JP4806456B2 - 能動型防振支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のエンジンを車体に支承する能動型防振支持装置に関する。
特許文献1には、能動型防振支持装置の技術が開示されている。
前記特許文献1によれば、クランクパルス信号及びTDC(Top Dead Center)パルス信号に基づいてエンジンの燃料噴射弁(インジェクタ)の作動を制御するとともに、エンジンのバルブ休止機構の油圧アクチュエータの作動を制御することで全筒運転状態、気筒休止運転状態を切替えるエンジン制御ECU(Electric Control Unit)と、エンジンの振動が全筒運転状態と気筒休止運転状態とでは、エンジンの振動が異なるため、エンジン制御ECUから、クランクパルス信号、TDCパルス信号及び休止気筒を示す気筒休止信号を受信して、エンジン振動の1次振動や1.5次振動、2次振動の振動モードなどのエンジン振動周期の判定やエンジン振動の振幅の大きさや位相を演算し、エンジンの振動状態に応じた最適なアクティブ・コントロール・マウントの制御を行うACM(Active Control Mount)制御ECU(本発明の「制御手段」に対応)と、アクティブ・コントロール・マウントとから構成された能動型防振支持装置の技術が開示されている。
また、特許文献2には、モータ補助型ハイブリット車両において、モータ制振制御の作動状態に無関係に、アクティブ・マウント制御を最適に行う能動型防振支持装置の技術が開示されている。
前記特許文献2によれば、ジェネレータ・モータに供給されるモータ制振制御信号の有無に応じて、エンジンマウント制振制御用の波形を生成するための位相補正制御マップを持ち替えるようにする制御マップ持替器を備えているので、ジェネレータ・モータによる制振制御の状態に応じた最適なアクティブ・マウントの制御を行うことができる。
また、エンジン出力を補助するモータジェネレータを備えたハイブリッド車両において、更に、気筒休止運転を可能にするエンジンを組み合わせたものが知られている。このような組み合わせのハイブリッド車両では、モータアシストによる加速機能が加わるため、ハイブリッド車両ではない従来タイプの車両において気筒休止運転が可能なエンジンを搭載した車両において気筒休止運転状態が許容されていた車速よりも、より高車速領域まで気筒休止運転状態を許容することができるようになった。
その場合、より高車速領域まで広げた気筒休止運転状態領域においては、エンジン振動の振幅がより大きくなり、アルティブ・コントロール・マウントの振動吸収力を向上するため、ACM制御ECUに昇圧回路を搭載し、アクティブ・コントロール・マウントのアクチュエータに供給する駆動電圧をバッテリ電圧レベルから、例えば、24Vに昇圧して、エンジン振動の振幅の増大を相殺する変位を実現していた。
特開2008−057559号公報 特開2007−269049号公報
しかしながら、ACM制御ECUに昇圧回路を搭載したため、消費電力が大きくなり、前記した昇圧回路や、アクティブ・コントロール・マウントのアクチュエータにPWM制御で電流を供給する駆動回路等の発熱量が増大し、その放熱冷却という課題が生じるようになった。特に、ACM制御ECUを車両の車室に配置した場合、エンジンがアイドリング運転状態になって、車両が無人状態で暫く放置されるときに、ACM制御ECUからの放熱を十分除熱できない可能性があった。
そこで、本発明は、バッテリ電圧より昇圧してアクチュエータに電力を供給するACM制御ECUにおける、エンジンのアイドリング運転状態の放熱の問題を解決する能動型防振支持装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンを車体に支承するとともに、エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力に基づいてエンジンの振動状態を推定する制御手段がアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、制御手段は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路で昇圧された電圧で、アクチュエータへ給電制御することが可能な給電制御手段と、昇圧回路に昇圧停止信号を出力する昇圧回路制御手段と、を有し、制御手段は、エンジンを制御するエンジン制御装置からのエンジンのアイドリング運転状態を通知するエンジンアイドル中信号を受信したとき、昇圧回路制御手段に昇圧停止信号を出力させ、昇圧回路によるバッテリ電圧からの昇圧を停止して、給電制御手段にバッテリ電圧のまま給電制御を行わせることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、エンジンを制御するエンジン制御装置からのエンジンのアイドリング運転状態を通知するエンジンアイドル中信号を受信したとき、昇圧回路制御手段に昇圧停止信号を出力させ、昇圧回路によるバッテリ電圧からの昇圧を停止して、給電制御手段にバッテリ電圧のまま給電制御を行わせる。従って、制御手段は、推定されたエンジンの振動状態からエンジンがアイドリング状態か否かの判定をする必要がなく、簡単にエンジンがアイドリング運転状態であることを判定でき、制御が簡単になる。アイドリング運転状態のような低周波数のエンジン振動のときは、高周波で制御する必要がないので昇圧回路を経た後のバッテリ電圧よりも高い電圧によるアクチュエータの高速応答の制御は不要である。従って、昇圧回路の昇圧動作を停止させて、そのままバッテリ電圧でアクチュエータに給電制御することができ、エンジンのアイドリング運転状態における不要な昇圧回路や給電制御手段、つまり、駆動回路からの放熱が防止できる。
請求項2に係る発明の能動型防振支持装置は、エンジンを車体に支承するとともに、エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力に基づいてエンジンの振動状態を推定する制御手段がアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、制御手段は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路で昇圧された電圧で、アクチュエータへ給電制御することが可能な給電制御手段と、エンジンを制御するエンジン制御装置から、エンジンに入力されるアクセル踏み込み量の信号及びエンジン回転速度の信号のうちの少なくとも1つを受信して、エンジンのアイドリング運転状態を判定するアイドリング状態検出手段と、アイドリング状態検出手段がエンジンのアイドリング運転状態を検出したのを受けて、昇圧回路に昇圧停止信号を出力する昇圧回路制御手段と、を有し、制御手段は、アイドリング状態検出手段がエンジンのアイドリング運転状態を検出したとき、昇圧回路によるバッテリ電圧からの昇圧を停止して、給電制御手段にバッテリ電圧のまま給電制御を行わせることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、アイドリング状態検出手段がエンジンのアイドリング運転状態を検出したときには、昇圧回路に昇圧停止信号が出力されて、バッテリ電圧のままアクチュエータに給電制御を行うことができる。エンジンのアイドリング運転状態のような全筒運転状態では、エンジン振動の周波数は低く、高周波で制御する必要がないので昇圧回路を経た後のバッテリ電圧よりも高い電圧によるアクチュエータの高速応答の制御は不要である。従って、昇圧回路の昇圧動作を停止させて、そのままバッテリ電圧でアクチュエータに給電制御することができ、エンジンがアイドリング運転状態における不要な昇圧回路や給電制御手段、つまり、駆動回路からの放熱が防止できる。
請求項3に係る発明の能動型防振支持装置は、更に、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、制御手段は、車両の車室内に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、制御手段は車室内に配置されているので、休筒運転状態のようなエンジンの高周波振動の抑制のため、制御手段が昇圧回路によりバッテリ電圧より高い電圧に昇圧して給電制御手段からアクチュエータに給電しても、車室の空調装置により、昇圧回路や給電制御手段からの放熱が十分除熱できる。
ここで、バッテリ電圧とは、バッテリそのものの出力電圧のみならず、オルタネータで発電された電圧も含み、前記昇圧回路で昇圧される前の電圧としての総称である。
本発明によると、バッテリ電圧より昇圧してアクチュエータに電力を供給するACM制御ECUにおける、エンジンのアイドリング運転状態の放熱の問題を解決する能動型防振支持装置を提供することができる。
休筒運転状態は、走行中にしか発生しないエンジンの運転状態であり、つまり、車両に乗員が登場した状態である。これに対し、アイドリング運転状態は、無人で放置され、車室の空調装置が必ずしも運転状態になっているとは限らないので、ACM制御ECUの構成部品の温度仕様としては、より厳しい高温状態を想定する必要がある。その場合に、バッテリ電圧より昇圧して給電制御することがないので、その分、ACM制御ECUの構成部品に対する温度仕様を低下でき、ACM制御ECUを小型化、軽量化できる。
実施形態に係る能動型防振支持装置のアクティブ・マウントの構造を示す縦断面図である。 図1のA部拡大図である。 能動型防振支持装置の構成を示す機能ブロック図である。 ACMECUにおける昇圧回路の昇圧許可、昇圧禁止の制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施形態について、適宜図を参照しながら詳細に説明する。
(能動型防振支持装置の全体構成)
図1は、本実施形態に係わる能動型防振支持装置のアクティブ・マウントの構造を示す縦断面図であり、図2は図1のA部拡大図である。
本実施形態に係わる能動型防振支持装置301は、上下方向に伸縮駆動することが可能で、車両のエンジンを車体フレームに弾性的に支承するために用いられるアクティブ・コントロール・マウントMF,MR(以下、「アクティブ・マウントMF,MR」と略称する)を、エンジンの前後方向に2つ配置してなる。
なお、以下ではアクティブ・マウントMF,MRを特に区別する必要がない場合は、単にアクティブ・マウントMと記載する。
ここで、エンジンは、例えば、クランクシャフト(図示せず)の一端にトランスミッションが結合されるとともに、クランクシャフトが車両の本体に横向きに配置される、いわゆる横置きのV型6気筒エンジンである。従って、エンジンはクランクシャフト方向が車両の左右方向に配置され、エンジンによるロール方向の振動を抑制するため、エンジンを挟んで、車両の前方側にアクティブ・マウントMFが、車両の後方側にアクティブ・マウントMRが対にして備えられている。
アクティブ・マウントMF,MRは、エンジンの重心の高さより低い位置に取り付けられ、エンジンの前後方向のロール振動を抑制するとともに、エンジンを車両の車体に弾性支持(支承)する。
図1に示すように、能動型防振支持装置301は、アクティブ・マウントM,M(図1では、代表的に1つのアクティブ・マウントMのみを表示)を制御するアクティブ・コントロール・マウント制御ECU10を備えている。以下では、アクティブ・コントロール・マウント制御ECU200は、「ACMECU200」と称する。
ACMECU200はエンジン回転速度Neや出力トルク等を制御するエンジン制御ECU(以下、「エンジンECU」と称する)100から、専用の信号線、クランクパルス信号線101、TDCパルス信号線102、CAN通信線103、気筒休止信号線104で接続されている。
(ACMの構成)
図1に示すように、アクティブ・マウントMは、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、略円筒状の上部ハウジング11と、その下側に配置された略円筒状の下部ハウジング12と、下部ハウジング12内に収容されて上面が開放した略カップ状のアクチュエータケース13と、上部ハウジング11の上側に接続したダイヤフラム22と、上部ハウジング11内に格納された環状の第1弾性体支持リング14と、第1弾性体支持リング14の上側に接続した第1弾性体19と、アクチュエータケース13に収容された環状の第2弾性体支持リング15と、第2弾性体支持リング15の内周側に接続した第2弾性体27と、アクチュエータケース13に収容され第2弾性体支持リング15及び第2弾性体27の下方に配置された駆動部(アクチュエータ)41等から構成されている。
上部ハウジング11下端のフランジ部11aと、下部ハウジング12の上端のフランジ部12aとの間に、アクチュエータケース13の外周のフランジ部13aと、第1弾性体支持リング14の外周部14aと、第2弾性体支持リング15の上面外周部15aとが重ね合わされてカシメにより結合される。このとき、フランジ部12aとフランジ部13aとの間に環状の第1フローティングラバー16を介在させ、かつフランジ部13aの上面と第2弾性体支持リング15の上面外周部15a下面との間に環状の第2フローティングラバー17を介在させることで、アクチュエータケース13は、上部ハウジング11及び下部ハウジング12に対して上下方向に相対移動可能にフローティング支持される。
第1弾性体支持リング14と、第1弾性体19の上面側に設けられた凹部内に配置された第1弾性体支持ボス18とは、厚肉のラバーで形成された第1弾性体19の下端及び上端で、加硫接着によって接合されている。更に、第1弾性体支持ボス18の上面にダイヤフラム支持ボス20がボルト21で固定されており、ダイヤフラム支持ボス20に内周部を加硫接着によって接合されたダイヤフラム22の外周部が、上部ハウジング11に加硫接着により接合されている。
ダイヤフラム支持ボス20の上面にはエンジン取付部20aが一体に形成され、エンジンに固定される(詳細な固定方法は、図示省略してある)。また、下部ハウジング12の下端の車体取付部12bが図示しない車体フレームに固定される。
上部ハウジング11の上端のフランジ部11bには、ストッパ部材23の下端のフランジ部23aがボルト24及びナット25で結合されており、ストッパ部材23の上部内面に取り付けたストッパラバー26に、ダイヤフラム支持ボス20の上面に突設したエンジン取付部20aが当接可能に対向する。
このような構造によって、アクティブ・マウントMにエンジンから大きな荷重が入力したとき、エンジン取付部20aがストッパラバー26に当接することで、エンジンの過大な変位が抑制される。
第2弾性体支持リング15の内周面には、膜状のラバーで形成された第2弾性体27の外周部が加硫接着により接合されており、第2弾性体27の中央部にその上部が埋め込まれるように可動部材28が加硫接着により接合される。
そして、第2弾性体支持リング15の上面と第1弾性体支持リング14の下部との間に円板状の隔壁部材29が固定されており、第1弾性体支持リング14、第1弾性体19及び隔壁部材29により区画された第1液室30と、隔壁部材29及び第2弾性体27により区画された第2液室31とが、隔壁部材29の中央に開口している連通孔29aを介して相互に連通する。
第2弾性体27の外周部27aは、第2弾性体支持リング15の下面外周部15b(図2参照)と後記するヨーク44との間に挟持され、シール機能を有するようになっている。
また、第1弾性体支持リング14と上部ハウジング11との間に環状の連通路32が形成されている。連通路32は連通孔33を介して第1液室30に連通するとともに、環状の連通間隙34を介して、第1弾性体19とダイヤフラム22により区画された第3液室35に連通する。
コイル組立体43は、固定コア42及びヨーク44間に配置され、コイル46とコイル46の周囲を覆うコイルカバー47とで構成される。コイルカバー47には、下部ハウジング12及びアクチュエータケース13に形成された開口部12c,13bを貫通して外部に延出するコネクタ48が一体に形成され、そこにコイル46に給電する給電線が接続される。
ヨーク44は、コイルカバー47の上面側に環状の鍔部を持ち、その鍔部の内周から下方に伸びる円筒部44aを有する、謂わば、フランジ付き円筒の形状である。コイルカバー47の上面とヨーク44の鍔部の下面との間にシール部材49が配置され、コイルカバー47の下面と固定コア42の上面との間にシール部材50が配置される。これらのシール部材49,50によって下部ハウジング12及びアクチュエータケース13に形成した開口部12c,13bから駆動部41の内部空間に水や塵が入り込むのを阻止することができる。
ヨーク44の円筒部の内周面には、薄肉円筒状の軸受け部材51が上下方向に摺動自在に嵌合しており、この軸受け部材51の上端には径方向内向きに折り曲げられた上部フランジ51aが形成されるとともに、下端には径方向外向きに折り曲げられた下部フランジ51bが形成されている。
下部フランジ51bとヨーク44の円筒部44aの下端との間には、セットばね52が圧縮状態で配置されており、このセットばね52の弾性力で軸受け部材51の下部フランジ51bを下方に付勢して、下部フランジ51bの下面と固定コア42との間に配された弾性体53を介して、固定コア42の上面に押し付けることで、軸受け部材51がヨーク44にて支持される。
軸受け部材51の内周面には、略円筒状の可動コア54が上下方向に摺動自在に嵌合する。更に、固定コア42及び可動コア54はそれぞれ軸線L上の中心部が中空になっており、そこに前記した可動部材28の中心部(軸線L上)に接続して下方に伸びる略円柱状のロッド55が挿通されている。ロッド55の下端部にはナット56が締結される。ナット56は、中心部に上端が開口した中空部を有し、その中空部にロッド55の下端側を収容している。ナット56の上端部56aは、その下方よりもやや外径が大きく、上端部56aの上面が可動コア54のばね座54aの下面と当接するようになっている。
また、可動コア54のばね座54aと可動部材28の下面との間には、圧縮状態のセットばね58が配置され、このセットばね58の弾性力で可動コア54は下方に付勢され、可動コア54の前記ばね座54aの下面がナット56の上端部56aの上面に押し付けられて固定される。この状態で、可動コア54の円筒部の円錐の周面形状の内周面と固定コア42の円錐の周面形状の外周面とが、円錐の周面状のギャップgを介して対向している。
ロッド55に対し、ナット56は固定コア42の中心に形成された開口42a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口42aは、ゴム製のキャップ60で閉塞される。
(アクティブ・マウントの作用)
駆動部41のコイル46は、ACMECU200からの給電制御により励磁され、可動コア54を吸引して可動部材28を下方側に移動させる。この可動部材28の移動に伴い、第2液室31を区画する第2弾性体27が下方に変形して第2液室31の容積が増加する。逆に、コイル46を消磁すると、第2弾性体27が自己の弾性により上方に変形し、可動部材28及び可動コア54が上昇し、第2液室31の容積が減少する。
しかして、車両の走行中に低周波数(例えば、7〜20Hz)のエンジン、車体、サスペンションの連成系において車体の剛体振動とエンジン系の共振により発生する低周波振動であるエンジンシェイク振動が発生したとき、エンジンからダイヤフラム支持ボス20及び第1弾性体支持ボス18を介して入力される荷重で第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化すると、連通路32を介して接続された第1液室30及び第3液室35の間で液体が流通する。この状態で、第1液室30の容積が拡大・縮小すると、それに応じて第3液室35の容積は縮小・拡大するが、この第3液室35の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、連通路32の形状及び寸法、並びに第1弾性体19のばね定数は、前記エンジンシェイク振動の周波数領域で低ばね定数及び高減衰力を示すように設定されているため、エンジンから車体フレームに伝達される振動を効果的に低減することができる。
なお、前記エンジンシェイク振動の周波数領域では、エンジンが定常回転の場合は、駆動部41は駆動しない非作動状態に保たれる。
前記エンジンシェイク振動よりも周波数の高い振動、すなわちエンジンの図示しないクランクシャフトの回転に起因するアイドル時の振動や、エンジンの気筒の一部を休止してエンジンを駆動する気筒休止運転時の振動が発生した場合、第1液室30及び第3液室35を接続する連通路32内の液体はスティック状態になって防振機能を発揮できなくなるため、アクティブ・マウントMF,MRの駆動部41,41を駆動して防振機能を発揮させる。
ちなみに、アイドル振動は、アイドル回転状態でフロア、シート及びステアリング・ホイールが低周波振動を起こすもので、ブルブル振動は4気筒エンジンで、例えば、20〜35Hz、6気筒エンジンで、例えば30〜50Hzであり、ユサユサ振動は5〜10Hzで燃焼不均一にて発生し、エンジンのロール振動が主な要因である。
そこで、駆動部41,41を駆動するため、図2に示すアクティブ・マウントMF,MRを含む能動型防振支持装置301(図1参照)では、ACMECU200が、クランクパルスセンサSa(図1中、「CRKセンサSa」と表示し、以下、「CRKセンサSa」と称する)からのクランクパルス信号、TDCセンサSbからのTDCパルス信号、後記する気筒休止信号に基づき、目標電流値波形を算出し、目標電流値波形をサンプリングしたPWM制御用のACM駆動目標電流値を、後記する駆動制御部(給電制御手段)238A,238B(図3参照)に出力する。そして、駆動制御部238A,238Bは、コイル46,46に対する通電をフィードバック制御する。
図2に示すように構成されるアクティブ・マウントMの駆動部41は、コイル46に電流が通電されていない状態のとき、可動部材28は、第2弾性体27の自己の弾性復元力によって上動する。そして、ナット56が可動コア54を押し上げ、可動コア54と固定コア42との間にギャップgが形成される。
一方、ACMECU200からコイル46に電流が通電されると、コイル46が発生させた磁束線がヨーク44、可動コア54、更にギャップgを上下に貫通して、固定コア42、コイル46に戻る閉じた回路を形成することによって、可動コア54が下方に吸引され、移動する。このとき、可動コア54は可動部材28の下方に接続するロッド55に固定されるナット56を介して、可動部材28を下方に移動させ、第2弾性体27が下向きに変形する。その結果、第2液室31(図1参照)の容積が増加するため、エンジン(図1参照)からの押し荷重で圧縮された第1液室30の液体が隔壁部材29の連通孔29aを通過して第2液室31に流入し、エンジンから車両に伝達される荷重を低減することができる。
逆に、コイル46への通電を止めると、可動コア54は下への吸引力から解放され、下向きに変形していた第2弾性体27が自身の弾性力で上方位置に戻ろうとし、ロッド55に固定されるナット56を介して、可動コア54が上方に引っ張られ、移動する。その結果、ギャップgが形成される。このとき、第2弾性体27が上方に移動する結果、第2液室31の容積が減少するため、エンジンからの引き荷重で減圧された第1液室30へ隔壁部材29の連通孔29aを通過して第2液室31の液体が流入し、エンジンから車両に伝達される荷重を低減することができる。
以上のように、ACMECU200は、コイル46へ通電する電流値を制御することで可動部材28の上下動を制御でき、エンジンのロール振動を車体フレームに伝えないように防振機能を発揮することができる。
以下に、エンジンECU100とACMECU200の機能構成を詳細に説明する。
《エンジンECUの構成》
次に、図3を参照し、適宜図1、図2を参照しながらエンジンECUの構成を説明する。
図3は、能動型防振支持装置の構成を示す機能ブロック図である。
エンジンECU100は、ECU電源回路100a、マイクロコンピュータ100b、ROM(図示せず)、各種センサからの信号接続用のインタフェース回路や、気筒休止ソレノイド111A,111B,111Cを駆動する駆動回路(図示せず)や、ACM電源スイッチ112を通電させるリレースイッチ100c、CAN通信部100d等の各種インタフェース回路を含んで構成されている。
そして、エンジンECU100は、ACMECU200との専用信号線である、クランクパルス信号線101、TDCパルス信号線102、気筒休止信号線104で接続され、更に、ACMECU200及び他のECU、例えば、操舵トルクを電動機の補助力でアシスト制御する電動パワステアリングECU等と、バス型のCAN通信線103で接続されている。
マイクロコンピュータ100bは、ROMに内蔵されたプログラムを読み出して実行することにより実現される機能部である、エンジン回転速度演算部210、要求出力演算部211、気筒数切替判定部212及び燃料噴射制御部213、エンジン制御パラメータ送受信部214を含んで構成されている。
エンジン回転速度演算部210は、CRKセンサSa、TDCセンサSbからの信号に基づいてエンジン回転速度Neを算出し、要求出力演算部211に出力する。
要求出力演算部211は、主に、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルポジション・センサS8からの信号や車速を検出する車速センサS1からの信号、エンジン回転速度演算部210で算出されたエンジン回転速度Ne等に基づいて、減速段を推定し、現在のエンジン出力トルクを推定し、要求トルクを算出したり、それに応じた吸気量を算出し、スロットルバルブ・アクチュエータAC1を制御したりする。
また、エンジン回転速度演算部210は、アクセルポジション・センサS8からの信号とエンジン回転速度Neに基づいて、アイドリング運転状態か否かを判定し、アイドリング運転状態との判定をしている期間、後記するエンジン制御パラメータ送受信部214に、アイドリング状態信号IFLId(以下、「エンジンアイドル中信号IFLId」と称する)CAN通信部100d、CAN通信線103を介してACMECU200に送信させる。
なお、要求出力演算部211における要求トルクに応じた吸気量の算出に当たっては、例えば、水温センサS3からのエンジン冷却水の水温、スロットルポジション・センサS4からのスロットル開度、吸気温センサS5からの吸気温度、エアフローセンサS6からの吸気流速、圧力センサからの吸気圧等が用いられる。
気筒数切替判定部212は、例えば、エンジン回転速度Neや、車速や、要求出力演算部211で算出された現在の推定トルクや要求トルクを用いて、出力トルクの小さい巡航状態を判別し、そのようなエンジンの運転状態と判別したとき、予め設定されたエンジン回転速度や要求トルク等をパラメータにした気筒数決定マップ(図示せず)に基づいて、運転状態の気筒数を切替え、バルブ休止機構の油圧アクチュエータ(図示せず)を動作させる気筒休止ソレノイド111A,111B,111Cの内の1つまたは2つを通電状態にして、4気筒運転または3気筒運転の気筒休止状態に切替制御する。
ちなみに、気筒休止ソレノイド111Aが通電したとき、#1、#2、#3気筒が気筒休止状態となり、気筒休止ソレノイド111Bが通電したとき、#3気筒が気筒休止状態となり、気筒休止ソレノイド111Cが通電したとき、#4気筒が気筒休止状態となる。従って、4気筒運転の場合は、気筒休止ソレノイド111B,111Cを通電状態とし、3気筒運転の場合は、気筒休止ソレノイド111Aのみを通電状態とする。
また、気筒数切替判定部212は、気筒休止状態にしたとき、気筒休止対象の気筒を示す信号である気筒休止信号を、気筒休止信号線104を介してACMECU200の後記するエンジン回転モード判定部233に出力する。
燃料噴射制御部213は、要求出力演算部211において算出された要求トルクや、エンジン回転速度Neに応じて、燃料噴射量、具体的には、燃料噴射時間を設定し、CRKセンサSaやTDCセンサSbからパルス信号のタイミングとエンジン回転速度に応じて予め設定された噴射開始のタイミングマップ(図示せず)に基づいて、運転状態の気筒のインジェクタFIに対して燃料噴射の制御を行う。
燃料噴射制御部213は、O2センサS2からの排気ガス中の酸素濃度の信号に基づいて、燃料噴射量を調節し、排気ガス規制に適合するような燃焼状態に調節する。
ちなみに、エンジン制御パラメータ送受信部214は、マイクロコンピュータ100bには、ACMECU200へエンジン回転速度演算部210で算出したエンジン回転速度Neや、車速や、前記したエンジンアイドル中信号IFLIdや、アクセルポジション・センサ信号SACをCAN通信で出力したり、他のECU、例えば、電動パワステアリングECU(図示せず)等にエンジン回転速度Neや、車速や、エンジン推定出力トルク等のパラメータをCAN通信で出力したり、VSA(車両挙動安定化制御システム:Vehicle Stability Assist)ECU(図示せず)から、加速時アンダステアを検出してエンジンの出力トルク抑制の指示信号を受信したりする。
また、マイクロコンピュータ100bの機能部として、その他に、バッテリBからの電源が、イグニッション・スイッチ113(以下、「IG−SW113」と称する)が、イグニッション・オンの位置にターンされて、ECU電源回路100aに給電された後、マイクロコンピュータ100bが動作開始して、ACM電源スイッチ112のソレノイドを通電状態にするリレースイッチ100cを動作させるACM電源リレー信号出力部215を含んでいる。
図3に示すようにIG−SW113がイグニッション・オンの位置にターンされると、エンジンECU100、ACMECU200にも通電され、ACM電源リレー信号出力部215がリレースイッチ100cをオン状態にし、ACM電源スイッチ112が通電状態となる。その結果、後記する昇圧回路120を介して駆動回路(給電制御手段)121A,121BにバッテリBからの直流電源が接続される。
《ACMECUの構成》
次に、図3を参照しながらACMECUの構成について説明する。ACMECU(制御手段)200は、ECU電源回路200a(図3中、「ECU電源200a」と表示)、マイクロコンピュータ200b、ROM(図示せず)、エンジンECU(エンジン制御装置)100からの信号接続用のインタフェース回路や、CAN通信部200c等の各種インタフェース回路、昇圧回路120、駆動回路121A,121B、電流センサ123A,123Bを含んで構成されている。そして、ACMECU200は、車両の車室内に配置され、昇圧回路120、駆動回路121A,121Bからの放熱を車室内の温度を制御する空調装置により処理するようになっている。
ACMECU200の各機能構成ブロックの機能は、ROM(図示せず)に記憶されたプログラムをマイクロコンピュータ200bが実行することで実現される。具体的には、CAN通信制御部231、クランクパルス間隔演算部232、エンジン回転モード判定部233、振動状態推定部234、位相検出部235、駆動電流演算部236、昇圧回路制御部(給電制御手段)237、駆動制御部(給電制御手段)238A,238Bを含んで構成されている。
CAN通信部200cは、ACMECU200に送信された信号データ、例えば、エンジン回転速度Neを示す信号や、運転者のアクセル踏み込み量の信号であるアクセルポジション信号SAC、エンジンアイドル中信号IFLIdを読出し、CAN通信制御部231に出力する。CAN通信制御部231は、エンジン回転速度Neを示す信号や、アクセルポジション信号SACをエンジン回転モード判定部233に出力し、エンジンアイドル中信号IFLIdを昇圧回路制御部237に出力する。
クランクパルス間隔演算部232は、マイクロコンピュータ200bの内部クロック信号とエンジンECU100からのクランクパルス信号及びTDCパルス信号により、クランクパルスの間隔を算出する。
エンジン回転モード判定部233には、エンジンECU100からのエンジン回転速度Neを示す信号、休筒している気筒を示す休筒信号、アクセルポジション信号SAC、クランクパルス間隔演算部232で算出されたクランクパルス間隔が入力される。
エンジン回転モード判定部233は、これらの信号に基づいて、エンジンの回転モードをエンジン始動時のエンジン発動を検出してエンジン起動状態と判定したり、その後、エンジン回転速度Neの上昇を監視して所定のエンジン回転速度以上に達したときアイドリング運転状態と判定したり、休筒信号に基づいてエンジンの運転状態が全筒運転状態か2筒休筒運転状態か、3筒休筒運転状態かを判定したり、アクセルポジション・センサ信号に基づいてアイドリング運転状態と判定したりする。
振動状態推定部234は、エンジン回転モード判定部233からの回転モードの判定がアイドリング運転状態や、全筒運転状態、休筒運転状態の場合、その判定に基づいて、クランクパルス間隔からクランク軸の回転変動を検出することとし、回転変動のP−P値(ピークから次のピークまでの間隔)から、エンジン振動の大きさ、エンジン振動の周期を求め、位相検出部235及び駆動電流演算部236にエンジン振動の周期及び大きさ、クランク軸の回転変動のピークのタイミング等を出力する。このとき、エンジン回転モード判定部233から入力された、エンジンの回転モードのフラグ信号に応じて算出して出力する。つまり、ここではV型6気筒エンジンなので、例えば、全筒運転状態の場合は、エンジン振動3次とし、3筒休筒運転状態の場合はエンジン振動1.5次として推定する。この振動状態の推定方法については、例えば、2003年9月18日開催の自動車技術会秋季学術講演会の前刷集の「111 アクティブエンジンマウントの開発」に記載された公知の技術なので詳細な説明は省略する。
位相検出部235は、アイドリング運転状態や、全筒運転状態、休筒運転状態の場合は、振動状態推定部234からのクランク軸の回転変動のP−P値、回転変動のピークのタイミングと、エンジンECU100からのクランクパルス信号、各気筒のTDCパルス信号と、に基づいて、クランク軸の回転変動のピークのタイミングとTDCのタイミングを比較し、位相の算出を行い、アクティブ・マウントMFとアクティブ・マウントMRのそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できる位相遅れを駆動電流演算部236に出力する。
駆動電流演算部236は、それを受けてエンジン回転速度Neを示す信号に基づいて前記エンジン振動3次、またはエンジン振動1.5次に合わせて、アクティブ・マウントMFとアクティブ・マウントMRのそれぞれを振動の周期毎にエンジン振動波形を相殺できるマウント動作となるように、駆動電流波形を生成し、駆動電流を出力するまでの位相遅れ周期内に駆動電流波形をサンプリングして、PWM制御用のACM駆動目標電流値を取得して、駆動制御部238A,238Bに出力するとともに、昇圧回路120の後記する電流制御部(図示せず)にも出力する。
昇圧回路制御部237は、エンジンアイドル中信号IFLIdをCAN通信制御部231から受信している期間、昇圧回路120に出力する昇圧許可信号をOFF状態とし、エンジンアイドル中信号IFLIdをCAN通信制御部231から受信していないときは、昇圧回路120に出力する昇圧許可信号をON状態とする。
ACM電源スイッチ112に通電状態のとき、バッテリBまたはオルタネータからの供給される直流電源は、昇圧回路120と接続状態となる。昇圧回路120は、例えば、昇圧チョッパ回路で構成され、図示省略するが公知のようにリアクトル、スイッチング素子、ダイオード、コンデンサ、電流検出センサ、前記コンデンサの電圧検出センサ等の回路素子と、電圧制御部、電流制御部、PWM制御部を含んで構成されている。
前記PWM制御部に昇圧回路制御部237からの昇圧許可信号がONの信号が入力されているとき、PWM制御部は、所定の電圧、例えば、24Vに昇圧させて、駆動制御部238A、238Bから出力されるAMC駆動目標電流値の合計値の電流を供給するように前記した電圧制御部、電流制御部に制御され、駆動回路121A,121Bに昇圧された直流電力を供給する。
前記PWM制御部に昇圧回路制御部237からの昇圧許可信号がONの信号が入力されていないとき(OFF)、昇圧回路120は、バッテリ電圧をそのまま駆動回路121A,121Bに供給する。
なお、図3中、駆動制御部238A,238Bから昇圧回路120への要求電流値の入力信号線は、省略されている。
駆動回路121A,121Bはスイッチング素子で構成され、駆動制御部238A,238BにPWM制御のON,OFFを制御されてアクティブ・マウントMF、MRの駆動部41,41(図1参照)へ給電する電流値を制御する。駆動回路121A,121Bから給電される電流値は、電流センサ123A,123Bでそれぞれ検出され、駆動制御部238A,238Bに入力される。
駆動制御部238A,238Bは、それぞれのACM駆動目標電流値と計測されたそれぞれの電流値の偏差を取り、偏差に応じて、次のPWM制御の周期の新たなACM駆動目標電流値に対するPWMデューティ指令を補正して駆動回路121A,121Bへ出力する。
このように、駆動制御部238A、238Bは、ACM駆動目標電流値に対するPWMデューティ指令をフィードバックして出力することにより、アクティブ・マウントMF,MRの駆動部41に給電する。
次に、図4を参照しながら昇圧回路制御部237における昇圧回路120の昇圧許可、昇圧禁止の制御について説明する。
図4は、ACMECUにおける昇圧回路の昇圧許可、昇圧禁止の制御の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS01において、昇圧回路制御部237は、CAN通信制御部231を介して、IG−SW113が操作されて電源投入後、エンジンECU100からACMECU200へのCAN通信によるデータ受信が開始されたか否かをチェックする。電源投入後、CAN通信によるデータ受信が開始された場合(Yes)は、ステップS02へ進み、CAN通信によるデータ受信が開始されていない(No)場合は、ステップS05へ進む。
ステップS02では、昇圧回路制御部237は、CAN通信制御部231を介して、CAN通信エラーのフラッグが立っているか否か、つまり、CANエラー有りか否かをチェックし、CANエラー無し場合(No)は、ステップS03へ進み、CANエラー有りの場合(Yes)は、ステップS05へ進む。
ステップS03では、エンジンアイドル中信号IFLIdを受信しているか否かをチェックする。エンジンアイドル中信号IFLIdを受信している場合(Yes)は、ステップS04へ進み、エンジンアイドル中信号IFLIdを受信していない場合(No)は、ステップS05へ進む。
ステップS04では、昇圧禁止とする、つまり、昇圧回路120へ出力する昇圧許可信号をOFFの状態とする。そして、一連の制御の処理を終了し、ステップS01からの制御を繰り返す。
ステップS05では、昇圧許可とする、つまり、昇圧回路120へ出力する昇圧許可信号をONの状態とする。そして、一連の制御の処理を終了し、ステップS01からの制御を繰り返す。
ここで、ステップS03,04における制御が、特許請求の範囲に記載の「前記制御手段は、前記エンジンを制御するエンジン制御装置からの前記エンジンのアイドリング運転状態を通知するエンジンアイドル中信号を受信したとき、前記推定されたエンジンの振動状態が、所定周波数以下と判定する」に対応する。
また、アイドリング運転状態のエンジンの振動周波数が、特許請求の範囲に記載の「所定周波数以下」に対応する。
以上、本実施形態によれば、ACMECU200が、昇圧回路120によってバッテリ電圧から、例えば、24Vに昇圧して、それを駆動回路121A,121Bに供給している構成とした場合も、車室内が無人となる可能性のあるエンジンのアイドリング運転状態のとき、エンジンECU100がアイドリング運転状態を検出して、CAN通信線103を介して、ACMECU200にエンジンアイドル中信号IFLIdを送信し、ACMECU200の昇圧回路制御部237がエンジンアイドル中信号IFLIdを受信している期間、昇圧回路120へ出力する昇圧許可信号をOFFの状態とする。つまり、昇圧回路120はバッテリ電圧から24Vに昇圧することなくそのままのバッテリ電圧で駆動回路121A,121Bに電力供給する。
その結果、ACMECU200からの放熱、特に、昇圧回路120、駆動回路121A,121Bからの放熱が低減される。
また、エンジンの振動状態が、所定周波数以下であると判定するために、エンジンの振動状態の周波数の変化状態を振動状態推定部234で求めて判定する必要がなく、例えば、エンジンのアイドリング運転状態におけるエンジンの振動周波数であることを、エンジンECU100がエンジンアイドル中信号IFLIdを送信し、ACMECU200がそれを受信することで、簡単に判定でき、制御が簡単になる。
エンジンの休筒運転状態は、走行中にしか発生しないエンジンの運転状態であり、つまり、車両に乗員が登場した状態である。これに対し、アイドリング運転状態は、無人で放置され、車室の空調装置が必ずしも運転状態になっているとは限らないので、ACM制御ECU200の構成部品の温度仕様としては、より厳しい高温状態を想定する必要がある。その場合に、バッテリ電圧より昇圧して給電制御することがないので、その分、ACM制御ECU200の構成部品に対する温度仕様を低下でき、ACM制御ECU200を小型化、軽量化できる。
《変形例》
本実施形態では、エンジンECU100からCAN通信線103を介してエンジンアイドル中信号IFLIdをACMECU200に送信し、CAN通信制御部231で受信して、昇圧回路制御部237においてエンジンアイドル中信号IFLIdを受信しているか否かを判定して、昇圧回路120に昇圧許可信号をON/OFF制御していたがそれに限定されるものではない。以下に、本実施形態の変形例について説明する。
(第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例では、前記した振動状態推定部234において、求められたエンジン振動の周期からエンジンの振動状態が、所定周波数以下、つまり、アイドリング運転状態におけるエンジンの振動周波数か否かを判定し、所定周波数以下のとき、昇圧回路制御部237を介して、昇圧回路120へ出力する昇圧許可信号をOFFの状態とさせても良い。
(第2の変形例)
本実施形態の第2の変形例では、CAN通信制御部231が、エンジン制御ECU100から、アクセル踏み込み量の信号であるアクセルポジション信号SACと、エンジン回転速度Neを示す信号とを受信し、エンジン回転モード判定部(アイドリング状態検出手段)233に出力し、エンジン回転モード判定部233において、アクセルポジション信号SACからアクセルペダルが運転者によって踏み込まれていないことを判定して、エンジンのアイドリング運転状態と判定して、昇圧回路制御部237にエンジンアイドル中信号IFLIdを出力するようにしても良い。
(第3の変形例)
更に、前記第2の変形例の代わりに、本実施形態の第3の変形例では、CAN通信制御部231が、エンジン制御ECU100から、エンジン回転速度Neを示す信号を受信し、エンジン回転モード判定部(アイドリング状態検出手段)233に出力し、エンジン回転モード判定部233において、エンジン回転速度Neの値が、予め設定されたエンジンのアイドリング運転状態時のエンジン回転速度範囲に入っているとき、エンジンのアイドリング運転状態と判定して、昇圧回路制御部237にエンジンアイドル中信号IFLIdを出力するようにしても良い。
41 駆動部(アクチュエータ)
100 エンジンECU(エンジン制御装置)
100b マイクロコンピュータ
120 昇圧回路
121A,121B 駆動回路(給電制御手段)
200 ACMECU(制御手段)
200b マイクロコンピュータ
232 クランクパルス間隔演算部
233 エンジン回転モード判定部(アイドリング状態検出手段)
234 振動状態推定部
235 位相検出部
236 駆動電流演算部
237 昇圧回路制御部(昇圧回路制御手段)
238A,238B 駆動制御部(給電制御手段)
301 能動型防振支持装置
M,MF,MR アクティブ・コントロール・マウント
Sa クランクパルスセンサ
Sb TDCセンサ

Claims (3)

  1. エンジンを車体に支承するとともに、前記エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力に基づいて前記エンジンの振動状態を推定する制御手段がアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、
    バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、
    前記昇圧回路で昇圧された電圧で、前記アクチュエータへ給電制御することが可能な給電制御手段と、
    前記昇圧回路に昇圧停止信号を出力する昇圧回路制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記エンジンを制御するエンジン制御装置からの前記エンジンのアイドリング運転状態を通知するエンジンアイドル中信号を受信したとき、前記昇圧回路制御手段に昇圧停止信号を出力させ、前記昇圧回路による前記バッテリ電圧からの昇圧を停止して、前記給電制御手段に前記バッテリ電圧のまま給電制御を行わせることを特徴とする能動型防振支持装置。
  2. エンジンを車体に支承するとともに、前記エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力に基づいて前記エンジンの振動状態を推定する制御手段がアクチュエータを伸縮駆動して、振動の伝達を抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段は、
    バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、
    前記昇圧回路で昇圧された電圧で、前記アクチュエータへ給電制御することが可能な給電制御手段と、
    前記エンジンを制御するエンジン制御装置から、前記エンジンに入力されるアクセル踏み込み量の信号及びエンジン回転速度の信号のうちの少なくとも1つを受信して、前記エンジンのアイドリング運転状態を判定するアイドリング状態検出手段と、
    前記アイドリング状態検出手段が前記エンジンのアイドリング運転状態を検出したのを受けて、前記昇圧回路に昇圧停止信号を出力する昇圧回路制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記アイドリング状態検出手段が前記エンジンのアイドリング運転状態を検出したとき、前記昇圧回路による前記バッテリ電圧からの昇圧を停止して、前記給電制御手段に前記バッテリ電圧のまま給電制御を行わせることを特徴とする能動型防振支持装置。
  3. 前記制御手段は、車両の車室内に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の能動型防振支持装置。
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