JP4778575B2 - ソレノイド駆動装置とそれを備えた能動型防振支持装置 - Google Patents

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本発明は、ソレノイドを用いたアクチュエータを駆動制御するソレノイド駆動装置と、ソレノイド駆動装置を適用した、車両のエンジンを車体に支承する能動型防振支持装置に関する。
特許文献1には、能動型防振支持装置の技術が開示されている。
前記特許文献1の能動型防振支持装置は、ACM(Active Control Mount)制御ECU(本発明の「制御手段」に対応)と、アクティブ・コントロール・マウントとから構成されている。また、前記ACM制御ECUは、エンジン制御ECU(Electric Control Unit)と通信可能に接続されている。前記エンジン制御ECUは、クランクパルス信号及びTDC(Top Dead Center)パルス信号にもとづいてエンジンの燃料噴射弁(インジェクタ)の作動を制御するとともに、エンジンのバルブ休止機構の油圧アクチュエータの作動を制御することで全筒運転状態、気筒休止運転状態を切替える。エンジンが全筒運転状態と気筒休止運転状態とでは、エンジンの振動が異なるため、ACM制御ECUは、エンジン制御ECUから、クランクパルス信号、TDCパルス信号及び休止気筒を示す気筒休止信号を受信する。そして、ACM制御ECUは、エンジン振動の1次振動や1.5次振動、2次振動の振動モード等のエンジン振動周期の判定やエンジン振動の振幅の大きさや位相を演算し、エンジンの振動状態に応じた最適なアクティブ・コントロール・マウントの制御を行う。
また、特許文献2には、モータ補助型ハイブリット車両において、モータ制振制御の作動状態に無関係に、アクティブ・コントロール・マウントの制御を最適に行う能動型防振支持装置の技術が開示されている。
前記特許文献2によれば、ジェネレータ・モータに供給されるモータ制振制御信号の有無に応じて、エンジンマウント制振制御用の目標電流値波形を生成するための位相補正制御マップを持ち替えるようにする制御マップ持替器を備えているので、ジェネレータ・モータによる制振制御の状態に応じた最適なアクティブ・コントロール・マウントの制御を行うことができる。
また、エンジン出力を補助するモータジェネレータを備えたハイブリッド車両において、更に、気筒休止運転を可能にするエンジンを組み合わせたものが知られている。このような組み合わせのハイブリッド車両では、モータアシストによる加速機能が加わるため、ハイブリッド車両ではない従来タイプの車両において気筒休止運転が可能なエンジンを搭載した車両において気筒休止運転状態が許容されていた車速よりも、より高車速領域まで気筒休止運転状態を許容することができるようになった。
その場合、より高車速領域まで広げた気筒休止運転状態領域においては、エンジン振動の振幅がより大きくなり、アクティブ・コントロール・マウントの振動吸収力を向上するため、ACM制御ECUに昇圧回路を搭載し、アクティブ・コントロール・マウントのアクチュエータに供給する駆動電圧をバッテリ電圧レベルから、例えば、24Vに昇圧して、エンジン振動の振幅の増大を相殺する変位を実現していた(特許文献3参照)。
特開2008−057559号公報 特開2007−269049号公報 特開2005−249013号公報
ところで、前記した特許文献1の従来技術におけるアクティブ・コントロール・マウントのアクチュエータは、ソレノイド磁石(後記するコイル組立体43に相当)により駆動されるが、エンジン振動を打ち消すための駆動周波数の変化に応じて、例えば、同じ駆動電流値を供給するために必要な電圧は、ソレノイド磁石の逆起電圧に打ち克って流す必要があり、駆動周波数が高くなるほど電圧を高める必要がある。
そこで、従来のアクティブ・コントロール・マウントを用いた能動型防振支持装置では、図6の(a)に示すように、駆動周波数fDV[Hz]の高い領域において要求される駆動電流用の目標電流値波形における最大値IRqをソレノイド磁石に供給可能にする最大電圧Vmaxを予め設定して、昇圧回路でバッテリ電圧VBを最大電圧Vmaxまで昇圧し、ソレノイド磁石に供給する電流をPWM(Pulse Width Modulation)制御する駆動回路に供給していた。
しかし、その結果、駆動周波数fDV[Hz]の低い領域、例えば、駆動周波数f1[Hz]では、図6の(b)に示すような要求される駆動電流用の目標電流値波形における最大値IRqとして、例えば、最大目標電流値I1に対しては、必要な要求電圧値VRqの値はV1で十分にも拘わらず昇圧回路でVmaxにまで昇圧しており、ソレノイド磁石を駆動するのに必要な要求電力WRqの値W1に対して、それより大きい値W1’が供給されることになる。余剰な電力(W1’−W1)は、昇圧回路や駆動回路で発熱損失となって消費され、電力効率が悪いという課題があった。
そこで、本発明は、ソレノイドを用いたアクチュエータを駆動制御する電力効率の良いソレノイド駆動装置と、そのソレノイド駆動装置を備えた電力効率の良い能動型防振支持装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明のソレノイド駆動装置は、電源電圧を昇圧して電力を供給する昇圧回路と、昇圧回路により昇圧され供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、を備えたものであって、アクチュエータを駆動するための駆動要求情報にもとづいて、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、使用される駆動周波数の領域において、駆動周波数に対するソレノイドに電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、決定された駆動周波数にもとづいて、目標電圧値を決定する目標電圧決定手段と、を備え、決定された目標電圧値が、昇圧回路に入力されて、ソレノイドの所要の電力が、昇圧回路から駆動回路に供給されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータを駆動するための駆動要求情報にもとづいて、駆動周波数決定手段により駆動周波数が決定される。そして、目標電圧決定手段は、決定された駆動周波数にもとづいて、ソレノイドに電力を昇圧して供給するときの目標電圧値を決定する。従って、例えば、駆動要求情報に含まれる駆動周波数要求が高い周波数の場合、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が高まっても、それに応じて昇圧回路の目標電圧値が高く設定される。そして昇圧回路は、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)まで駆動回路に容易に電流を供給することができ、ソレノイドを用いたアクチュエータの応答性を高めることができる。
逆に、駆動要求情報に含まれる駆動周波数要求が低い周波数の場合、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が低いのに応じ、昇圧回路の目標電圧値が低く設定される。そして、昇圧回路が、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)より過大な電流を駆動回路に供給して、駆動回路において、無駄に電力が消費されることが抑制できる。
その結果、昇圧回路や駆動回路における無駄な電力消費が抑制できて、昇圧回路や駆動回路からの不要な放熱が防止できる。
請求項2に係る発明のソレノイド駆動装置は、電源電圧を昇圧して電力を供給する昇圧回路と、昇圧回路により昇圧され供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、を備えたものであって、アクチュエータを駆動するための駆動要求情報にもとづいて、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、使用される駆動周波数の領域において、駆動周波数に対するソレノイドに電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、駆動周波数に対応させた目標電圧値を予め記憶した目標昇圧電圧値記憶手段と、決定された駆動周波数を参照して、目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する目標電圧決定手段と、を備え、決定された目標電圧値が、昇圧回路に入力されて、ソレノイドの所要の電力が、昇圧回路から駆動回路に供給されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、アクチュエータを駆動するための駆動要求情報にもとづいて、駆動周波数決定手段により駆動周波数が決定される。そして、目標電圧決定手段は、決定された駆動周波数を参照して、目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する。従って、例えば、駆動要求情報に含まれる駆動周波数要求が高い周波数の場合、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が高まっても、それに応じて昇圧回路の目標電圧値が高く設定される。そして、昇圧回路は、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)まで駆動回路に容易に電流を供給することができ、ソレノイドを用いたアクチュエータの応答性を高めることができる。
逆に、駆動要求情報に含まれる駆動周波数要求が低い周波数の場合、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が低いのに応じ、昇圧回路の目標電圧値が低く設定される。そして、昇圧回路が、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)より過大な電流を駆動回路に供給して、駆動回路において、無駄に電力が消費されることが抑制できる。
その結果、昇圧回路や駆動回路における無駄な電力消費が抑制できて、昇圧回路や駆動回路からの不要な放熱が防止できる。
請求項3に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンを車体に支承するとともに、エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力にもとづいてエンジンの振動状態を推定する制御手段がソレノイドを用いたアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制するものであって、制御手段は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路により昇圧して供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、エンジンの振動状態を推定するエンジンの振動状態推定手段と、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、使用される駆動周波数の領域において、駆動周波数に対するソレノイドに電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、決定された駆動周波数にもとづいて、目標電圧値を決定する目標電圧決定手段と、を備え決定された目標電圧値が、昇圧回路に入力されて、ソレノイドの所要の電力が、昇圧回路から駆動回路に供給されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、制御手段において、振動状態推定手段が推定したエンジンの振動状態に応じて、駆動周波数決定手段が、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する。そして、目標電圧決定手段は、決定された駆動周波数にもとづいて、電力を昇圧して供給するときの目標電圧値を決定する。従って、例えば、推定されたエンジンの振動状態が高い周波数の場合、エンジン振動の伝達を抑制するためにアクチュエータを駆動する駆動周波数は、高い周波数になり、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が高まっても、それに応じて昇圧回路の目標電圧値が高く設定される。そして、昇圧回路は、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)まで駆動回路に容易に電流を供給することができ、能動型防振支持装置のソレノイドを用いたアクチュエータの応答性を高めることができる。
逆に、推定されたエンジンの振動状態が低い振動周波数の場合、エンジン振動の伝達を抑制するためにアクチュエータを駆動する駆動周波数は、低い周波数になり、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が低いのに応じ、昇圧回路の目標電圧値が低く設定される。そして、昇圧回路が、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)より過大な電流を駆動回路に供給して、駆動回路において、無駄に電力が消費されることが抑制できる。
その結果、昇圧回路や駆動回路における無駄な電力消費が抑制できて、昇圧回路や駆動回路からの不要な放熱が防止できる。
請求項4に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンを車体に支承するとともに、エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力にもとづいてエンジンの振動状態を推定する制御手段がソレノイドを用いたアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制するものであって、
制御手段は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路により昇圧して供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、エンジンの振動状態を推定するエンジンの振動状態推定手段と、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、使用される駆動周波数の領域において、駆動周波数に対するソレノイドに電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、駆動周波数に対応させた目標電圧値として記憶した目標昇圧電圧値記憶手段と、決定された駆動周波数を参照して、目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する目標電圧決定手段と、を備え、決定された目標電圧値が、昇圧回路に入力されて、ソレノイドの所要の電力が、昇圧回路から駆動回路に供給されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、制御手段において、振動状態推定手段が推定したエンジンの振動状態に応じて、駆動周波数決定手段が、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する。そして、目標電圧決定手段は、決定された駆動周波数を参照して、目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する。従って、例えば、推定されたエンジンの振動状態が高い周波数の場合、エンジン振動の伝達を抑制するためにアクチュエータを駆動する駆動周波数は、高い周波数になり、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が高まっても、それに応じて昇圧回路の目標電圧値が高く設定される。そして、昇圧回路は、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)まで駆動回路に容易に電流を供給することができ、能動型防振支持装置のソレノイドを用いたアクチュエータの応答性を高めることができる。
逆に、推定されたエンジンの振動状態が低い振動周波数の場合、エンジン振動の伝達を抑制するためにアクチュエータを駆動する駆動周波数は、低い周波数になり、アクチュエータのソレノイドで発生する逆起電圧が低いのに応じ、昇圧回路の目標電圧値が低く設定される。そして、昇圧回路が、アクチュエータの駆動に必要な目標電流値波形の最大値(最大目標電流値)より過大な電流を駆動回路に供給して、駆動回路において、無駄に電力が消費されることが抑制できる。
その結果、昇圧回路や駆動回路における無駄な電力消費が抑制できて、昇圧回路や駆動回路からの不要な放熱が防止できる。
請求項5に係る発明の能動型防振支持装置は、請求項4に記載の発明の構成に加え、目標昇圧電圧値記憶手段は、目標電圧値を設定する際に想定される規範最大目標電流値をも記憶しており、制御手段は、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動するために必要な目標電流値波形を設定する目標電流値波形設定手段と、設定された目標電流値波形における最大目標電流値を検出する目標電流値波形最大値検出手段と、検出された最大目標電流値と規範最大目標電流値との差分を算出する差分算出手段と、少なくとも検出された最大目標電流値が規範最大目標電流値よりも所定値以上大きいとき、差分に応じて目標電圧決定手段で決定された目標電圧値を補正する目標電圧補正手段と、を更に備え、必要に応じて目標電圧補正手段において補正された目標電圧値が昇圧回路に入力されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、制御手段において、設定された目標電流値波形における最大目標電流値と規範最大目標電流値との差分が所定値以上大きいとき、その差分に応じて目標電圧決定手段で決定された目標電圧値を補正することができる。例えば、実際のエンジン振動が、ある振動周波数領域において設計時に想定したものより大きい場合でも、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、目標電流値波形における最大値(最大目標電流値)と規範最大目標電流値との差分にもとづいて、目標電圧値が補正されてより高い目標電圧値で昇圧回路に入力される。その結果、能動型防振支持装置のソレノイドを用いたアクチュエータの応答性を一層高めることができる。
請求項6に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンを車体に支承するとともに、エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力にもとづいてエンジンの振動状態を推定する制御手段がソレノイドを用いたアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制するものであって、制御手段は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路により昇圧され供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、エンジンの振動状態を推定するエンジンの振動状態推定手段と、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動するために必要な目標電流値波形を設定する目標電流値波形設定手段と、設定された目標電流値波形における最大目標電流値を検出する目標電流値波形最大値検出手段と、アクチュエータを駆動する駆動周波数と、目標電流値波形における最大目標電流値をパラメータとして、ソレノイドに供給するのに必要な電圧を、目標電圧値の関数またはマップとして記憶した目標昇圧電圧値記憶手段と、決定された駆動周波数及び検出された目標電流値波形における最大目標電流値を参照して、目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値の関数またはマップにもとづいて目標電圧値を決定する目標電圧決定手段と、を備え、決定された目標電圧値が、昇圧回路に入力されて、ソレノイドの所要の電力が、昇圧回路から駆動回路に供給されることを特徴とする能動型防振支持装置。
請求項6に記載の発明によれば、制御手段において、駆動周波数と設定された目標電流値波形における最大目標電流値を参照して、目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値の関数またはマップにもとづいて目標電圧決定手段で目標電圧値を決定することができる。例えば、実際のエンジン振動が、ある振動周波数領域において設計時に想定したものより大きい場合でも、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動するために必要な目標電流値波形における最大目標電流値が検出され、目標電圧値がより高い目標電圧値で昇圧回路に入力される。その結果、能動型防振支持装置のソレノイドを用いたアクチュエータの応答性を一層高めることができる。
また、逆に、ある振動周波数領域において設計時に想定したものより推定されたエンジンの振動が小さい場合、推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、アクチュエータを駆動するために必要な目標電流値波形における最大目標電流値が検出され、目標電圧値がより低い目標電圧値で昇圧回路に入力される。その結果、昇圧回路や駆動回路で無駄に消費される電力を低減できる。
ここで、バッテリ電圧とは、バッテリそのものの出力電圧のみならず、オルタネータで発電された電圧も含み、前記昇圧回路で昇圧される前の電圧としての総称である。
本発明によると、ソレノイドを用いたアクチュエータを駆動制御する電力効率の良いソレノイド駆動装置と、そのソレノイド駆動装置を備えた電力効率の良い能動型防振支持装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る能動型防振支持装置のアクティブ・コントロール・マウントの構造を示す縦断面図である。 図1のA部拡大図である。 第1の実施形態に係る能動型防振支持装置の構成を示す機能ブロック図である。 駆動周波数fDVに応じて設定される目標電圧値V*の説明図である。 ACM_ECUにおける昇圧回路の構成を示す詳細機能ブロック図である。 第1の実施形態の効果の説明図であり、(a)は、昇圧回路によりバッテリ電圧VBから駆動周波数に応じた電圧値まで昇圧させる要求電圧値VRqの曲線と、要求電圧値VRqの最大値Vmaxと、要求電圧値VRqを設定したときに想定した目標電流値波形の最大値である駆動周波数に応じた要求電流値IRqの曲線と、要求電圧値VRqと要求電流値IRqの積である要求電力WRqの曲線、従来技術における要求電圧値VRqの最大値Vmaxで常時昇圧回路120から電力を供給する場合の従来の電力の曲線と、を示す図、(b)は、要求される駆動電流用の目標電流値波形における最大値IRqの駆動周波数f1における最大目標電流値I1を例示する図である。 第1の実施形態の変形例の説明図である。 第2の実施形態に係る能動型防振支持装置の構成を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態における目標電圧値V*の決定制御の流れを示すフローチャートである。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、適宜図を参照しながら詳細に説明する。
(能動型防振支持装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る能動型防振支持装置のアクティブ・コントロール・マウントの構造を示す縦断面図であり、図2は図1のA部拡大図である。
本実施形態に係わる能動型防振支持装置301は、上下方向に伸縮駆動することが可能で、車両のエンジンを車体フレームに弾性的に支承するために用いられるアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを、エンジンの前後方向に2つ配置してなる。
なお、以下ではアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを特に区別する必要がない場合は、単にアクティブ・コントロール・マウントMと記載する。
ここで、エンジンは、例えば、クランクシャフト(図示せず)の一端にトランスミッションが結合されるとともに、クランクシャフトが車両の本体に横向きに配置される、いわゆる横置きのV型6気筒エンジンである。従って、エンジンはクランクシャフト方向が車両の左右方向に配置され、エンジンによるロール方向の振動を抑制するため、エンジンを挟んで、車両の前方側にアクティブ・コントロール・マウントMFが、車両の後方側にアクティブ・コントロール・マウントMRが対にして備えられている。
アクティブ・コントロール・マウントMF,MRは、エンジンの重心の高さより低い位置に取り付けられ、エンジンの前後方向のロール振動を抑制するとともに、エンジンを車両の車体に弾性支持(支承)する。
図1に示すように、能動型防振支持装置301は、アクティブ・コントロール・マウントM,M(図1では、代表的に1つのアクティブ・コントロール・マウントMのみを表示)を制御するACM制御ECU200Aを備えている。以下では、ACM制御ECU(制御手段)200Aは、「ACM_ECU200A」と称する。
図3に示すように、ACM_ECU200Aはエンジン回転速度Neや出力トルク等を制御するエンジン制御ECU(以下、「エンジンECU」と称する)100から、専用の信号線、クランクパルス信号線101、TDCパルス信号線102、CAN(Controller Area Network)通信線103、気筒休止信号線104で接続されている。
(ACMの構成)
図1に示すように、アクティブ・コントロール・マウントMは、軸線LAに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、略円筒状の上部ハウジング11と、その下側に配置された略円筒状の下部ハウジング12と、下部ハウジング12内に収容されて上面が開放した略カップ状のアクチュエータケース13と、上部ハウジング11の上側に接続したダイヤフラム22と、上部ハウジング11内に格納された環状の第1弾性体支持リング14と、第1弾性体支持リング14の上側に接続した第1弾性体19と、アクチュエータケース13に収容された環状の第2弾性体支持リング15と、第2弾性体支持リング15の内周側に接続した第2弾性体27と、アクチュエータケース13に収容され第2弾性体支持リング15及び第2弾性体27の下方に配置された駆動部(アクチュエータ)41等から構成されている。
上部ハウジング11下端のフランジ部11aと、下部ハウジング12の上端のフランジ部12aとの間に、アクチュエータケース13の外周のフランジ部13aと、第1弾性体支持リング14の外周部14aと、第2弾性体支持リング15の上面外周部15aとが重ね合わされてカシメにより結合される。このとき、フランジ部12aとフランジ部13aとの間に環状の第1フローティングラバー16を介在させ、かつフランジ部13aの上面と第2弾性体支持リング15の上面外周部15a下面との間に環状の第2フローティングラバー17を介在させることで、アクチュエータケース13は、上部ハウジング11及び下部ハウジング12に対して上下方向に相対移動可能にフローティング支持される。
第1弾性体支持リング14と、第1弾性体19の上面側に設けられた凹部内に配置された第1弾性体支持ボス18とは、厚肉のラバーで形成された第1弾性体19の下端及び上端で、加硫接着によって接合されている。更に、第1弾性体支持ボス18の上面にダイヤフラム支持ボス20がボルト21で固定されており、ダイヤフラム支持ボス20に内周部を加硫接着によって接合されたダイヤフラム22の外周部が、上部ハウジング11に加硫接着により接合されている。
ダイヤフラム支持ボス20の上面にはエンジン取付部20aが一体に形成され、エンジンに固定される(詳細な固定方法は、図示省略してある)。また、下部ハウジング12の下端の車体取付部12bが図示しない車体フレームに固定される。
上部ハウジング11の上端のフランジ部11bには、ストッパ部材23の下端のフランジ部23aがボルト24及びナット25で結合されており、ストッパ部材23の上部内面に取り付けたストッパラバー26に、ダイヤフラム支持ボス20の上面に突設したエンジン取付部20aが当接可能に対向する。
このような構造によって、アクティブ・コントロール・マウントMにエンジンから大きな荷重が入力したとき、エンジン取付部20aがストッパラバー26に当接することで、エンジンの過大な変位が抑制される。
第2弾性体支持リング15の内周面には、膜状のラバーで形成された第2弾性体27の外周部が加硫接着により接合されており、第2弾性体27の中央部にその上部が埋め込まれるように可動部材28が加硫接着により接合される。
そして、第2弾性体支持リング15の上面と第1弾性体支持リング14の下部との間に円板状の隔壁部材29が固定されており、第1弾性体支持リング14、第1弾性体19及び隔壁部材29により区画された第1液室30と、隔壁部材29及び第2弾性体27により区画された第2液室31とが、隔壁部材29の中央に開口している連通孔29aを介して相互に連通する。
第2弾性体27の外周部27aは、第2弾性体支持リング15の下面外周部15b(図2参照)と後記するヨーク44との間に挟持され、シール機能を有するようになっている。
また、第1弾性体支持リング14と上部ハウジング11との間に環状の連通路32が形成されている。連通路32は連通孔33を介して第1液室30に連通するとともに、環状の連通間隙34を介して、第1弾性体19とダイヤフラム22により区画された第3液室35に連通する。
コイル組立体43は、固定コア42及びヨーク44間に配置され、コイル46とコイル46の周囲を覆うコイルカバー47とで構成される。コイルカバー47には、下部ハウジング12及びアクチュエータケース13に形成された開口部12c,13bを貫通して外部に延出するコネクタ48が一体に形成され、そこにコイル46に給電する給電線が接続される。ここで、コイル46が、特許請求の範囲に記載の「ソレノイド」に対応する。
ヨーク44は、コイルカバー47の上面側に環状の鍔部を持ち、その鍔部の内周から下方に伸びる円筒部44aを有する、謂わば、フランジ付き円筒の形状である。コイルカバー47の上面とヨーク44の鍔部の下面との間にシール部材49が配置され、コイルカバー47の下面と固定コア42の上面との間にシール部材50が配置される。これらのシール部材49,50によって下部ハウジング12及びアクチュエータケース13に形成した開口部12c,13bから駆動部41の内部空間に水や塵が入り込むのを阻止することができる。
ヨーク44の円筒部の内周面には、薄肉円筒状の軸受け部材51が上下方向に摺動自在に嵌合しており、この軸受け部材51の上端には径方向内向きに折り曲げられた上部フランジ51aが形成されるとともに、下端には径方向外向きに折り曲げられた下部フランジ51bが形成されている。
下部フランジ51bとヨーク44の円筒部44aの下端との間には、セットばね52が圧縮状態で配置されており、このセットばね52の弾性力で軸受け部材51の下部フランジ51bを下方に付勢して、下部フランジ51bの下面と固定コア42との間に配された弾性体53を介して、固定コア42の上面に押し付けることで、軸受け部材51がヨーク44にて支持される。
軸受け部材51の内周面には、略円筒状の可動コア54が上下方向に摺動自在に嵌合する。更に、固定コア42及び可動コア54はそれぞれ軸線LA上の中心部が中空になっており、そこに前記した可動部材28の中心部(軸線LA上)に接続して下方に伸びる略円柱状のロッド55が挿通されている。ロッド55の下端部にはナット56が締結される。ナット56は、中心部に上端が開口した中空部を有し、その中空部にロッド55の下端側を収容している。ナット56の上端部56aは、その下方よりもやや外径が大きく、上端部56aの上面が可動コア54のばね座54aの下面と当接するようになっている。
また、可動コア54のばね座54aと可動部材28の下面との間には、圧縮状態のセットばね58が配置され、このセットばね58の弾性力で可動コア54は下方に付勢され、可動コア54の前記ばね座54aの下面がナット56の上端部56aの上面に押し付けられて固定される。この状態で、可動コア54の円筒部の円錐の周面形状の内周面と固定コア42の円錐の周面形状の外周面とが、円錐の周面状のギャップgを介して対向している。
ロッド55に対し、ナット56は固定コア42の中心に形成された開口42a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口42aは、ゴム製のキャップ60で閉塞される。
(アクティブ・コントロール・マウントの作用)
駆動部41のコイル46は、ACM_ECU200Aからの給電制御により励磁され、可動コア54を吸引して可動部材28を下方側に移動させる。この可動部材28の移動に伴い、第2液室31を区画する第2弾性体27が下方に変形して第2液室31の容積が増加する。逆に、コイル46を消磁すると、第2弾性体27が自己の弾性により上方に変形し、可動部材28及び可動コア54が上昇し、第2液室31の容積が減少する。
しかして、車両の走行中に低周波数(例えば、7〜20Hz)のエンジン、車体、サスペンションの連成系において車体の剛体振動とエンジン系の共振により発生する低周波振動であるエンジンシェイク振動が発生したとき、エンジンからダイヤフラム支持ボス20及び第1弾性体支持ボス18を介して入力される荷重で第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化すると、連通路32を介して接続された第1液室30及び第3液室35の間で液体が流通する。この状態で、第1液室30の容積が拡大・縮小すると、それに応じて第3液室35の容積は縮小・拡大するが、この第3液室35の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、連通路32の形状及び寸法、並びに第1弾性体19のばね定数は、前記エンジンシェイク振動の周波数領域で低ばね定数及び高減衰力を示すように設定されているため、エンジンから車体フレームに伝達される振動を効果的に低減することができる。
なお、前記エンジンシェイク振動の周波数領域では、エンジンが定常回転の場合は、駆動部41は駆動しない非作動状態に保たれる。
前記エンジンシェイク振動よりも周波数の高い振動、すなわちエンジンの図示しないクランクシャフトの回転に起因するアイドル時の振動や、エンジンの気筒の一部を休止してエンジンを駆動する気筒休止運転時の振動が発生した場合、第1液室30及び第3液室35を接続する連通路32内の液体はスティック状態になって防振機能を発揮できなくなるため、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRの駆動部41,41を駆動して防振機能を発揮させる。
ちなみに、アイドル振動は、アイドル回転状態でフロア、シート及びステアリング・ホイールが低周波振動を起こすもので、ブルブル振動は4気筒エンジンで、例えば、20〜35Hz、6気筒エンジンで、例えば30〜50Hzであり、ユサユサ振動は5〜10Hzで燃焼不均一にて発生し、エンジンのロール振動が主な要因である。
そこで、駆動部41,41を駆動するため、図1に示すアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを含む能動型防振支持装置301では、ACM_ECU200Aが、クランクパルスセンサ(センサ)Sa(図1中、「CRKセンサSa」と表示し、以下、「CRKセンサSa」と称する)からのクランクパルス信号、TDCセンサ(センサ)SbからのTDCパルス信号、後記する気筒休止信号にもとづき、目標電流値波形を算出し、目標電流値波形をサンプリングしたPWM制御用のACM駆動目標電流値を、後記する駆動制御部238A,238B(図3参照)に出力する。そして、駆動制御部238A,238Bは、コイル46,46に対する通電をフィードバック制御する。
ここで、CRKセンサSa及びTDCセンサSbは、特許請求の範囲に記載の「エンジンの回転変動を検出するセンサ」に対応する。
アクティブ・コントロール・マウントMの駆動部41は、図2に示すコイル46に電流が通電されていない状態のとき、可動部材28は、第2弾性体27の自己の弾性復元力によって上動する。そして、ナット56が可動コア54を押し上げ、可動コア54と固定コア42との間にギャップgが形成される。
一方、ACM_ECU200Aからコイル46に電流が通電されると、コイル46が発生させた磁束線がヨーク44、可動コア54、更にギャップgを上下に貫通して、固定コア42、コイル46に戻る閉じた回路を形成することによって、可動コア54が下方に吸引され、移動する。このとき、可動コア54は可動部材28の下方に接続するロッド55に固定されるナット56を介して、可動部材28を下方に移動させ、第2弾性体27が下向きに変形する。その結果、第2液室31(図1参照)の容積が増加するため、エンジン(図1参照)からの押し荷重で圧縮された第1液室30の液体が隔壁部材29の連通孔29aを通過して第2液室31に流入し、エンジンから車両に伝達される荷重を低減することができる。
逆に、コイル46への通電を止めると、可動コア54は下への吸引力から解放され、下向きに変形していた第2弾性体27が自身の弾性力で上方位置に戻ろうとし、ロッド55に固定されるナット56を介して、可動コア54が上方に引っ張られ、移動する。その結果、ギャップgが形成される。このとき、第2弾性体27が上方に移動する結果、第2液室31の容積が減少するため、エンジンからの引き荷重で減圧された第1液室30へ隔壁部材29の連通孔29aを通過して第2液室31の液体が流入し、エンジンから車両に伝達される荷重を低減することができる。
以上のように、ACM_ECU200Aは、コイル46へ通電する電流値を制御することで可動部材28の上下動を制御でき、エンジンのロール振動を車体フレームに伝えないように防振機能を発揮することができる。
以下に、エンジンECU100とACM_ECU200Aの機能構成を詳細に説明する。
《エンジンECUの構成》
次に、図3を参照し、適宜図1、図2を参照しながらエンジンECUの構成を説明する。図3は、第1の実施形態に係る能動型防振支持装置の構成を示す機能ブロック図である。
なお、本第1の実施形態に係る能動型防振支持装置と、後記する第2の実施形態に係る能動型防振支持装置との違いは、第2の実施形態に係る能動型防振支持装置では、ACM_ECU200Aの代わりにACM_ECU200Bとなる点だけであり、他の構成は同じである。
エンジンECU100は、ECU電源回路100a、マイクロコンピュータ100b、ROM(図示せず)、各種センサからの信号接続用のインタフェース回路や、気筒休止ソレノイド111A,111B,111Cを駆動する駆動回路(図示せず)や、ACM電源スイッチ112を通電させるリレースイッチ100c、CAN通信部100d等の各種インタフェース回路を含んで構成されている。
そして、エンジンECU100は、ACM_ECU200Aとの専用信号線である、クランクパルス信号線101、TDCパルス信号線102、気筒休止信号線104で接続され、更に、ACM_ECU200A及び他のECU、例えば、操舵トルクを電動機の補助力でアシスト制御する電動パワステアリングECU等と、バス型のCAN通信線103で接続されている。
マイクロコンピュータ100bは、ROMに内蔵されたプログラムを読み出して実行することにより実現される機能部である、エンジン回転速度演算部210、要求出力演算部211、気筒数切替判定部212及び燃料噴射制御部213、エンジン制御パラメータ送受信部214を含んで構成されている。
エンジン回転速度演算部210は、CRKセンサSa、TDCセンサSbからの信号にもとづいてエンジン回転速度Neを算出し、要求出力演算部211に出力する。
要求出力演算部211は、主に、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルポジション・センサS8からの信号や車速を検出する車速センサS1からの信号、エンジン回転速度演算部210で算出されたエンジン回転速度Ne等にもとづいて、減速段を推定し、現在のエンジン出力トルクを推定し、要求トルクを算出したり、それに応じた吸気量を算出し、スロットルバルブ・アクチュエータAC1を制御したりする。
なお、要求出力演算部211における要求トルクに応じた吸気量の算出に当たっては、例えば、水温センサS3からのエンジン冷却水の水温、スロットルポジション・センサS4からのスロットル開度、吸気温センサS5からの吸気温度、エアフローセンサS6からの吸気流速、圧力センサS7からの吸気圧等が用いられる。
気筒数切替判定部212は、例えば、エンジン回転速度Neや、車速や、要求出力演算部211で算出された現在の推定トルクや要求トルクを用いて、出力トルクの小さい巡航状態を判別する。そして、気筒数切替判定部212は、出力トルクの小さい巡航状態のようなエンジンの運転状態と判別したとき、予め設定されたエンジン回転速度や要求トルク等をパラメータにした気筒数決定マップ(図示せず)にもとづいて、運転状態の気筒数を切替える。具体的には、バルブ休止機構の油圧アクチュエータ(図示せず)を動作させる気筒休止ソレノイド111A,111B,111Cの内の1つまたは2つを通電状態にして、4気筒運転または3気筒運転の気筒休止状態に切替制御する。
ちなみに、気筒休止ソレノイド111Aが通電したとき、6気筒の内の#1、#2、#3気筒が気筒休止状態となり、気筒休止ソレノイド111Bが通電したとき、#3気筒が気筒休止状態となり、気筒休止ソレノイド111Cが通電したとき、#4気筒が気筒休止状態となる。従って、4気筒運転の場合は、気筒休止ソレノイド111B,111Cを通電状態とし、3気筒運転の場合は、気筒休止ソレノイド111Aのみを通電状態とする。
また、気筒数切替判定部212は、気筒休止状態にしたとき、気筒休止対象の気筒を示す信号である気筒休止信号を、気筒休止信号線104を介してACM_ECU200Aの後記するエンジン回転モード判定部233に出力する。
燃料噴射制御部213は、要求出力演算部211において算出された要求トルクや、エンジン回転速度Neに応じて、燃料噴射量、具体的には、燃料噴射時間を設定し、CRKセンサSaやTDCセンサSbからパルス信号のタイミングとエンジン回転速度に応じて予め設定された噴射開始のタイミングマップ(図示せず)にもとづいて、運転状態の気筒のインジェクタFIに対して燃料噴射の制御を行う。
燃料噴射制御部213は、O2センサS2からの排気ガス中の酸素濃度の信号にもとづいて、燃料噴射量を調節し、排気ガス規制に適合するような燃焼状態に調節する。
ちなみに、エンジン制御パラメータ送受信部214は、マイクロコンピュータ100bからACM_ECU200Aへ、エンジン回転速度演算部210で算出したエンジン回転速度Neや、車速や、アクセルポジション・センサ信号SACをCAN通信で出力する。また、エンジン制御パラメータ送受信部214は、例えば、電動パワステアリングECU(図示せず)等にエンジン回転速度Neや、車速や、エンジン推定出力トルク等のパラメータをCAN通信で出力する。更に、エンジン制御パラメータ送受信部214は、VSA(車両挙動安定化制御システム:Vehicle Stability Assist)ECU(図示せず)から、加速時アンダステアを検出してエンジンの出力トルク抑制の指示信号を受信したりする。
また、マイクロコンピュータ100bの機能部として、その他に、バッテリBからの電源が、イグニッション・スイッチ113(以下、「IG−SW113」と称する)が、イグニッション・オンの位置にターンされて、ECU電源回路100aに給電された後、マイクロコンピュータ100bが動作開始して、ACM電源スイッチ112のソレノイドを通電状態にするリレースイッチ100cを動作させるACM電源リレー信号出力部215を含んでいる。
図3に示すようにIG−SW113がイグニッション・オンの位置にターンされると、エンジンECU100、ACM_ECU200Aにも通電され、ACM電源リレー信号出力部215がリレースイッチ100cをオン状態にし、ACM電源スイッチ112が通電状態となる。その結果、後記する昇圧回路120を介して駆動回路121A,121BにバッテリBからの直流電源が接続される。
《ACM_ECUの構成》
次に、図3から図5を参照しながらACM_ECUの構成について説明する。ACM_ECU200Aは、ECU電源回路200a(図3中、「ECU電源200a」と表示)、マイクロコンピュータ200b、ROM(図示せず)、エンジンECU100からの信号接続用のインタフェース回路や、CAN通信部200c等の各種インタフェース回路、昇圧回路120、駆動回路121A,121B、電流センサ123A,123Bを含んで構成されている。そして、ACM_ECU200Aは、車両の車室内に配置され、昇圧回路120、駆動回路121A,121Bからの放熱を車室内の温度を制御する空調装置により処理するようになっている。
ACM_ECU200Aの各機能構成ブロックの機能は、ROM(図示せず)に記憶されたプログラムをマイクロコンピュータ200bが実行することで実現される。具体的には、CAN通信制御部231、クランクパルス間隔演算部232、エンジン回転モード判定部233、振動状態推定部(駆動周波数決定手段、エンジンの振動状態推定手段)234、位相検出部235、駆動電流演算部(目標電流値波形設定手段)236A、昇圧回路制御部(目標電圧決定手段)237A、駆動制御部238A,238Bを含んで構成されている。
ここで、ECU電源200a、マイクロコンピュータ200b、昇圧回路120、駆動回路121A,121Bが、特許請求の範囲に記載の「ソレノイド駆動装置」を構成する。
CAN通信部200cは、ACM_ECU200Aに送信された信号データ、例えば、エンジン回転速度Neを示す信号や、運転者のアクセル踏み込み量の信号であるアクセルポジション信号SACを読出し、CAN通信制御部231に出力する。CAN通信制御部231は、エンジン回転速度Neを示す信号や、アクセルポジション信号SACをエンジン回転モード判定部233に出力する。
クランクパルス間隔演算部232は、マイクロコンピュータ200bの内部クロック信号とエンジンECU100からのクランクパルス信号及びTDCパルス信号により、クランクパルスの間隔を算出する。
エンジン回転モード判定部233には、エンジンECU100からのエンジン回転速度Neを示す信号、休筒している気筒を示す休筒信号、アクセルポジション信号SAC、クランクパルス間隔演算部232で算出されたクランクパルス間隔が入力される。
エンジン回転モード判定部233は、これらの信号にもとづいて、エンジンの回転モードをエンジン始動時のエンジン発動を検出してエンジン起動状態と判定したり、その後、エンジン回転速度Neの上昇を監視して所定のエンジン回転速度以上に達したときアイドリング運転状態と判定したり、休筒信号にもとづいてエンジンの運転状態が全筒運転状態か2筒休筒運転状態か、3筒休筒運転状態かを判定したり、アクセルポジション・センサ信号にもとづいてアイドリング運転状態と判定したりする。
振動状態推定部234は、エンジン回転モード判定部233からの回転モードの判定がアイドリング運転状態や、全筒運転状態、休筒運転状態の場合、その判定にもとづいて、クランクパルス間隔からクランク軸の回転変動を検出することとし、回転変動のP−P値(ピークから次のピークまでの間隔)から、エンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期、つまり、駆動部41を伸縮駆動させる駆動周波数fDVを求め、位相検出部235及び駆動電流演算部236Aに駆動周波数fDV、及びエンジン振動の大きさ、クランク軸の回転変動のピークのタイミング等を出力する。また、振動状態推定部234は、駆動周波数fDVを昇圧回路制御部237Aに入力する。
このとき、振動状態推定部234は、エンジン回転モード判定部233から入力された、エンジンの回転モードのフラグ信号に応じて、エンジン振動の大きさ、駆動周波数fDVを算出して出力する。例えば、ここではV型6気筒エンジンなので、全筒運転状態の場合は、エンジン振動3次とし、3筒休筒運転状態の場合はエンジン振動1.5次として推定する。この振動状態の推定方法については、例えば、2003年9月18日開催の自動車技術会秋季学術講演会の前刷集の「111 アクティブエンジンマウントの開発」に記載された公知の技術なので詳細な説明は省略する。
位相検出部235は、アイドリング運転状態や、全筒運転状態、休筒運転状態の場合は、振動状態推定部234からのクランク軸の回転変動のP−P値、回転変動のピークのタイミングと、エンジンECU100からのクランクパルス信号、各気筒のTDCパルス信号と、にもとづいて、クランク軸の回転変動のピークのタイミングとTDCのタイミングを比較し、位相の算出を行い、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できる位相遅れを駆動電流演算部236Aに出力する。
ここで、前記したエンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期、位相遅れが、特許請求の範囲に記載の「駆動要求情報」に対応する。
駆動電流演算部236Aは、それを受けて前記エンジン振動3次、またはエンジン振動1.5次に合わせて、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できる振動抑制動作となるように、目標電流値波形を生成し、駆動電流を実際に出力するまでの間に目標電流値波形をサンプリングして、PWM制御用のACM駆動目標電流値を取得して、駆動制御部238A,238Bに出力する。
(昇圧回路制御部)
次に、図3、図4を参照しながら本実施形態における特徴部分である昇圧回路制御部237Aについて説明する。図4は、駆動周波数fDVに応じて設定される目標電圧値V*の説明図である。
昇圧回路制御部237Aは、予め駆動周波数fDVに対応させて設定された目標電圧値V*が記憶されている目標電圧値データ部(目標昇圧電圧値記憶手段)237aを有している。
昇圧回路制御部237Aは、振動状態推定部234から入力された駆動周波数fDVを参照して、目標電圧値データ部237aの目標電圧値V*のデータ(図4におけるV*で示した曲線)にもとづき、目標電圧値V*を決定して、昇圧回路120の後記するマイクロコンピュータ250の電圧制御部250a(図5参照)に入力する。
例えば、目標電圧値データ部237aの目標電圧値V*のデータは、離散的な駆動周波数fDVをパラメータにしたルックアップテーブルの形式とする。そして、昇圧回路制御部237Aが、駆動周波数fDVを参照して前記したルックアップテーブルを検索し、目標電圧値V*を補間算出する。
もしくは、目標電圧値データ部237aの目標電圧値V*のデータは、駆動周波数fDVを引数にした関数形式とする。そして、昇圧回路制御部237Aが、駆動周波数fDVにもとづいて目標電圧値V*を算出するとしても良い。
このような方法で目標電圧値データ部237aの目標電圧値V*のデータから目標電圧値V*を算出することが、特許請求の範囲に記載の「目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する」に対応する。
ちなみに、図4においては、横軸は駆動周波数fDV[Hz]を示し、縦軸は昇圧回路120が供給する電流I、電圧V、電力Wを示している。図4において、VBはバッテリ電圧を示す。VRqはその駆動周波数fDVにおいて予め実験的に得られたエンジン振動特性にもとづいてアクティブ・コントロール・マウントMF,MRに要求される要求電圧値のデータを意味し、それは、取りも直さず前記した駆動周波数fDVに依存して前記目標電圧値V*として目標電圧値データ部237aに記憶されているものである。同様に、要求電流値IRqは、その駆動周波数fDVにおいて予め実験的に得られたエンジン振動特性にもとづいてアクティブ・コントロール・マウントMF,MRに要求される目標電流値波形の最大値である。
そして、前記目標電圧値V*は、駆動周波数fDVが高くなるにつれて、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRのコイル(ソレノイド)46において生じる逆起電圧に抗して、前記した要求電流値IRqを昇圧回路120に供給可能なように予め設定されている。
なお、参考までに、図4において、駆動周波数fDVに依存する要求電圧値VRqの最大値をVmaxで示し、前記した要求電圧値VRqと要求電流値IRqの積である要求電力をWRqで、昇圧回路120が供給する実際の電力をWoで示す。本実施形態では、Wo=WRqである。
また、従来のように、前記した目標電圧値V*をVmaxと一定値にした場合の昇圧回路120が供給する実際の電力を「従来の電力」と表示してある。
(昇圧回路)
次に、図5を参照しながら、適宜、図1、図3、図4を参照して、昇圧回路120の詳細構成について説明する。図5は、ACM_ECUにおける昇圧回路の構成を示す詳細機能ブロック図である。
ACM電源スイッチ112に通電状態のとき、バッテリB(図3参照)またはオルタネータからの供給される直流電源は、昇圧回路120と接続状態となる。昇圧回路120は、例えば、昇圧チョッパ回路で構成され、マイクロコンピュータ250、リアクトルL、スイッチング素子253、ダイオードD、コンデンサC、前記コンデンサCに掛かる電圧を出力側(+側)と接地間に設けられた抵抗R1、R2の中間点からの電圧値V0を検出する電圧センサ、電流値Iを検出する電流センサ、A/D変換器255,256等を含んで構成されている。
ちなみに、図5ではスイッチング素子253として、例えば、Nチャンネル型のMOSFETを用いる例を示し、マイクロコンピュータ250に制御されてMOSFETのゲート電圧を制御するゲート駆動回路251の出力側が、スイッチング素子253のゲート端子に接続している。
また、前記した電圧センサの信号は、A/D変換器256でデジタル値に変換され、マイクロコンピュータ250の後記する電流制御部250aに入力される。電流値Iを検出する電流センサの信号は、A/D変換器255でデジタル値に変換され、マイクロコンピュータ250の後記する電流制御部250bに入力される。
マイクロコンピュータ250は、図示省略のROM、RAM、入出力インタフェースを含み、ROMに予め内蔵されたプログラム及びデータによって実行される機能ブロックである電圧制御部250a、電流制御部250b、前記したゲート駆動回路251へ出力するデューティ信号を生成するPWM制御部250cを有している。
電圧制御部250aは、昇圧回路制御部237Aから入力された目標電圧値V*と、前記電圧センサからの電圧値V0との偏差に応じて、デューティ比を設定し、電流制御部250bに出力する。電流制御部250bは、前記電流センサからの電流値Iに応じて、電圧制御部250aで設定されたデューティ比を補正し、電流制御部250bに出力する。PWM制御部250cは、電流制御部250bから入力されたデューティ比にもとづくデューティ信号を生成してゲート駆動回路251に出力する。
この結果、昇圧回路120は、昇圧回路制御部237Aから入力された目標電圧値V*となる電力Wo(図4参照)を駆動回路121A,121Bに供給する。
駆動回路121A,121Bはスイッチング素子で構成され、駆動制御部238A,238BにPWM制御のON,OFFを制御されてアクティブ・コントロール・マウントMF、MRの駆動部41,41(図1参照)へ給電する電流値を制御する。駆動回路121A,121Bから給電される電流値は、電流センサ123A,123Bでそれぞれ検出され、駆動制御部238A,238Bに入力される。
駆動制御部238A,238Bは、それぞれのACM駆動目標電流値と計測されたそれぞれの電流値の偏差を取り、偏差に応じて、次のPWM制御の周期の新たなACM駆動目標電流値に対するPWMデューティ指令を補正して駆動回路121A,121Bへ出力する。
このように、駆動制御部238A、238Bは、ACM駆動目標電流値に対するPWMデューティ指令をフィードバックして出力することにより、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRの駆動部41,41に給電する。
次に、図6を参照しながら適宜図4を参照して、本実施形態の効果について説明する。図6は、第1の実施形態の効果の説明図であり、(a)は、昇圧回路によりバッテリ電圧VBから駆動周波数に応じた電圧値まで昇圧させる要求電圧値VRqの曲線と、要求電圧値VRqの最大値Vmaxと、要求電圧値VRqを設定したときに想定した目標電流値波形の最大値である駆動周波数に応じた要求電流値IRqの曲線と、要求電圧値VRqと要求電流値IRqの積である要求電力WRqの曲線、従来技術における要求電圧値VRqの最大値Vmaxで常時昇圧回路120から電力を供給する場合の従来の電力の曲線と、を示す図、(b)は、要求される駆動電流用の目標電流値波形における最大値IRqの駆動周波数f1における最大目標電流値I1を例示する図である。
図6において、横軸は駆動周波数fDV[Hz]を示し、縦軸は昇圧回路120が供給する電流I、電圧V、電力Wを示している。図6において図4と同じ符号を付した曲線、直線に対して重複する説明を省略する。
そして、前記目標電圧値V*は、駆動周波数fDVが高くなるにつれて、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRのコイル(ソレノイド)46において生じる逆起電圧に抗して、前記した要求電流値IRqを昇圧回路120に供給可能なように予め設定されている。
本実施形態によれば、ACM_ECU200Aの昇圧回路制御部237Aは、駆動周波数fDV、つまり、エンジン振動特性の振動周波数に応じて、昇圧回路120が要求電圧値VRq及び要求電流値IRqに対応した目標電圧値V*(図4参照)で電力Wo(図4参照)を出力するように追従制御する。
駆動周波数fDV[Hz]の低い領域、例えば、駆動周波数f1[Hz]では、図6の(b)に示すような要求される駆動電流用の目標電流値波形における最大値IRqとして、例えば、最大目標電流値I1に対しては、必要な要求電圧値VRqの値はV1で十分なので昇圧回路120ではV1までしか昇圧せず、ソレノイド磁石を駆動するのに必要な要求電力WRqの値W1が供給されることになる。
その結果、従来のように要求電圧値VRqの最大値Vmaxの一定目標電圧値で昇圧回路120を制御した従来の場合の供給電力W1’と前記本実施形態における供給電力W1との差分(W1’―W1)で例示したように、つまり、図6の(a)においてドットで示した「余剰電力領域」のように、駆動周波数fDVの低い領域において、昇圧回路120や、駆動回路121A,121Bにおいて無駄に発熱して消費される電力を無くすことができる。
また、ACM_ECU200Aからの放熱、特に、昇圧回路120、駆動回路121A,121Bからの放熱が低減される。
また、例えば、エンジンのアイドリング運転状態におけるエンジンの振動周波数は、低周波数であることから、それに応じた低い目標電圧値V*に制御され、昇圧回路120や、駆動回路121A,121Bの温度が従来よりも低くなる。
エンジンの休筒運転状態は、走行中にしか発生しないエンジンの運転状態であり、つまり、車両に乗員が搭乗した状態である。これに対し、アイドリング運転状態は、無人で放置され、車室の空調装置が必ずしも運転状態になっているとは限らないので、ACM_ECU200Aの構成部品の温度仕様としては、より厳しい高温状態を想定する必要がある。その場合に、従来のように目標電圧値Vmaxに昇圧して、無駄に給電制御することがないので、その分、ACM_ECU200Aの構成部品に対する温度仕様を低下でき、ACM_ECU200Aを小型化、軽量化できる。
《変形例》
次に、図7を参照しながら本実施形態の変形例について説明する。図7は、第1の実施形態の変形例の説明図である。図7において、横軸は駆動周波数fDV[Hz]を示し、縦軸は昇圧回路120が供給する電流I、電圧V、電力Wを示している。図7において図4と同じ符号を付した曲線、直線に対して重複する説明を省略する。
前記した第1の実施形態では、昇圧回路制御部237Aにおいて、駆動周波数fDVに応じて目標電圧値V*を連続的に要求電圧値VRqに対応させて設定するものとしたがそれに限定されるものではない。
図7に示すように駆動周波数fDVに応じて連続的に変化する要求電圧値VRqに対して、所定の駆動周波数f1を境界として、駆動周波数f1以下の低周波数領域RFAと、駆動周波数f1より大きい周波数の高周波数領域RFBとに分け、低周波数領域RFAでは駆動周波数f1における要求電圧値VRqの値を目標電圧値V1 *とし、高周波数領域RFBでは要求電圧値VRqの最大値を目標電圧値V2 *とする。このように目標電圧値V*を簡単な2段階とすることで、昇圧回路120のマイクロコンピュータ250における電圧制御部250aでの制御が簡単となり、要求電力WRqに対する追従性を高めることができる。そして、このような簡単化した目標電圧値V*の制御でも、図7に破線で示す昇圧回路120に供給される電力Woは、低周波数領域RFAにおいて「従来の電力」と表示した一点鎖線の昇圧回路120に供給される電力よりも大きく無駄な電力が低減できる。ちなみに、高周波数領域RFBにおいては、「従来の電力」と表示した一点鎖線と同じ電力が昇圧回路120に供給される。
《第2の実施形態》
次に、図8、図9を参照しながら適宜、図1を参照して第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態に係る能動型防振支持装置の構成を示す機能ブロック図である。
第2の実施形態に係る能動型防振支持装置は、第1の実施形態における能動型防振支持装置と、ACM_ECU200Aの代わりにACM_ECU200Bとなる点だけ異なり、他の構成は同じである。
具体的には、本実施形態におけるACM_ECU200Bでは、駆動電流演算部236Aが駆動電流演算部(目標電流値波形設定手段、目標電流値波形最大値検出手段)236Bに代わり、昇圧回路制御部237Aが昇圧回路制御部(目標電圧決定手段、差分算出手段、目標電圧補正手段)237Bに代わる。第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
駆動電流演算部236Bは、第1の実施形態と同様にアクティブ・コントロール・マウントMF,MRそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できる振動抑制動作となるように、目標電流値波形を生成し、駆動電流を実際に出力するまでの間に目標電流値波形をサンプリングして、PWM制御用のACM駆動目標電流値を取得して、駆動制御部238A,238Bに出力する。
更に、駆動電流演算部236Bは、更に、アクティブ・コントロール・マウントMF,MR用にそれぞれ生成した目標電流値波形における最大値を取得して、それぞれの目標電流値波形における最大値、2つのうちの大きい方の最大値を目標電流値I*として昇圧回路制御部237Bに入力する。
昇圧回路制御部237Bは、図8に示すように目標電圧値データ部237aに加えて、規範最大目標電流値データ部237bと、目標電圧値補正マップ237cとを有している。
規範最大目標電流値データ部237bは、駆動周波数fDVに応じて予め設定された目標電圧値V*のデータを設定するときに前提とした、目標電流値波形における駆動周波数fDVに応じた最大値(以下、「規範最大目標電流値」と称する)をデータとして記憶させたものである。これは、第1の実施形態において図4で説明した要求電流値IRqのデータに対応する。
目標電圧値補正マップ237cは、目標電圧値V*を駆動周波数fDVと後記する差分ΔI(図9参照)に応じて補正するためのマップである。駆動電流演算部236Bから入力された目標電流値I*を受け、昇圧回路制御部237Bにおいて、目標電流値I*とそのときの駆動周波数fDVにおける前記した規範最大目標電流値の値との差分ΔIを算出し、駆動周波数fDVと差分ΔIを参照して、目標電圧値V*の補正量を算出可能に構成されている。
ちなみに、目標電圧値補正マップ237cは、駆動周波数fDVと差分ΔIとをパラメータにして、目標電圧値V*の補正量を算出する3次元マップである。そして、目標電圧値V*の補正量は、例えば、同じ値の負の差分ΔIの値に対して駆動周波数fDVが増加するほど正の方向に大きくなる傾向を有する。逆に、目標電圧値V*の補正量は、同じ値の正の差分ΔIの値に対して駆動周波数fDVが増加するほど負の方向に大きくなる傾向を有する。
次に、図9を参照しながら、適宜、図4、図5、図8を参照して目標電圧値V*の補正方法について説明する。図9は、第2の実施形態における目標電圧値V*の決定制御の流れを示すフローチャートである。
スッテップS01では、振動状態推定部234(図8参照)は、エンジン回転モード判定部233からの回転モードの判定とクランクパルス間隔演算部232からのクランクパルス間隔にもとづいてエンジン振動状態を推定演算する。具体的には、エンジン振動の大きさと、エンジン振動の周期、つまり、エンジン振動を抑制するためにアクティブ・コントロール・マウントMF,MRを振動抑制動作させるための駆動周期fDVを算出する。
ステップS02では、位相検出部235(図8参照)は、アイドリング運転状態や、全筒運転状態、休筒運転状態の場合は、振動状態推定部234からのクランク軸の回転変動のP−P値、回転変動のピークのタイミングと、エンジンECU100からのクランクパルス信号、各気筒のTDCパルス信号とにもとづいて、クランク軸の回転変動のピークのタイミングとTDCのタイミングを比較し、位相の算出を行い、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できる位相遅れを算出する(「位相遅れ検出」)。
ステップS03では、駆動電流演算部236B(図8参照)は、アクティブ・コントロール・マウントMF,MRそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できる振動抑制動作となるように、目標電流値波形を生成する(「目標電流値波形生成」)。
ステップS04では、駆動電流演算部236Bは、アクティブ・コントロール・マウントMF,MR用にそれぞれ生成した目標電流値波形における最大値を取得して、それぞれの目標電流値波形における最大値、2つのうちの大きい方の最大値を目標電流値I*と決定する(「MF,MRそれぞれの目標電流値波形の最大値のうちの大きい値を目標電流値I*と決定」)。そして、駆動電流演算部236Bは、決定した目標電流値I*を昇圧回路制御部237Bに入力する。
ステップS05では、昇圧回路制御部237B(図8参照)は、振動状態推定部234から入力された駆動周波数fDVを参照して、目標電圧値データ部237aの目標電圧値V*のデータ(図4におけるV*で示した曲線)にもとづき、目標電圧値V*を決定する(「駆動周波数fDVにおける目標電圧値V*を決定」)。
ステップS06では、昇圧回路制御部237Bは、振動状態推定部234から入力された駆動周波数fDVを参照して、規範最大目標電流値データ部237bの規範最大目標電流値のデータ(図4におけるIRqで示した曲線)にもとづき、規範最大目標電流値を取得する(「駆動周波数fDVにおける規範最大目標電流値を取得」)。
ステップS07では、昇圧回路制御部237Bは、差分ΔI=(規範最大目標電流値)−(目標電流値I*)を算出する。
ステップS08では、昇圧回路制御部237Bは、差分ΔIの絶対値が所定の閾値ε以下か否かを判定する。差分ΔIの絶対値が所定の閾値ε以下の場合(Yes)は、ステップS10へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS09へ進む。
ここで、閾値εは、ステップS05において決定した目標電圧値V*を補正する必要があるか否かを判定するための閾値である。駆動周波数fDVによって、ステップS05で決定された目標電圧値V*の余裕(マージン)の中で吸収可能な負の差分ΔIの値の範囲が異なる。つまり、目標電圧値V*のデータを予め設定するときに供給可能な最大電流値に余裕(マージン)を持たせるのが普通であるが、駆動周波数fDVが高くなるほど、逆起電圧が大きいことから、同じ負の差分ΔIの値に対して、駆動周波数fDVが高くなるほど目標電圧値V*をより高い目標電圧値V*に補正して、目標電流値波形の最大値である目標駆動電流値I*まで昇圧回路120(図8参照)から駆動回路121A,121B(図8参照)へ供給可能にしてやる必要がある。従って、閾値εは、駆動周波数fDVに応じて設定するのが好ましい。
ステップS09では、昇圧回路制御部237Bは、ステップS01において算出された駆動周波数fDVと、ステップS07において算出された差分ΔIの値を参照して、目標電圧値補正マップ237cにもとづいて、目標電圧値V*の補正量を算出し、その補正量を目標電圧値V*に加算して新たな目標電圧値V*とする(目標電圧値V*「差分ΔIに応じて目標電圧値V*を、目標電圧値補正マップにもとづいて補正」)。
ステップS10では、昇圧回路制御部237Bは、目標電圧値V*を昇圧回路120に出力する。それを受けて、図5に示すように昇圧回路120のマイクロコンピュータ250の電圧制御部250aに目標電圧値V*が入力される。
以上により、目標電圧値V*の決定制御の処理が終了する。
本実施形態における標電圧値V*の決定制御のフローチャートにおけるステップS01が特許請求の範囲に記載の「エンジン振動の振動状態推定手段」と「駆動周波数決定手段」に対応し、ステップS03が特許請求の範囲に記載の「目標電流値波形設定手段」に対応し、ステップS04が特許請求の範囲に記載の「目標電流値波形最大値検出手段」に対応し、ステップS06,S07が特許請求の範囲に記載の「差分算出手段」に対応し、ステップS08,S09が特許請求の範囲に記載の「目標電圧補正手段」に対応する。
本実施形態によれば、例えば、実際のエンジン振動に応じた目標電流値波形の最大値である目標電流値I*が、規範最大目標電流値よりも閾値εを超える大きな値となった場合でも、負の差分ΔIと駆動周波数fDVに応じた目標電圧値V*を高くする補正がなされるので、駆動部41,41(図1参照)の応答性を一層高めることができる。また、実際のエンジン振動に応じた目標電流値波形の最大値である目標電流値I*が、規範最大目標電流値よりも閾値εを超えて下回った小さな値となった場合は、正の差分ΔIと駆動周波数fDVに応じた目標電圧値V*を低くする補正がなされるので、昇圧回路120や、駆動回路121A,121Bにおいて無駄に発熱して消費される電力を低減することができる。
本実施形態によれば、エンジンに用いられる燃料が、例えば、いわゆるレギュラーガソリンとハイオクガソリン等と車両の所有者の都合で変化して、エンジン振動特性が変化する場合や、エンジン振動特性の経年変化がある場合に、駆動周波数fDVに応じた目標電圧値V*を設定する段階で想定した要求電流値IRqである規範最大目標電流値が、駆動電流演算部236Bにおいて算出された実際のエンジン振動の抑制のための目標電流値波形の最大値よりも小さかった場合にも柔軟に対応でき、駆動部41,41の応答性を、当初目標としたレベルに維持することができる。
なお、本実施形態では、正の差分ΔIの値が駆動周波数fDVに応じた閾値εを超えた場合も、目標電圧値V*を低くする補正がなされることとしたが、それに限定されるものではなく、正の差分ΔIの値が駆動周波数fDVに応じた閾値εを超えた場合は、目標電圧値V*を補正しないように保守的な目標電圧値V*を決定する制御としても良い。
更に、本実施形態では、昇圧回路制御部237Bが目標電圧値データ部237a、規範最大目標電流値データ部237b、目標電圧値補正マップ237cを有し、まず、駆動周波数fDVに応じた目標電圧値V*を決め、更に、規範最大目標電流値データ部237bに格納された駆動周波数fDVに応じた規範最大目標電流値と駆動電流演算部236Bから入力された目標電流値I*との差分ΔIに応じて目標電圧値V*を補正する2段階の目標電圧値V*を決定する制御としたが、それに限定されるものではない。
昇圧回路制御部237Bの目標電圧値データ部237aが、駆動周波数fDV、目標電流値I*を引数として、目標電圧値V*を取得する関数またはマップで構成されるようにしても良い。その場合、規範最大目標電流値データ部237b、目標電圧値補正マップ237cは不要であることはいうまでもない。
本実施形態及びその変形例においては、本発明のソレノイド駆動装置を能動型防振支持装置に適用した例で説明したが、それに適用は限定されるものではなく、ソレノイドに通電制御することでアクチュエータを伸縮動作させるソレノイド駆動装置であれば、一般に適用可能であり、アクチュエータ駆動に用いられる電力の効率的な利用ができる。
41 駆動部(アクチュエータ)
46 コイル(ソレノイド)
100 エンジンECU
100b マイクロコンピュータ(ソレノイド駆動装置)
120 昇圧回路(ソレノイド駆動装置)
121A,121B 駆動回路(ソレノイド駆動装置)
200A,200B ACM_ECU(制御手段)
200a ECU電源回路
200b マイクロコンピュータ
232 クランクパルス間隔演算部
233 エンジン回転モード判定部
234 振動状態推定部(駆動周波数決定手段、エンジンの振動状態推定手段)
235 位相検出部
236A 駆動電流演算部(目標電流値波形設定手段)
236B 駆動電流演算部(目標電流値波形設定手段、目標電流値波形最大値検出手段)
237A 昇圧回路制御部(目標電圧決定手段)
237B 昇圧回路制御部(目標電圧決定手段、差分算出手段、目標電圧補正手段)
237a 目標電圧値データ部(目標昇圧電圧値記憶手段)
237b 規範最大目標電流値データ部
237c 目標電圧値補正マップ
238A,238B 駆動制御部
301 能動型防振支持装置
M,MF,MR アクティブ・コントロール・マウント
Sa クランクパルスセンサ(センサ)
Sb TDCセンサ(センサ)

Claims (6)

  1. 電源電圧を昇圧して電力を供給する昇圧回路と、該昇圧回路により昇圧され供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、を備えたソレノイド駆動装置において、
    前記アクチュエータを駆動するための駆動要求情報にもとづいて、前記アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、
    使用される前記駆動周波数の領域において、前記駆動周波数に対する前記ソレノイドに前記電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、前記決定された駆動周波数にもとづいて、前記目標電圧値を決定する目標電圧決定手段と、を備え、
    前記決定された目標電圧値が、前記昇圧回路に入力されて、前記ソレノイドの所要の電力が、前記昇圧回路から前記駆動回路に供給されることを特徴とするソレノイド駆動装置。
  2. 電源電圧を昇圧して電力を供給する昇圧回路と、該昇圧回路により昇圧され供給された電力を、ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、を備えたソレノイド駆動装置において、
    前記アクチュエータを駆動するための駆動要求情報にもとづいて、前記アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、
    使用される前記駆動周波数の領域において、前記駆動周波数に対する前記ソレノイドに前記電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、記駆動周波数に対応させた前記目標電圧値を予め記憶した目標昇圧電圧値記憶手段と、
    前記決定された駆動周波数を参照して、前記目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する目標電圧決定手段と、を備え、
    前記決定された目標電圧値が、前記昇圧回路に入力されて、前記ソレノイドの所要の電力が、前記昇圧回路から前記駆動回路に供給されることを特徴とするソレノイド駆動装置。
  3. エンジンを車体に支承するとともに、前記エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力にもとづいて前記エンジンの振動状態を推定する制御手段がソレノイドを用いたアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、
    バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、
    該昇圧回路により昇圧して供給された電力を、前記ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、
    エンジンの振動状態を推定するエンジンの振動状態推定手段と、
    前記推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、前記アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、
    使用される前記駆動周波数の領域において、前記駆動周波数に対する前記ソレノイドに前記電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、前記決定された駆動周波数にもとづいて、前記目標電圧値を決定する目標電圧決定手段と、を備え、
    前記決定された目標電圧値が、前記昇圧回路に入力されて、前記ソレノイドの所要の電力が、前記昇圧回路から前記駆動回路に供給されることを特徴とする能動型防振支持装置。
  4. エンジンを車体に支承するとともに、前記エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力にもとづいて前記エンジンの振動状態を推定する制御手段がソレノイドを用いたアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、
    バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、
    該昇圧回路により昇圧して供給された電力を、前記ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、
    エンジンの振動状態を推定するエンジンの振動状態推定手段と、
    前記推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、前記アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、
    使用される前記駆動周波数の領域において、前記駆動周波数に対する前記ソレノイドに前記電力を昇圧して供給するときの目標電圧値が、前記領域の少なくとも低周波数の部分では低くなるように、記駆動周波数に対応させた前記目標電圧値として記憶した目標昇圧電圧値記憶手段と、
    前記決定された駆動周波数を参照して、前記目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値を取得して決定する目標電圧決定手段と、を備え、
    前記決定された目標電圧値が、前記昇圧回路に入力されて、前記ソレノイドの所要の電力が、前記昇圧回路から前記駆動回路に供給されることを特徴とする能動型防振支持装置。
  5. 前記目標昇圧電圧値記憶手段は、前記目標電圧値を設定する際に想定される規範最大目標電流値をも記憶しており、
    前記制御手段は、
    前記推定された前記エンジンの振動状態にもとづいて、前記アクチュエータを駆動するために必要な目標電流値波形を設定する目標電流値波形設定手段と、
    前記設定された目標電流値波形における最大目標電流値を検出する目標電流値波形最大値検出手段と、
    前記検出された最大目標電流値と前記規範最大目標電流値との差分を算出する差分算出手段と、
    少なくとも前記検出された最大目標電流値が前記規範最大目標電流値よりも所定値以上大きいとき、前記差分に応じて前記目標電圧決定手段で決定された前記目標電圧値を補正する目標電圧補正手段と、を更に備え、
    必要に応じて前記目標電圧補正手段で補正された前記目標電圧値が前記昇圧回路に入力されることを特徴とする請求項4に記載の能動型防振支持装置。
  6. エンジンを車体に支承するとともに、前記エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力にもとづいて前記エンジンの振動状態を推定する制御手段がソレノイドを用いたアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、
    バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、
    該昇圧回路により昇圧され供給された電力を、前記ソレノイドを用いたアクチュエータに供給して駆動制御する駆動回路と、
    エンジンの振動状態を推定するエンジンの振動状態推定手段と、
    前記推定されたエンジンの振動状態にもとづいて、前記アクチュエータを駆動する駆動周波数を決定する駆動周波数決定手段と、
    前記推定された前記エンジンの振動状態にもとづいて、前記アクチュエータを駆動するために必要な目標電流値波形を設定する目標電流値波形設定手段と、
    前記設定された目標電流値波形における最大目標電流値を検出する目標電流値波形最大値検出手段と、
    前記アクチュエータを駆動する駆動周波数と、前記目標電流値波形における最大目標電流値をパラメータとして、前記ソレノイドに供給するのに必要な電圧を、目標電圧値の関数またはマップとして記憶した目標昇圧電圧値記憶手段と、
    前記決定された駆動周波数及び前記検出された目標電流値波形における最大目標電流値を参照して、前記目標昇圧電圧値記憶手段に記憶された目標電圧値の関数またはマップにもとづいて目標電圧値を決定する目標電圧決定手段と、を備え、
    前記決定された目標電圧値が、前記昇圧回路に入力されて、前記ソレノイドの所要の電力が、前記昇圧回路から前記駆動回路に供給されることを特徴とする能動型防振支持装置。
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