイン)及び期間を決定し、ACM制御データを、駆動電流演算部236に入力する。それを受けて、駆動電流演算部236は、初爆オフセット時間に合わせて、エンジン振動の伝達を抑制するように振動の周期毎に前方アクティブ・コントロール・マウントMFと後方アクティブ・コントロール・マウントMRに対する駆動電流波形を生成する。そして、生成したそれぞれの駆動電流波形をPWM制御の所定の周期でサンプリングしてACM駆動目標電流値とし、駆動制御部238A,238Bそれぞれに出力する。
その場合、エンジン停止時振動制御部245が、エンジン回転モード判定部233を介してエンジン停止信号を受信したとき、前回学習したエンジン停止時振動の周期、入力振動荷重(つまり、入力振動荷重により決まる駆動電流波形のゲイン)、振動期間に基づいて、ACM制御データを、駆動電流演算部236に入力する。それを受けて、駆動電流演算部236は、エンジン停止時振動の伝達を抑制するように振動の周期毎に前方アクティブ・コントロール・マウントMFと後方アクティブ・コントロール・マウントMRに対する駆動電流波形を生成する。そして、生成したそれぞれの駆動電流波形をPWM制御の所定の周期でサンプリングしてACM駆動目標電流値とし、駆動制御部238A,238Bそれぞれに出力する。
ここで、駆動電流演算部236が生成する駆動電流波形がコイル46(図2参照)による加振板27(図2参照)の駆動量(アクチュエータの駆動量)を決めることになる。これにより、エンジン1の振動伝達抑制特性が設定される。
駆動制御部238Aは、駆動電流演算部236で生成されたアクティブ・コントロール・マウントMF用のPWM制御の前記ACM駆動目標電流値に応じたPWMデューティ信号を生成し、駆動回路121Aへ出力する。駆動回路121AはPWMデューティ信号に応じて通電制御し、アクティブ・コントロール・マウントMFのコイル46(図2参照)に給電する。電流センサ123Aは、駆動回路121Aから給電される電流値を計測して、駆動制御部238Aに入力する。
駆動制御部238Aは、アクティブ・コントロール・マウントMF用のACM駆動目標電流値と計測された電流値の偏差を取り、偏差に応じて、次のPWM制御の周期の新たなACM駆動目標電流値に対するPWMデューティ信号を補正して駆動回路121Aへ出力する。
このように、駆動制御部238Aは、ACM駆動目標電流値に対するPWMデューティ信号をフィードバックして出力することにより、アクティブ・コントロール・マウントMFのコイル46に給電する。
次に、図10から図13を参照しながらエンジン始動制御の流れとACM制御の流れを示すフローチャートについて、特に、本実施形態の特徴であるモータリング開始後のロール固有振動の車体への伝達抑制の制御の流れについて説明する。
図10の(a)の上段の図は、エンジン始動時におけるエンジン回転速度Neの時間推移の説明図であり、図10の(a)の下段の図は、エンジン始動時におけるエンジン振動の時間推移の説明図である。時間0(図10の(a)中、tstartで表示)においてモータリング状態が開始され、エンジン回転速度Neがロール固有振動の回転速度近くに達すると、つまり、所定の振動開始時期TSAを超えると、ロール固有振動が開始し、それが収束して、エンジン回転速度Neが所定の閾値に達すると初回のインジェクション信号が出力される。そして、エンジン1が自力運転を開始、つまり、発動(点火)して、エンジン1の全筒運転が開始され、初爆振動(図10の(a)の下段のB部で示す)が始まる。
先ず、図11を参照しながら、適宜、図3、図4を参照してACM制御の流れを示す全体フローチャートについて説明する。図11は、エンジン制御とACM制御の流れを示す全体フローチャートである。
この制御は、エンジン・AT_ECU73においてはROM73a1に格納されたプログラムをマイクロコンピュータ73a(図3参照)で実行するときに実現される機能部である要求出力演算部211、燃料噴射制御部213、点火時期制御部214等において行われ、ACM_ECU71においては、ROMに格納されたプログラムをマイクロコンピュータ71a(図4参照)で実行するときに実現される機能部であるエンジン回転モード判定部233、振動状態推定部234、位相検出部235、駆動電流演算部236、駆動制御部238A,238B、モータリング時ロール固有振動制御部241、初爆振動制御部243、エンジン停止時振動制御部245において行われる。
このエンジン・AT_ECU73による繰り返しのエンジン1の始動・停止に、同期して、能動型防振支持装置101によるエンジン振動の振動伝達抑制制御(ステップS21〜S30)が実施される。
先ず、エンジン・AT_ECU73におけるマイクロコンピュータ73aによる繰り返しのエンジン1の始動・停止の制御(ステップS1〜S12)について説明する。
なお、モータリングスタート信号は、ACM_ECU71(図3参照)へも送信され、そのマイクロコンピュータ71aがモータリングスタート信号を受信すると、マイクロコンピュータ71aがエンジン振動の振動伝達抑制制御をスタートさせる。そして、ステップS2では、エンジン始動時制御部211aが、不揮発メモリ73c(図3参照)から前回エンジン停止時に記憶させたエンジン始動前のクランク角を読み出してACM_ECU71へ送信する。
そして、モータリング状態でエンジン回転速度Neが急速に上昇してロール固有振動のエンジン回転速度に近づくと、一時的なロール固有振動が発生する。
ステップS4では、CRKパルスやTDCパルス等に基づいて、エンジン始動時制御部211aが、初爆気筒を決定する。その決定された初爆気筒の識別子(初爆気筒を示す信号)を燃料噴射制御部213(図3参照)、点火時期制御部214(図3参照)に出力する。
なお、初回のインジェクション信号及び初爆気筒を示す信号は、ACM_ECU71へも送信される。
ステップS8では、アイドリング・ストップの制御をするか否かをチェックする。アイドリング・ストップの制御をする場合(Yes)は、ステップS10へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS9へ進む。
ステップS11では、エンジン1を停止する。そして、ステップS12では、エンジン回転速度演算部210が、エンジン1の回転の停止までをCRKセンサSaからのパルス信号で監視し、各気筒のエンジン停止時のクランク角を不揮発メモリ73cに記憶させる。ここで、ステップS12が、特許請求の範囲に記載の「エンジンの始動前の該エンジンのピストンの停止位置を取得する停止位置取得手段」の一部を構成する。
これで、一連のエンジン1の始動・停止の制御が終了するが、アイドリング・ストップの場合は、ステップS1に戻り、エンジン1の始動・停止が繰り返し実施されることになる。
ステップS25では、CRKパルス間隔演算部232、振動状態推定部234、位相検出部235、駆動電流演算部236、駆動制御部238A,238Bによる通常のACM制御を行う。これは、ステップS24においてモータリング時ロール固有振動制御部241に、モータリング時のロール固有振動の初期振動の伝達を抑制するACM制御をさせている間の2周期分の期間(クランク角で240deg.の回転の期間)に、CRKパルス間隔の演算に基づいてロール固有振動のエンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期、振動の位相を演算できているので、ロール固有振動の初期振動の伝達を抑制するACM制御の後は、引続いて通常のACM制御を行うことができる。
ここで、フローチャートのステップS21が、特許請求の範囲に記載の「モータリング開始検出手段」に対応する。
ステップS28では、エンジン回転モード判定部233は、通常のACM制御を振動状態推定部234(図4参照)、位相検出部235(図4参照)に実行させる。ここで、通常のACM制御とは、エンジン1のアイドリング状態、全筒運転状態、部分休筒運転状態のエンジン振動の抑制制御を意味する。
ステップS30では、エンジン停止時振動制御部245が、前回のエンジン停止時にロール固有振動を学習して、不揮発メモリに記憶したエンジン振動の周期、入力振動荷重(つまり、エンジン振動のゲイン)、振動期間に基づきエンジン停止時振動の伝達を抑制制御する(「エンジン停止時振動の伝達を抑制するACM制御」)。
以上で、一連のエンジン振動の伝達を抑制するACM制御を終了する。
ちなみに、図11に示したフローチャートにおけるステップS2,S23及びステップS12と、不揮発メモリ73cが、特許請求の範囲に記載の「停止位置取得手段」に対応する。
具体的には、図11に示した全体フローチャートのステップS23で取得されたエンジン始動前のクランク角を参照して、ROM71a1に格納された振動開始時期補正データ641(図8の(a)参照)、第1入力振動荷重補正データ642(図8の(b)参照)、振動周波数補正データ643(図8の(c)参照)に基づいて、対応する振動開始時期の補正係数K1、入力振動荷重の第1補正係数K2、振動周波数の補正係数K3をそれぞれ取得する。
ステップS34では、モータリング時ロール固有振動制御部241は、標準振動開始時期T0SAにステップS31で取得された補正係数K1を乗じて、ロール固有振動の振動開始時期TSAを算出する(TSA=T0SA×K1)。
ステップS35では、モータリング時ロール固有振動制御部241は、標準振動周波数F0RにステップS31で取得された補正係数K3を乗じて、ロール固有振動の振動周波数FRを算出する(FR=F0R×K3)。
そして、ステップS35では、さらに、ロール固有振動の振動周波数FRにもとづいて、ロール固有振動の初期の期間TCAが、2周期分として設定される(図示省略)。
ちなみに、駆動電流波形の振幅は、入力振動荷重GRに応じて設定され、駆動電流波形の繰り返しの周期はロール固有振動の振動周波数FRに応じて設定され、駆動電流波形の繰り返しの数はロール固有振動の初期の2周期分である期間TCAにて設定される。
ステップS38では、駆動電流演算部236は、ロール固有振動のACM制御を開始する(駆動電流出力制御)。具体的には、アクティブ・コントロール・マウントMFの駆動電流波形に対して、アクティブ・コントロール・マウントMRの駆動電流波形は周期の半周期だけずらして、PWM制御用に一定の周期で駆動電流波形をサンプリングしたACM駆動目標電流値が駆動制御部238A,238Bに出力される。駆動制御部238A,238Bは、ACM駆動目標電流値に追随するように電流センサ123A,123Bからの検出電流値をフィードンバックして、PWMデューティ信号を生成し、駆動回路121Aへ出力する。駆動回路121A,121Bは、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRに駆動電流波形に応じた電流を供給する。
以上で、一連のロール固有振動のACM制御の処理を終了する。
本実施形態では、図13の(a)に示すように、エンジン回転速度Neは、モータリング開始(tstart)後、回転速度上昇率を徐々に高めながら増加し、例えば、300rpm近傍部に達した後、図13の(c),(d)に示すように、エンジン1はロール固有振動を伴ってさらに急速にエンジン回転速度Neが上昇し、ロール固有振動と共振するエンジン回転速度領域を超えた所定の一定の回転速度に達すると、ロール固有振動は急速に減衰する。このように、ロール固有振動の始まるエンジン回転速度Neで、モータ2の回転速度を急速に増加させるのは、ロール固有振動の回転速度領域を短時間で通過させて、ロール固有振動の期間を短くしたり、その振幅を抑制したりするためである。
その結果、エンジン始動前のクランク角に応じて変化するモータリング時のロール固有振動を車体側に伝達しないようにアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを伸縮駆動させて効果的にエンジン振動の抑制ができる。
なお、図13の(b)に示したモータ回転角信号は、レゾルバからモータ2の回転速度が50rpm増加する都度出力される場合を示したものである。
本実施形態では、エンジン・AT_ECU73において、前回のエンジン1の停止の際にエンジン始動前のクランク角としてCRKセンサSaからのパルス信号に基づいて取得して、不揮発メモリ73cに記憶させ、エンジン始動時(モータリング開始時)にエンジン・AT_ECU73が不揮発メモリ73cに記憶させたエンジン始動前のクランク角を読み出しCAN通信線207を介して、ACM_ECU71に出力することとしたがそれに限定されるものではない。ACM_ECU71においてエンジン1の停止の際にエンジン始動前のクランク角をCRKセンサSaからのパルス信号に基づいて取得して、ACM_ECU71の有する不揮発メモリに記憶させるようにして、モータリング開始の信号をエンジン・AT_ECU73から受信したときにその不揮発メモリからエンジン始動前のクランク角を読み出して取得しても良い。
2 モータ
27 加振板(アクチュエータ)
46 コイル(アクチュエータ)
71 ACM_ECU(制御装置)
71a1 ROM
73 エンジン・AT_ECU
73a マイクロコンピュータ
73a1 ROM
73b CAN通信部
73c 不揮発メモリ(停止位置取得手段)
101 能動型防振支持装置
201 CRKパルス信号線
203 TDCパルス信号線
205 気筒休止信号線
207 CAN通信線
210 エンジン回転速度演算部
211 要求出力演算部
211a エンジン始動時制御部
212 気筒数切替制御定部
213 燃料噴射制御部
214 点火時期制御部
217 エンジン制御パラメータ送受信部
232 CRKパルス間隔演算部
233 エンジン回転モード判定部
234 振動状態推定部(推定手段)
235 位相検出部
236 駆動電流演算部
238A,238B 駆動制御部
241 モータリング時ロール固有振動制御部(駆動電流波形値設定手段)
241a データ部(ロール固有振動データ記憶手段)
243 初爆振動制御部
M,MF,MR アクティブ・コントロール・マウント
Sa CRKセンサ
Sb TDCセンサ
STTO AT油温センサ(油温情報取得手段)
Claims (4)
- エンジンを車体に支持するとともに、制御装置によりアクチュエータを駆動して、前記エンジンの振動の前記車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置であって、前記制御装置は、前記エンジンの振動量と前記アクチュエータの駆動量との関係が予め定められた振動伝達抑制特性と、前記エンジンの振動状態を推定する推定手段とを備え、前記推定手段により推定した前記エンジンの振動量と前記振動伝達抑制特性とに基づいて前記アクチュエータを制御するものにおいて、
前記制御装置は、
前記エンジンの始動前の該エンジンのピストンの停止位置を取得する停止位置取得手段をさらに備え、
前記エンジンの始動時に、前記停止位置取得手段で取得した前記ピストンの停止位置に基づいて前記振動伝達抑制特性を補正することを特徴とする能動型防振支持装置。 - 前記制御装置は、前記エンジンの始動前の前記ピストンの停止位置に基づいて、前記振動伝達抑制特性を補正するために、前記アクチュエータを駆動する駆動電流値、周波数及び駆動タイミングをそれぞれ設定することを特徴とする請求項1に記載の能動型防振支持装置。
- 前記制御装置は、
前記エンジンの始動前の前記ピストンの停止位置に応じた、前記エンジンのロール固有振動の振動開始時期、入力振動荷重、振動周期を予めロール固有振動特性データとして記憶したロール固有振動データ記憶手段と、
前記エンジンの始動前の前記ピストンの停止位置を参照して前記記憶されたロール固有振動特性データに基づき、前記振動伝達抑制特性を補正するために、前記アクチュエータを駆動する駆動電流値、周波数及び駆動タイミングをそれぞれ設定する駆動電流波形設定手段と、
前記エンジンの始動の際に、該エンジンのモータリングの開始を検出するモータリング開始検出手段と、を備え、
前記モータリング開始検出手段が前記エンジンのモータリングの開始を検出したとき、前記停止位置取得手段は、前記エンジンの始動前の前記ピストンの停止位置を取得し、
前記駆動電流波形設定手段は、前記取得された前記エンジンの始動前の前記ピストンの停止位置を参照して、前記ロール固有振動特性データに基づき前記アクチュエータを駆動する駆動電流値、周波数及び駆動タイミングをそれぞれ設定し、
前記設定された駆動電流値、周波数及び駆動タイミングに基づき、前記ロール固有振動の前記車体への振動伝達抑制制御が行われることを特徴とする請求項1に記載の能動型防振支持装置。 - 前記制御装置は、前記エンジンに接続された変速機の油温情報を取得する油温情報取得手段をさらに備え、
前記ロール固有振動特性データは、さらに、前記変速機の前記油温情報に応じた前記ロール固有振動の前記入力振動荷重を補正する入力振動荷重補正情報を予め含み、
前記モータリング開始検出手段が前記エンジンのモータリングの開始を検出したとき、前記油温情報取得手段は前記変速機の前記油温情報を取得し、
前記駆動電流波形設定手段は、前記取得された前記変速機の前記油温情報を参照して、前記入力振動荷重補正情報に基づき前記ロール固有振動の前記入力振動荷重を補正して前記アクチュエータを駆動する駆動電流値を設定することを特徴とする請求項3に記載の能動型防振支持装置。
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