JP2011185148A - エンジン始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン始動制御装置100は、エンジンのピストンの前回停止位置を取得する前回停止位置取得部101と、エンジンの始動トルクを決定する始動トルク決定部104と、決定された始動トルクに基づいて、エンジンを始動させるための始動用モータ110の駆動を制御する始動用モータ制御部105と、を備え、始動トルク決定部104は、取得された前回停止位置が上死点に近いほど、始動トルクが大きくなるように始動トルクを決定する。
【選択図】図6
Description
かかる自励振動は、エンジンの回転速度が所定の範囲内にある場合に発生するが、エンジンの回転速度の上昇率は、エンジン始動時のピストンの停止位置、すなわち、前回停止位置によって違いが生じるため、場合によっては、自励振動が発生する期間が長くなってしまう。
ここで、特許文献1に記載された技術を適用して、自励振動が発生する期間が短くなるクランク角度でエンジンを停止させることが考えられるが、その場合には、目標停止クランク角度でエンジンを停止させるために、クランク角度、クランク角速度及びクランク角加速度に基づいてエンジンへのトルク指令値を算出してエンジンを制御するのに加え、モータへのトルク指令値を算出してモータを制御しなければならず、複雑な制御が必要となる。
次に、第1の伝達経路を説明する。図1に示すように、多気筒、例えば、6気筒からなるエンジン1のクランク軸2は、フライホイル3を介して始動用モータ(セルモータ)を兼ねる発電機4のロータ軸4aに直結され、さらに、ロータ軸4aはエンジン1の駆動力を駆動輪6に伝達するためのクラッチ5に接続されている。クラッチ5に接続される被駆動側のエンジン出力軸11aの端部にエンジン出力ギア11が配され、アイドル軸12aの一端側に配されたアイドルギア12と噛み合う。アイドル軸12aの他端側には終減速小歯車であるピニオンギア13Aが配され、これに噛み合うように終減速大歯車であるファイナルギア14Aが図示省略の伝動装置ケースに回転自在に設けられている。ファイナルギア14Aはディファレンシャルギア7と組み合わされており、アイドル軸12aに伝達された駆動力は、ファイナルギア14Aに入力された後に、ディファレンシャルギア7を介して左右のディファレンシャル軸7aから駆動輪(前輪)6に出力される。前記のピニオンギア13A、ファイナルギア14A、ディファレンシャルギア7は、本発明におけるファイナル・ディファレンシャルギアを構成する。
次にハイブリッド車両Vの運転状態を制御するハイブリッド車両の制御装置について説明する。図1に示すように本ハイブリッド車両Vの運転状態の制御のために、ハイブリッド用ECU(ECU:Electric Control Unit)23が設けられている。ハイブリッド用ECU23には、イグニッション・スイッチ35からのイグニッション・スイッチ信号、図示しないシフトレバーに設けられたシフトレバー・ポジションセンサ36からのシフトポジション信号、図示しないアクセルペダルに設けられたアクセルペダル・ポジションセンサ37からのアクセルペダル踏み込み量信号、図示しないブレーキペダルに設けられたブレーキペダル・ポジションセンサ38からのブレーキペダル踏み込み量信号、車輪に設けられた車速センサ39からの車速信号が入力される。また、バッテリ20には、出力電圧、出力電流、バッテリ温度を検知する図示しない各種センサが設けられており、その各種センサ信号がハイブリッド用ECU23に入力される。ハイブリッド用ECU23は、車速信号にもとづきアクセルペダル踏み込み量及びブレーキペダル踏み込み量に反応して、クラッチ5を接続又は切離し状態にするアクチュエータ33を制御する。
ここで、伝動装置9Aの第1の減速比は、以下の様に設定されている。本ハイブリッド車両Vの定常走行時におけるエンジン1のほぼ最大出力時の駆動力特性は、図2の特性曲線aに示すものであり、前記第1の減速比は、高車速におけるエンジン回転速度とエンジントルクの関係から、最高速度Vmax近傍において、走行抵抗特性曲線bよりも駆動力が下回り、車速V3までしか出せない駆動力のレベルに設定されている。つまり、エンジン1の駆動力だけでは最高速度Vmaxが出せないようにエンジン出力ギア11、アイドルギア12、ピニオンギア13A、ファイナルギア14Aの全体の減速比が、高速クルージング又は低負荷を前提にハイレシオに設定されている。なお、図2の走行抵抗特性曲線bは、駆動輪6の転がり抵抗と、空気抵抗など車速に応じて増加する抵抗とを加算したものである。図2の特性曲線dは、出力特性可変機構31の動作により6気筒のエンジン1の片側のバンクの3気筒を休止して、残りの3気筒だけ運転している気筒休止運転の場合のエンジン1のほぼ最大出力状態の駆動力特性を示している。このような気筒休止運転状態により低出力化されたエンジン駆動力のみでは、前記第1の減速比では車速V2までしか出ない。
以上の構成において、ハイブリッド用ECU23は、以下のように車速に応じて第1の伝達経路と第2の伝達経路とを切り替えてハイブリッド車両Vを走行させる。図2に示す車速0から車速V1未満までのスタート時を含む低車速範囲、登坂走行時などにおいては、アクチュエータ33を制御して、クラッチ5にロータ軸4aとエンジン出力軸11aとの間を切り離させ、インバータ21を制御して駆動用モータ8により第2の伝達経路を経て駆動輪6を駆動させる。このとき、駆動用モータ8は、バッテリ20からの電力により駆動される。もし、バッテリ20の充電状態が少ないときは、ハイブリッド用ECU23は、インバータ21とエンジンECU25を制御し、発電機4をセルモータとして機能させてエンジン1を起動する。そして、インバータ21を制御し、エンジン1により発電機4に発電させ、その電力により駆動用モータ8が駆動される(シリーズ運転モード)。駆動用モータ8の最大出力特性は、図2の最大出力特性曲線cで示す通りであり、最高速度Vmaxまでは走行抵抗特性曲線bを上回る駆動力を有しており、駆動用モータ8の駆動力によりハイブリッド車両Vは前記の低車速範囲で走行可能である。
続いて、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両Vに搭載された能動型防振装置について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る能動型防振装置を適用した車両におけるエンジン搭載状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
なお、以下ではアクティブ・マウントMF,MRを特に区別する必要がない場合は、単にアクティブ・マウントMと記載する。
ACMECU61はエンジン回転速度Neや出力トルク等を制御するエンジンECU25と通信回線、例えば、CAN(Controller Area Network)通信で接続されている。
ちなみに、クランクパルスは、6気筒エンジンの場合、クランクシャフトの1回転につき24回、つまりクランクアングルの15°毎に1回出力される。
図4に示すように、アクティブ・マウントMは、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、略円筒状の上部ハウジング211と、その下側に配置された略円筒状の下部ハウジング212と、下部ハウジング212内に収容されて上面が開放した略カップ状のアクチュエータケース213と、上部ハウジング211の上側に接続したダイヤフラム222と、上部ハウジング211内に格納された環状の第1弾性体支持リング14と、第1弾性体支持リング214の上側に接続した第1弾性体219と、アクチュエータケース213に収容された環状の第2弾性体支持リング215と、第2弾性体支持リング215の内周側に接続した第2弾性体227と、アクチュエータケース213に収容され第2弾性体支持リング215及び第2弾性体227の下方に配置された駆動部(アクチュエータ)241等から構成されている。
ダイヤフラム支持ボス220の上面にはエンジン取付部(作用点)220aが一体に形成され、エンジン1(図3参照)に固定される(詳細な固定方法は、図示省略してある)。また、下部ハウジング212の下端の車体取付部212bが図示しない車体フレームに固定される。
このような構造によって、アクティブ・マウントMにエンジン1(図3参照)から大きな荷重が入力したとき、エンジン取付部220aがストッパラバー226に当接することで、エンジン1の過大な変位が抑制される。
また、第1弾性体支持リング214と上部ハウジング211との間に環状の連通路232が形成されている。連通路232は連通孔233を介して第1液室230に連通するとともに、環状の連通間隙234を介して、第1弾性体219とダイヤフラム222により区画された第3液室235に連通する。
図5に示すように駆動部241は、主に透磁率が高い金属又は合金からなる固定コア242、コイル組立体243、ヨーク244、可動コア254等から構成されている。
下部フランジ251bとヨーク244の円筒部244aの下端との間には、セットばね252が圧縮状態で配置されており、このセットばね252の弾性力で軸受け部材251の下部フランジ251bを下方に付勢して、下部フランジ251bの下面と固定コア242との間に配された弾性体253を介して、固定コア242の上面に押し付けることで、軸受け部材251がヨーク244にて支持される。
ロッド255に対し、ナット256は固定コア242の中心に形成された開口242a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口242aは、ゴム製のキャップ260で閉塞される。
ここで、第2弾性体227及び可動部材228は加振板を構成し、固定コア242、コイル246及び可動コア254はリニアソレノイドを構成する。
ACMECU61は、エンジン1(図1参照)の図示しないクランクシャフトの1回転につき24回、つまり、クランクアングルの15°毎に1回出力されるクランクパルスを検出するクランクパルスセンサSa(図4参照)と、クランクシャフトの1回転につき3回、つまり、各気筒の上死点毎に1回、TDC信号を出力するカム角センサSb(図4参照)に接続されている。ACMECU61は、クランクパルスセンサSaからクランクパルス信号及びカム角センサSbからのTDC信号に基づいてエンジンの振動状態を推定し、能動型防振装置60(図3参照)を構成するアクティブ・マウントMF,MRの駆動部241に対する通電を制御する。
なお、前記エンジンシェイク振動の周波数領域では、エンジン1が定常回転の場合は、駆動部241は駆動しない非作動状態に保たれる。
そこで、駆動部241,241を駆動するため、図4に示すアクティブ・マウントMF,MRを含む能動型防振装置60(図3参照)では、クランクパルスセンサSa、カム角センサSb、エンジンECU25からの信号に基づいて、コイル246,246に対する通電を制御する。
続いて、本発明の実施形態に係るエンジン始動制御装置について、図6〜図9を参照して説明する。図6は、本発明の実施形態に係るエンジン始動制御装置を示すブロック図である。図7(a)は、エンジンのピストンの前回停止位置と自励振動帯通過時間との関係を示すグラフであり、図7(b)は、自励振動帯通過時間算出部によって算出された自励振動帯通過時間と規定自励振動帯通過時間との差と、始動トルクと、の関係を示すグラフである。図8(a)は、能動型防振装置による制御のための入力電流値を説明するためのグラフであり、図8(b)は、自励振動抑制制御における入力電流値と規定自励振動帯通過時間との関係を示すグラフである。図9は、始動トルク及びエンジンの回転速度の時間変化を示すグラフであり、図9(a)は従来の制御の場合を示すグラフ、図9(b)は本発明の実施形態に係る制御の場合を示すグラフである。
61 ACMECU(制御装置)
100 エンジン始動制御装置
101 前回停止位置取得部
102 記憶部
103 自励振動点通過時間算出部
104 始動トルク決定部
105 始動用モータ制御部
110 始動用モータ
Claims (6)
- 車体への振動の伝達を抑制する防振装置によって前記車体に支持されたエンジンを始動させる際に前記エンジンの始動トルクを制御するエンジン始動制御装置であって、
前記エンジンのピストンの前回停止位置を取得する前回停止位置取得部と、
前記エンジンの前記始動トルクを決定する始動トルク決定部と、
決定された前記始動トルクに基づいて、前記エンジンを始動させるための始動用モータの駆動を制御する始動用モータ制御部と、
を備え、
前記始動トルク決定部は、取得された前記前回停止位置に応じて前記始動トルクを変動させる
ことを特徴とするエンジン始動制御装置。 - 前記始動トルク決定部は、取得された前記前回停止位置が上死点に近いほど、前記始動トルクが大きくなるように前記始動トルクを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。 - 前記防振装置は、能動型防振装置であり、
前記車両は、前記エンジンの振動状態を推定し、推定された前記振動状態に基づいて前記能動型防振装置の駆動を制御する制御装置をさらに備えており、
前記制御装置は、予め定められた、前記エンジンの始動から当該エンジンの始動に伴う前記能動型防振装置の自励振動が終了するまでの時間である規定自励振動帯通過時間に基づいて、前記能動型防振装置の自励振動を抑制するように当該能動型防振装置の駆動を制御し、
取得された前記前回停止位置に基づいて、規定始動トルクによる前記自励振動帯通過時間を算出する自励振動帯通過時間算出部をさらに備え、
前記始動トルク決定部は、算出された前記自励振動帯通過時間、及び、予め定められた前記規定自励振動帯通過時間に基づいて、前記始動トルクを決定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン始動制御装置。 - 前記始動トルク決定部は、算出された前記自励振動帯通過時間が前記規定自励振動帯通過時間よりも長い場合には、前記規定始動トルクよりも大きくなるように前記始動トルクを決定する
ことを特徴とする請求項3に記載のエンジン始動制御装置。 - 前記始動トルク決定部は、算出された前記自励振動帯通過時間が取得された前記規定自励振動帯通過時間よりも短い場合には、前記規定始動トルクよりも小さくなるように前記始動トルクを決定する
ことを特徴とする請求項4に記載のエンジン始動制御装置。 - 前記規定始動トルクにおける、前記前回停止位置と前記自励振動帯通過時間との関係が記憶される記憶部をさらに備え、
前記自励振動帯通過時間算出部は、前記記憶部に記憶された前記前回停止位置と前記自励振動帯通過時間との関係を参照することによって、前記規定始動トルクによる前記自励振動帯通過時間を算出する
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のエンジン始動装置。
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